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2022.08.21
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カテゴリ: 南城市



沖縄本島南部の南城市佐敷に「新里集落」があります。この集落中央部にある「新里公民館」沿いには「夫婦デイゴ」と呼ばれる二対に構えるデイゴの巨樹があります。「南城型エコミュージアム」の一環としてデザインされた「新里のてぬぐい」には集落の特徴をモチーフに、地域の方や大学生等の意見が取り入られており「夫婦デイゴ」もデザインに採用されています。「新里集落」の世帯数は455世帯で人口は1,124人(令和3年4月末時点)、集落内には50余りの拝所(御嶽•井泉)があります。更に「尚巴志マラソン」の最大の難所である「新里ビラ」と呼ばれる心臓破りの坂も「新里集落」の名所となっています。


(新里馬場跡)

「新里集落」には「馬スーブ/ンマスーブ」と呼ばれる琉球競馬が古くからあり、農村の娯楽として大事な行事の一つでした。「ンマ(馬)スーブ(勝負)」に使われた馬は「島馬/チマンマ」と呼ばれる宮古馬や与那国馬が主流でした。馬の走る速さを競うのではなく、馬の走る足並みや美しさを競う競馬で沖縄本島では「ンマハラシー」の名称でも知られています。村主催の「馬スーブ」は明治から昭和初期にかけて「原山勝負/ハルヤマスーブ」の指分け式の余興として春と秋の年二回行われました。春は「屋比久ガニク」と呼ばれる「外間馬場」で、秋は「新里馬場」で開催されていました。現在「新里馬場跡」には「新里公民館」が建てられて整備されていますが、かつて「新里馬場」では集落の綱引きも行われていました。


(創作舞踊/汗水節の振付記念碑)

(徳森小/徳森グヮー)

「ンマスーブ」が余興で行われた「原山勝負」は19世紀に始まった各間切の重要な農事奨励法でした。春と秋の年二回、耕地の手入れ、農作物、山林の植栽手入れ保護等の成績を品評していました。「新里公民館」には「創作舞踊/汗水節振付記念碑」が建立されています。「汗水節」は昭和初年に国が勤倹貯蓄を推奨するために募った歌で二等当選(一等は該当なし)したのが、宮良長包が作曲した「汗水節」でした。「新里集落」では 曲に乗せて踊る農村らしい振付けの舞踊を 昭和8年に西村正五郎が考案しました。「新里公民館」の東側には「徳森小/トクムイグヮー」と呼ばれる一画があります。この地はかつて農作業の間に村人が休憩する場所として利用されており、現在も文化財として保護継承されています。


(佐久真門モー/新里農村広場)



「新里公民館」の南東側の斜面に「佐久真門モー/サクマジョーモー」と呼ばれる農村広場があります。ここではかつて「新里の村アシビ」が旧暦8月15日(15夜の日)に毎年行われていました。村アシビは集落単位で楽しむもので、集落の住民同士の和を形成するために開催されました。しかし、大正7年に催された「龕のお祝い」は3日に渡り盛大な村アシビが行われ、集落外からも多数の見物客が押し寄せて大変賑わいました。各家庭では見物客にご馳走を振る舞ったと言われています。「佐久真門モー」と「新里馬場」では「新里集落」のフンカ(代表的な芸能)である「長者ヌ大主」を始めとして「仲順流」「国頭サバクイ」「アヤグ」に続き、他の狂言や端踊など多数演じられました。


(石畳道)

(昔産井戸/ウンブガー)

(昔産井戸/ウンブガー)

「佐久真門モー」の西側に位置する「イビの森」の北側丘陵中腹に古い「石畳道」が残されています。この「石畳道」を進んでゆくと「昔産井戸/ウンブガー」と呼ばれる井戸の祠があります。この井戸は南側の丘陵を登った先で「イビの森」の北側に構える「新里ノ殿」と直接的な繋がりがあります。かつて「新里ノ殿」の場所にあった屋敷に「新里大主」が暮らしていた時代に「産井戸/ウブガー」として利用されていた井戸でした。


(土帝君/トゥーティークン)

(土帝君/トゥーティークンの石堂)

「昔産井戸/ウンブガー」の南西側の小高い森に「土帝君/トゥーティークン」と呼ばれる石堂が鎮座しています。この石堂の内部にはかつて陶器の仏像が三体祀られていました。それぞれ「土地の神」「農作物の神」「観音様」として崇められ拝まれていました。昔は「土帝君祭」として旧暦2月2日(ニングヮチカンカー)に、豚の頭や鳥の丸焼きなど御供物として盛大に祝いました。農作物の害虫被害が大きい場合には、この石堂で「場天ノロ」により「ムシバレー」と呼ばれる虫祓いの祈願をしてから集落の北側にある「西の龍宮」を拝み、害虫をクバの葉に乗せて海に流しました。また、稲作をしていた頃は「タントゥイ」という種取りの時期に祈願され、更に「観音様」は子供達や旅に出ている者の健康祈願として拝まれていました。


(勢理客ノ殿/ジッチャクノトゥン)

(勢理客ノ殿/ジッチャクノトゥンの祠)

(勢理客ノ井戸/ジッチャクノカー)

「土帝君/トゥーティークン」の北側には「勢理客ノ殿/ジッチャクノトゥン」と呼ばれる祠があります。1713年に琉球王府により編纂された「琉球国由来記」には『ゼリカクノ殿 稲二祭之時、五水六合・神酒壱地頭、シロマシ・五水四合・神酒壱百姓、供之。同巫祭祀也。且、祭之日、バテンノロ・若ノロ・根神ヘ朝食五ツ組、居神四人・掟ノアムヘ三ツ組ニテ自地頭有馳走也。』と記されています。この「勢理客ノ殿」は「勢理客大主」の屋敷跡があった場所に造られており「新里集落」では旧暦5月と6月の「ウマチー」と呼ばれる稲の豊作祈願と収穫祭で拝されています。祠の向かい側には「勢理客ノ井戸/ジッチャクノカー」があり「勢理客大主」の屋敷で使われていた井戸跡が現在も残されています。


(上之井戸/ウィーヌカー)

(勢理客樋川/ジッチャクヒージャー)

(勢理客樋川/ジッチャクヒージャーのウコール)

「勢理客ノ井戸」の南西側に「上ノ井戸/ウィーヌカー」があり、現在も石が組まれた井戸跡が残されています。この井戸はかつては「勢理客大主」の屋敷から南西側に住む人々の生活用水として使用されていたと思われます。更に、この井戸の北西側には「勢理客樋川/ジッチャクヒージャー」と呼ばれる井戸跡があります。この井戸跡に生い茂る樹木の下には「勢理客樋川」を祀ったウコール((香炉)が設置されており、水への感謝を奉る拝所となっています。「樋川/ヒージャー」とは岩盤の奥の水脈から石樋を通して水を引いてきたものを言いますが、今日かつて存在した石樋は確認されません。現在は樋川があった場所のすぐ脇に水量が多い水路があり、かつての「勢理客樋川」と同じ水源から現在も水が流れ出ていると考えられます。

(ダロー森/ダロームイ)

(国元の神アシャギ/右側と村元の神アシャギ/左側)

新里公民館の西側丘陵の頂上に「ダロー森/ダロームイ」と呼ばれる一画があり、ここから東側斜面の麓には「国元の神アシャギ」と「村元の神アシャギ」と呼ばれる屋敷が2軒並んで建っています。国元と村元は「嶺井門/ミジョー門中」(仲嶺井門/ナカミジョー)で、神御先祖は「先並里/サチナンジャトゥ」であったと伝わります。「新里村」の門中は先住民である並里系の「嶺井門/ミジョー・西銘/ニシメ・新地/ミージ」などと、後から入ったと言われる佐銘川(鮫川)系の「石原/イセーラ・勢理客/ジッチャク・佐久真/サクマ」などの二つに大別されます。元は「大里間切下里村」であった「新里村」は「尚巴志」の祖父である「佐銘川大主」が村立てして「佐敷間切」に加わったと伝わり、国元(佐敷間切)と村元(新里村)の二つの「神アシャギ」と呼ばれる屋敷がこの地に建てられたと考えられます。


(西の龍宮/イリの龍宮)

(東側の龍宮/アガリの龍宮)

「新里集落」北側の海岸沿いに「西/イリの龍宮」の祠があり龍宮神が祀られており、卯年と酉年の8月15日に集落と各門中の代表により拝されています。「新里集落」には古い龍宮神信仰が残されており、死者は遠く離れたニライカナイに旅立つと言われ、集落の住民は葬式の翌日や墓参りの後に龍宮神を拝みます。「西/イリの龍宮」の南東側約200メートルの場所には「東/アガリの龍宮」の祠があります。令和3年12月4日に橋の建設の為に移設されましたが、元の場所は「場天ノロ」が海上の無事を龍宮神に祈願した御通しの拝所でした。さらに、琉球王国最高の女神官であった「聞得大君加那志」が悪天候で漂流した薩摩から生還した際に上陸した所と言われ、丸い平たい石が祀られていたと伝わります。こちらも卯年と酉年の8月15日に集落と各門中の代表により拝されています。








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最終更新日  2022.11.11 21:10:03
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