おしゃれ手紙

2022.07.26
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カテゴリ: 父の麦わら帽子
すいか
夏の食卓に並ぶのは、明けても暮れても、同じものだった。
なす★ナスビ。(ナスビ揉み)
縦に半分に切って、斜めに細く切る。
それをすり鉢に入れて、塩をして揉む。

さっと水で流して、おかずとする。
塩気が足りない場合は、少し醤油をかけた。
 ナスビは、 焼き茄子にすることも多かった が、その場合は、七輪に火を熾して外で焼いた。

キューリ★キュウリ(キュウリ揉み)
キュウリもよく食べた。
キュウリを薄く輪切りにし、塩をして揉む。
煮干しを少し焼いて、手でちぎってキュウリと混ぜる。
酢、味噌、砂糖と入れ混ぜる。

キュウリ揉みの出来上がりだ。

タコもワカメも無しだったが、たまに油揚げがあると焼いて小さく切って混ぜた。
揚げが入っていると大喜びした。
 入れ物は、すり鉢。
当時は、ボールというものは無かったし、大きな鉢もうちには無かった。
したがって、すり鉢が唯一の入れ物だった。

★トマト。
トマトは、くし型に切ったり、輪切りにして、醤油で食べた。
明治45年生まれの父だけは、トマトが苦手だった。
父が子供の頃(大正時代)には、トマトは馴染みがなく、
「トマトのことを赤ナス、ゆいよった」
「唐柿(とうし)ともゆいよった」
と父は言っていた。


「それで、ワシは、トマトに砂糖醤油をかけて食うようになったんじゃ」と父は笑いながら、いつもひとり砂糖醤油で食べていた。
★チシャ(チシャ揉み)
うちの前の家に■ ふーちゃん ■というおばさんがいた。
彼女は、毎年夏にはチシャを作っていて、持って来てくれた。

「柔らけえぞ、旨いから、まあ食べてみんせぇ」と言いながら持って来てくれた。
柔らかなチシャは、手でちぎって、炙った出汁雑魚と混ぜ、酢味噌(酢・味噌・砂糖)で食べた。
チシャ揉みという名前で、夏の食べ物だった。
すいか 夏は、なるべく火を使わないような料理が多かった。
火を使わない食事をしながら、お昼御飯が終わったら、どこで泳ごうかと楽しい思案をしていた。

岡山の田舎で、テレビもない時代だったので、ほかの家がどんなものを食べていたのか、私は知らない。

しかし、当時の食事のことは、今も鮮やかに覚えている。
弁当 冬の食卓:鯨肉と水菜

冬の食卓:「煮食い」と「煮こごり」
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Last updated  2022.07.26 11:17:07
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