仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2006.06.30
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カテゴリ: 東北
柳田国男が記したことで遠野は民話の里として知られている。岩手県に生まれた私のような者でも、遠野と言えば、北上平野沿いでもなく、三陸でもなく、ちょっと隔絶された内陸の聖地という感じを持っていた。あとはサッカーの町の印象も。

初めて通ったのは花巻から汽車で釜石に抜けるときに通過しただけ。やっと訪れたのは1998年の夏で、歩き始めた娘と遠野の町をあちこち立ち寄った。施設や民家もいいけれど、里そのものがいい。また行きたい。秋でも冬でも、いつでも行きたい。

遠野盆地は非常に寒い。冬は氷点下10度を下回る。今頃(6月)にようやくコタツを片づけるのだろう。昔は凶作が多く、例えば元禄の大凶作(1701年)は2800人、宝暦には(1755年)3000人の餓死者を出したという。飢えに泣きさわぐ幼子を見るに忍びがたく川に投げ入れる、などの悲劇も伝えられる。間引きもあったろう。本当に切ないことだ。姥捨ての地も伝えられる。

遠野の河童(カッパ)伝説は、これと関係があるという説がある。つまり、幼子が川でカッパに連れ去られたのだ、として口減らしを説明したというのだ。

民衆史を検証する難しい話ではなく、ただただ、そういう昔があって今があることを受け止める。遠野の里に昔の人はどうやって暮らして、山並みの向こうに何を感じたのか。訪れたからすべてわかる訳ではないが、ただ単純に、行きたい。
有名な温泉も遊び場もない。へたに自然を売り物にした人工施設もない。ただ、土地に行きたい。遠野にはそう思わせるものがある。





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最終更新日  2006.06.30 06:04:32
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