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カセットテープやMDに詰め込まれた思い出
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カセットテープやMDに詰め込まれた思い出
★最近の若い人達が「エモい」と感じるそうで
相模原在住時代
は、音楽鑑賞の「全盛期」だったのかも知れない。実家には
TRIO
のアンプとカセットデッキ、レコードプレイヤーのセットがあった。途中からCDプレーヤーが追加され、拙者が社会人になってからは、アンプやカセットデッキ(Sunsui)、CDプレーヤー(Sony)を全て買い替えると共に、MDプレーヤー(Sony)を追加した。これらは必需品とも云える存在だった。
物心ついた時からチャイコフスキーの「悲愴」を知っていたくらいである。クラシック音楽が音楽の基本だった。親世代のレコードだけでは飽き足らず、好きなクラシックはCDを買ってもらったり自分で買ったりした。其れでも音源は足りない。すると、
相模原市立図書館
でCDの貸し出しをやってる事を知り、カセットテープに録音するようになる。MDの時代がやって来た時代になると、邦楽も盛んに聴いていた。ツタヤで数え切れないほどCDを借りた。
カセットテープやMDのコレクションは、みんな華麗な装飾が施された。何か作っていないと気が済まない拙者は、楽曲集を「作る」だけでなく、カセットやMDのジャケットも「作る」ことに歓びを見出していた。時代がフラッシュメモリになると、当時やっていたことが何とも滑稽に感じてしまうのだが、最近の若い人達の間で、カセットテープのような古い媒体を「エモい」と感じる人が増えているそうだ。へぇーと思いながら、実家の片付けをしていると、古い自分の「作品」が埃を被った状態で放置されているのを見つける。音源はフラッシュメモリに移されて、もう使うことは無い。いよいよ処分となる前に、記念に写真だけ撮って記録しておくことにした。懐かしのコレクションよ、さらば。
勝手に作ったブランド「♪Klassisch Galerie♪」
Klassisch Galerie~わざわざドイツ語にしちゃうのにこだわりがあった。こんなの作っていた訳です。貼り付ける絵は事欠かなかった。当時、新聞に付いていた広告で、
「ラッセン商法」
のチラシが定期的に付いていたのであります。ラッセン商法と云うセリフも懐かしい。要は、フラリと画廊に入った客を監禁して、高額な契約をさせる恐ろしい手口。買わせる絵の代表格がラッセンの作品だったから、あんな用語が広まった。でも、ラッセンのイルカの絵なんかクラシック音楽に合わないから、他の作品を使っていた。広告をハサミで切り取って台紙に貼り付けると云う、超原始的方法。所詮、平成前半期の時代なんであります。
高校時代に作ったカセット。
ブルックナー
ですよ。まだまだワープロ感がある仕上がりだ。クラシック音楽をカセットに収録するようになったのは、中学時代に遡る。主力は60分テープで、片面が30分だった。FMラジオでブルックナーの交響曲を録音しようとしても、まず無理!全曲60分以上ある曲は全部入らないし、第一楽章+第二楽章を合わせて30分を超えてしまって、片面も上手く収録出来ないのだ。聴き始めは途切れた録音で我慢していた。後に親の知り合いでクラシックCDを沢山持っている方がいて、その方から借りて録音させてもらったが、60分テープだと、やはり上手く収録出来なかった。90分テープは救世主だった気がする(笑)。
高校時代、90分テープが手に入って作ったブルックナーのカセット。ワープロ感満載である。次第にマーラーを聴き始めるようになると、90分テープでも足らなくなって来た。この頃は、表記が一部日本語である。
120分テープなら。ブルックナーもマーラーも余裕で収録出来て、しかも余るくらい。↑のテープは1992年製です!マーラーの千人の交響曲が入っている。第二楽章だけで50分くらいあったから、120分テープでないと対応不可能だった。ちゃんとカセットにも表示を貼り付けているでしょ。
DENON
のT120テープ~懐かしい!表示のワープロ感が時代を感じさせる。
カセットテープもどんどん進化して、存在自体が美しいと思える製品が登場した。ここら辺りでカセットに表示を貼り付けるのが「廃止」となっている。裸でも十分美しかったから?作ったのは
チャイコフスキー
のオペラ
「スペードの女王」
~こんな長いやつはCDing-120でないと不可だ。ちなみに、時代が進んでWin95のワードで作成しているから、さらに本物感が増している。時代が進むと、なるべくドイツ語表記を使うと云う妙なこだわりが。
カセットテープ時代末期、恐らく一番最後に作った作品。
サン=サーンス「ピアノ協奏曲第2番、第4番」
であります。名曲だったなぁ。カセット自体も、技術的に頂点を極めた何とも云えない爛熟感が堪らない。MDが急速に普及し始めて、MDデッキを増設しようか迷っていた時代だ。
MD時代の到来~邦楽も盛んに聴き始めた
いよいよMDの時代がやって来た。是までの苦労は何だったのかと思わせるぐらい、MDは素晴らしい規格で、是が音響機器の最終形態だと信じて疑わなかったのである!MDは、邦楽の編集に威力を発揮した。なにせ、撮り溜めた音源を後で好きな順番に並べたり出来るのである。並べ方にもこだわりがあった。
工藤静香
や
中森明菜
など、主力曲が短調かつ速い曲を好んだので、速速速速緩緩速緩速速~みたいな並べ方を好んだ。短調-長調の順は、短短短短長長短短長短が原則(笑)。
MDはマクセルが圧倒的に多かったか。もう何十枚買ったか分からない。10枚セットで特価品があると買っていたのだ。
久宝瑠里子、松田樹利亜
など、90年代に活躍した懐かしいアーティストだ。編集のこだわりも完成されていて、二曲目は必ず「セリフが直ぐに入る曲」となる(笑)。もう他人には理解できない領域に突き進んでいた。気に入った曲が多いアーティストは1枚のMDを作れるが、気に入った曲が1曲か2曲のアーティストの場合は「コレクション」的なMDにまとめたり、それなりに「作る楽しさ」に溺れていた訳である。
作製技術も頂点を極めた(?)時期だが、時代は確実に変わってきた。まず、ラッセン商法の広告が激減したことだった(笑)。適当な「絵」を手に入れることが出来ず、かと云ってネットから画像云々が出来なかった時代なので、画像無しが伝統になってくる。
浜崎あゆみ
全盛の時代、ヒット曲を厳選したMDは正にプラチナMD。好きな音楽=物としての美しさ、も追及する姿勢は、音楽配信時代の人には理解出来ない発想かも知れない。ただし、此の頃からMDは絵無しが主流になって行く。驚くべきことに、絵無しMD時代も数年続いた。MD規格の廃止を決断したのが平成22年~
札幌赴任
が決まり、ステレオ一式を実家に残す代わりに代替機種を購入する際、MD→USBのダビング機能のある機種を導入し、全パソコン管理、MDは将来的に廃棄と云う方針を決めた訳だった。中には、カセット→MD→USBと移った音源もある。
音楽配信全盛となった時代がやって来たが、皮肉なことに邦楽趣味が後退し、クラシックの比重が高まって来た。まだ聴いていない、マイナーな音源を探すようになり、今度はCDが増加傾向にある。周囲の人の話を聞くと、CDプレーヤーを持っていない人も結構いて、時代の流れを実感させる。
キラキラと輝くMDも、次第に必要性が薄れ、
ユーハイム
の空き缶に入れたまま月日が過ぎた。そして
鹿児島
から横浜へ引っ越す令和五年に全廃棄を決めました!懐かしのコレクションよ、さらば!
→「相模原在住時代」のコーナーへ戻ります。
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