おしゃれ手紙

2020.11.26
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カテゴリ: 父の麦わら帽子

60年以上前からそこにある柿の木は、毎年多くの実をつける。
夫が木に登って柿の実を取り下で、段ボールの箱を待っている私に向けて落とす。

少しして、私の頭に痛みが走った。
柿の実が落ちてきたのだ。

「さるかに合戦や!」 と私。
 私が幼い頃、父や母から聞いたおとぎ話のひとつに「さるかに合戦」があった。

握り飯を持った蟹が、木の上で柿を取っている猿に、
「握り飯と柿の実を替えことしよう」と提案する。

蟹の子どもが、臼や蜂、栗と蟹の仇をうつという話。
 今から60年以上前、田舎にいても、私の家には柿の木がなく、柿はめったに食べられなかった。
弁当 そんな中、私の妹は、おやつのおにぎりを持って、家の前に立っていた。
うちの家の前の家の子ども、■ A子ちゃん ■が柿を持って立っていた。

「かいとうしょう」と妹が自分のおにぎりを差し出した。
「かいとう」とは、「かえこと」つまり、交換ということを妹なりに言いたかったのだ。

いつも父や母に語ってもらった「さるかに合戦」が妹の頭にあったのだろう。

母は、私たちが大きくなってから、何度もその話を楽しそうにした。
 その後、柿とおにぎりが交換されたかどうか私は知らない。
 今年も柿は豊作だった。


柿が食べたくても食べられなかった、60年以上前の妹や私に食べさせてやりたいと思った。

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Last updated  2020.12.08 00:03:26
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