パワースポット@神の島「Okinawa」

パワースポット@神の島「Okinawa」

PR

プロフィール

kasurichan1010

kasurichan1010

カレンダー

カテゴリ

コメント新着

gomagoma0610 @ 恩納ナビーの墓について 佐野哲寛さんへ コメントを下さり誠に有…
佐野哲寛@ Re:恩納ナビーの琉歌の里@恩納村「恩納ナビーの歌碑/恩納集落」(10/05) 恩納ナビーのこの写真のお墓はどの辺りに…
地域の人@ Re:七神を祀る霊域と美女伝説の湧き水@那覇市「松川殿之毛/松川樋川」(06/17) 初めまして、松川樋川は「松川ミーハガー…
まるぴ@ Re:集落発祥の秘話と四方神の恵み@沖縄市「登川/ニィブンジャー集落」(01/25) 母方の名前が登川です。 今人生の折り返し…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2021.02.01
XML
カテゴリ: 北中城村



沖縄県北中城村に県民に大変馴染みの深い「仲順(ちゅんじゅん)集落」があります。仲順大主は13世紀の琉球豪族で「仲順集落」の創建者と言われています。有名なエイサー曲「仲順流り」には仲順大主にまつわる伝承が歌詞になっていて、仲順大主が登場する琉球歌劇「仲順流り」も広く知られています。また、1187年から1259年の3代73年間にわたり「琉球国中山王」として王位に就いた舜天(しゅんてん)王統最後の王「義本王」を戦乱からかくまったとの伝説が残っています。


(仲順流りの碑)

「仲順集落」の北側にある小高い山の麓に「仲順公園」があります。公園には「仲順流りの碑」がありエイサーで有名な歌の歌詞が彫られています。「仲順流り」は北中城村仲順に伝わる仲順大主にまつわる話を題材に、祖霊供養の歌として作られ、各地のエイサーに取り入れられて歌いつがれています。歌の発祥に関わる仲順の地を讃え、歌の末永い伝承を念じ石碑が建立されました。


(根殿の社)

公園の階段を登ると高台に「根殿の社」と呼ばれる拝所があります。左側の段にはウコールが設置され、その奥には中央に「仲順大主神霊」、左に「義本王神霊」、右に「舜天王神霊」と記載された神棚に琉球仏花瓶が供えてあります。右側の鉄格子の内部には琉球石灰岩のゴツゴツとした神石と灰が納められていました。


(お宮の拝所)

仲順の「お宮」と呼ばれる「根殿の社」の一帯は「仲順原遺物散布地」となっており、琉球グスク時代(約500〜800年前)の土器や白磁が発掘されています。「お宮」の北側には琉球石灰岩の大岩が点々と存在し、最も北側にはウコールが設置されたウガンジュになっていて神聖な雰囲気に包まれています。


(ウフカー)




(上門ガー)

「仲順集落」の中心部に「上門ガー」と呼ばれる井戸があります。「仲順集落」の起源は「ナスの御嶽」付近の上門原に住居を構えた七世帯(仲順七煙)にあるとされます。その頃に産井戸として使用されていたのが「上門ガー」です。井戸の中はクルトゥ石(砂岩)で左右に区切られている事からミートゥーガー(夫婦井戸)であったとの伝承もあります。


(仲順大主之墓)

仲順集落の北側に「仲順大主之墓」があります。現在から約700年前に「仲順集落」を作り統治していた仲順大主には3人の息子がいました。ある時、誰に家督を継がせるか決めるために仲順大主は病気の振りをして3人を試すことにしました。「私は食べ物が喉を通らなくなってしまった。赤ん坊に与える乳なら飲むことができる。赤ん坊はあきらめて乳を全ても貰えないか?」長男と次男は親より自分の子を優先してこれを断ったが、三男は親の命を救うべく自分の赤ん坊に与えるはずの乳をすべて差し出したのです。


(仲順大主之墓の左奥の墓)

「仲順大主之墓」の左奥にはもう一つの墓があります。この墓が義本王の墓やノロ墓など多くの説が出ていますが、未だに誰の墓なのか謎に包まれたままです。さて、仲順大主は三男の赤ん坊を東の森の三本松の木の下に三尺の穴を掘って埋めるよう伝えました。言われるがままに三男がそこで穴を掘ると黄金の財宝が見つかったのです。財宝と家督は三男が継ぎ幸せに暮らしたそうです。これが有名な「仲順大主の財宝譲り」という民話です。


(ナスの御嶽)

「仲順集落」はかつてこの「ナスの御嶽」をクシャテ(腰当て)として南側に発展していったと伝わります。御嶽の中にある琉球石灰岩の大岩が御嶽のイベ(神の在所)であると考えられ「琉球国由来記」(1713年)には、神名は「ナスツカサ御イベ」で安谷屋ノロが祈願する場であると記されています。また「舜天」「舜馬順煕」「義本」の3人の王が祀られているとも伝わっています。


(仲順ビジュル)

「ナスの御嶽」の西側に「仲順ビジュル」があります。ビジュルとは十六羅漢のひとり賓頭盧(びんずる)がなまったもので、沖縄では主に霊石信仰として、豊作、豊漁、子授けなどの祈願が行われる場所です。仲順ビジュルはかつて花崎門中のノロにより旧暦9月9日に例祭が行われていました。以前は「喜舎場集落」にある王妃御墓(ウナジャラウハカ)付近の御願毛(ウガンモー)に所在していましたが、区画整理で現在の場所に移されました。


(賓頭盧尊者の石碑)




(坂道の標識)

北中城村の「仲順集落」は坂道が多い地区で遺跡文化財が点在するパワースポットとなっています。沖縄では旧盆には各地の青年団によるエイサーで必ず「仲順流り」が披露されます。歌い踊り継がれるこの念仏歌により仲順大主の偉業も同時に継承され、沖縄の人々の心に強く刻み込まれます。今年の旧盆も沖縄の各集落で無病息災、家内安全、繁盛を祈り、祖先の霊を供養するために行われるエイサーにて「仲順流り」が披露される事を楽しみにしています。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023.10.28 19:14:23
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: