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2017年05月19日
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カテゴリ: 日記
「今日も暑いね、おみやげ買ってきたよ。」

「おじさん、いらっしゃい。」

「おみやげ、ひとりで持てる?」

「だいじょうぶ。」

「落としちゃダメだからね。」

後ろ姿に声をかける。

「おう、来たか。」

「やあ兄さん、久しぶり。」

「まあ、あがれ。」

促されてリビングに腰を落ち着けると、隣接するキッチンから元気な声がする。

「お母さん、くだものナイフどこ?」





「果物ナイフをどうするの?」



「なんだって!」

思わず声をあげてしまう。

「大丈夫さ、家内も一緒なんだ。あの子最近練習してるんだよ。」

「いや、いくらなんでも・・・。」

言いかけたものの、背にしたキッチンから伝わる楽し気な雰囲気に言いよどんでしまい、やがてひときわ弾む声が聞こえてきた。

「お母さん、みてみてー。」

「うん、上手にむけたわね。」

「うそ!」

「な、ほらな。」

兄は誇らしげだが・・・

「おみやげ、スイカだよ?」










前回まで、うまく説明できた気がしないのですが・・・。
質問などありましたらおっしゃってください。


応用編その2「落ちについて」
ショートショートで、避けて通れないもう一つの要素は、落ちです。かならずしも叙述トリックを使うわけではないので、別個に書きますね。参考になるかはわからないのですけど、そんなものもあるのかくらいで。


「不条理な終わり方」
冒頭の例文は読んでいただけましたか?

叙述トリック的には、『おとり(→子供)』と『愛称への置き換え(→お土産)』を使っています。最後は一言でビシッ!と終わることにこだわってみました。テクニック的な注意点は、ネタバレを避けるために、正体のヒントになる描写を冒頭に配置していることです。いきなり疑いの目を向けてくる人は少ないので、もっとも安全な位置になります。

さて、落ちの話です。

これも私が書かないタイプの落ちということで物は試しに例文用に書いてみました。

「不条理な終わり方」をする話です。

ショートショートの落ちとしてはよくあるのですけどね。私はミステリーが好きなので、謎が解けて終わるのが好みです。このタイプは生まれて初めて書きました、えへへ。

何かおかしなことが起こっていたのに気づかず、最後にそれがわかるというものですね。


他に、「そういうことだったのか!」「ほらね」「あれか!」で終わるタイプがあります。


「そういうことだったのか!」 → 不条理な終わり方の逆です。ある種の謎がとけて終わります。私が好んで書くのはこれですね。最も強く読後感を残します。ミステリーのように、最初に謎が提示されることもあれば、裏にはこんな話が隠れてたんですよと、最後に知らせるパターンもあります。


「ほらね」→ 予言の話です。作者は、最後まで話の展開は知っているのですから、あらかじめこういう結果になるよと宣言してしまいます。なんでそうなるの?と疑問に思わせて→ほらね、で終わります。一度作った話の文章を入れ替えてみたら、おっ、これ面白そうってなるときがあります。最初から狙って作るより、自作をさらにアレンジしたらできちゃったってことが多いです。なので、書いては見たけどなんか物足りないと思ったら、前後を入れ替えてみるのをお勧めします。


「あれか!」 → 伏線を回収して終わる話です。普通の小説でも、まさかあれが伏線だったとはっていうことはありますよね、それです。

イメージをまとめると

・矛盾することが起きるor解決する
・よくわからないタイミングで、よくわからないことを言う(突飛) → その行為の意味が最後にわかる

ですね。


「落差が大きい」
お先にどうぞと譲ったのが、災害現場の救助の順番だったとか、すごいことをささやかに見せかける方法と、表現がささやかすぎてあっていないという方法があります。原子炉が吹っ飛んだのに、今日は暑すぎるとかで済ませてしまうとかです。


「二重に意味がある」
含みを持たせたり、言葉遊び的なものだったり、ちょっと意味深な感じになります。


「決め台詞」
クリティカルな慰めの言葉だったり、粋な褒め言葉だったり、関心させるような一言で締めくくります。


「不意打ち」
予想外だったというだけで、印象を強く残せます。


「お話の外に落ちがある」
かなり例外的な方法です。小説の中身のほかに、もう一つ別の要因とを組み合わせて落ちがわかるものです。いくつか例をあげます。

・最後まで読むとタイトルの意味が分かる
・最初の文字だけ読むと文章になっている
・対になる別の話も読むと意味が分かる
・人々の手を転々とする本の話で、読み終わったら好きな人にプレゼントするように指示されている

特殊なケースだと、自分がモデルの話だったとかもあります。


次回は、「最後の一行について」です。





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最終更新日  2017年05月20日 06時06分26秒
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