ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Feb 21, 2009
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カテゴリ: 映画、テレビ
 米アカデミー賞発表を明日に控え、つれづれなるままに雑感。
 「モキュメンタリー」について。なんとなく確立してきた感のある映画の分野。

 現実映像に見せかけつつ実はみんな役者という、詐欺みたいな(mockな)ドキュメンタリー。どっからどこまでが脚本どおりで、どこまでが即興なのかがきわめて曖昧。ま、そのへんを見破りながら鑑賞するのも楽しい。

 普通のドキュメンタリーだってほとんどヤラセだったりする時代だから、モキュメンタリーのほうがなおさら潔く感じられる。

 ってゆーか、ひねくれ者の自分にとって、映画というものは、もはや現実逃避を求めたり、他人の夢や希望あるいは恋愛や浪漫に便乗して感動するために鑑賞するものでもなくなってきてる。いかにも客を泣かせようと狙って作られた作品とか、実際に感情移入しにくい異国や異時代の物語にはそれほど惹かれず、かえって冷めた目で見てしまう昨今。なんとも味気ないし、哀しいけど。
 読書にしてもそう。僕が最後に虚構ものを読んだのは何年も前。

 事実が小説よりも奇なるこの現代社会においては、「実話にもとづく」作品、あるいは日常に散在する悲喜こもごもをちょっと大げさに映像化したもののほうが面白い?

 そんなこんなで、モキュメンタリーという分野に勝手に注目している自分。

*****



Borat ボラット (2006年アメリカ)
 あまりにくだらなすぎる。なのに、なぜかオスカー候補にまでなっちゃうし(脚本賞)。
 副題は「栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」。カザフスタン人ジャーナリストが全米各地で騒動を起こす。彼に比べたらMrビーンなんてカワイイほう。
 観てしまったことを後悔しつつも、懲りずに人に勧めてる自分もおバカ?


The Office オフィス (2001~2003イギリス)*テレビ
 イギリスで社会現象にまでなったモキュメンタリー。のちにフランス、ドイツ、ブラジル、アメリカ、フランス語圏カナダでも同様の番組が作られたらしい。日本でも受ける企画かも。
 全く空気を読めない上司と、ワケありの部下たち。とある会社でのなにげない日常、共感できる人は多いはず。


Chalk チョーク (2006年アメリカ)

 アメリカのとある学校を舞台にさまざまな人種の生徒を相手に奮闘する新米教師たち。生徒だけじゃなく、同僚や先輩教師との確執、葛藤にも悩む彼らの愛と感動のドキュメンタ……、ん?
 なんかカメラの位置がわざとらしいし、校内で事件が起こるときに必ずカメラが捕らえてるのも不思議……。
 日本や海外では公開されてないみたいだし、米国内でも全然受けなかった映画だけど、個人的には結構楽しめた。

chalk1.jpg

 ちなみに、「おくりびと」とともにアカデミー賞外国語部門で候補になってる 「ザ・クラス」というフランス映画





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最終更新日  Feb 22, 2009 09:35:27 AM
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