その後、ようやく休養期間を得たノラ・ジョーンズは、前作から3年の間隔をあけて第三作を出すことになる。それが本盤『ノット・トゥ・レイト(Not Too Late)』で、2007年初頭にリリースされた。この間、よくあるパターンとしては、多忙な日々の後の休息をとりそうなものだけれど、彼女の場合は、レコード会社も関知しないところで、自作の準備をしていたとのこと。前作までは自作でない曲が結構多かったのだが、本作では共作を含めればすべて自作曲になっている。しかもそれらの中には既に前作のツアー時に書き溜めていたものも含まれていたという。本人としては休息以上に、それほどにまで意欲いっぱいの気持ちが持続していたということなのだろう。
好曲多きアルバムだけれども、いくつか曲をピックアップしてみると、1.「あなたにいてほしい(Wish I Could)」や表題曲の13.「ノット・トゥ・レイト(Not Too Late)」は、期待通りのヴォーカルの聴かせどころ。その一方、2.「シンキン・スーン」や3.「ザ・サン・ダズント・ライク・ユー」のように少し雰囲気を変えてみたり、8.「マイ・ディア・カントリー」のようにピアノ中心にシンプルに歌うものもあったり(といってもこの歌詞の内容は刺激的だけれど)と、ヴァラエティにも飛んでいるように思う。
3. The Sun Doesn't Like You 4. Until the End 5. Not My Friend 6. Thinking About You 7. Broken 8. My Dear Country 9. Wake Me Up 10. Be My Somebody 11. Little Room 12. Rosie's Lullaby 13. Not Too Late