音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2015年09月18日
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テーマ: Jazz(1968)
カテゴリ: ジャズ




 先天性の病気を抱えながらも36歳の人生を全うしたミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani)。フランス出身のこの人物は、歴史に残るピアニストとして記憶されている。

 では、そのペトルチアーニの特徴とは何か。いろいろあると思うのだけれども、その一つとして、ワン・フレーズで聴き手をノックアウトさせられる“美しさ”が挙げられるように思う。ただのリリシズムではなく、身体全体からジャズが滲み出ているというと回りくどいだろうか。要は、その“美しさ”が実に自然体のまま出てくるというのがこの人の特徴でありよさなのだと思う。

 いくつかの盤(そしてそれらに収録されたいくつかの楽曲)でそれが顕著に見られるわけだけれど、彼の盤のうちで時に代表盤として取り上げられる『エスターテ(Estate)』はそうした特徴を強く持った作品の一つである。

 いくつか注目の曲をピックアップしてみたい。1.「パソリーニ」は冒頭からのリラックス感がたまらなくいい。19歳の若さでこの余裕と自信は実に類い稀としか言いようがないように感じる。ビル・エヴァンスの2.を挟んで続く表題曲の3.「エスターテ」は、彼の奏でる音と“音の空白”のコントラストが美しい。4.と5.はペトルチアーニの自作曲であるが、曲といい演奏といい上述のように“全身からジャズが滲み出る”感覚に満ちている。ラストを飾る7.「預言者のサンバ」は、タイトル通りいかにもブラジル風な曲調だけれども、この流れるようなピアノの美しさ(そこには上に書いたような余裕と自信があってこそなのだろう)に釘づけなってしまう。

 そのようなわけで、ミシェル・ペトルチアーニを聴いたことがないという人にはとにかく勧めたい。たとえピアノ・ジャズがあまり得意でなくとも、ジャズを聴いてペトルチアーニを聴かないというのは実にもったいない。そして筆者が最初に勧めるとすれば、本盤『エスターテ』もしくは個人的に最初に聴いた盤である『ミュージック』、この2つが外せないと強く思う次第である。



[収録曲]

1. Pasolini
2. Very Early

4. Maybe Yes
5. I Just Say Hello
6. Tone Poem
7. Samba des Prophetes


[パーソネル・録音]

Michel Petrucciani (p)
Furio Di Castri (b)
Aldo Romano (ds)

1982年3月29~30日、4月16日、5月5日録音。






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『ESTATE』 Michel Petrucciani Trio JAZZ名盤CD:輸入オリジナル盤 インスト【中古】 寺島本「JAZZピアノ・トリオ500」p221掲載 第5章 時代を超えるこの曲この盤~「エスターテ」を弾くペトルチアーニが最高。そういう方向にジャズ鑑賞の在り方をもってゆきたい。DIW 1982






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Last updated  2015年09月19日 00時35分30秒 コメント(2) | コメントを書く


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