音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2009年09月24日
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テーマ: Jazz(1968)
カテゴリ: ジャズ




 知り合いに大西順子によく似た女性がいる。年齢は近いが、別に顔が似ているわけではない。しかし、私には彼女と大西順子が重なって見える。特段美人と言うわけでもなく、何か特別に色気があるというわけでもない。けれど、その人の笑顔がなぜか大西順子と重なり合う。彼女を見ていて、きっと大西順子もこんな性格の人ではなかろうかと思う次第だ。

 大西順子は1967年京都出身、東京育ちのジャズ・ピアニスト。1986年から3年間バークリー音楽院に学び(首席で卒業らしい)、その後数年間はニューヨークで活動を始める。1992年には日本に戻り、デビュー作『WOW』(録音は同年だが、発売は1993年)を発表。ジャズ・アルバムとしては異例の売り上げを記録し、大きな評価を得る。本盤『ビレッジ・ヴァンガードの大西順子(Junko Onishi Live at the Village Vanguard)』は、翌1994年、日本人として初めて自前のグループでニューヨークの名門ジャズ・クラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」にて1週間公演を行なった際の録音であり、『ニューヨーク・タイムズ』紙でも絶賛されたとのことである。

 さて、上の知人女性の話に戻ると、彼女は男性の多い職場で孤軍奮闘しながら、精神的にも疲れるのではなかろうかと察するのだが、それにもかかわらず、どこかあっけらかんとした明るさと自由な雰囲気を振りまいている。普通なら肩に力が入ってしまいそうなところにもかかわらずである。彼女が大西順子と重なり合うというのはきっとこの部分なのだと思う。

 本盤の大西順子の演奏は、スリリングでありながら、小難しくない。ひとことで言うと、自由奔放なのである。緊張感はあるが、その緊張感を楽しんでいるようにさえ思われる。特定のジャズのスタイルの語法や演奏スタイルがどうとか、難しい話を超越したところで、「私はこれがやりたいのよ!」とばかり奔放に演奏を繰り広げる。長尺の曲も多く、その間の緊張感は張り詰めている。けれどもその1曲1曲が終わった時の爽快感は、背後にある自由奔放さゆえの気持ちよさであり、演奏者本人と聴き手が分かち合えるものだと感じる。全6曲の中で、とりわけ筆者が好むのは、1.「ソー・ロング・エリック」の緊迫感、6.「コンジニアリティ」の弾ける自由さである。


[収録曲]
1. So Long Eric
2. Blue Skies
3. Concorde

5. Darn That Dream
6. Congeniality

Junko Onishi (p), Reginald Veal (b), Herlin Reiley (ds)

録音: 1994年5月6・7・8日





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Last updated  2016年01月28日 22時10分45秒 コメント(2) | コメントを書く


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