実際のところ、私は駆け引きを楽しんだわけでも、トルコ商人と戦ったわけでもない。
5万円なら買ってもいいと思っていたし、冬に着るものはたくさん持っている。
可愛いと思ったが、無理して買うほど欲しいとは思っていなかった。
その上、疲れていたので開放して欲しかったというのもある。
皆様はあれこれと試着して迷っている人あり、お会計をしてる人あり。
その鮮やかな色のジャケットは目をひいたらしく、何人か集まってきてしまった。
当然 「いくらだったの?」攻撃 。ジャケットには US$1600の値札 がついている。
しっかりマネージャーは私の傍から離れず、にらみを効かせている。
私が答えようとすると腕を触る。
言いませんから。
boy friendにお土産買いましょう 春に着るものも必要 だとか。
一番びっくりしたのは
「あなたの肩は日本人とは違います。
私はデザイナーですから、あなたのようなスタイルの女性の為にコートを作りたい。
モデルになってください 」
(欧米人からみれば華奢かもしれないが普通の肩)
色んな突破口を開くテクニックがあるんだなぁと感心する。
一度も、誰にも、声をかけられなかったのはどういうことかと。
それはねー、お兄ちゃん、あなたがこのツアーの中で一番若いから。
あの人たちは若い人はお金を使わないのを知ってるのよ。
「姐さん、颯爽と一人で奥に入って行ったけど、勇気あるなぁ。
で、いくらで買ったの?」
答えに、隣にいた母はとても驚いていた。
「どうやったの!?????」 皆様は素敵なシンプルなレザーのコートやジャケットを買っていた。
素敵なんだけど、私には寒いんですよー。
正札はUS$800-1000で、値切った結果6万-8万になったようだ。
私は黙っていた。
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