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2021.10.12
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カテゴリ: 沖縄市



沖縄本島中部の沖縄市東海岸沿いに「比屋根(ひやごん)集落」があります。美しい中城湾に広がる泡瀬干潟を眺める丘稜に残る遺跡には御嶽の森があり、自然豊かな歴史の長い集落となっています。また「比屋根集落」の海沿いには「沖縄県総合運動公園」があり、沖縄のプロサッカーチーム「FC琉球」のホームスタジアム「タピック県総ひやごんスタジアム」が整備され、沖縄市民のみならず沖縄県民に愛される地域となっています。


(ウフドゥン/大殿)

(ウフドゥンの社内部)

「比屋根集落」北部の比屋根公民館の北側に「オシアゲムイ」と呼ばれる御嶽の森があり、その頂上に「比屋根拝所ウフドゥン」の社があります。この森は「琉球国由来記(1713年)」に「アシアゲ森 神名 オソクヅカサノ御イベ」と記されています。社の内部には霊石とウコール(香炉)が祀られています。「比屋根集落」の住民は旧暦の6月ウマチー(収穫祭)や獅子舞の行事、更に毎月1日には「ウフドゥン」を訪れて拝んでいます。


(上仲門門中神屋)

(上仲門門中神屋のカー)

「オシアゲムイ」の御嶽の森は「比屋根遺跡」と呼ばれ、遺跡の北東側に「上仲門門中神屋(カミヤー)」と「門中神屋の井戸(カー)」があります。「神屋(カミヤー)」とは神を祀る屋敷の事を意味します。さらに「門中(ムンチュー)」とは沖縄県における始祖を同じとする父系の血縁集団のことを言います。 「門中」は17世紀後半以降、士族の家譜編纂を機に沖縄本島中南部を中心に発達し、のちには本島北部や離島にも拡がりました。「門中」の結束は固く「門中」で共同の墓(亀甲墓や破風墓の門中墓)を持ち同一の墓に入りました。


(根屋門中神屋)



「上仲門門中神屋」の西側に「根屋門中神屋」があります。「根屋(ニーヤ)」とは集落発祥に関わる家の事で、当主は「根人(ニッチュ)」と呼ばれます。さらに「比屋根遺跡」の南東側には「比屋根遺跡のカー」があり、井戸(カー)跡にはウコール(香炉)が祀られ、向かって左側に「井戸(カー)の祠」が隣接しています。この祠には2基のウコール(香炉)が設置されており、集落の住民が井戸の神に水への感謝を祈る拝所となっています。


(伊礼門中神屋/シーシヤー)

(伊礼門中神屋のカー)

「根屋門中神屋」の西側に「伊礼門中神屋」があります。「伊礼(イリー)門中神屋(カミヤー)」の敷地内に「獅子屋(シーシヤー)」と呼ばれる建物があり、集落の伝統行事に奉納される獅子舞が納られています。「比屋根集落」の獅子舞は旧暦の7月17日に演じられ、現代では盆踊りの際にも祈願されています。「伊礼門中神屋のカー」は「獅子屋」の裏手にありウコール(香炉)が祀られ「オシアゲムイ」の御嶽の森から湧き出る水への感謝が住民により祈られています。


(トゥングヮー/殿小)

「トゥングヮー(殿小)」は「ウフドゥン(大殿)」の北西約70メートルの場所にある高台に位置し「比屋根集落」では俗に「ニバンドゥヌ(二番殿)」や「クガニドゥヌ(黄金殿)」とも呼ばれています。「トゥングヮー」の祠内には3体の霊石が祀られ、ウコール(香炉)にも小型の霊石が設置されています。「比屋根遺跡」の北側に位置する祠は北に向けて建てられており、集落の自治会や有志たちは旧暦の毎月1日に拝んでいます。


(てぃんさぐぬ花の歌碑)

沖縄市比屋根1丁目の「ケアハウスてぃんさぐぬ花」の敷地内に沖縄県民で知らない人はいない琉歌「てぃんさぐぬ花」の歌碑が建立されています。「てぃんさぐ」とはホウセンカ(鳳仙花)のことで、沖縄県では古くからホウセンカの汁を爪に塗って染めるとマジムン(悪霊)除けの効果があると信じられていました。歌は1番から10番まであり親や年長者の教えに従うことの重要性を説く教訓歌となっています。沖縄県民愛唱歌「うちなぁかなさうた」を制定する際に県民を対象にしたアンケートで「てぃんさぐぬ花」が圧倒的な支持を集め「てぃんさぐぬ花」を県民愛唱歌「うちなぁかなさうた」に指定することが2012年3月18日に発表されました。


(てぃんさぐぬ花の歌碑)

この歌は読み人知らずで、歌碑は琉歌特有の表記が施されています。詠みや謡うなど音声を発する場合は「てぃんさぐぬはなや ちみさちにすみてぃ うやぬゆしぐとぅや ちむにすみり」となります。2003年(平成15年)に開業した沖縄都市モノレール線(ゆいレール)では車内アナウンスで「県庁前駅」への到着を知らせるメロディに「てぃんさぐぬ花」が使用されています。

「てぃんさぐぬ花や 爪先(ちみさち)に染(す)みてぃ 親(うや)ぬ寄(ゆ)し事(ぐとぅ)や 肝(ちむ)に染みり」




(比屋根東ガー/アガリガー)

(比屋根東ガーの拝所)

「比屋根遺跡」の南東側に「マースヤームイ」と呼ばれる塩の製造に関わっていた森があり、森の北側裾野に「比屋根東(アガリ)ガー」位置していました。しかし、現在は土地の区画整理により50メートル北側に移設されています。「比屋根集落」の人々は子どもが生まれた時の産水(ウブミジ)や元旦の若水の時に水を汲んでいました。この井戸は俗に「ウブガー(産井)」や「カミガー(神井)」とも呼ばれており、現在も水の恵みを感謝する拝所として住民に祈られています。


(奥武ビズル/オーグヮービジュル)

(奥武ビズルの拝所)




(井戸之神の石碑)

(井戸之神の祠)

(奥武ビズルのガジュマル)

「奥武ビズル」の境内に2字の「井戸之神」の祠が合祀されています。この土地が米軍基地に占領されていた時代に井戸が消滅したと考えられ、返還後にかつて「比屋根集落」のこの地で住民に大切にされていた2つの井戸を合祀して、水への感謝を込めて「井戸之神」を2字の祠に祀っていると推測されます。「奥武ビズル」は総合運動公園の「ゆい池」に隣接する深い森の中にあり、森の小道からは目視出来ない場所にひっそりと佇んでいます。「奥武ビズル」は高樹齢のガジュマル群に囲まれて、今日も「比屋根集落」の守り神として「奥武岬」に向けて建てられているのです。






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最終更新日  2022.03.06 23:04:28
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