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カスミサクラダイ(Plectranthias japonicus)。needling後の写真。カスミサクラダイの嗜好が時々変化するので、キビナゴやオキアミから活きエビに変えることがある。今までは活きエビを食べると再びキビナゴやオキアミを食べ出していたのだが、今回は違った。活きエビを食べて数日後に体内にガスが溜まってしまったのだ。原因として考えているのは活きエビの種類を変えたこと。ガス産生菌への腸内細菌叢の変化があったのかもしれないと思っているが、今のところ詳細は不明である。実は以前にも別の深海魚で同じような経験がある。そのときも活きエサ変更後だった。さて今回、ガスが溜まってからしばらく経過を見ていたのだが、摂餌が出来なくなったので、非侵襲的に治療を試みることにした。結果、治療効果なし。ということでやむを得ずneedlingを行った。飼育開始から2年11か月ほど経過している大切なカスミサクラダイ。decompressionが原因ではなく、needlingがうまくいくかどうかは不明。今後もし摂餌できるようになれば、広域抗菌薬投与も一案かもしれないと思っている。
2023年02月19日
現在飼育中のヒメギンポ(Springerichthys bapturus)。今年串本で採集した個体であるが、お持ち帰り直後の観察で寄生虫が見つかった。それがこちらのウミクワガタ科の一種(Gnathiidae sp.)。プラニザ幼生である。ちなみにウミクワガタの成体は寄生しない。寄生するのはプラニザ幼生のみ。針状の口器を右胸鰭の第1鰭膜に突き刺している。刺された部位は白っぽく変色している。炎症や浮腫を反映しているのかも?寄生虫好きのホムラspっす。なんだか愛着がわいてしまう~♪と言っても、水槽内にそのまま持ち込むつもりはない。でも持ち込んだところで、どうってことないと思うが…。1匹だけだし、寄生も成体になるまでに3回だけだし…。こちらは尖鋭ピンセットで取り除いたプラニザ幼生。やっぱりかわいい。でもたぶん☆になっている。淡水浴後にピンセットでつまんだから仕方ないかな。
2022年09月11日
昨日のブログに掲載したセトミノカサゴに寄生していたタマコブムシ(Ichthyotaces pteroisicola)。なんてラブリーな外観~♪これでも甲殻類なんだからなぁ~。面白すぎる。この種はカクレムシ科に属するカイアシ類。セトミノカサゴの尾柄に瘤を形成して寄生していた。こちらが宿主のセトミノカサゴ。尾柄の瘤内に褐色の個体が確認される。摘出後の状態。瘤だけが残存している。今回、尖鋭ピンセットを用いて、瘤の茎にあたる部分を摘み、捻出して摘出した。瘤を形成して寄生すると言えば、コブトリジイサン属(Sarcotaces)の寄生虫が思い浮かぶ。そういや以前飼育していたAntennarius biocellatusにもSarcotaces sp.らしきものの寄生が見られたなぁ。機会があれば摘出してみようっと。さて話は逸れたが…。こちらは摘出したタマコブムシ。このモコモコした形状、メスだな。オスはもっとカイアシ類っぽいんやけれど。少し小さめの個体。これもタマコブムシのメスでいいんだろうか?よくわから~ん。ちなみに寄生虫を摘出したセトミノカサゴは現在、ケア中。大丈夫だろうとは思うけれど、二次感染予防のため、別水槽で観察を続けている。
2021年11月25日
セトミノカサゴ(Parapterois heterura)。やってきた時の写真。ご覧の通り、白点病になっていた。まだ比較的初期。早速治療を開始した。ヒトでもそうだが、風邪症状が出始めたころに治療すれば治癒しやすいが、肺炎などを併発すると治療期間は遷延する。海水魚も同じだと思う。鰭などに数個の白点が出現した時点で治療すれば治癒しやすいが、経過を見ていて悪化してからでは、手遅れになることが非常に多い。よく相談を受けるのがこのパターン。悪化してからでは治癒率が低下するので、もっと初期から治療すべきだと思う。治療方法はいろいろあるが、今回は水換えを繰り返すことで治療した。昔から言われているいわゆる「バケツリレー」ってやつ。セトミノカサゴは脱皮をする。さらに白点病を罹患していると脱皮の頻度が高くなり、脱皮したものが多数散乱する。これには白点虫が付いている可能性がある。今回「バケツリレー」を選択したのはこの脱皮したものを除去するという意味合いもある。こちらは1週間ほど経過したときの写真。まだわずかに残存しているが、やってきた時と比べると、かなり減少した。その後治療を継続して完治した。
2021年11月09日
新型コロナウイルスのワクチン接種後の抗体価がわかりほっとした。濃厚接触者でもないのに何度もやらされたPCR検査同様、最初はまたか…と思ったけれど、抗体価を知っておくことは今後の仕事に影響するので必要と思い、検査した。2回目接種後4か月以上経過しているが、抗体価は一般的な数値より高く、倍以上あった。ただほかのドクターと比較するとそれほど高いわけではなく、むしろ平均ぐらいだった。感染既往があった方は非常に高く、10倍以上の抗体価の方もいた。高齢の方は低めだったが、それでもワクチンとしての効果は十分だった。気になるのは3回目のワクチン。いつごろが適切なのかな。さてこちらはアカハタ(Epinephelus fasciatus)。和歌山からやってきた個体。尾鰭に乳白色の結節が見つかった。寄生虫かもしれないが、ほかの可能性もある。尾鰭軟条の腫瘍や瘢痕など。よくわからないがwildの個体の危険性は相対的に高い。特に伝播する感染症の持ち込みには気を付けたい。このアカハタも和歌山のwildの個体。しばらくは予備水槽で観察かな。ほんとワクチンでもあればいいのに。特に観賞魚のメジャーな感染症に対して。一部の魚類の感染症には水産用のワクチンがあるんやけれどなぁ…。
2021年08月27日
最近串本で採集したソウシハギ(Aluterus scriptus)。尾鰭の寄生虫が気になり、お持ち帰りした。こちらが尾鰭に見られた寄生性カイアシ類、ウオジラミ科の一種(Caligidae sp.)。めっちゃたくさん…(汗)。ソウシハギに寄生するカリグス類としてCaligus polycanthiとかが、候補にあがるのかもしれないが、はっきり言ってよくわからな~い。カリグス類の宿主特異性を考えると、現在飼育中の魚には寄生しないと思うのだが念のため駆虫。ただし、モンガラカワハギとかを飼育していたら、C. polycanthiだったら寄生するだろうな。
2021年07月06日
イラモドキ(Choerodon japonicus)。現在、とても調子がいい~♪「現在」と記載したのは「過去」は良くなかったから。どういうことかと言うと、飼育開始から数日後に減圧症を発症してしまったのだ。もともと深場から採集された個体なので少しは予想していたこと。減圧症と言っても症状はいろいろある。体内のairによる遊泳異常はmajorな症状であり、これが限度を超えると鰾破裂になる。脱腸もmajorな症状。ほかにもいろいろと…。減圧による症状は多彩であると感じており、採集直後から飼育中にいたるまで、いつ発症してもおかしくないと思う。今回の症状は眼球内に異常に溜まったair。眼球内と言ってもおそらく角膜直下。鑑別にガス産生菌の感染を考えたが、感染症の症状はなかった。時々ある症状で、今までほかの深海魚で何度か治療したことがある。侵襲的治療 or 非侵襲的治療?前者は魚のストレスが大きいため避けたいが、非侵襲的な治療がだめなら選択せざるを得まい。結果、非侵襲的な治療を2回行って完治したが、2回目施行直後に眼球内に微小出血をきたした。このときの写真はないが、角膜の一部が損傷しているように見えた。そこからairがleakしたのかもしれない。同時に抗菌薬投与を考慮したが、過去にベラ類に投与した際に調子を崩したことがあったため、今回は無投薬。このことは今でもよくわからないが、薬剤の代謝経路でなんらかの異常を起こしたのかも知れないと思っている。その後、経過観察を続けていくと、眼球内の微小出血は早期に消退し、感染症などの合併症もなく現在に至っている。
2021年06月05日
クルマダイ(Pristigenys niphonia)に寄生していたハダムシ。淡水浴後にはがれた個体をシャーレに取り出したところ。白っぽいので☆になっているはず。以前ほど寄生虫に対する興味は薄れたが、せっかくなのでもうちょっとだけ観察。体前端に口前吸盤、体後端に固着吸盤、中央付近に生殖器が確認される。ベネデニアか、ネオベネデニアかは腟の有無でわかるらしいのだが、この個体はどっちなんや。気が向いたら勉強しようっと。
2019年12月04日
クルマダイ(Pristigenys niphonia)。ご覧の通り、眼が腫大しやや曇っている。ハダムシ症などの感染症、損傷などの可能性がある症状。(のちにハダムシ症であるとわかった。)飼育開始時に淡水浴を行ったのだが、完全に駆虫できなかったか。
2019年12月03日
バラハナダイ(Odontanthias katayamai)。沖縄の深海より採集された個体。2018年5月21日のブログに掲載した右腹鰭の白い結節は緩徐増大をきたしている。気にせざるを得ない。ただこれ以外には明らかな異常を認めないため経過観察した。
2018年08月31日
比較的飼育しやすいほうだと思うバラハナダイ(Odontanthias katayamai)だが、最近気になることがある。頭部を下にしているが減圧症ではない。いつもは普通に泳いでいる。たまたま下向きに休憩しているだけ。気になることはこんなことではなく、右腹鰭辺縁に見られる白い結節のことである。自然治癒を期待し経過観察していたが、非常に緩徐ではあるものの増大しているような印象がある。リムフォシスティス病のようなウイルス感染による腫瘍様の細胞肥大なんだろうか。それとも何らかの腫瘍なんだろうか。個人的には魚を取り出して病変を切除してしまいたいのだが、魚のストレスは相当なものだろうから、なかなか踏み切れない。切除以外の方法で対処してみるか。
2018年05月21日
クルマダイ(Pristigenys niphonia)のこと。ご覧の通り、照明がない暗めの水槽で飼育している。さてこのクルマダイだが、飼育を始めてしばらく経ったころに鰭などに白い点々が多数見つかった。こちらは背鰭の軟条部。暗めの水槽で飼育していたせいもあり、発見が遅れた。もっと初期に発見すべきだったなぁ。反省~。とりあえず治療を開始。治療方法は水温調整と水換え。薬品の使用なし。治療後の背鰭の軟条部。これでOK。発見が遅れたことは今回の大きな失敗であったが、クルマダイのサイズが大きく、体力があったことが幸いした。これが別の小さな海水魚だったら☆になっていたかも…。考えただけでもぞっとする。
2018年03月21日
写真はフジナハナダイ(Plectranthias wheeleri)。以前の写真である。眼隔域に灰色の部分が2か所(前方と後方)に認められた。糜爛~潰瘍の状態だと思う。前方の病変には出血の併発が見られ、後方の病変の辺縁部分はうっすらと黒っぽい。この黒っぽい領域が拡大し進行性の組織破壊をきたすのが、いつものパターンである。治療を開始して1週間後。前方の病変部位は組織欠損が見られるものの、ほぼ瘢痕化しているようであった。後方の病変は左方へ拡大し、さらに前方へ偏位。(new lesionの可能性もあり。)偏位は前方の病変の瘢痕化による引き連れかもしれない。黒っぽい領域は辺縁だけでなく中央にも出現し、拡大していた。治療を続けてさらに2週間が経ったころ。病変は縮小し、黒っぽい領域はわずかに残存するのみとなった。なんとかhealing stageにまで持ち込めたが、再発しないとは限らないので治療を継続した。その後病変はほとんど目立たなくなり治療を終了した。それにしても厄介な病気。救いは病気の伝播が(今のところ)見られないこと。では何をきっかけとして発症するのか。個人的には擦れなどの外傷が原因となり、感染をきたしているのだろうと思っている。すなわち深海にはいないような細菌、真菌などが傷口から入り込んで、この厄介な病気を引き起こしているのだと推察している。
2018年02月16日
消灯時にライトで照らして撮影したバラハナダイ(Odontanthias katayamai)。2017年12月21日のブログに記載した左の鰓後方の白い点の確認を行った。同部の鱗の辺縁は黒ずんではいるが、白い点は縮小していた。治癒経過と思う。これとは別に臀鰭始部の上方に小さな白い点を発見…。わずかに膨隆している。病的な意義は低いと思うのだが、念のためフォローすることにする。これら以外には特に問題はないようだ。
2018年01月04日
バラハナダイ(Odontanthias katayamai)。沖縄の水深220mで採集された深海魚。よって薄暗いやや低温の水槽で飼育している。そして時々このようにライトで照らして健康チェックを行っている。今回、鰓の後方に白い点が見つかった。鱗が少し浮いているようにも見える。このまま経過観察していても問題ないとは思うのだが…。ちなみに2017年10月27日のブログに掲載した下顎先端の白い結節は消失した。
2017年12月21日
バラハナダイ(Odontanthias katayamai)のこと。エサ食いはいいし、いっしょに飼育しているクロオビスズキとの喧嘩もなく、いい感じだと思っていたのだが、最近下顎先端に白い結節があることに気付いた。LCDV感染症や擦れなどを考えたが、回顧的に以前の写真を見ると同様の結節があった。経時的に見て変化が感じられないので、病的意義は乏しいのかもしれないが、念のため留意して観察を続けようと思う。
2017年10月27日
以前より飼育しているAntennarius biocellatusのこと。1つ目:アバウトな比重管理。汽水で生息できるカエルアンコウの仲間。海水性の白点病の発生を抑制するために比重を1.008弱でキープしているのだが、最近水換えがアバウトになっていた。先日比重を測定すると1.005…。いつの間にか結構下がっていた。2つ目:白い膜状のもの。1か月ほど前のこと。水面に白い膜状のものがうっすらと…。油膜かと思ったが、カビのような白い粉状だった。水換えと同時にやや多めにポビドンヨードを添加したらいつの間にか消えた。3つ目:体表の結節のこと。2017年6月4日のブログ掲載写真と比べて左眼後上方の結節は縮小している。左眼内側の結節はほぼ消失。左胸鰭上方の結節はあまり変化なし。ほかにも結節はあるが、全体的に縮小傾向である。ちなみに後方にいるもう1匹のAntennarius biocellatusには体表結節は見られない。4つ目:危ないと思ったこと。最初の写真の手前のAntennarius biocellatusはこのとき口が半開き状態であり、給餌棒で与えたエサをうまく食べれなかった。食べようとする仕草はあるのだが口の開きが悪く失敗する。そういや以前に同じような症状で☆になったカエルアンコウのことを思い出した。何が原因かはわからないが、とりあえず栄養添加を多めに行ったエサを強制給餌させた。それから1週間後症状は回復していた。いったい何だったのだろうか。
2017年09月11日
写真はヤセハリセンボン(Diodon eydouxii)。飼育を始めて3週間ほど経過したころ、ポツポツと白点病が出現しはじめた。このとき水温は21℃ほど。通常よりも低めに設定している。白点病の初期。さっそく治療を開始した。水換えの繰り返しにて治療することが多いが、ヤセハリセンボンの場合、治療後水槽へ戻すと再発するんじゃないかなと思われたので、隔離せず、このまま水温を下げて治療することにした。すなわち白点病が発生しない水温にまで徐々に持っていくのである。問題は低水温にどこまで耐えられるかということ。熱帯、亜熱帯に生息するヤセハリセンボン。浅いところから結構深場にまで生息。生息場所と表層水温のマップを見比べながら18℃ぐらいなら大丈夫だろうと予測して、2週間かけて緩徐に水温を低下させていった。もちろん途中で異常が見られたら別の手段への変更を考えて。結果。水温低下途中で白点病の消退と出現を繰り返したが、18℃近くになると消えてなくなり、再発しなくなった。低水温(18℃)でのヤセハリセンボンのエサ食いの低下はなく、また泳ぎに異常を認めなかった。ちなみに尾鰭辺縁の白い点はその後も変化がなかった。擦れあるいはリムフォかもしれない。水温を上げると再発すると思われたので、結局このまま低水温をキープすることにした。Wilkie and Gordon(1969)によると、海水の白点病は19℃未満で発生しなくなるとのこと。ただ18℃台後半だと、経験上消退と出現を繰り返すことが多かったので、この方法で白点病の発生を抑制するときには18℃前後にまで低下させることにしている。
2017年08月29日
Antennarius biocellatusの体表結節の経過。昨年12月7日のブログ掲載写真と比べて一部の結節が軽度縮小。明らかに増大している結節はない。A. biocellatusには体表結節をのぞき、これと言った異常を感じられない。この体表結節の病的意義は乏しいのかもしれない。結節の病理には興味があるが、縮小傾向ならそれでもいい。このまま退縮することを願う。
2017年06月04日
写真はフジナハナダイ(Plectranthias wheeleri)。以前より数匹飼育しているが、写真の個体は最近深海(水深220m)より採集され、ホムラspのところへやってきた新たな個体。ほかのフジナハナダイと比べて、全体的にedematousな印象。鱗が立った感じを見ると余計にそう感じてしまう。それ以外で気になるのは肛門付近の内出血らしきもの。ほんのりと赤い…。感染症も考えられるが、普通に考えると水圧変化による損傷・出血だろう。深海より採集された際に脱腸する個体は多い。脱腸しないでこの程度の内出血だけで済んでいればまだ軽症。経過観察か…。それとも二次感染予防のための薬剤投与か。それよりもedematousに見えることのほうが心配だ。
2017年06月02日
イッテンサクラダイ(Odontanthias unimaculatus)。体内のガス貯留に対して非侵襲的な治療を試みたが、予想通り改善は見られなかった。やはりこの時期の再発の治療は難しい。その後水槽のレイアウトを変更。水中で静止しやすい場所を作った。いずれは侵襲的な治療も考慮すべきか。できれば避けたいものだが。
2017年03月31日
イッテンサクラダイ(Odontanthias unimaculatus)。最近、他魚の飼育場所の確保のため、写真のリフジウム水槽へ移動させた。現在、ここで単独飼育中。ほかのOdontanthias属の海水魚と同時飼育すると喧嘩することが多いため、飼育場所には苦労する。そしてさらに厄介な点がある。それは体内の空気貯留。飼育開始から1年数か月が経つが、ここに来て再発か…。しかも緩徐ではあるが進行性だ。この時期の再発は治癒困難なことが多いだけに困ったものだ。さてどうするか…。
2017年03月22日
数匹いるバラハナダイ(Odontanthias katayamai)。そのうちの1匹において右眼上部に潰瘍性病変が生じた。昨年10月初旬に右眼上部に小さな黒色斑が生じ、それが次第に拡大し中央にびらんを形成。その後さらに進行して潰瘍化したのである。最初の写真は11月中旬の状態(このときすでに治療中)。黒色斑を形成した時点で嫌な予感がしていた。それは他魚において同じようなケースがあったから。なんとか治癒したケース(1例)もあったが、ダメだったケース(1例)もあった。今回は治癒したケースを思い出し、細菌感染だけでなく真菌感染も考慮しながら治療を行った。結果。右眼上部の組織の再生はなく、欠損したままではあるが、欠損部の腫脹・発赤はなく、ほぼ治癒したと考えられた(12月)。その後現在に至るまで局所再発はなく、明らかな後遺症も見られない。
2017年01月29日
少し前のイッテンサクラダイ(Odontanthias unimaculatus)。眼隔域に白い点があったので撮影しておいた。この写真ではわからないが、一部が少しだけ膨隆していた。頭部感覚管孔に一致した点なのだろうか。でも実際のところこれが感覚管孔なのかはよくわからない。白点病は発生しないとされる低水温。よって白点病ではないはず、たぶん。万一、低温耐性のvariantがいたら困ったもんだが。結局のところ、何らかの軽症の感染症だと考えて、このまま経過観察を続けていたら消失した。
2017年01月13日
Antennarius biocellatusの体表の数個のcystic lesionの経過。何らかの寄生虫(Sarcotaces sp.?)を疑い、興味深く観察・飼育を続けていたが、以前と比べてsize縮小。左眼内側のlesionの縮小が顕著でわかりやすい。さて今後どうなるのか、非常に興味深い。退縮して消失あるいは器質化してしまうのだろうか。
2016年12月07日
Antennarius biocellatusの体表結節の経過。9月2日のブログ掲載写真と比べて緩徐増大を来している。Sarcotaces sp.あたりの寄生虫なのかもしれない。ほかにも考えられそうだ。個人的には興味深いのでこのまま経過観察を続けるつもりである。でもcysticに見えるため穿刺したい気持ちもある。1つぐらいならいいだろうか…。もちろん二次感染予防のための抗生剤の前投薬を行ってから。それに穿刺してfluidの吸引ができたとして、その後どうなるのかも気になる。(これが寄生虫として)☆になって器質化してしまうのかもしれない。そうなら穿刺吸引が治療法になるかもしれない。(皮下の器質化なら問題ないかもしれない。)再びfluid貯留があるなら厄介だな…。ちなみにsolid componentの可能性もありうる。
2016年10月31日
シマキツネベラ(Bodianus masudai)。11日前の写真。このとき臀鰭の鰭膜に浅い切れ込みがあり、辺縁に小さな白い点があった。現在の写真。変化はない。軽症のLCDV感染症あたりかもしれない。増悪しない限り、もう少し様子見ても良さそうだな。
2016年10月15日
Antennarius biocellatusの続き。汽水性のカエルアンコウの仲間である。体表の数個の結節はこのような感じ。これとは別のこと。体表の白い点が白点病っぽく見える…とすぐさま友人から電話。確かに…。比重を測定すると1.010にまで上昇していた。いつもは1.008程度。ということで1.007~1.008に調整し、様子を見ることにする。
2016年09月03日
Antennarius biocellatusのうちの1匹。汽水性のカエルアンコウの仲間である。ご覧ように眼の周囲などに数個の結節を確認。Retrospectiveに見ると、以前の写真にも微小な結節があったことに気付く。それが緩徐に増大してきたのだろう。見た目はcysticな印象を受けるため、穿刺吸引を試みたいが、solidかもしれない。それに寄生虫の可能性もあるのかもしれない。近海のカエルアンコウによくみられるSarcotaces sp.に少し似ている。寄生虫?Sarcotaces sp.?そう考えると非常に興味深くなる。これからの観察が楽しみかもしれない。ちなみにもう1匹のAntennarius biocellatusにこのような体表の結節は確認されない。
2016年09月02日
クロオビスズキの減圧症が再発している。200m以深を含む深場より採集されたLiopropoma属の仲間の治療が深場のハタ科の海水魚の中でも難しい。過去の経験からしても特にそう感じる。バラハナダイやイッテンサクラダイなどのOdontanthias属やニシキハナダイやフジナハナダイなどのPlectranthias属が再発なく、元気であることに比べるとなおさらである。さらに言えばシマハタにおいてはこれに関してまったく問題がない。採集・治療に携わった方のためにもぜひ長生きさせたい。深海魚専門の某氏と時々電話で話をするが、深場採集のLiopropoma属の海水魚に関してはまったく同じ考えであり、深場系ハタ科のなかではOdontanthias属やPlectranthias属と比べて、治療は難しく、高率に再発するとのことであった。そしてこれは今後の課題のひとつであるとのことであった。現在クロオビスズキの再治療を行っている。尾柄あたりの内出血も減圧症のひとつかもしれない。何らかの原因による易出血性とか、空気塞栓による出血性梗塞みたいなやつとか、このあたりかもしれないが、いずれにせよ根治は難しそうだ。
2016年08月06日
いずれ書こうと思っていたヨミノハゼ(Austrolethops wardi)の飼育で苦労したこと。こちらは南西諸島の某所で採集され、ホムラspのところへやってきた当初の写真。白点病か…。このとき小さな個体だけにやや不安があった。さらにエサのこともあったため、早期の回復と早期の飼育環境作りを考えていた。治療法はいつものように水換えの繰り返し。1週間ほど経過したころ、見た目ではほぼ治癒していた。このあとさらに1週間ほど様子を見て再発がないことを確認し、水槽(現在は隔離ケース)への移動となった。ちなみに治療と同時に植物性のフレークフードを与えていたが、摂餌状況は不明。
2016年06月09日
深場より採集されたキンメダマシ(Centroberyx druzhinini)です。採集翌日ホムラspのところへやってきたときの写真です。外観上、減圧症は軽症のようでした。でも空気塞栓による虚血、梗塞などはこの時点ではわからず、軽症というのはあくまで推測です。その後減圧症の治療を行い、遊泳に関しては問題がないレベルにまで回復しました。少しずつ自己流にアレンジはしているものの、元はと言えばU氏にご教授していただいた治療方法です。とても功を奏しています。こちらは水槽内に移して数日経過したときの写真。もうちょっとしたら一度給餌を行ってみようと思いますが、まだ食べないだろうなぁ~。
2016年05月21日
以前より飼育している沖縄採集の深海魚バラハナダイ。何匹かはすでに掲載していますが、今回の1匹は初登場です。深海魚専門のUさんといっしょに採集したものの、鰾破裂、数cmにおよぶ脱腸状態であった個体。鰾破裂は何とかなることが多いですが、後者は非常に厄介です。脱出腸管の環納はまず不可能で壊死に陥ることはほぼ必須。壊死には虚血・感染・損傷が影響しているのかもしれませんが、今のところどうしようもない状態には違いありません。壊死腸管が脱落するまで生存したとしても、創部の易感染・易出血状態や脱落後の治癒過程における癒着性の腸閉塞など、危惧する点は多いと思っています。そういった点において今回生存しえたこの1匹は貴重であり、治療なされたUさんには誠に感謝いたしております。現在摂餌・排泄はともに良好。尾鰭下葉はやや小さいですが、Uさんいわく、他のバラハナダイに攻撃されたとのことでした。5か月ほど経過しましたが、今のところこれ以上の再生はないようです。仕方ないですが、これ以外には特に問題がないので安心しています。
2016年04月22日
カリブ海の深場からやってきたディープウォータースコーピオンフィッシュ(商品名)。以前より飼育を続けており、掲載はかなり久々。前回の掲載は8か月以上も前でした。その間ネタがなかったからねぇ…(汗)。ご覧のようにこのリフジウム水槽には活性炭の入った袋を底面にそのまま放置しています。なんともずさん…(汗)。さて今回この魚の右胸鰭にちょっとした異常が見つかったので掲載。見つかったのはオタマジャクシのような形をしたcystic lesion。隣接する軟条の腫大や損傷はなく、鰭膜の病変なのかもしれませんが、本当のところはよくわからないです。病変と周囲組織との境界は明瞭で、内部に明らかなsolid partはないように見えます。個人的にはbenign lesionの可能性が高いと思うので、このまま経過観察しようと思っています。でももし増大傾向があれば、そのときは何からの処置を行うべきでしょうね。
2016年04月20日
低温水槽で飼育中のメスのナメダンゴ(Eumicrotremus taranetzi)です。何度も書いていますが、ほかのメスとは異なり、産卵後☆にならずに生き続けており、すでに飼育開始から3年以上が経っています。さて今回は、以前からみられる一部の骨質コブ状突起の黄白色化(写真参照)のこと。低いactivityを持つ感染症の可能性を考えたりもしましたが、その後長期にわたり変化がなく、今のところその可能性は低そう…。(感染後のscarやold abscessの可能性はあるのかもしれませんが。)(加齢を含む)変性、損傷や壊死後の変化、良性腫瘍などを考えたりしています。ただ不可逆性であることは確かなので、これ以上増えないことを祈っています。できることと言えば、これがもとに発生するかもしれない細菌の二次感染の予防ぐらいですけれどね。
2016年03月16日
数匹飼育しているバラハナダイさんたちのうち1匹が当初より減圧症をわずらっていました。以前に専門家の某氏にいろいろ相談し、今回も非侵襲的な治療を試みました。少し尻上がりな泳ぎですが、徐々に軽快傾向です~♪ただ、治癒(もしくは寛解)したと思っていたら、以前に(違う種の深海魚で)内出血をきたしていたというケースがあっただけに慎重になってしまいます。でもライトを当てて透かして見る限りは大丈夫そうなので一安心。易出血性(?)とか、易感染性(?)とか、いろいろ留意すべきことは多そうです。前者はどうしようもない場合が大半ですが…。
2016年01月09日
ナメダンゴ(Eumicrotremus taranetzi)ちゃんです。メスです。飼育開始からおよそ2年11か月が経ち、もうすぐ3年目突入です。飼育を始めて6か月ほど経ったころに一度産卵していますが、残念なことに未受精卵。その後産卵することはありませんでした。今まで飼育していたメスのナメダンゴちゃんはすべて産卵後1~2か月で☆になっていたので、これが寿命なんだと思っていましたが、なぜかこの個体だけは長生きしています。正直、寿命についてはよくわからなくなってきましたが、ほとんどのメスが産卵後に☆になる、すなわち1年程度が寿命というのは、あながち間違いでもないような気がしています。例外が存在すると考えるほうが妥当なのかもしれませんね。あくまで推測ですが。さてこのナメダンゴちゃんには1か月ほど前より異変がみられました。一部の骨質のこぶ状突起が写真のように黄白色を呈していました。これが感染症なのか、壊死なのか、腫瘍なのか、(加齢を含む)変性なのか…。いろいろ考えましたが、よくわかりません。ホムラspができることは細菌感染症の対策ぐらいです。結局これ以上の進展はなく、今のところ病的意義は乏しいと思っています。でもやっぱり心配かな…。毎日の観察を怠ることができないですね。
2015年12月03日
トリートメント中のBrackish Water frogfish(Antennarius biocellatus)です。飼育を始めて2日後の写真。白点病とウーデニウム病が併発しているのかも?それにしてもここまでミゼラブルな状態は久々でした。口は半開き。でも鰓孔の動きは問題なさそう。さて今回、水換えの繰り返しを行い、治療することを選択しました。さらに体表に傷やびらんなどの明らかな損傷がなかったことと、この魚が汽水域で生息可能なことから、水換えに伴い、少しずつ比重を下げていくことにしました。また微量のヨード製剤の添加も行いました。飼育開始から13日後。病気のほうはかなり軽快し、体表の白い点はほとんどなくなりました。あと白いバケツに入れていたせいかもしれませんが、体色が明るく変化しました。(それとも病気のせいで単に黒ずんでいただけなのかも。)ちなみにこのときの比重は1.008。白点病の発生を抑えられる比重ですね。治療中にはエサを与えましたが、まったく食べず。しかしながら写真の翌日にはギンガメアジの幼魚をパクリを食べたので、ちょっと安心いたしました。(ギンガメアジさん、ごめんよ~。)
2015年08月16日
オスのヨゴレヘビギンポ(Helcogramma nesion)さんです。腹部が膨らんでいるのは食後のためです。ライトアップして撮影すると体表がキラキラと光って美しいものです。ちなみに背鰭の鰭条に沿った白い点は本来みられる模様。でもすでにこのとき白点病を発症していました。同時に撮った写真では背鰭に数個の曇った白い点が確認されました。最初の写真だけでは見落としてしまいがちです(汗)。照明のされ方によってずいぶんと見え方が異なるものです。早速治療を開始しました。当たり前のことですが、発症初期にきちんとした治療を開始すれば治癒させやすいです。人間でもいっしょですね。初期の風邪なら簡単に治っても、放っておいて肺炎を併発してからでは治癒に時間がかかります。白点病の治療方法は隔離バケツによる水換えの繰り返し~。白点病治療後の写真(少し控えめなライトアップ)。白点病は消失しました。(背鰭の鰭条に沿ったわずかな白い点は本来みられる模様。)隔離中、エサ食いが落ちたので少しやせましたが、現在は元通り活発に摂餌してくれています。
2015年07月26日
ムスメベラ(Coris picta)さんです。以前の写真です。深場で採集され、その後の調整中に☆になった個体。とても残念…。死因は不明ですが、減圧症が関与する可能性は高いと考えています。さて人間において死亡後の解剖率は3%を下回っているのが現状です。そのため厚生労働省が死因究明に対して対策、方針などを練っています。死亡時の画像診断を推進する動きがあります。現に全国的にも施行されており、虐待防止や小児医療のさらなる向上、犯罪の見逃し防止など期待される効果はたくさんあります。アクアの場合はどうなのかわかりませんが、水族館、博物館では解剖にて死因究明を行っているものの、個人レベルでは困難な場合が多いでしょう。実習のときに使用した解剖道具を用いて、お魚さんの死因究明のための解剖を何度かしたことがありますが、たいてい死因は不明~。正常解剖さえ理解していないのに死因はわかるはずもあるまい…と。こんな感じで現在にいたる死因不明アクアが続くわけで。なんとかこの状況を脱出したいと思い勉強をしていますが、わからないことばかりです。最近では減圧症をきたした深場の海水魚の治療に興味があり試行錯誤。(わかるはずもないであろう)死因究明のための解剖をしなければならないと思いつつ、怠っている自分を反省しています。海水魚の減圧症は、正確には減圧症候群というべきだと思うくらい、いろいろな症状があると感じており、これらの治療がとても難しいと思っています。特に遅発性あるいは慢性の症状に対しては厄介だと実感しています。最初のムスメベラに関して言えば、何度も再発する(体内の)airのpoolingが認められ、これと同時に摂餌不良が持続しました。採集直後の膨張とは異なり、再発するairのpoolingの場合、(採集直後のときと)同じ治療方法では治癒しない、あるいは治癒しにくいんじゃないかなと経験上感じています。さらにpoolingしたairの増加とこれによるmass effectのため、周囲組織、臓器へのダメージも大きくなっていくんじゃないかな~とそんな風にも思っています。結局は勉強不足・経験不足(症例不足も?)の露呈ですけれどね(汗)。脱・死因不明アクア、そしてその前になんとか治してあげたいと思うのですが。つくづく遠い道のりだと痛感しています。~~~~~ネットで調べもの→「死因不明社会」海堂尊(著)を発見→アクアこそ死因不明のものが多いと思いながら書いたのですが、まとまりのない記載になってしまいました。ちょっと反省~。
2015年06月11日
エサを食べさせてから数時間経過したニシキハゼ(Pterogobius virgo)さん。そして淡水浴。もうほとんどいないと思っていましたけれど。予想はずれでした。ちなみにこれは2日目に行った淡水浴の結果。(初日と合わせて計2回の淡水浴を施行。)1回目の淡水浴をもうちょっと長く施行すべきだったかも。でもチキンなホムラspは短めの淡水浴を繰り返すことをセレクトしたのでありました。
2015年06月10日
パラサイト・イヴという映画があったなぁ~とふとそんなことを思いながら、昨日は興味あるパラサイト駆除~!映画のほうはミトコンドリア関連の話だったような。個人的にはmitochondrial diseaseとして、MELASとか、一部のDMとか、そういった疾患を思い浮かべますが、今回は全然関係なし~。パラサイト・ラブという本もありましたね。むしろこっちのほうが近い感じがします。さて話を戻し、昨日の寄生虫駆除の話。対象のお魚さんはニシキハゼ(Pterogobius virgo)さん。産地によるものかどうかわからないのですが、今まで見てきたニシキハゼさんすべてに寄生性カイアシ類がいたので、今回もいるんじゃないかなぁと思っていました。そんな予測をもとにいつものように淡水浴を施行。すると多数の寄生性カイアシ類がパラパラと落ちてきました。少し拡大。以前に駆虫したニシキハゼさんの寄生性カイアシ類と簡単に比較。似ているような気がします、何となく。今まで見てきたほかのお魚さんの寄生性カイアシ類とは違うような?宿主に対する特異性は高そうな気がします。これも何となくですが(笑)。こんなに寄生されていてもニシキハゼさんのほうはいたって元気。海の中ではこれが普通なんでしょうね、たぶん。ニシキハゼさんの場合、カイアシ類の寄生は普通に見られると思っているので、それほど気にならなくなりました。それに数回の淡水浴で寄生性カイアシ類の駆虫は可能だし。でも個人的には寄生させたまま飼育したら面白いんじゃないかなぁ~と。こ、これがパラサイト・ラブか~♪いや冗談、でも半分本気だったりして(笑)。※寄生虫は退治すべきです。
2015年06月09日
カズナギ属のお魚さんです。以前の写真です。トリートメント中に気付いた右胸鰭の白い紡錘状結節。寄生虫なのかな…。このあとの淡水浴でとれました。(淡水浴は大切だなぁ~。)でもとれたものが見当たらないです。途中で捨てた少量の水の中に入ってしまったのかも?顕微鏡で観察しようと思っていたのに…。残念。
2015年05月30日
昨晩あるお魚さんにエサを与えたときのこと。いつもならエサやりの気配を察して水面下まで近寄ってくるのに、昨晩は来ませんでした。これはおかしいと思い、観察~。すると両眼が軽度白濁し、わずかに腫れているようでした。(眼球突出というよりも角膜が浮腫状になっているような感じ。)そのほかには尾鰭にデトリタスの付着した粘液がほんの少し…。角膜損傷および角膜浮腫、ハダムシ症、そのほかの寄生虫病や感染症あたりを考えました。リボフラビンの欠乏なども考えましたが、今回急性の変化だったので除外。それにビタミン投与は日頃から行っているからね。まずはハダムシ症の否定のため、淡水浴を施行。角膜損傷・角膜浮腫の場合は逆にダメージが大きいだろうなぁ~と思いつつも(汗)。結果、明らかな寄生は確認されませんでした。擦れなどによる角膜損傷および角膜浮腫かも?それで二次的な細菌感染対策としてのお薬の投与、海水中へのわずかなポビドンヨードの添加を行いました。普通にお薬を含ませたエサを与えても食べませんでしたが、給餌棒を用いて強制給餌を行うと食べました。ちょっとだけ安心しました。これを数日持続して様子を見ようと思います。
2015年05月25日
トリートメント中のあるお魚さんから発見した寄生虫。カリムス期のカリグスの仲間です。前端には前額糸(frontal filament)が見られます。この前額糸によって強く固着していたため、ピンセットで引っ張るようにして取り除きました。ちなみに数分の淡水浴施行後ですが、顕微鏡での観察時はまだ生きていました。
2015年04月17日
少し前に右胸鰭基部に白い結節を認めたOpistognathus latitabundus(Blotched Jawfish)さんの経過です。まずは昨日の写真~。な、なくなっている?いやよく見ると…。小さくなっていました。炎症や外傷の治癒過程なのかもしれませんね。当初、発赤や腫脹が乏しかったことを考えると後者なのかも?でも以前の写真では付着物のようにも見えたのですが…。(ひょっとして付着物のとれた痕?)それとも単に外傷などによって欠損した表皮から組織が膨隆していただけなのかも?まぁいずれにせよ、治癒過程ということで安心いたしました。
2015年03月04日
少し前に水槽に発生している厄介者のイソギンチャクさん(セイタカもしくはチギレ、あるいはこれらの近縁種)を退治~。その際にOpistognathus latitabundus(Blotched Jawfish)さんを驚かせてしまいました。写真は隠れているところです。このときふと気付いたのが右胸鰭基部の白いもの。(ほかにも胸鰭に重なる微小な白い点を認めますがこちらはゴミ。)隠れているところ申し訳ないですが、追い出して観察しました。腫瘍?寄生虫?寄生虫以外の感染症?少なくとも周囲に発赤や腫脹はないようです。ちなみにスポイトで吸い取ることはできませんでした。念のためヨウ素添加などを行っておきました。今後悪いほうへの変化があれば淡水浴や薬剤塗布なども考慮しようと思います。
2015年02月22日
前回ブログに掲載したPlectranthias sp.のこと。先ほど観察した結果、左胸鰭基部後方の体側面に乳白色の結節があり、結節周囲がわずかに膨隆していました。明らかな発赤はありません。これが原因かどうかはわからないのですが、可能性の一つとして考慮したいと思います。
2014年11月24日
少し前にホムラspのところへやってきたあるお魚さん。当初片目が白濁していたので淡水浴を施行。でもそのとき寄生虫は見当たらず、その後トリートメント水槽へ。しばらくしてからもう一度淡水浴を施行すると、ハダムシが眼から浮くようにしてひらひらと~(汗)。固着盤は簡単には取れないようだったので、スポイトで吸い取りました。拡大していますが、体長は3.7mmほど。でもたわんでいるので、もうちょっと大きいかもしれません。前端の一対の口前吸盤。このあたりに腟があるらしいのですが…(汗)。腟の有無の確認はベネデニアとネオベネデニアの鑑別のためでしたが、よくわからないです。後端の固着盤。錨鉤が確認されます。体中央部。2個の精巣とその前方の卵巣。今回初めて顕微鏡で観察しましたが、なかなか興味深いものでした。ちなみにお魚さんは続けてトリートメント中で、ハダムシによる角膜のびらんは改善傾向です。まだ寄生しているかもしれないので、今後何度か淡水浴をしておこうと思います。
2014年10月15日
2014年8月下旬に串本で採集したトラウツボ(Muraena pardalis)さん。(以前掲載した写真です。)観察してみると予想通り寄生虫がたくさん(汗)。さっそく淡水浴を施行しました。淡水浴にてパラパラと脱落した寄生虫の一部です。非常にたくさんの寄生が見られました。おそらくはウオジラミ科のカリグスの仲間でしょう。カリグス類は宿主特異性が高いと思いますが、他魚種に寄生しないとは限らないです。きちんと駆虫しておかないと、のちのち大変なことになるかもしれませんね。(過酸化水素を用いたトラフグ用の水産用駆虫薬は有効なのかな?)
2014年09月16日
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