無風のPTA総会から帰ってきて、ネットにつなげると、
教育再生会議:「親学」先送り決定 毎日新聞 2007年5月11日 東京夕刊
のニュース。
政府の教育再生会議は11日午前、首相官邸で合同分科会を開き、親に向けた子育て指針として同日にも発表予定だった「『親学(おやがく)』に関する緊急提言」について当面、発表を先送りすることを決めた。「親学」との表現を使わないことも確認した。今月末以降の第2次報告に反映させる方向で調整する。政府や与党内にある「国民への教育観の押し付け」などの反発や批判に配慮した。
ただ、同会議に出席した安倍晋三首相は「議論が物議を醸しているのは事実だが、もっと物議を醸していいのではないか」と発言した。
提言発表は山谷えり子首相補佐官らの主導で計画されたが、個人の価値観にかかわる内容を含んでいたことから政府・与党内に国民の反発への懸念が広がっていた。山谷補佐官は会議終了後の会見で「第2次報告に収れんさせる部分と(報告と別に)情報提供する部分を考えたい」と語った。【平元英治】
前の日記
では、「先送り」の調整に入った、という段階だったものが、正式に決定したわけです。
で、「今月末以降の第2次報告に繁栄させる方向で調整」ということでこの騒動も収束です。
なんだか、教育再生会議の有識者の方々がお気の毒になってしまいました。
なんども書きますが、この「提言」なるものは、4月17日の第二分科会で、 山谷えり子首相補佐官(教育再生会議担当室 事務局長… 委員ではないことに注意!
)
の発案で、議事要旨によれば浅利慶太委員が賛同を表明、事務局主導で取りまとめられたものです。
しかも、 4月26日の毎日新聞報道による「概要・骨子」
では、事務局長である山谷えり子補佐官の発言がたくさん盛り込まれています。提言の考え方のベースが事務局長の発言であるような有識者会議なんておかしいですよ。山谷えり子補佐官は、あくまでも庶務を担当する事務局長であって、委員ではないんですから。そして、その「提言概要・骨子」は、毎日新聞の報道後、委員、政府、与党からも批判が噴出し、修正を余儀なくされた挙句に、「見送り」ということになりました。
それでも、安倍首相は「議論が物議を醸しているのは事実だが、もっと物議を醸していいのではないか」と発言し、山谷えり子補佐官は「第2次報告に収れんさせる部分と(報告と別に)情報提供する部分を考えたい」と会議終了後に発言するわけです。
これ以上、ボロがでるのを防ぐために「提言」を切って捨てたような印象を受けます。
あるいは、「提言」の騒動も、「『徳育』の教科化」の露払いに使われてしまうかも知れません。「親学」へのこだわりは山谷えり子補佐官のものなのか、安倍首相のものなのかはわかりません。議事録からは、山谷えり子補佐官自身のこだわりもかなり反映されているように見えますが・・山谷えり子補佐官の提案に賛成した委員は、うまく利用されただけ、ということでしょう。
このあたり、特に、安倍首相の発言については、報道各社で多少ニュアンスの違いがありますから、リンクを貼っておきます。読み比べてみてください。
「子育て提言」見送り、教育再生会議内で慎重論出る 2007年5月11日11時52分 読売新聞
合同分科会に出席した安倍首相は「第2次報告は『学校教育』『大学・大学院教育』『社会総掛かり』『学校・大学応援プロジェクト』が4本柱だ。会議の議論が物議を醸しているが、批判を恐れず、活発な議論をしてほしい」と述べた。
大学再生など4本柱提起へ 教育再生会議、第2次報告で 2007年5月11日 15時26分 共同通信発 東京新聞
安倍晋三首相は会議の途中から出席し「徳育というとアレルギーを起こすのはおかしい。どんどん議論し、物議を醸してほしい。そうすることでアレルギーがなくなり、冷静に議論できる」とあいさつ、議論の活性化を促した。
教育再生会議、第2次報告骨子案を議論 産経WEB 2007年5月11日 16:45
首相は、再生会議が議論している「徳育」の教科化などに一部で懸念が示されていることを念頭に、「皆さんの議論が社会で物議を醸しているが、どんどん物議を醸していい。いろんな偏見やアレルギーがあるのだろうが、恐れずどんどん議論してもらいたい」とあいさつした。
また、第2分科会が提起した親が子育てを学ぶ「親学」に関する緊急提言について、引き続き内容や提言方法を調整する方針を確認。「徳育」は特設教科と位置づけ、評価の是非や方法を検討することで一致した。
さらに、 「教育再生会議:政府・与党の参院選懸念で『親学』先送り」(毎日新聞 2007年5月11日 22時15分)
という記事もでました。以下引用です。
(前略)4月25日の提言の概要に盛り込まれていた母乳による育児や子守歌の推奨は、安倍晋三首相の保守支持層が求めてきた内容。しかし与党は「女性にとって微妙な問題」(自民党文教族)とみて、参院選を控え女性層や無党派層の反発を危惧(きぐ)した。河野太郎氏ら衆院議員6人が8日発売の月刊誌「世界」6月号で、再生会議について「議論に深みがない」などと批判する論文を寄稿し、波紋は一気に広がった。
伊吹文明文部科学相は塩崎恭久官房長官らに「人を見下した訓示をするのは適当でない」と忠告し、11日の会見では「親学として言われていることは悪いことではないが、できる環境にいる人は極めて少ないのではないか」と働く母親らの立場に配慮を示した。官邸内でも「政策の裏付けがなければ、また批判される」(政府筋)との声が強まり、10日夕、首相は山谷氏に提言の先送りを指示したとみられる。(後略)
↑の記事によれば、
義家委員は第2次提言に「子育ての指針」を入れるのに熱心なようです。
ただ、仮にも教員経験を持つ義家委員が、最近の保護者に対して求めていきたいと考える「子育ての指針」と、阿倍首相や山谷補佐官の考えている「子育ての指針」との間には多少のギャップがありそうです。また、安倍首相と山谷補佐官の間にも認識の違いがあるかもしれません。少なくとも、参院選への影響を考えて引っ込める程度の信念じゃ、国家百年の計を考えて、政治生命をかけて「教育改革」を成し遂げるというわけじゃなさそうだし。「官邸内でも『制作の裏付けがなければ、また批判される』との声が強まり」って、何を今さら、という感もあるのですが、もしかしたら、情緒に働きかけて人気とりをしようとしたらコケた…ということでしょうか。…人権メタボ発言をした伊吹文科相が、働く母の立場に配慮した発言、というのもいい味だしてます。
最初から言われていたことですが、
やっぱり、教育再生会議は・・・
有識者の意見を聞く会ではなく、
阿倍政権の都合のいい意見にハクをつけるために招集された会議でしかない・・
のでしょうか・・・
ともあれ、「親学」という言葉はひっこめても、「子育て指針」を盛り込もうという第2次報告へむけての議論を今後も注目していこうと思います。
次の日記に、補足として山谷えり子補佐官の4月17日の分科会での発言について書くつもりです。
山谷えり子参議院議員の質問・・教育再生… 2009.03.13 コメント(8)
教育再生会議最終報告 2008.01.22 コメント(2)
山谷えり子首相担当補佐官 2008.01.09 コメント(2)
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