「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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徳川家康
2016年09月24日
朝ウォキング90日目 朝6時半に家を出て川沿いに上流の遊水池まで2時間ほど歩き、広大な緑を見ながらゾンビ体操・体幹運動をして、持参のトマトと安納芋を食べ、会員にメールした。
カテゴリ:
報徳記&二宮翁夜話
第3集のお礼状に「『報徳記』の叙述の事実関係については、尊徳の書簡や日記、仕法書類など照らし合わせて吟味する必要がありますが、尊徳研究の必読文献であることに変わりはなく、一般市民にも理解できるように原文にルビを付され、現代語訳されましたことは、大いに意義のあるお仕事で、その労を多とするところです。」とあり、
第4集の報徳記原文には、二宮尊徳全集などから幾分専門的となる詳細な補注をしました。
いわば「『報徳記』の叙述の事実関係については、尊徳の書簡や日記、仕法書類など照らし合わせて吟味する必要があります」というコメントに対するお答えの書という側面もあります。
先生から正しく評価していただいて嬉しいです。
ソクラテスの「クリトン」に、その道の専門家一人に評価されるほうがいいか、それとも一般の大衆に支持されるほうがよいかという命題があって、ソクラテスは鋼鉄(はがね)の論理で、
その道の専門家に評価されるほうがよいという答えを引き出します。
そういう意味で『一般市民にも理解できるように原文にルビを付され、現代語訳したこと』と「『二宮尊徳全集』、『相馬市史』の関係史料や「下館談話記」なども調べられて、『報徳記』と対照できるように収録されており、よく配慮されていると感心しました」と先生に評価されることは、これに過ぎる喜びはありません。
「拝啓
さて、この度はご労作『報徳記を読む』第4集をご恵贈賜り、いつもながらのご厚誼のほど、感謝申し上げます。
かつては主として尊徳門人の著作にもとづいて尊徳の思想・仕法や人物像が描かれていたのに対し、近年は尊徳自身の日記や書簡、仕法書類を分析して研究が進められるようになり、尊徳の思想と実践の歴史的な位置と意義もだいぶ明らかになってきたのですが、反面門人の著作を引用しただけで批判される風潮も出てきている点は、いささか憂慮しております。
(略)
私は、門人の著作であっても無下に切り捨てるのではなく、尊徳自身の記録と照合したり、他の門人の聞書き類に同様の説話が出てくるかどうかを確認したりする手続きを踏めば、事実関係についても参照できると考えています。
門人の著作を無批判に信じ込むのは論外ですが、尊徳研究の史料として活用する道は開拓すべきで、そのためにはどのような史料批判をしたらよいかということが課題になると思います。その点、 御著では『二宮尊徳全集』、『相馬市史』の関係史料や「下館談話記」なども調べられて、『報徳記』と対照できるように収録されており、よく配慮されていると感心しました。特に「下館談話記」の何を『報徳記』に採録し、何を採録しなかったかを明らかにされ、『報徳記』は尊徳を聖人として描こうとした伝記であることを指摘された点は、大変貴重です。
何よりも、お仲間とともに地元の先達の鈴木藤三郎の事跡の調査から始められて、勉強の対象を広げられていっておられることは、すばらしいことです。歴史を調べる醍醐味は自ら原典や史料に当たって読解し、考えることにあります。今後とも市民学習のリーダーとしてご活躍されますことを期待しております。
9月14日」
ソクラテス対話編「クリトン」抜粋
ソクラテス:ああクリトン君、君の熱意はとってもすばらしいよ、正しいものだったらね。だが方向性が間違っていたら、それが大きければ大きいだけいっそう厄介なものになるんだよ。だからね、君の言うことを実行するかどうか、よーく考えてみなくちゃならんよ。なぜって、いつもそうだったんだけれど、
僕はただ倫理的に考えてみて一番善いと思える言論にのみ従う、そういう人間なのだよ
。だから、今この時になって、自分自身の言葉を裏切るなんてできないよ。僕が今まで尊敬してきた原則、それはいまだに尊重するに値するものだ。だから、僕たちが他にもっと善い原則を見つけられないかぎり、僕は君には同意できないよ。
たとえ大衆が、その力でもって、監禁とか、財産没収とか、死刑とか、そんなものをちらつかせて、子供たちをお化けで脅かすように僕たちに迫ってきても、僕は退かないつもりだ。
ところで、この問題は、どう考えるのがいちばん適当なんだろうか。人間の評価というものを僕たちは前に議論したよね、あそこに戻ろうか。僕たちは昔、ある人たちの意見は尊重すべきだが、別の人たちの意見は尊重すべきではない、と言っていたよね。ところで、有罪判決を受けた今、その主張はまだ正しいのだろうか。それとも、昔は正しいものに思えた主張は、実は単なるおとぎ話に過ぎず、子供だましのナンセンスな主張に過ぎないのだろうか。そこで、君と一緒に議論したいんだ、クリトン。今の状況では、あの議論が違ってくるのかどうか、あの主張は守るべきか捨てるべきか。思うに、あの主張は、権威ある人たちによって繰り返し主張されてきた。僕が常々言っていたような形でね。つまり、
ある人たちの意見は尊重すべきだが、別の人たちの意見は尊重すべきでない
ある人たちの意見だけを尊重し、それを重んじるべきであり、他の人たちの意見を重んじる必要はない、というのは正しいのだろうか
。答えてくれ、僕の考えは正しいだろうか。
クリトン:間違ってないよ。
ソクラテス:良い意見は尊重すべきだが、悪いのはそうすべきじゃないんだね。
クリトン:その通りだ。
ソクラテス:賢い人々の意見は良いもので、賢くない人の意見は悪いものだろうか。
ソクラテス:じゃあ、違う話ではどんなことが言われているだろうか。
体操の練習をしようとする生徒は、みんなが自分をほめたりけなしたりする、そういう評価に耳を傾けるべきだろうか、それともたったひとりの―医者だったりトレーナーだったりする人だとしてだ―そういう人の評価に耳を傾けるべきだろうか。
クリトン:その人の評価だけを聞くべきだよ。
ソクラテス:じゃあ、怒られないように注意し、ほめられるよう努力すべきなのは、そのたったひとりに対してであって、みんなに対してではないね。
クリトン:確かにそうだね。
ソクラテス:じゃあその生徒は、態度や訓練、飲み食いの方法を、どうするのが良いことかを知っているただひとりの主人が指示するように行うべきで、他の多くの人がまとめてくれたように行うべきではないと言うんだね。
クリトン:その通りだ。
ソクラテス:じゃあ、もし生徒がその先生の言うことに従わず、その意見や賞賛を無視し、体操のことを何も知らない人たちの言うことに従っていたら、なにか悪いことをこうむらずにすむだろうか。
クリトン:決してそんなことはないさ。
ソクラテス:じゃあ、その悪いことというのは、その人の何に表れて、どこに影響を及ぼすんだろう。
クリトン:それは体に影響があるに違いないよ。悪いことをしていたら、体が壊れていくんだからね。
ソクラテス:その通りだ。ところでクリトン。
これは他のことでも―いちいち挙げたりはしないけれども―真実なのではないだろうか。
特に、正しいこととそうでないこと、正当なことと不当なこと、善いことと悪いこと、こういった、今僕たちが議論しているテーマでは、多くの人の言うことに耳を傾け、それに従うべきなのか、それとも、
そのことを理解しているひとりの人が言うことに耳を傾け、従うべきなのか、どっちなんだろうか。僕たちは、他のすべての人が言うことよりも、善悪の基準を理解している人が言うことを恐れ、敬うべきじゃないかね。
もし僕たちがその人を省みなかったら、僕たちは、正しいことによって善くなり、正しくないことをすれば悪くなる、あるものを傷つけ、破壊してしまわないだろうか。それとも、そんなものは存在しないのだろうか。
クリトン:いや、あると思うよ、ソクラテス。
ソクラテス:じゃあ、次に移ろう。もし、善悪の基準を理解していない人の言葉に従って行動し、健康的なものによって良くなり、病的なものによってだいなしになるものをすっかりだめにしてしまったら、僕たちはより良い人生を送ることができるだろうか。ところで、そのだめになったものというのは、やっぱり身体だろう、そうじゃないかね。
クリトン:そうだね。
ソクラテス:じゃあ、不摂生なことをして、すっかり身体がだめになったら、より良い人生を送ることができるだろうか。
クリトン:送れないだろうね。
ソクラテス:じゃあ、もしも、正しいことによって善くなり、正しくないことをすれば悪くなる、あの素晴らしいものがだめになってしまってもなお、より良い人生を送れるだろうか。それとも僕たちは、正しいことやそうでないことに左右されるようなものは、身体に比べれば大したものじゃないと言うのだろうか。
クリトン:決してそんなことはないよ。
ソクラテス:身体より大切なものなんだね。
クリトン:はるかに大切なものだよ。
ソクラテス:だったら君、多くの人たちが僕たちについて言うことなど、尊重してはいけないだろう。むしろ、善悪の基準についてよく知っている人たちがなんと言うか、それこそが真実だろう。だから、君の忠告は間違っているんだよ。正しいこととそうでないこと、善いことと悪いこと、立派なこととそうでないことについて、大衆の言うことを考慮すべきじゃないんだ。だけど、そういったところで、「しかし、その大衆は僕たちを殺すんだよ。」と言う人もいるだろうね。
クリトン:そうだよ、ソクラテス。そういう人もいるに違いないよ。
ソクラテス:それはそうだ。だけど、前の議論は驚くことに何の変わりもないんだよ。ところでもうひとつ、別の意見についても同じことが言えるんじゃないだろうか。ただ生きてる人生よりも、善く生きている人生、そういう人生の方を重んじるべきなんだ、という意見についてはどう思うかね。
クリトン:そうだね、それも動かないね。
ソクラテス:じゃあ、善く生きている人生というのは正しく、立派に生きる人生だというのはどうだろう。
クリトン:それも動かないね。
ソクラテス:では、今までの前提をふまえて、問題を考えてみようか。僕はアテネ人の同意が得られなくても逃げようとすべきなのかどうか。もし逃げるのが正しいことだとなったら、逃げる準備をしよう。だが、そうじゃなければ、このままここにいることにする。君が言ったこと、つまり、金銭だとか世評だとか子供を養育する義務だとかは、僕が思うに大衆が気にすることじゃないだろうか。さて、大衆というのは、たいした考えもなく人々を死に追いやるかと思えば、できることなら生き返らせたいなんて平気で思うような人たちのことを指すんだよ。今はね、議論がここまで来た以上は、ただひとつのことだけを考えることにしよう。僕たちが、自分で逃げだしたり、逃亡を手伝ってくれる人を容認したり、その人たちにお金をあげたり感謝したりするのは正しいことなのだろうか。それとも、そんなことは正しくないのだろうか。もし正しくないということになれば、ここに留まっていることで起こるであろう災難だとか死だとかは、考えに入れるべきじゃないんだよ。
クリトン:君は正しいと思うよ、ソクラテス。
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最終更新日 2016年09月24日 10時38分53秒
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