「きらりの旅日記」

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ほしのきらり。

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2017.02.23
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「VXガス」って何ですか?素手で触れるのでしょうか?その歴史と製造法、治療薬はあるの?


VXガス

VX、O-エチル-S-(2-ジイソプロピルアミノエチル)メチルホスホノチオラート)・・・とは?

猛毒の神経剤(V剤)の一種である。

サリンなどと同様、

コリンエステラーゼ阻害剤として作用し、

人類が作った化学物質の中で

最も毒性の強い物質といわれる。

致死量 大気中濃度 0.1 mg・min/m3。




琥珀色をした油状の液体で、

揮発性は低く、無味無臭である。

また、濃度や温度にもよるが、

粘着性を持つとされ、

エアロゾル(霧)を毒ガスとして使用する。

水への溶解度は約3%。

1950年代初期にイギリスで合成された。

揮発性(蒸気圧)が低いため残留性が高く、

そのうえ、サリンなどと異なり化学的安定性も高いので、

温帯の気候においては、

散布から1週間程度は



呼吸器からだけでなく、

皮膚からも吸収されて

毒性を発揮するため、

ガスマスクだけでは防護できない。

また、親油性が高く、



安全な状態にするためには

化学洗浄が必要である。

木材や皮、布などに付着した場合には

長期間毒性を維持したまま留まるため、

VXガスに汚染された物に

触れただけでも危険である。





【歴史】

1952年:ラナジット・ゴーシュ (Ranajit Ghosh) によって

イギリスのポートンダウンにある政府研究施設で発明。

1956年:イギリスは化学・生物兵器を廃棄したため、

VXガスもこの時に廃棄された。

1958年:イギリス政府は、核兵器に関する情報と引きかえに、

アメリカへVXの研究資料を渡した。

1961年~:アメリカ軍は、

ロッキーマウンテン兵器工場で

VXガスの大量生産に入った。

1960年代初期:VXガスを散布するM23化学兵器地雷、

約100,000個が製造される。

1967年:アメリカでも化学兵器の廃棄が行われ、

7,380発のVX弾頭が貨物船に積まれたまま

ニュージャージー沖に沈められた。

1994年8月頃:オウム真理教が合成に成功。

「神通」「神通力」と呼ばれていた。

1994年10月:オウム真理教が滝本太郎弁護士に対して

サリンに続きVXガスを使用。

1994年12月2日:駐車場経営者VX襲撃事件

1994年12月12日:会社員VX殺害事件

1995年1月4日:オウム真理教被害者の会会長VX襲撃事件

1997年4月29日:化学兵器禁止条約が発効し、

使用のみならず、製造・保有も禁じられた。

2015年10月現在、同条約署名済み未批准国はイスラエル、

未署名国はエジプト、南スーダン、北朝鮮

2017年2月13日:金正男暗殺事件


【製造法】

VXはエステル交換反応を通して得られる。

三塩化リンをメチル化することで

メチル亜ホスホン酸二塩化物とし

これにエタノールを作用させ

メチル亜ホスホン酸ジエチルとする。

N,N-ジイソプロピルアミノエタノールを作用させることで

エステル交換反応により

混合亜ホスホン酸エステルとする。

最後に、この前駆体を硫黄と反応させ、

チオホスホン酸から異性化が起きVXが出来上がる。

VX TransesterProcess.png Transester process



【加溶媒分解】

他の有機リン系神経ガスのように

、VXガスは PAM(プラリドキシムヨウ化メチル)のような

強い求核原子反応によって破壊され、

解毒される。

VXガスで汚染された物を洗浄するには、

加溶媒分解を利用した二種類の方法がある。

一つは水酸化ナトリウムの濃厚水溶液を使用する方法で、

VXガスと反応すると

P-O結合とP-S結合が切れて

毒性の低い化合物に分解される。

もう一つは過酸化水素を使用する方法で、

VXガスと反応するとP-O結合が切れて

二つの化合物に分解されるが、

分解物は強い毒性を保持している。

しかし、不安定な物質であるため、

直射日光に晒すなどして

自然分解を待つことで無毒化できる。

VX-solvolysis-P-S-2D-skeletal.png P-S切断

水酸化ナトリウムは、2つの方向でVXと反応する。

それはVXのP-S結合を切り離すことができる。

そして、2つの毒性の低い物質となる。

VX-solvolysis-P-O-2D-skeletal.png P-O切断

過酸化水素と反応すると

P-O結合が切れて二つの化合物に分解されるが、

赤字で示されている側は強い毒性を保持している。


【治療薬】

プラリドキシムヨウ化メチル(PAM)

アトロピン


【フィクションにおける扱い】

1996年のアメリカ映画『ザ・ロック』では、

テロを企てる海兵隊の武器として、

この液体を内蔵したミサイルが登場した。

この映画の中では

「このガスを少しでも吸い込んだり、

皮膚に付着すると、

すぐさま全身を激しい痙攣が襲い、

内臓を吐き出す」、

「スプーン一杯で半径500メートル以内にいる人間を殺すことができる」など、

テロや化学兵器の脅威を説くため、

いささか誇張・演出的な表現で紹介されていた。

また劇中では球状のガラス製カプセルに封入されていたが、

実際はステンレス製カプセルに封入される。

アメリカのテレビドラマ

『24 -TWENTY FOUR-トゥウェンティー・フォー』では、

「セントックスVX」と称された神経ガスが

アメリカ合衆国本土に対して使われるという

テロリズム計画がエピソードの中に存在する。

このエピソードでも

セントックスVXを天然ガスの

パイプラインを通して散布することにより、

およそ20万人を殺害できるとされていた。

・・・ウィキペデァさまより・・・



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最終更新日  2017.02.25 09:00:36
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