音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2016年03月23日
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カテゴリ: ジャズ




 1950年代の名作居並ぶソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)盤の中でも、とりわけ『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜(A Night At The Village Vanguard)』は、彼のテナー・サックスのアドリブの真骨頂とも言ってよいのではないだろうか。通常、優れたアドリブと言われるものの中には、実際には得意のフレーズをうまく取り混ぜながら組み立てられているものも多い。けれども、本盤のアドリブの瞬発力と創造力は、明らかにその域を超えている。

 よく知られているように、本盤は、有名ジャズ・クラブ“ヴィレッジ・ヴァンガード”の初めてのライヴ・レコーディングと言われる。けれども、実際のところ、そこで演じられたライヴ・パフォーマンスがそのまま収録されるという感じではなかったようだ。録音当日は、まず、普段よりも早い時間から店を開け、“午後の部”と“夜の部”の2回の演奏機会を設けたという。さらに、その2回の演奏者はまったく同じメンバーではない。1回目は通常のトリオ(テナーに加えてベースとドラム)というメンバー構成、そして2回目に当たる夜の部では、そのままの編成でドラマーとベーシストが交代し、これに加えて、曲によっては夜の部だけで2度演奏されるということになっている。

 もちろん、こうした仕掛けを準備したのは、ブルーノートの主宰者アルフレッド・ライオンであった。つまるところ、ロリンズ初のライヴ盤制作、ヴィレッジ・ヴァンガード初の実況録音というのは、半分本当でありながら残り半分は違っていたということになるのかもしれない。ライヴ録音でありながら、細部の仕掛けは、まるでスタジオ録音のようだった。名盤誕生の理由はこの部分の工夫に起因するところが大きいのかもしれない、などと考えてみたりする。



[収録曲]

1. Old Devil Moon
2. Softly, As in a Morning Sunrise
3. Striver's Row
4. A Night in Tunisia


Blue Note 1581


[パーソネル、録音]

Sonny Rollins (ts)
Don Bailey (b, 5.), Wilbur Ware (b, 1.-4.), Pete LaRoca (ds, 5.), Elvin Jones (ds, 1.-4.)

1957年11月3日録音。





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Last updated  2016年03月23日 19時47分46秒 コメント(2) | コメントを書く


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