遊心六中記

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2022.03.10
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カテゴリ: 観照 & 探訪
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第1回目にご紹介した 施設案内図 を載せます。山荘を出て庭を巡るご紹介をするにあたり、現在位置をご理解いただきやすいと思いますので。
山荘を出ますと、

入口のすぐ近くの一隅にさりげなくこの 石造物 が置かれています。
これを見て連想したのは京都国立博物館の東の庭です。ここには、寄贈された「李朝墳墓表飾石造遺物」が一括して野外展示されています。この中に「石造方台(魂遊石)」8基が展示されています。ここに置かれた石造物がこの 石造方台と同種


この 門を再掲 します。左の方に、 朝鮮形の石灯籠 が置かれています。
李朝墳墓にこの形式の石灯籠が見られるので、上掲の石造方台と照応しているとみることができます。
 今回、この門の斜め左前に置かれたこの 石像 に触れて起きましょう。これもまたさりげなく置かれている感じです。見落としていく人もいるかもしれません。 3人の童像 です。

小川 が見えます。ここに 春日灯籠タイプの石灯籠 も置かれています。

小川の傍から、冒頭の施設案内図に青丸を追記したところ、橡ノ木茶屋まで戻ります。

橡ノ木茶屋の南側には、 庭園に降って行くための入口

山荘入口への前庭は、この辺りでは前庭と庭園との間に高低差があり、 茶色の洋瓦屋根の塀 が境界となっています。上掲の 小川は前庭を横切り、この塀に設けられた開口部に至ります


前庭から見ると平屋に見える 茶屋 は、高低差をうまく利用して建てられた 2階建て であることがこれでよくお解りになるでしょう。1階は手洗所で、2階が茶室となっているそうです。

上掲の小川は、塀の開口部を過ぎると 滝となって、庭園の池に水が流れ込んで行く ようです。池のメンテナンス中でしたので、石が見えているだけですが。


茶屋の1階から塀沿いの通路を下って反時計回りに、庭園内の池畔を回り込んで行きます。

      池を回り込むと、 北辺に「地中の宝石箱(地中館)」の通路 が見えます。
今は木々の葉が落ちていますので、安藤忠雄の建築の特徴であるコンクリート打ちっぱなしの通路がはっきりと見えますが、樹木の葉が生い茂ると、ほぼその陰に隠れてしまうようです。
こちらの池も水が抜かれていて池底が見えています。

 こちらの庭園にも 朝鮮形の石灯籠


庭園の南端側に、このモニュメント が置かれています。


        円い穴があれば、その先を覗いてみたくなります。

このモニュメントから西方向にあるレストハウスに向かう通路です。
このシリーズの第1回にご紹介した景色とつながります。向こうの坂道から眺めた道がこれ!
 もう一基、 朝鮮形の石灯籠

       庭園内の池を結ぶ小川には頑丈な石橋(反り橋)が架けてあります。
地中館への通路を東側から眺めた景色
右側には円柱形の地中に埋め込まれた建物部分のコンクリート壁面の一部が見えます。



樹木の向こうに、東屋(休憩所)が見えます。
石橋に引き返し、通路沿いに東屋に向かいます。




東屋の手前は楕円形の広場になっていて、 バリー・フラアナガン作のブロンズ像「ボールをつかむ鉤爪の上の野兎」 (1989/90年)が置かれています。
東屋 (無料休憩所)
東屋の傍に置かれた石灯籠
手許の本では 雪見変型 という名称で同種の石灯籠図が載っています。



冒頭の施設案内図に 紫色の丸を追記したところ もう一つの小さな池 です。
池の反対側に山荘の本館 が見えています。
こちらの池には少し水が残っていますが、 東屋の傍を通りこの池につながる小川 は河底が見えています。小川にある大石の配置もよくわかります。小川と池との間に境界が設けてあるのは水の流れ、堰き止めとの関係でしょうか・・・・。



       小径をたどり、山荘本館の側面に近づきました。1階展示室2の側面が見えています。
       樹木の葉が茂れば周辺はこんもりと木々の緑に覆われてしまう形になります。
       枝折戸が閉じられていてそれ以上は近づけませんでした。
こちらにも雪見変型の石灯籠



池畔に戻り、

レストハウスに向かう通路を辿っていきます。そこからは坂道を下るだけです。

坂道を上るときには左側の景色ばかりを見ていました。
逆に、坂道を下るときに 庭のある左側 を眺めると、庭の斜面には水仙らしき 花が群生 しています。

ズームアップして撮ってみました。 地中館への通路が花々のさきに 少し見えています。
これも樹木が緑の葉を繁らせると坂道からは見えなくなることでしょう。

 レンガ造りの 入口に戻ってきました
内側には「天王山悠遊」と刻されている石板がアーチの上部に嵌め込んであります。最後の文字はその字体から私の類推した判読です。間違っているかもしれません。

この入口の正面には、「琅玕洞」と刻されていました。
ガイドブックにもこの語句の意味説明は記されていません。
手許の辞典を引きますと、「琅玕」は「1.玉に似た美しい石。 2.美しい竹の異名。 3.美しい文章のたとえ。」 (『角川新字源』) という意味だそうです。「洞」には、つらぬく、通りぬける、という意味やほら、ほらあなの意味があります。 (同上)

これで大山崎山荘美術館の建物群と庭のご紹介を終わります。
四季の折々にこの山荘を訪れると、その都度異なった表情、風情をみせてくれ、楽しめそうです。

ご覧いただきありがとうございます。

参照資料
* 当日入手したリーフレットと館内順路案内図
*『アサヒビール大山崎山荘美術館 ガイドブック』アサヒビール大山崎山荘美術館
*『和の庭図案集』 design book  建築資料研究社

補遺
アサヒビール大山崎山荘美術館 ​ ホームページ
ユネスコ世界遺産をめぐる 朝鮮王朝の王の墓 王陵 ​ :「KOREAPR.jp」
西五陵 ​ :「SEOL navi」
朝鮮王陵物語ー東九陵(トングルン) ​  :「TORAKOREA トラさんの韓国ガイド日誌」
バリー・フラナガン ​  :ウィキペディア
バリー・フラナガン ​  :「三重県立美術館」
常設作品紹介 バリー・フラナガン ​  :「彫刻の森美術館」

  ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

スポット探訪&観照 京都府・大山崎町 アサヒビール大山崎山荘美術館 -1 へ
スポット探訪&観照 京都府・大山崎町 アサヒビール大山崎山荘美術館 -2  へ
観照 みうらじゅんマイ遺品展 at アサヒビール大山崎山荘美術館,京都府 へ

こちらもご覧いただけるとうれしいです。
​​ 探訪 京都国立博物館 建物と庭 -3 東の庭(李朝墳墓表飾石造遺物を中心に)





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Last updated  2022.03.10 12:25:24
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