おしゃれ手紙

2021.02.26
XML
カテゴリ: 父の麦わら帽子

バスに乗って少し離れた町まで行くことは、年に一度もあるかないかのことだった。
 ある日、私は、バスで父と一緒に山陽本線の和気駅のある町に行った。
歯医者かどこかに連れていってもらったのだろうか・・・。
 帰りは、和気駅の前にあるバスターミナルから乗る。
誰も車を持っていなかった当時は、和気駅からあちこちに向けてバスが出ていて、結構人が乗り降りしていた。
 バスターミナルには、平屋の建物があった。
そこの入り口で、帰りの切符を買って、建物の中に入る。
中は土間になっていて、木枠の四角い炉がきってあった。



土間の火鉢を囲みながら大人が喋っている。
話好きな父は、すぐみんなと笑いながら話をしていた。
 私は、入り口のガラス戸から外を見ていた。
外には、バスが止まっていて、女性の車掌さんがバスを雑巾で拭いていた。

小さかった私は、車掌さんが羨ましくて仕方がなかった。
一番前に立って、腰から鞄を下げ、右手に切符を切る鋏を持っている車掌さん。
なにより、毎日バスに乗れることは素晴らしいと思った。
 当時から多くなかったバスの本数は、今は一日2往復だとか・・・。
ほとんどの人が車を使う。
和気駅前のバスターミナルにあったバスの待合所は、とおの昔になくなった。

バナー ボタン

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2021.02.26 00:02:07
コメントを書く
[父の麦わら帽子] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Favorite Blog

ネジバナいっぱい、… New! 隠居人はせじぃさん

内田先生かく語りき(… New! Mドングリさん

迷いと予見 小説家… New! hoshiochiさん

映画の話 霧の淵(映… New! KINNKOさん

静かに生きて考える New! ぶどう^_^さん

Comments

七詩 @ Re:5/17-3:茨城県・水戸市:保和苑/水戸黄門の格さんの墓(06/17) 天狗党騒動やそれに続く抗争や粛清、桜田…
天地 はるな @ Re[1]:「光る君へ」定子&清少納言「香炉峰の雪」(04/22) 七詩さんへ 定子の清少納言への問いかけ…
七詩 @ Re:「光る君へ」定子&清少納言「香炉峰の雪」(04/22) 定子の母は漢詩の名手で伊周も学才に優れ…

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: