じゃくの音楽日記帳

じゃくの音楽日記帳

2010.02.13
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カテゴリ: 演奏会(2010年)


1番2番3番を順にやって休憩、4番5番6番を順にやって終わりという、ドイツのグループらしい実直で長いプログラムでした。

1番は、奏者総勢17人のうちチェロが3人という低音に厚い編成で、重い低音の上にヴァイオリン隊がザッ、ザッと尖ったアタックで硬い音質で切り込むように弾くのが強い印象でした。ヴァイオリン隊にもっとも顕著だったこの切り込むような音楽づくりは、2番以降でもずっと同じで、このグループ全体の性格を決定しているように感じました。

すなわち音の美しさではなく、「俺達はこういうバッハを弾くんだ」という信念で勝負という、硬派軍団といった感じ。(視覚的には、にこやかな女性奏者もいたりするんですけど。。)

管楽器は概して抑え気味のバランスでした。1番に出てくるナチュラル・ホルンは実に渋い音色で、このグループのポリシー(?)に相応しかったです。しかし管のソロが活躍する曲(特に2番、5番)では、管のソロが控えめすぎて、聴いていて欲求不満を感じました。特に2番でのトランペットは、音量的にもニュアンス的にも地味すぎて、物足りなかったです。(かと言ってこの曲、朗々と大きく吹きすぎて他の楽器を圧しても困るので、難しいところでしょうけれど。。)5番でのフラウト・トラヴェルソも、うまいし弱音のニュアンスなどに素敵な瞬間もあるんですけれど、やはり全体に控えめすぎで、もうちょっと名人芸を披露するという感じでやって欲しいと思いました。もっともこれが、このグループの目指すバッハなのでしょうか。

そんな中では2番でのオーボエが、ほど良く歌い、ほど良く目立っていて、これは素敵でした。

というわけで個人的に一番良かったのは3番でした。ヴァイオリン隊3人とヴィオラ隊3人のお互いの掛け合いと、それぞれの3人の中での掛け合いが、尖ったアタックで生き生きと立体的な掛け合いになっていて楽しめました。あと4番のフィナーレも、ソロヴァイオリン(日系と思われる女性奏者)が女剣士という風情でとがった演奏を聴かせてくれて、聴き応えがありました。

ドイツの居士たちによる、華はないが意地を聴けというブランデンブルグ全曲の通し聴き、さすがに聴く方も(もしかして弾く方も?)疲れてきて、最後の6番(ヴィオラ2、ヴィオラ・ダ・ガンバ2、チェロ1、チェンバロ1、コントラバス1)が終わったときは「ふーっ、修行が終わった~」という感じでした。

この演奏会もNHKでテレビ収録してました。クラシック倶楽部でいずれ放送するのだと思われます。






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Last updated  2010.02.15 00:34:47 コメントを書く


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