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ちょっと小さくて見難いですが、一番上の急降下している青い線がコンパクトカメラ、真ん中のピンクの線が一眼レフ、そして一番下の黄色い線がミラーレスです。
2007年と2012年をいきなり結んだだけのグラフですのでいささか乱暴ではありますが、1兆3000億円あったコンパクト市場(正確にはレンズ一体型カメラ)が、5年でほぼ半減してます。言うまでもなく、スマホに食われてるということですね。
一眼レフがアジアの新興市場で伸びてて調子がいいので、おそらく今年か来年にはシェアが入れ替わると思われます。
その一眼レフは、以前より「ミラーレスとのリプレイスで衰退するんじゃないの?」と言われて久しいですが、どっこい、市場規模も伸び率も、ミラーレスよりぜんぜん高いのでした。面白いなあ。
一つには、海外では日本国内ほどミラーレスが盛り上がっていないことと、経済成長が著しいアジア諸国において、ミラーレスより、もう断然一眼レフのほうが人気があり、ステイタスとして分かりやすいし満足感も高いということではないかと。半分以上はエンゾーの妄想ですが。
で、じゃああと5年でコンパクトカメラがなくなるかというと、高級コンパクトや大素子のズーム機、タフネス機などは残るでしょうから、シェアはガタ落ちするものの、消滅にまでは至らず、細々と続いていくものと思われます。
そのコンパクト機ですが、ここ1~2年、素子の大型化が急激に進みましたね。RX1のフルサイズというのは例外としても、いまもって好調に売れ続けているX100が1インチ、CanonのG1Xが1.5インチ、そしてついにNikonのCOOLPIX AがAPS-Cにサイズアップし、しかもボディの大きさは頑張って小さく納めてますので(そして海外の噂サイトによれば、GR後継機もAと同じようなスペックになるのではないかと言われています)、要するに高級コンパクトは、長い目で見ると、最終的にAPS-C(さらにハイエンドはフルサイズに)遅かれ早かれ集約されていくものと予想出来ます。
「そんな無駄にハイスペックで無駄に高価なものを消費者が望んでいるとは思えない」
というような声は必ずあると思いますが、一般的に、ほとんどのメーカーは消費者ではなくライバルを見て次に何を作るかを考えますので、この流れは変わらないでしょう。日本のカメラ業界にとって最大の敵は、いまや国内のカメラメーカーよりもむしろAppleやSAMSUNGでありスマホですので、スマホに出来ないことをする以外に生き残る道はありません。
ただ、そうなった時に、M4/3のミラーレスって、どうなるんでしょうね。少し前までは、
「大きな素子で、手が届く価格でボディサイズもそこまで大きくない一眼レフ」
とか、
「持ち運びに便利な、大きな素子を積んだズーム付きコンパクト」
というようなものが選択肢になかったので、M4/3は一定のシェアを確保出来ました。
ところが、今後はローエンドの小素子コンパクトが死滅して、おそらく1インチからAPS-Cサイズの高級コンパクトが生き残り、APS-Cサイズの一眼レフはますます小さく安くなり、ハイエンド側ではフルサイズ機の価格がジリジリ下がってきます。
さらに来年になれば、SONYやSAMSUNGからフルサイズのミラーレスも確実に出てきますので、単純なヒエラルキーは崩壊し、これから2年くらいは大混戦の時代に突入します。
つまり、全体としては
「素子は大型化」
「大素子機の価格は低下」
「ボディサイズは小型化」
という不可逆的なトレンドがあるわけですが、その中で唯一流れに乗りにくそうのが、M4/3陣営です。自ら「M4/3であること」を存在理由にしていることが、足枷になって来ているのではないかと。
今や、SONYやフジのミラーレスだけでなく、G1XやCOOLPIX Aといったレンズ一体型のコンパクトカメラにまで素子のサイズで追い抜かれるという事態になりつつあるわけですが、だからと言って、自社がM4/3よりも大きな素子のコンパクトを出すことは自己否定につながりますから、そういう路線も狙えません。
つまるところ、今まで以上に「所有する喜び」にフォーカスした製品を考えていく必要があると思われます。
P.S.
これは根拠のない予想ですが、SONYのRX1が、20万円を超える高額商品であるにもかかわらず、予想を上回るペースで淡々と売れ続けているという現状を見て、おそらく、SAMSUNGが似たようなコンセプトの製品を出してくるのではないかなと思います。
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