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2021.10.28
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カテゴリ: 中城村



「新垣グスク」は「新垣集落」の北側約170mの位置にあり、地元では「御嶽(ウタキ)」と呼ばれています。グスクの石積みはほとんど無く築城年代は不明ですが、1300〜1350年頃にアラカチヤマ(新垣山) 高方 築城 されたと伝わります。「中城グスク」と同年代に築城されたと言われており、城壁を支える 根石 がみられ1500年代にかけて「殿/内原ノ殿」周辺まで城壁が築かれていました。「新垣グスク」には1531年から1623年にかけて首里王府によって編纂された歌謡集である「おもろさうし」に 「新垣のねだかもりぐすく」と謡われるなど、グスクと城主を称える 「おもろ」が残っています。また、城主家の婚儀を祝して神女官から下された神託の「おもろ」も謳われています。


(カミミチ入口)

(カミミチ入口の階段)

「カミミチ(神道)」は「新垣上原遺跡」から「新垣グスク」を通り「中城ハンタ道」へと通じる道で、現在通行止めになっている本来の「中城ハンタ道」の迂回路としても利用されています。「カミミチ」周辺には「新垣グスク」の遺跡文化財や古墓群が多数点在し「新垣の御嶽(上の御嶽)」と「殿/内原ノ殿」の2つの拝所への参拝路である事から「カミミチ」と呼ばれています。この2つの拝所は「琉球国由来記(1713年)」にその名称が記されています。「カミミチ」は神様の通る神聖な道なので塞いではならず不浄な行いも禁じられています。古来より「新垣集落」の人々により大切に守り受け継がれている聖なる道なのです。


(ナナジョウオハカ/七門御墓)

「カミミチ」の階段を登ると丁字路になっており、右に進むと「カミミチ」で左に進むと「新垣の御嶽(上の御嶽)」の森となっています。「新垣の御嶽」方面に進むと右側に「ナナジョウオハカ(七門御墓)」があり「新垣集落」の各門中(ムンチュー)の祖霊神を祀った場所だと言われています。岩盤の割れ目の元にはウコール(香炉)があり、その奥に立ち入ると祟りが起きると恐れられています。かつては「ムラシーミー(村清明祭)」に祈願されていましたが、最近ではお米が収穫できたことへの感謝祭である旧暦8月10日の「カシチー」に拝まれるようになりました。


(カニマンオハカ/カニマン御墓)

「ナナジョウオハカ」から御嶽森を進むと大岩があり、その麓に「カニマンオハカ」が祀られています。「カニマン御墓」とも呼ばれ、カンジャヤー(鍛冶屋)との関わりがあった人物や、集落で最も裕福だった人物の墓だったなど諸説ありますが詳細は不明のままです。戦前までは西側の崖の近くにありましたが、戦後直ぐに崩落してしまい現在地に移設されました。この大岩の根本にはガマ(洞窟)に造られた掘り込み式の「カニマンオハカ」があり、ガマの入り口には石垣の跡が残されています。この古墓は「新垣集落」の重要な祖先の墓として現在も住民に祈られています。


(ウシノハナモーモーの岩)

(ウシノハナモーモーの香炉)

「カニマンオハカ」の西側で「新垣グスク」の最西端の森道に「ウシノハナモーモー」と呼ばれる岩があります。この岩は牛の頭の様な形をした鍾乳石で、宜野湾市「野嵩集落」の「ノダケバンタ(野嵩崖)」と「ウシノハナモーモー」が喧嘩をし両方が吠えて共鳴したとの伝説があります。北西側に隣接する「野嵩集落」方面からやって来る悪霊から「新垣集落」を守る守護神として「ウシノハナモーモー」にはウコール(香炉)が祀られており、現在も集落の住民から大切に祈られています。


(ミージャーガーのガマ)

(ミージャーガーのガマ内部)

「ウシノハナモーモー」から森道を北に進むと、右側に東に向かう道があります。その道の先には「ミージャーガー」のガマ(洞窟)が姿を現し、ガマの内部に「ミージャーガー」の井戸があります。豊かな水量と質の良い水である事から「新垣集落」の人々の生活に欠かせない井戸だったと伝わります。正月の若水や出産の産水、豆腐作りなどに使用され「ミージャーガーの水で顔を洗うと若返る」という伝承もありました。当初、ミーヤ(新垣集落の旧屋)の犬がこの井泉を発見した事から「ミーヤーガー」と呼ばれていました。後にそれが訛って「ミージャーガー」となったと伝えられています。


(ミージャーガーの石碑)

(ミージャーガーの石碑)

ガマの内部には非常に水量の多い井戸水が溜まっており、左奥の水路から湧き水が流れ込む音がガマの内部に響いています。「ミージャーガー」の傍に「昭和ニ年十月改築」と「字新垣青年團創立十年記念」と刻まれた2つの石碑があります。「新垣集落」に水道が普及してから、水瓶を頭に乗せて歩く女性達の姿は見られなくなりましたが、現在でも甘くて美味しい湧き水として定評をえています。「ミージャーガー」にはウコール(香炉)が祀られており、集落の人々は水の神様に豊かな恵みを感謝する井戸拝みで祈りを捧げています。


(カミミチ)

(ワーランガー)

(新垣の御嶽の古墓)

「カミミチ」に戻り東に進むと左側の崖の麓に「ワーランガー」の井泉があります。「ワーランガー」の言葉の由来や意味は不明ですが、石垣に囲まれた穴からは水が湧き出ています。「ワーランガー」の崖から北側に広がる森は「新垣の御嶽(神名:天次アマタカノ御イベ)」の神域となっており「上の御嶽」または「新垣ノ嶽」とも呼ばれています。御嶽森の奥深くの場所に大きな口を開けたガマ(洞窟)があり、入り口には幾つもの石垣が積まれています。向かって左側には花瓶や湯呑みがお供えされている為、このガマは掘り込み式の古墓であると推測されます。古の琉球では風葬が主流で、亡くなった死体を人目のつかないガマに運び骨になるまで安置しました。この「新垣の御嶽」のガマも風葬に使用された洞窟であったと考えられます。


(殿/内原ノ殿)

(殿/内原ノ殿の案内板)

(殿/内原ノ殿の祠内部)

「新垣の御嶽」から東側に約60mの位置に平場が広がっており、横幅4m/高さ2m/奥行き3mの祠が建てられています。「殿/内原ノ殿」は「ヨキヤ巫」と呼ばれるノロの管轄する祭場で、祠内には御神体として幾つかの自然石(霊石)とウコール(香炉)祀られています。戦前までは旧暦5月と6月に行われるウマチー(稲ニ祭)の豊作祈願には、この平場に「新垣集落」の住民が総出で集まりウンサク(神酒)をお供えし祈っていました。グスク時代には「新垣集落」の女性達が住んでいたと伝わる事から、集落のノロが住み祭祀を行っていた「ノロ殿内」の役割があったと考えられます。祠内には他にも古い琉球赤瓦が並べられており、戦前の技法で造られた歴史的価値の高い赤瓦だと思われます。


(イリヌカー/西ヌ井戸)

(アガリヌカー/東ヌ井戸)

「イリヌカー(西ヌ井戸)」は「新垣グスク」の殿曲輪内で「殿/内原ノ殿」の向かって左側にある石積みで囲まれた井戸跡です。「アガリヌカー(東ヌ井戸)」は「殿/内原ノ殿」から北側約20mの位置にある石積みで丸く囲まれた井戸跡です。いずれの井戸も戦前まで井戸水が豊富にあったと伝わっています。戦前までは旧暦5月と6月に行われるウマチー(稲ニ祭)の豊作祈願に拝まれています。「新垣内原遺跡」が入口の「カミミチ(神道)」は「アガリヌカー」から東側に進み階段を降り、再び「中城ハンタ道」に合流する地点が「カミミチ」の出口となっています。


(カミミチの出口/新垣グスクの案内板)

「カミミチ(神道)」の出口から北側に「中城ハンタ道」が続いています。「新垣集落」の北方にそびえる新垣山に「新垣グスク」があり、そこには周辺地域を支配する城主(按司)が
存在していたとされます。「おもろ」の内容を見ると城主の 威厳 繁栄 をうかがわせる内容が謳わ れています。また、良質の 輸入陶陶器 も多く 出土 していることから、当時の「新垣グスク」とその周辺の地域は「中城」の内でも特に栄え ていたと考えられます。


(ツンマースから眺める中城湾と知念半島)

「新垣グスク」に関する「おもろ」

一 あらかきの、ねたか、
  もりくすく、てたか、
  ふさよわか、くすく 
又 てにつきの、ねたか、もり 


(訳) 新垣の根高杜城(新垣グスク)は、
      城主の居城にふさわしいグスクである

一   あらかきの、ねだか、
  もりぐすく、てだが、
  ふさよわる、ぐすく
又   てにつぎの、ねだか、もり

(訳) 新垣の天頂の根高杜ぐすくは、
  太陽の栄え給うぐすくである

一   あらかきの、くにの、ねにけよ、
  しよる、つかい、
  もゝとの、つかい
又   天つぎの、しまのねに

(訳) 新垣の天頂の国の根(中心)に
  今日している神迎えは、
  いく度もくり返したお招きなのだ

−『琉球王国時代の中頭方東海道@中城村「中城ハンタ道」(後編)』に続く−







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最終更新日  2022.03.06 23:01:15
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