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2022.11.18
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カテゴリ: 大宜味村



ユネスコ世界自然遺産に登録された沖縄本島北部に広がるヤンバルの森に「大宜味(おおぎみ)村」があり、この村の北東端には「謝名城(じゃなぐすく)」という集落があります。この集落は「根謝銘/ネジャミ•一名代/テンナス•城/グシク」の3つのシマ(村)で構成されています。「謝名城集落」は北側に隣接した「国頭(くにがみ)村」の「田嘉里(たかざと)集落」と同様に「根謝銘(ねじゃめ)グスク」を抱えた土地に村が形成されています。集落の北側にそびえる「根謝銘グスク」は「上城/ウイグスク」とも呼ばれており、その発祥は不明ですが城跡から発見された陶器や磁器類からみて13世紀中期の地方豪族の築城と考えられています。また、一説では「大宜味按司」の居城であるとも言われていますが、現在も詳細は謎に包まれています。


(殿内根所/御殿根所)

(殿内根所/ドゥンチニーズ)

(御殿根所/ウドゥンニーズ)

(御殿庭/ウドゥンマー)

「謝名城集落」の西側でかつて「城村」があった場所に「根謝銘グスク」があり、このグスクの東側丘陵の麓に「殿内根所/ドゥンチニーズ」と「御殿根所/ウドゥンニーズ」と呼ばれる「火の神/ヒヌカン」を祀った拝所があります。コンクリート製の祠は首里王府に相対する北側に向けられて建立されており「根謝銘グスク」への御通し拝所の役割もあると考えられます。向かって左側の「殿内根所」には複数のビジュル石(霊石)と石造りのウコール(香炉)が二基祀られ、右側の「御殿根所」には複数のビジュル石と石造りのウコールが一基設置されています。この拝所の脇には「御殿庭/ウドゥンマー」と呼ばれる広場があり、ノロ(祝女)やカミンチュ(神人)がこの場所で神踊りを舞い、招いた神々を送る神送りの儀式が執り行われていました。


(根謝銘グスクへ登る階段)

(仲庭/ナハマーの石碑)



(仲庭から頂上に向かう石段)

「根謝銘グスク」へ登る時に「仲庭/ナハマー」の木にノロが乗ってきた馬を繋いでいました。「ウンガミ/海神祭」ではこの場所でオモロを謳い、この下の「御殿庭」で神送りの儀式が行われました。「ウンガミ」は旧盆明けの亥の日に執り行われる祭で海の神だけでなく山の神もお迎えし、悪疫を祓い豊年と子孫繁栄を祈願する行事です。「根謝銘グスク」が祭りの舞台となる「ウンガミ」は「謝名城集落」を管轄する祝女である「城ノロ」を始めとし、アキ折目にチキ(御飯に汁をかける)して食べる「チキシュ神」、ノロの補佐役である「セーファー神」と「若祝女/ワカヌル」、ウムイ伝承者で村の行事を司る「根神」、男神の「地頭神/シドゥウガミ」、小使い神の「サンナム」で構成され『七重/ナナエのヤジク神』と呼ばれていました。他にも「アシビ神/遊び神」「道セーキ神/道片付け神」「内原/ウチバラ根神」の神々も存在したと伝わります。


(根謝銘グスクのビジュルの石碑)

(根謝銘グスクのビジュル)

(ビジュル近くの拝所)

(ビジュル近くの拝所)

「仲庭」から更に石段を登りグスクの頂上に向かう途中に「根謝銘グスクのビジュル」と呼ばれる霊石が鎮座しています。その昔「根謝銘グスク」の按司が敵に打たれ、残された按司の妻である「ウナザラ/ウナジャラ」が拝んだ霊石であると伝わります。願い事や占い事をする際に霊石を持ち上げられるか持ち上げられないかで吉凶を占うとの伝承が残されています。また、このビジュルの近くには岩々に囲まれた場所に古い石造りのウコールが設置され祀られた拝所が二箇所存在します。大宜味村が発行した『大宜味村史』には次のような記述があります。『根謝銘城 字謝名城の東北小字城にあり、一名上城とも言ふ。住昔中山英祖王の後裔なる大宜味按司の居城にて、城は天険に依るのみで別に砦壁を囲らさず、実に要害無比である。』


(城之川/川神)

(城之川の拝所)

「根謝銘グスクのビジュル」から更に頂上に向かう左側に平場があり「城之川 川神」と記された石碑がありウコールが設置されています。現在は湧き水は枯れていますが、現在も井戸跡には「川神」が祀られています。この井戸跡の奥にはコンクリート製の祠が建立されておりウコールが祀られた拝所となっています。「根謝銘グスク」に居城した「大宜味按司」の先祖は「英祖王(1229-1299年」で、その後「北山世主湧川王」「北山世主湧川按司」「北山世主今帰仁按司」「仲昔今帰仁城主」から「大宜味按司」へと系統が続きました。その後「大宜味按司」の家系は長男「大宜味若按司」長女「真鍋樽金」二女「童名不明」三女「真住度金」四女「真牛金」と継がれて行きました。


(根謝銘グスクの神アサギ)



「根謝銘グスク」の「神アサギ」は瓦屋根の建物でグスク内の「中城」に位置しており「城ノロ」が祭祀を司る聖域でした。一般的な神アサギとは造りが異なり壁や床の敷かれた部分があり、沖縄では珍しいこの構造は奄美の加計呂麻島に見られます。毎年旧盆後の初亥の日に「城ノロ」主催の「根謝銘グスクのウンガミ/海神祭」には「謝名城•喜如嘉•饒波•大宜味」の各集落からカミンチュ(根神•神人•根人等)達が年一回の村外での勤めとして参加しました。因みに「大宜味集落」では城(グシク)に登って出向く事は「グシクヌブイ」と呼ばれています。「神アサギ」の内部ではカミンチュの座る位置も決められており、神アサギ内で神酒を酌み交わした後に建物の東側にある「アサギマー/アサギ庭」でオモロが謳われ舞が奉納されました。


(アサギマー/アサギ庭)

(アサギマー/アサギ庭)

(神アサギ北側の石組み)

「アサギマー」には神人達が座る長椅子を設置する為の10個余りの石がコの字型に並んでいます。ウンガミの行事では「アサギマー」で4回の神踊りが奉納されます。1回目はアシビ神(遊びビラムト神)が弓矢を上げ下げして踊り、2回目はアシビ神はハーブイを頭に被り円を作り弓矢を上げ下げして踊ります。3回目は3人のアシビ神がそれぞれ赤色、黄色、赤黄色の菊模様の入った紫色の衣装に着替えて踊り、4回目は神人が2本の縄を並行に引き舟に見立て、その中にアシビ神が入りナーアシビ(縄遊び)を踊ります。その最中に1人の神人が海ぶどうとシークワーサーを庭の中央に撒き散らし、残りを参拝者に配り祭祀は終わります。因みに「神アサギ」の北側には1つの岩が2つの石を土台として組まれた拝所と思われる場所が存在しています。


(中城御嶽)

(中城御嶽のイビ)




(中城御嶽東側の拝所)

(中城御嶽北東側の拝所)

「中城御嶽」の裏手に当たる東側に立つ木の下には石造りのウコールが設置されており、御嶽の北東側にも古いウコールが祀られています。「謝名城集落」の「城村」には次のような『あまうぇーぬやじく』という神唄があります。『城もい(城森)  七よあじゃげ 八尋あしゃげ(七尋アシャゲ 八尋アシャゲ)  真中に吾が祝女ば うんちけしち(真中に吾が祝女を 御招請し)  吾が主ば うんちけーしち(吾がぬしを  御招請し) 八尋あしゃげ 真中に(八尋アシャゲ 真中に)  神寄添ひて むましば(神寄り添いて おわせば)  赤わんのゆなはしに(赤椀の世直しに)  中もらち はた盛らち(中盛らし 端盛らし)  うさげやべら(捧げよう)  アレアレ うさげやべら(アレアレ 捧げよう)  ハーラーユーヤーンサーユイ(ハーラーユーヤーンサーユイ)






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最終更新日  2022.11.21 13:15:50
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