福島原発事故の対応が、ますますひどくなっている。
4 月 19 日、文部科学省は、学校の放射線量の目安として、年 20 ミリシーベルトという基準を決めた。きわめて高く、危険きわまりない基準。大人でも危険なのに、子供は放射能の感受性が高くてさらに危険だし、内部被曝も考慮していない。滅茶苦茶な方針。
わが国の政府は、自国の国民を守るつもりがないことが、事故以来どんどん明らかになっていく。電力会社も政府も、ここまで無策で無責任だったとは。
・・・ところで、広瀬隆著「原子炉時限爆弾 大地震におびえる日本列島」を読みました。福島事故の前、2010年8月に刊行された本ですが、この本の存在を最近まで知らないでいました。
この本を読むと、地震国日本に原発を作ることがいかに危険なことか、実に良くわかります。その危険性を無視して、国と電力会社は原発を作り続けてきた。たびたび事故が起こっても、その場しのぎの対応だけで、なおも作り続けてきた。そのことが、実に良くわかります。
そしてとうとう、このような大事故が起こってしまいました。汚染は今も広がり続けています。数年後から、日本国民のがんの死亡数が激増することでしょう。日本がこの危機を切り抜けられるのかどうか、予断をゆるしません。
それなのにそれなのに、まだ日本各地で、同じリスクをかかえているたくさんの原発が、何事もなかったかのように動いています。なかでも一番危ないのが、浜岡原発ですね。先日の国会で、福島瑞穂議員が首相に「浜岡原発をただちに止めるべき」と質問しましたが、首相は「今は福島事故を収束させることに全力を注ぐ」という答えに終止していました。なぜ、ひとまず止めないのか。ひとまず止めて、福島事故が収束したのちに安全性を検討し、再稼動するかどうかを決める、ということができないのか。(再稼動ができるような「安全性」が成立する見込みはゼロですが。)
このままでは、さらに大きい事故が起こるでしょう。
日本の原発の事実を知る、現状を知るために、この本を多くの人に是非読んでほしいです。
広瀬隆著 「原子炉時限爆弾 大地震におびえる日本列島」 ダイヤモンド社 1500円
2010年8月26日 第1刷発行
2011年3月30日 第2刷発行
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