仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2006.06.21
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カテゴリ: 国政・経済・法律
夕張市が財政再建団体の指定を申請するという。週末から報道され、昨日(20日)の日経新聞にも出ていた。

最近は自治体破綻法制の議論も起こってきた。竹中総務相の懇談会が具体策の検討をしており、今回の夕張市の件は、破綻法制整備の動きを加速するだろう、と日経の記事は書いている。

破綻法制の視点については前にも書いた。
 ■関連する過去の日記  自治体破たん法制論議の基本視点 (06年1月19日)

放漫な自治体経営の一因である、暗黙の政府保証による借金増の連鎖を断ち切るために、責任ある財政運営に仕向ける規律づけをする、という視点は重要だし必要だと思う。ただし、民選の首長や地方議会による団体自治の観点をひっくり返してはならない。政治家の首長では放漫だ、とか、議会は無力だなどの現象はあるとしても、第三者や裁判所の関与で放漫な自治体を是正せよ、というのでは自治の否定になってしまう。

この点では、国の放漫の方が罪は重い。ひたすら赤字国債という方便に逃れ、巨額の借金を抱えて、事業も公務員も本気で削減する気がない。財務省も各省と本音はケンカしたくないから、例えば地方交付税をバッシングする。

もちろん、国家財政がより深刻だから地方はそのままで良いというロジックを言うつもりではない。地方の論議はどんどん「進めて」良い。むしろ国家財政改革に先導(煽動?)するくらいに考えるべきかも知れない。
現に、地方では従来にない動きが出始めた。最近では、政治的得点を挙げようとする首長は、従来の利益誘導一辺倒ではなく、中身のある改革を指向する。改革を競い合う風潮もある。一部住民の利益に反してでも、財政効率化などの改革課題達成を優先しようとする。注目すべき動きだ。住民も馬鹿ではないから、目先の選挙のニンジンより、意外と将来世代に自治体をどう残していくかを考えている。特定の利益団体と結びついた選挙(勝敗に燃える選挙戦)から、平素の情報公開をベースに、物言わぬ平均的な合理的有権者像を考えた選挙(自治体のあり方にvoteする)に変質しつつある、と言えるのかも知れない(きれい過ぎる見方だが)。


(だからこそ、野党たる民主党の「改革」の中身と実行力が極めて重要なのだ。)

さて、ついつい国会財政への恨み節が長くなる。自治体の再建という本題に戻るが、私は、破綻法制について基本視点は上記のとおり。デフォルト可能性や第三者の知見を活かして、責任ある財政運営を他律的に可能ならしめる視点はあって良いが、あくまで団体自治の枠の中で。むしろ、自治をより活性化させる方向も考えるべきである。

すなわち、具体的には、議会の活性化。宮城県でも浅野前知事に対するアンチテーゼないし共鳴効果によって、議会の活性化がされた(と言われている)。中には、議員提案条例の数や、議場の演壇を知事と対面にしたことなどをもって議会の活性化とする馬鹿げた議論もあった。政治家がどう取り上げるかは別として、中身に実のあるものとしては、県政の具体的な是非を真剣に議会で論議する風が一応できたこと、だろう。だから、議員も勉強するし、住民や識者の意見にも耳を傾け、県側の方針との違いがあれば、「主体的」な調整を試みようとする。もちろん議員皆がそうではないが、何人かでもこのような議員がいることが重要だ。政治力学の一コマではなく、また、地元代表のバリバリ利益誘導選手でもなく、首長と同レベルで責任を持って議論できるスピーカーがいることは、実は首長にとってもありがたいのだ。

では、かような地方議員をどう育成するか。特に市町村レベルでは極めて難しい。難しいが、合併により一定の規模も形成されたから、少しずつ変わっていく望みもある。

また、有効だと思われるのは、信頼できる第三者の評価だ。破綻法制論議でも取り上げられているが、なるべく政治要素が入らない、純粋な「第三者」によるのが正しいだろう。あえて制度化しない自由な立場の有識者による評価を、継続して定期的に発表するのが良いように思う。議会報告、などというように制度化しないで、新聞に発表するのだ。
そのような評価機関が、会計士、学者、住民代表などによって、各県単位ぐらいで自主的に組織されると望ましい。議論の中身は公開しないが、評価結果とその理由、データなどは徹底的に公開し、各自治体の議会で大いに議論させることを狙う。

この機関には、住民に対する財政状況のわかりやすく正しい説明の機能も求められる。端的に理解を喚起するために、ランキング公表も有効かも知れない。

ここで言いたいのは、法制論議でおそらく念頭に置いているような、放漫首長や無能議会を直接指導すべし、の図式ではなく(それも否定しないが)、情報提供や地方議員の活動を通しながら、住民の合理的意思形成として自治体のあり方を決する(究極的にはvoteで決する)ようでありたい。底上げ的自治による意思形成。

書いてみると、やっぱり理想論に過ぎるか。

それから、地方財政改革、特に補助金改革は必須の前提だろう。また、交付税の中でも、旧自治省の政策誘導機能の道具とされた部分は、改めねばならない。日経の別のページに書いていたが例えばJETプログラム。もう見直して良い。少なくとも、自主性に委ねる(補正加算をやめる)べきだ。
補助金などで地方財政の自由を実質的になくしておいて、というより、むしろカネを使わせて、放漫で破綻するからタガはめよ、という議論はないだろう。だから、地方財政改革もちゃんと進めなければならない。





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最終更新日  2006.06.21 06:19:34
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