『 誰もが戻れない 』
1996 原題 『 Innocent Graves 』
ピーター・ロビンスン 著
幸田 敦子 訳
私がミステリを読むのは、謎解きを楽しむためではなく、物語の背景や人間の様、そして文章を
楽しむためです。
といっても翻訳ものだから、文章の半分は訳者のもの、原文と比較するわけじゃないので、
文章の雰囲気をどの程度伝えているかは全く分からないのだけど。
だから、この本のストーリーが何ら新しいものもなく、先読みできるようなものだったことは構わない。
んでも、この文章は許せません。
翻訳者の問題なのでしょう、多分。
平叙文に感情って。
これの平叙文は、「 ご本人が 」「 お出まし 」 など皮肉に満ち、体言止を多様。
仮に登場人物の誰かの目線で書いたということなら、誰の目線で書いた部分も同じく皮肉っぽい
のは凄く変。
第一、その皮肉っぽい目線が登場人物の人格と合ってないんだから全く変。
会話文も同じ。
誰の言葉も同じ慇懃無礼な皮肉っぽい言葉使いで、結局全ての文が同じ調子で、気分が悪くて
仕方ありませんでした。
訳文が気になることはそれほどないんですけど、これは最低の部類だったわ。
タイトルも変だしね。
ま、どのみちストーリーも散漫でいまいちでした。
アーサー・エリス受賞作ということで多少期待していたのですけど、残念でした。
( アーサー・エリス賞って知らないのに )
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