PR
Category
Keyword Search
アカデミー賞は授賞式前年の1年間にロサンゼルスで劇場公開された映画を対象に選考され、授与される映画賞で、最も作品の優秀さを表している賞は作品賞だろうと思われます。
映画にもワイン同様に当たり年、凡庸な年、不作の年があるはずで、したがって作品賞を受賞した映画が全ての年で一様に素晴らしいという訳でもない。
私の中でアカデミー賞が豊作の年、いわゆる当たり年だったのは何と言っても2003年である。「ロード・オブ・ザ・リング~王の帰還」「ミスティックリバー」「マスター・アンド・コマンダー」「シービスケット」など、並みの年であれば作品賞を取れるかもしれない感動巨編が5作品ノミネートされる偉大な年であった。強敵をなぎ倒し作品賞のみならずアカデミー賞最多タイ記録の12部門を受賞した「ロード・オブ・ザ・リング~王の帰還」は映画史に輝く金字塔だろうと思われる。
さて、長くなってしまったが2008年度のアカデミー作品賞を受賞したのは「スラムドッグ$ミリオネア」というインドを舞台にしたイギリス映画だった。(アカデミー賞では作品賞を含む8部門受賞)
この映画を14日観たのだが、ロマンス・アクション・冒険・犯罪・ミステリー・スリラー・夢・ヒューマンドラマ・家族・コメディ・ミュージカルなどのおよそ映画に必要な要素が全てバランス良く配合された素晴らしい映画だった。間違いなく今年上半期私のベストである。
熟成が進んだワインで、酸味や渋みや果実味、樽の香りなどの味覚を構成する要素の角が取れて、バランス良く調和が取れてきた状態のワインの味を「円い」=まるいと表現することがあるが、正にこのような、バランスの取れた円い映画だと思う。爽快な後味。
しかし、突出した構成要素が無いということで満点まではいかず95点どまり。
2008年が映画の配給年として偉大な年か平凡な年かは後年になってみたいと判断できないが、少なくとも「スラムドッグ$ミリオネア」は後年、更に評価を上げていく可能性が高い、インドのパワーを感じさせるエポックな映画だと思われる。必見。。。(95点)
夏目アラタの結婚 2024年 日本映画 2024.09.10
ソウルの春 @韓国映画 2024.09.04
フォールガイ 2024年アメリカ映画 2024.08.20