【第６話】電気洗濯機

室長からかかってきた電話を勝手に切ったり、「いとこです」と自己紹介してるギョンミンを観察すると、もう絶対好きだね、ジョンウンのこと。本人気づいてないけど。

とにかく洗濯機を見せたくて迎えに行ったわけで、あとちょっとのところで室長に待ち伏せされて面白くないわけですよ、彼は。口では「一緒に行け」と言うくせに、いざ一緒に行ってしまうと「本当に行くやつがあるか」ですもん。気難しい王子です。

ジョンウンが「祭祀にはコレ」とギョンミンに渡したものは何だろうか？日本の法事だとご仏前とかお線香持って行きますよね。宗教にもよりますが。長さ的には千歳飴。お酒かな？四角い箱に入っていました。

ギョンミンの両親は幼い頃事故で亡くなっています。本来なら両親の法事なのに、弔うのは父親だけ。駆け落ち同然で結婚した二人をギョンミンのハラボジ(おじいちゃん)は、いまだに許してないのです。とくに嫁を。そんな経緯から祖父と孫も決していい関係でなく、ギョンミンの借金や素行すべてがハラボジの悩みの種でもあるのです。

そういう事情を知っているジョンウンが、さりげなく差し出すのですよ。「これはお母さんの分」と。白い菊の花を一本。そんなことされちゃ、ギョンミンも感動せずにはいられないよね。

久しぶりに実家に帰りハラボジと喧嘩別れして屋根部屋に戻ってくるギョンミン。今までと違うのは、ヤツがジョンウンに気を遣ったこと。部屋で待ってるジョンウンのことを思い「うまくいった」と優しい嘘をつくのです。

ただ、そう簡単に人間変われるものではなく。アダルトサイトの利用料をジョンウンの携帯で決済したり、約束していた映画を断って、またヘリョンに会いに行ってしまうのです。

ハラボジの具合が悪くなったという嘘を信じてお金を持たせてやろうと追いかけた先には、ヘリョンに「用事は片付いた」と電話するギョンミンの姿あり。ジョンウンのショックは計り知れません。

屋根部屋のネコ Vol.1
屋根部屋のネコ Vol.2

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