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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第2話「過去との決別」放火を疑われた聶桑楡(ニェサンユー)は釈明するため夫の寝殿を訪ねた。すると湯船でぐったりしている寧鈺軒(ネイギョクケン)を発見する。驚いた聶桑楡は何とか引き上げて寝台まで運んだが、気がつくと寧鈺軒はすやすや眠っていた。「寝てんのかーい!…って、もう起きていなくても言わせてもらう! 火事は誰かが私を狙ったのよ!分かった?!まさかそこまで恨まれているなんてねえ~(はっ!)そうだ、鍵よ!」聶桑楡は慌てて飛び出したが、その様子を第二夫人・温婉(オンエン)が見ていた。翌朝、目を覚ました寧鈺軒はどうやって寝台までたどり着いたのか覚えていなかった。すると侍衛・鬼白(キハク)が現れ、大夫人が昨夜、焼けた厨房で何かを探していたと報告する。そこで寧鈺軒はただちに屋敷の人間を全て集めた。使用人たちは正殿に現れた大夫人を見ただけで怯えていた。聶桑楡は困惑しながら、元気そうな寧鈺軒を見つけて駆け寄る。しかし自分が助けたと明かしても、記憶にない寧鈺軒は無視した。「礼も言えないの?チッ」すると寧鈺軒は昨夜の火事について皆に釈明するよう命じた。聶桑楡は食べ物を探しに厨房へ入ったところ外から火が出たと証言し、錠をかけられ閉じ込められたと訴えた。証拠は現場で見つけた焼け焦げたかんざしと錠前、このかんざしの持ち主が犯人だという。劉(リュウ)家職は火事が起こったのが亥の刻のため、錠を掛けられるとしたら内院の上級侍女だけだと指摘した。上級侍女とは聶桑楡付きの苜蓿(ムーシュ)、温婉付きの檀香(ダンコウ)、千怜雪(センレイセキ)付きの半夏(ハンゲ)の3人。しかし苜蓿はその時間すでに眠っており、柳(リュウ)嬷嬷(モーモー)という証人がいた。困惑した千怜雪は真面目な半夏が火つけなどするはずないと訴えたが、半夏は罪人をかばえば主も同罪となる気づき、慌てて罪を認めた。半夏は大夫人を脅したかっただけで、殺すつもりなどなかったと涙した。「まさかあんなに燃えるなんて…」身の潔白を示した聶桑楡は得意げだったが、半夏が自分を恨んでいる理由を聞いて愕然となる。実は半夏は大夫人から罰せられ、肩に烙印を押されていた。例え以前の記憶がなくても自分が非道な行いをしたのは事実、聶桑楡は半夏だけでなく温婉や使用人たち全員に深々と頭を下げて謝罪した。「これまで皆に酷いことをしたわ、どうか許してください それから私が決めた常軌を逸した掟は今日かぎりで廃止します」こうして火事の一件は解決したが、寧鈺軒は聶桑楡のあまりの変わりように困惑するばかりだった。温婉は寧鈺軒を追いかけ、官服への着替えを手伝うと申し出た。しかし寧鈺軒は必要ないと断り、改めて本当の夫婦ではないと釘を刺しておく。「事が片付いたら家に帰す、下がれ」聶桑楡は半夏の肩の傷跡に責任を感じ、″痕消し膏″を作ることにした。しかし薬剤を買うにも銭がない。実は思過(シカ)閣に軟禁されてから手当が減らされ、嫁荷すら持っていなかった。苜蓿の話では陌玉(バクギョク)侯に嫁ぐと大騒ぎして父親が憤死寸前となり、嫁荷も結納もなかったという。すると苜蓿が鍵のかかった箱があったと思い出した。聶桑楡は恐らくへそくりだと期待したが鍵がない。そこで香炉のふたで鍵を壊して開けてみると、何と中身は全て寧鈺軒の姿絵だった。聶桑楡は千怜雪の招待で魁星(カイセイ)楼に出かけた。怜雪は寧府に身を寄せている寧鈺軒の従妹で、半夏の不始末のお詫びがしたいという。聶桑楡は過ぎたことだと許し、久しぶりに豪華な食事を期待したが、食卓に並んだのは菜食だった。「ぁ…今は肉や魚も食べるようになったのよ?」すると何やら酒楼が騒がしくなった。実は酒楼の前にあるのは寧鈺軒の勤め先である中書(チュウショ)省で、寧鈺軒に恋焦がれる令嬢たちが一目その姿を見ようと集まっているという。「そもそも酒楼での″陌玉侯観察″を始めたのは夫人です」「え?私が始めたの?…うっそ~ん、私がそんな事するはずないわ」「大夫人、本当に全て忘れてしまったのですね、表哥は都では大人気です 黄(コウ)小姐なんて表哥を間近で見ようとして階上から落ちかけました 李(リ)小姐は表哥と目が合っただけで気絶したんです」その頃、政事堂では寧鈺軒が政敵である右執政・凌剣星(リョウケンセイ)に牽制されていた。「正妻と側妻で流血の争いとはね、さらに賊まで現れ、賑やかな婚礼だったとか? 芝居でもここまで凝っていない…ふっ 民の手本となる陌玉侯が醜聞にまみれる日が来るとは理不尽なものだな~」翌日、聶桑楡は千怜雪のつてで酒楼に集まる寧鈺軒迷を訪ねた。令嬢たちは″都一の毒婦″に戦々恐々、しかし思いがけず聶桑楡から寧鈺軒の絵姿を買わないかと持ちかけられる。結局、値が吊り上がり宋(ソウ)小姐が80両で落札、その様子を隣の個室から見張っている男たちがいた。「面白い…まさか夫で一儲けしているとは」袁朗(エンロウ)は捕らわれた仲間を助けるため大夫人をさらおうと計画していたが、聶桑楡に興味が湧いた。翌日から噂を聞いた令嬢たちが思過閣に押し寄せた。寧鈺軒の絵姿は飛ぶように売れ、聶桑楡は協力してくれた千怜雪に分け前を渡し、薬材を購入する。こうして″痕消し膏″が完成、苜蓿は夫人が薬を作れるとは知らなかったと驚いた。「え?じゃあ料理は?」「厨房の場所さえご存じありませんでした」聶桑楡はなぜ自分が料理や薬を作れるのか分からなかったが、ともかく半夏に薬を届けることにした。「以前なら使用人なんて捨ておいたのに…本当に変わられましたね、夫人!」一方、生け捕りになった刺客は″阿狼(アロウ)″という南方の男が賊を集め、訓練させて賞金を与えていたと証言した。婚礼での暗殺も阿狼が計画したという。しかし本人に会ったことはなく謎の多い人物で、噂では右腕に入れ墨があった。「葉のような形をしていたと聞いた、これ以上は何も知らない!」屋敷へ戻った寧鈺軒は聶桑楡が自分の絵姿で一儲けしていると知り激怒、勝手に稼いだ325両を没収した。聶桑楡は落胆したが、苜蓿から大口の客が現れたと知る。…500両だすのでうちの小姐と侯爺で食事できませんか?…そこで聶桑楡は寧鈺軒を魁星楼に誘い出すため、策を講じることにした。つづく( ̄▽ ̄;)イーニャン、恐い恐いw
2024.03.31
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第1話「奥様の大変身」…追っ手から逃れるため必死に森の中を走り続ける寧(ネイ)家の女主人・聶桑楡(ニェサンユー)しかし崖に追い詰められ、ついに逃げ場を失ったそこへ夫の陌玉(バクギョク)侯・寧鈺軒(ネイギョクケン)が駆けつける『私と戻るのだ』『私はやってない!嫁いで4年になる私に情はないの?!』『…これが最後の警告だ、戻れ!』『ふっ、あなたに呪いをかけてやる、私と同じように生涯、絶望し、苦しむがいい 安らかに眠らせるものですか…ふふふ、あははははは~!』すると聶桑楡はじりじりと後ろへ下がり、そのまま崖から身を投げてしまう…寧府の大夫人が目を覚ました。侍女の苜蓿(ムーシュ)は安堵したが、大夫人はどこか様子がおかしい。「″寧府″とか″大夫人″とか…何のこと?」何でも大夫人は崖から落下、川から引き上げられたものの、過ちを犯したせいで軟禁されているという。しかし大夫人は自分が何者なのか、何が起こったのか全く覚えていなかった。大夫人の名前は聶桑楡。鎮遠(チンエン)大将軍・聶向遠(ニェキョウエン)の娘で、寧鈺軒に一目惚れして嫁いで来た。今や″都一の毒婦″という通り名があるほど恐れられる寧家の女主人で、最近も侍女・半夏(ハンゲ)の些細な過ちに激高し、罰として焼印を押すよう命じたばかりだという。ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ<他の話にして~聶桑楡の夫・寧鈺軒は1日の大半を政務に費やし、今では左執政(サシッセイ)となった。立派な役人でありながら、自ら匪賊を成敗する英雄でもあるという。しかも都一の美男子で令嬢たちの憧れ、実は昨日、寧鈺軒が第二夫人を迎えたばかりだった。全ての発端はこの婚礼だったという。…寧鈺軒と温婉(オンエン)の婚礼当日侍衛・鬼白(キハク)は屋敷の護衛を増やし、客人の中にも紛れさせておいた『ここ数年、討伐の網をくぐり抜けた賊も多い、今日は私の婚礼 奴らが恨みを晴らす絶好の機会だ』寧鈺軒は婚礼を利用して賊を誘き寄せる計画だったが、そうとは知らない聶桑楡は最後まで絶対に側室を認めないと激怒していた招待客が見守る中、寧鈺軒と温婉の拝礼の儀が始まった寧鈺軒の読み通り客人に紛れる賊たち、その時、思わぬ邪魔が入る婚礼に反対していた聶桑楡が現れ、思い詰めるあまり背後から寧鈺軒に襲いかかったのだしかし温婉が身を挺してかばい、聶桑楡は過って温婉を刺してしまう殿内は騒然となった賊はこの機に乗じて寧鈺軒を殺そうとしたが罠だと気づき、逃亡してしまう…聶桑楡は温婉が無事だと聞いて胸を撫で下ろした。目下の急務はいかにここから逃げ出すか、しかしそこへ使用人たちがやって来る。「大夫人、侯爺(ホウイェ)がお呼びです」「侯爺?…行かないっ!」しかし聶桑楡は寧鈺軒が都一の美男子だと思い出し、どうしても顔が見たくなった。寧鈺軒は噂通りの美男子だった。思わず見惚れてしまう聶桑楡、もしかすると夫婦仲も侍女が言うほど悪くないのかも知れない。しかし寧鈺軒は温婉を刺した聶桑楡を糾弾、供述書に署名しろと迫った。「供述書?ナニナニ…罪婦聶桑楡は人を刺し、使用人を虐げ、その手段は悪辣で罪は重い よって自ら思過(シカ)閣にこもり、余生を静かに過ごします? もし再び罪を犯した時は寧鈺軒による裁きに身を委ねます…」聶桑楡は見目麗しい夫が実は獣のように残酷だと知り、深く落胆した。「私はやってない!」そこで聶桑楡は仮病を使って倒れたが、百戦錬磨の夫の目を誤魔化すことはできなかった。「最後の機会をやる!どぼけようが記憶を失おうが否定はできないぞ?」「一夜の夫婦も百日の恩って言うじゃな…」「一夜も共にしていない」実は寧鈺軒は聶桑楡はもちろん温婉とも本当の夫婦ではなかった。ともかく聶桑楡はこのままではらちが明かないと考え、ササっと署名して退散してしまう。聶桑楡は苜蓿と2人だけで思過閣へ追いやられた。長年、放置された冷宮は散らかり放題で埃だらけ、以前は聶桑楡もこの場所を毛嫌いしていたという。「まあ~ここに来たからには腰を落ち着けましょう、そうだ、苜蓿、3時経ったら戻って来て」苜蓿が食事を持って戻ると殿内は片付き、聶桑楡が独りでてきぱき掃除をこなしていた。「本当に大夫人ですか?…おやめください、恐ろしくなります、以前と全く違います」すると聶桑楡は以前の自分がどうであれ、これからはずっとこのままだと言った。「もう怖い目に遭わせないから、私を信じて」「信じます!大夫人、食事にしましょう!」しかし聶桑楡は夫の福を願って肉や魚を絶ち、菜食だった。( ̄▽ ̄;)<どうやら本当に愛していたみたいね…ハハハどちらにしても冷宮送りの身分では素食しか出してもらえないだろう。聶桑楡は気を取り直し、挽回するためにもめげずに食べ始めた。一方、寧鈺軒は聶桑楡を助けた鬼白を呼び、署名を見せた。聶桑楡の字は小さく流麗だったはず、今回の署名のように力強い筆法は10年以上の修練が必要だろう。鬼白は確かにあの無礼な態度も大夫人らしくないと首を傾げた。「聶桑楡め、何を企んでいる?」その夜、聶桑楡は空腹に耐えかね、厨房に忍び込んだ。運良く食材を発見し、自分でも驚くほど手際よく何品も料理を完成させる。その時、厨房の外で火の気が上がった。聶桑楡は逃げようとしたが、錠がかかって出られない。「こんなことなら崖から落ちて死んでおけばよかった…焼け死ぬよりマシよ…」厨房が火事になった。衛兵や使用人が駆けつけ消火にあたる中、騒ぎに気づいた寧鈺軒がやって来る。「侯爺、このままでは屋敷が全焼してしまいます」「厨房を壊せ」その時、燃え盛る炎の中からかすかに声が聞こえた。「誰か!助けて!」寧鈺軒は幼い頃に火に巻かれた時の恐怖を思い出し、矢も盾もたまらず厨房の戸を蹴り倒した。するとちょうど戸を壊そうとしていた聶桑楡と衝突、2人は抱き合うように倒れてしまう。寧鈺軒は聶桑楡が放火したと疑い激怒した。焦った聶桑楡は誰かに閉じ込められたと反論したが、寧鈺軒は急に立ちくらみを起こし、鬼白に付き添われて帰ってしまう。寧鈺軒は冷水に浸かって恐怖を追い払おうとした。あれから何年も経つのにまだ火を恐れているとは…。一体、いつになれば心の闇から解放されるのだろうか。聶桑楡は外から誰かが錠をかけたことを思い出し、釈明するため寧鈺軒の寝殿を訪ねた。するとちょうど寧鈺軒が湯浴みをしていると気づき、慌てて衣を着るよう頼む。しかし寧鈺軒は湯船の中でぐったりしていた。つづく( ๑≧ꇴ≦)安定のポンちゃん!可愛いし上手いわ
2024.03.30
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安乐传 The Legend Of Anle第19話左丞相の屋敷、姜瑜(キョウユ)は五柳(ゴリュウ)街から立ち上る大きな炎を満足げに眺めていた。しかもこの火事に任安楽(レンアンルー)と皇太子・韓燁(ハンイェ)が巻き込まれたという。同じ頃、知らせを聞いた忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)は絶望していた。「誰が私を陥れた?またしてもはめられた…」一方、洛銘西(ルォミンシー)は安楽が五柳街にいると知り、血相を変えて翎湘楼(レイショウロウ)を飛び出した。韓燁は安楽を抱きかかえ、濡れた帷をすっぽりかぶって炎の中から飛び出した。すると洛銘西が安楽を引き渡すよう迫る。「太子妃が決まった身だろう?誰かに見られたら任大人が非難される」「…太子殿下、宴も始まっています」温朔(ウェンショウ)から諌められた韓燁はようやく冷静になり、やむなく安楽を洛銘西に託した。「安楽を頼むぞ」洛銘西は安楽を抱え、琳琅(リンロウ)に鍾海(ショウカイ)を任せて先を急いだ。洛銘西は安楽を任府まで送り届けた。安楽は足の他に目立った怪我はなかったが、古雲年が火を放つとは予想外だったという。しかし洛銘西は火事より韓燁が問題だと気づいた。「あんな韓燁、初めて、韓燁の頭には国と立場と帝梓元(ディヅユアン)のことしかないと思っていた でも今日は私だけを見てくれた」安楽は命懸けで救ってくれた韓燁に再び心を動かされていた。…君はただ一人の任安楽だ、必ず救い出す…「梓元、敵の息子なんだぞ?」「銘西哥哥…頭が混乱しているだけ、休めば落ち着くわ」除夜の宴が始まった。すると皇帝が遅れて来た皇太子を呼びつけ、理由を問いただす。韓燁は鍾海を捕らえるため五柳街に行ったと報告、火事に巻き込まれたところを任安楽に救われたと嘘をついた。皇帝は改めて世継ぎの安否は国運に関わると釘を刺したが、その時、剣舞を披露していた男が突然、襲いかかって来た。剣舞の男たちは刺客だった。しかしちょうど皇帝と話していた韓燁が即座に反応して阻止、すぐ衛兵が加勢する。皇帝は皇太后・孫瑜君(ソンユクン)を先に後宮へ逃がし、安寧(アンニン)は帝承恩(ディチォンエン)を連れて皇帝のもとに駆けつけた。すると客人が無事に逃げ出し、刺客が壊滅状態となったところで、韓燁は皇帝たちを連れて宮殿に避難する。皇帝は無事だったが、禁衛軍を呼ぶよう命じて寝宮に入った。韓燁と安寧は念のため剣を抜いたまま用心していたが、帝承恩は皇帝の背後にぴったりとついている。その時、梁に潜んでいた刺客が現れた。「陛下!危ない!」すると帝承恩は身を挺して皇帝を守り、刺客に刺されてしまう。韓燁は咄嗟に応戦、刺客は腕を斬られて剣を落とし、そこで逃げ出した。その頃、安楽は急に咳き込んで目を覚ました。洛銘西は心配でまだ付き添っていたが、実は安楽が眠っている間に皇宮で騒ぎがあったという。「刺客に襲われた韓仲遠(カンチュウエン)を帝承恩がかばった、帝承恩なら無事だ これで太子妃の座は確実だな」「だとしたら…時機が来たわね」「復讐を誓った任安楽が戻って来たようだな」一方、静心(セイシン)堂では皇太后が激しく動揺していた。皇太后は宴の帰り道で帝承恩を襲わせる計画だったが、なぜ宴に刺客が現れたのか。しかし孫(ソン)女官の話では手配した刺客とは別の刺客だったという。ともかく帝承恩が皇帝の恩人となった今、簡単に排除できなくなった。「当分は様子を見ましょう」皇帝は御宸(ゴシン)殿に戻ってから五柳街の火事の報告を聞いた。趙福(チョウフク)の話では忠義侯が関係しているようで、配下に鍾海を追わせていたという。「実は太子殿下が炎に巻かれた任大人を助けに向かったようです」皇帝は韓燁が安楽を救ったのは正義感からなのか、それとも特別な感情からなのか分からなかった。「陛下、五柳街には洛大人もおいででした、何でも鍾海を刑部に連れ帰ったとか…」安寧は兄に帝承恩を任せて公主府へ戻った。…妙だわ…韓燁と手合わせした刺客の剣術に違和感を覚えた安寧、そこで冷北(ランベイ)の部屋を訪ねてみたが灯が消えている。…なぜいないの?どこへ行ったのかしら?…安寧は冷北の部屋の前で待つことにしたが、気がつくと夜が明けてしまう。「冷北…私を失望させないで」一方、韓燁も帝承恩に付き添ったまま朝を迎えていた。「なぜ君が命を懸けてまで鍾海を救ったのか…」その時、帝承恩が目を覚ます。韓燁は安堵し、皇帝が帝承恩を皇太子妃と認めたと明かした。喜んだ帝承恩は親しげに韓燁の手に自分の手を重ねたが、韓燁は相変わらず他人行儀で、急いで帰ってしまう。冷北は朝方、こっそり公主府へ戻った。しかし安寧公主に見つかってしまう。「昨夜はどこに?」安寧は剣を持っていた。すると莫霜(モーシュァン)公主が駆けつけ、冷北が留守だったのは自分のせいだとかばう。「四方館に戻る道で悪党に絡まれた時、偶然、冷北哥哥に助けてもらったの」実は昨夜、腕を怪我した冷北は咄嗟に妹の宿舎に逃げ込んでいた。莫霜の偽証のおかげで安寧公主の疑念を晴らせた冷北、そこで妹に今後も安寧の観心を買って欲しいと頼んでおいた。「我々に有利になる…」韓燁が太子府に戻ると、温朔から思いがけない話を聞いた。実は江南(コウナン)で苑書(エンショ)が苑琴(エンキン)と一緒に絵姿を持って生き別れの兄を探していたという。「私は一度、見たら忘れません、絵姿の男は鍾海でした」温朔は昨日の火災現場で鍾海を目撃、苑書の兄だと気づいたという。韓燁が安楽の見舞いにやって来た。安楽は足が不自由ながら元気そうで、なぜか皇帝から褒美が届いたと教える。「なぜ私が助けたことに?まあ、とにかくお叱りは免れたわ、でも鍾海のことが心配で…」「私が守る」そこで韓燁は刑部に収監された鍾海と面会することにした。鍾海は洛銘西が審問しても口を割ろうとしなかったが、韓燁が皇太子だと知ると態度を一変、鍾一族の恨みを晴らして欲しいと嘆願する。「ただし公に訴えるなら痛みは避けられぬぞ?」すると韓燁は青龍鐘(セイリュウショウ)を鳴らすよう勧め、自分が後ろ盾になると約束した。「ところでお前を救った任安楽と面識があるか?」「一度もありません、正義のために助けてくださったのかと…」鍾海は杖刑に耐え、青龍鐘を鳴らして大理寺での嘆願が叶った。「私は江南鍾家の下僕・鍾海、無実の罪を晴らすため都に来ました、古雲年を訴えます」その様子を鐘の音を聞いた安寧も遠目から見守っていた。すると帯同していた配下が鍾海こそ蓮柄の飾りを持っていた男だと証言する。実は安寧も靖安侯の銀貨の持ち主を探させていた。配下は持ち主を探り当てるも行方知れずだったが、容貌からして間違いないという。群衆が見守る中、鍾海は忠義侯の悪事を暴露した。忠義侯の息子・古斉善(コセイゼン)が女子に乱暴を働き殺害、己の罪を隠そうと屋敷に火を放ち、鍾家18人全員が焼死したという。さらに忠義侯は息子をかばうため、訴え出ようとした鍾海に刺客を放っていた。古雲年は憔悴し切った様子で屋敷に戻って来た。この期に及んでもまだ父が助けてくれると信じて疑わない古斉善。しかし皇帝は古雲年が一晩、ひざまずいても謁見を認めてくれなかったという。「良いか?お前を救わぬのではない…もう私では救えないのだ」すると古雲年は騒動を避けるため、すぐ息子を都から追い出せと命じた。つづく( ๑≧ꇴ≦)古雲年が急激に老け込んで行くw
2024.03.29
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安乐传 The Legend Of Anle第18話帝承恩(ディチォンエン)の肩には帝梓元(ディヅユアン)の肩にあるはずの傷痕がなかった。韓燁(ハンイェ)は独り碁を打ちながら物思いにふけっていたが、そこへ温朔(ウェンショウ)がやって来る。「白と黒が互角ですね?…殿下、安楽(アンルー)姐と帝小姐のことを考えているのでしょう?」温朔に見透かされた韓燁は面白くなさそうに白石を碁笥に戻した。「何の用だ?」「殿下、お妃候補の鍾景(ショウケイ)が宴に来なかったのは火事で一家もろとも焼死したからでした 噂では鍾海(ショウカイ)という下僕が火を放ったとか…」しかし韓燁は何か裏があると疑い、独りで翎湘楼(レイショウロウ)へ出かけた。ちょうどその頃、安楽は洛銘西(ルォミンシー)から韓燁が肩の傷の件で身代わりに勘づいたかもしれないと聞いていた。帝承恩の素性が露見すればこれまでの努力が水の泡、しかし下手に動けばかえって怪しまれてしまう。「彼女の肩に傷をつける必要はないわ、復讐のために他人を犠牲にできない それより鍾海を見つけなくては…」韓燁は楼閣の大階段を上りながら、安寧(アンニン)との会話を思い出していた。『もし梓元が幽閉されていなければ、安楽のようにこの世をのびやかで自由に生きていたはず』するとちょうど安楽が洛銘西の部屋から出で来るのが見えた。「洛大人…鍾海の件はお願いね」安楽は韓燁がいると気づいたが、知らないふりをして帰ってしまう。洛銘西は安楽を見送ると、柱の影に隠れている韓燁へ聞こえよがしに言った。「太子殿下がお見えならお茶を入れましょう」韓燁は気まずそうに姿を現したが、部屋に入ると安楽が使っていた手炙りが残っていた。一匹狼の洛銘西がなぜ安楽を特別に気遣うのか。2人は鍾海の件を隠し、公務と言いながら翎湘楼で密談している。韓燁の疑念は一気に深まった。「今日、帝承恩と会って筆跡を見た、8歳の時と同じ字だった だが10年も経っていながら上達していないのは妙だ 字は変わらぬのに気性は別人、そればかりか…」するとそこで洛銘西に話を遮られてしまう。「殿下、何を疑おうと皇族は情で動くべきではない 守るべき者は誰か、手放すべき者は誰か、忘れてはなりません」「変わったのは気性ではなく人だとしたら?梓元ではないとしたら…」「別人だとしても決めたことはもう変えられない 後悔したとしても太子として己の言葉を守るしかない」韓燁はおとなしく帰って行った。しかしこのままでは帝承恩が偽物だと気づかれるのも時間の問題だろう。…早く安寧から真相を聞き出さねば…安楽は忠僕の鍾海なら主の無念を晴らすため、必ず命懸けで訴え出るはずだと考えた。大理寺は各県に手配書を貼っていたが、実は偽の特徴と別の人相書きで鍾海を逃げやすくしている。すると予想通り鍾海が上京、報告を聞いた忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)は冤罪を訴えられたら厄介なことになると焦った。ともかく年が明けたら息子を都から出すことにしたが、古斉善(コセイゼン)は拒否、一族の危機だというのに自分のことしか頭になかった。その夜、帝承恩は偶然、慕青(ムーチン)が燃やし損ねた密書を目にした。…帝承恩に近づく者を全て報告せよ…帝承恩は唯一の家族だと慕っていた慕青が実は自分を見張っていたと知り、その裏切りに深く傷ついてしまう。翌日、安楽は久しぶりに采微軒(サイビケン)に立ち寄った。すると幼い頃からずっと探していた″南露剣譜(ナンロケンプ)″が入荷している。「はっ!これをもらうわ!」「任大人、申し訳ありません、これは先約がございまして」「でもずっと探していたのよ?」「君も探していたのか…」その声は店の奥にいた韓燁だった。かつて梓元はこの書を読めば剣の達人になれると聞き及び、欲しがっていたという。10年探し続けてやっと見つけたものの、実は剣譜の技は見かけ倒しだと明らかになっていた。「それに帝承恩はもう剣術に興味がないしな…」韓燁は以前のように自分から横取りするつもりかと煽ったが、安楽はあっさり返した。「心配しないで、私は臣下ですから…どうぞ」「いやいいんだ、江南へ同行してくれた礼だ」安楽は剣譜もらって店を出た。しかし韓燁がずっとついてくる。安楽はやはり剣譜が惜しいのかと呆れ、ちょうど露店で売っていた″皇太子府愛情故事″を買って贈った。「この物語と同じように帝小姐とお幸せにね」「…任安楽、君はある人によく似ている」「言ったはずよ?天下に任安楽は私一人だけだと…」すると安楽は皇太子妃の座にも興味がなくなったと言って帰ってしまう。帝承恩は屋敷の門前に赤い傘を置いた。知らせを聞いた左丞相・姜瑜(キョウユ)は喜び、帝承恩が期待に応えてくれることを祈る。一方、洛銘西は公主府に安寧を訪ねた。帝承恩が太子妃の座を手に入れれば安泰のはず、反対なのは危険だからかと探りを入れる。「そもそも梓元は逆賊の娘、韓家の娘でありながら梓元を恨みもせず同情すると?」「靖安(セイアン)侯は高潔な方だった、逆賊ではないわ」そこで洛銘西は青南(セイナン)山でいかに兵士たちが虐殺されたかを話し始めた。あの時、巨石を落とされ、万の矢を放たれ、兵士たちは声を上げる間もなく血だるまになったという。「もうやめて!」「今も公主の脳裏には″安魂″が響き、惨殺の光景が浮かぶはずだ!」「お黙り!」その時、外で控えていた冷北(ランベイ)が公主の怒号に驚いて殿内に入った。「大丈夫ですか?!」「何でもない…下がって」安寧は悔恨の念から、あの時、靖安侯が兵を動かしたのは皇帝の筆跡を真似た密書を受け取ったからだと明かした。驚いた洛銘西は事を公にするよう訴え、このままでは梓元が自害した宦官・良喜(リョウキ)のように宮中で殺されてしまうという。「そこまでよ!彼女は私が守る…冷北、お帰りよ」「…君の考え一つで将兵らの魂は安らかに眠れる、梓元もこれからは幸せになれるんだ」洛銘西は安寧の決断に期待して引き上げたが、安寧は公主という立場上、告発することはできなかった。皇帝が帝承恩を韓家の″除夜の宴″に招待した。何とか阻止すべく画策する皇太后・孫瑜君(ソンユクン)、一方、姜瑜は冷北を呼び出し、帝承恩から協力の承諾を得たと報告した。「帝承恩の太子妃の座を守るためには殿下のお力添えが…明日の除夜の宴こそが動く好機かと」慕青は帝承恩を心配し、宴に行かないよう勧めた。しかし赤い傘と手を組んだ帝承恩は何としてでも皇太子妃の座を手に入れると決意する。その頃、冷北は宴に招待された妹を訪ね、欠席するよう説得した。退屈している莫霜(モーシュァン)は安寧公主に会いたいと拒んだが、冷北は危険から守るためだという。「分かったわ、でもいくら安寧公主と親しくても、危険な時は自分の身を守ってね」一方、洛銘西は除夜の宴で皇太后が帝承恩の暗殺を企てていると知り、密かに安寧に知らせた。…帝承恩が危ない…姜瑜は忠義侯の配下が鍾海を血眼になって探していると聞いた。どうやら息子に関係があるらしい。「忠義侯の配下の後をつけろ、臨機応変にな 鍾海の口封じをする気なら手を貸してやろう、証拠を残すなよ」鍾海は刺客に追われ、五柳(ゴリュウ)街に追い込まれた。しかし苑書(エンショ)から報告を聞いた安楽が駆けつけ、危ないところで鍾海を救う。すると刺客は合図の笛に気づき、廃屋に火を放って2人を閉じ込めて撤収した。その頃、宮中へ急いでいた安寧は偶然、宴に向かう皇太子の馬車と出くわした。「太子哥哥!梓元の身が危ないの、急ぎましょう」韓燁と温朔は車を降りて馬に乗り換えたが、その途中、火災現場を通りかかった。聞けば任大人がひとりで中へ入って行ったという。驚いた韓燁は安寧を先に行くよう頼み、温朔と五柳街へ急いだ。安楽は何とか扉を蹴り飛ばし、脱出しようとした。その時、梁が落下、安楽は咄嗟に鍾海を突き飛ばして逃し、独り取り残されてしまう。韓燁は燃え盛る廃屋に飛び込んだ。すると倒れた扉に足を挟まれ、動けなくなった安楽を発見する。韓燁は安楽を助け出し、抱きかかえたが、すでに火が回って逃げ場がなかった。しかし運良く片隅に置かれた水瓶を見つける。つづく(  ̄꒳ ̄)やる時はやるジュゴン ←いや違うw
2024.03.28
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花琉璃轶闻 Royal Rumours最終話「太平の世の礎」崖から落下した皇太子・姫元溯(キゲンソ)と花琉璃(カリィウリ)。しかし2人は運良く枯れ枝の上に着地し無事だった。「私から離れるな、この通りだ、そばにいてくれ」元溯は改めて琉璃の大切さを痛感し、思わず口づけした。翌朝、英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)はまだ皇太子と花郡主を探していた。従者の金瓜(キンカ)と銀瓜(ギンカ)は姫元溯が消えれば英王が皇太子になれると喜び、実は賢(ケン)妃からも皇太子が弱っていたら一思いに殺せと命じられたという。これに姫元灝は激怒した。「身を挺して賊を引き離してくれた太子の危機につけ込むとは何事か!うせろ!」興奮した英王はうっかり足を踏み外し、崖から滑り落ちてしまう。すると偶然にも崖下にいる皇太子と花郡主を発見、兵を呼んで2人を引き上げた。しかし琉璃は搬送中、最期まで自分を守ってくれた宋光(ソウコウ)の亡骸を見つけ、泣き崩れてしまう。皇宮では昌隆(ショウリュウ)帝と護国大将軍・花応庭(カオウテイ)が一緒に息子と娘の帰りを待っていた。皇帝は皇太子の計画に従い、仮病を使って逆賊を掃討したが、駙馬・謝臨州(シャリンシュウ)が皇后の謀反の一味の残党で林(リン)妃と通じていると知り、心痛に堪えないという。すると無事に2人が戻って来たと報告が来た。姫元溯は琉璃を東宮で休ませ、雲寒(ウンハン)の罪状書に目を通した。…誠意をもって接してくださった殿下に残る命を捧げ、死に花を咲かせる所存です、殿下にお許しは請いません、志を果たされますよう、来世では全身全霊でお仕えします…「出かけるぞ、用意しろ」小八(ショウハチ)が馬車の準備に出かけると、皇帝と花将軍が駆けつけた。花応庭は寝台で倒れている娘に駆け寄ったが、琉璃はこっそり父の袂を引っ張って狸寝入りだと合図する。すると元溯は皇帝に琉璃をこのまま東宮で静養させたいと懇願した。花応庭は娘の体面を考え連れて帰ると言ったが、元溯は思わず自分の″皇太子妃″だと口を滑らせる。「認めていただけるなら側室は持ちません、妃は琉璃1人です 政(マツリゴト)は余しだいですが、余は琉璃しだいです、これでいかがですか?」その時、琉璃がわざとらしく咳をして目を開けた。「殿下、おでかけになるなら私も一緒に…」そこで元溯は皇帝に今日中に婚約したいと訴え、花応庭の説得を任せた。裴済懐(ハイセイカイ)は城門を封鎖、謝臨州は玉京を脱出できなくなった。楽陽(ラクヨウ)長公主は自分と娘を巻き込むなと反発したが、激怒した謝臨州に毒薬を無理やり飲まされてしまう。「長公主は故郷を思うあまり声を失った、すぐ故郷に戻らねば…」長公主の馬車が延啓(エンケイ)門に現れた。謝臨州は車の帷をあげて楽陽の具合が悪いと訴えたが、その時、皇太子が駆けつける。「もう芝居は良い、雲寒の命を償ってもらう」「死んだと?…では″死人に口なし″では?」すると謝瑶(シャヨウ)が車から飛び降り、母を助けて欲しいと泣きついた。しかし楽陽が逃げ遅れ、謝臨州に捕まってしまう。元溯は叔母の命には代えられず開門を命じたが、馬車が城門を出たところで弓矢を放ち、馬を御していた謝臨州を仕留めた。姫元溯は馬車で待っていた琉璃の元に戻り、2人で冷宮の林氏を訪ねた。「やっと来たわね」謝臨州は謀反を起こした皇后の配下だった。当時、挙兵に失敗するも逃げ延び、反旗を翻す機会をうかがっていたという。実は″雲倉嶺(ウンソウレイ)の役″で暗躍していたのも謝臨州だった。「あなたの母親を殺したのは私よ」子のない皇后は姫元弘(キゲンコウ)の即位を約束し、林氏を懐柔したという。「それが手違いで毒入りの煎じ薬をあなたではなく、あなたの母親が飲んでしまったの…」「ではおあいこだな、お前の想い人は余が殺した」林氏は愛する人が死んだと聞いて呆然となった。しかし元溯は謝臨州に愛などなかったと指摘する。「謝臨州は自分の退路を残すため、太平宴でお前に正体を現させたのだ お前はあの者に利用されたに過ぎぬ」「違う!全ては元弘のためよ!」琉璃は三皇子を口実にするなと非難した。すると元溯は三皇子から託された絵を渡し、琉璃を連れて帰ってしまう。三皇子が描いた母の姿絵は優しく穏やかな笑顔だった。…母妃、私は何も望みません、笑顔の母妃とずっと暮らしたい、皆が楽しく暮らせることが望みです…林氏は息子の絵を見ながら自分の過ちの大きさに気づき、その場で泣き崩れた。姫元溯と琉璃は高台から眼下の町を眺めた。「殿下、もう戦は起こりませんか?」「私とそなたがいる間は起きまい」「では私たちは縉(シン)国の礎を守ったのですね?」琉璃は父から家族だけではなく縉国の民すべてを思い、愛する故郷だけではなく国の門を守るのだと教えられていた。実は元溯も父皇から国家とは領土ではなくこの地で暮らす民だと教えられたという。一方、金珀(キンハク)国に戻った第二皇子・賀遠亭(ガエンテイ)は亡き琉璃を思いながら、城楼で独り酒を飲んでいた。まさか同じ朝日を琉璃が愛する皇太子と一緒に眺めているとは夢にも思わず…。玉京に平穏な日々が戻った。英王と田嘉敏(デンカビン)は想いが通じ合い、笑顔の絶えない毎日を過ごしている。鳶尾(エンビ)も裴済懐とのわだかまりが解け、ささやかながら幸せな時間を手に入れていた。そして深窓の令嬢だった杜琇瑩(トシュウエイ)も今や祖父のように清貧な師匠となり、独りでも強く生きている。その腰には″寒″と彫られた玉が下がっていた。「会わぬのか?」酒楼の露台にいた姫元溯と雲寒は偶然、大街を歩く杜琇瑩を見かけた。しかし雲寒は杜琇瑩とは会わないという。「私は死んだ…それでいい、江湖では危険と取り合わせの身ですから」「では私の婚儀は?」「十分なご祝儀を贈ります、ふふ」「気持ちだけ十分だ」その頃、賀遠亭に思いがけない招待状が届いた。…縉国郡主・花琉璃より、金珀国の敗将・二皇子へ招待状を送る太子・姫元溯と郡主・花琉璃の婚礼に祝儀を携えて来られたし…「ふっ、何と生きていたのか…生きているならまだ終わりではない、また会う日も来よう」皇太子と花郡主の婚礼当日、2人は家族や友人たちに見守れ、拝礼の儀を執り行った。幸せに包まれる琉璃だったが、実は思いがけず夢がついえてしまったという。「馬鹿馬鹿しい夢ですが、歴史に名を残す病弱美女になりたかったのです 両親も兄も応援してくれました まさかこんな無邪気な私の心を理解してくれる人がもう1人いるなんて… 殿下に会えて幸せです、でも私が殿下を救ったことが都中に知れ渡り、たくましいとばれました 殿下を救えたのは嬉しいけれど、長年の夢が…」「そなたは私のために夢を捨てたのだな」「殿下にはその価値があります」そこで姫元溯は史書に自分の妃が縉国の歴史上、最も美しい病弱美女だと記し、琉璃の夢を叶えると約束した。おわり(´・ω・`)ァァァァァァァァ…最後の最後に悪手を使うとは…ラブコメに良くある手法だけど、興醒めしちゃうのよね〜さて反省会場はこちらです( ̄▽ ̄;)病弱設定はてっきり花家への批判をかわすためだと思ってたまさか病弱美女になることが夢で、家族も応援して送り出してくれただと?最初から言って欲しかったわ〜そもそも皇太子が琉璃を呼んだって、聞いてないわ___え?言ってた?あ、私が見てなかっただけかもw
2024.03.27
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第23話「あなたを守りたい」祖父を失い、孤独感に苛まれる杜琇瑩(トシュウエイ)。その夜、中庭で呼び笛を吹くと、約束通り雲寒(ユンハン)が現れた。「祖父を嫌う人が多いのは知っています… それでも私にとっては最高の祖父だった、素晴らしい人でした」雲寒は憔悴する琇瑩を慰め、家族を守れなかったことを謝罪した。太平宴の当日、花(カ)家は朱(シュ)御史の暗殺事件を理由に未だ軟禁されていた。しかし琉璃(リィウリ)はじっとしていられず、皇太子を助けに行くと決める。花応庭(カオウテイ)は止めたが、衛明月(エイメイゲツ)は最愛の人を守りたいという娘の決断を尊重した。「行かせてあげて」金珀(キンハク)国の第二皇子・賀遠亭(ガエンテイ)は宴席で久しぶりに絳紗(コウサ)と再会した。「書院には慣れたか?」「お陰様で…二殿下、どうかこのまま縉(シン)国で学ばせてください」絳紗は縉国では女子でも官吏になれる道があると知り、努力次第で様々な可能性があると分かった。「尊厳を捨てなくてもいい、男に頼る人生から抜け出せます」賀遠亭は了承し、絳紗を同行したのは自分にしては珍しく正しい判断だったと喜んだ。太平宴に花家の姿はなかった。重臣たちが花家は完全に失脚したと噂する中、楽陽(ラクヨウ)長公主は娘の謝瑶(シャヨウ)にこの機に乗じるよう発破をかける。駙馬の謝臨州(シャリンシュウ)も皇太子が花家を切り捨てたと思い込み、ここで決着をつけるしかないと考えていた。一方、後宮では三皇子・姫元弘(キゲンコウ)が昏睡していた。母の林(リン)妃は息子を心配し、太平宴を欠席すると決める。その頃、招待客が揃った未央(ビオウ)殿に皇太子・姫元溯(キゲンソ)が到着した。皇帝は体調を崩して欠席したが、万国朝拝会が各国使臣の協力により滞りなく開催できたことを喜んでいるという。ちょうどその頃、琉璃と鳶尾(エンビ)は城門で衛兵に足止めされていた。実は裴済懐(ハイセイカイ)は念のため花郡主には皇太子の計画を明かしていた。太平宴の日、皇太子が自らおとりとなり、奇襲を迎え撃つという。『私は関所に兵を配し、敵を捕らえます』『だめよ、あの不完全な文では襲撃されること以外、何も分からないのに…』琉璃は太平宴が始まる前に城外にいる花家軍を宮中に送り込もうと決めた。しかし今夜は城門の警護が固く、簡単に突破することも難しい。一方、太平宴では皇太子が万国朝拝会の成功を祝し、乾杯していた。…杯が割れるのを合図に敵は襲撃してくるはずだ、ならば機先を制するのみ…姫元溯は2杯目を亡き杜(ト)太師に捧げると、空になった杯をいきなり投げ捨て割ってしまう。…計画が漏れたのか?…謝臨州は皇太子の行動に動揺したが、もはや止められなかった。合図と同時に賊軍が殿内に雪崩れ込み、待機していた黒甲軍の精鋭と激しい攻防戦となる。…太平宴で襲撃するとは勝負に出たな…賀遠亭は絳紗を連れて物陰に避難しながら、謝臨州の動向をうかがった。すると賊兵が駆けつけ、謝臨州に準備ができたと声をかける。「かかれ」賊兵は応戦する皇太子に向かって爆弾を投げた。しかし雲寒が現れ、爆弾を切りつけ阻止してくれる。「なぜ戻った?!」「理由などない、私の意思です」姫元溯は敵の標的が自分だと気づき、雲寒に皆を守るよう頼んで外へ飛び出した。「皇太子が逃げたぞ!」すると賊軍たちが慌てて皇太子を追いかけて行く。…太子さえ殺せばまずは成功だな…謝臨州は今さらながら杯を投げ捨てると、楽陽長公主と謝瑶を連れて引き上げた。琉璃が城門で手をこまねいていると、鳶尾が裴済懐を連れて戻ってきた。裴済懐の話では皇太子が太平宴の客人を守るため、敵を引き付けて裏山へ向かったまま行方知れずだという。そこで琉璃は裴済懐と鳶尾に花家軍の精鋭を引き入れ制圧するよう頼み、馬を借りて裏山へ急いだ。未央殿では雲寒の奮闘のおかげで敵を殲滅した。英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)は今のうち母や田嘉敏(デンカビン)たちを連れて避難しようとしたが、安心したのも束の間、新たな賊軍が現れる。「逃がさないわ」賊軍を率いてきたのは林妃だった。「あの傍若無人な太子があなたたちを救うため、おとりになるとはねえ…」賢(ケン)妃と淑(シュク)妃は林妃が病弱を装いながら暗躍していたと気づき、呆然となった。「なぜこんな不義理な真似を?!」「愛する人と結ばれるはずだったのに引き離されたからよ!」その時、皇帝が元気な姿で現れた。実は皇帝は真の黒幕をあぶり出すため、皇太子に自分が病気だと噂を流させたという。すると花家軍が到着、あっという間に賊軍を制圧した。一方、姫元溯は裏山の展望台で刺客に囲まれていた。その時、思いかげず琉璃が現れ加勢する。しかし多勢に無勢、琉璃はなかなか元溯のもとへたどり着けず、深手を追った元溯に危機が迫った。そこへ宋光(ソウコウ)が兵を率いて駆けつけ、琉璃を逃がしてくれる。琉璃は咄嗟に剣を投げて逆賊を刺殺、元溯は危機一髪のところで難を逃れた。「琉璃…そなたを玉京に呼んだことを後悔している…」「玉京に来なければ殿下と会えなかったわ…さあ、行きましょう」琉璃は皇太子に手を貸して立ち上がったが、突然、賀遠亭が放った暗器が飛んできた。驚いた元溯は咄嗟に琉璃をかばって背中に暗器が命中、2人は抱き合ったまま展望台から落下してしまう。すると賀遠亭は崖下に消えた琉璃に別れを告げた。…来世があるなら願わくば敵同士になりたくない、琉璃、さらばだ…皇帝は林妃に誰の指示なのか聞いたが、林妃は口を割らなかった。「民を顧みない姫元溯がなぜ太子なのです?!元弘も太子になれるはずです!」「いいえ!」すると薬で眠らせたはずの姫元弘が駆けつけた。(←なぜかは不明w)「母上の勝手な理想を押しつけないでください、太子哥哥は立派な方です」元弘は叩頭し、母と共に罪を償うと嘆願した。林妃の謀反は失敗、宮中に平穏が戻った。皇帝はひとまず皇太子の帰りを待つと決め、英王は自ら弟を探しに行くと申し出る。すると姫元灝は田嘉敏に帰りを待っていてくれと伝えた。英王の広い背中を愛おしそうに見送る嘉敏。そんな娘と英王の関係に気づいた田尚書(デンショウショ)と順安(ジュンアン)長公主は困惑していた。深手を負った雲寒は中庭の庭石の陰で倒れていた。するとどこからともなく自分の名を呼ぶ杜琇瑩の声が聞こえる。…ただの幻聴だろう、天涯孤独の私を探す者などいるはずない…雲寒は皇太子に忠誠を誓った時のことを思い出した。『皇后の謀反は大勢を巻き添えにした、多くの名家が一瞬にして潰れた お前たち逆臣の子に機会を与えたが、余の前に現れたのはお前だけだ 余に服従し、己の力を示す気はあるか?出自は秘密にしよう』『殿下にお仕えします』こうして雲寒は金玲苑(キンレイエン)の楽師となった。雲寒は当時、誰にも看取られず死ぬ覚悟だと伝えたが、皇太子は必ず自分が骸を見つけると約束する。『それにいつかお前を案ずる者が現れよう』…太子殿下、杜小姐、あなた方を裏切った私に生きる価値はない…その時、確かに杜琇瑩に渡した呼び笛が聞こえた。杜琇瑩は雲寒を見つけられず、途方に暮れた。そこで呼び笛を吹いてみたが、やはり雲寒は現れない。失望してしゃがみこんだ杜琇瑩、その時、血まみれになった雲寒が重い体を引きずりながらやって来た。2人は固く抱き合ったが、雲寒はもはや手遅れだと言って杜琇瑩に罪状を託す。「太子殿下に渡してくれ…我が人生において唯一の心残りは…」すると雲寒はそこで意識を失ってしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)リーフェイ、良かったわ〜!
2024.03.26
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第7話「決起会」李颯颯(リーサーサー)は陸景年(ルージンニエン)の名前で都一高い店・酔仙(スイセン)楼を貸し切り、景年を招待した。…よくも私を疑ったわね…景年は元宵節の選抜を前に李茹娘(リールーニャン)の機嫌を損ねるわけにいかず、目をつぶるしかない。それを良いことに颯颯は今の部屋では夜風が入り、風邪気味だと嘘をついた。「陸郎君の隣の部屋が空いているわね~ もうすぐ選抜があるのに具合が良くなかったら演奏に支障が…ゴホゴホッ」「明日、部屋を掃除させよう」…やっぱりね、偽の女たらしには色仕掛けより仕事の話が効く…右教坊は錦瑟(ジンソー)が抜け、再び優秀な人材が必要になった。しかし檀渓(タンシー)が訳ありだが心当たりがあり、陸景年は事情を考慮して密かに迎え入れると決める。「共に琴を学んだ仲です、技量は保証します、ただ…」「安心しろ、手違いのないよう用心を」李茹娘を首席に迎えて合同練習が始まった右教坊、しかし何度、試しても息が合わなかった。陸景年は自分の作った曲のせいだと落胆したが、颯颯は欣児(シンR)から裏切り者が出たことで皆が疑い深くなっていると知らされる。そこで皆の信頼関係を取り戻すべく、颯颯は決起会を開こうと提案した。一方、左教坊の副使・蘇宗辰(スーゾンチェン)は右教坊がまた人手不足だと知り、内教坊を訪ねた。副使・李鑫(リーシン)が太常寺(タイジョウジ)の長官・魏哲(ウェイジョー)に日程の前倒しを頼んでくれれば、右教坊は戦わずして敗れるという。さすがに李鑫は全土にある官設の教坊に影響が出てしまうと断った。「それより扱いに困っている楽師がいる…」右教坊の決起会。颯颯は遊技で皆の疑心を取り除こうと考えた。そこで颯颯は楽師たちを集め、背中から倒れて皆に抱き止めてもらう。楽師たちは怖くないのかと驚いたが、颯颯は選抜という戦場で信じられるのは仲間しかいないと訴えた。「次は苒綺(ランチー)がやってみて!」「えーっ!私にはそんな度胸ないわ~」しかし颯颯は半ば強引に苒綺を引っ張り出してしまう。「皆を信じるだけでいいの、さあやって!絶対に受け止めるから大丈夫!」苒綺は思い切って後ろへ倒れると、仲間たちがしっかり受け止めてくれた。すると他の楽師たちもやりたいと手を挙げる。これをきっかけに楽団の雰囲気は和やかになり、決起会は盛り上がった。決起会には宇師傑(ユーシージエ)が駆けつけ、料理を振る舞った。陸景年は追っかけを問答無用で殴る欣児が師傑の前ではしおらしいと驚いたが、颯颯は意味ありげに笑う。「あの人だけには弱いのよ…」颯颯と景年は会場を離れて橋の上に移動した。「まさか宇師傑と友だちだったなんて、気が合いそうにないのに… 宇師傑は何事にも誠実よ、傍目にも欣児が好きだと分かる、でもあなたはずる賢い 右教坊を助けたのに感謝の言葉もないわ」「願いがあるなら言ってくれ、全力で叶えよう」「実は陸郎君に手伝って欲しいことがあるの、でも聞いたら驚くかも」「では聞かないでおくよ」景年は嫌な予感がして戻ることにしたが、引き留めようとした颯颯が過って川へ落ちてしまう。「李姑姐?!」陸景年は慌てて川に飛び込んだ。すると実は足がつくと気づき、溺れたふりをしていた茹娘が水面に現れて笑っている。しかし急接近した2人はそのまま見つめ合い、颯颯は思わず自分から口づけしてしまう。その様子を偶然、生金(ションジン)が見ていた。「団結ってこういうことか?ふふ、確かに小狐狸と老狐狸でお似合いかな」生金は2人のために花火を打ち上げて盛り上げた。しかしその帰り道、自分が上げた花火を見ながら料理人と睦み合う緑籮(リュールオ)を目撃してしまう。。・゜・(ノД`)・゜・。なんで〜!陸景年と口づけを交わし急激に距離を縮めた颯颯。そんな中、太常寺が右教坊の人手不足が心配だという口実で内教坊の楽師を右教坊に移動させた。何か裏があるのは明白、実は宋傲晴(ソンアオチン)は優秀ながら傲慢過ぎて楽団に馴染めず、厄介払いされたに過ぎなかった。すると練習に現れた宋傲晴は自分が新しい首席だと宣言し、李茹娘の座を奪ってしまう。楽師たちは呆気に取られながら首席に合わせて弾くしかなかったが、宋傲晴が急に手を止めたせいで苒綺は危うく指を怪我しそうになった。そこへ遅れて李茹娘がやって来る。「あなたが李茹娘ね?今日からは実力が物を言うのよ」「当然よ、宋姑娘が首位だわ」颯颯は敢えて争おうとしなかった。つづく
2024.03.25
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第22話「二重間者」朱晋(シュシン)の書斎に黒装束の花琉璃(カリィウリ)が現れた。「あなたは10年前の″雲倉嶺(ウンソウレイ)の役″で軍糧の輸送を担当していたでしょう? 当時は連岳(レンガク)という名前だった」朱晋は否定したが、琉璃が証拠があると鎌をかけると観念した。「黒幕は一体、誰なの?!」すると朱晋は馬鹿げた質問に高笑いしながら変装用のヒゲを外した。「私が主の正体を教えると思うか?明かせば殺されてしまう」「国に背けば族滅されるのよ?教えてくれたら命は保証する 忘れないで、5歳の娘がいるでしょう?」その時、書卓の下で遊んでいた娘が帷からひょっこり顔を出した。「喧嘩しないで、かくれんぼしよう」朱御史が何者かに殺された。幼い娘が花郡主の名を口にしたことから裴済懐(ハイセイカイ)は大理寺の権限で朱府を封鎖、すぐ皇太子に報告する。姫元溯(キゲンソ)は慌てて現場に駆けつけたが、朱御史の胸の傷跡は軟剣で刺されたものだった。…琉璃の仕業なのか?なぜ何の相談もなく勝手な真似をしたのだ…翌朝、極秘の扱いだった朱御史の事件が都中に広まった。どうやら誰かが知玉京(チギョクケイ)府に花郡主が犯人だと訴え出たらしい。衛明月(エイメイゲツ)は娘が何か隠していると勘づき、琉璃を追及した。すると琉璃が左手を負傷していると気づく。「まさか朱御史を殺したの?!」「殺したかった、でも殺していないわ」琉璃は母に昨夜の経緯を説明した。…朱御史は可愛い娘のため、琉璃に全てを明かすことにした『これまで主の言いなりだったが…いいだろう、話そう』その時、書斎に刺客が飛び込んできた刺客は明らかに朱御史を狙っており、琉璃が応戦して守ったというしかし驚いた娘が机の下から飛び出し、朱御史は娘をかばって刺されてしまう…琉璃は朱御史こそ10年前の軍糧官・連岳だと教えた。「あの人が輸送を遅らせたせいで母親(ムーチン)たちは死にかけた 大勢の兵士たちが死んだのよ?この恨みは絶対に晴らす!」姫元溯は民衆の憶測を封じるため、花府を兵士に包囲させた。琉璃は皇太子に合わせる顔がなかったが、元溯は優しく琉璃を抱きしめ、無実を信じているという。「黒幕が誰か突き止めたかったの、まさか自分が利用されるなんて…」「朱御史が怪しいと気づいたのなら、なぜ教えてくれなかった?」「怒らないで、実は殿下に見せたいものが…」琉璃は朱御史の娘が机の下で遊んでいた焼けかけの文を持っていた。「ふふふ~(自慢)」「もういい、今後のことは将軍と相談する、それより考えてみてくれぬか?共に人生を歩みたい」「うん」その夜、軟禁で退屈した琉璃は鳶尾(エンビ)と2人で秘密の通路から出かけることにした。すると驚いたことに田嘉敏(デンカビン)が抜け穴から入ってくる。琉璃は嘉敏が本当の親友だと喜び、実は皇太子が花家を軟禁したのは敵を油断させるための策だと明かした。「なるほどね、敵はこれが策だと知らずにほくそ笑んでいる しかも陛下と杜(ト)太師が療養中…確かに今が絶好の機会ね!」「反乱を阻止したいの、英(エイ)王殿下が太子殿下を助けるよう仕向けたい、分かる?」「おう!」しかしその頃、すでに杜太師に魔の手が迫っていた。杜太師は長年、密かに謀反の一味の残党を調べ、悪を排除することで縉(シン)国の平和を保ち続けて来たが、まさか弟子に裏切られるとは思いもよらなかっただろう。「先生、弟子が旅立ちを見送りましょう…私には大業が控えています」杜太師の突然の訃報に玉京は悲しみに包まれた。気丈にも杜琇瑩(トシュウエイ)は献花に訪れた弔問客の前に姿を現し、祖父の遺言通り葬儀は簡素に行うと断る。その様子を雲寒(ユンハン)が遠目から見つめていた。雲寒は密かに杜太師の書斎に忍び込んだ。いくら高齢とは言え突然、死ぬのはおかしい。すると書卓で″謝″という書物の切り抜きを発見した。…太師が残した手がかりか?でもなぜ?…その頃、謝臨州(シャリンシュウ)はようやく楽陽(ラクヨウ)長公主と謝瑶(シャヨウ)の監禁を解いた。実は屋敷にまた間者が潜んでいると分かり、妻子を守るためにやむを得なかったという。「危険はなくなったゆえもう閉じ込める必要はない 数日後には太平宴が催される、存分に楽しむが良い」楽陽は安堵の涙を流しながら夫にしなだれかかったが、謝瑶はそんな父と母の姿を冷ややかに見ていた。杜琇瑩は呼び笛に気づいて雲寒が来たと分かった。そこで侍女を下げて独り祖父を弔っていると、雲寒が現れる。雲寒は杜太師に線香を手向け、杜琇瑩がこれからの人生を幸せに生きられるよう守って欲しいと願った。「やりきれない時は私を呼んでください、玉京であればこの笛で私を呼べます」「ありがとうございます、公子」雲寒は雲中居に戻った。…あの方は太師を恨んでいないはず、もしや大義を成すために動いたと?…そこへ裴済懐が現れた。「私だ!なんだ、くつろいでるな、こっちは大変だったぞ?」裴済懐はいつもの調子でそれとなく鎌をかけた。「太子殿下から太師府を調べろと命じられただろう?結果は?」「…まだ何もない」「構わない、明日も引き続き調べろ」…やはり裏切り者だったか…すると裴済懐はこっそり茶碗に薬を塗って雲寒に勧めた。雲寒が目を覚ますと大理寺の地下牢ではりつけにされていた。「見抜いたのか?」「ああ、″私たち″が見抜いた、実は殿下が私より先に気づいたんだ」裴済懐は皇太子が己の選択が正しかったと信じていたため、これまで見逃してきたという。「殿下はお前を生かすために青楽(セイガク)を殺したのだぞ? 都の間者を殺されても、お前に同情していた」しかし雲寒はわざと皇太子が民を侮辱して抑え付けていると非難、裴済懐を怒らせた。「裏切り者を生かしておくのか?!ひと思いに殺せ!」すると雲寒は急に吐血してしまう。裴済懐は雲寒が毒で操られていると知っていた。「なぜ言ってくれなかった?私さえ仲間ではないと?」「私はお前たちが探している謀反一味の残党だ、だから殺せ、それが最良の選択だ」裴済懐は雲寒を殺せず、結局、縄を切って解放した。そこへ皇太子が現れる。実は雲寒はかつて姫元溯の命を救った恩人だった。「これで恩は返した、余が今までに失望した相手はお前だけだ」元溯は雲寒に小さな荷物と薬を渡し、本物の主に仕えればいいという。すると雲寒は裴済懐が投げ捨てていった剣を拾い、自害しようとした。しかし元溯が咄嗟に雲寒の手を止める。「苦しかったであろう、利用され、板挟みとなり、何度も死を考えたはずだ だが余はお前に死んでほしくない、いずれ自由にしてやるつもりだった 主が誰か知りたくもない、見当はついている 死ぬのは簡単だ、だがお前はしかと生きねばならぬ」裴済懐が門前で待っていると皇太子が独りで出て来た。雲寒の裏切りに深く傷つく裴済懐、しかし姫元溯は肩を叩いて励ました。「まだ大仕事が残っているぞ」つづく( ゚ェ゚)え?で結局、黒幕は駙馬なの?
2024.03.24
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第21話「流れ星に願いを」皇太子・姫元溯(キゲンソ)は無事、和議の締結に漕ぎつけた花琉璃(カリィウリ)を労った。琉璃は杜(ト)太師から先帝の鞭をもらったと報告したが、実は昔はあの鞭で杜太師が不届きな官吏を戒めていたと知る。「そなたに贈ったのは認めてくれたからだろう」そんな中、科挙の結果が発表され、花長空(カチョウクウ)は見事に首席で合格した。杜府では杜琇瑩(トシュウエイ)が付ききりで祖父を介抱していた。しかし杜太師が自分に構わず出かけるよう勧める。「薬なら自分で飲める、早く行きなさい」実は科挙の合格と和議調印の祝いを兼ねて群英食肆(グンエイショクシ)で宴が開かれていた。姚文茵(ヨウブンイン)はなぜ英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)と田嘉敏(デンカビン)が花家のために尽力するのか分からなかったが、嘉敏は自分を気にかけてくれない英王への怒りでそれどころではない。一方、琉璃はせっかく祝宴に顔を出してくれた杜琇瑩の姿がないと気づき、探しに出かけた。杜琇瑩は前庭で独り祖父を心配していた。すると琉璃が現れ、気分転換に屋根に登って星を見ようと誘う。屋根はおろか梯子さえ登ったこともない杜琇瑩、しかし琉璃に促されるまま一段一段ゆっくりと登っていくと、ついに屋根に上がった。琉璃は幼い頃、青寒(セイカン)州の城楼に登って出征した家族の帰りを待ったものだと懐かしみ、誰にとっても家族は恋しく、離れ難い存在だと言った。「ありがとう、慰めてくれて」「泣きたい時は泣けばいいのよ?」杜太師は孫娘に感情を表に出すべきではないと教えて来た。しかし自分の死期を悟り、これからは外へ出て自分の代わりに世の中を見て欲しいと頼んだという。杜琇瑩はこれからは祖父の目の代わりになると話し、思わず涙した。その話をちょうど琉璃を探していた姫元溯が軒下で耳にする。元溯は杜太師を案じ、明日一番で太師府に侍医を送って手を尽くさせるよう命じた。田嘉敏と姚文茵も琉璃たちを探して外へ出た。すると屋根から琉璃の声が聞こえる。梯子を見た姚文茵は琉璃が相引きしていると疑ったが、一緒にいたのは嘉敏の従姉・杜琇瑩だった。思いがけず屋根の上に集まった令嬢4人。恋話に花を咲かせていると星が流れ、4人は急いで願掛けした。翌日、姫元溯は琉璃を誘って太師府に見舞いへ出かけた。琉璃は自分が杜太師から疎まれていると分かっていたが、病床の杜太師は皇太子や花郡主に厳しく接して来たのは誤りだったと認める。「2人は見事にやってのけた…殿下がそなたのような伴侶に出会えて良かった」そこで姫元溯は外出できない杜太師のために描かせた万国朝拝会で賑わう玉京の絵を見せた。この百年、弱く貧しい国として侵略や略奪を受け続けてきた縉(シン)国。長い苦しみを経てようやく繁栄を手に入れたが、今やこれほどの賑わいを見せていた。「私は見誤っていた、やはり殿下は太子の器たる方です」一方、金珀(キンハク)国の二皇子・賀遠亭(ガエンテイ)はこの数日の滞在で民たちの気質が分かったと感慨深かった。「この地に暮らす者は寛容な一方で、決して仇を忘れぬ…」確か50年前、縉国が干ばつの際、高昌(コウショウ)国が食料を贈った。すると20年前の高昌国の内乱では縉国が平定を助け、さらに農具や木工、手工芸の職人を贈っている。「高昌国は縉国の敵だ、仇を忘れたわけではないが、懐が深い、もし同じ国に生まれていれば…」屋敷へ戻った琉璃は両親に杜太師を見舞ったと伝えた。花応庭(カテイオウ)にとって杜太師は政敵だったが、見解の相違はあれど杜太師が多くの民を助けたことを知っているという。「内心、杜太師を尊敬している」琉璃は元気がない鳶尾(エンビ)を心配した。すると鳶尾は盗まれた褲(ハカマ)の件に裴済懐(ハイセイカイ)が関わっているかもしれないと明かす。「友だちだと言ってくれたのに…私を騙すなんて」「実はね、太子殿下の策だったの」鳶尾は安堵したが、ただの侍女では皇太子の腹心とは釣り合わないと卑下した。しかし琉璃は自分の妹同然であり、青寒州では戦場で戦った校尉でもある鳶尾ならお似合いだと太鼓判を押す。「直接、本人に聞きなさい、好きだと言われたら放してはダメよ」一方、雲寒(ユンハン)は毒の発作に襲われ、気を失っていた。すると裴済懐が現れ、皇太子に届けるよう命じられた薬をこっそり置いておく。…雲寒、我々を失望させないでくれよ…そんなある日、琉璃が屋敷を出ると賀遠亭が現れた。「話がある、聞いてくれ」賀遠亭は琉璃を連れて人目のない水辺の庭園に落ち着いた。「初めて会った時、そなたの美しさに…」「だから何?今さらそんな話をして意味があるの?」すると賀遠亭は本題に入った。「私も戦のために来たのではない、国の威信を取り戻したかっただけだ 頼みがある…私が帰国してから力になってくれるなら両国の永遠の友好を約束する 承諾してくれるなら秘密を明かそう、長年、隠されてきた縉国の秘密だ」「いいわ、承諾する」2人は手を打ち合わせた。10年前の″雲倉嶺(ウンソウレイ)の役″での戦い、この時、琉璃の両親は死の瀬戸際に立たされた。阿瓦将軍の父親はその戦で死んだという。実は縉国のある野心家が漁夫の利を狙ったせいだった。「密林でそなたに見つかった時、私は玉京に潜伏して調べていた 当時、軍糧の輸送を担当していた連岳(レンガク)は今では縉国朝廷の官吏になっていたよ …朱(シュ)御史だ」「(あの男だったの?)…ありがとう」琉璃は自分で真相を確かめるべく足早に帰った。阿瓦は第二皇子がなぜ花琉璃に秘密を教えたのか分からなかったが、賀遠亭は敵の内紛で漁夫の利が得られるという。「郡主は賢すぎる…だますより真相を伝えた方がいい」姫元溯は父皇が倒れたと聞いて宮中に駆けつけた。皇帝は元気そうだったが、老体でつまずいた賢(ケン)妃を身体を張って支えるなど無謀すぎると呆れてしまう。「しかし琉璃が現れて分かりました、愛なのですね、だから父皇は賢妃に尽くすのだと… だとすると私の母親は?」「10年前、先の皇后は外戚と乱を起こし、混乱の中でお前の母は病で死んだ その死には裏がありそうだが、証拠は何もない」すると元溯は自分に任せて欲しいと言った。琉璃は安康苑(アンコウエン)で皇太子の帰りを待っていたが、諦めて屋敷に戻った。確かに10年前、忘れもしない。琉璃は軍糧を運ぶ途中に問題が起きて到着が遅れたと知り、両親と大兄が無事で戻れるのか心配でたまらず、城楼から動けなかった。…花琉璃、何を迷うことがあるの?…その夜、琉璃は誰にも言わず、黒装束に着替えて出かけてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)エェェェェェ~!黒幕wwwww
2024.03.23
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第20話「防衛図を巡る攻防」策を弄して花(カ)府に転がり込んだ金珀(キンハク)国の第二皇子・賀遠亭(ガエンテイ)。知らせを聞いた皇太子・姫元溯(キゲンソ)は花府に駆けつけたが、嫉妬のあまり立ちすくんでしまう。すると琉璃(リィウリ)は皇太子の頬に口づけし、機嫌を取った。「怒らないで、多分、辺境防衛図を盗むつもりなんです」「分かっている、その件で相談に来た」実は姫元溯にはすでに敵を欺く作戦があった。ただし万全を期すため、作戦を知る者が少ない方が良いという。謝臨州(シャリンシュウ)は配下の石青(セキセイ)から防衛図の在りかを今夜にも第二皇子に伝えると報告を受けた。「雲寒(ユンハン)に与える任務は?」「ひとまず待て、昌隆(ショウリュウ)帝の体調を探ってから方針を決める 雲寒を使う時には一撃で事を成さねばならぬ」すると謝臨州は折を見て雲寒に釘を刺すよう命じた。「逆臣の子としての仇を忘れてはならぬとな」姫元溯は裴済懐(ハイセイカイ)に指示を出し、あとは敵が釣れるのを待つことにした。するとその夜、元溯の読み通り、誰かが賀遠亭の離れに矢文を放つ。花府に潜んでいた裴済懐は矢文を奪って偽物とすり替えたが、皇太子が用意した密書に思わず失笑した。…疑り深い男だから相手の裏をかく、餌が非常識なほど容易に食いつくはずだ…翌朝、賀遠亭は柱に刺さった矢文を発見、防衛図が花将軍の褲(ハカマ)の中だと分かった。「縉(シン)国人はどうかしてるな」どうやら縉国人にとって下着は重要な意味があるらしい。すると賀遠亭はちょうど屋敷が手薄になる科挙の日に動くと決めた。鳶尾(エンビ)が洗濯物を持って裏庭へ出ると、裴済懐を見つけた。裴済懐に淡い恋心を抱く鳶尾、しかし騙された苦い経験から素直になれずにいる。すると裴済懐はこれまでの無礼を謝りに来たと告げ、友だちとして仕事を手伝いたいと申し出た。鳶尾は喜んで洗濯物を頼み、恥ずかしそうに殿内に入ってしまう。そこで裴済懐は隠し持っていた褲を他の洗濯物と一緒に干しておいた。翌朝、花長空(カチョウクウ)は家族の応援を受け、科挙に臨んだ。賀遠亭はどさくさに紛れて一緒に貢院(コウイン)まで見送ったが、花応庭(カオウテイ)は試験が終わるまで残るという。そこに姫元溯が現れた。元溯は衛(エイ)将軍と琉璃には屋敷へ戻るよう勧め、結局、花将軍と賀遠亭の3人で試験が終わるのを待つことになった。杜(ト)太師は弟子たちから両国の和議が進展していないと聞いた。花郡主は鴻臚寺(コウロジ)に顔も出さず、科挙が終わり次第、皇帝に上奏するつもりだという。すると謝臨州は花郡主が和親のための婚姻に同意してくれたら解決していたと残念がった。科挙が無事時に終わり、花応庭も屋敷へ戻った。ひとまず着替えようと衣装部屋に入ったが、なぜか褲が全て盗まれていると気づく。「よりによってなぜ私の下着を?」阿瓦(アガ)は一家が出払っている隙に宋光(ソウコウ)や侍従たちに眠り薬を盛り、花応庭の褲を全て盗み出していた。しかし賀遠亭は防衛図が本物かどうか確信が持てず、物陰から花府をうかがう。その時、正門から皇太子が出て来た。皇太子は警戒を怠った宋光を連行、そこへ密偵からの報告が届く。…太子が辺境の配置変更を指示、その急報を謝臨州の配下が阻止…すると安心した賀遠亭は阿瓦に防衛図を金珀に送るよう命じた。琉璃は改めて和議の日を設定、再び両国が集まった。すると花郡主を心配していた杜太師が老体に鞭打って鴻臚寺に駆けつけ、他国にあなどられてはならないと叱咤する。その様子をちょうど姫元溯と裴済懐が見ていた。裴済懐は花郡主が矢面に立たされるのではと心配したが、その時、杜太師が先帝から賜った打王鞭(ダオウベン)を琉璃に贈る。「和議は交渉の場だが一種の戦場でもある、私からこの鞭を贈り、凱旋を祈るはなむけとする」琉璃は思わずその場にひざまずいて拝礼、必ずや期待に応えてみせると誓った。居並ぶ文官を前に琉璃を激励した杜太師、姫元溯は琉璃の名誉な場だと喜び、邪魔せず黙って引き返した。再び和議の席についた琉璃と賀遠亭。しかし賀遠亭は和議の条件を拒否し、開戦する用意があると強気に出た。「苦難は承知の上、我が国はまだ戦える」「辺境の民を顧みず開戦すると言うなら話はここまでです」「私は貴殿に借りがある、同じ目に遭って貴殿の気持ちが分かった 今度は貴殿に分かって欲しい」賀遠亭は時間を稼いでいたが、その時、ついに辺境から戦報が届いた。賀遠亭は金珀国の勝利を確信していた。しかし戦報によると金珀国の精鋭軍が青寒州に夜襲をかけたが、花家の長子・花景逸(カケイイツ)が大半を滅ぼし、残兵は逃げ帰ったという。「二皇子、我が国は和平を主張しましたが、戦を恐れているわけではありません これで和議に調印すべきか否か、お分かりになったでしょう?」杜太師は弟子たちから和議が無事に締結したと聞いて胸を撫で下ろした。「私がこの人生に求めたのは他でもない、正義に基づく清廉な政(マツリゴト)と天下太平だけ…」すると宿願を果たした杜太師は緊張の糸が切れたのか、倒れてしまう。賀遠亭はまたしても琉璃に騙されたと嘆いた。しかし琉璃はそもそも和親の婚姻を持ち出し、花府に居座って辺境防衛図を盗み出したのは賀遠亭の方だと糾弾する。「賀遠亭、盗んだ辺境防衛図は偽物よ?奇襲に警戒するよう伝えておいたの 本来、避けられた戦なのに、あなたの独り善がりが敗北を招いた」すると賀遠亭は崩れ落ちるようにへたり込んでしまう。つづく( ゚ェ゚)リーフェイまだぁ?
2024.03.23
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第19話「灯籠の下の告白」謝臨州(シャリンシュウ)と雲寒(ユンハン)は皇后一派の残党だった。10年前の皇后の謀反により縉(シン)国では多くの血が流れ、皇太子の母ですら命を落としている。当時、雲寒を救い出したのが謝臨州だった。「覚えておくのだぞ?お前にとって本当の主は誰なのか、その命を握るのは誰なのかをな」「はい」するとその帰り道、雲寒は激しく血を吐いてしまう。縉国と金珀(キンハク)国の捕虜の交換が完了、釈放された将軍・阿瓦(アガ)は第二皇子・賀遠亭(ガエンテイ)と再会した。実は賀遠亭はすでに10年前の戦で暗躍した黒幕を見つけ出し、和議を有利に進める手立てを授けてもらったという。『今なら青寒(セイカン)州は花(カ)家の長子のみ、この機に辺境防衛図を入手して攻め入ったら…』謝臨州は防衛図の在りかを早急に突き止めると約束、賀遠亭に花府に入り込んで待つよう指示した。皇太子・姫元溯(キゲンソ)は花琉璃(カリィウリ)に想いを告白しようと準備を進めていた。そんなある日、賀遠亭が皇帝に上奏したい議があると参内し、両国友好のため花家と婚姻を結びたいと嘆願する。「私が婿入りします」謝臨州は和親に賛成して加勢、すると朝臣たちもこぞって賛同した。そこで皇帝は我が国では婚姻を強要しないと花郡主に助け舟を出したが、驚いたことに琉璃は承諾するという。「その代わり青寒草原の境界を後退させ、2つの町を返還してくださいますね?」姫元溯は相手の裏をかく琉璃の手腕に感心、賀遠亭も即答できず、和親の話し合いは科挙の後と決まった。皇帝は皇太子と英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)を呼び、和親について意見を聞いた。姫元溯は承諾すべきでないと訴えたが、相変わらず的外れな姫元灝は自分の許嫁を見初めるとは見る目があるという。「しかし父皇、今の私には想い人がいるので…では私は下がります」花家では賀遠亭が琉璃との和親を提案したと聞いて怒り心頭だった。琉璃は必ず何か魂胆があると疑っていたが、早速、賀遠亭が花家にやって来る。しかし花長空(カチョウクウ)から急ぎ連絡を受けた姫元溯が駆けつけ、賀遠亭の邪魔をして追い返した。この時、阿瓦は兄弟と慕っていた同房の男が実は皇太子の側近・裴済懐(ハイセイカイ)だと気づき、途方に暮れてしまう。その夜、阿瓦は第二皇子に事情を説明し、敵に通じてしまったと謝罪した。賀遠亭は故意ではないと許したが、最悪なことに自分の情報を事細かく漏らしてしまったという。その頃、琉璃は姫元溯との待ち合わせで裏山に到着した。すると待ち構えていた裴済懐がここからは花郡主が独りで行って欲しいという。そこで灯籠に照らされた細道を入っていくと、灯りに照らされた大木の下で皇太子が待っていた。「そなたに話がある…余は幼き頃、そなたからの文を何度も読み返した そなたは余の心を温め、余の人生に一筋の光をもたらしてくれた そなたと出会うまで知らなかった、天下の安寧の他にも守るべきものがあると… 誰より大切な人だ」姫元溯は初めこそ琉璃を警戒していたが、二度と疑わないと約束した。姫元溯が手を叩いて合図すると、皇太子の侍従たちが赤い灯籠を持って現れた。その様子を裴済懐や鳶尾たちもこっそり見守る。すると侍従たちは愛(ハート)の形を作って見せた。琉璃は皇太子の心のこもった演出に大喜びしたが、実はまだ贈り物があるという。姫元溯は大木の灯籠に下げておいた玉をはずした。玉は二つを合わせて一つとなり、それぞれに″姫琉永縉(キリュウエイシン)″、″花好月元(カコウゲツゲン)″と刻まれている。「どちらにする?選べ」「ではこちらを…″花″があるから」その時、急に雨が降って来た。侍従たちは慌てて撤収、裴済懐と鳶尾もせっかくの告白が台無しだと困惑したが、気がつくと皇太子は傘を差している。「とても話し足りぬ」「殿下、おっしゃらなくても分かります…」すると琉璃は皇太子に口づけした。賀遠亭は何とか花家に転がり込もうと、客舎から焼け出されたと訴え、花府を頼った。琉璃は相手にしなかったが、花応庭(カオウテイ)は鴻臚寺卿(コウロジケイ)として使臣を冷遇すれば外聞が悪いという。しかし思った通り火事は賀遠亭の自作自演だった。…私に戦いを挑むなんて100万年早いのよ…琉璃は憤慨しながらもやむを得ず賀遠亭を離れを住まわせることにした。賀遠亭は謝駙馬からの連絡を待つ間、いずれ婿になる身だからと殊勝にも立ち働いた。おかげで花家の内情が分かり始め、これなら自分で辺境防衛図を探した方が早いと気づく。一方、裴済懐は賀遠亭が花府に転がり込んだと知り、慌てて皇太子に報告した。姫元溯は賀遠亭が屋敷を燃やした事までは聞いていたが、まさか花府に泊まっているとは知らず、慌てて出かけて行く。つづく( ゚ェ゚)え?!駙馬じゃないんだ、黒幕!
2024.03.22
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第18話「和議交渉」万国朝拝会が開催、福寿(フクジュ)郡主に封じられた花琉璃(カリィウリ)は鴻臚寺卿(コウロジケイ)として立派に各国の使臣たちをもてなしていた。しかし金珀(キンハク)国の二皇子・賀遠亭(ガエンテイ)は未だ到着していない。琉璃は城門で待つことにしたが、そこへ皇太子・姫元溯(キゲンソ)が現れた。「″福寿″という封号は殿下のお好みですか?」「なぜそう思った?」「殿下の別宅が安康苑(アンコウエン)なので…」琉璃は古臭いと思っていたが、確かに縁起の良い名前だと笑う。その時、ついに金珀国一行が到着した。賀遠亭は朝議で皇帝に謁見、金珀からの献上品として舞姫・絳紗(コウサ)を紹介した。美しく艶かしい絳紗に皇帝も鼻の下を伸ばしたが、残念ながら後宮に空きがなく、皇太子に授けるという。そこで姫元溯は絳紗にまず清河(セイガ)書院で学問に励むよう命じ、書生として一定の水準に達した時に改めて受け入れると決めた。(๑・᷄ὢ・᷅๑)そんなぁ~ん縉(シン)国と金珀国との交渉の日。姫元溯は鴻臚寺に駆けつけ、琉璃を励ました。「衣に乱れはないか?…整えてやろう」すると元溯は琉璃の官帽を直しながら、思わず額に口づけしてしまう。我ながら大胆な行動に驚いた元溯だったが、琉璃は恥ずかしくなって逃げるように出て行った。杜(ト)太師は交渉役の花郡主を助けるため、弟子である田(デン)尚書、朱(シュ)御史、姚(ヨウ)侍郎を送り込んだ。文官たちは花家を目の敵にしていたが、琉璃は国の大事ゆえ自分の味方であることを願うしかない。こうして琉璃と賀遠亭が交渉の席についた。交渉は順調に進み、この勢いなら調印までこぎ着けると期待したが、最後の最後で暗礁に乗り上げてしまう。「青寒(セイカン)草原の境界を500里も後退させろという条件は不服です」青寒草原は両国が古来より自分の土地だと主張していた。そこで賀遠亭は再び戦火を交えるのは避けたいだろうと琉璃の足下を見る。「ここは昔のよしみで譲歩してください」「何が昔のよしみよ!」琉璃は挑発されて思わず声を荒げた。すると脇殿で交渉を見守っていた姫元溯は琉璃を落ち着かせるため、茶を届けるよう命じる。「それから背もたれのない椅子に変えよ、士気を保ち、襟を正させるのだ」…昔のよしみだと?賀遠亭と差しで会わねば…交渉はこう着状態となり、結局、1日目は物別れに終わった。すると賀遠亭が引き上げようとした琉璃を止め、各国の行商を集めた龍井(リュウセイ)坊へ一緒に行きたいという。琉璃は用事があると断ったが、そこへ皇太子が現れた。「余が案内しよう」賀遠亭は散策しながら何とか琉璃の気を引こうとしたが、皇太子と琉璃の硬い結束に阻まれた。すると酒楼での食事中、裴済懐(ハイセイカイ)が鳶尾(エンビ)に郡主を連れ出して欲しいと頼む。「太子殿下が賀遠亭と話があるそうだ」「なんで私が?」鳶尾はまだ怒っていたが、仕方なく協力した。「小姐!大変です!夫人が古傷が痛むとか…早く来てください!」賀遠亭はかつて花琉璃と自分が深い仲だったと自慢、皇太子を牽制した。面白くない姫元溯は挑発されるまま酒の飲み比べを始め、勝負がつかないまま解散となる。すると賀遠亭は先に席を立った皇太子が雲寒(ウンハン)の所へ行くと言ったのを聞き逃さなかった。金珀国の使者たちは城内で第二皇子と花琉璃の過去の関係を吹聴していた。しかし姫元溯は琉璃が本当に敵と通じて賀遠亭に惚れたのかが知りたいという。すると雲寒が事実を明かした…賀遠亭は冬が来る前に戦を終わらせたかった雪の中で戦線を拡大すれば兵が疲弊するのは明らかそこで青寒州で留守を任されている花家の一人娘を懐柔し、人質にしようと思いついた賀遠亭は″賀鳴(ガメイ)″と名を変え、旅の商人に成り済まして青寒州へ潜入したちょうど市場に現れた花琉璃を発見したが、予定外に一目惚れしてしまう「何でも好きな物をあげるよ」すると琉璃は白衣の優男が身につけている腰かざりに目を止め、その玉佩をもらった賀遠亭は数日滞在し、その間に琉璃と仲良くなったそんなある日、賀遠亭は琉璃を呼び出し、2人で絶景の朝日を眺める『賀鳴哥哥…縉国が負けたら私も捕らえられるの?』『琉璃、金珀へ行かないか?何があろうと君を守ると約束する 準備するから待っていてくれ、3日後に出発しよう』実は金珀国へ通じる秘密の道が南詔(ナンショウ)国にあった琉璃は賀遠亭と一緒に金珀国の国境へたどり着いたすると阿瓦(アガ)将軍が兵士を率いて待ち構えている『誰か、花琉璃を捕えろ』『ダメだ!』『なぜですか?二皇子?』琉璃を好きになった賀遠亭は作戦を変更すると言ったが、琉璃は賀鳴が金珀国の第二皇子だと知って驚愕した『皇子という身分以外は何も偽っていない、君を守ると約束した』しかし阿瓦が花琉璃を人質にして花家を脅すと口を滑らせてしまうその時、見張りの兵士が縉国に包囲されたと報告した将軍たちが慌てて出陣、琉璃は隠し持っていた剣を抜いて賀遠亭に突きつけた『お芝居は終わりよ』琉璃は初めから賀鳴を怪しみ、すぐ調べさせていた『見せかけの言葉や態度で私を騙せるとでも思った?』花家軍は秘密の道から金珀軍に奇襲をかけた賀遠亭が罠にかかったのは自分だと気づいた時には手遅れしかし阿瓦の助けで難を逃れ、代わりに阿瓦が捕まってしまう…雲寒は皇太子が花琉璃を好きだと分かった。「誰にも興味を示さなかった殿下が今や花郡主に魅了され、行動に目を光らせている でも賀遠亭が現れ、おとなしくなった」裴済懐は納得し、皇太子が賀遠亭を脅威に思っていると気づく。すると2人に見抜かれた姫元溯は琉璃に想いを告白したいと明かした。深夜、雲寒は郊外で主と接触した。「今日、金珀国の二皇子に会わなければお前が暗躍していたことを知らずにいた」「手を組まないかと言われました、我々が10年前の謀反人だと突き止めたからです これは協力の申し出ではなく脅しです」「つまり拒んだのは私たちのためだと?ではなぜ青楽(セイガク)が?」「私は静養中でした、そもそも私が裏切っていれば大人の素性はばれているはず」実は雲寒の主は駙馬の謝臨州(シャリンシュウ)だった。つづく( ๑≧ꇴ≦)皇太子登場の音楽wwwいらんだろうwwwww
2024.03.21
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安乐传 The Legend Of Anle第17話雪の舞い落ちる宴の夜。任安楽(レンアンルー)は帝承恩(ディチォンエン)の伴奏で美しい剣舞を披露していた。その姿は幼き頃の梓元(ヅユアン)を彷彿とさせ、韓燁(ハンイェ)は思わず見入ってしまう。しかし安楽が急に帝承恩に剣を向けたかと思うと、鮮やかに舞いながらわざと帝承恩のかんざしを吹き飛ばした。帝承恩の箏の音が止まった。驚いた韓燁は帝承恩の元に駆けつけ、自ら外套を着せてやる。「殿下…任大人(ダーレン)は私に何か恨みが?」「誤解だ、任安楽は気分で人を傷つけたりしない」「帝小姐(シャオジェ)、これしきで動揺するなら太子妃は無理では?早々に諦めて屋敷へ戻るべきね」安楽は剣を投げ捨て、韓燁をわざと挑発した。すると韓燁は帝承恩を守るため、祖母から託された鳳凰のかんざしを帝承恩の髪に挿してしまう。安楽の芝居は上手く行った。しかしいざ韓燁が帝承恩にかんざしを贈る様子を目の当たりにすると、何とも言えない虚しさに襲われる。その時、皇太后・孫瑜君(ソンユクン)と嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)が現れた。孫瑜君は野心を隠していた帝承恩に激怒して追い出そうとしたが、韓仲遠は殊勝に振る舞う帝承恩を認めてくれる。「太子ももう大人です、太子妃選びは本人に任せるべきでは?」皇帝のまさかの言葉に孫瑜君は唖然、怒りが収まらず、いきなり帝承恩の髪からかんざしを奪い取って帰ってしまう。これがかえって皇太子の正義感を奮い立たせた。「私の意志は変わらない、太子妃の位は永遠に君のものだ」すると韓燁は帝承恩に付き添い、見送りに出た。洛銘西(ルォミンシー)が門で待っていると安楽が傘も差さずにやって来た。洛銘西は屋敷へ送ると言ったが、安楽は独りになりたいという。その頃、安寧(アンニン)も公主府の庭で立ちすくんでいた。すると冷北(ランベイ)が現れ、黙って傘をかざす。「大雪ね…靖安(セイアン)侯府に残る血の跡も、この大雪が覆い隠してくれるかしら…」一方、皇帝は憤懣やるかたない皇太后をなだめていた。もし帝承恩に企みがあればこの機に帝家を完全に滅ぼすが、ただし忠誠を誓うのなら、帝承恩は皇家にとって有益な駒になるという。実は今でも帝家の謀反に疑問を呈する声があり、皇帝は完全に封じ込めずにいた。韓燁が帝承恩を皇太子妃に迎えれば太祖の遺詔を守る君子として賞賛されるだけでなく、帝家が韓家に服従した証しと見なすことができるという。その頃、流刑になった古斉善(コセイゼン)が密かに忠義(チュウギ)侯府へ帰ってきた。せっかく苦労して流刑先を江南に変えさせた古雲年(コウンネン)は呆然、また何か問題を起こしたと気づく。実は古斉善は酒に酔って鍾(ショウ)家の娘・鍾景(ショウケイ)を過って殺していた。隠蔽のため火をつけて亡骸を燃やそうとしたが、結局、家族もろとも殺してしまったという。古雲年は激高して息子を蹴り飛ばしたが、侍衛・李由(リユウ)はともかく急いで身代わりを立てるよう進言した。安楽は靖安侯府で独り父を弔い、朝を迎えた。…父親(フーチン)、10年間、素性を隠して海賊になった私がやっと堂々と父親の供養ができるでも屋敷に戻っても帝家で生き残ったのは私一人だけ青南(セイナン)山で死んだ8万人の兵はこの10年、無実の罪を着せられたまま、魂は今も故郷に帰れず、さまよっている父親は身の潔白を訴えて自ら命を絶ったでも私たちを陥れた者は今も皇帝として万民の上に君臨し、広大な国を治めている…安楽は献杯すると、すでに扁額が外れて落ちた帰元(キゲン)閣の前に立った。「父親、私が帝家の汚名をそそぐわ、韓家に罪を認めさせ、8万の将兵を安らかに眠らせる」その時、運悪く安寧がやって来た。「安楽?…ここで何を?」安楽は咄嗟に昨日が伝説の靖安侯の命日だと知って来てみただけだと取り繕った。「さまざまな噂が流れているから、私も興味があったの」すると安寧はあの壮絶な話が今や噂話の種に成り下がったと失望する。しかし安楽は人々の記憶に残っているとすれば、まだ生きていると言えると笑った。「邪魔したわね、また会いましょう」沅水閣(ゲンスイカク)では皇太子の愛を確信した帝承恩が嬉しそうに箏を奏でていた。慕青(ムーチン)はそろそろ靖安侯府へ行くよう勧めたが、帝承恩は皇太后の怒りを買いたくないと拒む。「だが太子殿下は靖安侯府で待つと…無視すれば疑われるぞ?」「行かない!…殿下も私が怯えていると分かるわ、行かない方が得策よ」その頃、韓燁は靖安侯府で帝承恩を待っていた。しかし帝承恩は一向に現れず、思いがけず安寧と出くわす。安寧は梓元が来ないことを訝しんだが、韓燁は病み上がりゆえ来られないのだとかばった。「哥哥、自分を欺かないで、保身に走ったと気づいているはずよ? 太子妃の座を失わないためにね…」安寧は韓家のせいで実の娘にさえ慰霊に訪れない靖安侯を思うと辛くなった。すると韓燁は安寧が負い目を感じることはないという。「かつて靖安侯も帝家軍も靖国のために奮戦した英雄だった まさか反逆の機をうかがっていたとは…安寧、当時まだ幼かったお前には何の罪もない」「違うの!」安寧は思わず声を荒げたが、喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。「そうだ、梓元ではないけれど、別の人に会った、安楽よ 安楽に会った時、思ったの… もし梓元が幽閉されなければ、今頃は世の中を伸びやかで自由に生きていたんじゃないかって」「任安楽のように…」( ;∀;)アンニン…安楽が屋敷に戻ると院子で洛銘西が待っていた。気持ちの整理をつけた安楽は韓燁に惹かれていることを認め、韓燁への情より帝家8万の将兵の魂が大事だと断言する。「梓元、私の前では己を偽る必要などない」「うん、あなたの前でだけは自然体でいられる」安楽はようやく笑顔を見せると、父の供養に行って安寧と出くわしと報告した。何か勘づかれた様子はなかったが、あの無邪気だった安寧はなぜすっかり変わってしまったのだろうか。すると洛銘西が面白い情報を教えた。実は古雲年が鍾家の惨劇に関与し、密かに例の″鍾海(ショウカイ)″を探しているという。千月閣の調べたところ、鍾海は江南の水害で行き場を失って鍾家に身を寄せ、忠誠を尽くしていた。「鍾家皆殺し事件の唯一の証人かもしれない」「口封じするつもりね、私たちが先に見つけなくては…私に考えがある」韓燁は初めて沅水閣に帝承恩を訪ねた。今日も写経に勤しんでいた帝承恩、すると韓燁は子供の頃の梓元の筆跡を見て何とも懐かしくなる。「靖安侯府の扁額のことを覚えているか?大騒ぎを起こして陛下の大目玉を食らった」しかし帝承恩には何の話か分からなかった。「当時は8歳でした、ほとんどのことは記憶にないのです」韓燁は一瞬、驚いたような表情をしたが、すぐ優しい顔に戻った。「長居をした、私は帰る…」帝承恩は何か対応を間違えたと気づいて焦った。すると皇太子を追いかけようとして慌てて段差につまづき、倒れてしまう。韓燁はすぐ気づいて帝承恩を立たせようとしたが、ちょうど外衣が乱れて帝承恩の肩があらわになった。…梓元が8歳の時だった梓元はまだ扁額がなかった部屋の門に自分で書いた″帰元閣″を貼り付けることにするそこで韓燁に題字を預けて椅子に上がろうとしたが、足を滑らせ、肩から落下した『梓元!傷を見せてみろ!』韓燁はその時、梓元の肩がざっくり切れているのを見た…帝承恩は皇太子が自分の肩を見て困惑している様子に気づいた。「殿下?どうかなさいましたか?」「(はっ)いいや」そこで帝承恩は皇太子の気を引こうと、任安楽に好意があるなら側室に迎えてはどうかと提案する。しかし韓燁はあり得ないと一蹴、任安楽は重臣であり国の柱石だと言った。「太子府に迎えることはない」正門を出る韓燁の表情は硬かった。10年もすれば性格が変わるだけでなく、傷跡さえ消えてしまうものだろうか。韓燁はともかく吉利(キツリ)に瑇(タイ)山での10年に何があったのかすぐ調べさせることにした。洛銘西は急いで安楽を翎湘楼(レイショウロウ)に呼び出した。実は慕青から報告があり、どうやら韓燁に感づかれたという。「帰元閣の扁額の題字の一件を覚えているか?」「題字を書いた時、足を踏み外して転んだの、肩に深手を負って大きな傷跡が残った 韓燁は韓仲遠に叱られて、10日間も看病してくれたわ 私が忘れていることも覚えていたなんて… でも帝承恩の肩に傷をつける必要はない、下手に動けばかえって怪しまれるわ」つづく( ๑≧ꇴ≦)傷がなかったぁぁぁぁぁぁぁ~
2024.03.21
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安乐传 The Legend Of Anle第16話任安楽(レンアンルー)に意地でも宴の招待状を渡さない皇太子・韓燁(ハンイェ)。安楽はならば江南(コウナン)で酔った皇太子の醜態を晒すと脅し、わざと韓燁に抱きついてからかった。さすがに韓燁も動揺して安楽を突き放したが、戦友相手に卑怯な手を使うなと咎められてしまう。。゚(∩ω∩`)゚。<うわ~ん!安楽はついに泣き落としにかかった。そこへ侍従の吉利(キツリ)が現れ、皇帝から勅書が届いたと報告する。「任大人(ダーレン)を太子妃選びに招くようにと勅命です」すると安楽は勅書を手に入れ、芝居を切り上げ帰って行った。↓(  ̄꒳ ̄)これがあるからいいもん一方、洛銘西(ルォミンシー)は負傷した琳琅(リンロウ)の療養中にも千月閣に皇宮の記録を調べさせていた。すると安寧(アンニン)公主は嘉昌(カショウ)6年12月、皇太后の寝殿のそばで池に落ち、昏睡に陥っていたことが分かる。その時、激怒した皇太后が太監・良喜(リョウキ)に死を賜っていた。安寧は皇太后の元で療養後、回復すると西北へ出征、その後、10年間も戻らなかったという。「その頃、北秦(ホクシン)との内通を疑われた帝(ディ)家が一族皆殺しになったのですね 太后は良喜に死を賜った…安寧公主は帝承恩(ディチォンエン)のため静心(セイシン)堂で暴れて… はっ!大人?!」琳琅は洛銘西の読み通り安寧が鍵を握っていると気づいた。帝承恩は皇帝が任安楽を皇太子妃選びに呼んだと聞いて困惑した。味方になってくれるはずの安寧にも冷たくされ、もはや自分を生かすも殺すも皇太后しだいだと恐ろしくなる。「宮中ではいつ殺されてもおかしくない…今すぐ引き返せば無事でいられるかしら? 太后は見逃してくれる?!」喜んだ慕青(ムーチン)は引き返すなら自分の命を捧げると告白したが、帝承恩に本意は伝わらなかった。「いらない…2人で幸せに生きたい、気高く生きるの」帝承恩はそのために何としてでも皇太子の心を得ると奮起した。( ̄▽ ̄;)むーちん…洛銘西のもとに慕青から伝書鳩が飛んできた。何でも帝承恩が宴で皇太子の気を引くため、冷水を浴びて病を装うことにしたという。洛銘西は早速、安楽に報告し、帝承恩の下策を利用しない手はないと言った。「帝姓の太子妃がいれば名誉回復に役立つ おのずと帝家の過去に関心が集まり民の声を利用できるわ 太子妃には皇家も簡単に手を出せないし、私は身を潜めやすくなる… 安心して、堂に入った演技を見せるから、明日の夜は恋敵をいたぶってあげる、ふふ」一方、冷北(ランベイ)は密かに四方館に滞在する妹に接触、明日の宴には派手な装いで出掛けるよう勧めた。「北秦の公主は靖(セイ)の太子妃にはなれぬ…遊びではないのだぞ?宴では気をつけろ」莫霜(モーシュァン)は大人しくうなづいたが、結局、華美な装いを好まない皇太子に合わせることにした。12月25日、皇太子妃選びの宴当日。韓燁は相変わらず質素な装いで皇祖母と父皇への挨拶を済ませた。すると皇太后・孫瑜君(ソンユクン)は亡き皇后の形見である鳳凰のかんざしを託し、気に入った娘の髪に挿すよう告げる。「聞き分けの良い太子なら正しい選択をしてくれると信じているわ」やがて日も暮れる頃、韓燁はかんざしを手に宴席へ向かうことにした。その時、ちょうど参内した安楽が現れる。安楽は普段とは異なって優雅に振る舞い、質素ながら美しい装いは幼い頃の梓元(ヅユアン)を思い出させた。「殿下にご挨拶を…どうしたの?ぼんやりして?」「ある人を思い出して…今日の君を意外に思った」皇太子の好みを知ってか、令嬢たちは誰もが華美な服装を避けた。しかし帝承恩は開宴の刻限に遅れた上、赤い衣に金の装飾品をつけ、誰よりも目を引いている。すると出迎えた皇太子の前でいきなり立ちくらみを起こし、驚いた韓燁が咄嗟に手を貸した。「身体が弱いせいで風邪を引いてしまって…でも殿下とお会いできる機会を逃せません」「よく来たな」帝承恩のあからさまな手口が令嬢たちの反感を買う中、誰よりも怒っていたのは安寧だった。「どうして着飾れるの?今日が何の日か忘れてしまったみたい…」安楽は皇太子が女子を気遣う様子を初めて見たとからかった。しかし韓燁は重臣である安楽とは気遣いより、互いに支え合っていきたいという。すると帝承恩が口を挟んだ。「任大人は陛下の寵臣、今宵の宴でご一緒できて承恩は幸せ者です」控えていた苑書(エンショ)はどういう意味かと首を傾げた。苑琴(エンキン)は顔をしかめ、あれは安楽への皮肉だと教える。「小姐に釘を刺したのよ、太子殿下にとって小姐はただの臣下だと…」そこで韓燁は帝承恩を諭した。「任安楽は生死を共にした戦友だ、ただの臣下ではない、知己だ」「3万の水軍を嫁荷に求婚したのに知己?江南で酔っ払った時…」その時、帝承恩が安楽の話を遮った。「殿下はお酒が苦手でした」「…覚えていてくれたか?」「殿下と一緒に過ごした日々を承恩、忘れるはずありません」「私もだ、私は苦手だったが、梓元は酒が好きだったな?」「殿下、私は承恩です」一方、洛銘西は翎湘楼(レイショウロウ)で安楽を心配していた。安楽が韓燁に惹かれているのは明らか、それでも皇太子妃選びの宴で自ら帝承恩に譲らなくてはならない。「安楽は己の心を殺せるだろうか?」すると琳琅は皇太子府へ出かけてはどうかと勧めた。莫霜は帝承恩が皇太子の想い人・帝梓元と同一人物だと知った。そこで噂に聞いた帝家の秘伝の絶技を見たいという。焦った帝承恩は見せるほどのものではないと口ごもったが、その時、韓燁が助け船を出した。「人前で披露するには及ばぬ」実は噂が一人歩きして帝盛天(テイセイテン)が編み出した武技だと思われていたが、実際は帝盛天が碁の腕前を隠すための言い訳だったという。「碁は好きだが上達できず、そこで″待った″という秘技を考えついたのだ」一方、孫瑜君は帝承恩が病を理由に遅れて来たと聞いた。「なんてこざかしい真似を…」帝承恩は皇太子からの愛を頼りに皇太子妃の座を手に入れようと考えたのだろう。そこで孫瑜君は帝承恩が他に何を企んでいるのか見物に出かけることにした。安寧は琴棋書画に精通する帝承恩の箏が聞きたいと頼んだ。梓元が苦手だと知っている韓燁は具合の悪い帝承恩には無理だと止めたが、帝承恩は堂々と受けて立つ。すると帝承恩は見事な演奏を披露した。温朔(ウェンショウ)は帝承恩が実は箏の名手だと知り驚いたが、これも瑇(タイ)山で暇を潰すためだったと同情する。韓燁は月日の残酷さを嘆き、苦労を経て今の″帝承恩″になったと感慨深かった。その時、突然、安寧が席を立ち、いきなり帝承恩の箏を止めてしまう。「帝梓元?!なぜこんな曲を弾けるの?!」「安寧、私は承恩よ、間違えないで…この曲の何が悪いの?」「何が悪いですって?!そんな卑屈な姿は見たくない!」安寧は帝承恩がわざと明るい曲を弾いていると思うと居たたまれなかった。驚いた韓燁は慌てて安寧をなだめに向かったが、令嬢たちは今日が靖安(セイアン)侯の命日だと思い出してしまう。父親の命日に着飾って箏をかき鳴らすとはね>(*´・ω・)(・ω・`*)<ネー帝承恩は自分の失態に気づき、咄嗟に取り繕った。実はこの日に着飾って陽気な曲を弾くのは亡き父を安心させるためだという。「韓家に厚遇されていると知らせたいの」しかし安寧は昔の面影をすっかり失った帝承恩の姿に耐えられなかった。「承恩、私を旧友だと思うのなら太子妃の座を諦めて…」「殿下のそばにいたい、それだけが私の生きる望みなの」「私の考えは変わらないわ、太子妃に相応しいのは任安楽よ」皇帝は宴の様子を遠目から見ていた。「気性が荒く手に負えなかった帝家の娘がすっかり変わった ″承恩″か、良い名を授けたと言うべきだな」帝承恩の皇家に対する服従心はどうやら本物、皇帝はならば皇太子の願いを聞き届けようと決めた。「太子妃に封じても悪くない」宴は騒然となった。そこで莫霜は話題を変えようと剣舞を披露したいと申し出る。しかし兄から目配せされ、咄嗟に足がつったと嘘をついてごまかした。「では莫霜公主の代わりに私が舞うわ」すると安楽は帝承恩に伴奏を頼んだ。つづく( ๑≧ꇴ≦)面白くなってきた
2024.03.20
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长相思 lost you forever第1話西炎(セイエン)山の頂に見える朝雲(チョウウン)殿。ここは西炎(セイエン)国の王后の寝宮で、西陵纈祖(セイリョウケッソ)は静養しながら前庭で遊んでいる2人の孫を見守っていた。静かに書を読んでいるのは王孫の瑲玹(ソウゲン)。片や鳳凰木の鞦韆(ブランコ)で遊んでいるお転婆な娘は外孫の小夭(ショウヨウ)だ。すると瑲玹は出征した父がいつ帰るのか祖母に尋ねた。その時、突然、西炎山の空に暗雲が垂れ込める。西陵纈祖はそれが悲しい知らせだと気づき、衝撃から気を失ってしまう。出征していた四王子・西炎仲意(セイエンチュウイ)が戦死した。瑲玹は父の突然の訃報に呆然と立ちすくんでいたが、墓を閉じる時間になっても王妃・濁山昌僕(ダクザンショウボク)の姿はない。西炎国王は仕方なく墓を閉じるよう命じたが、瑲玹が止めた。すると九王子・西炎夷澎(イホウ)が祖父に口答えした甥を叱責する。その時、ついに真紅の衣をまとった昌僕が現れた。濁山昌僕は夫が九皇子の裏切りで死んだと暴露した。西炎夷澎が私怨で軍報を止めたせいで援軍が間に合わず大敗、夫と6000人に上る若水族の兵士が犠牲になってしまう。しかし国王も夷澎も昌僕が悲しみのあまり錯乱していると取り合わなかった。思い詰めた昌僕は夫と一族の敵を討たねば顔向けできないと訴え、隠し持っていた短剣でいきなり夷澎を刺し殺してしまう。「瑲玹、お別れよ…」すると昌僕は髪に挿していた花を息子に渡した。「いつか愛する人にこの若木(ジャクボク)花を贈りなさい…父上の所へ行くわ」昌僕は瑲玹を突き飛ばして西陵珩(セイリョウコウ)に託し、自ら胸を刺して夫の墓に身を投げてしまう。小夭の母・西陵珩は王后に育てられた愛弟子で、王姫に封じられて皓翎(コウレイ)王に嫁いだ。師匠の看病で西炎国に戻っていたが、このまま朝雲峰に留まって玱玹と小夭を育てるという。「皓翎に戻らないと?」「私と皓翎王は別れました、もはや皓翎王妃ではありません」するとついに西陵纈祖は喀血、死期を悟った西陵纈祖は2人の孫を呼んだ。西陵纈祖は朝雲峰のたった1人の男子である瑲玹に朝雲峰を任せた。今後の苦難の道を思うと胸が痛んだが、小夭は自分が必ず従兄を守ってみせると安心させる。「お前たち2人はお互いを大切にして助け合って生きていくのよ ここで誓ってちょうだい、生涯お互いを信じ、その誠意を疑わないと そしてお互いを思い合い、決して裏切らない…」瑲玹と小夭が復唱して誓いを立てると、王后はその言葉を聞いて静かに息を引き取った。瑲玹は朝雲峰を任されたものの、祖母も両親も失い、裏山で途方に暮れていた。すると従兄弟たちが現れ、後ろ盾を失った瑲玹は寄ってたかっていじめられてしまう。しかしそこに小夭が駆けつけた。「やめなさい!父上に捕らえさせるわよ!」「何が父上だ!お前の母親は皓翎王と別れたんだぞ?!」両親が別れたことを知らなかった小夭は激怒、母譲りの武功で従兄弟たちをボコボコにして追い払った。小夭と瑲玹は鳳凰林で2人だけの約束を交わした。「女子は大きくなったら嫁ぐ、そうなれば離ればなれになるな…」「そうだ、私はずっと妹妹でいる」「じゃあ私は哥哥だ、何があろうと一緒にいよう!」「私たちは永遠に離れない、約束よ?」「約束だ!」そんなある夜、ふいに目を覚ました瑲玹は書卓で泣いている姑姑に気づいた。実は西陵珩は王姫大将軍として出征するよう命じられたという。瑲玹の父の戦死後、西炎国は敗北を喫し、辰栄(シンエイ)軍が城下に迫っていた。「国を守り民を守るのは王姫として当然の務めなの」西陵珩は必ず戻ると安心させ、濁山昌僕が自害に使った短剣を形見として瑲玹に渡した。この短剣は皓翎王が瑲玹の両親の成婚祝いに贈ったものだという。「朝雲峰はあなたたちだけになる、自分と小夭の身は守れるわね? 小夭は…あの子はあなたと少し″違う″、だからしっかり面倒見てやってね」翌朝、西陵珩は自分の持つ知識を収納した首飾りを娘に渡し、すぐ戻ると約束した。小夭は指切りして母を見送ったが、結局、西陵珩も戦死してしまう。西炎王は小夭を玉(ギョク)山へ送り、王母(オウボ)を師として修行させると決めた。玉山は世俗を離れ独立した世界、王母も霊力が強く、亡き祖母の友でもあるという。瑲玹は涙ながらに小夭と離れたくないと叩頭したが、西炎王は小夭の身の安全のためだと言い聞かせた。「今のお前では小夭を守れぬ、ひざまずいてはこの座にたどり着けぬぞ?!」小夭との別れの日、瑲玹は必ず小夭を迎えに行くと約束した。そこで小夭は肌身離さず持っていた九尾狐の尾の飾りを贈り、再会を願って旅立つ。「できるだけ早く迎えにいくよ」「分かった、待ってるから」小夭は瑲玹の前では決して涙を見せなかったが、馬車が出発するとあふれる涙を止められなかった。そして300年後。清水(セイスイ)鎮では村人が集まり、石妖(セキヨウ)の霊石に映る幼い王孫と王姫の悲しい物語に耳を傾けていた。…上古の時代、人間と神と妖が一緒に暮らす世界皓翎国は最も豊かで国力に富み、辰栄国は肥沃な地にして最も民が多く、西炎国は厳格な法と最強の兵力を誇っていたこの三国は三大神族として天下の勢力を三分していたが、300年前、西炎と辰荣が戦となり、西炎王姫大将軍と辰栄国大将軍・赤宸(セキシン)が血戦、共に相果ててしまう結局、敗れた辰栄国は西炎国に下り、これを機に三国鼎立の世は二国の対峙へと様変わりしたこの時、朝雲殿に残されたのが哀れな2人の遺児しかし2人も離ればなれになってしまう…その時、医者の玟⼩六(ビンショウリク)がやって来た。すると小六は薬を買ってくれる客を待ちながら、講談の続きを聞き始める。…朝雲峰の西炎王の后には子供が3人、弟子が1人いずれも文武両道の傑物だったが全て戦場で国に殉じ、残された孫2人も西炎国を追われる運命だった西炎王の王孫は玉山で修行することになった皓翎国の王姫を見送る王姫は別れの形見に玉佩を贈り、再会を願って別れたのだった…「渡したのは玉佩じゃない九尾狐の尾だ…」講談を聞いていた小六はなぜか王姫が王孫に渡した品が違うと知っていた。…王姫は玉山で再び王孫に会える日を待ち続けたしかし王孫は叔父たちの排斥を受け、人質として皓翎国へ送られてしまうとは言え豊かな皓翎の地は他郷ながら王孫にとって第二の故郷となり、今は二王姫を連れて遊歴しているという…ちょうどその頃、清水鎮に九尾狐の尾を持った青年・軒(ケン)の馬車が到着した。一見、平凡に見える清水鎮。しかし善悪混交の地と呼ばれ、西炎国からも皓翎国からも支配を受けない化外(ケガイ)の地だという。すると面紗で顔を隠した妹・阿念(アネン)は、何が現れても五神山で飼い慣らしてみせると自信を見せた。軒は市場にいた娘の額にある花鈿(カデン)を見て慌てて追いかけた。「失礼、人違いでした…」ふと気がつけばその娘だけでなく、市場にいる若い娘は皆、額に小夭と同じような花鈿があった。つづく
2024.03.19
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第17話「あざとさ対決」雲寒(ユンハン)は皇太子の元で療養していたが、その夜、ようやく雲中居に戻った。すると配下から青楽(セイガク)が姿を消し、部屋の私物も全て消えてしまったと聞く。…誰の仕業だ?…楽陽(ラクヨウ)長公主と次女・謝瑶(シャヨウ)を乗せた馬車が玉京に到着した。通りがかりの民は横暴な侍衛に眉をひそめたが、これに気づいた侍衛が激高して鞭を振り上げる。しかし鳶尾(エンビ)が咄嗟に露店にあった熊手に鞭を絡めて阻止した。「万国朝拝会も近いのに、こんな横暴は許さないわ!」楽陽は何の騒ぎかと馬車を降りた。すると花琉璃(カリィウリ)が現れ、乱暴を働いた長公主の侍衛を知玉京(チギョクケイ)府に引っ立てるという。「長公主の私に逆らうとは…誰か!」楽陽は激怒したが、その時、皇太子のお出ましを知らせる前触れが聞こえた。楽陽はすっかり立派になった皇太子の姿に目を細めた。すると姫元溯(キゲンソ)は叔母ではなく琉璃の肩を持ち、無道な侍衛を連行するという。楽陽は皇太子の手前、おとなしく了承し、花県主に対抗して娘の謝瑶(シャヨウ)を呼んだ。「太子哥哥~瑶瑶です、覚えていらっしゃいますかぁ?」(* ー̀ωー́).oO(な~にが瑶瑶だよ~チッ!謝瑶は確かに美しい娘で、そのあざとさは琉璃と良い勝負だった。そこで謝瑶は猫撫で声で皇太子に玉京を案内して欲しいと頼んだが、元溯は花県主を送るので時間がないと断り、2人仲良く帰ってしまう。皇太子が琉璃を花府まで送り届けた。衛明月(エイメイゲツ)は娘を心配し、皇太子への気持ちが男女の情なのかそれとなく確認する。すると琉璃は皇太子が他の女子といるのが許せないと言った。衛明月は娘の皇太子への想いを確信し、困惑してしまう。「琉璃、あなたの想いを成就させてあげたい、でも婚姻は簡単なことではないわ」琉璃は鴻臚寺卿(コウロジケイ)として万国朝拝会の準備に忙しい毎日だった。すると鳶尾が慌てて鴻臚寺に駆けつけ、皇太子が謝瑶を連れて西郊へ来たと報告する。ヒソヒソ…(ノ°д°(; ̄Д ̄)<何だって?!その頃、皇太子と謝瑶は露店の串焼き屋にいた。しかし謝瑶は串焼きが兎の肉だと聞いて驚愕、店主に言いがかりをつける。聞けば花県主が店主に直伝の味を伝授し、店を持たせていた。「考えもなしに店を持たせるから売れないのよ」「いいえ、売れています!」店主は皇太子に店を潰されるのを恐れたが、姫元溯は何も問題ないと安心させた。荒れていた西郊の町が花県主の力で繁栄し、万国朝拝会のあとにはさらに繁盛するはずだという。そこで元溯は自分も串焼きを食べて見せたが、その時、琉璃の冷たい視線に気づいた。姫元溯は従者に謝瑶を任せ、琉璃の後を追いかけた。「琉璃?」「やっぱり陛下の命で謝家の二小姐を娶るんでしょう?!」「…初耳だが?」驚いた元溯は慌てて父皇に謁見、謝瑶との縁談など考えないよう訴えた。皇帝はならば誰なら良いのかと尋ね、皇太子の想い人が花琉璃だと知る。一方、雲寒は再び太師府に忍び込み、恩人である杜琇瑩(トシュウエイ)に絵を贈った。ひとつは病状が思わしくない杜太師のために松の名画を、もうひとつは自分が帰ってから独りで見て欲しいという。実はその絵は雲寒が描いた杜琇瑩の姿絵だった。裴済懐(ハイセイカイ)は青楽の荷物から毒を発見、これで雲寒を操っていたと分かった。「殿下、ここまで調べ上げたのです、あと一歩で一網打尽にできます、雲寒に直接、聞けば…」しかし姫元溯は追い詰めずに雲寒を救いたいと譲らない。裴済懐は引き下がるしかなかったが、人知れず悔しさを滲ませていた。…雲寒よ、なぜ殿下を苦しめるのだ…順安(ジュンアン)公主は犬猿の仲である楽陽長公主に思わぬ天敵が現れたと知って上機嫌だった。「琉璃は大したものね~さすが衛将軍の娘だわ」すると装飾店で娘と買い物中に楽陽と謝瑶が現れ、かんざしを横取りされてしまう。2人は言い争いから揉み合いになり、順安が倒れそうになった。そこへちょうど琉璃が現れ、順安公主を助けて加勢する。「順安公主、大丈夫ですか?!楽陽長公主、何も乱暴しなくても…」「何もしてませんけど!」琉璃は田嘉敏(デンカビン)に泣くよう指示、順安公主にもそれとなく合図した。「(はっ!)順安公主、侍医に見せないと…頬が腫れて来ましたよ?!」「本当?!キィー!陛下に言いつけてやる!」皇帝は姉妹喧嘩にへき易し、現場にいた花県主に見解を聞いた。すると琉璃は人情からすれば楽陽長公主は罰に値しないとかばい、その代わり屈辱を受けた順安公主には皇帝が埋め合わせしてはどうかと進言する。そこで皇帝は順安を長公主に封じ、事態を丸く収めた。田嘉敏は琉璃のおかげで母の悲願だった長公主の封号を賜われたと感謝した。「でも顔の赤みはどうして?」「店にあった頬紅よ(コソッ」すると宮道で楽陽公主と謝瑶が待ち構えていた。謝瑶は別人のように声を荒げて琉璃を非難し、皇太子が娶るのは自分であり、失脚した花家の娘など相手にならないと蔑む。しかし嘉敏が花家の功労は周知の事実、皇帝もいずれまた花将軍を任用するはずだと言い返した。「…ありがとう、嘉敏姐姐、優しいのね」そこへ総管の趙三財(チョウサンザイ)が駆けつけ、皇帝が花県主に聖旨を下したと告げた。「民に尽くした功績を認め花琉璃を郡主に封じ、封号を福寿(フクジュ)とする」(* ゚ェ゚).oO(福寿?って…ダサッ楽陽は怒りが収まらず、屋敷へ戻ると駙馬の謝臨州(シャリンシュウ)にまで八つ当たりした。「この役立たず!…連中を殺して!今すぐに!」「何と罰当たりなことを言い出すのだ?」「君子ずらしないで!ふん、刺客を雇っているくせに!」謝臨州は夫人の思わぬ言葉に激怒、ついに本性を現し、楽陽の細い首を締め上げた。「人の秘密は知らぬほうがいい…」すると謝臨州は妻と娘を部屋に監禁してしまう。一方、激務に追われる琉璃は金珀(キンハク)国の使臣が未だ到着していないと聞いた。万国朝拝会の目玉は金珀国との和議、しかし予定すら知らせて来ないという。すると琉璃は金珀の使臣が第二皇子・賀遠亭(ガエンテイ)だと知り、必ず来るはずだと言った。つづく(  ̄꒳ ̄)お?黒幕はもしや突然、現れた駙馬?
2024.03.19
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第16話「愛の証しは使いよう」花琉璃(カリィウリ)を裏山へ呼び出し、ようやく会うことができた姫元溯(キゲンソ)。聞けば琉璃は次々と到着する各国の使臣を出迎え、龍井(リュウセイ)坊の客舎に案内してもてなしていたという。すると自分からの差し入れとも知らず、琉璃は二兄からもらった菓子だと言って御裾分けした。元溯は琉璃への贈り物を全て家族に渡す羽目になったが、無事に琉璃へ届いたと知り安堵する。「もし余が贈った装身具を衛(エイ)将軍が好まなければそなたが使うといい 実はあの蝶々のおかげで夢の中で亡き母と会えたのだ」琉璃は皇太子が弔っていた特別な人が想い人ではなく亡き皇后だと分かり、急に胸のつかえが下りた。一方、雲寒(ユンハン)は杜琇瑩(トシュウエイ)の献身的な看病のおかげで一命を取り留めた。「杜小姐はか弱き淑女かと思いきや、君子の風格を備える方だったのですね…敬服します」「お気になさらず、誰でも見誤ることはあります」杜琇瑩も雲寒が危ない橋を渡っていると分かったが、知音を求める琴の音には義の心を感じたという。すると雲寒は杜琇瑩に呼び笛を託し、花県主に預けて皇太子に届けて欲しいと頼んだ。裴済懐(ハイセイカイ)は大理寺の牢に現れた金珀(キンハク)国の二皇子・賀遠亭(ガエンテイ)を尾行、隠れ家を見つけた。すると賀遠亭が歓待している相手が青楽(セイガク)だと分かる。青楽は雲寒が協力を拒んで目下、逃亡中だと知り、主に報告して必ず始末すると約束した。その時、賀遠亭は窓紗に映る怪しい人影に気づく。侍衛は窓を突き破って飛び出し、舞姫・絳紗(コウサ)も加勢したが、結局、曲者に逃げられてしまう。姫元溯は負傷して安康苑(アンコウエン)に戻って来た裴済懐を手当した。なんでも青楽という侍従が雲寒を売り、その背後に皇太子が探している黒幕がいるという。雲寒は自分たちをかく乱させるため、嘘の報告で花県主を見張らせていた。「殿下、今こそ決断しては?」「青楽を殺せ、荷物も全て運び出すのだ、跡形もなく消せば雲寒の身の安全を確保できる」元溯は雲寒が賀遠亭と手を組まないのであればまだ自分の友だと寛大だった。実は都に潜ませた間者を始末したのも雲寒の指示だったと気づいていたという。しかし雲寒は主の目をごまかしつつ、疑わしい手がかりを残して自分に調べさせたと分かった。…雲寒、余はそなたを信じておる、決して裏切るなよ…翌朝、杜琇瑩は花家に琉璃を訪ね、呼び笛を託した。「実は太子殿下にこれを渡して欲しいの…あ、誤解しないで、愛の証しではないわ」( ゚д゚)はあ?@うさぎ風琉璃は″愛の証し″が何かわからず困惑した。杜琇瑩の話では男女が恋に落ちると贈り物を交わすのだという。「とにかく私は太子殿下に想いを寄せているわけではないの、渡してくれれば分かるから」琉璃は安康苑に皇太子を訪ねた。愛を込めた物なら例え菓子でも愛の証しになると知った琉璃、すると急に皇太子を意識して恥ずかしくなってしまう。やがて琉璃の来訪を聞いた皇太子が書斎から出て来たが、琉璃は杜琇瑩から預かった呼び笛を渡すと逃げるように帰って行った。…杜小姐がなぜこの笛を?…琉璃は自分の気持ちに気づき、鳶尾(エンビ)に皇太子が好きだと告白した。しかし鳶尾は歯牙にも掛けない。「殿下がお好きだと?…じゃあ私は?」「好きよ」「二公子は?」「好きよ?」「ほら、好きな人は大勢います、ひとり増えただけで大袈裟な~」雲寒は杜琇瑩に感謝し、回復次第、速やかに出て行くと伝えた。実は杜(ト)太師が老体の上、風邪を引いてしまい、使用人たちも看病に掛りきりで運が良かったという。「実は太子殿下と私は…」「言わないで、あなたの秘密なら秘めたままに…」杜琇瑩は雲寒との別れが近いことを寂しく思いながら、薬草の整理に戻った。英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)は気がつくと郡主・田嘉敏(デンカビン)のことを考えるようになっていた。すると龍井(リュウセイ)坊で花県主と出くわす。琉璃は愛の証しを有効に使おうと思いつき、特別に作った英王人形を渡して郡主に贈るよう助言した。しかし相変わらず鈍い英王は全て説明しないと理解できない。「だーかーらー、嘉敏姐姐(ジェジェ)がこの人形を好きなんです 殿下ご自身が買ったことにしてください」「なぜだ?」(`ω´(`ω´ )<もう!黙ってやれ!その夜、雲寒は呼び笛で目を覚ました。書卓で眠り込んだ杜琇瑩を起こさないよう屋敷を出た雲寒、すると門前で皇太子が待っている。「殿下…自らお越しにならずとも…」「言ったであろう、お前がどこにいても必ず探し出すとな、余は約束を違えぬ」一方、杜琇瑩はふと目を覚まし、雲寒がすでに出て行ったと知った。「黙って去るなんて…」しかし書卓に置き手紙と″寒″と彫られた玉佩を見つける。…嫁荷の足しにされたし…姫元溯は侍医に雲寒を診せた。すると侍医は手当してくれた人のおかげで後遺症もなく、静養すれば回復するという。雲寒は皇太子と2人だけになってから、恩人が杜琇瑩だと明かした。実はあの日、偽の知らせを受けて賀遠亭に会ったという。しかし元溯は玉京に潜入した賀遠亭を見張っていたため、すでに全て承知していた。「よくやった、休んでくれ」姫元灝は尚書府を訪ねたが、田嘉敏は会ってくれなかった。しかしあきらめずに屋敷の前で待っていると、ようやく出先から戻って来た嘉敏を捕まえる。「先日、ある物を見つけたのでそなたに贈ろうかと…」嘉敏は英王の人形をもらって大喜びだった。すると姫元灝は自分でもよく分からないが、郡主に会えないと悲しい気持ちになるという。「つまり…どういう意味ですか?」「つまり…その…思うに…そういう意味だ」琉璃は両親の目を盗み、また裏山で皇太子と会っていた。しかし今日の姫元溯はどこか元気がない。「心配事でも?」「10年もの間、信頼していたが、敵の回し者とは思わなかった だが敵だと分かっても、どこか心が揺らいでいるようにも見える」すると琉璃は相手が揺らいでいるなら完全な味方にしてはどうかと助言した。そんなある日、金州刺史の任務を終えた謝臨州(シャリンシュウ)が玉京に戻って来た。謝駙馬は楽陽(ラクヨウ)長公主の夫で杜太師の愛弟子、朝臣たちは駙馬がこのまま都に残るのかどうか噂する。一方、賀遠亭は青楽が死んだと聞いた。どうやら皇太子が早くも嗅ぎつけたらしい。「居を移さねば…」万国朝拝会を前に楽陽長公主が次女・謝瑶(シャヨウ)を連れて帰京することなった。街では長公主が惜しまれて亡くなった長女・謝嬋(シャセン)の代わりに妹を皇太子に嫁がせるつもりだと噂が広まったが、これを耳にした琉璃は面白くない。つづく( ๑≧ꇴ≦)リーフェイ!
2024.03.18
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第15話「険しい恋路」金珀(キンハク)国の二皇子・賀遠亭(ガエンテイ)の配下は雲寒(ユンハン)を金雀通りで見失った。金雀通りと言えば重臣の屋敷が集まる場所、雲寒は賀遠亭たちが近づけないと分かって紛れたのだろう。「別の方法を考える」その夜、賀遠亭は大理寺の官吏に賂を握らせ、投獄された阿瓦(アガ)と面会した。「もう少し我慢してくれ…花琉璃(カリィウリ)の私への想いに賭けてみる」阿瓦は小賢しい花琉璃のこと、別の陰謀があると警戒したが、賀遠亭は自分が花琉璃の想い人だと信じて疑わなかった。そこで見張りに聞こえないよう阿瓦に指示を出して牢を後にする。しかしその様子を物陰に潜んでいた皇太子・姫元溯(キゲンソ)と裴済懐(ハイセイカイ)が見ていた。「新たな暗殺計画を企てているのだろう、引き続き花県主を見張れば良い 余が守ってやりたいのだ」翌朝、琉璃は朝議に出る父と一緒に屋敷を出た。すると大街で待ち構えていた姫元溯が花府の馬車を止め、自分の馬車が壊れたので乗せて欲しいと頼む。琉璃は父の手前、断ったが、元溯は将軍が一緒だと気づかず、強引に車に乗り込んでしまう。(; ^ꇴ^)これは太子殿下…( ̄▽ ̄;)あ…パパも…(; ˇωˇ ).oO(だから断ったのに…皇帝は凱旋した花応庭(カオウテイ)をねぎらい、何か職務を与えたいと考えた。しかし文官たちが遠回しに反対、すると花応庭は朝廷の混乱を避けるため隠居を申し出る。「虎府を返上いたします」花応庭の潔さは文官たちを黙らせ、花家軍糾弾の急先鋒だった杜(ト)太師も将軍の英断に敬意を示した。父の隠居は母の承諾あっての決断だった。愛する父の失脚に深く傷つく琉璃、すると翌朝、琉璃を心配した姫元溯が花家にやって来る。門衛の報告では皇太子が二公子を訪ねて門前に到着したというが、花応庭は本当の目当てが琉璃だと気づいた。花応庭は夫人と息子に出迎えを任せ、急いで琉璃を追い出すことにした。「万国朝拝会に顔を出しなさい、昼も戻って来るな、秘密の通路から行け」「なぜコソコソするの?」「役人は戦や行軍のごとく静かに素早く動くものだ」( ゚д゚)はあ?@うさぎ風一方、花長空(カチョウクウ)はさして親しくもない皇太子がなぜ自分に会いに来たのか分からなかった。花応庭と衛明月(エイメイゲツ)は表向き皇太子の来訪を歓迎した。すると姫元溯は科挙を受ける花長空のために書物を届けに来たという。しかし差し入れには琉璃の好きな本や菓子が入っていた。元溯は花長空の息抜きのためだとごまかしたが、琉璃はいつまで経っても顔を出さない。それもそのはず、琉璃は摩斯(マシ)国の使臣の出迎えで城門にいた。…各国が父の引退を知ったら、また縉(シン)国を狙うかも…郡主・田嘉敏(デンカビン)は英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)に悪態をついたものの、英王のために開いた群英食肆(グンエイショクシ)が気になっていた。そこで店の様子を見に出かけたが、店内に入る勇気がない。すると偶然、英王が現れ、郡主を食事に誘った。田嘉敏は花将軍が退官したと聞いて驚いた。すると姫元灝はこれで花家の増長を恐れていた母の不安も解消され、花県主も心置きなく自分に嫁げるという。「花県主は大きな犠牲を払ったのだ、その期待に応えねば…」( ゚д゚)はあ?@うさぎ風嘉敏は激怒、この店の損失は約束通り英王が埋めろと帳簿を投げ渡し、帰ってしまう。姫元溯は何かと理由をつけて居座り、琉璃の帰りを待った。花応庭と衛明月はやはり皇太子が娘に会いにきたと確信したが、宋光(ソウコウ)の話では皇太子の一方的な思い込みではないという。「娘は成長すれば嫁いで行くものよ、でも本当に琉璃が太子を好きだとしたら…」衛明月はあの気性が荒いと評判の皇太子と娘がうまく行くとは思えなかった。琉璃が屋敷へ戻ると宋光が待っていた。何でも父が好物を作ったので部屋に持って行くという。一方、姫元溯は花家で夕餉までご馳走になっていた。「県主を待たなくていいのか?」衛明月はまだ戻っていないと嘘をつき、花家では女が発言権を持つと牽制した。しかし姫元溯は驚く様子もなく、当然だと笑う。実は花応庭はかつて皇太子の剣術の教官だった。花家が辺境へ越してから新しい教官が来たが、花将軍には到底、及ばなかったという。元溯は当時の恩に感謝して一献し、花将軍と酌み交わすうち酔い潰れてしまう。その頃、琉璃は皇太子からの贈り物とは知らず、差し入れの菓子を食べながら本を読んでいた。花応庭は皇太子に皇帝への贈り物を託して追い返すことにした。仕方なく姫元溯は歓待に感謝して引き上げたが、中庭で琉璃の部屋に灯りがついていると気づく。…頑として会わせぬ気だな?…そこで元溯は小八(ショウハチ)に紙と筆を持って来るよう命じた。琉璃の部屋に誰かが石を投げ込んだ。すると石を包んでいた紙に″後山″と書いてある。「裏山?」つづく( ゚ェ゚)これ…ずっとこんな調子なのかしら?
2024.03.17
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第14話「花家軍の凱旋」雲寒(ユンハン)を誘き出したのは金珀(キンハク)国の第二皇子・賀遠亭(ガエンテイ)だった。賀遠亭は10年前の戦を調査するうち、縉(シン)国と金珀国を戦わせて漁夫の利を得ようとした黒幕の存在を突き止める。「その者は貴殿の主だな?10年もの間、太子の元にいて気づかれぬとは…」そこで賀遠亭は自分と手を組むよう迫ったが、雲寒は突っぱねた。雲寒は賀遠亭たちに応戦するも多勢に無勢、深手を負って逃げるしかなかった。しかしこの怪我では金玲苑(キンレイエン)に戻ることもできず、ちょうど目についた太師府に侵入する。太子府は知音である杜琇瑩(トシュウエイ)の屋敷だった。「雲公子?どうしたのです?!」「杜小姐…」雲寒は密かに杜琇瑩の部屋を訪ねたが、理由も説明できないまま倒れてしまう。今日は上巳節、姫元溯(キゲンソ)は縁談をせつく父皇の小言もそこそこに花神廟へ出かけた。…母上、どうか来世では皇族には生まれ変わらぬように、平凡な家から良い人に嫁いで生涯、幸せに添い遂げてください…すると参拝を終えた元溯は偶然、お礼参りに来た花瑠璃(カリィウリ)と出会した。「ここは初めてであろう、余が案内しよう」琉璃は皇太子と散策しながら、なぜここへ来たのか聞いた。すると姫元溯は故人に灯明を上げたという。「来世の幸せを祈ってな…余にできることはそれしかない」琉璃は故人が皇太子にとって特別な人なのだと気づき、想い人に違いないと誤解した。そこで銀杏の葉を結んで作った蝶々を渡し、黄泉の国にいる蝶々は迷える魂を道案内してくれると教える。「それに故人への想いを届けてくれるとか…枕の下に入れてお休みください」元溯は琉璃の心遣いを喜び、今夜は2人で孔明灯を飛ばそうと誘った。琉璃は展望台で皇太子に″発発(ファーファー)″を刺繍した手巾を贈った。「殿下…辺境で亡くなった兵士たちの魂も家に帰れるでしょうか?」「もちろんだ、孔明灯をともせば必ず分かる、家はここだと…」故人の魂を慰めながら夜空に舞い上がる2つの孔明灯を眺める琉璃と元溯。その頃、田嘉敏(デンカビン)も孔明灯を上げるため、従姉の杜琇瑩と親友の姚文茵(ヨウブンイン)3人で出かけていた。すると宮道でばったり英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)と一緒になる。しかし英王は開口一番、昼間に花県主に会ったと報告した。廟でたまたま会っただけの話だったが、嘉敏は英王が琉璃を追いかけていると誤解、激怒する。「どうぞご自由に!このかい性なし!」嘉敏は激情に駆られ、思わず英王の足を蹴飛ばして引き返してしまう。田郡主がなぜこんなに怒っているのか皆目見当もつかない姫元灝。仕方なく侍衛の金瓜(キンカ)と銀瓜(ギンカ)が″嫉妬″だと教えた。その夜、姫元溯は本当に母の夢を見た。『元溯、私は行かなければ…過去は手放すのよ?いいわね?』母はまだ幼い息子にそう言い残し、消えてしまうすると成長した元溯の前に琉璃が現れた『殿下…全て思い通りになります』翌日、元溯は熟睡したせいか久しぶりに寝坊した。琉璃は尚書府に郡主を訪ね、特別に作った田嘉敏の人形と引き換えに皇太子の情報を引き出すことにした。「太子殿下と親しい女子は誰?」「あなたでしょう?」「そうじゃなくて…太子殿下の想い人の話を聞いたことがない?」「だからあなたでしょう?!」しかし琉璃は自分ではなく、恐らく美人で教養があり、若くして亡くなった令嬢だという。すると嘉敏が思い出した。「都にはいないけれど、条件に当てはまるのは楽陽(ラクヨウ)長公主と謝(シャ)駙馬の長女・謝嬋(シャセン)ね 子供の頃から病弱で2年前に亡くなったわ 毎年、二月は家族で都に滞在していた、都で病にかかって、侍医を集めても助からなかったの 都に滞在する間は太子殿下とも親しくしていたわ」一方、姫元溯は雲寒が戻らず、裴済懐(ハイセイカイ)を牢獄から出した。しかし裴済懐は肝心な花琉璃と賀遠亭の関係を聞き出せず、罰として耳に錘を下げられてしまう。琉璃は両親たちを出迎える準備に忙しかった。久々に家族と再会できるとあってお洒落に余念がない琉璃、実はその頃、姫元溯も花家軍の出迎えのため早々に東宮を出ていた。しかし途中で城門へ急ぐ花府の馬車を見かけ、自分たちは城内で待つと命じる。朝臣たちは礼儀に反すると困惑したが、元溯は最初に再会するのが家族であるべきだと考えていた。花家軍が凱旋、琉璃は家族と再会を果たした。琉璃は両親を心配させまいと何不自由なく暮らしていると笑ったが、花応庭(カオウテイ)と衛明月(エイメイゲツ)はすっかり痩せた娘の姿で苦労したのだと気づく。すると軍営を去った宋光(ソウコウ)が将軍に拝礼、花応庭は再会を喜んだ。琉璃は国のために戦った花家軍に出迎えも寄越さない皇帝に深く失望した。しかし城内に入ってみると、皇太子が朝臣を従え、民衆たちと共に花家軍を出迎えてくれる。「護国大将軍の凱旋を心よりお迎えいたします」花府に家族が揃った。琉璃は″花花香飲(ファファコウイン)舗″という店を開き、民を助けて鴻臚寺卿(コウロジケイ)に選ばれた経緯を説明したが、母はそれだけかと訝しむ。「そうなるまでに誰かの恨みを買ってないの?私たちが謝りに行くべき場所はない?」「私が問題を起こすと思うの?」思う!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ一方、文官たちは花家軍の出迎えが貧弱だったことに安堵していた。杜琇瑩は雲寒のため、嫁荷を質に入れて高価な人参を手に入れた。そこで側仕えの侍女に見張りを任せ、雲寒に薬湯を飲ませることにする。「当分、ここで静養してください」つづく(^ꇴ^)リーフェイが戻ってきた!(←何が?w
2024.03.17
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第6話「″女たらし″の素顔」不審者の残り香を突き止めたものの、その白粉を誰が買ったのか分からない李颯颯(リーサーサー)。そんな中、右教坊の楽師たちが陸景年(ルージンニエン)に李茹娘(リールーニャン)を追い出すよう訴えたことが分かった。颯颯は犯人がわざと自分を誘き出して濡れ衣を着せたと気づいたが、頭が回る陸景年のこと、何かしら手を打つはずだと期待する。しかし陸景年は動揺する楽師たちの心を和ませたいと、1人ずつ呼び出しては親密そうに話していた。颯颯は陸景年が楽師たちを口説いていると勝手に誤解し激怒した。そこで楽師たちに陸景年が女子をそそのかしていると訴え、距離を置くよう忠告する。楽師たちは困惑し、陸景年は親身になって自分たちの相談に乗ってくれただけだと説明した。颯颯は陸景年を見誤り、状況がますます悪化した。焦った颯颯は陸景年を訪ねて言いがかりをつけたことを謝罪、仕方なく例の白粉の件を明かす。「教坊で火事が起きた時、この香りがしたわ 買った人の名簿があるけれど、でも店主が教えてくれない…だからしらみつぶしに犯人を探す」「だったら私が会った楽師たちは除くといい」颯颯はようやく陸景年もあの独特な香りに気づき、女たらしのふりをして楽師たちを探っていたと分かった。そんなある日、颯颯は月琴担当の欣児(シンR)が教坊に現れた追っかけをぼこぼこにしている様子を見かけた。しかし涙に弱い欣児は男が泣き出すと見逃してしまう。「…彼女が気に入ったわ」欣児が知味(チミ)楼で食事を楽しんでいると、また追っかけの男が現れた。どんなに殴ってもあきらめない男にへき易する欣児、そこへ突然、李茹娘が現れ、病弱な姉を装う。「承諾したらどう?…ゴホゴホッ…これで借金に奔走しなくて済む 私の病も一向に治らないし、妹妹が援助してくれると助かるわ~」すると驚いた男は尻尾を巻いて逃げ出してしまう。颯颯は男の弱点が金だと気づいて見事に男を撃退、喜んだ欣児はこれから助け合おうと約束した。陸景年は女主に色目を使い、見事に杏仁芙蓉粉(キョウニンフヨウコ)の購入者名簿を手に入れた。そこで李茹娘だけに犯人の名を明かし、楽師たちには放火犯の手がかりをつかんだと噂を流す。「何でも杏仁芙蓉粉という白粉と関わりがあるそうよ」その夜、陸景年は妙音(ミョウイン)閣の屋根に登って警戒していた。すると茹娘が現れ、隣に座る。「ここなら誰にも見つからないわね」「君に見つかった…」颯颯は陸景年がどこか寂しそうだと気づき、犯人を捕まえることで教坊の団結が崩れるのを心配していると分かった。颯颯は陸景年の酒をもらうことにした。しかし景年は杯がないと言う。颯颯は気にせず酒瓶ごと奪って直接、飲んだが、景年は唖然となった。「ん?どうかした?(まさか間接キスだと思ったの?意外にうぶなのね)」「いや、酔って落ちないか心配で…」やがて颯颯は強い酒のせいか陸景年の肩を借りて居眠りしてしまう。陸景年は茹娘を起こすこともできず、緊張したまま耐えていた。颯颯はすぐ目を覚ましたが、ふいに景年の耳元に手を伸ばす。「何をする?!」驚いた景年は咄嗟に避けた。「髪が乱れていたから…あ、首が赤くなってるわよ?」颯颯は陸景年が平静を装っているだけで、実は耳が真っ赤になってしまうほど純情だと分かった。そこでわざと顔を近づけてみると、陸景年は茹娘の美しさに翻弄されまいと必死に牽制する。「私を真面目な君子だと思わないほうがいい」「君子じゃない陸郎君がどんな感じか知りたいわ~」その時、2人は慌てて出かける錦瑟(ジンソー)の姿を見つけた。錦瑟は証拠となる白粉を処分しようとしたが、李茹娘と陸景年に捕まった。実は火事は故意ではなく、選抜への参加を阻止するため戸籍を探しているうち、うっかり燭台を倒してしまったという。颯颯は戸籍に何の関係があるのか分からなかった。陸景年の話では元宵節での演奏は皇族・各国使節の前で演奏するため、楽師は身分を調べられ、戸籍がなければ参加できないという。もちろん再発行できたが、手続きに3ヶ月から半年かかり、今からでは間に合わなかった。「でも席を外した者を尋ねた時、誰もいなかったと…」あの時、錦瑟は支給された衣の裾が敗れたので縫って来ると伝えたため、楽師たちは出かけたと気づかなかった。錦瑟は蘇宗辰(スーゾンチェン)から買収されていた。父が急な病で実家の蓄えが底をつき、裕福な左教坊を頼ったという。陸景年は真面目に努力して来た錦瑟を役所へ突き出すことなどできず、蘇宗辰から借りた金を肩代わりして故郷の教坊への推薦状を出した。錦瑟は蘇宗辰に金を返し、事が露見したため都を離れると伝えた。しかし蘇宗辰は陸景年が好色で策略家と信じて疑わず、また出し抜かれたと恨みを募らせる。一方、景年は楽師たちの戸籍を確認していた。…蘇宗辰に真相を知られなくて良かった、元宵節まで隠し通せればいいが…そこへ生金が慌てて駆けつけた。「陸郎君!大変で~す!…小狐狸が酔仙(スイセン)楼で食事をと…」つづく( ゚ェ゚)楽師が誰が誰なのかさっぱり覚えられないw
2024.03.16
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第5話「火事と不審者」左教坊の副使・蘇宗辰(スーゾンチェン)は宴を開いて李茹娘(リールーニャン)を歓迎することにした。しかし茹娘は当日になって文一枚で約束を反故にし、右教坊へ行ってしまう。一方、陸景年(ルージンニエン)は急に態度を変えて右教坊へ入った茹娘を警戒していた。生金(ションジン)は茹娘の陸景年を見る目が変わったことから、恐らく惹かれたのだという。「今さらか?」「確かに…でも訝しむならなぜ小狐狸を?」「琵琶(ピパ)に代わる楽器はない、技量も素晴らしい」そこで陸景年は茹娘を練習に参加させず、数日ほど放置して気勢をそごうと考えた。本当に何か企んでいるならすぐ尻尾を出すだろう。教坊使・宇巡安(ユージュンアン)は李茹娘が右教坊へ入ったと知り、陸景年を心配して酒楼へ呼び出した。自分の教え子でもある陸景年の活躍を期待している一方で、教坊間での争いが絶えず、心配だという。「お前と蘇宗辰は昔から仲が悪い、だが利に走っては災いを招くぞ? 面目を潰された蘇宗辰は恨みを募らせるだろう」しかし陸景年はそもそも争う気などなく、自分でもなぜこうなったのか分からないという。「肝に銘じます」陸景年は火傷の痕に薄紗を貼って隠していた。李颯颯(リーサーサー)は陸景年が茹娘の想い人だと目星をつけたが、腕比べでの合奏では息が合った感覚がない。「できるだけ早く調べなくては…」そんな時、陸景年の従者・生金が新人の使用人・緑籮(リュールオ)に片思いしていると気づいた。そこで颯颯は女子を口説き落とす方法を教える代わりに陸景年の情報を聞き出すことに成功する。実は陸景年は教坊に着任するまで茹娘の日記にあった″下馬陵(カバリョウ)″に住んでいた。…やはり想い人は陸景年のようね…生金は掃除も忘れて早速、颯颯の虎の巻を読んでいたが、その時、楽器室から火の気が上がった。蘇宗辰は右教坊から楽師の戸籍を探すよう手を回したが、従者からしくじったと聞いた。何でも戸籍の箱の中は空だったという。「空だと?…なるほど、警戒していたわけか」戸籍の証書は楽師の身分を示し、証書がなければ元宵節の舞台には上がれない。蘇宗辰は選抜までに必ず証書を破棄するよう命じ、右教坊の参加を阻むことにした。陸景年は楽器だけでも救おうと燃え盛る部屋に飛び込み、気を失った。景年を助けた颯颯は医者を呼ぼうと言ったが、生金の話では火の恐怖症なので治しようがないという。「誰にも言うなよ?私も詳しくは知らないが… 郎君はかつて火事から琵琶弾きの娘を救い出し、その時に首の後ろをやけどしたんだ」すると景年が目を覚まし、おしゃべりな生金を叱った。颯颯は人気のない中庭に出ると、茹娘の日記を確認した。…下馬陵の火事で私を救った素敵な人、彼は私を助けて首にやけどを負った…「でもなぜ人助けを隠す必要があるのかしら?」翌日、回復した陸景年は昨夜の火事が事故だと伝えた。しかし生金には放火だったと明かす。最も疑わしいのは蘇宗辰、恐らく戸籍証書を狙ったのだろう。「蘇宗辰に気づかれたと?!」「まさか、だが用心しないと…保管場所を変えておいて良かった」陸景年は生金がなぜ楽器部屋の掃除に行かなかったのか聞いた。生金は茹娘と話し込んでいたと答えたが、わざと引き止められたのかもしれないと誤解する。まだ茹娘と蘇宗辰がグルだという証拠はないが、景年は茹娘にも何か魂胆があるはずだと怪しんだ。陸景年は茹娘を牽制した。「想定外にも茹娘が右教坊へ入ってくれたが、もっと想定外だったのは火事だ」颯颯は景年の含みのある言い方で自分が疑われていると分かった。このままでは現代に戻るどころか陸景年に近づくことさえできない。颯颯は相変わらず練習にも呼んでもらえず、妙音(ミョウイン)閣で楽師たちの様子を眺めながら悶々としていた。すると休憩に入ったところで楽師の独りが急いでどこかへ出かけて行くのを目撃する。颯颯は急いで後を追ってみると、誰かが陸景年の部屋に入った。そこで曲者を捕まえようとしたが、うっかりつまづき、その間に逃げられてしまう。その時、運悪く陸景年が現れた。颯颯は怪しい人影を見たと訴えた。すると陸景年は茹娘を連れて妙音閣に戻り、犯人は楽師の中の誰なのか尋ねる。しかし颯颯は黒い外套を頭からかぶった曲者の後ろ姿しか見ていなかった。そこで景年が楽師たちに席を外したものがいないか聞いたが、楽師たちはいないという。「君が来てから火事に不審者に教坊は騒動続きだ!楽師まで侮辱した! …皆、いいか?悪事を働く者は許さない!突き止めたら誰であろうと追い出す!」生金は陸景年に茶を差し入れながら、李茹娘が犯人とは限らないとかばった。確かにずる賢いところがあるが、卑怯な真似をするとは思えないという。「目端が利くな」「なんだ、わざと怒って見せたのですか?」景年は楽師たちの前で茹娘を責めれば、犯人が安心してまた動き出すと考えていた。「そうだ、女物の白粉に詳しいか?」実は火事の時に楽器室で独特な香りがしたが、今日も自分の部屋で同じ香りがしたという。一方、颯颯も陸景年の部屋の珍しい残り香に気づいていた。翌日、颯颯は早速、白粉探しを始めた。しかしなかなか探している香りは見つからない。「ここにもないわ…」すると女主が自分の店には全種類揃っていると自信を見せた。「名前は分からないの、でも残り香が少し渋い」「それは杏仁芙蓉粉(キョウニンフヨウコ)かしら?お目が高いわね」颯颯はついに犯人の香りを見つけた。そこで購入した客の名簿を見たいと頼んだが、女主に断られてしまう。そんな中、右教坊で楽器室の火事が放火で、李茹娘の仕業らしいと噂が流れた。欣児(シンR)だけは証拠がないと相手にしなかったが、楽師たちは不安を募らせ、陸景年に李茹娘を追い出して欲しいと嘆願する。陸景年は自分が何とかするとなだめたが、一刻も早く解決しなければさらなる問題が起こると懸念した。つづく(  ̄꒳ ̄)琵琶ネタが短すぎる…
2024.03.15
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安乐传 The Legend Of Anle第15話慕青(ムーチン)は中庭で警戒しながら、誰が帝承恩(ディチォンエン)の命を狙ったのか考えていた。琳琅(リンロウ)が助けてくれたのなら洛銘西(ルォミンシー)ではない。そんな中、帝承恩のもとにふたたび赤い傘の書き付けが届いた。…10年前の傘の縁により京城で帝小姐を庇護できればと…一方、洛銘西を誤解していた任安楽(レンアンルー)は翌日、翎湘楼(レイショウロウ)へ足を運んだ。気まずい安楽は黙って店に入ったが、侍女から席を準備してあると言われてしまう。上階ではすでに洛銘西が待っていた。「私が悪かったわ…ごめんなさい、あなたの言動は全て私を思ってのことよね?」洛銘西は安楽のお詫びの一杯を受け取ったが、帝承恩には用心するよう釘を刺した。しかし安楽は自分の身代わりになってくれた帝承恩に力を貸すべきだという。洛銘西は仕方なく従うと約束したが、実は鍵を握るのは韓燁(ハンイェ)より安寧(アンニン)だと明かした。「幼なじみの情に流されてはならぬぞ?」その頃、安寧の侍衛・冷北(ランベイ)は妹を利用した姜瑜(キョウユ)の屋敷に潜入していた。「…まさか大靖(セイ)の左丞相(サジョウショウ)が北秦(ホクシン)人とはな」冷北は音もなく忍び寄り、姜瑜に短刀を突きつける。「これは殿下、おめでとうございます、古婉瑩(コエンエイ)が太子妃の座を諦めた 莫霜(バクソウ)公主が太子妃の座に一歩、近づきましたね?」冷北は帝承恩に刺客を放ったのが古雲年(コウンネン)ではなく姜瑜だと気づいた。ちょうど古雲年の地位が揺らぎ、西北から安寧が帰還したことで、不意打ちを食わすことにしたという。「殿下こそ、公主のそばで5年も潜伏しておられますね? まさか殿下一人のお力で莫霜公主の身を守れると?莫霜公主のお命を握っているのは…」「私には計画がある、妹を巻き込むな!」「殿下、焦りは禁物です、それより力を貸すべきは他にいる…帝承恩です」帝家は開国皇帝と共に天下を取った家柄、しかし今や帝家の血を引く者は帝承恩だけとなった。実は西北の辺境には帝家の配下が今も大勢いるという。「恐らく″傘の縁″による手助けに感激することでしょう」「帝承恩はお前に任せる、西北の情勢は私に任せろ」皇太后・孫瑜君(ソンユクン)は古雲年の娘が皇太子妃候補を辞退したと知った。誰かが帝承恩を助けていると疑った皇太后は後宮の主が誰かを知らしめるべく、早速、古雲年を呼んで悪巧みする。翌日、琳琅は帝承恩が皇太后に召し出されたまま半日も戻らないと報告した。すると洛銘西は静養中の琳琅に代わり、錦瑟(キンシツ)に安寧と安楽に情報を知らせるよう指示する。皇太后が帝承恩を呼んだと知れば安寧は激怒するはず、安楽にその様子を見せて安寧が内情を知っていると分からせたいという。琳琅は自分に仕事はないか聞いたが、洛銘西はゆっくり休むことだと笑った。韓燁は帝承恩を心配して静心(セイシン)堂に駆けつけた。すると写経していた帝承恩が皇太子の姿に驚き、うっかり袖を墨に漬けてしまう。皇太后は帝承恩が自ら仏前で写経しながら国の安泰を祈りたいと申し出たと嘘をつき、新しい衣を下賜するので着替えるよう促した。そこで韓燁は帝承恩を連れて帰ると言ったが、帝承恩は皇太后の顔色をうかがい、衣をもらうと答えてしまう。皇太后は皇太子に帝承恩の着替えが終わるまで偏殿で待つよう勧めた。一方、帝承恩は下等宮女の衣をあてがわれ、孫(ソン)女官からここで写経を続けるよう命じられてしまう。帝承恩は大人しく従ったが、皇太后の仕打ちに恨みを募らせた。すっかり日も暮れた頃、静心堂の前が急に騒がしくなった。皇太后は何事かと門を開けたが、驚いたことに剣を構えた安寧が衛兵に囲まれている。安寧は久しぶりに顔を見せたかと思えば帝承恩を解放するよう要求、しかも自分に剣を向けた。「母を失ったそなたを哀家はずっと甘やかし、かばってきた、何でも望みを聞いたわ 西北への出征も皇上にお願いした、公主として広い世界を知るべきだとね なのに戻ってきたらここまで不孝者になっていたなんて…」皇太后は激しく憤り、なぜそこまで自分を恨んでいるのかと迫った。ようやく冷静になった安寧は剣を捨てると、帝承恩の無事を確かめたいだけだという。皇太后は愛孫の変わりように驚愕し、仕方なく孫女官に安寧を帝承恩に合わせるよう命じた。安寧は帝承恩の無事な姿に安堵し、連れて帰ることにした。しかし帝承恩は安寧の手を振り解き、孫女官に写経が完成したらすぐ持って行くと伝える。そこへ騒ぎを聞きつけた韓燁がやって来た。帝承恩が女官の衣を着せられ、写経を続けていたと知った韓燁は激怒、焦った孫女官は帝承恩自ら写経を書き終えたいと言ったと釈明する。安寧は嘘に決まっていると憤慨し、帝承恩を強引に引っ張って出て行った。韓燁と安寧は帝承恩を宮殿の外で見送ることにした。すると帝承恩が長時間の写経で脚に力が入らないと訴える。何とか皇太子に近づこうと企む帝承恩、しかし慕青が駆けつけ、仕方なく引き上げた。慕青は道すがら2人で瑇(タイ)山へ帰ろうと言った。驚いた帝承恩は慕青の手を握り締め、戻りたくないと訴える。「私にはあなたがいてくれる、そうでしょう?」「君が望むなら私はずっとそばにいる」帝承恩は慕青の情に甘えながら、誰とも知らない赤い傘を頼ろうとしていた。…もう誰にも踏みにじられてたまるものですか…韓燁が独り歩いていると、宮道で待ち構えていた安楽がひょっこり現れた。そこで正直に帝承恩を娶るのは償いのためだと認め、安楽には自由に生きてほしいと願う。「皇宮は君を苦しめる、君は貴族や富豪の令嬢ではない、海賊でいる方が幸せだ」「太子殿下、忘れないで、この世に任安楽はただ一人… 今、手放せば二度と手に入らない、それでもいいのね?」すると安楽は寂しそうに帰ってしまう。洛銘西の目論見は外れた。安楽は安寧が必死に帝承恩をかばう姿を見て、安寧だけは傷つけたくないという。一方、公主府では安寧が悪夢に襲われていた。『誰にも知られぬよう文を届けて…』当時、皇太后に育てられていた安寧は偶然、皇祖母が宦官に文を渡す様子を見てしまう。良喜(リョウキ)は公主に見られたと気づき慌てた。『公主、重大な秘密です、世に漏れたら韓家の天下は守れません』すると良喜は首を吊って自害してしまう。「何も知らない…何も見ていない…」安寧がうなされていると冷北が寝殿に入ってきた。姜瑜の話ではこの香を使えば当分、目が覚めないという。そこで冷北は安寧が寝ている間に書卓にある上奏文を探った。明日の皇太子妃選びを前に都中が舞い上がっていた。しかし皇太子が任安楽に招待状を渡していないことが広まり、皇帝の知るところとなる。「太子め、帝承恩を太子妃にするためなら何でもする覚悟らしい」すると安楽が太子府に押しかけた。安楽は江南での皇太子と女海賊の物語を渡し、噂になりたくなければ招待状と交換だと脅す。…太子は酒をあおるとほろ酔い気分となり、衣を解きつつ任安楽を壁に押し付け…「どう?気に入った?明日100部くらい刷って配れば話題になるわ~」「分かった」喜んだ温朔(ウェンショウ)は早速、安楽の招待状を取ろうとしたが、韓燁が止めた。「″分かった″と言ったぞ、刷ればいい」「太子殿下…本当にいいのね?」「やましくないから評判など気にせぬ」「お?言ったわね?…太子殿下が忘れたならあの夜のことを思い出させてあげる」安楽は珍しく引き下がらない韓燁に抱きついた。つづく(  ̄꒳ ̄)いよいよ太子妃選びだわ~やっぱり安寧が鍵を握っているのね
2024.03.14
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安乐传 The Legend Of Anle第14話采微軒(サイビケン)で再会した皇太子・韓燁(ハンイェ)と帝承恩(ディチォンエン)。すると2人の感動的な純愛物語が都中に広まり、今や翎湘楼(レイショウロウ)の賭けでも帝承恩が一番人気となった。琳琅(リンロウ)の報告では噂を流したのは慕青(ムーチン)だという。洛銘西(ルォミンシー)は自分の計画ではないとぼやき、時が経てば韓燁が帝承恩を替え玉だと見抜いてしまうと心配した。そこで逆にこれを利用し、帝承恩を殺して古雲年(コウンネン)に罪を着せようと思いつく。しかし任安楽(レンアンルー)から罪なき者を犠牲にすれば嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)と同じだと諭された。「大丈夫よ、子娘一人に私たちの計画をかき乱されはしない」北秦(ホクシン)の莫霜(モーシュァン)公主が都に到着した。皇太后・孫瑜君(ソンユクン)は安寧(アンニン)が北秦の公主を出迎えに行ったと知る。母を失った安寧の母親代わりだった皇太后、しかし安寧は10年前に大病を患って以来、全く寄り付かなくなった。「でも無事でいてくれさえすれば十分だわ」莫霜公主は天真爛漫、初対面の安寧にもやけに馴れ馴れしかった。警戒心が強い安寧は困惑気味だったが、何より北秦の人間と一緒にいるのは気分が悪い。一方、翎湘楼ではそんな莫霜公主に誰かが大金を賭けていた。安楽はどうやら侮れない相手だと興味を持ち、北秦の公主に会うことにする。するとその夜、莫霜の滞在先になぜか安寧の侍衛・冷北(ランベイ)が現れた。実は冷北の正体は北秦の皇子で莫霜の兄、聞けば自分が妃選びに参加するよう文を送ったという。…何者かが私を装ったのか…そこへ莫霜の侍女がやって来た。侍女は朝廷の大臣から届いた贈り物を持って来たという。「あ、それは左丞相からです」物陰に隠れていた冷北は全て姜瑜(キョウユ)が仕組んだと分かった。帝承恩の先手が功を奏し、念願叶って皇太子妃候補の筆頭に躍り出た。これに味を占めた帝承恩は次に安寧公主を懐柔してまた1歩、皇太子妃の座に近づこうと企む。しかし安寧は公主府に現れた帝承恩にどこかよそよそしかった。「太子哥哥は約束に縛られている、気にしないで」「殿下もあなたも私を他人のような目で見るのね… お願いがあるの、太子妃選びで私を応援して欲しい、もう瑇(タイ)山には戻りたくない」安寧は帝承恩の苦しみを思うと胸が張り裂けんばかりだったが、だからこそ皇家に関わらず自由に生きて欲しいと説得した。「皇太子妃候補にはそれぞれ大きな後ろ盾がある、あなたには何もないでしょう?」すると帝承恩は肩を落として帰って行った。…梓元(ヅユアン)、ごめんなさい、ただあなたを危険な目に遭わせたくないの…帝承恩は確かにこの都で寄る辺が必要だと実感した。そこで赤い傘の印がある書き付けを送って来た謎の差出人と接触してみることにする。…午の刻、采微軒で…翌日、安楽は安寧と莫霜を誘って翎湘楼へ行くことにした。待ち合わせ場所に現れた莫霜は安楽が武勇伝通りだと感激、実は自分は食べること以外、何もできないという。「でも哥哥は立派なの!」しかし安楽は苑琴(エンキン)から急報が届き、酒を買ってから後を追うと断って別れた。帝承恩は慕青と一緒に采微軒を訪ねた。「向こうに都一おいしい菓子店があるの、私の代わりに並んでくれる?」帝承恩は体良く慕青を追い出したが、その時、店主が馴染客の来店に気づいて挨拶した。「任大人ですって?…あなた、もしや任安楽?」「そうよ、あなたが帝小姐ね?」安楽は偶然を装って帝承恩に近づこうとしたが、帝承恩は用事があると話を遮り、奥へ行ってしまう。帝承恩は店内にいた男に気づき、赤い傘の差出人か確かめようとした。すると男が突然、刃物を出して襲いかかってくる。「助けて!」安楽が駆けつけ帝承恩は無事だったが、そこへ黒装束の刺客がなだれ込んできた。しかし慕青が間に合い刺客は撤収、安楽は刺客が去り際に投げた大きな花瓶を避けて手首を怪我してしまう。慕青は帝承恩を救ったのが任安楽だと知って驚いた。2人は恩人に拝礼して感謝し、急いで帰宅することにする。帝承恩は命を狙われて初めて都の本当の恐ろしさを知った。実は慕青は何者かに書き付けをもらい、慌てて采微軒に戻ったという。…帝承恩に危機迫る…その紙にもあの赤い傘の印があった。帝承恩は身体の震えが止まらないほど怯えていたが、慕青は自分がそばにいる限り、誰も帝承恩に触れさせないと誓う。一方、洛銘西は韓燁の様子を探るため東宮を訪ねた。すると韓燁は洛銘西にだけに本音を漏らす。「まさか10年想い続けた娘がこれほど変わってしまうとは… 正直に言う、私は任安楽に惹かれている、しかし皇太子たる者、自由には生きられない 我が余生を梓元に捧げる、私の幸福より梓元の幸福を優先する」そこへ温朔(ウェンショウ)が駆けつけた。「大変です!安楽姐が怪我をしたと…」韓燁は矢も盾もたまらず席を立ち、洛銘西を残して出かけてしまう。任府に皇太子がやって来た。安楽は皆に落馬したと嘘をついていたが、韓燁は到底、信じられず、何者かが馬に細工をしたのではないかと疑う。「馬の病だと思うわ~足が痛むの、寝台まで連れて行ってくれる?」韓燁は仕方なく安楽を抱きかかえて運んだが、思わず顔がほころんでしまう。そこへ安楽が怪我をしたと聞いた莫霜公主が血相を変えて飛び込んで来た。すると見たこともない美男子の姿に気づいて莫霜は呆然と立ちすくむ。「…韓燁がご挨拶を」「あなたが韓燁?!…いえ、太子殿下にご挨拶いたします それより安楽姐姐、傷の具合は大丈夫ですか?」「平気よ!手首を少し切っただけ!」安楽はあっさり立ち上がり、韓燁を呆れさせた。翎湘楼では琳琅が刺客に斬られた腕の傷を洗っていた。すると東宮から戻った洛銘西が現れ、自ら手当てしてくれる。琳琅は忠義(チュウギ)侯が帝承恩を襲う計画があると知り、報告する間もなく急いで阻止に向かったと説明した。しかし采微軒に到着すると任大人がすでにいたため、帝承恩は無事だったという。そこで刺客を追いかけたところ琳琅は反撃に遭い、負傷していた。結局、刺客は自害して誰の差し金かは不明だという。「今後は勝手な行動を慎め、帝承恩は殺されても構わないが、お前は死ぬな」すると洛銘西はしばらく店を休むよう命じた。琳琅は刺客を追いかける際、うっかり采微軒の前で手巾を落としていた。手巾を拾った安楽は千月閣(センゲツカク)の刺繍に気づき、洛銘西が帝承恩を狙ったと誤解してしまう。そこで洛銘西を霊廟に呼び出し、証拠を突きつけて非難した。「銘西哥哥、帝家は陰謀で滅ぼされたの、卑怯な手で復讐を遂げたくない」洛銘西は安楽が自分を疑ったことに落胆し、結局、否定も肯定もせず帰ってしまう。洛銘西は慕青を呼びつけ、帝承恩の勝手な振る舞いのせいで琳琅が負傷したと憤慨した。「帝承恩を死なせたくなければ私に従わせろ よいか、大人しくしていれば欲しい物は私が与えてやる」慕青は主に従う他なかったが、今さらながら駒となった以上、真の自由などないと実感していた。その夜、琳琅は安楽の誤解を解くため、任府を訪ねた。帝承恩を襲ったのは忠義侯の刺客だったが、自分が独断で動いたため、洛銘西は弁解しなかったという。「お二人が疎遠になるのを見ていられません」つづく( ๑≧ꇴ≦)さすが琳琅~カッコイイ!
2024.03.13
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第4話「右教坊と左教坊」右教坊(ウキョウボウ)の副使・陸景年(ルージンニエン)は李颯颯(リーサーサー)の琵琶(ピパ)を聞いたあの日から、李茹娘(リールーニャン)を陥れようと手を回していた。琵琶泥棒からすでに茹娘の情報をつかんでいた景年は夫の懐事情も知っていたのだろう。颯颯が夫の悪事を訴えた時に手助けしたのは、茹娘に負債だらけの家を継がせて右教坊に入らざるを得なくしたのだ。「私を従わせるためだったのね?!」「…李姑娘は賢い、見込んだ通りだ、ただ一つだけ違うことがある 私は従わせようと思ったことはない、君の才能が惜しいだけだ」しかし借金を返せないのは紛れもない事実、颯颯は仕方なく雇用契約書に署名するしかない。その時、突然、左教坊(サキョウボウ)の副使・蘇宗辰(スーゾンチェン)が現れた。李茹娘の琵琶の腕前を噂で耳にした蘇宗辰は左教坊に来てくれるなら借金の肩代わりはもちろん、給金は右教坊の2倍出すという。「お茶を準備します、ゆっくり話し合いましょうか」蘇宗辰は貧しい右教坊が人助けかと嫌味を言った。そこで陸景年は確かに蘇宗辰を見習って楽師から賂をもらうべきかとやり返す。「李姑娘を助けるのではなく本当は陛下のためでは?」音楽好きの皇帝は琵琶を愛していた。蘇宗辰は李茹娘を利用して歓心を買い、内教坊(ナイキョウボウ)に引き抜いてもらおうと企んでいるのだろう。「お互い様であろう?高潔ぶるな」お茶を運んできた颯颯は回廊で牽制し合う2人の様子をうかがっていた。…知り合いだったのね、しかも仲が悪い、どちらも欲まみれじゃないの…そこで颯颯は条件の良い左教坊は捨て難いが、陸景年には助けてもらった恩があり、決めかねていると言った。「だから…両教坊で競ってみない?より優れている教坊へ行くわ」実は颯颯は茹娘の想い人が楽師だと目星をつけ、教坊にいる楽師たちの中から探し出そうと考えていた。陸景年は茹娘が何を競わせるのか考え込んでいた。すると親友の宇師傑(ユーシージエ)がやって来る。師傑は楽師の欣児(シンR)に一目惚れしたと明かし、いくら学友で親友でも手を出したら容赦しないと釘を刺した。「考えすぎだよ」「良かった!じゃあどうやって落としたらいい?!」「私の場合は向こうから寄ってくるので分からない」実は欣児は親が役人だが裕福ではなく、そのせいか銭と食べ物への執着が強かった。そこで両方を与えてやれば自分にも機会があると考え、知味(チミ)楼に現れた欣児に声をかける。「美食図鑑を書いているが、都には店が多く1人では食べ尽くせない、一緒に回ってくれないか?」「ダメよ、教坊があるの」「給金の3倍出す!」颯颯は両教坊を見学した。しかし優劣を決められず、追試をしたいという。「私と合奏してもらう、私に合わせられたら勝ちよ 他の楽師を呼んでもいい、ただし条件がひとつ、合奏するのは男子の楽師のみ」こうして右教坊と左教坊の腕比べが始まった。颯颯はその速さから極めて合奏が難しいとされる″掠驚鴻(リャクキョウコウ)″を選んだ。両教坊の楽師たちは代わる代わる合奏に挑戦するも、茹娘の見事な演奏についていける者はいない。そして満を持して両副使が登場した。2人は必死に茹娘に食らいついていたが、陸景年の琴の弦が切れてしまう。これで勝負はついた。「決めたわ」初めて陸景年をやり込めた蘇宗辰は大喜び、盛大に宴を開いて李茹娘を迎えることにした。一方、李茹娘で起死回生を狙っていた陸景年はすっかり意気消沈、練習にも身が入らなくなってしまう。そこで楽師の檀渓(タンシー)は自分の名前で李茹娘と陸景年を西の波止場へ呼び出し、話し合わせることにした。颯颯は陸景年が檀渓を使って自分を呼び出したと誤解した。「私を責めに来たの?皆の前であなたを拒み、評判を落としたから…」「まさか、君という人材を失ったことに比べたら何でもない」景年は先に帰ることにした。しかし急に横道から飛び出して来た男とぶつかってしまう。「怪我はないか?」景年は倒れた男に手を貸そうと屈み込んだが、その時、颯颯は景年の首にある傷を見つけた。…傷跡が?!普段は隠しているのね、意中の相手はやっぱり…左教坊では李茹娘を迎える宴が始まった。一方、陸景年は琵琶の首席を諦め、欣児の月琴を主体にすると決める。楽師たちに広がる動揺、欣児も首席などできないと辞退した。その時、李茹娘の声が聞こえる。「琵琶に取って代われる楽器はないわ」颯颯は李茹娘として右教坊へ参加すると決めた。しかし陸景年は茹娘の心変わりに何か裏があると疑う。「私が右教坊の何に惹かれたか分からない?昨日の敵も明日は夫婦かも…」颯颯は拒むなら去るまでだと帰ることにしたが、景年はどうしても茹娘の技量が必要だった。「右教坊は李姑娘を歓迎する」それにしても茹娘は何を企んでいるのか?陸景年は急に色気を出して迫って来た茹娘に身震いしていた。つづく( ゚ェ゚)檀渓って何者かしら?秘密があるみたいだけど…
2024.03.12
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第13話「愛する者を守る術」姫元溯(キゲンソ)が目を覚ますと、花琉璃(カリィウリ)が夕食を準備して待っていた。一睡もせず自分を探し回ってくれた皇太子を労う琉璃。元溯は琉璃の優しさに触れ、結局、何も聞き出せずに花府をあとにした。鳶尾(エンビ)は小八(ショウハチ)から琉璃と皇太子の感動の再会を聞いていた。「太子殿下が駆け寄って小姐を抱きしめたとか?キィャアー」琉璃は気恥ずかしくなり、恐らく自分に何かあれば父に報復されると焦ったのだろうと誤魔化した。「それより賀遠亭(ガエンテイ)に会ったの」「えーっ?!なぜ都の近くに金珀(キンハク)国の二皇子が?!」「以前、私に騙されたから恨みがあるはずよ、警戒しなくちゃ」鳶尾は皇太子に報告しないのか聞いたが、琉璃はまだ全面的に皇太子を信頼したわけではないという。雲寒(ユンハン)は結局、主の命令に従い、皇太子の間者を始末した。一方、姫元溯は密かに裴済懐(ハイセイカイ)と接触、花県主がさらわれ、その間に都に配した間者が排除されてしまったと教える。裴済懐は雲寒を疑ったが、元溯は信頼に足る者だと確信しているからこそ生涯、誠意を持って接すると言った。姫元溯は琉璃を探すためやむなく黒甲軍を動かし、朝廷に親衛隊の存在が露見した。文官たちはその兵力に驚いて皇帝に調査を上奏したが、昌隆(ショウリュウ)帝は咄嗟に自分が私兵を持たせたと嘘をついて皇太子をかばう。「この件を二度と蒸し返すな」皇帝は散会後に皇太子を呼んで叱った。しかし姫元溯は反省する素振りも見せない。「私のやり方にご不満ならご自身でどうぞ」元溯は母の二の舞にならぬよう愛する人を守りたいと願い、強大な力を得るまでは誰も娶れないという。「朕がいつまでも達者とは…いやもう良い、何を言っても無駄だろう」皇帝は皇太子の無念を誰よりも分かっていた。尚書府に杜琇瑩(トシュウエイ)がやって来た。杜(ト)太師の孫である杜琇瑩は滅多に外出しない深窓の令嬢、しかし従妹の田嘉敏(デンカビン)が花県主を救った話を耳にし、心配して会いに来たという。そこへ運悪く琉璃が助けてくれたお礼にやって来た。ちょうど遊びに来ていた姚文茵(ヨウブンイン)は杜琇瑩に花県主の悪口を吹き込むが、琉璃の正体を知ってしまった嘉敏はやけに琉璃に気を使っている。「県主、話があるの…(コソッ)何しに来たの?!秘密は守るわ」「お礼に来ないと礼儀知らずだと言われるでしょう?」杜琇瑩は県主が気取らず明るい娘だと知って安堵した。すると琉璃が感謝の印に皆を金玲苑(キンレイエン)に招待するという。一方、田尚書は娘が花県主と急に親しくなり、仲間たちから疑いの目を向けられていた。「見殺しにはできんだろう?!それに取り入って親しくなってこそ事情も探れる」姫元溯は雲寒に代わりの間者を配置するよう命じ、遺族への見舞金を渡した。雲寒は自分の落ち度だと罰を覚悟したが、元溯は雲寒を許す。「お前を疑いはせぬ、この先もだ…思い通りにならぬこともある だがお前に任せたからには望まぬ結果の責も負う覚悟だ」そこへ小八が駆けつけ、花県主が郡主たちを連れて店に来たと知らせた。「その…演奏を頼みたいと…」元溯は仕方なく雲寒に楽師として一芝居うって欲しいと頼んだ。雲寒は琴を披露したが、俗っぽい客に演奏の良し悪しなど分かるはずないと馬鹿にしていた。そこで適当にあしらい切り上げようとしたが、杜琇瑩だけには見抜かれてしまう。雲寒は自分が手を抜いたことに気づくはずないと疑いながら、2曲目で本気を出した。琉璃は菓子を頼んでくると言って部屋を出た。すると外の回廊で皇太子に見つかってしまう。「店に来ないと約束しなかったか?」「その~嘉敏郡主にお供しただけです、断れなくて…」姫元溯は琉璃を許したが、実はしばらく金玲苑を閉めることにしたと教えた。琉璃を来させない思惑もあったが、もうすぐ各国の使臣が来訪するため、縉(シン)国が享楽的な国だと思われては困るという。「なるほど~金玲苑は太子殿下のものですから、それもいいでしょう~(はっ!)」「…知っていたのか?」元溯は潔く認めた。琉璃の姿が見えなくなり、田嘉敏と姚文茵は探しに出かけた。すると大理寺の官吏が現れ、これから査察を行うという。その頃、杜琇瑩は3人の帰りを待ちながら雲寒の琴を聞いていたが、急に大理寺の査察が始まった。「どうしよう…(お祖父様が知ったら怒られる)」実は皇太子が金玲苑を閉める口実に大理寺を乗り込ませただけだったが、雲寒は玉京一の才女である杜琇瑩の名声を守るため、官吏の手が及ばない部屋に案内した。杜琇瑩は雲寒を誤解していたと謝罪した。「あなたが何度が引き間違えたので疑いましたが、2曲目からすると故意だったのですね」雲寒は杜琇瑩に見抜かれていたことに驚き、思いがけず知音に出会えたことを喜んだ。「もう1曲、聞いて頂けますか?」田嘉敏たちは琉璃と杜琇瑩が帰ったと誤解して店を出た。一方、金玲苑が皇太子の間諜機関だと見抜いた琉璃は自分にも情報を教えて欲しいと頼み、そろそろ戻ることにする。「送ろう」「大丈夫です、太子殿下、私たちの歳月はこれからですから」…歳月はこれからか…姫元溯は琉璃を見送りながら、思わぬ言葉に顔をほころばせた。琉璃は回廊で杜琇瑩と出くわした。杜琇瑩は役人が乗り込んできたので慌てて部屋を出たと説明したが、琉璃は後ろにいる雲寒に気づく。「なるほど~そいうこと」「ここに来たことを知られたくなくて助けてもらったのよ?」「はいはい、何も見てませんから~ふふふ」琉璃は杜琇瑩の馬車で送ってもらった。すると待ち構えてた鳶尾が嬉しそうに文を見せながら、将軍たちが帰ってくると報告する。一方、雲寒は静心(セイシン)居で待っていた皇太子に密書を渡した。「玉京における賀遠亭の足取りです、重要な件なので私が調べます」雲寒は黒装束に身を包み、県主と郡主をさらった刺客が殺された現場にやって来た。すると潜んでいた曲者が現れ、包囲されてしまう。そこへ賀遠亭がやって来た。「達者だったか?」10年前、″雲倉嶺(ウンソウレイ)の役″と呼ばれる戦があった。その戦で縉国は深手を負ったが、金珀国も再起不能となる。まさに痛み分けの戦だったと言えるだろう。しかし賀遠亭は調査を続けるうちにある人物にたどり着いた。「相当な野心家だ、一度の戦で両国の基盤を損なわせるとはな」「何が言いたい?」つづく( ๑≧ꇴ≦)嘉敏が急に面白くなって来たwそれにしても杜表姐、顔小っさ!
2024.03.12
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安乐传 The Legend Of Anle第13話洛銘西(ルォミンシー)は自分の腹心だった慕青(ムーチン)に帝承恩(ディチォンエン)を見張らせていた。しかし慕青は当時まだ16歳、確かに若い娘と2人だけで10年も暮らせば情が移るのも仕方がない。慕青は承恩への秘めた思いを見透かされ、激しく動揺した。すると洛銘西は帝承恩が並べていた碁石に誤りがあったと指摘する。「一手、間違えていたぞ?…まあ良い、才能がないなら人前で打たせるな よく覚えておけ、あの娘は私にとって最も重要な駒だとな」皇太子・韓燁(ハンイェ)は梓元(ヅユアン)との再会を前に自分でも驚くほど心が乱れていた。一方、任安楽(レンアンルー)は婚約の証である玉の如意@1話を愛おしそうに眺めながら、10年の時を経ていよいよ″帝梓元″を返す時が来たと覚悟する。「気に入るかしら?それともがっかりする?」翎湘楼(レイショウロウ)、安楽は洛銘西から帝承恩が日がな一日、写経に没頭していると聞いた。自分が写経するなど想像もできなかったが、10年も山の上にいればそうなるのもかもしれない。片や皇宮は帝承恩が下山してもこう着状態だった。「そろそろ韓仲遠(ハンチュウエン)が動き出しそうね」安楽が察した通り、皇帝は北秦(ホクシン)国の公主を皇太子妃選びに加えていた。皇帝がどんなに帝家の娘が嫌でも、古雲年(コウンネン)の娘を皇太子妃に選ぶわけにいかないのだろう。実は莫霜(モーシュァン)公主を推薦したのは左丞相・姜瑜(キョウユ)だった。かつて国境を接する靖(セイ)国と北秦は争いが絶えなかったが、帝一族の死罪を機に停戦、辺境にも平安が訪れる。しかし一昨年の北秦の干ばつがきっかけとなり、再び辺境で争いが勃発していた。そこで姜瑜は両国の関係を改善するため皇太子と公主の縁談を提案したのだ。「梓元…」「″梓元″?…今となってはもう聞き慣れない名ね、銘西哥哥」「靖南(セイナン)で過ごした日々を思い出させる名だ、梓元、長思花(チョウシカ)を覚えているか?」「幼い頃、庭で咲き乱れる花が満天の星のようだった… でも今は復讐のためいつ死ぬかも分からない、再び花を見られるかどうか… じゃあ帰るわね」洛銘西は安楽を見送ると、肌身離さず持っている玉を取り出した。…昔、私に聞いたな?忠誠を誓うのは帝家か君かと、私、銘西の心は変わらぬ…その夜、琳琅(リンロウ)は洛銘西に帝承恩が写した経を皇太后に贈ったと報告した。どうやら帝承恩が求めているのは自由だけではないらしい。実は帝承恩は皇帝と皇太后さえ懐柔すれば皇太子妃の座が手に入ると信じていた。慕青は他人の物を欲しがるべきではないと諌めたが、承恩は10年の幽閉も都で受ける嘲笑や軽蔑も自分の物ではないと反発する。するとついに皇太后の使いがやって来た。皇太后は帝承恩の字を褒め、刑部の大牢の扁額を書くよう命じたという。何も知らない承恩は喜んで慕青に報告したが、それは皇太后の嫌がらせだった。「新しい刑部の大牢とは靖安(セイアン)侯府のことだぞ?帝梓元の旧居だ」しかし承恩は皇太后を怒らせれば瑇(タイ)山に送り返されてしまうと怯え、慕青に助けを求めた。そんなある日、安寧(アンニン)公主は大街で北秦の一行を見かけた。侍衛・冷北(ランベイ)の話では北秦の公主が皇太子妃候補になり、使臣を送ったのだという。「停戦しているとは言え友好国とは程遠いのに?…でもなぜ詳しいの?」「辺境にいたのです、それくらい調べがつきますよ」「…そうなの?」一方、帝承恩は病と称して時間を稼ぐことにした。大臣たちはさすがに酷い仕打ちだと抗議、おかげで扁額の件はひとまず立ち消えになる。この一件を知った韓燁は刑部に洛銘西を訪ねた。洛銘西は写経を贈った梓元が自ら災いを招いたと指摘したが、帝家の宝剣を皇帝に献上して生き延びた自分には何も言えないという。しかし韓燁はこの一件でやはり梓元の心は変わっていないと確信した。恐らく改名はその場しのぎで、恨みを捨てる気はないのだろう。「つまり洛家の忠誠も偽りだと?」「…私たちは傍観者だ、梓元の苦しみなど分かるはずない」韓燁は返答に困ってはぐらかした。そこで洛銘西は未だ帝承恩に会おうとしない韓燁を揺さぶってみる。「死罪を免じたことで皇家の慈悲は示した、太子妃に迎える約束は反故にしても良いのでは?」「焚き付けているのか?…私は純愛を貫く、必ず皇太子妃にする」洛銘西は安楽への想いが韓燁を悩ませていると見抜いたが、韓燁は決して認めようとしなかった。「惚れた腫れたなど太子妃選びとは最も縁遠いものだ…ってか惚れていないぞ?!」「弁解しなくてもよい、それより忠告しておく 太子が表立って行動しなければ梓元は矢面に立たぬ、しかし影では攻撃されるかもしれぬ」洛銘西は韓燁を門まで見送った。「風が吹いて来た…雨になるから早く戻った方がいい」すると突然、安楽が現れ、雨が降るので乗せてくれと馬車に駆け込んだ。韓燁は相変わらずの安楽にため息を漏らしながら、仕方なく送っていくことにした。「北秦の公主が太子妃候補になって嬉しい?」しかし韓燁はまだ梓元にも会っていないと言い訳がましいことを口にしてしまう。「ふふ、太子殿下が身の潔白を示したいなら気持ちだけは受け取っておくわ」「困惑しているのだ…」その時、急に雨が降り出し、車の窓から吹き込んだ。韓燁は急いで簾を下ろしたが、安楽はなかなか金具から外せず手間取ってしまう。すると見かねた韓燁があっという間に簾を下ろしてくれた。「…ふふ、困惑していると言いながら安楽に近寄るなんて~ 困惑しているなら安楽が助けてあげる♪明日、翎湘楼で予行練習しましょう?」「荒唐(ファンタン)…」皇太后・孫瑜君(ソンユクン)は太祖の命日を迎え、静心(セイシン)堂にいた。「また1年が過ぎた…姿絵がなければあなたの顔を忘れているところよ」太祖がこの世を去って13年、あの日、ここで夫の帰りを待ち続けていた孫瑜君に届いたのが太祖の遺詔だった。「あなたはあの女のために帝家を寵愛し続けた…私を気にかけたこともない」そこで孫瑜君は帝承恩の本性を確かめるため、宮中に呼ぶよう命じた。その頃、身支度を整えた帝承恩は最後に腕輪を選ぼうと化粧箱を開けた。するとふたの裏にいつのまにか赤い傘の印がある文が挟まっている。…忍び込んだ者がいる…その時、侍女が駆けつけ、皇太后のお召しがあったと伝えた。「写経がお気に召したのね、皇家へ続く門が開かれた…」安寧は皇太后が帝承恩を呼んだと聞いて不安を募らせた。皇祖母のこと、帝承恩に難癖をつけるつもりだろう。一方、買い出しから戻った慕青は帝承恩が宮中へ出かけたと知り、血相を変えて飛び出した。しかし一足遅く、帝承恩は宮中に入ってしまう。安寧は帝承恩を心配して様子を見に行った。すると静心堂の前で帝承恩がひざまずき、皇太后を待っている。やがて皇太后が現れ、一心に拝んでいたので待たせているのを忘れていたと言った。健気に待っていた帝承恩は写経を献上、皇太后のご多幸と太祖の冥福を祈って書いたと伝える。「私を生かしていただき感謝しています、帝家が犯した罪は私が一生を懸けて償います」安寧は困惑した。…梓元、あなたとは思えない、なぜそんな風に変わってしまったの?…冷北は将軍の様子がおかしいことに気づき、何があったのか聞いた。すると安寧は帝承恩が皇太后に頭を下げている姿を見たという。「心配せずとも太后は後宮の主ゆえ…」「いいえ、お前は皇祖母のことを何も分かっていない 私はあの人に育てられたけれど、今となっては会う勇気もない…」帝承恩が足を引きずりながら帰って来た。慕青は独りで出て行った承恩を叱ったが、承恩は何があっても慕青が守ってくれると無邪気に笑う。すると承恩は慕青に手作りの飾り紐を贈った。「都で目にした侍衛は剣に飾りを下げていたわ、あなたも持つべきよ」承恩にとって慕青は唯一の家族であり、英雄だという。結局、慕青はそのまま部屋を出た。本当は錠をかけて承恩を軟禁しようと考えていたが、やはり情にほだされてしまう。安楽は翎湘楼に洛銘西を訪ね、明日は皇太子を呼んで探りを入れると伝えた。どうやら皇太后による帝承恩のいじめに古雲年も関わっている様子だが、権勢が揺らいでいるせいで古雲年の娘を皇太子妃に推す声は止んでいる。すると洛銘西は皇太子妃選びを前に大臣たちの動きを把握しておくよう安楽に情報を記した紙を渡した。「太子妃選びは嵐の前兆ね…」「大臣の動きに特筆すべきことはないが…帝承恩に危ない橋を渡らせるやも」帝承恩はしびれを切らし、自ら行動を起こそうと決めた。慕青はそんな承恩に戸惑いながらも、靖安侯府の庭に咲いていた海棠のかんざしを贈る。「太子殿下が好きな花だ」一方、韓燁は温朔(ウェンショウ)を連れて采微(サイビ)軒を訪ねることにした。皇太后の梓元への嫌がらせを見過ごせず、贈り物を届けて態度を表明するという。しかし店に到着してみると、店主はひと足先に帝家当主の書を買いたいという令嬢が現れたと伝えた。「姑娘、できれば譲ってもらえぬか?」「…これは大伯母の書なので私にとって宝物なのです」その令嬢とは帝梓元だった。「梓元、海棠が良く似合う、靖安侯府が目に浮かぶようだ」すると承恩は梓元ではなく承恩と呼ぶよう頼んだ。温朔は外で待つと伝えて店を出た。すると帝承恩は弟の燼言(ジンイェン)が生きていればちょうど同じ年頃だったと感慨深い。韓燁は弟を託されながら期待に添えなかったと謝罪したが、承恩はこれも弟の運命だろうと言って笑った。翎湘楼では安楽と安寧が待ちぼうけを食わされていた。すると琳琅が宴席に駆けつけ、皇太子が来れないと報告する。「采微軒で帝小姐と会われて屋敷へ送って行くそうです」安寧は動揺のあまり杯を落としたが、皇兄にお似合いなのは安楽だと安心させて先に帰った。韓燁と温朔は東宮へ戻った。すると温朔は皇太子からいつも聞いていた帝梓元とは全く印象が違ったという。実は韓燁も戸惑いを隠せなかった。「あの目は記憶にある梓元とそっくりだ…しかし気性は見知らぬ人のようだった」「安楽姐の方が魅力的に見えるのでは?」「荒唐…それより温朔、子供の頃を思い出したか?」実は温朔は5歳の時に風邪を引いて死にかけて以来、記憶を失っていた。「そのあとに殿下に引き取られたことくらいしか…」「忘れてもいい、過去は重要ではない」「重要でないのなら、なぜ帝小姐に執着するのです?」しかし韓燁は答えなかった。つづく(  ̄꒳ ̄)きな臭くなってまいりました~
2024.03.11
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第3話「夫への復讐」鳳頸(ホウケイ)琵琶(ピパ)を無事に取り戻した李颯颯(リーサーサー)は李茹娘(リールーニャン)の願いを叶えるため、まず夫へ復讐することにした。どうやら茹娘の夫・陳世賢(チェンシーシエン)はかなりの女好き、正妻の茹娘を追い出し側妻を娶っておきながら、また妓楼に入り浸っている。…この手の男なら色仕掛けで迫ればすぐ落ちる、楽勝だわ…そこで颯颯は妖艶な舞姫になりすまし、陳世賢の前に姿を現した。↓これは正しい男装w李茹娘を尾行していた陸景年(ルージンニエン)も従者の生金(ションジン)と一緒に妓楼にいた。「大したもんですね~琵琶を弾いて郎君の心を奪ったかと思えば、今度はあでやかな舞踊…」「誰が心を奪われただと?」しかし生金は郎君が50両も渡しながら琵琶まで返したのは心を奪われたからに違いないという。すると陸景年は結末を見届けないまま帰ってしまう。陳世賢は艶やかな姿で戻って来た妻にすっかり魅了された。しかし噂で聞いた通り茹娘は潯陽(ジンヨウ)で記憶を失い、自分のことを覚えていないという。世賢はこれ幸いと茹娘を屋敷へ連れ帰り、婚姻書を見せて夫婦だと証明、嫉妬深い趙(チョウ)小娘をさっさと軟禁してしまう。李茹娘には陳府に残した侍女・清秋(チンチウ)がいた。「せっかく逃れたのになぜ戻ったのです?今は優しくてもまた暴力を…」聞けば陳世賢は茹娘だけを追い出し、その後、清秋を手篭めにしようとしていた。「抵抗したので殴られたのです」「なんて男なの?!」実は李茹娘と陳世賢は婚姻したものの床を共にしていなかった。その夜、世賢は茹娘との共寝を期待していたが、茹娘が急に泣き出してしまう。「日記を読んだの…あなたは酷い人だったのね…」すると焦った世賢は埋め合わせに茹娘のためなら何でもすると約束した。一方、陸景年は琵琶の首席奏者がいないまま準備を始めた。ひとまず自分が首席として一緒に練習することにしたが、月琴の欣児(シンR)にもまとめ役を頼む。すると欣児は給金3倍に釣られ、本来の実力を発揮した。その時、陳府を探っていた生金が慌てて戻って来る。「陸郎君!重要な報告が…人払いをした方が」「大袈裟な、何だ?いいから話せ」「夫婦の営みが一度もないそうです!」楽師たちは驚いて聞こえないふりをしたが、興味津々だった。李茹娘は趙小娘を諭して自立させ、夫を取り戻した。しかも夫から家財の権利書と改心の念書を手に入れ、全てを手中に収めたという。陸景年は生金の報告を聞きながら、次は夫の悪行を暴露するつもりだと分かった。「だがそう上手く行くかな…ふっ」颯颯は近隣住民を集め、夫の悪行を知らしめた。側妻のため妻を捨て財産を奪取、賭け事に人妻との密通、さらに人を雇って自分の琵琶を盗もうとしたという。すると騒ぎを聞きつけた陳世賢が現れ、妻の病がぶり返しただけだとごまかした。颯颯は証拠として夫が書いた念書を公表することにしたが、箱の中身が空だと分かる。実は趙小娘は陳世賢に冷たくされても離れられず、密かに夫のために正妻から念書を盗んでいた。同情を買った颯颯だったが状況は一変、住民たちは夫を辱めるような女は水に沈めるべきだと非難する。しかし思いがけず陸景年が現れ、陳世賢の念書を渡した。颯颯は陸景年のおかげで陳世賢を追い詰めた。激怒した陳世賢は茹娘と陸景年が密通しているとでっち上げ、離縁するという。しかし颯颯は離縁されて屋敷を追い出されるのは陳世賢の方だと言い放った。これには住民たちも困惑し、離縁できるのは夫だけだという。「…何がダメなの?!婚姻は2人が決めたこと、女にも婚姻解消を決める権利がある! 男女平等よ!」すると颯颯は自分が書いた休書を叩きつけ、すでに陳世賢の悪行を役所に伝えたと言った。「これで今から私たちは赤の他人よ!」陸景年は側妻が正妻に諭されたくらいであきらめるとは思えなかった。とは言え移り気な陳世賢を手放しでは信じられず、念書で弱みを握ると考えたという。そこでちょうど街に出た側妻に生金がわざとぶつかり、危うく転びそうになったところを陸景年が抱き止めた。都一の色男に助けられた側妻はすっかりのぼせ上がり、袋から念書を奪われたことに気づかなかったという。「盗んだの?!」話を聞いた颯颯は呆れたが、景年はあくまで奪い返したに過ぎないと釈明した。「君は他の女とは違うようだ」景年は茹娘が生きるために立ち上がり、女子のために声を上げ、正義を貫く姿に感銘を受けたという。しかし颯颯は自分を助けて褒めそやすのは何か企みがあるからだと怪しんだ。颯颯は茹娘の財産を取り戻し、夫を牢屋送りにした。側妻も復職して自活し、あとは茹娘の想い人を探せば現代に戻れる。そう思った矢先、屋敷に大勢の借金取りが押し寄せた。颯颯は陳世賢とは無関係だと訴えたが、借金取りは屋敷が担保に入っていると迫る。すると颯爽と陸景年が現れた。陸景年は自分に解決法があると切り出し、茹娘と屋敷に入った。そこで右教坊に入ってくれるなら給金を弾むという。「そうだ、住まいも準備しよう」「人の弱みにつけ込むつもり?!」颯颯は景年が初めから陳世賢に莫大な借金があることを知りながら助けたと分かった。しかし中庭では借金たちの怒号が響き渡っている。つづく( ゚ェ゚)あ、そう言えば陸景年は都一のハンサム設定です今回の上掛けも可愛い
2024.03.10
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安乐传 The Legend Of Anle第12話任安楽(レンアンルー)の身代わりになった帝梓元(ディヅユアン)は侍衛・慕青(ムーチン)の監視の元、瑇(タイ)山・永寧(エイネイ)寺で暮らしていた。そんなある日、朝廷から下山を認める大詔令(ダイショウレイ)が届く。梓元はようやく自由になれると無邪気に喜んだが、改名することがどれだけ屈辱的なことなのか分かっていなかった。それもそのはず、当時の名もない8歳の少女はただ満腹する日々を夢見ただけ、山の上に10年も閉じ込められる苦しみなど想像だにしなかっただろう。慕青は帝家がなければ今も物乞いだったと戒めたが、結局、一緒に都へ行くと約束した。帝梓元が山を降りた。報告を聞いた韓燁(ハンイェ)は思わず顔をほころばせたが、自分の知る梓元なら改名を受け入れるはずがないと戸惑う。すると安楽を慕う温朔(ウェンショウ)はもはや名が違えば別人も同然だと口を滑らせた。「荒唐(ファンタン)!10年も閉じ込められた苦しみがお前に分かるものか! …″梓元″という名には太祖による命名の価値以上に、梓元自身を表す重要な意味がある 父皇であろうと完全に奪うことはできぬ」一方、安寧(アンニン)公主も梓元に改名を強要した父皇を諌めていた。しかし逆に酒を飲んでは勝手に靖安(セイアン)侯府へ立ち入っていることを責められ、梓元の下山を機に靖安侯府が刑部の大牢になると知る。驚いた安寧は再考を嘆願したが、皇帝は憤慨して出て行ってしまう。その夜、安楽は洛銘西(ルォミンシー)と靖安侯府を訪ねた。「これからは帝承恩(ディチォンエン)がここの主なのね…」「ここには住めぬ、実は会試の不祥事を解決した褒美として刑部に下賜された、大牢に使えとな」「…構わないわ、私がここへ来たのは一族の恨みを忘れるなと自分に言い聞かせるためよ」すると誰かの足音が聞こえ、2人は慌てて庭石の後ろに隠れた。靖安侯府に安寧がやって来た。安寧は幼い頃に落ちた池を眺めながら、その時、梓元に助けられたことを懐かしむ。今や池の水も枯れ、梓元の名前も変わり、ついに屋敷まで大牢になってしまうのか…。「この靖安侯府の草木や瓦にさえ顔向けできない、供養する資格さえない なのに私は戦場へ逃げた、戦の恐怖で過去の悪夢を忘れたくて…」すると韓燁がやって来た。安楽は2人の様子をうかがいながら、どちらも10年前の靖安侯府の惨劇を忘れていないと知る。「梓元が改名するとは思えないわ…」安寧は瑇山で暮らすことが梓元の身を守り、新たな争いを避ける方法だと信じていた。しかし韓燁は自分が梓元を全身全霊で守って見せるという。韓燁の言葉に思わず心が揺れる安楽、その時、洛銘西がうっかり小枝を踏みつけ、音を立てた。安楽と洛銘西は韓燁と安寧に見つかった。そこで安楽は帝梓元が下山する前に洛銘西から恋敵の情報を聞き出そうとしていたと嘘をつく。「安楽寨(アンラクサイ)の特殊な刑具の詳細を交換条件にしたの」安寧は安楽らしいと思わず失笑し、聞きたいことがあるなら自分が教えると言った。安楽たちは翎湘楼(レイショウロウ)で琳琅(リンロウ)の琴を肴に酒を飲むことにした。梓元を思いながらも安楽と洛銘西の関係が気になる韓燁。すると安楽が″真実か酒″で遊ぼうと提案した。「琳琅が弾く琴の音が止まった時にこの花を持っていた人は質問に答える 答えたくない時は1杯飲むのよ」「ダメだ」酒に弱い韓燁は反対したが、安楽はならば答えれば良いと笑って花を投げた。琳琅は皇太子に花が飛んで行くとわざと琴を止めた。「私が聞くわ、なぜ帝梓元にこだわるの?」安楽の問いに答えたくない韓燁は杯を取ろうとしたが、安寧が代わりに答えると申し出た。「建国前に帝盛天(ディセイテン)は広大な土地を国に捧げたわ 先帝は両家の絆を深めるため、梓元を太子妃に決めたの」すると次も韓燁で音が止まってしまう。「殿下が帝梓元との婚姻にこだわるのは先帝の遺詔だから?それとも償い?」しかし今度は安寧が兄のために酒を飲んだ。琳琅は次に安寧で琴を止めた。そこで安楽はなぜ帝梓元の下山を望まないのか聞いてみる。楽しそうだった安寧の顔色は一変、しかし正直に思いを吐露した。「韓家は帝家から恩を受けたわ、でも韓家は恩を仇で返した…」かつて韓家と帝家は帝北(テイホク)城で″先に兵馬が着いた者が君主″と賭けをした。先に到着したのは帝家だったが、帝盛天は国土を韓家に譲ったという。「そんな帝家が謀反を起こすと思う?なのに陛下は帝家将士と九族を皆殺しにした…」「やめないか」韓燁は思わず妹の話を遮った。韓燁はいつも安楽から始まるのは不公平だと訴え、自分から花を投げた。しばらく様子を見ていた琳琅は安寧に花が飛んできた所で手を止めたが、安寧は花を受け取らず払い除け、運悪く洛銘西が受け取ってしまう。そこで韓燁はなぜいつも任安楽と翎湘楼にいるのか聞いた。すると安寧が意味ありげに笑い、理由を知っているという。「洛大人(ダーレン)は一見、情がなさそうに見えるけれど、実はある女子を思ってる その人は…琳琅よ!」「そうだったのか、では私から陛下に…」韓燁は縁談をまとめようとしたが、珍しく焦った洛銘西は無用だとはねつけた。帝承恩は夢にまで見た都にやって来た。しかし皇帝の指示で下等宮女の宿舎だった沅水閣(ゲンスイカク)に住むことになる。屋敷は簡素で装飾もなく、侍女たちは皇太后の恩寵で戻れた罪人の娘に冷たかった。すると洛銘西が10年ぶりに会いに来た。「慕青、梓元の侍衛だった人よ?見抜かれないかしら?!」「私の言った通りにすればいい」そこで帝承恩は梓元が得意な碁を打ちながら洛銘西を待った。洛銘西は質素な部屋を見て心配し、冬の衣と寝具を届けさせると言った。「人から親切にされるのは久しぶりよ…」「私たちは兄妹も同然だった、太祖の遺詔がなければ今も一緒に靖南にいたはずだ」洛銘西はそれとなく帝承恩に探りを入れたが、帝承恩はよどみなく答えた。「13年前、先帝が遺詔で私を太子妃とし、父は都へ私を送った でもあなたが心配して一緒に来てくれたわ」そこで洛銘西はわざと鎌をかけた。「あの頃は太子殿下を生涯の宿敵だと思った…だが帰元(キゲン)閣で腕比べをして親しくなった」「ふふ、銘西哥哥、違うわ、秋水(ショウスイ)閣でしょ?帰元閣は私の居所よ」帝承恩は洛銘西を門で見送り、屋敷に入った。近くの露店からその様子を見ていた安寧は人知れず涙を流したが、侍衛・冷北(ランベイ)だけは公主の憂いに気づいてくれる。すると冷北は露店のお面を使って公主を笑わせた。「会わなくていいのですか?」「梓元が無事ならそれでいいの」その夜、洛銘西は翎湘楼に慕青を呼んだ。慕青は生まれた時から洛家に忠誠を近い、16歳の時に瑇山に送られている。「お前の役目は?」「山で小姐の警護を…」「見張りだ」洛銘西は慕青の帝承恩への淡い恋心に気づいていた。幼少より自分に仕える慕青を信頼して任せたが、念のため、もし情に絆され不始末でもあれば帝承恩の命はないと釘を刺しておく。「本当に分かっているのか?…一手、間違えていたぞ?」洛銘西は帝承恩が打っていた碁の誤りを見逃さなかった。つづく( ̄▽ ̄;)承恩…声は可愛いのに顔が怖いwてっきり洛銘西が身代わりを準備したと思ってたけれど、違うのか~
2024.03.10
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第12話「発揮された実力」県主・花琉璃(カリィウリ)と郡主・田嘉敏(デンカビン)が行方不明になった。皇太子・姫元溯(キゲンソ)は琉璃を救うため寝る間も惜しんで奔走、一方、母妃に関わらないよう釘を刺された英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)も許嫁と同志を救うため捜索に参加する。しかしようやく見つけた隠れ家はすでにもぬけの殻だった。元溯は争った形跡がないことから2人が無事だと確認できたが、そこへ新たな情報が届く。「殿下、轍(ワダチ)が南へ続いています」そこで元溯は二手に別れて探そうと提案し、英王には南へ行くよう頼んだ。姫元溯は南州なら刺客と遭遇せず比較的安全なため兄を向かわせた。「黒甲軍の精鋭を率いて山嶺(サンレイ)州へ」しかし皇太子が留守の間に都にいる間者の半数が始末されてしまう。一方、琉璃たちを乗せた馬車は山道を走っていた。女の刺客はこの仕事を終えれば兄と共に自由になれると話したが、琉璃に隴西(ロウセイ)の出身だとばれてしまう。「ところどころ隴西の訛りがあるから…でも本当に簡単に解放してもらえるのかしら?」琉璃は安泰な暮らしができるよう自分の令牌を渡し、刺客の警戒を解いた。「なぜ私を助ける?」「私が花琉璃だと気づいていたのに黙っていてくれたでしょう?」「…もう行くわ」すると刺客は茶碗の破片を嘉敏に渡して車から出てしまう。(* ゚ェ゚)<…これ、なぜ私にくれたの?(^ꇴ^)<丈夫そうな方に渡したのよ琉璃たちの馬車は林の中で止まった。すると待ち構えていた別の男たちが琉璃と嘉敏を馬車から降ろし、ひとまず腹ごしらえを始める。琉璃はその間に嘉敏から破片を受け取り、縛られた腕の縄を切り始めた。しかし男たちが酔った勢いで琉璃たちをからかいにやって来る。気が強い嘉敏は思わず両親が許さないと挑発、男たちが面白がってちょっかいをかけた。一方、姫元溯は玉京を急いで離れるならこの道を使うはずだと確信していた。しかし斥候の調べで山嶺州の出入りの記録に花県主と田郡主らしき者がいなかったと分かる。小八(ショウハチ)は他を探すよう進言したが、その時、元溯は道端の木の枝に引っかかった手巾を見つけた。すると手巾に発発(ファーファー)の刺繍がある。…琉璃が残したのか?!やはりこの道で正しい…実は琉璃は刺客の目を盗み、車の窓から手巾を捨てていた。嘉敏は男たちにからかわれ、悲鳴をあげていた。しかし突如、琉璃が目の前に現れたかと思うと、男がばったり倒れてしまう。…私を怒らせたわね…縄を切った琉璃は護身用に隠し持っていた軟剣を履き物から引き出し、鮮やかに男の首を切り裂いた。琉璃は見事な武功で男たちを片づけた。物陰に隠れていた田嘉敏はこれまで琉璃をいじめて来たことを深く後悔し、報復を恐れて泣き出してしまう。しかしその頃、琉璃は怪しい人影を追っていた。琉璃は自分たちを見ていた仮面の男を見つけ、剣を突きつけた。「何者?…ん?賀遠亭(ガエンテイ)でしょ?!」正体を見破られた賀遠亭は仕方なく仮面を外した。「ひょっとしてあなたが私たちをさらわせた?」「今やそなたは鴻臚寺卿(コウロジケイ)、金珀(キンハク)国の仕業に見せかけ殺されるやもと案じたのだ だいたい我らが殺すならわざわざこんな所まで連れて来るものか そなたは私の女ゆえ灰と化しても分かる…では失礼」「万国朝拝会には来るでしょう?」「いいや」「あの5人の間抜けな刺客を始末してもいいのね?」すると賀遠亭は悔しそうな顔で帰って行った。琉璃は嘉敏の元へ戻ると、何事もなかったかのように病弱な花県主を装った。呆気にとられる嘉敏だったが、辺境でつちかった琉璃の生き残り術のおかげで一夜を乗り切り、翌朝にはちょうど通りかかった夫婦の荷車に同乗させてもらうことに成功する。親切な奥さんは2人に焼餅(シャオビン)や果実をくれた。嘉敏は夫婦が娘への土産を分けてくれたと知り、自分の高価な耳飾りを外して荷物に忍ばせておく。こうして琉璃と嘉敏は山嶺州の城門に到着、すると検問を見守る皇太子の姿を見つけた。(^ꇴ^)ノ″<太子殿下~!姫元溯は琉璃の無事な姿に安堵し、思わず駆け寄って抱きしめた。「殿下、またお会いできて良かった」「余も同じだ」嘉敏は琉璃と皇太子の熱い抱擁に驚き、また秘密が増えてしまったと困惑してしまう。…命を保てるかしら…一方、英王はまだ南州で必死に琉璃たちを探していた。琉璃は無事に屋敷へ到着、鳶尾(エンビ)と再会した。しかし琉璃が郡主に助けてもらったと嘘をついたため、嘉敏は捜査への協力を求められ大理寺へ連れて行かれてしまう。その頃、尚書府では田尚書(デンショウショ)と順安(ジュンアン)公主が娘の無事を喜んでいた。聞けば娘が猛獣から花県主を守り抜いたとのこと、2人は立派に育った娘に感激し、手を取り合って涙する。まさか娘が英雄になったおかげで遺体の確認まで押し付けられ、散々な目に遭っているとは知らずに…。姫元溯は琉璃を心配して花府を訪ねた。それにしても骸を見ることもできない郡主が獣に立ち向ったとは到底、思えない。小八の話では骸に残っていた噛み痕は死後についたもので、死因は刺殺だった。「県主にお尋ねを?」「県主は答えまい」「ではなぜここに?」すると目を覚ました琉璃がやって来た。琉璃は姫元溯が不眠不休で自分を探していたと知り、密かに安眠香を焚いた。すると元溯は琉璃に探りを入れながら、そのまま居眠りしてしまう。一方、屋敷に戻った賀遠亭も舞姫・絳紗(コウサ)が焚いた媚薬の匂いでむせていた。「私には効かぬぞ、誘惑の術は縉(シン)国の太子か皇帝に使え」絳紗はあっけなく追い出され、外に控えていた従者に不満を漏らした。「効果があるはずでは?」「二殿下は花琉璃という女にだまされて以来、女子に警戒している そなたはおとなしく待て、機嫌を損ねるな」田嘉敏が大理寺から解放される頃にはすっかり日も暮れていた。すると門前で英王が待っている。嘉敏はてっきり英王が自分を心配して迎えに来てくれたと思ったが、姫元灝はあっけらかんと琉璃がここにいると聞いて駆けつけたと言った。「か弱い花琉璃なら花府にいます…もう殿下とは会いません!」しかし鈍感な元灝にはなぜ嘉敏が急に怒り出したのか分からなかった。田嘉敏は尚書府の馬車にも乗らず、夜の町を独り歩いた。…私って何て馬鹿なの、初めから私のことなんて眼中にないのね…すると嘉敏は人気のない通りでしゃがみ込み、号泣してしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)やっと本編が始まったわ!w
2024.03.09
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第11話「無謀なお嬢様」英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)と郡主・田嘉敏(デンカビン)は花琉璃(カリィウリ)に対抗して豪華な店を出したが、初日から大損した。しかも龍井(リュウセイ)坊の民なら食事を無料にすると宣伝したのに誰も来ない。すると日が暮れた頃になってやっと龍井坊の民たちが夕食にやって来た。聞けば龍井坊の民たちは皆、琉璃の店で働いているため、日中は来れなかったという。嘉敏は民が花家の店員だと分かるとあからさまに嫌悪したが、民たちは憤慨した。「花県主は我々を店主として働かせてくれ、給料だけでなく利益まで分配してくださいます なのに県主を悪く言うなんて…帰ります!」姫元灝は花県主が金も使わず民に安定をもたらしたと知り、勝負がついたと悟った。琉璃の店は大繁盛だった。鳶尾(エンビ)の話では金玲苑(キンレイエン)で楽師・雲寒(ユンハン)が香飲料を飲む姿を見せたからだという。「…これが太子殿下の言っていた贈り物ね」すると皇帝の使者として総管の趙三財(チョウサンザイ)が聖旨を届けにやって来た。英王は潔く負けを認め、皇帝は花琉璃を鴻臚寺卿(コウロジケイ)に任じたという。翌朝から早速、琉璃は官服に身を包み、朝堂の末席を汚すことになった。眠い目をこすりながら何とか初めての朝議を終えた琉璃。散会後は皇帝が朝臣たちの労をねぎらい、全員に食事が供された。そこへ皇太子・姫元溯(キゲンソ)が現れ、官服姿の琉璃を見つけて目を細める。「初めての朝議はどうであった?」「…こちらへ」琉璃は皇太子と一緒に外へ出た。すると元溯は自分を勝手に連れ出せば弾劾されると警告する。しかし琉璃はすでに会食中の言動を朱晋(シュシン)に注意され、減棒されていた。「礼儀には気をつけよ」(´・ω・`)お、おぅ姫元溯は琉璃と一緒に龍井坊の改築現場を視察した。すると皇太子の表舅だと名乗る地主が居座るせいで作業が遅れている一帯を見つける。元溯は地主を呼び出し激怒、母の威を借りのさばる表舅を蹴り飛ばし、直ちに連行して処罰するよう命じた。「万国朝拝会の開催を妨げるものは厳罰に処する!」琉璃は初めて姫元溯が皇太子としての威厳を示す姿を目の当たりにした。そこで街に戻ってから差し入れを渡し、これで気を鎮めるようなだめる。「余が怖くないのか?」「ちょっとだけ…でも全ては民のためですから、母君の親戚にさえ私情を挟みませんでした」元溯は琉璃の言葉に救われたが、皇太子の姿に気づいた民たちは蜘蛛の子を散らすように逃げてしまう。「…余は嫌われておるな」「(機嫌を取ろうっと)殿下、花府へお越しください、贈り物があります」琉璃は花花香飲(ファファコウイン)舗で限定発売する予定のかき氷・雪酥山(セツソサン)をご馳走した。幼い頃にも皇太子に雪酥山を送ったことがあったが当然、溶けてしまい、姫元溯は空の入れ物だけをもらって困惑したことがある。喜んだ元溯は早速、かき氷を食べたが、また急に身体の様子がおかしくなってきた。「もしやこれも牛の乳か!」すると元溯は逃げるように帰ってしまう。「殿下?!牛の乳が何か?…はっ!」琉璃はようやく皇太子が香飲料を飲んで様子がおかしくなった原因に気づいた。三皇子・姫元弘(キゲンコウ)は琉璃から雪酥山と文を受け取った。…三皇子殿下の絵を店ののぼり旗に使わせて頂きました、民から可愛くて趣があると褒められます、もし絵を使うのが嫌なら太子殿下にお伝えください、のぼりはすぐ撤去します…そこで元弘は東宮に皇兄を訪ね、新しい絵を渡した。「また絵を描いたのか?…これは花琉璃だな?」「(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコク…彼女が…彼女が好き」すると元弘は恥ずかしそうに帰ってしまう。琉璃の雪酥山は限定販売も相まって大人気。噂を聞いた順安(ジュンアン)公主は娘に買ってきて欲しいと頼んだが、田嘉敏は行きたくないと拒んだ。しかし小遣いを減らすと脅され、嘉敏はいやいや西郊へ出かけることにする。一方、雲寒は皇太子と花県主に協力したせいで主から罰を受けていた。青楽(セイガク)は本当の主が誰か思い出させるためだと言ったが、雲寒は花琉璃が鴻臚寺卿になることで誰が最も焦るのか考えれば分かることだという。報告を聞いた黒幕は配下に雲寒に従うよう命じ、密書を破り捨てた。琉璃は何者かに尾行されていると気づいた。これまで屋敷に閉じこもってばかりだったが、店に出るようになり刺客を誘き寄せてしまったのだろう。そこで鳶尾に買い物を頼み、わざと人気のない裏通りへ入った。…ここなら派手に動いても大丈夫そうね…しかし突然、田嘉敏に腕を捕まれ、空き家に押し込まれてしまう。「なぜ嫌がらせするの?!雪酥山を買いに行くと店が閉まってた!わざとでしょう?」「誤解よ、分かりました、特別に作らせます」すると窓から何者かが眠り薬を放ち、突然、嘉敏が倒れてしまう。琉璃は咄嗟に口を覆って無事だったが、敵の目的を知るため、眠ったふりをして倒れた。刺客は倒れた娘のうちどちらが花県主か分からなかった。結局、どちらも誘拐して郊外まで運び、廃屋に閉じ込める。琉璃は自分が花県主だとバレれば郡主が口封じに殺されると警戒、ひとまず刺客を混乱させようと嘉敏に提案した。一方、鳶尾は皇太子に県主と郡主が行方不明だと知らせた。驚いた姫元溯はすぐ捜索を始め、空き家に落ちていた郡主の腕輪を見つける。窓枠には珍しい眠り薬の粉が残っていた。さらに龍井坊から3里の場所に血痕があったと報告が来る。元溯は全力で捜索すると約束し、ひとまず鳶尾と小紅(ショウコウ)を屋敷に帰した。姫元溯は雲寒に総力を結集して花琉璃を探すよう命じた。しかし雲寒は花県主がこれまで何度も自身で難を逃れて来たことから、今回も何とかできるはずだという。「殿下、探りは入れられますが、兵は動かせません 都へ呼んだ県主を利用し、皇后の謀反の一味の残党を誘き出す計画でしょう? 今こそ好機なのにあきらめるのですか?!我々は長い時をかけて都中に間者を配してきました 計画を台無しにしてまで県主を助けると?!」「…花家の忠心を疑い、繰り返し探りを入れてきた、だが今はそれを後悔している」女の刺客は琉璃たちに夕食を出し、縄まで解いてくれた。「あとで移動する、私たちは身柄を引き渡すだけ、それまで傷つけないわ」琉璃は刺客が悪人ではないと気づき、素直に食事をすることにした。すると田嘉敏は琉璃と自分の食事に差があると気づく。「どうして料理が違うの?!」「痩せている方が多く食べるべきだからよ」刺客はさらに琉璃だけに果物をくれる。一方、雲寒は主と皇太子の板挟みに悩んでいたが、結局、一斉に伝書鳩を飛ばした。姫元溯はまだ琉璃を狙う刺客がいることに困惑していた。…見落としがあるのか?裏で操っているのは一体、誰なのだ?…そこで小八(ショウハチ)に金珀(キンハク)国の間者がまだ都に潜んでいるのか調べるよう命じた。「阿瓦(アガ)に探りを入れよ」…琉璃、必ず助けてやる…田嘉敏はこれから移動すると知り、自分が援護するので琉璃に逃げるよう勧めた。「できるの?!」「当然でしょう、ひ弱なあなたと違って5歳から兵法を学んで武術を稽古してきた さっきの肉のお返しもあるし…」琉璃は思わず失笑したが、嘉敏にも優しい一面があると知った。その時、刺客がやって来る。つづく( ๑≧ꇴ≦)やっと話が分かったwwwww
2024.03.08
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第10話「龍井坊の改造計画」花琉璃(カリィウリ)は英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)が流民たちに炊き出しを始めたと知り、様子を見に出かけた。英王を後援する文官・朱晋(シュシン)は花県主が手柄を横取りに来たと警戒したが、元灝は民の目があるためか弱い県主を邪険にできない。すると琉璃は炊き出しが当座の策に過ぎないと指摘、むしろ働く意欲を失わせてしまうという。花県主の意見に触発された姫元灝は作戦を変更、龍井(リュウセイ)坊の農民救済と銘打って″冬瓜を買うと英王の絵姿がついてくる″と宣伝した。皇帝は皇太子が英王と花県主の勝負に横槍を入れないよう、押送された金珀(キンハク)国の人質・阿瓦(アガ)の尋問を任せた。 大理時少卿・裴済懐(ハイセイカイ)の報告では5人の刺客たちが花県主を頼みに思っているという。しかも阿瓦は花県主に会わせろと毎日、訴えていた。「花県主が金珀国と通じている証拠では?」驚いた元溯は早速、阿瓦を審問することにした。「花琉璃に会ってどうするつもりだ?」「私を騙した花琉璃は我らが二皇子に騙された 二皇子はあの女を美人計にかけて縉(シン)国の捕捉を逃れたのだ 花琉璃は二皇子に惚れていた、だが惚れ込ませたのは二皇子の苦肉の策 怒った花琉璃は二皇子を捕らえるはずが、なぜか私を捕まえた」元溯は詳しい経緯を知るため、裴済懐を金珀国の刺客に仕立てて阿瓦の牢に入れた。姫元溯は雲寒(ユンハン)を訪ね、金珀国の第二皇子について聞いた。賀遠亭(ガエンテイ)は母親に後ろ盾がなく不遇だったが、自分の実力のみで兵力を手にしたという。武芸に秀で、統率力もあり、皇太子に次いで支持されていたが、阿瓦将軍が大敗を喫し、今は勢力が衰えていた。「その後は遊歴に出ているとか」琉璃は英王に炊き出しをやめさせることに成功、さらに農民の野菜を掛け金で全て買い取った。しかし資金が底をつき、皇太子に借金しようと思いついて安康(アンコウ)苑を訪ねる。すると皇太子が珍しく髪を下ろして俗っぽい装いで現れた。「見識の広い県主に聞きたい 余と侍従、金玲(キンレイ)苑の楽師、金珀国の二皇子なら誰が一番だ?容姿で選べ」(* ゚ェ゚).oO(二皇子?なぜ急に賀遠亭???琉璃は姫元溯が熱でもあるのではないかと心配し、おでこに手を当てようとした。急に琉璃に迫られた元溯は動揺して避けているうち後ろに倒れ、巻き添えになった琉璃は皇太子に覆い被さってしまう。気まずいわ…)Oo.(・д・` *)(* ´・д・).oO(なぜこんなことに…元溯は咄嗟に話題を変え、競争相手である英王と会うべきでないと助言し、金玲苑にも近づかないよう釘を刺した。「太子殿下と会うのは構わないと?」「もちろん、私は推薦者だからな」琉璃は皇太子に出資させるため、龍井坊改造図を見せて構想を明かした。万国朝拝会で使臣たちが龍井坊に到着すれば衣食住の需要が増加、そこで付近の廃屋を利用して店を出し、民に仕事を与えるという。姫元溯は見事な解決策に感心し協力を申し出たが、袂から出てきたのは銀子が入った小さな巾着ひとつだった。( ̄▽ ̄;)<太子殿下、私財を投げうってのご支援、ありがとうございます英王の絵姿は民に不評だった。結局、郡主・田嘉敏(デンカビン)が全て引き取り、野菜を買って民を助けた花県主が優勢となる。嘉敏は英王府に駆けつけ意気消沈する英王を励ましていたが、その時、従者が駆けつけた。「殿下、県主が西郊に店を開くとか…」すると嘉敏は琉璃に対抗すべく、自分が銀子を出して琉璃の店の前に英王の店を出すと決めた。「ここで諦めては全て水の泡です!殿下、やりましょう!」田嘉敏が琉璃の店の前の廃屋を改装、立派な店を造った。鳶尾(エンビ)は郡主の嫌がらせに困惑したが、琉璃にとってはまさに渡りに船だという。翌日、嘉敏は鳶尾がわざと落としたちらしを入手、琉璃の店が無料送迎で試食も無料だと知った。その後、鳶尾が街へ出てみると、英王の店・群英食肆(グンエイショクシ)がちらしを配っている。「何々?…無料送迎、試食無料ねえ、ふふ」実はその頃、琉璃は密かに店の出資者を募っていた。「銀子を収めたら、その分の配当がもらえるのよ」5日後、英王の店と琉璃の店・″花花香飲(ファファコウイン)舗″が開店した。田嘉敏が無料馬車を出してくれたおかげで琉璃は何もしなくても多くの客を呼び込むことに成功。しかし飲み物が無料でないと分かると客たちは群英食肆へ行くという。「でも飲み物が入っている瓢箪には細工があるの!」田嘉敏は客入りが思ったほどではなく落胆していた。すると琉璃の店で飲み物を買った客たちが何やら盛り上がっている様子を見かける。聞けば飲み物を入れた瓢箪には蝋が貼ってあり、剥がすと文字が出て来る仕掛けになっていた。そして4文字を集めて成語ができると人形と交換してもらえるという。すでに花花香飲舗では瓢箪と人形を交換しようと、長い列ができていた。その夜、屋敷に戻った琉璃は店の帳簿に四苦八苦していた。すると皇太子が現れ、琉璃に真珠がつまった化粧箱を贈る。「殿下?!…盗んだのですか?」「受け取れ」そこで琉璃は店の商品の味見を頼んだ。姫元溯は美味しそうに飲んでいたが、やがて顔が真っ赤になり、目が据わってしまう。「お酒は入れていないのに…」「余は酔っておらぬぞ…余は…このまま県主のそばにいたい…」「ダメです殿下、私が送ります」琉璃は皇太子を連れて外に出た。すると姫元溯は庭の石段に座り込んで居眠りしてしまう。琉璃は仕方なく一緒に腰を下ろし、皇太子が目を覚ますのを待つことにした。「殿下、月がきれいですよ?…本当は鴻臚寺卿なんてなりたくない 父は″人の身になれ″と言うけれど、私が守りたいのは花家です 国に尽くした花家にこんな仕打ちは酷すぎる… …まだ起きないのかしら、殿下?」寝たふりをしていた元溯はそこで目を開いたが、思いがけず自分の顔をのぞき込んでいた琉璃の顔が目の前にあった。姫元溯と琉璃は気恥ずかしくなって慌てて離れた。すると動揺した元溯は酔ったふりも忘れ、急にしらふに戻ってしまう。「帰るよ…そうだ、もう1つ贈り物がある、屋敷で朗報を待っていろ」「殿下、今夜のことは内緒にしますね、ふふ」つづく( ゚ェ゚)おじいちゃん… ←違うw
2024.03.07
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第2話「舞い降りた奇才」元宵節まであと三月(ミツキ)。教坊使の宇巡安(ユージュンアン)は宮廷楽師の官設である左教坊・右教坊・内教坊の副使たちを集め、一月後に最初の選抜を行うと伝えた。今回は皇帝が諸外国の使節を宴に招待することになり、万に一つの失敗もないよう早めに準備することになったという。左教坊・蘇宗辰(スーゾンチェン)と内教坊・李鑫(リーシン)は問題ないと答えたが、陸景年(ルージンニエン)率いる右教坊には未だ琵琶(ピパ)の主席奏者がいないと知っていた。陸景年はかつて宮中の儀礼や音楽を司る太常寺(ダイジョウジ)の長官だった。しかし平民にも楽師の門戸を開くよう上奏し、特権を失うことを恐れた官吏らの猛反発で罷免されてしまう。皇帝が音楽を好むため、教坊は才能がなくても官吏の子女が成り上がることができる踏み台だったからだ。宮中にある内教坊の副使・李鑫はそんな景年を敵視していたが、景年は試験も受けず裏金で教坊に入った李鑫を蔑んでいた。宇巡安は息子の親友である陸景年とは旧知の仲だった。かつて高位にいた陸景年が体面を気にするのではと案じていたが、右教坊も参加すると聞いて嬉しいという。しかし景年は今ではただの楽師で貧しい教坊の副使だと謙遜し、元宵節の賞金目当てだと笑った。宇巡安の息子・宇師傑(ユーシージエ)は美食品鑑定士、その日も料理店の厨房で存分に腕を振るっていた。すると師傑の著書″都の美食図鑑″を買って食事券を当てた客がやって来る。しかし給仕が偽物の食事券だと気づき料理を出せないと断ったところ男が激怒、食事券の真偽を確認に来た師傑まで騒ぎに巻き込まれてしまう。その時、ちょうど居合わせた右教坊の楽師・欣児(シンR)が暴れる大男を殴り飛ばし、追い返してくれた。欣児の食べっぷりと腕っぷしの強さにすっかり惚れ込んだ師傑、そこへ侍女が慌てて駆けつける。陸景年が楽師たちに鳳頸(ホウケイ)琵琶を試し弾きさせることになり、成功すれば主席になれるというのだ。「まだ郎君を納得させた楽師はいませんよ!」実は料理店には偶然にも李颯颯(リーサーサー)がいた。「陸景年、やっぱりあなたでは私の琵琶をいかせないのね~ふふ」そこで颯颯は露店で一番、安い琵琶を手に入れた。翌日、陸景年は今日も楽師たちに鳳頸琵琶を試し弾きさせた。しかし誰も弾きこなすことができず、最後の1人・欣児に至っては残業したくないと帰ってしまう。景年は大きなため息をつきうなだれたが、その時、突然、外から琵琶の音が響き渡った。陸景年たちが外へ飛び出すと、妙音閣(ミョウインカク)の屋根の上であの娘が琵琶を奏でていた。その見事な音にいつの間にか人だかりができている。「縦弾きだわ、しかも撥(バチ)を使っていない」「痩せ細っているのにこんな才能が?!」誰もが初めて見る颯颯の奏法に目を奪われ、素晴らしい演奏だと絶賛した。「どうやら私は彼女を見誤ったようだ、鳳頸琵琶の本物の持ち主なのか?一体、何者なのだ?」景年も颯颯の才能に脱帽、最後まで聴き惚れた。「あら、陸郎君、おじゃまだったかしら?」颯颯が嫌味を言うと、琵琶から転手が取れて屋根から落ちてしまう。「驚いた、壊れた琵琶でこれほど演奏できるなんて…」陸景年は颯颯に琵琶を返し、その才能を認めて右教坊で働くよう頼んだ。しかし颯颯は用があるため留まることはできないという。「姑娘の用とは…夫を探すことか?」景年は捕らえた曲者を颯颯に合わせた。聞けば琵琶を奪えと命じたのは李茹娘(リールーニャン)の夫だという。「夫はどこ?!」「家は南の市(イチ)の西通り、首尾よく奪えたら褒美をくれると…」「なんて男なの?!ちょうど夫を探していたところよ…私が成敗してやる!」陸景年は颯颯を夫の家まで送ることにした。…泥棒を捕まえていたのに黙ってた、しかも夫探しまで手伝うなんて何か魂胆があるはずよ…しかし無事に茹娘の夫の屋敷に到着、颯颯は馬車を降りた。「ここでお別れね〜送ってくれてありがとう」飄々とした陸景年の心は颯颯にも読めなかったが、どちらにしても二度と会わずに済む。一方、景年は馬車に揺られながら、鳳頸琵琶も奏者もいずれ自分のものになると不敵な笑みを浮かべた。つづく( ゚ェ゚)最近の刺客ってみんなこんな感じなの?w
2024.03.06
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第9話「勝負の行方は分からない」皇太子・姫元溯(キゲンソ)があえて釈放した刺客が仲間と合流、おかげで大理時少卿(ショウケイ)・裴済懐(ハイセイカイ)は金珀(キンハク)国の刺客を一網打尽にした。しかし報告を聞いても皇太子は上の空、何が悪かったのか急に叱られ、立たされてしまう。実は元溯は皇太后が花琉璃(カリィウリ)に英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)との縁談を勧めたことが気に入らず、裴済懐に八つ当たりしていた。琉璃は花園を散策中、談笑中の賢(ケン)妃と淑(シュク)妃に出くわした。すると賢妃は美しい花県主に嫉妬し、皇帝の目に留まろうと花園に来たのかと嫌味を言う。琉璃は誤解だと訴えたが、その時、皇太后が現れた。「県主は寿康(ジュコウ)宮の客人ですよ?行きたいところへ行けるはずです」驚いた賢妃と淑妃はひざまついて謝罪、逃げるように下がってしまう。そこへ思いがけず姫元溯が現れた。姫元溯は皇太后の機嫌を取るため、自ら手を取って寝宮まで送ることにした。琉璃は2人が何を話しているのか分からなかったが、雪に残った皇太子の足跡を楽しそうに踏みながらついて行く。「まさか皇祖母が花県主を気に入るとは…」「意図せぬ振る舞いにより誠意が見えることもある 幼子は無邪気だからずっと一緒にいたいと思わせるのね 哀家にとって磨けば光る傷なき玉だわ」そこで元溯は花県主との間に誤解があり、この機に和解したいと頼んだ。皇太后は真意が別のところにあると見抜いたが、ようやく琉璃を解放してくれる。「県主…酒食を設けるゆえ招待に応じて欲しい」「ゴホゴホッ!私は身体が弱いゆえ…」「焼肉だぞ?」「…太后、太子殿下はどうやら大切なお話があるようです!」東宮には大きな柿の木があった。姫元溯が幼い頃に病の床に臥した時、皇后が退屈しのぎに多くの樹木を運ばせたという。他の木は植樹してすぐ枯れたが、なぜか柿の木だけは生き残っていた。「だがその後…余は皇宮に1人残された」琉璃は当時、皇太子から文をもらったことを思い出した。…琉璃妹妹(メイメイ)、母上が亡くなり、返事を書けぬほど悲しみに沈んでいた、余は愛する母上を永遠に失った…「殿下、柿(シ)は事(シ)に通ず、これからは万事、意の如くかと…」姫元溯は自ら肉を焼いて琉璃をもてなすことにした。しかし料理など未経験、肉の焼き方はおろか食材まで見分けがつかない。琉璃はあまりの手際の悪さに困惑し、結局、自ら肉を焼くことになった。(  ̄꒳ ̄)<殿下、肉は網の上に置いて焼くのです( ̄▽ ̄;)<そうやって焼くのか…すると琉璃は辺境での生活を思い出し、両親や兄が出征した時は留守を任されたと話した。「民に寄り添うことで、どんな時も花家が共にあると知らせるためです」一方、皇帝も母后と碁に興じていた。すると皇太后は数日後の祭天の儀に花琉璃も参加させて欲しいという。「しかし先日はか弱い女子を国事に参加させぬようにとご助言を頂きました」「記憶違いでは?…花琉璃と元灝が会う機会を増やしたいだけ」皇帝は花県主が母后のお眼鏡に叶い安堵したが、気がつくと碁石をほとんど奪われていた。姫元溯は琉璃との食事を楽しむと、見せたい物があると言って書斎へ移動した。すると琉璃が幼い頃に送りつけた文や贈り物が大切に飾ってある。「まさかこんなガラクタを今までお持ちだったとは…」「面白いからな」飾り棚には心臓の形をした″流心錘(リュウシンスイ)″という武器や、梅花宴で活躍した下剤・一瀉千里(イッシャセンリ)もある。元溯は全て琉璃の心のこもった手作りの品だと知って喜んだが、やがて文は途絶えたと寂しそうに言った。「辺境で戦が始まり、色々なことがありました、途絶えたことに他意はありません」「あの頃は恋しく思ったものだ」「私も…素直に胸の内を明かせる殿下が恋しかったです」皇太后は祭天の儀を利用し、花県主を鴻臚寺卿(コウロジケイ)の候補者として推挙した。ようやく屋敷へ戻ることを許された琉璃。皇太后は自分が若い頃に好きだった品や琉璃の好物の菓子まで作らせ持たせてくれる。しかし皇太后は別れが辛いのか、顔を見せなかった。「太后!琉璃がお別れを!お身体に気をつけて!」琉璃は回廊から大きな声で挨拶し、偏殿をあとにした。三皇子は後宮を出る琉璃に新しい絵を贈った。一方、姫元溯は琉璃とのわだかまりが解け、宮道で琉璃を見送ることにする。「父皇が下賜した金雀通りの屋敷が良ければ伝えるが…」「結構です、住み慣れた旧宅は落ち着きますし、安全ですから」すると元溯は琉璃が病弱を装う時の必需品である白粉を贈った。晴れて花府に戻った琉璃は本格的に選挙活動を始めることになった。しかし琉璃が療養している間に奔走していた英王は有利、すでに花県主を牽制する宣伝で先手を打っている。そんな中、朝廷で思わぬ問題が起こった。万国朝拝会の準備で広い土地が必要になり、戸(コ)部が強引に民を立ち退かせたという。皇帝が観察使(カンサツシ)に探らせたところ、田(デン)尚書と姚(ヨウ)侍郎の所業だと発覚、朝議で2人は皇帝の逆鱗に触れた。そこで皇帝は英王と花県主に解決を命じ、これで優劣を決めるという。琉璃は早速、問題となっている土地を見に行った。しかし民は立ち退き料をもらったはず、なぜ流民になっているのだろうか。宋光(ソウコウ)の話では皇宮の近くという好立地で不自由なく暮らしていたせいか、金があっても自分で行動する意欲がないという。金珀国の人質・阿瓦(アガ)将軍が都に到着、収監された。すると隣の牢にいる5人が同胞の刺客だと知る。「花琉璃という毒婦を知っているか?!」「花県主?良い人ですよ~」ネー(*´・ω・)(・ω・`*)ネー「牢屋も居心地が良いし、飯も美味いし、嘆く必要はありません」そうそう>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ<清潔だし「お前たち…一体、何があったのだ?!」英王は郡主・田嘉敏(デンカビン)という力強い後援者のおかげで流民たちに炊き出しを始めた。鳶尾(エンビ)は焦りを隠せなかったが、琉璃はどこか余裕がある。「…鳶尾、当代一の病弱な美女を支えてちょうだい」「お任せください」つづく( ๑≧ꇴ≦)将軍と刺客wwwもはやこのドラマの見どころは金珀国か?!
2024.03.06
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第1話「琵琶がつなぐ縁」李颯颯(リーサーサー)は美貌と実力を兼ね備え、数々のコンテストで受賞している人気の琵琶(ピパ)奏者。ボーイフレンドにも事欠くことなく、親友・雯雯(ウェンウェン)が年下の実習生と付き合いたいと相談すれば、あっという間に戦略を練って見事に相手から誘うよう仕向けてくれる。しかしその夜の独奏会、颯颯は演奏中に不思議な声が聞こえ、幻覚に襲われてしまう…『私は都の女子で琵琶の弾き手、皆に美貌を妬まれ、夫には捨てられた 親兄弟もなく、親族に虐げられ、今は病に侵されているの 人生をやり直せるなら日々を慈しみ、あの方と添い遂げたい あなたは李颯颯であり李茹娘(リールーニャン)、願いを叶えてくれたら家へ帰れるわ』…颯颯が目を覚ますと、唐の琵琶奏者・李茹娘になっていた。実は自分の年代物の琵琶は茹娘の琵琶だったと知る。「私たち同じ琵琶を共有していたのね」颯颯は愛おしそうに琵琶の弦をなでると、突然、茹娘の記憶が頭に入って来た。『生まれた日から茹娘は他人のために生きて来た そして今日、無惨にも夫に裏切られた 人生をやり直せるなら夫とは別れ、昔、下馬陵(カバリョウ)で火事から救ってくれた若者を捜す あの方は私を助けて首にやけどを負った…』颯颯は茹娘が書き残した日記を見つけた。『元宵節には赤い衣に身を包み、あの方と息を合わせて合奏したい…』どうやら全てを終わらせるためには茹娘の願いを叶えるしかないらしい。すると突然、茹娘の琵琶を狙う曲者2人が現れた。颯颯は琵琶を抱えて逃げ出したが、これからどうしたものか。…都へ行くしかない、李茹娘の想い人を捜してあげよう…こうして都へやって来た颯颯。すると運良く右教坊(ウキョウボウ)で琵琶奏者を募集していると知る。…まずは職探しね…颯颯は早速、教坊に入った。実は娘たちの目当ては右教坊の副使・陸景年(ルージンニエン)。壇上に現れた景年は応募者10人1組で十八番を演奏させ、それを聞き分けて判断するという。「同じ曲でも善し悪しを聞き分けるのは難しい 楽器も曲も違うのに聞き分けるなんて無理じゃ…」颯颯は近くで見ようと演舞台の真上にある露台へ移動したが、誰かに押されて落下してしまう。悲鳴を聞いた景年は瞬時に反応し、落ちて来た颯颯を抱き止めた。互いに相手の第一印象は高得点。すると颯颯は景年が李茹娘の想い人の特徴と似ていることに気づく。…これで首に傷跡があれば、予想外に早く任務完了ね…颯颯はか弱い娘を演じて取っ掛かりを作ることにした。「あ…足をくじいたみたい」そこで女性の腕で一番、美しい手首を見せながら、控えめなセクシーさで魅了する。景年は怪我をしたのが嘘だと見抜いていたが、自分の周りにいる思いを秘める娘とは違い、珍しい策を講じる颯颯に興味を持った。景年は娘を家まで送ると言ったが、颯颯は遠いので必要ないと断った。そこで景年は身を寄せる場所がなければ空き部屋があると気遣う。すると急に猫が飛び出し、驚いた颯颯は咄嗟に景年の後ろに隠れた。…今だわ…颯颯は一瞬の隙に景年の首を確認したが、傷はない。…違った、駆け引きは終わりね、遊び人みたいだし人違いで良かった…「これで失礼しま~す」しかし裏門から出ようとすると、琵琶を狙う曲者が待ち構えていた。ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ<ここまで追って来たの?!颯颯は慌てて門を閉め、急に疲れたので泊まりたいと頼んだ。その夜、颯颯は助けてくれたお礼に自分の琵琶を景年に譲った。景年は断ったが、颯颯は受け取ってもらえなければ出て行くという。「そこまで言うなら受け取ろう」…引っかかったわ…実はその時、颯颯は教坊に忍び込んだ曲者2人に気づいていた。景年は琵琶を背負って夜の街に出た。すると早速、曲者が現れ、景年に襲いかかる。颯颯はその機に乗じ、琵琶が景年の手から離れたところで取り返した。こうして景年を利用し、曲者を追っ払って琵琶を取り戻した颯颯。しかし箱には琵琶ではなく、景年の手紙と銀子が入っていた。…ただで頂くわけにはいかない、銀五十両をあげよう…景年は曲者2人を捕らえ、右教坊に戻った。どうやら2人の目的はこの琵琶だったらしい。「繊細な造形に美しい色彩と均整の取れた胴、やはり″鳳頸(ホウケイ)琵琶″は最高だな」従者の生金(ションジン)はなぜ郎君が娘の企みに気づいたのか分からなかった。「これほど立派な楽器をみすぼらしい女子が持っているのは妙だ それに泊まるよう勧めると拒んだあと、不自然に気を変えた 教坊の近くにいたこの者たちは明らかに琵琶狙いだろう そしてあの娘は私に琵琶を渡そうと必死だった」「あとで奪い返す魂胆だと踏んで箱に銭を入れておいたのですね?」景年はどちらにしてもあの娘ではこの琵琶を守りきれないと分かった。「これで元宵節の宴での優勝にまた一歩近づいた」一方、裏を描かれた颯颯は怒り心頭だった。「見ていなさい」つづく(^ꇴ^)久しぶりにコスチュームドラマらしい作品が来ました!
2024.03.05
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第8話「予想外の加勢」姫元溯(キゲンソ)を英(エイ)王の対抗馬として推したものの、悪名高き皇太子が鴻臚寺卿(コウロジケイ)に選ばれるのは至難の業だと気づいた花琉璃(カリィウリ)。心配して朝堂の前で待っていたが、突然、謁見を命じられた。何事かと思えば皇太子が花県主を鴻臚寺卿候補に推したという。琉璃は病弱な自分に大任は担えないと辞退したが、皇帝は花家の名声のためにも気概を持てと鼓舞した。「勝ち負けに関わらず、最後まで諦めるでない」姫元溯は宸明(シンメイ)殿の前で琉璃が出てくるのを待った。すると皇太子に気づいた琉璃は膨れっ面、二度と信用しないと言い捨て帰ってしまう。…これが都に呼んだ目的だ、琉璃、悪く思うな…しかし意外にも花府に戻った琉璃はすぐ臨戦態勢に入った。確かに名誉挽回が難しい皇太子に運命を託すより、自分で戦った方がいい。一方、思いがけず鴻臚寺卿の座を許嫁の琉璃と争うことになった姫元灝(キゲンコウ)は祖母を頼った。英王の話では皇太子に強く推されて花県主が立候補することになったが、朝堂で泣きそうな顔をしていたという。「なぜ嫌がる女子を元溯は引っ張り出したのかしら?」そこで皇太后は花県主を呼び、身体が弱いのなら自分の寿康(ジュコウ)宮で暮らすよう命じた。琉璃と鳶尾(エンビ)はその日から寿康宮の偏殿で暮らすことになった。文官たちは皇太后が県主を軟禁したと知り、この機に乗じて英王を勝たせようと企む。一方、皇帝は母の真意を探っていた。実は皇太后は皇太子や英王では琉璃の本性を見極められないと心配し、自分が預かることにしたという。姫元溯は琉璃を助けるため、安康苑(アンコウエン)に雲寒(ユンハン)を呼んだ。この機会に発発(ファーファー)の可愛さを雲寒にも伝えたい裴済懐(ハイセイカイ)、しかし猫が苦手な雲寒は鈴付きの首輪を渡して追い払う。ともかく利発な県主のこと、雲寒は自ら方法を考えるはずだと皇太子を安心させた。琉璃は辺境での逸話を聞かせ、早速、宮女たちを取り込んだ。すると皇太子が現れ宮女たちを下げてしまう。「助けが必要か?」「太子殿下?!ここから出してくださいますか?」「無理だ、協力しすぎると皇祖母に疑われる、今日は祖母のために多彩な生地を持参した」元溯は自分にできることはやったが、琉璃があの頭の硬い祖母にどう対抗するのか見ものだった。琉璃は皇太子のおかげで″生地″が手がかりだと気づいた。確かに挨拶した時、寝殿に並べられた様々な生地が寸分の狂いもなく整然と並んでいたのを覚えている。そこで琉璃は仲良くなった宮女から情報を手に入れ、未の刻に寿康宮に衣を届けていると知った。琉璃は皇太后の衣装選びに顔を出しては、歯に衣を着せぬ意見を伝えた。「衣は着心地や使い勝手も大切ですが、多少の乱れは許されてもいいのでは?」「小娘に何が分かるの?!お下がり!」「はい…恐れながらこの生地を頂いても構いませんか?」「持っていきなさい」すると気分を害した皇太后は他の生地を宮女たちにも下賜した。鳶尾が新たな情報をつかんだ。皇太后は皇后の謀反で重傷を負い、それ以来、布の置き方までこだわるほど規律に厳しくなったという。「それと太后が下賜した生地で衣を仕立てた者を誰も見たことがないそうです」その夜、琉璃は両親が戦で負傷する夢を見て飛び起きた。「花家の名誉は必ず守る、私たちの運命を他人の手に委ねたりしない…」翌日、琉璃は皇太后からもらった生地で仕立てた衣をまとい、妃たちの花見に参加した。すると三皇子・姫元弘(キゲンコウ)があずま屋で絵を描いている。「もしやこれは…賢(ケン)妃と淑(シュク)妃ですね?!」寡黙な元弘は県主を一瞥しただけで、次の絵を描き始めた。「これは英王殿下!」「これは太子殿下ね!」元弘は琉璃に見る目があると分かりまんざらでもない様子、そこで琉璃は自分の絵も描いて欲しいと頼んだ。「すごく可愛い!お見事です」琉璃は三皇子の署名を入れてもらい、自分の似顔絵をもらった。侍女は皇太后に花見の様子を報告した。花県主の衣は妃たちに褒められ、どこで仕立てたのか盛んに聞かれていたという。県主は皇太后から下賜された生地で作ったと打ち明けたが、皇太后が英王のために県主を軟禁しているため誰も信じなかった。結局、賢妃は針子に新しい衣を作るよう命じ、琉璃と同じ藤色の生地を取り寄せたという。また淑妃もさまざまな花の刺繍を施した派手な衣を作ると決めたようだ。皇太后は琉璃がわざと見せびらかすため、花見に出かけたと分かった。すると噂の衣をまとった琉璃が現れる。「素敵な生地を頂いたお礼に贈り物をお届けに参りました」琉璃の贈り物は端切れを縫っただけのいびつな模様の衣だった。皇太后は激怒、すぐに下げろと叱る。すると琉璃は青寒州の民の晴れ着もここではボロに過ぎないと訴えた。「だからあえてボロ切れをかき集め、この衣を縫いました 太后が縉(シン)国の民にとって至上の太后だと伝えたかったのです 今は太平の世です、気楽にお過ごしください」皇太后はあらためて衣を手に取ると、琉璃の裁縫の腕はいまいちだと笑った。「立ちなさい、この衣はもらっておく」皇太后が裏庭に出ると、あずま屋で皇太子と花県主が三皇子を囲んで何やら談笑していた。すると侍女の端錦(タンキン)が思わず賑やかなのは久しぶりだという。皇太后も若い頃は何人かで集まったものだと懐かしんだが、時が過ぎると人心は量り難いと悟り、それも億劫になった。「花県主を見誤っていたと?」「いいえ、でも企みや謀略の全てが悪いとも言えない、大事なのは使い方よ」皇太后は皇帝が英王と花県主の仲を取り持とうとしていることを思い出した。「私は不似合いだと思ったわ、でも利発な者と正直者が一緒になれば助け合える」「では太子殿下とならいかがです?」「太子と花琉璃はどちらもずる賢い、あの2人が一緒になれば災いが絶えない」皇太后があずま屋にやって来た。すると皇太后が琉璃に英王をどう思うかと聞く。「夫婦となれば英王は妻を何より大切にするはずよ」( ̄◇ ̄;)はあ?つづく( ゚ェ゚)え…全然、意味が分からなかったwww ←ちゃんと見ろw
2024.03.05
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安乐传 The Legend Of Anle第11話任安楽(レンアンルー)を連れて太祖が眠る蒼(ソウ)山へやって来た韓燁(ハンイェ)。太祖の墓は眼下に靖国が広がり、墓石の″韓子安(ハンシアン)″の文字は帝家当主の筆だという。しかし皇帝にとって太祖の遺詔は皇家の恥となる愚行に過ぎなかった。実は太祖の遺詔により本来は帝(ディ)家と韓家の血族以外、皇太后さえ山に立ち入ることはできないという。「どうして私は山に入れるの?」「祖父に君を会わせたかった、予感がするのだ、君は私と隆盛の世を築くと… 知己としてそばにいてくれ」「知己になれというならなってもいい、でも太子妃の座を諦めたわけじゃないから」「夫婦にならずとも共に歩めばいい」「嫁荷まで捨てたのよ?どちらにしてもあなたが誰を選ぶか見届けさせてもらう」その時、突然、黒装束の刺客が現れた。簡宋(カンソウ)は江南の帰りに皇太子が蒼山に立ち寄ると想定していた。「しかし任大人がご一緒だとは、誤算でした」「あら、私も騙されたのよ?」簡宋は自分を誘き出すため、皇太子が自らおとりになったと分かった。忠義(チュウギ)侯の暗衛の首領にして稀代の剣の達人である簡宋。韓燁は7年も自分に仕えてくれた簡宋を信頼して禁衛軍を任せていた。「だが江南の視察のせいで忠義侯は焦り過ぎたな… あの夜、刺客は警告だけで誰も殺さなかった、お前の指示だったのだな」韓燁は内偵の存在に気づいていたが、結局、鍾礼文(ショウレイブン)の手紙が決定的な証拠となった。「忠義侯にもご恩があり、やむを得なかったのです」簡宋は皇太子に剣を投げ渡し、正々堂々と戦うことにした。2人は激しい攻防を繰り広げたが、やがて韓燁が簡宋の胸に剣を突き刺す。しかし韓燁はどうしても7年の盟友にとどめを刺すことはできなかった。すると簡宋は自ら剣に身体を突き刺し、崖に身を投げてしまう。安楽は韓燁が簡宋の命を救うため、侍衛を伴わずに来たと分かった。「殿下、いつか私が刃を向けたらどうするの?」「″疑わしきは用いず、用いるに疑わず″…君を信じ続けたい」琳琅(リンロウ)は刑部にいる主に密かに接触した。「新任の知府は江南へ無事に到着、治水工事も始まりました、鍾礼文はどうしますか?」「お前に任せていれば安心だ…鍾礼文には嫌がらせしてやろう」「…任大人のためですね?」「奴は安楽を陥れようとした、礼をしなくては」洛銘西(ルォミンシー)の心にいるのは安楽だけ、琳琅はそれでも主への忠誠が揺らぐことはなかった。古雲年(コウンネン)は任安楽に江南の拠点を潰され、簡宋まで死んだと知った。今や権勢も弱まり安楽への憎しみを募らせる古雲年、しかし情勢に逆らうこともできず、あえて任安楽への褒美を請うことにする。一方、安楽と韓燁は無事に城門へ到着した。「蒼山で太子殿下の見事な一手を見たわ、私を駒にしようと思いついたのはいつ?」「なぜ私の計略に気づいた?」「殿下が安楽に何でも話すからよ」「…君はずっと私の計略に関わっている、これは偶然か?」「偶然というより縁でしょうね」韓燁は安楽の本当の目的が皇太子妃ではないと認めさせたかったが、安楽は茶化して先に行ってしまう。「…任安楽、天高く舞う君の羽を私の手で折りたくないのだ」任安楽が屋敷に戻った。苑琴(エンキン)と苑書(エンショ)は嬉しそうに任安楽の名声が都中に知れ渡り、皇太子への求婚以上の騒ぎになっていると報告する。実は何者かが視察の手柄の9割方が安楽のお陰だと噂を流していた。安楽は洛銘西の仕業だと分かったが、皇太子も関わっていると気づく。しかしどこか気が晴れない様子だった。「小姐(シャオジェ)?太子殿下を本気で好きになったのですか?ふふ」「苑琴?…大(タイ)山でのことを覚えている?」「もちろんです、小姐に命を救われました」「あの辛い過去を決して忘れてはだめ…二度とそんな話をしないで」「分かりました」すると部屋に飾ってある鈴鐺が鳴った。「洛銘西だわ」安楽と洛銘西は帝家の霊廟で合流した。江南での成果で今や朝廷の半分が任大人の支持に回り、これを機に洛銘西は江南にも駒を送り込めたという。一方、安楽は江南で銀貨の持ち主が鍾(ショウ)という男だと突き止めていた。行方までは分からなかったが鍾礼文の屋敷で8万の将兵の名簿を発見、印が付いた生存者十数人の中に鍾海(ショウカイ)という名前があったという。洛銘西は自分が引き続き調べると決め、安楽が皇太子妃選びに出るまでもないと言った。しかし安楽は俗っぽい噂を広めてこそ黒幕が警戒を解いて馬脚をあらわすという。「真相に近づくためよ」「…情に流されて復讐を忘れぬか?」「確かに韓燁は度量も才覚も太子にふさわしい でも我ら8万の将士と九族の仇敵は韓家…彼は韓燁よ」その頃、韓燁は皇帝に謁見、任安楽の功労を上奏していた。実はすでに刑部尚書と古雲年が任安楽への褒美を請う奏状を出してきたという。そこで皇帝は忠義侯を牽制するためにも任安楽を妃にするよう命じ、皇太子の答えを遮った。「話は今夜の宴で直接、安楽へ伝えるがよい」その夜、皇太子と任安楽を労い宴が開かれた。しかし韓燁は縁談の件で安楽と目を合わせられない。すると洛銘西が現れ、安楽と働きたいと奏上したことを伝えた。安楽は応じられないと断ったが、韓燁は内心、穏やかでない。そこへ古雲年がやって来た。「任大人の手柄には私も貢献しているはずだが?」「そうだったわ~古斉善(コセイゼン)も鍾礼文も踏み台になってくれた 感謝の一献を捧げなくちゃ~グビッ! あ、それからお妃の座を譲ってくれたご息女にも~グビッ!プハーッ!」古雲年は安楽の挑発的な態度に呆然、憤慨して帰ってしまう。韓燁は安楽を屋敷まで送った。「着いたぞ?酔ったふりはよせ」そこで韓燁は帝梓元との約束を守らねばならないと伝え、今後は礼節を守るよう釘を刺した。o(`ω´ )o<うわぁぁぁぁん!知らない!安楽が怒ったふりをして馬車を降りると、韓燁は困惑したまま刑部に洛銘西を訪ねた。韓燁にとって10年前の話をできる唯一の相手が洛銘西だった。それにしても一匹狼の洛銘西がなぜ安楽とだけ親しくするのか分からない。「言ったはずだ?私に譲ってくれと…」「つまり刑部に欲しいと?」「私″も″独り身だからな」洛銘西はわざと韓燁を挑発した。「…いつの頃からお前の心が読めぬ」「帝梓元に固執しつつ、私が任安楽に近づくのを恐れるのか?」しかし韓燁は何も答えなかった。左丞相(サジョウショウ)・姜瑜(キョウユ)は忠義侯府を訪ねた。古雲年は帝梓元が下山すれば自分たちへの復讐を企むはずだと警戒したが、姜瑜はたかが子娘だという。「何より陛下が許しても太后が決して認めないでしょう」姜瑜は静観するようなだめて忠義侯府を後にした。「…忠義侯の娘を妃に推すのはやめさせよ、いいか?一挙にではなく徐々にだ」「はい」皇太后は帝梓元の下山に難色を示し、都へ戻るなら″帝承恩(ディチォンエン)″と改名するよう命じた。これに韓燁は憤怒、すぐ参内して抗議しようと決めたが、温朔(ウェンショウ)は事を荒立てれば梓元が苦しい立場に追い込まれると止める。「…独りにしてくれ」一方、安寧(アンニン)公主は靖安(セイアン)侯府で酒を飲んでいた。まさか瑇(タイ)山の永寧(エイネイ)寺に幽閉されている梓元が偽物だとは知る由もない。…あなたが名前を変えるはずない、瑇山で心安らかにね…安楽も翎湘楼(レイショウロウ)で洛銘西から改名の話を聞いた。「怒ることではないわ…実際、子供を生かしたのは恩寵だもの」「よせ、分かっている、君が不撓不屈(フトウフクツ)だと…」それより洛銘西は偽の梓元があっさり改名を受け入れれば怪しまれると心配した。「以前は私たちも名前で呼び合っていたわね、銘西哥哥… でもあなたが私を靖安に送って任安楽が生まれた 不幸な娘を身代わりにして10年も閉じ込めたのよ? 彼女は衣食住と引き換えに私の名を名乗ることになった これ以上、犠牲にはできない、自由にしてあげましょう」翌日、韓燁は改名を強要された梓元の慰めになるかと采微軒で贈り物を準備した。すると突然、安楽が現れ、大事な書物を横取りされてしまう。実はその書は靖安侯が残した蔵書で、靖安侯の筆跡が残っていた。そこで安楽はもし帝梓元が本当に下山したら返すと約束して帰ってしまう。安楽は車の中で本を開いた。懐かしい父の筆跡、安楽は必ず恨みを晴らすと決意を新たにする。つづく( ๑≧ꇴ≦)偽物クルーーーーーーーーーーッ!
2024.03.04
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安乐传 The Legend Of Anle第10話酒を飲んで再び失態を犯した韓燁(ハンイェ)。翌朝、慌てて任安楽(レンアンルー)に謝りに行ったが、ちょうど顔を洗っていた安楽は見えないふりをして韓燁の手を握った。驚いた韓燁は慌てて退散、ばつが悪そうにあずま屋で待っていると、安楽がやって来る。「任安楽、私は酒に弱い、昨夜、非礼があったなら許して欲しい」「もっと大胆に迫ってくれたら太子妃になれたのに~」相変わらず茶化すのが上手い安楽、すると韓燁は天下の隆盛のため安楽の力が必要だと訴えた。「昔、太祖と帝盛天(ディセイテン)が力を合わせたように…」「太子殿下、太祖と帝盛天のような関係は2度とあり得ない」韓燁の思いがけない言葉に安楽は複雑な表情を浮かべたが、すぐ笑顔に戻った。一方、苑琴(エンキン)と苑書(エンショ)は引き続き靖安(セイアン)侯の銀貨の持ち主を捜していた。米店の店主の記憶を元に鍾(ショウ)という男の姿絵を手に入れたが、小さな町だというのになかなか見つからない。すると苑書が絵姿に似た男がふいに店から出て来るのを見た。慌てて追いかけようとしたが、突然、温朔(ウェンショウ)が現れ、視界を遮られた間に見失ってしまう。「あ、その似顔絵は…まさか意中の人なのか?」「苑書の哥哥なの」苑琴は咄嗟に苑書が江南で生き別れになった兄を探しているとごまかした。安楽は韓燁の部屋で横領の証拠となる鍾礼文(ショウレイブン)の裏帳簿とこつ然と消えた500人の工人の行方について話し合った。韓燁の調べたところ、実は沐天(モクテン)府が鉱山の工人500人をわずか3日で集めたという。その時、窓紗に聞き耳を立てる怪しい人影が映った。韓燁は身近に内偵がいたことに気づき、再び一芝居打つことにする。「安楽、私はこれから鍾礼文を訪ねる、君は…」( ・ノェ・)コショッ<殿下、芝居が上手くなったわね安楽に褒められた韓燁は不敵な笑みを浮かべながら偽の文をしたため、侍衛・簡宋(カンソウ)を呼んだ。「よいか、必ず2日以内に刑部の洛銘西(ルォミンシー)へ届けよ」しかしその手紙は鍾礼文に届く。…鍾礼文の裏帳簿を発見…驚いた鍾礼文は裏帳簿の確認に行こうとしたが、突然、皇太子が現れた。その夜、鉱山のある趙家荘(チョウカソウ)に山賊が乗り込んだ。しかし待機していた衛兵が山賊を包囲、苑書と苑琴が現れる。実は韓燁と安楽は鍾礼文が焦って工人たちを始末すると踏み、すでに兵士を忍ばせていた。驚いた山賊は降参し、覆面を外して沐天府の役人だと釈明する。「信じてくれ、趙家荘が襲われると知らせがあり、様子を見に来ただけなんだ!」一方、韓燁は堤防建設の不備を追及しながら時間を稼いでいた。そこへ苑書が駆けつける。「太子殿下、趙家荘で山賊を捕らえました、任大人(ダーレン)が処遇を殿下に尋ねるようにと」鍾礼文は保身のため配下を切り捨て、山賊を死罪にすべきと進言した。韓燁は山賊に罰を下すため、早速、趙家荘に出かけて行った。鍾礼文はその隙に裏帳簿の無事を確認に向かったが、隠し金庫から出したところで皇太子と任大人が兵を率いて乗り込んで来る。…しまった!罠だったか…しかし鍾礼文は万が一に備え、自分の妻妾(サイショウ)たちが帳簿を記したように装っていた。「妻妾たちの帳簿にご興味が?お疑いならどうぞご覧ください」そこで韓燁は人並外れた記憶力を持つ温朔に帳簿を確認させた。温朔は筆跡が被災民救済の文書にある鍾礼文と同じだと指摘、しかも帳簿にある12人の妻妾の名は12人の役人の署名の筆跡と合致しているという。「温朔は一度見たら忘れないって言ったでしょう?望江楼での茶番で墓穴を掘ったわね?」鍾礼文は安楽にまんまとはめられたと気づいたが手遅れ、この裏帳簿が堤防建設費を懐に入れた証拠となり、その場で取り押さえられた。安楽と韓燁は気分転換に河原に出かけた。すると水害の犠牲者を悼む灯籠が川上から次々と流れて来る。安楽はふいに義民の血書を思い出し、胸が張り裂けそうな思いだと吐露した。「太子殿下、いつになれば清らかな大河の水を得られるのかしら? 中には雪辱を果たせず、忘れられる人もいる」安楽は帝家の無念を思うとやるせない。しかし韓燁にも″いつ″とは答えられなかった。「だが安楽、君のような人がいる限り、必ず靖(セイ)国に晴明なる世が訪れるだろう 君は独りではない、どんな時も私が君と共にいる」韓燁の誠実なまなざしは帝梓元(ディヅユアン)の心をゆさぶったが、安楽はすぐいつもの調子に戻った。「それより共に寝てくれればいいのに…」安楽と韓燁は町へ戻った。韓燁は安楽が初めから温朔を利用するため、江南行きに同行できるよう策を講じたと気づく。「ふふ、殿下の指導の賜物ね~」すると韓燁は誰かをそばに置くのは安楽が唯一の例外だと言った。しかし安楽は偶然さえ必然に変えるとはさすがだと笑って行ってしまう。安楽は審理に同行しなかった。沐天府衙(ガ)で支度をしていた韓燁はうっかり安楽の名を呼びそうになり、温朔から安楽がいないと調子が狂うようだと揶揄されてしまう。一方、都では忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)が音沙汰のない鍾礼文を案じていた。夫人は弟に捜査が及べば自分たちも火の粉をかぶると不安を募らせたが、夫から弟が今度もしくじれば2度と生きて会うことはないと釘を刺されてしまう。苑書と苑琴は帝家軍の名簿を探すため、鍾礼文の書庫を調べることにした。しかし思いがけず温朔とかちあってしまう。実は温朔も鍾礼文が貴重な書物を隠し持っていると考え、探しに来たという。そこで苑琴は外で一緒に書物を見ようと誘い出し、その間に苑書は大きな花瓶の中に隠された巻物を発見した。安楽は望江楼で独り物思いにふけっていた。そこへ審理が終わった韓燁がやって来る。鍾礼文は食料や救済銀の着服により死罪、12人の役人は免官され、改めて審理を行うという。また地元の名士は財産を没収され、救済に充てることになった。「本当なら朝廷の救済銀は必要なかった…太子殿下が思った通りの結末ね」「安楽、″私″ではない、″私たち″だ」「はっ!そうだ、こんなに貢献したのだから位階を3つ上げて欲しいわ 美人から数えて~はっ!良媛(リョウエン)?!太子妃までもうひと息ね!」「本気なのか?」「ふふ、でもその前にまだ片付けるべき間者が残っているわね」3日後、韓燁と安楽は江南を発つことになった。すると民がひざまずいて皇太子の帰京を見送ってくれる。「民に愛される皇太子がいることは韓家と靖国にとって幸せね 帝家は停戦のため韓家と天下を二分した でも帝盛天がこの光景を見たら、決断を誇りに思うわ」「太祖と帝盛天のような2人がいなくても、我らには太平の世が訪れるだろう」韓燁は途中で一行と別れ、安楽と2人だけで蒼(ソウ)山へ向かった。…韓燁、まさか私が再びこの場所へ来ることになるなんて…蒼山は太祖・韓子安(ハンシアン)が眠っている山だった。つづく( ๑≧ꇴ≦)江南が片付いた!でも字幕で見てもイマイチ分からなかったわ〜
2024.03.03
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第7話「拷問のごとき初体験」花琉璃(カリィウリ)に誠意が伝わらず、深酒して酔い潰れてしまった皇太子・姫元溯(キゲンソ)。翌朝、二日酔いで目を覚ましたが、裴済懐(ハイセイカイ)から″誇りを捨ててこそ想いが実る″と助言されたことを思い出し、気を取り直して花府へ出かけた。しかし鳶尾(エンビ)が現れ、悪い噂が立たないよう県主とは会えないと追い返されてしまう。そんな中、金珀(キンハク)国との和議が近づき、皇帝が万国朝拝会を催すと決めた。英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)は和議や各国使臣の接遇を担当する鴻臚寺卿(コウロジケイ)に名乗りを上げたが、皇帝は民の意見を繁栄すべく選挙を行うという。しかし相手は皇子、皇帝の長子であり賢妃(ケンヒ)や重鎮・杜(ト)太師の後ろ盾もある英王とあって対抗馬は現れなかった。琉璃は朝議で軍を廃止すべきと上奏した英王が和議に関わることを懸念した。そこで皇太子を対抗馬に立てようと目論んだが、自分から距離を置きたいと突き放したばかり。琉璃は誠意を見せようと安康苑に皇太子を訪ね、梅花苑では心にもない事を言ったと釈明した。「花府へおいでください」姫元溯はまんざらでもない様子で招待を受けたが、琉璃の思わぬ復讐に腹を立てて帰ってしまう。「垢すり以上の快楽がある?なぜ怒って帰ったのかしら?」すると鳶尾が裁縫道具を持って来た。やはり誠意を示すには正攻法しかないという。数日後、姫元溯は裴済懐と投壺に興じながら、このところ身体が軽いと感じていた。「殿下、今日は身体のキレが違いますね!やはり県主と腹を割って話したおかげですか?」「バカを申すな!酷い目に遭ったのだ、死ぬかと思ったぞ? 花府の″香水行″という浴場でな、人夫がざらざらな石で余の背中を何度もこすったのだ」裴済懐は皇太子の誤解に気づき、花県主は垢すりで皇太子をもてなしたのだという。ようやく元溯は最近、気分爽快なのはその垢すりのお陰だと分かった。郡主・田嘉敏(デンカビン)は立候補した英王を応援するため、大金を注ぎ込んで選挙活動に協力した。一方、皇太子の懐柔に失敗した琉璃は慣れない針仕事で四苦八苦。すると侵入者を知らせる鈴の音が響き渡る。ちょうど中庭の仕掛けを強化したところだったが、罠にかかったのは皇太子だった。「仕掛けを止めて!…殿下、お知らせくださればいいのに」琉璃は皇太子の破れた衣を縫うことにした。元溯は実は垢すりが青寒州の習慣で、あの石もわざわざ青寒から持ってきたと知る。「殿下には合わなかったようですね…」青寒州は民が多いのに湖が1つだけ、金珀国もその地を狙っていた。戦に勝てば年に数回は湯浴みが叶い、負ければ水を節約しなければならない。琉璃は水が簡単に手に入る都と違って辺境では垢すりが最高の贅沢だと教えた。「いや、余もかつてない経験ができた、感謝している」「本当ですか?」「本当だ」元溯は琉璃にも可愛い一面があると気づき、内心、嬉しくなった。すると琉璃が手作りの香袋をくれる。「白熊か?白ねずみ?」「発発(ファーファー)です!」「猫とは…」琉璃は皇太子の機嫌が直ったところで話があると切り出したが、元溯は急に態度を軟化させた琉璃を怪しんで引き上げてしまう。金珀国の刺客がすっかり鳴りをひそめ、姫元溯は新たな作戦に出た。投獄した2人に恩赦を与えてわざと釈放し、さらなる刺客を誘き出すという。例え黒幕が姿を見せなくても、手がかりをつかんで辿って行けば刺客を一網打尽にできるはずだ。琉璃は再び皇太子の説得を試みることにしたが、姫元溯は安康苑にも東宮にもいなかった。すると大理寺に停まっている東宮の馬車を見つける。琉璃は鳶尾と一緒に皇太子が出てくるのを待っていたが、ちょうど解放された例の刺客たちを見かけた。「おなじみさんだわ~」琉璃は大して気にも止めなかったが、その時、ようやく皇太子が現れた。「殿下~!」琉璃の声に気づいた姫元溯は裴済懐に香袋を預けて逃したが、一足遅かった。小白(ショウハク)の正体を知った鳶尾に猛追され、大街で捕まってしまう。「悪かった、説明させてくれ」一方、琉璃は安康苑に同行し、皇太子も鴻臚寺卿に名乗りを上げて欲しいと頼んだ。英王は花家に偏見があるが、世継ぎである皇太子なら他国との関係を考慮して花家を公平に見て欲しいという。しかし姫元溯はそれだけの知謀があれば自分の助けなど必要ないはずだと言った。「余の前で芝居をする必要はない、正直になったらどうだ?」「つまり殿下は私を疑うばかりか、花家の忠義も疑うのですね?」琉璃は皇太子の意図を誤解し、憤慨して席を立ってしまう。「…また失敗した」元溯は落胆したが、なぜか琉璃が急に戻って来た。怒って寝殿を出た琉璃だったが、侍女が足音も立てずにお茶を運んできたことを不審に思った。そこでわざとぶつかって茶碗を落としてみると、侍女はすぐさま反応して茶碗を受け止める。琉璃はやはり武芸のたしなみがあると気づき、咄嗟に引き返した。「お茶ぐらいは頂いてから帰らないと…」琉璃の予想通り侍女は間者だった。琉璃に見抜かれた侍女は皇太子に襲いかかったが、侍衛が駆けつけ事なきを得る。実はその女は何年も潜伏して機会をうかがっていた。「釈放した刺客に罪を着せようとしたのか?…だがお前は余の策にはまった」姫元溯は助けてくれた琉璃に感謝し、鴻臚寺卿の件を承諾した。その夜、屋敷に戻った琉璃は鳶尾が裴済懐のために泣いていたと気づいた。「私を騙して、顔を見たら逃げるなんて…」確かに裴済懐を指名したのは自分だったが、鳶尾の怒りはまだ収まらない。一方、雲寒(ユンハン)は青楽(セイガク)から皇太子の近くに忍ばせていた間者が全て排除されたと聞いた。「…当分の間は動かないことにしよう」「実は…旦那様が職責を忘れるのではないかと心配しています」雲寒は思わぬ指摘に驚いたが、そこへ皇太子がやって来た。姫元溯は雲寒に花家に対する見解が変わったと明かした。琉璃への疑いが完全に晴れたわけではないが、芝居ではない素顔を見たという。初めて謁見した時、琉璃は兵士の鎧を見せながら熱弁したが、あの時の偏見に対する憤りと、忠君愛国の心は芝居では決して出せないものだった。「信じてみよう…お前を信じた時のように」翌日、姫元溯は朝議で鴻臚寺卿に相応しい者がいると上奏、自分ではなく花県主を推挙した。文官たちは皇太子が花家の軍力を取り込むつもりだと非難したが、皇帝は本人から直接、意見を聞きたいという。「父皇、ちょうど外に控えております」つづく( ゚ェ゚)リーフェイは悪役?!でもこれは私のリーフェイじゃない…え?w
2024.03.02
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花琉璃轶闻 Royal Rumours第6話「皇太子の弱み」英(エイ)王・姫元灝(キゲンコウ)が県主・花琉璃(カリィウリ)の見舞いにやって来た。琉璃と侍女・鳶尾(エンビ)はなかなか帰ろうとしない英王に手を焼いていたが、そこへ皇太子・姫元溯(キゲンソ)が現れる。「王兄、少しは反省したかと思えば、もう押しかけて邪魔をしているとは…」「母妃から罰は受けた、花県主よ、安心するが良い、今後は私が県主に寄り添い、守る」一方、金珀(キンハク)国の刺客は県主の暗殺にまたしても失敗、無力感に苛まれていた。県主は確かに使用人に扮した刺客が毒を盛った砂糖漬けの果実を食べたはずだが、なぜか死んでいない。( ー̀ωー́ )<諦めよう今は英気を養って時期を待つそれがいいっス、兄貴!>(・ω・`(・ω・`*)琉璃は昼餉に辺境の癖の強い料理を出し、ようやく皇太子と英王を追い返すことに成功した。「これじゃ本当に病気になりそう…」やけに自信満々で許嫁面してくる英王と刺客の捜査と称して付きまとう皇太子。どちらにも頭が痛い琉璃だったが、皇太子は梅花宴で下し薬と知りながら、なぜ自分をかばってくれたのだろうか。しかし姫元溯は狡猾そうで相変わらず考えが全く読めず、琉璃は油断できなかった。金玲苑(キンレイエン)は都で人気の酒楼だったが、その実、皇太子の情報機関の隠れ蓑だった。姫元溯は自分と花琉璃との関係図を眺めながら、刺客が金珀国の者だと分かれば琉璃と金珀国も無関係だと証明できるという。「何を企んでいるか分からぬが、悪辣な人物とは思えぬ」すると楽師である間諜・雲寒(ユンハン)が別の手段で県主を理解してはどうかと進言した。「殿下の懸念材料を取り除くため、引き続き県主の考えを探ります ただ…県主が潔白だとお思いなのに、私の報告の誤りを責めぬのですか?」「何を責める?余の耳には多くの知らせが入る、当然、全てが真実とは限らぬ」互いに腹を探り合う琉璃と元溯、しかしまだ本当の黒幕が誰なのか分かっていなかった。…金珀国の刺客は泳がせておけ、その方が私には都合が良い県主が本当に病弱なら今も無事でいられると思うか?太子も本当に横暴なら陛下が立太子するはずがない…そんなある日、姫元溯は琉璃の本性を暴くため格技の会へ連れ出した。病弱を装う琉璃は運動とは無縁だと困惑したが、元溯に壇上へ引っ張り上げられてしまう。「今日は護国大将軍と長安(チョウアン)侯の令嬢自ら審判をしてくれるそうだ!」その時、運良く英王が駆けつけ、県主が怪我をしたら危険だと反対してくれたが、琉璃は皇太子がそう簡単にあきらめないと知っていた。「分かりました」琉璃の合図で試合が始まった。すると力士たちは取っ組み合いながら、なぜか審判の琉璃を追いかけ回し始める。琉璃は逃げ惑うふりをしながら上手くかわしていたが、これが皇太子の罠だと気付いた。力士に追い詰められれば自分が武芸を使うしかないと思ったのだろう。その時、皇太子の声が聞こえた。「県主、気をつけろ!」そこで琉璃は壇上からうっかり落ちたふりをして皇太子に抱きついた。予想外の出来事に言葉を失う元溯。…これは一体、何事だ?!…しかし次の瞬間、琉璃が急に身をかがめて小さくなり、勢い余った力士が皇太子の上にのし掛かってしまう。「…殿下~?大丈夫ですか~?」「グフッ…さすが花県主、見事な腕前だ」皇帝は文官たちの上奏を聞いて激怒した。あろうことか皇太子が花県主を格技の会に連れ出し、力士に襲わせたという。姫元溯は考えがあって動いていると重臣たちに反論、生捕りにした刺客2名も金珀国の者だったと明かした。大臣たちは金珀国の死士なら口が固いはずだと驚いたが、何でも皇太子が一芝居打って口を割らせたという。実は大理寺少卿・裴済懐(ハイセイカイ)は激しい拷問で罪人をなぶり殺していると見せかけ、刺客を怯えさせていた。刺客たちがすっかり憔悴したところで皇太子の審問が始まり、未解決の事件をすべて金珀国の仕業にするよう指示する。刺客たちは横暴だと反発、うっかり″我が国″を侮辱するなと叫んでいた。そこで元溯は捕らえた刺客が機密を白状したと国中に触れ回るよう命じる。「金珀国が自国の民をどう扱うか見ものだな」姫元溯にとって文官たちは頑固なだけでむしろ花県主より扱いやすかった。花家を探るため思わぬ屈辱に耐えることになったが、考えてみればまだ耐えられるという。驚いた裴済懐は思わず何を企んでいるのか聞いた。「本音を見せる」「それはかなりの屈辱ですね」一方、郡主・田嘉敏(デンカビン)は花琉璃に理想の夫である英王を奪われ、悶々としていた。すると母から欲しいものは勝ち取れと発破をかけられてしまう。その頃、鳶尾は県主が力士に皇太子を押し倒させたと聞いて困惑した。しかし琉璃はこれで皇太子に煩わされずに済むと安堵し、しかも収穫があったという。「実は太子殿下の弱みを見つけちゃった」…ふふふ、ああ見えて女子には弱いのね…そこへまた皇太子が現れた。鳶尾はてっきり皇太子が復讐に来たと思ったが、元溯はただ県主を誘いに来ただけだという。姫元溯は宮中の梅花苑に琉璃を案内した。…私が死にそうになった場所へまた連れて来るなんて、嫌がらせ?…一方、母に煽られた嘉敏も英王を探して庭園を訪ねた。するとちょうど池を眺めている英王を見つける。嘉敏は梅花宴での誤解を解くため、英王の御尊顔を拝見して審美眼を養いたいと申し出た。気を良くした姫元灝は自分の顔を見る機会を与えると許したが、急に恥ずかしくなって帰ってしまう。姫元溯は琉璃に手巾を返した。それは琉璃が都に到着した時に落としたもので、喀血と見せかけた果物の砂糖煮のしみが残っている。「実はあの時から聞きたいことがいくつもある、手巾の血はなぜ果実の香りが? ずっと話したいと思っていた、余に対して隠し事をする必要はないだろう?」「(これで私を制したつもり?侮らないで…) 太子殿下、実は私は身体から果実の匂いがするのです」琉璃は皇太子の弱点を突き、試しに自分の身体を嗅いでみろと迫った。案の定、元溯は動揺ししどろもどろ、琉璃はその隙に帰ろうとしたが、琉璃を引き留めようとした元溯がうっかり琉璃の外套の裾を踏んでしまう。転びそうになって元溯の胸に飛び込んだ琉璃と琉璃が抱きついてきたと誤解する元溯。その時、池から戻った英王が通りかかった。皇太子と英王は奇しくも同じ外衣をまとっている。すると姫元灝は自分が花県主の許嫁だと主張し、未来の妃に近づかないよう警告した。琉璃は英王を利用して逃げ出そうと思いつき、皇太子に今後は距離を取るべきだと訴える。「どうか私のことはお構いなく、今後は英王殿下が守ってくださいます」花県主は英王の馬車で帰って行った。梅花苑にひとり取り残された姫元溯。…ここへ誘ったのは敵ではないと伝えるためだった、なぜ信じてくれぬ?…その夜、元溯は裴済懐と酒を飲みながら琉璃の冷たい対応を嘆いた。「まさかあの男を選ぶとは…打ち解け合えるよう誠意を尽くした結果がこれだ! 証拠となる手巾まで返したのに!」つづく( ๑≧ꇴ≦)リーフェイ出たわ!でも思ってたんと違う( ̄▽ ̄;)
2024.03.01
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