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急激な国際為替相場の変動による円高は、製造業に限らずさまざまな産業が、企業規模の大小を問わず、静かに真剣勝負のグローバル化(≒空洞化)へ動き出しています。だが、雇用創出しなくて国民の幸せはありません。もっと深くいろいろな手段をもって産業の再編をしなければなりません。その中には値上げもありますし、円建て貿易や、為替ヘッジもあります。
日本のお家芸たる摺り合わせ工程や研究開発機能も例外ではありません。ここまで官僚政治に滅茶苦茶をやられると「ご先祖様も怒るまい」と、いよいよ全社一丸、ガチンコで世界に打って出る決心覚悟ができた印象です。少子高齢化で国内市場が縮み、他方で世界経済、とくに新興国が成長を続けるなかで、日本企業がフルグローバル企業に進化することは、もともと避けて通れない大経営課題です。政権の大暴走・大迷走は、むしろ個別企業の経営改革を進めるうえでは、たいへんな追い風、チャンスになっていると考える人もいます。ところが日本国内で生産しなければ技術流出の問題や生じます。産業構造の変革が急がれます。日本企業の再編、企業誘致で日本人の若者に雇用機会をあたえなければ政治はいらなくなります。
日本国のマクロ経済という観点からは、これは雇用と所得の空洞化という構造的な下振れ要因を加速させかねません。とくにこの空洞化が、日本的な高品位のものづくりや高度な研究開発を下支えする社会的インフラ、人材インフラまで及ぶと、将来、為替や貿易条件が変わっても、そう簡単に高付加価値経済活動は戻ってこなくなるのかもしれません。「今回の空洞化については、産業界は本当に真剣、ガチンコだと思う。その証拠に、米国からの要望という内政干渉だった「法人税を下げてくれ」「TPP参加を急げ」と声高に誰も言わなくなりました。
科学的安全性の評価はともかく、政治的な現実として、原発の新設はきわめて困難だろうということです。仮に現存する原発を再稼働できても、老朽炉から廃炉になっていき、原発の数は縮小していく可能性が高いです。経済同友会の長谷川閑史代表幹事の言葉を借りれば「縮原発」はおそらく不可避です。そうなると代替エネルギーの開発が、より重大な国家戦略マターになります。
しかし今後、日本が官民を挙げて新たなクリーンエネルギーの開発に成功しても、その技術による商品開発や生産活動が国内で行なわれなければ、日本国民にとっての経済効果はやはり限定的。逆に、ドイツ人ダイムラーとベンツが発明し、米国人フォードが産業化したガソリン自動車が、わが国に膨大な雇用と巨額の所得をもたらしてきたことからわかるように、この国に産業立地としての優位性があれば、どこで誰が開発した技術でも、私たちは必ず豊かになれる。日本国は日本国で日本国の企業誘致や雇用創出をしなければ国債の償還が危ぶまれる時期にさしかかっています。
これからは、宿原発か脱原発が不可避な情勢だろうからこそ、送電分離や新エネルギー・バイオ医療研究産業立地戦略(貿易自由化政策、法人税体系の抜本見直し、労働市場の柔軟性の拡大、そして必然の円高とその背景要因の一つであるデフレの克服)の実行を急がないと、やがて日本国は存亡の危機に陥ってしまいます。この先、東関東大震災の未来都市計画など数年の復興特需あるうちに手を打っておかないと、深刻な時代の到来がくるかもしれない。それに懲りて現在では、様々なリスクを最小化することを目的とした取引や行動をするわけです。
他に例えば、輸出企業が為替の変動による営業上のリスクをヘッジングするために、通貨オプションを購入(為替予約)し、為替リスクを相殺する場合などの「ヘッジ取引」というものが多くの企業で採用されているはずなのですが、この為替ヘッジを行うためには、現時点で将来の為替レートを予約しておく、つまり一定期間後の高金利通貨を売り、円を買う取引を予約しておく(為替予約)ことが必要になります。そして、為替ヘッジコストは一般的に、円とヘッジ対象通貨(米ドル)の短期金利の差になります。高金利通貨を売って低金利の円を買うわけですから、それは為替ヘッジコストということになります。
他に、人気の通貨選択型投資信託では、高金利通貨で金利の低い通貨をヘッジします。将来のために、金利の低い通貨を売って高金利通貨を買うわけですから、その差が為替ヘッジプレミアムとなり儲けとなるのです。
外貨のままで償還金や利息を受け取る場合には、為替変動の影響を受けることはありません。しかし、外貨ベースで儲かっていても円で受け取る際に、為替の変動で損失を被ることがあります。為替リスクや為替ヘッジについてはしっかりと理解しておくことが大切です。
為替リスクを回避するための取引の事。例えば2ヶ月先の輸出契約を外貨建てで行う場合、2ヶ月先の実際の円貨額はいくらになるのかわからない。その場合のリスクを避ける取引です。
また貿易取引だけではなく、国内投資家が持っている外債の為替リスクのヘッジという資本取引としてのヘッジ取引もある。どちらにしても為替相場を動かす大きな要因と考えられる。米ドルで交易を行う際に、ニューヨーク連銀が銀行間の取引を保証するからです。
米ドルの信頼が失墜していますが、それでも世界の基軸通貨の国のニューヨーク連銀は国際間の銀行取引を完全に掌握していることになります。余談ですが、これを余り知られていない。昔、新興企業の創業者で国会議員にも立候補した人がいました。その人が海外に送金していた米ドルを完全に連銀が掌握していた。米国の国力に裏付けされた信用力が存在するからこそ、米ドルが基軸通貨として君臨できているのです。
産業の空洞化をさせてはならない 。(おしまい)