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弘前にはずっと行きたいと思っていたのだが、その機会がなかった。仕事をしていたころは、全国の主要な都市には出かけていたが、青森県は青森市だけだった。昨秋から妻との小旅行を始めたものの高速を使っても車で2時間程度の街を選んでいた。弘前は4時間以上のドライブが必要なので後回しになっていて、この春になっても桜の季節の観光客のことを考えて、4月は酒田に行くことにした。 やはり弘前に行きたいというのは妻の思いでもあった。電車で行ってレンタカーを借りるということで一致してホテルを予約したのだが、4時間の運転ならSAで休みながらならなんとかなりそう、と車で行くことに決めた。天気予報はあまり良くないのだが、雨は雨の風情を楽しむということで朝の6時半に出発した。 東北道を北上するにつれて空が暗くなってくる。宮城県を出ないうちに長者原SAで早々に朝食をとった。その後も、帰り道でおみやげにできそうなものを探していくつかのSAに入った(もちろん休憩も兼ねている)。正午ごろには弘前に着きそうだったので、まずは大鰐温泉で風呂に入ることにした。大鰐町の日帰り温泉施設にはレストランが併設してあったので、名物の温泉もやしのラーメンを食べた。ゆっくりと入浴した後は、早めにホテルに入って10階の南東向きの部屋で妻と二人で昼寝である。 夕方には雨が上がっていたので、街を歩いて弘前城の追手門まで行ってみた。夕暮れの弘前市街は素敵な散歩道が続く。レンガ造りの弘前昇天教会の傍には、弘南鉄道大鰐線の始発駅「中央弘前」駅があって、小川の橋の上から小さな駅のホームや線路を眺めることができた。昔は土蔵造りの呉服店だった「百石町展示館」や「日本キリスト教団 弘前教会」、「青森銀行記念館(旧第五十九銀行本店本館)」などいわば典型的な観光スポットが次々と現れるのだった。 弘前城は平城なので、城下町は城を中心に発達したらしく、繁華街や夜の飲食店街も城の近くにあって、夕暮れ時に歩くと心惹かれるままに路地に入り込むことになる。二日の逗留の夕食前にはそんな弘前市街の夕景の写真をたくさん撮ることができた(帰ってからの写真の整理に泣くことになるのもかまわず本当にたくさんの写真を撮った)。1日目は弘前城追手門から直接日本料理店に向かい、地元料理などの夕食を採って終わった。 2日目、天気予報では朝のうちに雨が上がるということだったので、ホテルの部屋で外を眺めながら時間をつぶした。10時近くにようやく雨が上がって、ホテルを出て弘前城に向かい、初めに「津軽藩ねぷた村」に立ち寄り、大きな扇ねぷたや人ねぷたを見、大太鼓の囃子や津軽三味線の演奏も聞いたが、私が一番感動したのは、そこの2階の窓から雨模様で眺めることのできなかった岩木山が雲の上に顔を出していてその写真を撮ることができたことだった。 弘前城にも入ったが、広い城跡を歩きまわるのは妻には大変なので、城内の武徳殿跡にできたカフェ「北の郭」で昼食とした。カフェは有料の区域にあったが、入場券売り場の人が「食事だけなら」とそのまま入れてくれた。このカフェでは、「アップルパイ食べ比べ」というメニューがあって、「弘前アップルパイガイドマップ」なるものを入手していた妻が「ここは外せない」という選択なのであった。津軽蕎麦と津軽細うどん、それにアップルパイとコーヒーという奇妙な組み合わせの昼食となった。 昼食後は、「景勝院」の五重塔、すぐ近くの「弘前レンガ倉庫美術館」を見て、ホテルに戻り夕食まで休憩ということにした。美術館では、美術作品よりも併設されているカフェのアップルパイが妻の狙いだった。ホテルでゆっくり休んでから、夕暮れの弘前市街を街歩きしながら弘前城近くの店でフレンチの夕食を採って二日目は終わった。 三日目は、途中で二つほど道の駅に寄りながら(めぼしい買い物はできなかった)、十和田湖に向かった。途中、「虹の湖」という優雅な名前の湖の岸辺の道を走ったが、谷に沿って伸びる細長いダム湖だった。 十和田湖に着いてすぐ、発荷峠展望台に上った。ここでは十和田湖の展望よりも八甲田連山の全景が見えたことがカメラ人間には最高だった。雨模様が続いていたが、かろうじて岩木山を見ることができ、ここで八甲田山も見ることができたので、今回の旅行は私にとっては上々だった(もう少しアップルパイが食べたかった妻にはどうかわからない)。十和田湖では、定番通り「乙女の像」まで歩き、湖畔のベンチで道の駅で買っていたパンで昼食とした。二日間の雨の後の晴天の湖畔での気持ちの良いランチタイムだった。 十和田湖からはひたすら帰宅の道である。途中、雲が切れて岩手山の遠望もできた。高速の渋滞に悩まされたものの、なんとか無事に帰り着いた。長いドライブにいくぶん自信がついた小旅行だった。読書や絵画鑑賞のブログかわたれどきの頁繰り(小野寺秀也)日々のささやかなことのブログヌードルランチ、ときどき花と犬、そして
2025.05.23
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定点観測ふうの花探しにしようとまた戸神山に行った。これで4月11日、4月28日、5月16日、6月7日(昨年)と、ほぼ半月に一度の戸神山の山歩きである。昨年の戸神山は頂上を経る周回コース(要するに普通の登山)で、直後にネフローゼ症候群を発症して入院暮らしになったこともあって、4月の2回は、頂上まで行かずに適当なところで引き返してきたのだが、そんなに疲れもせず快適だったので気をよくしていた。できれば今日は頂上まで行って周回コースの全部の花を見てみたいと思って、朝5時前に家を出た。 国道48号をまっすぐ西進して途中のコンビニでおにぎりとお茶とコーヒーを買った。10年ぶりくらいに立ち寄ったこのコンビニは、大東岳、面白山、寒風山、後白髪山、船形山など山形県境の山々の登山のときに立ち寄って食料を購入していた店である。そのころは助手席にはイオという雑種犬の登山の相棒がいつも一緒だった。そこから戸神山まではあっという間で思い出や感傷にふける暇はないのだった 登り始め、藪の向こうに2種類の白い花をたっぷり咲かせている木があったが、野ばらに茂みに遮られて諦めた。すぐ後に黒いテンナンショウ属の花を見つけ、クロマムシグサと思って写真を撮ったが、帰宅後の検索でクロマムシグサよりヤマザトマムシグサに花の形がそっくりだったので一応それだろうと判断したが、テンナンショウ属は同定が難しいということなので、これは「ヤマザトマムシグサに花の形がよく似ているクロマムシグサ」という可能性も捨てきれない。 タニウツギの木も目を引いたが、足元にはヒメシャガ(姫射干)が目立ち始め、あっという間に全山ヒメシャガだらけという雰囲気になった。前回の山行で花の咲いていない大株のヒメシャガの群落を見つけていたのでそこで写真を撮ろうと思っていたが、白花のヒメシャガを見つけた。このあと無数のヒメシャガを見たが白花はこれきりだった。これを手始めにたくさんの花の写真を撮ったが、とても掲載しきれない(というよりも、それぞれの花の種の同定、確認に時間がかかりそうなので諦めた)。 普通種のヒメシャガの群落で写真を撮り終えてから、山麓めぐりのトレッキングコースの分岐点の広場で横から差し込む朝日に光る蜘蛛の巣に朝露が輝いていた。なんという種類の蜘蛛の巣かわからないが半球形をしていた。その少し横には同じように朝露に濡れたヤマツツジが朝日に照らされていて、少しばかり感動しながら蜘蛛の巣ともどもカメラに収めた。 山頂への急坂が始まる手前で、少し大きめのフキ(蕗)が生えていたので摘んだ。杉林の中の沢沿いで好物のシドケ(モミジガサ、紅葉笠)も摘んでから、急坂を登り始めた。歩幅も小さく、とにかくゆっくり静かに登る。自分が短気であることを忘れ、高齢の老人であることを繰り返し確認しながら歩いていると、さほど息も切れずに登ることができる。急坂の途中では、昨年の6月に見たミヤマヨメナ(深山嫁菜)やマルハダケブキ(丸葉岳蕗)がようやく蕾を上げていた。頂上直下の急坂(熊落坂という木標があった)にはシロヤシオ(白八汐)の花がたくさん落ちていたが、木が高く写真には撮れなかった。頂上に着くと目の高さにシロヤシオの花が見え、ようやく写真を撮ることができた。 頂上で朝食のおにぎりを食べながらひと休みをしてから、晴天ながら春霞で煙る景色を写真に収めた。地平線上に仙台市街のビルの影がかろうじて見えていて、(写真の技術はさておき)何か雰囲気のある影絵のような景色だった。頂上には熊蜂や蝶たちがたくさん飛びかっていてそれも写真に撮ろうとレンズを交換したのだが、そこで電池切れになった。もちろん予備の電池は持参したのでバッグから取り出すと別の一眼レフ用の予備電池ばかりが3個も出てきた。カメラをバッグに仕舞いこんで、下りコースの花はスマホで撮ることにして下り始めた。 最初の急坂をまっすぐ下るとすぐにトレッキングコースに出て、その後は快適に歩き続けられる。もちろん花にも出あうが、登りの道で撮ったものばかりなのでスマホの出番がない。トレッキングコースと登山道の出会いの広場で、「今日の空」を写したきりでスマホの出番は終わった。読書や絵画鑑賞のブログかわたれどきの頁繰り(小野寺秀也)日々のささやかなことのブログヌードルランチ、ときどき花と犬(小野寺秀也)
2025.05.16
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