空想世界と少しの現実

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緋褪色

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アーティスト片岡鶴太郎氏の美術館の近く。翠嵐!ここが西の河原だ!

景色のなかで温泉の流れているところだけ雪は無いが、風景の殆んどが雪に覆われていて美しい光景をしている。

西の河原

西の河原

持ってきていたデジカメを、近くにいた若い観光客に渡して二人の写真を撮ってもらう。ありがとうございました!礼を言うとどう致しまして!と笑った。

一瞬顔を凝視されたが、外国だからだろうか。私に気がつく人間はいないようだ。やはりこちらに来て良かった。つかの間でも誰にも気が付かれる事無く過ごせるのバカンスは良いものだな。

上の方まで登るか?問い掛けて翠嵐の顔を見つめると少し顔色が悪く見える。もしかしたら・・・帰ろう。彼女の手を握り再びコートのポケットに入れる。

悟られちゃったのね・・・私の顔色と手の冷たさで。旅行と重なるなんて想わなかったわ。

私と彼の妻だった女性葵菫は自身と体のサイクルが似ていて、月一の現象もほぼ同じに訪れていた。唯一違うのは彼女が妊娠出産した事。私は経験はあっても出産は未経験。子どもを望まない亡くなった主人との結婚生活は、金銭的に豊かでも精神的には最低な生活だったように今でも思う。

葵菫と厳

もしも厳と一緒になれるなら、貴方の子を自身の命に掛けてでも産みたい。年齢的にはぎりぎりのラインだけれど、貴方の子どもを授かりたいと願うのは、厳の立場を省みない我儘なんでしょうね。

厳。折角ここまで来たんだもの。行きましょうよ!私なら大丈夫よ!


でもお前・・・彼女は握っていた手を離して雪道を歩き出す。とても楽しそうに歌いながらAll I ask of youを歌いながら。クリスティ-ヌが翠嵐ならば私はラウルか・・・悪くないね!

緩やかな坂を踏みしめながら彼女の後を追うように登っていく。風景に気を取られて横を向いた時に左肩に軽い衝撃を感じる。

!!あ・・・ いつの間に作ったのか雪玉を当てられていた。(>д<;) 負けじと木に積もった雪をかき集め雪玉を作り、翠嵐に当てる!童心に返ったように無邪気にはしゃぐ大人の俺達。

雪玉

当てては当たる度に2人で大きな声で笑い合う!5分間くらいだったのだろうか。手を挙げて降参の仕草をすると、彼女は右手を握り締め小さくガッツポーズ。まるで男性みたいな仕草に苦笑すると微笑んで俺を見つめる。

あら!厳だってガキ大将がそのまま大きくなった子どもみたいよ! 口を尖らせるようにして言い返す。からかうような言い方に笑いが込み上げてきて、大きな声で笑い出しそうだ!

!!

仲の良いところ見せつけてくれるじゃねぇか!御2人さんよ!あんた結構金持ってそうだな。ちょっと付き合ってもらおうか。抵抗しなければ乱暴な事はしねえよ。あの美人さんにも付き合ってもらうぞ。声を出さずゆっくり女の方に歩いて行け。

背中を取られては抵抗出来ないな・・・わかった。言う通りにする。その代わり二つ願いを聞いて欲しい。歩き出しながら提案する。 何だ。 あの女性は日本人ではない。だから日本語が話せない。彼女に話をする時は英語、もしくはハングル語で話をしていいか。

暫しの沈黙の後 ・・・いいだろう。もう一つは何だ。

自身に何があっても構わない。彼女にだけは手を出さないでくれ・・・頼む・・・

いいだろう!俺も女に手を掛けるほど鬼畜じゃないんでな。ただ逃げようとか立ち向かおうなんて思うなよ!お前だけでなく女のどてっ腹にも穴開くぜ!

強く金属製の銃を押し付け威嚇する。背中に当たる感覚では本物のようだ。油断していたな。まあいいさ。どれほどの程度の覚悟をもって犯罪に手を染めているのかお手並み拝見だ。

ただ翠嵐だけは決して巻き込みたくない。彼女の方に歩みを進めながら考える。

厳の後に人影。一瞬で何が起きているのかを悟る。まずは心を落ち着かせよう、大丈夫、厳の表情は冷静そのものだ。私だって平気よ!有事に対応出来るよう心のコントロールや人の心理を教える立場。

ただこれは、マニュアルに書かれているような対応に当てはまらないかもしれない。今まで心療内科医としてやってきた全ての知識がどうか活かせますように・・・心で深く祈りを捧げていた・・・



車の中で・・・へ





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Last updated  2008/01/12 12:04:00 PM
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