音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2014年02月03日
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テーマ: Jazz(1968)
カテゴリ: ジャズ




 フランク・アンソニー・モンテローズ・ジュニアは、1927年デトロイトに生まれたイタリア系米国人のサックス奏者。“ジュニア”を前にもってきて、J・R・モンテローズ(この理由からJRと続けて表記されることもある)と呼ばれる。個性的プレイで知られ、1993年に66才で亡くなっている。

 彼にとって唯一のブルーノートでのリーダー作の本盤は、1500番台の中で実に特異な輝きを放っていると思う。白人系プレイヤーだからというだけでなく、演奏そのものが既に(この1956年の吹き込み時点で)ビバップどころかハードバップのその先を見据えている。“出たとこ勝負”とは真逆の、“入念に準備された演奏”であることは、この盤を一聴すれば、すぐに気づくだろう。もちろん、予定調和とかいう悪い意味ではない。アルフレッド・ライオンがミュージシャンに提供したリハーサルの機会が功を奏した完成度の高さという意味においてである。

 その中で強烈に個性が発揮される。全体の演奏からはっきりと浮かび上がってくるテナーのカッコよさ。トランペットを加えた二管編成は完成度と聴きやすさ(とっつきやすさ)の源になっている。収録曲の半分がオリジナルで、もう半分は自作以外の曲だが、本人曰く“自分の曲ばかりにすると自分だけのサウンドになる”と考えたからとのこと。十分個性的なのだから、そのまま突っ走っても悪くなかったような気もするが、性格はリーダー向きではなかったということなのだろうか…(なお、サイドマンとしても 『カフェ・ボヘミアのケニー・ドーハム』 をはじめいい演奏を残している)。

 話は唐突に現代の時事問題へと飛ぶのだけれど、昨今の大学入試の改革の話で“個性のある入学生選抜”とかいう不思議な話が出ている。“みんなちがってみんないい”なんて言われるけれど、その中で強い個性を発揮できる人もいればそうじゃない人もいる。J・R・モンテローズみたいな強烈な個性(それは、選ばれし者たちが吹き込みをしているジャズの世界の中で、さらに輝きを放つほどの飛び抜けた個性!)があればともかく、なくても無理やり“成功体験”を語らせられる就活生のように、今度はありもしない個性を無理やり高校生が語らせられるとしたら…?これから成長していく子どもたちがあまりに可哀想な気もするのだけれど。



[収録曲]

1. Wee-Jay
2. The Third

4. Marc V
5. Ka-Link
6. Beauteous
7. Wee-Jay (別テイク) ←CD追加曲


[パーソネル・録音]

J. R. Monterose (ts)
Ira Sullivan (tp)
Horace Silver (p)
Wilbur Ware (b)
Philly Joe Jones (ds)

1956年10月21日録音。







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Last updated  2014年02月03日 06時51分55秒 コメントを書く


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