2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
全7件 (7件中 1-7件目)
1
つらくて、どれほど切なくても、幸せはふいに訪れる。かけがえのない祝福の瞬間を鮮やかに描き、心の中の宝物を蘇らせてくれる珠玉の短篇集。 お世話になっているアネモネさんが、以前紹介されていた本です。あったかくて切なくて、秋の日にぴったりな恋愛小説でした。―これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。 これが書けたので、小説家になれてよかったと思いました―著者がそう言いきれるということは、生きていて良かった―そう言ってるのと同じではないかなと思います。5つのエピソードは、どれも本当に優しくて、瑞々しく捉えられた切ないシーンにはグッときました。よしもとばななさんは、私が子どもの頃「キッチン」という本がロングセラーで、泉鏡花文学賞を授賞したというすごい本だったのに、あまりに長く古書店に氾濫しているのを見てきたため、かえって手が出なくなってしまった作家さんでした。アマノジャクですね...あれから一度も読む機会を持たないままでした。今回興味が湧いて、開いた中身はとても好きになれるものでした。5つのお話どれも気に入ったし、なにより、何も知らなかったよしもとばななさんの優しさをすごく感じて、このあったかさはよしもとさんの持っている心の体温でもあるのだな~と感じました。一日ほぼ一話読んで、全て読み終えた日の夜。昔の恋人と再会している夢をみました。それは、もうほんとに紹介文にある通り‘心の中の宝物を蘇らせてくれる’ことそのものでした。‘宝物’と久しぶりに対面して幸せになり切なくなり。目覚めたときはあったかかったです。「ああ、この本を読んだから見た夢…」そう思いました。些細な物語に凝縮されてある、一瞬の輝き。忘れてることがいっぱいある。そう思いました。
2006.09.27
コメント(8)

ハイテクを駆使し様々な時代を体験できる巨大遊園地デロス・ランド。その中の西部世界を再現したセクションで突如ロボットの反乱が起きる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ SF作家であり、本作で初めて自身の原作を映画化したマイケル・クライトン。この方は「ジュラシック・パーク」シリーズの原作者であり、最近ではドラマ「ER」の製作総指揮をしてらしたようです。ロボットの反乱をテーマとした作品は幾つか作られていますが、テーマパークでのパニックものでは「ジュラシック・パーク」がかなりインパクトあるものでした。その原点がここにあります。拳銃には体温感知システムが。ロボットと安全にリアルに撃ちあいできるばずだったが…ハイテクを駆使し、古代ローマ・中世・開拓期西部の三つの世界で実生活を体験できるテーマパーク‘デロス’。そこでにわかに機器に異変が見られ始めるのですが、テーマパーク側はトラブルを知りつつ閉鎖を拒み、完璧に制御されていたはずのデロス内は次第にパニックに陥ります。人間そっくりに作られたロボットたちは、やがて制御不能と化すのです。静かに不気味に忍び寄ってくる、危機の兆しと閉ざされた空間で起こる恐怖感はなかなか。管制室の技術者たちは閉じ込められ、三つの世界ではそれぞれにロボットが暴れだし、殺し合いを始めます。休暇気分で訪れていた主人公ピーター(リチャード・ベンジャミン)は、開拓期西部でガンマン(ユル・ブリンナー)に執拗に命を狙われるはめに…!客に撃たれるたび修理されるガンマン(ブリンナー)ユル・ブリンナー演じるロボットの物言わぬ怖さは見所。どこまでも追ってくる恐怖に、最後まで息が抜けません。反対に、主人公とその友人ジョン(ジャームズ・ブロリン)の存在感は薄め。始めはどちらが主人公なのかわからなかったし、完全にブリンナーに圧倒されている感じでした。「ジュラシック・パーク」のようなパニックものがお好きな方にはおすすめできそうです。地味ですが独特な雰囲気のある作品でした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・監督 マイケル・クライトン 製作 ポール・N・ラザルス三世 脚本 マイケル・クライトン 音楽 フレッド・カーリン 出演 ユル・ブリンナー 、リチャード・ベンジャミン ジェームズ・ブローリン 、ノーマン・バートールド アラン・オッペンハイマー 、ヴィクトリア・ショウ
2006.09.26
コメント(10)

アカデミー9部門受賞のハリウッド映画史上不滅の最高傑作。南北戦争前後のアトランタを舞台に、炎のような女、スカーレット・オハラの波乱万丈な半生を、大スケールで描いた超大作。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 映画を観始めて20年。ハリウッドだけでなく、世界じゅうの映画のトップに君臨してきたというイメージで捉えてきたこの名作を、苦節20年にしてようやく手に取ることができました。とはいっても、苦しんでいたわけではありません…4時間にも及ぼうかというこの大作を、とても観たい日が来るまで、気持ちと機会のタイミングを待っていただけなのですが、正直これほど時間が掛かるとは思いもしませんでした。4時間向き合って、一番の感想は、王座に居続けていることに納得。そして映画に懸ける情熱をビシビシ感じる、輝かしい時代の雰囲気にちょっと感動した~というものでありました。 凝縮されたドラマに描かれる、めくるめく愛の航路――スカーレット・オハラの波乱に満ちた半生は、期待を裏切りません。きわめて王道をゆく物語。傲慢稚気で自意識過剰な、とうてい身近には感じられない主人公に、こちらまでが翻弄され我ままに付き合わされていく4時間でした。突っ走る姿には言葉を失いますが、とことん率直な性格はさっぱりしていて憎めません。故郷タラへの強い想いと、戦後再建するまでの頑張りは、全てのわがままを帳消しにしたくなるほど魅力的でもありました。常に男たちに囲まれ、もてはやされてきたスカーレットですが、ただひとり、心から愛したアシュレイ(レスリー・ハワード)とは想いが実らないまま、彼は従姉妹メラニー(オリヴィア・ハヴィランド)と結婚してしまいます。既婚者となったアシュレイを、ずっと愛し続けるスカーレット。やがて自らも結婚し家庭を持つ身になりますが、いつまでも彼を忘れられず愛し続けるのです。そしてアシュレイも、スカーレットの気丈な美しさを拒みきれず、いつまでもはっきりした態度をとることができません。(…情けない)スカーレットとレット 幾度も登場するこの角度 構図の黄金比みたい彼女の秘めた思いを見破り、それ以上の愛を注ぐようになるレット・バトラー(クラーク・ゲイブル)。長きに渡るこの二人のやりとりは、何ともいえぬ味があって、似た者同士の切れない縁に目が離せません。とにかく素敵なレット自由を謳歌し、お金持ちで、悠々としている遊び人。なんて素敵なんでしょう!彼だけがスカーレットを操ることができる、そう思ったのに。。心底惚れ込んでしまったことで、アシュレイへの嫉妬に苛まれ自棄を起こしてしまうのでした。レットをこんなにしてしまえるスカーレットこそ、まさに恐るべし~と感じてしまう件ですね。哀れであり悲しくもあり切ないところですが、こんな何もかも上手く行かないもどかしさも大河ドラマの醍醐味なのかもしれません。メイドを演じたハティ・マクダニエル(右) 史上初めて黒人でオスカー(助演女優賞)を授賞しました配役や演技はそれぞれに素晴らしくて、究極の淑女を演じたオリヴィア・ハヴィランドや、助演女優賞に輝いたハティ・マクダニエル、娼婦ベルなど、挙げればきりがありません。映像が見事なら、配役も見事だし、壮大なスケール感も圧巻。‘タラのテーマ’には否応なく酔わされます。映画は未見でも誰でもどこかで耳にしたことがあるはずのこの曲。スカーレットの故郷タラの赤い土、何より土地へ深いの愛情が溢れたこの名曲は、易しく響いて作品にぴったりです。たしかに4時間は長いそして濃い。たっぷり時間のある日に、当時のアメリカを思い浮かべながらみるというのも味があって良いのではないでしょうか。1939年・ヴィクター・フレミング監督・といえば「オズの魔法使」ですね。どうやってこのふたつもの大作を撮り上げたのでしょう。すごいことです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・監督 ヴィクター・フレミング 製作 デヴィッド・O・セルズニック 原作 マーガレット・ミッチェル 脚本 シドニー・ハワード 音楽 マックス・スタイナー 出演 ヴィヴィアン・リー クラーク・ゲイブル レスリー・ハワード 、オリヴィア・デ・ハヴィランド トーマス・ミッチェル 、バーバラ・オニール ハティ・マクダニエル 、ジェーン・ダーウェル ウォード・ボンド
2006.09.24
コメント(16)

陪審員の取り込みや裏工作などの駆け引きを展開する原告・被告側双方と、ある目的を秘めて陪審員団に潜り込むことに成功した一人の男。ひとつの民事訴訟を巡って繰り広げられる三すくみの法廷外バトルをスピーディかつスリリングに描く。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ これほど完成度の高い充実したサスペンスは、なかなか出会えないかも。見事な法廷ものでした。魅力的なストーリーに脚本、存在感ある役者さんたち。それに後味まで良く、とても楽しむことができました。陪審コンサルタントのメンバーのアジト 超ハイテクな機器と面々 ニューオーリンズの証券会社で銃乱射事件が発生。16人が死傷した事件で夫を失った女性が、地元のベテラン弁護士ローア(ダスティン・ホフマン)を雇い、犯人の使用した銃の製造メーカー相手に民事訴訟を起こす。被告側の銃製造メーカーは、伝説の陪審コンサルタント・フィッチ(ジーン・ハックマン)を雇い入れ、彼はあらゆる手段を駆使し陪審員候補者の選別に取り掛かかるが……。やがて決定した陪審員団の中には、謎に包まれた男ニック(ジョン・キューザック)も含まれていたのだった。 銃製造メーカーが一度でも裁判に負ければ、相次いで訴訟が起こり多大なダメージは免れません。それを恐れ、陪審コンサルタントのフィッチらに多額の資金をつぎ込んでいます。決して負けられない裁判で、原告側に立つのは、正義感溢れる老弁護氏ローア。一度でも勝利が得られれば銃社会を変えられるかもしれない…正義のために闘うローアも必死です。ふたりの対峙が見ものなら、陪審員に選ばれた謎の男ニックの正体も見もの。‘評決を売ります’ニックは恋人マーリー(レイチェル・ワイズ)と共に、陪審員たちを中で操り、フィッチ側・ローア側を大金でゆすりにかかるのです。陪審員制度をネタにした作品は多く作られていますが、その危うさに、いつもながら怖さを感じます。一般人12名。彼らをゆすり裁判の結果を左右することも、日常茶飯事なのではないでしょうか。どの側面からも完全見事に作られた、結末の読めない2時間のドラマ。評決を買ってしまうのか? 裁判の結果は? ニックとマーリーの正体は?最後まで気の抜けないサスペンスは、絶妙な後味まで残して締めくくられます。恋人のニック(キューザック)&マーリー(ワイズ) ふたりの目論みは?結果が巧く向くよう、陪審員をハイテク機器で選び出す陪審コンサルタントという仕事は、本当に存在するのだそうです。抜け目なくシビアに候補者の生活にまで目をつけるやり方は、怖すぎます。秘密なんて持てない時代、国、恐ろしい。その裏をかいて、謎の陪審員ニックが11人を巧みに操作していく姿も、かなりサスペンスフルでした。陪審員たちの様子に変化が現れる冒頭の驚きは、観る側にも同様の動揺を与えます。面白くなってくる~その予感でいっぱいになれるシーンでした。鳥肌もののツーショット 初共演だそう とても70前後には見えません本作で初共演を果たした名優ジーン・ハクマンとダスティン・ホフマンの熱演にも注目です。なんといっても、このトイレでのワンシーンは見応え十分。70歳に手が届いた(そろそろ届く)ふたりが、熱い火花を散らすシーン。メイキングで言っていた‘共通点を持たせる’ということの意味がよくわかります。裁判所の結果を争う敵同士ではあっても、成功者と苦労人の違いはあっても、壮年の男同士、負けられない思いは同じ。決して醜くないのがいい。とにかく誠実な人が似合うホフマンに見惚れつつ…どうなっていくのか先の見えない展開を存分に味わえた法廷サスペンスに大満足でした! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・監督 ゲイリー・フレダー 製作 ゲイリー・フレダー 、クリストファー・マンキウィッツ アーノン・ミルチャン 製作総指揮 ジェフリー・ダウナー 原作 ジョン・グリシャム 『陪審評決』 脚本 ブライアン・コッペルマン 、デヴィッド・レヴィーン マシュー・チャップマン 、リック・クリーヴランド 音楽 クリストファー・ヤング 出演 ジョン・キューザック 、ジーン・ハックマン ダスティン・ホフマン 、レイチェル・ワイズ ブルース・デイヴィソン 、ブルース・マッギル ジェレミー・ピヴェン 、ニック・サーシー
2006.09.21
コメント(10)

警官を殺してパリに逃げて来た自動車泥棒のミシェルは、アメリカ人の恋人パトリシアとお互い自由で束縛のない関係を楽しんでいた。警察の手が及びはじめたある日、パトリシアはミシェルの愛を確かめる為、彼の居場所を警察に密告するのだが……。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ‘50年代後半~‘60年代半ばのフランス映画で、若い作家たちが生み出した斬新な作品群を‘新しい波=ヌーヴェル・ヴァーグ’というそうです。その先駆けとなり、ヌーヴェル・ヴァーグの親とも称されるゴダールの、長編処女作。 追跡してきた警官を殺した車泥棒のミシェルは、追われる身になりながらものうのうと暮らしているチンピラ。旅先で知り合ったアメリカ人の恋人パトリシアと、付かず離れずの恋をしながら、退廃した日々を送ります。葉巻を吹かし、新聞で捜査状況をチェックして、盗みと騙しを繰り返し続ける悪い男。彼のノリが軽ければ軽いほど、真実味がなく絵空事のような雰囲気。恋人パトリシアも、ほかの恋を楽しんだり、なにか本気ではない態度ばかり。犯罪ものではありますが、恋愛模様によりインパクトを感じました。もどかしいこの関係。犯罪者と知ってか知らずか、ミシェルの愛に応えたり応えなかったり…本当のところをお互いにひとつも知らないまま、一緒にいる。そんなあやふやさが面白い。「ゴダール作品お馴染みのジャン=ポール・ベルモンド」ジャン=ポール・ベルモンドは、この6年後「気狂いピエロ」でもゴダール作品に出演して、見事に破滅していく男を演じていましたね。同じゴダール作品なら、少ない鑑賞作の中ですが、「女は女である」のキュートなベルモンドや「いぬ」のクールな役が好きでした。本作で魅力的に見えなかったのはなぜでしょう。これだけの名作なのに。女に翻弄され続けて無駄死してしまった彼は..どうも格好良くみえなかったのでした。反面、恋人パトリシアを演じたジーン・セバーグの魅力は溢れんばかり。ベリーショートに刈った髪と、ちょっとキツめの目元がとってもチャーミングです。言い寄られてもスッと交わし、思わせぶりな態度で完全にミシェルをトリコにしていきます。男にとってあの終わり方は本望なのかどうなのか...彼が最後に呟く言葉には、恨めしそうでありながら、恋して完敗した諦めさえも聴こえてきたようでした。青春と犯罪が入り混じった、恋愛映画といってもいいのかもしれません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・監督・脚本 ジャン=リュック・ゴダール 原案 フランソワ・トリュフォー製作 ジョルジュ・ドゥ・ボールガール 撮影 ラウール・クタール 音楽 マルシャル・ソラル 出演 ジャン=ポール・ベルモンド 、ジーン・セバーグ ダニエル・ブーランジェ 、ジャン=ピエール・メルヴィル
2006.09.20
コメント(6)

1994年、ルワンダの首都キガリ。多数派のフツ族と少数派のツチ族の内戦はようやく終息したものの街は依然不穏な空気に包まれていた。ベルギー系の高級ホテル“ミル・コリン”で働く有能な支配人ポールは、妻がツチ族だったことから“ミル・コリン”に避難するのだが、ホテルは命からがら逃げ延びてきた人々が続々と集まってくる……。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 映画の評判というよりは日本公開を求める会の動きで興味を惹かれていた作品でした。良質な映画が興行面の採算が合わないことで観られない~という図式は、いつも残念に思っています。大作しか小さな町には来ないのも淋しいことです。ネットを通した若者達の活動が、日本での上映を叶わせる力になったことで、多くの人がこの作品と出会う機会を得たのは素晴らしいことと思います。北海道でも、略称「ルワ会」による尽力で十勝、苫小牧、函館で(たぶん)一日のみではありますが上映されたそうです。今回わたしが行ったのは札幌駅の北口にある蠍座で、現在、道内唯一の上映映画館となっています。 12年前、学生だった自分がこの大量虐殺を知らなかったことに、驚き情けなくなりました。わたしが青春を謳歌していたその頃、ニュースに対する興味も薄いあの時期に、アフリカではこんなにも凄まじい恐ろしい争いが起こっていたなんて。。動かない政府に対して学生運動を行った男性が「今更遅すぎる」――というコメントを残しているのをみつけました。そうやって行動を起こしていた人がありながら、当時の社会の様子さえちっとも覚えていないのが、本当に情けないです。たった12年前のことなのに…民族間の争いが、歴史的な背景の複雑さから酷い状況を生む。それは世界各国で起きてきて、今現在も続いていること。たしかにルワンダの惨状を今更知っても遅すぎるのかもしれませんが、ここから現在起こってる紛争のニュースに耳を傾けたり、難民を救う募金に協力したりなど、何かできることはきっとあると思います。知らないよりは知っていた方がいい。意識が変わるというのは大なり小なり、良いことなのではないでしょうか。演技派のドン・チードルが、4つ星ホテル“ミル・コリン”の支配人役を熱演しています。外資系ホテルと、支配人として身に付けた話術や機転を盾に、1200人もの命を救った実在の人物を基にして映画化されたルワンダ紛争の真実。国連軍も海外からの助けも当てにならず、ホテルに孤立した人々は、いつ来るやも知れない暴徒と化した民兵からの攻撃に怯えるばかりでした。何度も死を覚悟しながら、ポール・ルセサバギナは皆の為に奔走し続けました。時には命を金で買い、酒で買収し、絶望の淵から這い上がり、危機に直面しながらも諦めなかったポール。もし自分がその場に居たら―と考えると、その恐怖感は想像を絶するものであったと思います。監督はアイルランド生まれのテリー・ジョージ。イギリス・イタリアが主な製作国であることもあってか、ドキュメンタリーに近いような、入り込む隙もないほどの迫真の作品というのではなく、観る側も考慮に入れられた実話に基づいたフィクションに近いという印象でした。ドラマ性もあります。 100万人が命を落としたという惨劇から12年。関心を持つことが大事だと、伝えたいことはちゃんと伝わってきました。‘94年のルワンダ、ヨーロッパ諸国が見て見ぬふりの如く手を差し伸べなかった事実が、これだけの犠牲者を生んだ――本編ではそう訴えています。でもその時、日本は?自分は?と考えると、それもまったく同じで無関心でいただけでした。観た人のたくさんの意識を変えるきっかけを作った作品ではないでしょうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・監督 テリー・ジョージ 製作 テリー・ジョージ 、A・キットマン・ホー 製作総指揮 ハル・サドフ 、マーティン・カッツ 脚本 テリー・ジョージ 、ケア・ピアソン 音楽 ルパート・グレグソン=ウィリアムズ アンドレア・グエラ 出演 ドン・チードル 、ソフィー・オコネドー ホアキン・フェニックス 、ニック・ノルティ デズモンド・デュベ 、デヴィッド・オハラ ジャン・レノ
2006.09.13
コメント(12)
こんばんは! 大変ご無沙汰しております。 無事引越しが終わりました。雑貨以外は片付いて、新生活にも少しずつ慣れてきたところです。これからもよろしくお願いいたします早速、引越しをまたいで観ていた映画♪から。 北海道東部の酪農の町・中標津を舞台に、寡黙なひとりの男と牧場を経営する母子の出会いと別れを描いた人情ドラマ。風見民子(倍賞)は一人息子の武志(吉岡)を育てながら亡夫の残した牧場をひとりで切り盛りしていた。そんなある日、激しい雨の降る夜、一人の男(高倉)が民子の家を訪れ、民子は納屋を提供する。その晩、牛のお産を手伝った男は翌朝去っていったが、夏になり、再びやってきた男はここで働かせてくれるよう願い出るのだった……。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ いつもお世話になっているヤスカイさんが、以前ご自身のブログで紹介してらした、「男はつらいよ」の山田洋次監督作品。寅さんコンビである倍賞千恵子と吉岡秀隆が、こちらでも親子を演じ、とっても渋い高倉健が一匹狼の寡黙な男を好演しています。北海道の自然という観点からは、北の国からバリの雰囲気が良すぎるほどに出ていて、自分の故郷である道東の自然を本当に懐かしく観る事ができました。人間ドラマもロマンスを含めた展開も、濃厚でじっくりと楽しむことができる、見応えある2時間。夫が他界してから、たったひとりで牧場を切り盛りしてきた民子。彼女の、気丈でありながら女性らしくもある生き方に惹かれました。過酷な生活を守り続ける気持ち、突然現れた男性につい頼ってしまうか弱さ、牧場主としての誇り、そして母の強さ。僅かずつ動いていく感情と心が、丁寧に描かれていきます。もくもくと仕事をこなし、父親のいない武志には不器用ながらも男らしい遊びを教える、わけありの男・田島。彼の素性は物語が進むうちに段々と明らかにされていきます。わかった上で、母子との関係が気になり、幸せなラストが来るようにと願わずにはいれません。牧場の生活がリアルに描かれているぶん、リアリティがあって、厳しい自然と共に暮らす人々に対する憧れとか尊敬の思いも、きっと湧いてくるのではないでしょうか。ラストにはとても素敵なエピソードが用意されています。高倉健の男泣きにクラクラ~ 惚れ直しました。友情出演している渥美清や、武田鉄矢も、寅さん繋がりという感じでしっくりきます。北国を舞台にした感動の傑作でした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・監督 山田洋次 製作 島津清 脚本 山田洋次 、朝間義隆 音楽 佐藤勝 出演 高倉健 、倍賞千恵子 、吉岡秀隆 ハナ肇 、木ノ葉のこ 、武田鉄矢
2006.09.09
コメント(13)
全7件 (7件中 1-7件目)
1