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森の声

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2026.06.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類
昨日は、「創作活動や芸術的な活動は、子どもたちに森に代わるような働きかけをする」ということを書きましたが、でも実際には、これがなかなか難しいのです。「うちの回りにはあまり自然もないし森もないから、子ども達に創作活動や芸術的な活動をさせよう」と思っても、そう簡単には出来ないのです。

森には、子ども達の本能を刺激し、「子ども心」をくすぐるような木の実、木の枝、土、水、崖などもいっぱいあるし、また様々な虫たちもいっぱいいます。だから導入しやすいのですが、創作活動や芸術的な活動の場合、最初は「子どもの気を引くようなもの」は何もありません。

「自由に絵を描いていいよ」と真っ白な紙を渡されても、絵を描いたことがない子ども達。絵を描く楽しさを知らない子ども達は困惑するばかりです。自由に歌っていいよ、自由に踊っていいよ、自由に創っていいよ、などと言われても何も出来ません。それは大人でも同じですよね。

森では子ども達の「見たい」「やりたい」「聞きたい」を引き出すのはそれほど難しくありませんが、自由な創作活動や芸術的な活動においてはその導入がなかなか難しいのです。またそれがシュタイナー教育の難しさにもつながっています。

自由を楽しめるようになるためには、最初に不自由の体験が必要になります。不自由を乗り越えることで自由の楽しさを知ることが出来るようになるのです。それは、最初は歩くことが困難な幼い子が、転んでも転んでも立ち上がり、自分の力で歩けるようになることで「歩く楽しさ」を感じることが出来るようになるのと同じです。

「シュタイナー教育では自由に遊ばせ、自由に描かせ、自由に創らせてくれる」と思い込んで、我が子をシュタイナー幼稚園に入れる人も多いです。でも、実際にはそうではありません。ちゃんと計算された不自由が与えられるのです。「我が子をシュタイナー幼稚園に通わせるようになってからそのことに気付いた」と言う人も多いです。
シュタイナー教育は「自由への教育」であって「自由を与える教育」ではないからです。

ただし、森での活動でも、ただ「自由に遊んでいいよ」と放り出すだけだったら「やったー」と喜んで遊ぶのは最初だけです。しばらくすると、どうしていいか分からなくなり、退屈し始めます。
するとイジメやケンカも起きます。この場合のケンカは、「意見の違いによるケンカ」ではなく「奪い合いによるケンカ」です。これは力が強い方が勝ちます。


こういう状態になってしまっている森の幼稚園のお母さんから相談を受けることもあります。メールで相談を受けることもあるし、講演会に行ったときにこそっと相談を受けることもあります。このようなことに対する意見の違いから分裂してしまう幼稚園もあります。
森の幼稚園のような活動は、素敵な森があって仲間がいれば始めるのはそれほど難しくないのですが、でも、それを長く続けたり、森での活動を通してお母さん達の成長や、子ども達の成長を支えようとするなら、シュタイナー教育と同じような難しさが生じて来るのです。

大人達同士の話し合いや、様々な協力も必要になります。「子どもとは」、「人間とは」という学びも必要になります。また、大人自身が森での遊びや活動を楽しむことが出来ることは必須です。そうでないと森で遊んでいる子どもと感情や感覚の共有が出来ないからです。

時々「私は泥んこに触りたくないけど、子どもには泥んこ遊びをさせたい」と言う人がいますが、それは無理なんです。

これは創作活動や芸術的な活動でも同じです。大人がそのような活動を楽しめないのなら、「そのような活動を楽しむことが出来る子ども」を育てることは出来ないのです。また、そのような活動を通して子どもの成長を支えることも出来ません。
だから、「子育て」と「自分育て」はセットになっている必要があるのです。「子どもだけなんとかしよう」と思っても無理なんです。でも、実際には多くの人が「子どもだけ何とかしよう」と思っています。





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Last updated  2026.06.19 08:41:56
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