夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった......
冒頭の文がすてきです。ミステリというより、サスペンスというより一編の叙情詩でした。なるほど一気に読めちまいます。
目次にずらずらっと「死刑執行前〇〇日」とあるから「無実の罪で死刑宣告か?」「無実は証明されるのか?」と焦燥感にかられますもん。
で、あせりながら読むんですけど、登場人物描写のいわくいいがたい叙情的な、けれども的確な観察にぐっとくるのです。創作者独特の魅力ですね。
たしかにミステリとしては粗雑なところがあり、謎解きも平凡です。でも補って余りあり、この作品は1942年初版ですからもう半世紀以上たっているのですが、褪せてませんね。
ミステリファンにはやっぱり一読の価値ありの本です。ハヤカワ・ミステリ文庫の稲葉明雄訳で読みました。(わたしは画像を間違えていました。訂正します。)
くりむーぶさん、教えていただきありがとうございます。『幻の女』というタイトルは魅力らしい。本邦作品にもいろいろありびっくりしました。
よみがえり 2023年12月21日
こういうエンタメが好き 2023年12月19日
PR
カテゴリ
コメント新着
サイド自由欄
フリーページ
カレンダー
キーワードサーチ