音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2009年08月11日
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 男が聴いても惚れ惚れする男性ヴォーカルというのは存在する。変な意味ではなくて、まじめな話だ。筆者にもそんなシンガー・ヴォーカリストが何人かいるのだが、このビクトル・マヌエル(Víctor Manuel)はその筆頭である。

 ビクトルは、1947年生まれで、スペイン北部出身のシンガーソングライター。フランコ独裁期から現代スペインへの「移行期」を象徴するアーティストの一人とされる。60年代後半からアーティストとしての活動を始め、アナ・ベレン(Ana Belén、公私とものパートナー)と長年デュオで活動しているが、本作のようなソロ作もコンスタントに発表している。

 さて、そのビクトルの声であるが、これを描写しようにも言葉が見当たらない。自分自身の言語能力の低さを嘆きたくもなるが、そもそも音を言葉で説明するのは難しいわけで、何ともならない。なので、声質については、興味のある方はぜひ聴いていただき、感じ取っていただきたい。

 音楽的な部分は説明できそうなので、付け加えておきたい。アナ・ベレンとのデュオでもたまに見られるのだが、叙情性をたたえたアレンジの曲・演奏が基本である。つまり、明るいポップスではなく、何某かの情景や光景、それも孤独・悲しみ・慈悲などの語を思い起こさせる情景が目前に浮かぶような雰囲気に仕上がっている曲が多い。こうしたアレンジは、詞のストーリーと相まって叙情的な作品に仕上がる、というのがビクトルの諸作に典型的な特徴である。そしてこの叙情性はおそらく、彼の出身地(スペイン北部アストゥリアス)とも関係しているのだと思う。一般にスペインと言うと、明るい太陽の南部や地中海沿岸のイメージであろうが、北部はもっと暗い。そうした意味では、ステレオタイプなスペイン・イメージとはまったく異なる音楽である。

 声質の説明ができなかったので、わかりづらいとは思うが、単なる明るいポップスを求めるのではなく、叙情性に富んだ短編映画集を見るような音楽を求める人には、おすすめのアーティストだと思う。そして、筆者のいちばんのお気に入りアルバムがこの『シン・メモリア』(1996年)である。



[収録曲]

1. Sin memoria ←おすすめ!
2. Canción pequeña

4. Cuatro latas de cerveza
5. Como no estabas tú
6. Agua de la fuente clara
7. Yo ya no soy el que soy ←おすすめ!
8. Vete pena
9. Niño de nadie ←おすすめ!
10. Cayó la luna
11. Como el agua en un pañuelo
12. Laura ya no vive aquí ←おすすめ!

1996年リリース。





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Last updated  2010年01月28日 10時02分38秒 コメントを書く
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