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ファイル交換ソフトは、
落とさない、持たない、勧めない。
この標語を守って、安全なインターネットライフを送りましょう。
というわけで、こむばむわ。
船沢です。m(_ _)m
読者の皆様も、ニュースなどで 「ファイル交換ソフト」
という名を
聞いたことがあるかと存じます。
でも、それがいかなるものか、よく分かっていないという方もいらっしゃることでしょう。
下手をすると、
「音楽ファイルや画像ファイルがタダで手に入る」
という、 とんでもない誤解をしている輩
(特に若年層に多い)が
増えているので始末に負えません (その誤解している連中が、今回の一連の悲劇に拍車をかけているとも言える)
。
というわけで、いまこのサイトをごらんのあなたが、
そんな悲劇に巻き込まれないようにするためにも、
ここでおさらいをしておくことにしましょう。
ファイル交換ソフト
(ファイル共有ソフト)とは、その名の通り、
ネットワークを介して、個人ユーザ同士のデータを交換するためのアプリケーション
のことを指します。
このソフトを介して、音楽ファイルや映像・画像ファイルがやり取りされているわけですが、
もちろん、タダでというわけにはいきません。
相手の持っているファイルを無償でダウンロードできる代わりに、
自分の持つファイルを公開し、相手(もしくは誰か)に譲る
必要があります。
これこそが「ファイル交換」と呼ばれているゆえんです。
このプロセスにあたって 「共有フォルダ」を使用する
のですが、
LAN(局地的ネットワーク)内でなく、
インターネットを経由して世界的に共有
しているため、
「ファイル共有ソフト」
とも呼ばれています。
ファイル交換ソフトには、
専用サーバをホスト(親)サーバとして、ユーザのファイルリストをデータベース化し、
ホストサーバが専用ソフトを組み込んだユーザ同士を仲介する
(リストから目的のファイルを見つけたら、 P2P
〔Peer to Peer:一対一〕接続に切り替わる)
「中央サーバ型」
と、
専用ソフトを導入済み、かつログイン(接続)中の ユーザ同士を探索し、
終始P2P接続してデータのやり取りを行う
「純粋型」
の2種類が存在し、
それぞれ一長一短があります。
中央サーバ型は、トラフィック (データの交通量 = 通信量。
混雑すると通信速度や品質が低下する)
の心配をしなくてすむ代わりに、
サーバダウン(停止)してしまうと機能がストップします。
一方、純粋型交換では、一度に多数の利用者が同時にログインしていると、
トラフィックが混雑し、通信品質が低下しますが、ユーザがお互いを接続する方式のため、通信障害は問題となりません。
万が一、相手方のPCを認識・接続できなかった場合は、別のユーザを探しにいくだけのことです。
中央サーバ型ソフトの代表格は、
1999年に発表された古参「 Napster
(ナップスター)」や、
その後継ともいえる「 WinMX
」が有名です。
また純粋型には「 Gnutella
(グヌーテラ)」や「 BitTorrent
(ビットトレント)」、
WinMXを超える意味で命名された「 Winny
(ウィニー)」があります。
(※「MX」のアルファベットをそれぞれ1字ずつ後ろにずらすと「NY」。
つまり WinMX → WinNY → Winny となる)
このうち日本国内では、WinMX とWinny がもっとも一般的に普及しているとされています。
このように、ファイル交換ソフトとは、ごく大雑把に言うと、
個人間での貸し借りや交換、又借り・又貸しなどが、
インターネットを介し、全世界規模でできてしまう
という、
とんでもないソフトなのです。
では、これらの一体何が問題なのか?
その第一の問題は 「セキュリティの脆弱化」
。それも、ユーザの不注意から、 ほんの2アクションで、
あなただけでなく、家族や職場のパソコンまでもが「ザル」と化してしまいます。
ファイル交換ソフトが扱えるのは、 実は映像や音楽のデータだけではありません
。ソフトにもよりますが、これらは正規のデータファイル(.jpg、.wma、.mp3など)や圧縮ファイル、
自動実行形式の圧縮ファイル(.exe)を扱うことができます。
なんとなく気づいた方もいるかもしれませんが、
拡張子さえ書き換えれば、 事実上、どんなファイルでも流通が可能
です。
さらに実行ファイルについて言えば、外見上は「圧縮ファイル」なのか、
「アプリケーション ソフト」なのか、区別がつきません。
……はい、ここまで書けば、もうわかりますよね。
これらのファイルを知らずにうっかり実行してしまうと、
ウィルスソフトやスパイウェア、マルウェアなどが展開・起動し、
あなたのコンピュータのデータを改ざん・破壊したり、
背後でデータを勝手に収集・流出させる
など、
既知あるいは未知の脅威にさらしてしまう場合があるのです。
多くの場合、 ファイルの名前にだまされ
(有名人の名前やエッチな単語など、
ユーザの大半を占める男性の興味をそそる仕掛けになっている)、
「そうとは知らずにファイルを開いてしまった」粗忽な連中
が、
一連の悲劇の引き金となることが多いようです。
ことに、もっとも厄介なのが「自己増殖型ウィルス」と呼ばれるもので、
実行すると、上記のプロセスを背後でこっそりと行うだけでなく、
自分の"クローン"を生成し、電子メールやフォルダ共有、リモート接続などを介して
次々と眷属 = "感染者"を増やしていくのです。
もうひとつの問題は、データの流出・収集がもたらす、
「知的所有権の侵害」
です。
もし、これらのソフトを使ってダウンロードしたファイルが、
著作権・肖像権・商標権・知的所有権などを侵害するもの
(つまり、違法にコピーされた)であった場合、
ダウンロードしたり、持っているだけでも犯罪になります
。
実際に、ソフトの利用者および開発者が、著作権法違反などで逮捕されるという、大きな事件にまで発展しました。
さて、このファイル交換ソフトによる情報流出・改ざんなどの被害。
報道でもご承知の通り、民間企業・官公庁などでも、大きな問題となっています。
こうした問題が起こる最大の要因は
「リスクに対する認識不足」
と
「公私の境界のあいまいさ」
、
これに尽きるでしょう。
簡単に言うと、 パソコンの運用状態がきわめて杜撰
(ずさん)なのです。
当該のパソコンは、だいたい、こんな形で運用されていました。
1) 私物のパソコンを、仕事先でも使っている。
2) 職場から支給・貸与されたパソコン = 「俺のパソコン」と勘違いしている。
おそらく、社長も役員も、管理職も忙しかったのだと思います。
忙しさにかまけて、勉強をしてこなかったのかもしれません。
あるいは、「うちには関係ない。そんなこと、起こりっこない」と、高でも括っていたのでしょうか。
ともあれ、そのことで、
取り返しのつかない事態へと発展する可能性があります(もしくは、すでにそうなっている)。組織のトップや現場リーダーが、もう少し早くことの重大さを知っていれば、
悲劇を未然に防ぐことができたかもしれないのです。
こんな感じですが、ファイル交換ソフトの恐ろしさ、理解していただけましたか?
では 冒頭の標語
を、確認のためにもう一度。
以上の標語を守って、楽しいネットワークライフをお過ごし下さい。
※ただ、個人のパソコンで、一般回線を介し、私的にやり取りする分には、
ファイル交換ソフトは「便利」であるともいえます。
何より、探しても見つからなかったレア(稀少)な映像・音楽がデータ化され、
出回っていることを考えると、その有用性も理解できます。
違法なデータを入手してパンダ車のご厄介になったり、
「お宝ファイルだと思って、ウィルスファイルを開いてしまう」愚行をやらかさない限り、
使う人によっては、パソコンライフを楽しくする一品といえるのではないでしょうか。
(と、やんわり擁護派もフォローしてみる)
けれども、念を押しますよ。
仕事で使うパソコンには、絶対に導入しないでくださいね。
今回はこんなところで。ではまた。m(_ _)m
「エクストリーム・コンピューティング」… 2009.02.24
冷やし中華(みたいなもの)はづめますた。 2006.07.30