音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2017年01月30日
XML
テーマ: 洋楽(3317)
ジェフ・ベック・グループ最終作の評価とは


 1960年代後半、ヤードバーズでの活動を経たジェフ・ベック(Jeff Beck)は自身のグループであるジェフ・ベック・グループ(Jeff Beck Group)を形成する。ジェフ・ベック・グループというと、ヴォーカルがロッド・スチュワートで、リズムギターはロン・ウッドを連想する人も多いだろうけれど、もう少し細かく見ると、このバンドは1967~69年の“第1期ジェフ・ベック・グループ”と、1971~72年の“第2期ジェフ・ベック・グループ”に分けられる。世間で注目されやすい『トゥルース』は第1期、それに対し、今回取り上げる『ジェフ・ベック・グループ(Jeff Beck Group)』(ジャケットに果物のオレンジの写真があることから、通称『オレンジ・アルバム』とも呼ばれる)は“第2期”の作品である。

 1969年の時点で解散したジェフ・ベック・グループだったが、翌年後半になってジェフ・ベックはメンバーを変えての再結成を目論見る。1971年にレコード会社と契約し、新たなシンガーとしてはロバート(ボビー)・テンチを加えることになった。すぐさま『ラフ・アンド・レディ』を発表し、翌72年には本盤『ジェフ・ベック・グループ』を制作するも、バンドはそのリリースの1か月半後には解散してしまい、彼の活動は ベック、ボガート&アピス での活動へと向かっていく。

 ファンの間には、本盤こそがジェフ・ベックの最高作との声もあるが、確かに楽曲・演奏内容ともハイレベルで完成度が高い。特徴の一つは、プロデュースをブッカー・T&ザ・MG’sのスティーヴ・クロッパーが担当した点である。ブラック・ミュージックではなく基本的にジェフ・ベックの音楽なのだが、いい具合に“黒っぽい”感じもしくはソウル感が含まれる、この微妙なバランス感覚は実にうまく表現されることになったと思う。もう一つの特徴は彼自身のギターのバランスである。後のインスト作(参考過去記事 (1) (2) )を彷彿とさせる5.「帰らぬ恋」や9.「デフニットリー・メイビー」がある一方で、“歌もの”として見た時には上述のソウル感が強く出ている。けれども、少し落ち着いて聴くと、そのバックや短いソロで奏でられるジェフ・ベックのギターのタイミングの良さと冴えが光っている。

 ちなみに個人的にお気に入りをいくつか挙げるならば、1.「アイスクリーム・ケーキ」、6.「ゴーイング・ダウン」、そして上記のインスト曲5.「帰らぬ恋」。本盤をジェフ・ベックのすべて(あるいは代表盤)とするのには違和感を感じるけれども、彼の他の作品を知った人はぜひ一度試してみることを強く勧めたい1枚ということになると思う。


[収録曲]


2. Glad All Over
3. Tonight I'll Be Staying Here With You
4. Sugar Cane
5. I Can't Give Back the Love I Feel for You
6. Going Down
7. I Got to Have a Song
8. Highways
9. Definitely Maybe

1972年リリース。




 ​
ジェフ・ベック・グループ/ジェフ・ベック・グループ[CD]【返品種別A】





       ↓          ↓

にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ ブログランキング・にほんブログ村へ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017年01月30日 06時29分49秒
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Free Space

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ

にほんブログ村 音楽ブログ ワールドミュージックへ
      ↑        ↑
ランキングサイトに参加しています。よろしければクリックで応援お願いします!
      ↓        ↓
人気ブログランキングへ



↓相互リンク↓

ちょっと寄り道 [音楽の旅]




Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: