音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2015年03月17日
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テーマ: Jazz(1968)
カテゴリ: ジャズ




 ジャズ奏者の組み合わせは単なる足し算ではなく、時に相乗効果や化学反応のようなものがあって、“かけ算”のようなことが起こる。ただ3人の奏者名を並べた本盤『ジェンキンス、ジョーダン、ティモンズ(Jenkins, Jordan and Timmons)』(しかもジャケットに至るまでただ3人の名をデザインしただけ)も、そんな1枚ではないかと思う。

 1957年、ニュージャズ・レーベルでの吹き込みで、ジョン・ジェンキンス(アルト)とクリフォード・ジョーダン(テナー)はともにシカゴ出身のサックス奏者である。マクリーンやコルトレーンを始め名だたる奏者たちほどに広く名を知られているとは言えないかもしれないが、決して聴き逃すことのできない存在と言えるように思う。

 前者はパーカーの柔らかい側面というのを上手く取り込んだスタイルと言われ、本盤を吹き込んだ1957年にちょうどNYへ出てきて、ブルーノートの1500番台などの吹き込みを始めた時期に相当する。一方、後者のジョーダンの方は、初期ロリンズの影響を受けて、それを独自に深化させた演奏を進めていったと評される。本盤とほぼ同時期(同年8月録音)にケニー・バレルとの共演盤を吹き込んだりしていて、その後も、1962年に事実上引退してしまうまで、様々なミュージシャンとの録音をこなしていくことになる。

盤のタイトルに挙がっているもう一人の奏者はボビー・ティモンズ(ピアノ)である。彼はというと、NYに定着し、アート・ブレイキーのバンドに加入前の、チェット・ベイカー、ソニー・スティット、ハンク・モブレーらの吹き込みに参加していた時期だった。

 冒頭に書いた通り、サックスの2人、さらにはピアノも加えた3人の演奏が本盤を特徴づけていて、特定の奏者を聴くというよりは、その全体を楽しむというのが個人的には本盤のよさと言えるように思う。テナー単発もよし、アルト単発もよし、さらには適度に登場するアンサンブルがまたよい。加えてティモンズのピアノが最初は控えめに思えるかもしれないが、繰り返し聴いているとツボを押さえていて、しばしば全体のトーンを上手く支配しているようにすら思える。

 そのようなわけで、どの曲をピックアップというのではなく、アップテンポあり、静かなバラードありという全体の流れの中で、様々な配分で登場するアルト、テナー、ピアノの各演奏(ソロもアンサンブルも)を楽しむ1枚というのが筆者の印象。その結果は、表題に挙げたように、その結果は単なる“足し算”ではなく、それをはるかに超えた出来栄えに仕上がっている。


[収録曲]

1. Cliff’s Edge

3. Princess
4. Soft Talk
5. Blue Jay


[パーソネル、録音]

Clifford Jordan (ts)
John Jenkins (as)
Bobby Timmons (p)
Wilbur Ware (b)
Dannie Richmond (ds)

1957年7月26日録音。






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Last updated  2015年03月17日 13時26分38秒 コメント(2) | コメントを書く


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