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虚颜 A Familiar Stranger(日本語字幕編集版)第2話沈沁(シェンチン)の兄・沈沅(シェンユェン)は侍女・小倩(シャオチァン)に妹の殺害を指示したが失敗。そこで今度は刺客たちを送り込んだ。しかし待ち伏せしていた蕭寒声(シァオハンシォン)たちにあっさり見つかってしまう。一方、寝所にいた沈沁は中庭から聞こえる剣戟に驚き、窓紗越しに外の様子を見ようとした。その時、刺客の1人が寝殿の鍵を壊し、剣を振りかぶって飛び込んで来る。沈沁は死を覚悟して目を閉じたが、間一髪のところで蕭寒声の放った弓矢が刺客を射抜いた。「驚かせたな、今夜はもう休め、明朝、出て行きなさい…案ずるな、相国には私が説明する」寧王(ニンワン)・子衡(ズーホン)は沈沅が妹の暗殺を企てたと知り激怒した。実は沈沅は寧王が蕭家の失落を望んでいると誤解、代わりに手を下そうとしたという。「初夜に新婦が亡くなれば夫である蕭寒声が罪に問われると…」「浅はかな真似を!もし沈沁に何かあれば棺を2つ用意するのだな!」蕭寒声は亡き皇太子が残した玉佩を眺めていた。それにしても父はなぜ自分に沈沁を娶らせたのだろうか。皇太子が喘息で急逝、蕭寒声は国の一大事に婚儀など考えられなかったが、父から皇太子の一件には関わらず、帰京して急ぎ婚儀を行えと命じられてしまう。蕭家は代々、辺境の警備を任されていた。『戦に向かう将士の心情を理解できたら戻って来い』蕭寒声の軍師・雲諾(ユンヌオ)は相国の娘である沈沁こそ皇太子の死を探る糸口になると考えた。「なぜ追い出すのだ?」「ここにいては沈沁が危ない、腕には拉致されたような傷痕が残っていた それに…直感だが悪人とは思えぬ」「直感など当てになるか?!」雲諾は皇帝から賜った妻を追い出せば厳罰を受けると呆れたが、どちらにせよ襲撃が苦肉の策なら沈沁は去らず、妻を演じ続けるだろう。しかし翌朝、沈沁は将軍が用意してくれた衣に着替え、書き置きを残して出て行ってしまう。蕭寒声はやはり沈沁が無関係だと安心したが、急に宮中の内監(ナイカン)が訪ねて来た。撫遠(ブエン)将軍と夫人に聖旨を届けに来たという。蕭府を出た十七(シーチー)は芊影(センエイ)山荘を訪ねた。すると自分の顔をした沈沁が現れる。「こうしてみると私は美人ね…でもこの可愛い泣きぼくろを奪うの忘れたわ」激高した十七はかんざしを抜いて沈沁に突きつけ、顔を返さねば殺すと脅した。しかし沈沁は自分を殺せば二度と顔が取り戻せなくなるという。「あなたの姐姐なら向こうにいるわ」十七の姉は中庭の湯船に浸かっていた。その肩には確かに梅の花の刺青がある。しかし姉は毒を使って解毒中のため湯から出られず、十七も近寄ることができなかった。「姐姐を助けたければ私に手を貸して」「でも梅の刺青だけでは姐姐とは限らない」すると沈沁は十七が幼い頃、姉に贈った思い出の品を見せた。「あなたは将軍夫人を演じる、私は子を産んだら顔を返す… 姐姐の命はあなたにかかっているのよ?」雲諾は内監の相手をしながら時間を稼いでいたが、いよいよごまかせなくなった。仕方なく蕭寒声は厳罰を覚悟で部屋を出たが、その時、思いがけず沈沁が戻ってくる。お陰で蕭寒声は無事に皇帝の聖旨を受け、十七も沈沁として誥命(コクメイ)夫人に封じられた。…今日から私は沈沁になるのよ、うまく演じてみせる…十七が覚悟を決めたその夜、まだ5月というのに蛍が中庭を美しく輝かせた。すると蕭寒声がやって来る。「ここで何を?」「蛍を見ると希望が湧きます、漆黒の道を歩いていても、小さな光があれば希望が持てますから」蕭寒声は沈沁の言葉に驚いた。あの時、自分を助けてくれた娘も同じことを言っている。「なぜここに戻った?」「陛下から賜った婚姻だと思い出したのです、恩を忘れてあなたを見捨てられません」恩人もあの時、深手を負って動けなくなった蕭寒声を見捨てることはできないと言ってくれた。なぜか沈沁に親しみを感じる蕭寒声、すると沈沁にも恩人と同じように右目の下に泣きぼくろがあると気づく。そこへ侍女の茯苓(フーリン)が現れた。「夫人、脇殿を片付けました」雲諾は夫婦が別々の寝室だと知り、沈沁にかつて将軍には想い人がいたと明かした。「あなたを嫌いなわけではない、ただ愛せないだけです」実は蕭寒声の想い人とは十七のことだった。蕭寒声は賊の根城で壮絶な戦いを繰り広げたが、そこで人質になった十七を救う。賊は十七が描いた人相書きのせいで山へ追われたと恨んでいた。しかしすでに負傷していた蕭寒声は十七を助けるとばったり倒れてしまう。すると狼の遠吠えが聞こえて来た。『山を降りろ…早く…』『恩を忘れて見捨てられない、助けます』蕭寒声は今も十七の壊れた耳飾りを大事に持っていた。翌朝、沈沁は門前の植木に縛り付けられた赤い布を見つけた。…この赤い布を見つけたらすぐ私に会いに来て…そこで侍女に買い物へ行くと嘘をついて急いで山荘に駆けつけた。「蕭寒声が持っている太子の遺品を調べて欲しいの」「将軍夫人を演じるだけの約束よ?!」「見返りが欲しい」すると十七は血まみれになって死んでいる小倩を見せた。実は小倩は婚礼の夜、沈沁を殺そうとしたという。恐ろしくなった沈沁は手助けできないと拒否したが、十七の薬がなければ姉は生きられないと脅されてしまう。一方、子衡は撫遠将軍を懐柔するため、自ら蕭府に祝儀を届けにやって来た。しかし蕭寒声は金品ではなびかず、あからさまに敬遠されてしまう。子衡は仕方なく引き上げることにしたが、回廊でばったり沈沁と出くわした。喜んだ子衡は思わず沈沁の腕を引っ張って部屋に連れ込んだが…。つづく※中国版3~4話
2024.04.30
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虚颜 A Familiar Stranger(日本語字幕編集版)第1話十七(シーチー)は女画師。鎏金(リュウキン)坊の妓女である親友・盈袖(インシウ)に頼まれて描いた閨房(ケイボウ)画が評判を呼び、店は大繁盛していた。今日は十七に閨房画を描いて欲しいと他店の妓女たちまで集まったが、どの妓女にも入れ墨は見当たらない。実は十七は幼い頃、歓楽街で消えた姉を探していた。姉の肩には梅の入れ墨があるという。すると突然、相国の令嬢・沈沁(シェンチン)が十七を訪ねてきた。十七はなぜ高貴な令嬢が閨房画を所望するのか分からなかった。しかし思いがけず沈沁が姉の居場所を知っていると明かす。「姐姐?!姐姐はどこに?!」「明日の戌の刻、芊影(センエイ)山荘に来て絵を描いて、そうすれば姐姐の居場所を教えてあげる」翌日の夜、十七は約束通り人里離れた芊影山荘へやって来た。すると寝殿で沈沁と男があられもない姿で戯れている。驚いた十七は慌てて帰ろうとしたが、沈沁は酒を取ってくるとごまかして衝立までやって来た。「姐姐に会えなくてもいいの?」沈沁は衝立越しに自分たちの房事を書き終えたら姉の居場所を教えると約束した。十七は衝立の小さな穴から二人を垣間見ながら絵を描き始めた。しかしうっかり物音を立ててしまう。危うく男に見つかりそうになった十七、すると沈沁が咄嗟に野良猫だとごまかした。沈沁の房事の相手は寧王(ニンワン)・子衡(ズーホン)だった。沈沁にはすでに父が決めた許嫁がいたが、明日こそ退婚してみせるという。しかし寧王は鎮国公の唯一の息子で撫遠(ブエン)将軍でもある蕭寒声(シァオハンシォン)との縁談を喜んだ。「私を愛しているなら私たちの将来のためにも蕭寒声に嫁いでくれ もし蕭寒声が私の味方になれば君を取り戻す策を考える 駄目でも君は未亡人になる、どちらにしても私の屋敷に入れる日を待て」「身ごもっているの!」「ふっ、君とは長い付き合いだが、顔も覚えていないような女と同じような脅し文句を使うとは… 蕭寒声に嫁いで将軍夫人となり、私のために役に立ってくれ」十七は完成した絵を持って寝殿に入った。しかしすでに寝台はもぬけの殻、すると中庭の広い湯船に浸かっている沈沁を見つける。「あなたに意中の人はいる?」「私は…」「くすっ、その様子じゃいるようね、私にもいるわ でも父は政略のため、顔も知らない男に娘を嫁がせるの」「私は幼くして両親を亡くしました、唯一の姐姐とも生き別れです あなたの気持ちは私には想像もできないけれど、沈小姐、相国と話し合ってみては?」「ふふっ、おめでたい人ね…」沈沁は呆れて湯の中に潜ってしまう。十七は沈沁が自分に絵を描かせようと嘘をついただけで、姉の居場所など知らないとあきらめた。「帰ります、絵はここに置いておきますから…」しかし潜ったまま一向に上がって来ない沈沁が心配になり、やはり湯殿へ引き返してしまう。「沈小姐?沈小姐?!…そんなに思い詰めないでください」十七は思わず屈んで湯船の中をのぞき込んだ。その時、突然、沈沁が現れ、十七に抱きついて湯船の中に引きずり込んでしまう。山荘に頭から外套をすっぽり被った男が現れた。男の顔面は包帯で覆われ、かろうじて左目だけが見える。「あなたには恩がある、私の術で恩を返すが、これで借りはない」十七は薄れゆく意識の中で謎の男と自分に馬乗りになった沈沁の姿を見た。すると沈沁は十七の顔をまじまじと見つめる。「美しい顔ね~でも今後は私のものになる…」十七は朦朧としながら沈沁の問いを思い出していた。…意中の人がいる?夢にまで見る相手、朝も夜もずっと一緒にいたいと心から願う人が…『いるわ、一度しか会ったことがない恩人が、彼にずっと恋をしている、でも名前すら知らない』その時、十七はふいに目を覚まして飛び起きた。覚えているのは最後に見たの沈沁と謎の男の姿…。すると相国府の侍女・小倩(シャオチァン)が駆けつけ、気を失った沈沁を将軍府まで運んだと説明した。実は今日は皇帝が決めた蕭寒声と沈沁の婚礼の日だという。沈沁は十七と顔を取り替えていた。鏡を見た十七は自分が沈沁の顔だと知って驚愕、しかし腕には生娘の証しである守宮砂が残っている。「私は大小姐じゃない…他に鏡はないの?!」十七は錯乱したように寝所を飛び出し、別の鏡を探し回った。「人違いよ!鏡は?!…鏡はない?!」すると十七は護衛が止めるのも効かず、将軍が禁足を命じた部屋に入ってしまう。その頃、蕭寒声と軍師・雲諾(ユンヌオ)は隠し部屋で寧王と相国に仕える男を拷問していた。何も知らない十七は将軍の部屋にあった鏡で自分の顔を確認、衝撃のあまり鏡を動かしてしまう。実はその鏡が隠し部屋の戸を開ける絡繰りだった。蕭寒声は口を割らない男に切り掛かったが、突然、花嫁が現れ、返り血を浴びて倒れてしまう。再び意識を失った十七。すると小倩はその隙に大小姐の顔に花嫁の紅蓋頭を被せ、首を絞めた。しかし将軍が現れ断念し、慌てて逃げ出す。十七は苦しくて目を覚ましたが、紅蓋頭を外してくれたのはあの忘れられない想い人だった。「将軍…あなたなの?」蕭寒声は自分を見て涙ぐむ花嫁にいささか戸惑いながら、夫婦の杯を交わすことにした。「将軍、実を言うと私…」「しーっ…」結局、十七は本当のことを打ち明けられないまま酒を飲もうとしたが、その時、外から物音が聞こえた。「もう良い、ここまでだ」実は蕭寒声は沈沁と夫婦の杯を交わすふりをしただけだった。小倩が回廊から寝殿を見張っていると、将軍が出て来た。将軍は部屋に錠をかけ、独りでどこかへ行ってしまう。そこで小倩は合図の手巾を落とした。するとそれを見た刺客が蕭府の中庭に潜入する。つづく※中国版1~2話
2024.04.29
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第22話「よみがえった記憶」袁朗(エンロウ)は季曼(キマン)が乗船しているとは知らず、蛟龍(コウリュウ)幇たちと海賊に扮して官兵の船を襲撃した。王錦堯(オウキンギョウ)と碁を打っていた寧鈺軒(ネイギョクケン)も船室を飛び出し応戦、しかしうっかり季曼からもらったお守りを落とし、拾おうとしたところで海賊に剣を突きつけられてしまう。すると鬼白(キハク)たちも武器を捨てて降参した。王錦堯は荷を運び出し、海賊に全ての銀子を差し出しすふりをした。しかし寧鈺軒は王錦堯と海賊がぐるだと分かっている。「王錦堯、芝居の必要はない…そうだろう?袁幇主?」袁朗は仮面を外して正体を明かすと、王錦堯も本性を現した。「お前も寧夫人も策を弄して組合の掟を破った、私が許しても私の上のお方が許さぬ!」王錦堯は袁朗に寧鈺軒を始末するよう命じたが、寧鈺軒も袁朗の説得を試みた。「仲間を海賊に仕立てて年貢を手にした途端、蛟龍幇はお尋ね者になるぞ?!」そこで王錦堯は身代わりとなる男たちを連行させ、袁朗を安心させた。「人足を募る名目で海坊周辺の集落から集めた男たちだ」すると袁朗は寧鈺軒を斬ると見せかけ、その剣先を王錦堯の首に突き付ける。実は袁朗が手を組んだのは王錦堯ではなく寧鈺軒だった。…寧鈺軒は蛟龍幇を訪ね、袁朗に王錦堯の悪事を明かして協力を頼んだ『劉家村を知っているな?村の男たちはどこにいると思う?』海坊の年貢は何度も奪われ行方知れず、しかし毎回、海賊はあっさり捕まっていた実はこれまでの年貢強奪で捕まった海賊は王錦堯が手配した無垢の民だという寧鈺軒は王錦堯を倒さない限り海坊の平和はないと訴えた…官兵の船に積んだ年貢は全て石ころ、本当の銀子は別の船で都へ向かっていた。袁朗は王錦堯からもらった令牌で堂々と船に乗り込み、密かに銀子と石ころを入れ替えておいたという。こうして王錦堯の企みは失敗に終わった。あとは船が都に到着するのを待って大理寺に引き継ぐだけとなる。寧鈺軒は袁朗も一緒に上京すれば蛟龍幇の名も上がると言ったが、袁朗は名声のためでなく民のためだと断った。その時、王錦堯が拘束していた男を突き飛ばし、着火器に火をつける。「こうなったら全員を道連れだ!」「危ない!」すると突然、季曼が甲板に現れ、王錦堯の着火器を奪おうと飛びついた。「箱の中は猛火油よ!」しかし季曼は王錦堯に振り払われ海へ落下、寧鈺軒は思わずあと追って飛び込んでしまう。鬼白は咄嗟に暗器を投げて王錦堯を始末したが遅かった。積荷に向かって弧を描き飛んで行く着火器、しかし袁朗が間一髪のところで着火器をつかむ。一方、海中へ沈んだ季曼は薄れゆく意識の中で失った記憶を取り戻していた。…半年前、季曼は想い人に会うため京城へやって来たそこで都の娘たちのように美しい衣を買うことにする店主の話では季曼が選んだ衣の生地は貴重な玲瓏紗(レイロウシャ)で、店に2着しかない代物だった『訪ねる勇気が出るまで4年もかかったわ、今日こそあなたにこの気持ちを伝える』季曼は思い切って2着とも買うと決めたが、実はすでにもう1着を陌玉(バクギョク)侯夫人が買っていた陌玉侯とは左執政(サシッセイ)の寧鈺軒のこと、しかも今日は寧鈺軒が第二夫人を迎える日だという『今日が婚礼?!』季曼の想い人とは寧鈺軒だったしかし告白する前に失恋と分かり、客桟で独りやけ酒をあおる『婚礼?!しかも2人目って…そうだ!三夫人にしてもらえばいいわ!ダメダメダメ…!』季曼は悶々としていたが、せめて自分の想いだけでも伝えようと決意し、寧府へ急いだすると自分と同じ衣をまとった夫人が屋敷を飛び出して来る季曼の前を慌てて走って行く寧夫人、彼女は季曼とうりふたつだった季曼は私兵に追われる夫人の後を追って山に入ったその時、ちょうど崖から落ちる夫人を目撃、慌てて河に飛び込む季曼は水中で自分とそっくりな夫人を発見したが時すでに遅く、事切れた夫人は静かに川底へ沈んで行った…寧鈺軒は季曼を救出して県衙に戻った。なかなか目を覚まさない季曼を献身的に介抱する寧鈺軒。実はその時、季曼は寧鈺軒に一目惚れした時の光景を思い出していた。海坊の港建設に尽力した寧鈺軒は開港式に参加し、季曼はそこで寧鈺軒に一目惚れしてしまう。その時、季曼はふいに目を覚ました。「…永遠にそばにいて欲しい、二度と傷つけはせぬ、だから目覚めてくれ」寧鈺軒の告白を聞いた季曼は慌てて寝たふりをしたが、思わず顔が赤くなってしまう。すると苜蓿(ムーシュ)が夫人の具合が悪いのではと心配して騒ぎ出し、仕方なく季曼は目を開けた。「うるさくて眠れないわ」「…うるさい?もしや私の言ったことを聞いていたのか?」(´゚艸゚)∴ブッ( ̄▽ ̄;)<まあよい…そこで季曼は寧鈺軒が作った麺が食べたいと頼んだ。袁朗は季曼の無事を聞いて安堵した。趙龍(チョウリュウ)と趙虎(チョウコ)は寧鈺軒を非難、袁朗なら季曼を危険な目には遭わせないという。「自分が聶桑楡(ニェサンユー)ではないと知れば寧鈺軒から離れると思った だが2人はますます親密になっている…」「李小姐を取り戻そう!俺たちに任せてくれ」趙龍と趙虎は小姐を敵の妻にしておくわけにいかないと訴えた。寧鈺軒は厨房で桑葚(ソウシン)から季曼に想い人いると聞いて動揺した。しかし想い人の特徴を聞けば聞くほど、自分のことのように思えて来る。ともかく季曼に麺を作って届け、その夜は桑葚に任せて休むことにした。季曼は桑葚だけに記憶が戻ったと明かした。確かに季曼は桑葚との出会いや船での決まりごと、好きな物も全て知っている。桑葚はついに小姐が戻ってきたと抱きついて喜んだが、何より驚いたのは季曼の想い人のことだった。つづく( ๑≧ꇴ≦)ついに記憶が戻る!
2024.04.29
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第21話「月明かりの告白」劉家村の夜、季曼(キマン)と寧鈺軒(ネイギョクケン)は村人たちが開いてくれた歓迎会で久しぶりに楽しい時間を過ごした。川辺に出た2人は互いの気持ちを確かめ合い、口づけを交わす。そんな2人を美しい月が見下ろしていた。翌朝、季曼と寧鈺軒は村人たちに見送られ、劉家村を去ることにした。しかし昨日、自分たちを邪険にしたあの老婆が険しい表情で睨んでいることに気づく。恐らく老婆は航海に出た男衆のことで不満があるのだろう。実は昨日、ある婦人から男衆が雲(ウン)州へ行ったと聞いたが、雲州との船の往来はなかった。予想通り老婆は航海に出た男衆が事件に巻き込まれ、すでに死んでいると絶望していた。そのせいで村人に変わり者扱いされていたが、ようやく寧鈺軒と季曼が話を聞いてくれるという。老婆には親孝行な息子・阿根(アコン)がいた。しかし″船に乗る″と文を残して出かけたまま何年経っても帰ってこないという。季曼は確かに船乗りなら1年に一度は帰れるはずだと首を傾げた。ある時、老婆は息子の消息を探すため港まで出かけたという。そこで偶然、阿根の首飾りをつけた男を見つけた。驚いた老婆は男に息子の消息を聞いたが、何も知らないと足蹴にされてしまう。「狼の牙の首飾りは亡き夫が自ら阿根の首にかけたんだ、見間違えるはずない!」寧鈺軒は他に気になることがないか確認した。すると老婆はこの村から海に出た男たちの中で、王錦堯(オウキンギョウ)の粥の施しの後に姿を消した者だけが誰も戻ってこないと訴えた。「私だって息子の死を信じたくない…どうか私の声をお役人に届けてくれないか?」「心配ない、私は海坊の県令だ、必ず調べる」寧鈺軒と季曼は県衙に戻った。これまで寧鈺軒もなぜ海賊が後を絶たないのか考えていたが、ようやく答えが見つかったという。狡猾な王錦堯は人の往来がない郊外の小さな村から男たちを集め、海賊として利用していたのだ。一方、千怜雪(センレイセキ)は自分の弱みを知った秦奕閑(シンエキカン)を避けていた。すると突然、皓雪堂(コウセツドウ)に秦奕閑が現れる。怜雪は500両なら必ず返すと約束したが、秦奕閑は友なら助け合うものだと優しかった。「何があったのか教えてくれないか、口は硬いぞ」「…これは家族の問題なの、恥をさらしたくない」「分かった、もう聞かぬ、でも助けが必要な時は頼ってくれ」聶青雲(ニェセイウン)は姉に陶思維(トウシイ)への想いを明かし、必ず振り向かせると意気込んだ。季曼は自分が姉ではないと明かせなかったが、悲しい最期を遂げた聶桑楡(ニェサンユー)の代わりに青雲を大事にしようと決める。それにしても聶桑楡と自分が見分けがつかないほそっくりなのはなぜだろうか。その頃、聶向遠(ニェキョウエン)は銭(ゼニ)家職から娘の桑楡が死んだと知らされた。埋葬した村人から話を聞いて確認したが、確かに聶桑楡が幼い頃から身につけていたあの玉佩が棺に納められていたという。聶向遠はあまりの衝撃で腰を抜かし、声を上げて泣いた。「幼い頃から独りぼっちが嫌いだった…こんな形で命を落とすとは…なんと不憫な…」すると家職以外にも最近、聶桑楡のことを聞き回っている者がいたという。一方、季銘(キメイ)は娘が海坊で見つかったと聞いて喜んでいた。袁朗は王錦堯に呼ばれて酔霄(スイショウ)楼にいた。王錦堯はもうすぐ中秋節のため、袁朗に贈り物を用意したという。「海坊の農事暦8月15日に年貢の銀子を積んだ船が都へ出航する」その意味を悟った袁朗は官兵の船など襲えないと驚いたが、王錦堯は襲うのはあくまで海賊だと笑った。実は長年、流民を海賊にして罪を着せ、片をつけて来たという。季曼は年貢の護送船に乗る寧鈺軒を心配し、帰海号から持って来たお守りを渡した。「触るだけで身を守れると聞いたわ、身につけて行ってね!」その頃、王錦堯は阿世(アセイ)と接触、もはや寧鈺軒は銀子と共に大海に消えゆく運命だと自信を見せた。「抜かりはありません、″快刀″をもって寧鈺軒を斬り捨てます」快刀とは蛟龍幇の新幇主・袁朗のことだった。「次は失望させないでくれよ」翌日、寧鈺軒が港へ到着すると、すでに荷を運び入れた王錦堯が待っていた。すると突然、第二夫人の温婉(オンエン)が現れ、壮行の支度をして待っていたという。その時、季曼と苜蓿(ムーシュ)がやって来た。「見送りはいらぬと言っただろう?」温婉は2人が話している間に準備をすると断り、勝手に船に乗り込んでしまう。「…策ならあると聞いたけれど、やっぱり不安で」寧鈺軒は懐にしまっていたお守りを見せ、心配無用だと笑った。「もう行くよ」しかし季曼は王錦堯が素直に寧鈺軒に協力するはずがないと怪しみ、やはり引き返して船に乗ってしまう。「苜蓿、ここからは別行動よ、何か見つけたら知らせて」苜蓿は侯爺の船室でまだ下船していない温婉を見つけた。「温姨娘、すぐ船を降りてください」そこへ寧鈺軒が現れた。温婉は航海中の相手になると申し出たが、寧鈺軒は苜蓿に第二夫人を連れて帰れと命じる。こうして温婉の計画はあっけなく失敗、苜蓿と船を降りたが、季曼はまだ船にいると知った。「私を出し抜いたのね!」「でもどちらを残すか決めたのは侯爺ですし…あ、出航しちゃいましたね」季曼は船底へ降りる階段でこぼれた油のしみを発見した。たどってみるとなぜか多くの油が船に積み込まれていると知る。「王錦堯は何を企んでいるの?」その頃、寧鈺軒はまさか季曼が乗船しているとは知らず、王錦堯と一局、手合わせしていた。石を打ちながら互いの腹を探る2人。そこで寧鈺軒は新幇主の袁朗が王錦堯の目に叶った経緯が気になると揺さぶった。「入港しようとした商船を襲ったのは海賊か、袁幇主の仕業か…おっと言葉が過ぎたかな」「私の耳に入った話では袁朗はかつて寧夫人と関わりがあったそうですね 夫人の知人が略奪などするはずないのでは?」「そう願っているよ」王錦堯は白石を打つと、その角は自分がもらうと笑った。しかし寧鈺軒が黒石を打ち、形勢が逆転してしまう。「勝敗はまだ決まっていない…ふっ」つづく╭( ・ㅂ・)و ̑̑ ムーシュのナイスアシスト
2024.04.27
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第20話「忠誠の証し」寧鈺軒(ネイギョクケン)は季曼(キマン)が自分で船を出し、軟膏の原料を安く仕入れていると聞いた。鬼白(キハク)の報告ではそれだけでなく、民のために薬材も一緒に仕入れているという。しかし陸上げの際には港の検査があり、検査人は王錦堯(オウキンギョウ)の息がかかっていた。すると鬼白が蛟龍(コウリュウ)幇も港に権限があると思い出す。そこで寧鈺軒はまだ新幇主となった袁朗(エンロウ)に挨拶していなかったと口実をつけ、港の様子を見に行くことにした。袁朗は海坊(カイホウ)港で配下たちと一緒に荷物の陸揚げで汗を流していた。すると寧鈺軒が袁朗の右腕にある包帯に目をつける。確か沈連成(シンレンセイ)の骸にあった茶幇の入れ墨もちょうど同じ場所にあった。寧鈺軒は他にも茶幇の残党がいるのかと聞いたが、袁朗は茶幇など知らないという。「なら潔白を証明してくれ」「いいだろう、だが入れ墨がなかったら二度と蛟龍幇の仲間にからむな」実は袁朗はあらかじめ右腕の入れ墨を自ら削り取っていた。包帯の下から現れたのは入れ墨でなく傷跡だけ。仕方なく寧鈺軒は丁重に謝罪して引き上げたが、どこか不自然だと怪しんだ。季曼は自分で仕入れた薬材を民のため安価で卸した。そのせいで海上貿易組合に入っている薬舗に客が来なくなり、店主たちはこのままではいずれ食糧にも手を出すはずだと王錦堯に泣きつく。そこで王錦堯は組合員たちを引き連れ、県令に訴え出た。組合は相場を安定させるため商品の価を決めているが、寧夫人は掟に従わず、安価な薬材を売って秩序を乱しているという。しかし寧鈺軒は組合が決めた価が妥当とは限らないと取り合わず、まっとうな運営手段を考えろと追い返した。王錦堯は水宴居(スイエンキョ)に袁朗を呼び出した。最近、組合を通さず荷を陸上げし、安価で市場に流している船があるという。袁朗は海賊の仕業と見せかけ船を襲えばいいと提案、王錦堯は喜んで袁朗を厚遇すると約束して帰した。実は王錦堯は袁朗と寧夫人が顔見知りと承知していた。「ふん、友人の船さえ襲ってこそ私に忠誠を誓う証しとなる」季曼は原料費を計算しながら、これなら非晩霜も値下げできると喜んでいた。そんな中、港で荷物を待っていた桑葚(ソウシン)が慌てて戻ってくる。「小姐、大変です!船が海賊に襲われました!」驚いた季曼は苜蓿(ムーシュ)を県衙に行かせたが、寧鈺軒は留守だった。仕方なく苜蓿と桑葚に他の店で在庫を探すよう頼み、季曼は袁朗を頼ることにする。その頃、寧鈺軒はちょうど別の船を襲った海賊を捕まえ、陶思維(トウシイ)と一緒に戻る途中だった。すると鬼白が駆けつけ、季曼の船まで海賊に襲われたという。袁朗は海賊を装って荷物を強奪、皓雪堂(コウセツドウ)の荷だけ別に保管し、季曼に返すことにした。その時、突然、季曼が訪ねてくる。「船が海賊に襲われて荷物を奪われたの!どこかに隠したはずよ?」焦った袁朗は店で待つよう言ったが、季曼は強引に袁朗を連れて行こうとした。すると咄嗟に趙虎(チョウコ)が怪しい船が何隻か着いて山に荷物を運んだらしいと嘘をつく。「俺たちは倉庫を探すから、老大は山へ行ってみたらどうだ?」季曼と袁朗は郊外の山間で偶然、小さな村を見つけた。どうやら流民が住み着いた村のようで、暮らし向きが苦しいことは見てすぐ分かる。「…私にできることはないかしら」一方、寧鈺軒は港で季曼の荷物を探していた。すると発荷主も着荷主も書いていない怪しい荷物を発見、肥料の中から紙包を発見する。寧鈺軒は季曼を呼んで荷を改めさせることにしたが、そこへ慌てて苜蓿と桑葚がやって来た。「侯爺!こちらでしたか!夫人が袁幇主と荷を探しに出かけました」「何だと?!」寧鈺軒と鬼白は馬を駆けて山の中を探した。すると運良く村から戻って来た季曼と袁朗を発見する。寧鈺軒は季曼の荷物なら見つかったと話し、袁朗が倉庫に隠したと疑った。「彼女の目を欺くために山へ連れてきたのか?」「確かに蛟龍幇は港の一部倉庫の管理を任されている、だが保管するだけで中身までは知らぬ」袁朗は嘘をついて真相を調べるとごまかしたが、季曼は見つかったのならそれで良いと笑った。荷が見つかったと聞いて袁朗は先に帰った。すると寧鈺軒は季曼に今後、袁朗と2人きりで会うなという。「嫉妬?」「…違う(ボソッ」「分かったわ、もうしない…それより大事な用があるの、付き合って」季曼は寧鈺軒と2人で流民の村に食べ物や衣を届けた。村人たちは喜んでくれたが、なぜか2人を疫病神だと嫌って追い返そうとする老婆が現れる。しかし村人は老婆を追い払い、気にしないで欲しいと取り繕った。その村は劉家村と呼ばれ、働き盛りの男たちの姿はなかった。聞けば男たちの大半は航海に出ており、乗った船も行き先も色々だという。一方、港へ戻った袁朗は王錦堯に盗んだ積荷を確認させていた。「寧夫人の荷物は寧鈺軒が探し回って持ち去った、荷を分けておいて正解だったな」すると袁朗は船員たちなら海に放り込んだと嘘をついた。王錦堯はすっかり袁朗を信じ、組合の息がかかった場所に出入りできる腰牌を渡す。「今後は家族も同然だ」その頃、寧鈺軒は慣れない力仕事で村人を助けていた。季曼のためとは言え散々な目に遭わされたが、村人たちに恩人だと感謝され、その夜は焚き火を囲んで歓迎会に参加する。寧鈺軒は楽しそうな季曼の姿を見ながら、ささやかな幸せは身近な所にあるのだと実感した。つづく
2024.04.27
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安乐传 The Legend Of Anle第27話韓燁(ハンイェ)は帝梓元(ディヅユアン)が今でも自分を気遣って皇太子府を訪ねてくれたと喜んだ。しかし靖南(セイナン)での出会いから都での再会まで全て計略だと知った今、その顔に笑顔はない。「思惑があると知りつつ、君を信じるがゆえ追及はしなかった… 私という駒はもう必要ないのか?使い道があるなら遠慮なく言ってくれ」「…今はただ謝罪を待っているだけです」「陛下は知らなかった、皇祖母の罪だった」「でも帝家に釈明の機会さえ与えなかった…父親が自害したのにそれでも一族を皆殺しにしたわ! 今なら殿下にも私のこの痛みが分かるでしょう?」「…梓元、君は独りではない、温朔(ウェンショウ)とは親しいだろう?君を慕っている 彼を実の弟だと思えばいい、少しは気が晴れる」梓元は韓燁のあまりに短絡的な慰めに落胆し、挨拶もせず帰って行った。一方、温朔も苑琴(エンキン)との久しぶりの再会を喜んでいた。しかし恩人である皇太子を裏切ることはできず、任(レン)府には頻繁に行けないと伝える。「殿下のそばにいてあげないと…」「あなたの恩人?確か殿下があなたに救われたと聞いたけど…」その時、梓元が出てきた。顔色が悪いところをみると、梓元と皇太子の怨讐は解けなかったのだろう。「安楽(アンルー)姐…久しぶりだね、元気だった?」温朔の声を聞くと梓元は自然と笑顔になった。「燼言(ジンイェン)が生きていたらあなたくらいの年ね… 私も本当の弟だと思ってる、暇があったら遊びに来てね」韓燁は院子から梓元の背中を見ていたが、結局、梓元は一度も振り返らずに馬車に乗った。安寧(アンニン)は冷北(ランベイ)の正体が北秦(ホクシン)の皇子だと知る由もなく、公務を任せて静養していた。おかげで心身も回復し政務に戻ったが、今回の一件で動揺が広がった所につけ込まれたのか、西北で北秦人による強奪が増えていると分かる。安寧は急ぎ国境の警護を厳しくすると決めたが、冷北はその前に計画を進める必要に迫られた。しかし帝家の娘が帝承恩(ディチォンエン)ではなく一筋縄ではいかない任安楽だったと分かり、姜瑜(キョウユ)も手をこまねいているという。「朝廷が動揺した今こそ好機だ、西北の警固が強化されたら計画が無駄になる! 私の計画を駄目にすればお前の命では償えぬぞ!」「殿下、焦りは禁物、まだ時期尚早です」姜瑜はさらに火種を炊きつける必要があると訴え、安寧を殺せず、帝家の配下も使えないのなら、朝廷を揺るがすしか方法がないという。「ともかく必ず殺す者がいる…」「任安楽か?」「帝家唯一の生き残りで策謀に長ける、我々になびかぬのなら始末せねば… 韓仲遠(カンチュウエン)に殺させれば禍根を断てる上、民は朝廷に反感を抱きます」そこで姜瑜は瑇(タイ)山に身代わりを送って君主を欺いた罪で帝梓元を断罪しようと思いついた。洛銘西(ルォミンシー)の期待通り人心を得た帝梓元は今や世に名高い帝盛天(テイセイテン)と並び称され、皇帝を非難する声が高まった。しかし近頃、翎湘楼(レイショウロウ)に現れる見慣れぬ書生たちが気にかかる。琳琅(リンロウ)は確か皇太后が崩御して2日後から来るようになったと気づいた。自分たちの預かり知らぬところで何かが動き始めたと感じる二人…。一方、皇帝は都での帝梓元の名声が高まったと知って怒り心頭だった。思えばこの10年、常に帝盛天の影に怯えてきたが、まさかその姪孫が朝廷で騒ぎを起こすとは予想だにしなかった。「このままでは本当に帝梓元が第二の帝盛天になりかねん! 朕の地位を脅かす者は決して許さぬ…何人であろうと皇位に手はかけさせぬ!」そこで皇帝は洛銘西を呼ぶよう命じた。洛銘西は韓仲遠が皇帝として正義を示さねばならないとしても、文武百官の前で面目を潰され、皇太后まで死に追いやられた怒りを受け止める者が必要だと分かっていた。「梓元のため、この役目は私が務める、琳琅、私が戻らぬ場合の処置は分かるな?」「大人がお出かけの後、店を閉めます…お戻りにならない時は千月閣を全て帝小姐に託します」「それでいい」琳琅は想い人を引き止めることも叶わず、ひとしきり琴を奏でていた。洛銘西は帝家の名誉回復に便宜を図るため帰順したと認めた。梓元と幼なじみだった縁で靖安(セイアン)侯から世話を頼まれていたという洛銘西、そこで身代わりを立てることで帝家の血筋を後世に残そうと考えたという。しかし皇帝は当時まだ10代だった洛銘西が単独で動いたとは思えず、誰と共謀したのか白状するよう迫った。「何を隠している?!」「私一人の考えでした、おとがめとあらば死罪になる覚悟です」韓燁は洛銘西が皇帝の勅命で罷免され、投獄されたと聞いた。「梓元の身代わりを立てた件だな…」身分を偽るのは紛れもなく君主を欺く大罪、韓燁は洛銘西が梓元を守るため、独りで全て背負うつもりだと気づいた。吉利(キツリ)の報告では巷でこの件に非難の声が上がっているという。「何者かが朝廷を撹乱しようとしているな」すると温朔がふいにおかしい話だと訴えた。「殿下、帝家の謀反が濡れ衣なら安楽姐だって逆賊の娘じゃない 瑇山に行かなかったとしても罪ではないでしょう?」「…その通りだ、その点を訴えて洛銘西を救おう」韓燁は刑部大牢の洛銘西を訪ねた。すでに拷問で傷だらけの洛銘西、そこで韓燁はせめてもの償いに傷薬を塗ったが、あっという間に薬瓶は空になってしまう。「梓元のためにここまで…」「殿下こそ、梓元の素性を証言してくれた、幸い殿下は陛下と違う」「だが梓元を守れなかった、10年前も10年後の今も… もはやこの件は帝家ではなく靖国の問題だ、必ず出してやる」韓燁は薬を届けると約束し、ひとまず牢をあとにした。韓燁が刑部を出ると梓元が立っていた。梓元が来ると分かってた韓燁はすでに獄卒に話をつけてあるという。「会って来い…洛銘西の投獄は陛下の過ちだ、釈放するよう説得する、ただこの件は複雑だ」「複雑?明解この上ないわ、これは陛下の報復よ」「信じてくれ、必ず洛銘西を救い出し、君たちの無念を晴らす」「はお」梓元は話を切り上げて刑部に入ろうとしたが、ふと韓燁が引き止めた。「梓元…君がくれた扇子の書は別れの詩から選んだものだった、それが君の本心なのか?」しかし梓元は振り向かずに答えた。「天下に真相も明かされぬまま、私があなたと情を語れると思う?」洛銘西は梓元を心配させまいと笑顔を見せた。しかし梓元は病弱な洛銘西の身体で拷問が耐えられないと分かっている。「これぐらい平気さ、何も後悔はない」洛銘西は刑具に耐えられるよう薬も準備してきたと笑いながら、韓仲遠の目的は梓元の味方を排除することだと言った。「私のことはいい、君は自分の足場を固めろ」「ここで死ぬつもり?!この10年間、助け合ってきたのよ?他の全てを捨ててもあなたを救う」洛銘西の投獄はかえって皇帝を追い詰める結果になった。民衆は皇太后の断罪もしないうちに忠臣の洛銘西を投獄したと不満を募らせ、重陽門にはひざまずく書生たちが日に日に増えている。苑琴は暴動が起きそうな勢いだと報告したが、梓元はすでに大理寺の黄浦(コウホ)を向かわせていた。どちらにしても10年も守った皇位は簡単には揺るがないだろう。「もう待てない、帝家の件は今日中にけりをつけるわ」その頃、韓燁は嵐清(ランセイ)殿でひざまずいていた。皇帝はようやく顔を見せた皇太子に不満げだったが、洛銘西の命乞いに来たと分かっている。「洛銘西は獄中で拷問を受け、命の危機にあります、そろそろ釈放してはいかがですか? …刑に処さぬのは放すおつもりだからでしょう?」韓燁は洛銘西の行いは罪でななく、むしろ韓家の負い目を軽くしてくれたと訴えた。実は重陽門で相変わらず帝家潔白の勅命を請う者が後を立たないという。「まだ騒いでいるのか?!くだらぬ噂を真に受けおって!」「陛下、民が勅命を求めるのは陛下が正義を示されると信じているからです 靖国と陛下を信頼していればこそです!」つづく(  ̄꒳ ̄)こう見えて洛銘西は…身体が弱いのですw
2024.04.25
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安乐传 The Legend Of Anle第26話帝(ディ)家軍の殲滅を画策した黒幕は皇太后・孫瑜君(ソンユクン)だった。これも全て息子の玉座を盤石にするためだったが、その親心はかえって嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)の自尊心を傷つけてしまう。「母后…もしや朕では帝永寧(ディエイネイ)と帝家軍を御せぬと思われたのですか? 朕を侮っておられたのか?帝永寧には及ばぬと!…もう何もしないでください」皇帝は全て自分で片をつけると決めて霊廟にこもった。すると憔悴する孫瑜君のもとに思いがけず帝盛天(ディセイテン)から密書が届く。「本日、子の刻、伏翎(フクレイ)山にて…」…孫瑜君は帝家の権勢を恐れ、密かに帝盛天を訪ねて懇願した『息子から太子の座を奪わないで欲しい』『考え過ぎよ』『孫家の全財産を投じて帝家の損失を補ってもいい、その代わり都から去って欲しいの』『私の望みは天下が安らかになることのみ、どちらにせよまもなく靖南(セイナン)へ帰るわ 太子の座も韓子安(ハンシアン)も奪う気はない』すると帝盛天は席を立ってしまう…あの時、帝盛天はそう言ったが約束は破られた。孫瑜君は先帝を看取ったのが自分でも皇太子でもなく帝盛天だったという事実を受け入れられず、憎しみが込み上げる。「帝盛天、私たちにはケリをつけるべき事がまだ残っている…」( ๑≧ꇴ≦)エェェェェェッ!帝盛天って女だったのかーい!その夜、任(レン)府では身分を取り戻した帝梓元(ディヅユアン)が洛銘西(ルォミンシー)、苑琴(エンキン)、苑書(エンショ)と祝杯をあげていた。しかし梓元はなぜか浮かない顔をしている。「無事に本懐を遂げた今、進むべき道を失ってしまったわ」「小姐、化縁(ケエン)山に現れた前当主を訪ねてはどうですか?」「姑祖母は長年にわたり俗世を離れていた、お考えがあるはずだから邪魔はしない」すると洛銘西はこの先も自分が一緒にいると励ました。私も!>٩(*´ᗜ`)ㅅ(ˊᗜˋ*)و<私も!( ๑≧ꇴ≦)エエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!祖母かと思ったらパパのおばさんなのかーい!その頃、伏翎山では孫瑜君と帝盛天がついに因縁あいまみえた。孫瑜君は約束を違えた帝盛天への怒りが再燃、これまでの鬱憤を爆発させる。「あなたは先帝と袂を分かつと約束しながら変わらずそばに居続けた 金鑾(キンラン)殿で先帝と政を論じ、御書房では共に奏書に目を通した 挙げ句の果てに梅花庵を2人の居所にしたわ、私の息子まで連れてね! 私の居場所は先帝のいない静心堂だけだった!」帝家が取り潰された時、すでに遊歴していた帝盛天はようやく孫瑜君が自分への醜い嫉妬で帝家軍8万を虐殺したと知った。「韓子安はあなたと息子のために生涯を費やし、豊かで安定した国を残したのに… 建国した翌年、韓子安は死期を迎えた、私が靖南へ帰る前に別れを告げに行った時よ 御書房で倒れている韓子安の姿を見つけ、ようやく残された命は3ヶ月だと知ったわ 建国直後で北秦(ホクシン)と東騫(トウケン)に狙われている時に皇帝が死ぬわけにはいかなかった やむなく私は都に残り、力を尽くして治療を施し、何とか3年、生き長らえさせた」何も知らなかった孫瑜君は呆然、妻である自分には何も話してくれなかったと訴える。帝盛天は多くの諸侯や各国の刺客を欺くためには妻をも欺くしかなかったと説明、自分たちは知己であり、やましいことは何もないと断言した。しかし気位の高い孫瑜君はかえって夫と帝盛天に蔑ろにされたと憎しみを募らせてしまう。「そもそも私が玉座を欲していたなら帝家が得るべき土地を譲ったりしなかった 孫瑜君、ここまで言っても分からないの?」「帝家が権力を握ったままではいずれ国は分裂していたわ、あなたにその気がなくてもね 私は息子のため、靖国と天下太平のためなら死んでも悔いはない!」孫瑜君は事実を知っても己の選択を正当化し、帰ってしまう。安寧(アンニン)は静心堂の前で皇祖母への不孝を謝罪し、公主府へ戻った。冷北(ランベイ)は今こそ公主の警戒心を解く好機だと考え、家族より正義を選んだ公主を勇敢だと称賛する。「いいえ、10年前の埋め合わせをしただけよ…だけど皇祖母に申し訳が立たない 幼かった私によくしてくれたのに…」「でも太后は二度と嘘をつく必要がなくなりました、しばらく公務は私に任せて休んでください」↓弱っている所を狙うなんてエグいわ___やがて都は激しい雨となった。化けの皮が剥がれた帝承恩(ディチォンエン)は初めて靖安(セイアン)侯府を訪ね、結局、どんなに努力しても帝梓元になれなかったと嘆く。「私のものにならないのなら、束の間の幻想なんて抱かせないで…」びしょ濡れになりながら泣き崩れる帝承恩、そこへ慕青(ムーチン)が駆けつけた。「一緒に帰ろう」「来ないで!私はしょせん身代わりなのよ!」「私はこの命を捧げると約束した、決して離れない…君は私が一生を懸けて守りたい人だ!」帝承恩は確かに全てを失ったが、慕青という大切な家族だけは残った。静心堂に戻った孫瑜君は先帝の絵姿に叩頭して別れを告げた。…先帝、あなたはその胸に大志を抱き、花盛りだった私のこともろくに愛でなかった、でも感謝しています、形だけでも皇后でいさせてくれた、ただ孫家が由緒ある家柄だと忘れていたのね、この孫瑜君は誰にも劣ったことはない、あなたが見ようとしなかっただけよ…皇太后は首を吊って自決した。翌朝、皇帝は母の亡骸と対面、遺書を受け取る。…韓仲遠、負けたのは帝家の帝盛天と帝梓元であり、あなたは勝った、そして私も勝った、私が人生で最も気にかけた人は先帝だと帝盛天は思っている、私が先帝のために帝家を滅ぼしたのだと、そうではない、あなたのためよ、唯一の息子だもの…皇太后は靖国を治めるのは韓家であり、民にも何も恥じることはないと断言し、自ら責任を取った。一方、冷北は姜瑜(キョウユ)と接触した。姜瑜は帝承恩を利用して西北に残る帝家の配下に招集をかけていたが、替え玉だったと知られては駒になりえないという。「帝家の配下の耳に入らないうちに事を起こすのが得策です」すると冷北は青南城における新たな防衛配置図を渡した。姜瑜はどうやら皇子がすっかり安寧公主の心を掌握したと気づき、一刻も早く始末するよう進言する。しかし冷北は拒否した。「今も兵権を握るのは公主だ、その上、長く青南城を守っていたため、名声が高い 公主を利用して青南城を落とす」韓燁(ハンイェ)は皇祖母の通夜を終えて太子府に戻った。温朔(ウェンショウ)は3日も飲まず食わずの皇太子を心配して手料理を振る舞うと話したが、うっかり口を滑らせ″安楽(アンルー)″の名を出してしまう。「あ…殿下、安楽姐を恨んでいますか?」「10年前に決まっていた結末だ、恨むものか…」韓燁は疲れた様子で門の敷居をまたいだが、驚いたことに院子で梓元が待っていた。つづく( ๑≧ꇴ≦)えー!勝手に帝盛天はお祖父ちゃんだと思ってた!なるほどね~安楽が「先帝と帝盛天のような関係はもうない」って言ったのはこういうことだったのか〜って早く言ってよ!いや言ってたの?( ̄▽ ̄;)どなたか教えてくださいw
2024.04.24
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第19話「灯籠祭りの恋のさや当て」袁朗(エンロウ)の提案で非晩霜(ヒバンソウ)を夜店で売ることにした季曼(キマン)。軟膏はすぐ完売し、明日の皓雪堂(コウセツドウ)の再開にも期待が持てた。袁朗は季曼と灯籠祭りで賑わう街を歩きながら、この機に告白しようと決意、花束を贈ることにする。「袁大哥、もらえないわ…もしかして私のことを?」「ぶははは〜!俺たちは兄弟分だろう?!本気にするな〜」「やだ~びっくりした!」袁朗は季曼の戸惑う様子を見て咄嗟に冗談だとごまかし、2人で灯籠流しに行こうと思いついた。しかし運悪く季曼を探し回っていた寧鈺軒(ネイギョクケン)が現れる。「偶然だな、一緒に歩こう」一方、衣装を着替えた水娘子(スイニャンズー)こと水亦清(スイイーチン)はちょうど灯籠を買っていた。灯籠には想い人である″鬼白(キハク)″の名を添えて流したが、当の本人は相変わらず公務に徹している。「上巳節に誰かと一緒にいるのは初めてよ、家を出てから節句の日はいつも宴席に出ていたから… あなたはどう?楽しい?」ʕ•̀ω•́ʔ✧<鬼白に節句などない!水娘子は上巳節という特別な夜にも無愛想で仏頂面の鬼白に呆れ、変顔を見せて笑わせることにした。すると鬼白はこらえきれず、ついに吹き出してしまう。「ふふ、笑った方が素敵なのに」その頃、思いがけず3人で祭り見物を始めた季曼たちは、輪投げで商品の灯籠を取ることにした。寧鈺軒と袁朗は一番遠くにある大灯籠を獲得して季曼の観心を買おうとしたが、どちらも見事に外してしまう。2人の板挟みに困惑する季曼、その時、苜蓿(ムーシュ)が息急き切ってやって来た。「夫人!大変です!倉庫に火が!」同じ頃、見つめ合う水娘子と鬼白は自然と顔と顔が近づいて行った。しかし突然、官兵が駆けつける。「火事です!」皓雪堂の倉庫が火事になった。駆けつけた季曼たちは必死に水をまいていたが、その様子を温婉(オンエン)の侍女・檀香(ダンコウ)が盗み見ている。実は温婉は灯籠祭りで寧鈺軒と聶桑楡(ニェサンユー)が一緒にいるところを目撃、激しい嫉妬に駆られた。…子供の頃から寧鈺軒だけを慕って来た、一緒に灯籠を流したいと願ってきたわ、なぜこんな目に遭わされなければならないの?…『檀香、頼んだわ』寧鈺軒が目を覚ますと季曼が付き添っていた。「あなたは気を失ったのよ?安心して、もう火は消えたわ」季曼は誰かの仕業だと気づいていたが、事故だと思うしかないという。「これだけでは済まないかも…」「何を企んでいようと一網打尽にしてやる!」すると季曼は火が苦手な寧鈺軒に迷惑をかけたと謝罪した。寧府の厨房で火事になった時、湯殿で気を失った寧鈺軒を助けて気がついたという。「そなただったのか、ありがとう」「なぜ火が怖いの?」しかし寧鈺軒は過去の悲劇的な体験を明かす事ができなかった。季曼はあえて追及しなかったが、寧鈺軒は季曼が現れてから自分もすっかり変わったという。「我ながら火を消そうとするとは…ありがとう、そなたのおかげだ」「そんなことを言ったら本当の夫人に怒られるわよ?」「それが…聶桑楡はもう死んだ」寧鈺軒は聶桑楡の消息を追っていた配下から報告を受けていた。川沿いを探していたところ、ある農民が岸に流れ着いた女子の骸を埋葬したと聞いたという。そこで墓を開けて確認したところ、骸の衣と玉佩は大夫人の物だった。寧鈺軒は5歳の頃から感情を押し殺して生きてきたと明かした。聶桑楡の死にも責任を感じていたが、二度と過ちを犯したくないという。「私は…そうだ、まだ間に合うな」すると寧鈺軒は季曼に顔を洗って着替えるよう急かした。一方、鬼白は火傷した水娘子を介抱していた。「これからは危険な真似はしないでくれ、私が君を守る」しかし水娘子は自分たちの夢である店を守ろうと必死だったという。「傷が残って稼げなくなっても…」「私がいる!…私が天下を回って名医を探し出し、治してみせる」「もし治らなかったら?」「その時は私が一生、君の手足となって働くよ」「でも寧大人と私、一方を選べと言われたらどうするの?」「もちろん!…」(ˇ꒳ˇ *)<ふふっʕ•̀ω•́ʔ✧<だーれん!( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)はい?その頃、寧鈺軒は季曼を連れて街に飛び出し、2人で灯籠を流していた。…季曼、来年はそなたのために大灯籠をともすよ…水宴居で泥酔した千怜雪(センレイセツ)は酷い二日酔いで目を覚ました。すると机に500両が置いてある。怜雪は弟にこれが最後だと文を書き、二度と力になれないと釘を刺しておいた。皓雪堂は再開したが、客足は戻らなかった。その様子を向かいの店で眺めながらほくそ笑む温婉、どうやら蓮香(レンコウ)の騒ぎは想像以上の成果を上げたらしい。「あの女の思い通りにさせるものですか」寧鈺軒は店が暇だと知って季曼を街に連れ出した。そこで他の商いを参考にしようと提案したが、有名店ではなく、その前にある露店の茶屋に入る。露店では人参より安いが効能が似ている絞股藍(コウコラン)を出していた。「金持ちは人参を買えますが、貧しい民は絞股藍を選びますからね」すると季曼は深窓の令嬢相手ではなく、誰もが気軽に買える化粧品が必要だと気づいた。季曼は新たに万民に喜ばれる軟膏を考え、早速、薬材を買いに出かけた。しかし原料が高騰、とても手が出ない。苜蓿と桑葚(ソウシン)が手分けして街の店を調べ歩いたが、どの店も同じ価だった。中には価が3倍に跳ね上がっている薬材もあったという。「どういうこと?白芨粉(ハクキュウコ)が真珠粉なみの値段なんて…」何でも海が荒れて入荷できず、組合の決まりで一斉に値上げになったらしい。しかし薬材舗で途方に暮れている母子を見た季曼は銀子を全て恵んでしまう。「荷が入らないなんて口実だわ、何とかしなくちゃ…はっ!そうだ!」つづく(;゚Д゚)温婉、子供の頃から好きだったって…やっぱり計画的に嫁いだのね
2024.04.23
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第18話「私たちの夢」季曼(キマン)を手放したくない寧鈺軒(ネイギョクケン)は県令の立場を利用し、帰海(キカイ)号を修繕するという名目で乗組員全員を下船させた。しかし季曼は県衙に帰らず、苜蓿(ムーシュ)と桑葚(ソウシン)を連れて皓雪堂(コウセツドウ)へ行ってしまう。すると店内はすでに片付けが済んでいた。苜蓿は侯爺のおかげだと気づいたが、慌てて口をつぐむ。一方、寧鈺軒は腹を満たせば眠くなって季曼が戻って来ると考えた。そこで鬼白(キハク)に夜食を買いに行かせたが、差し入れを届けても季曼の対応は冷たい。「私に会いたくなければ県衙は単なる宿だと思えばいいだろう?」「ここで食べて寝るわ、どうぞお構いなく」結局、季曼たちはその夜、店の床で雑魚寝した。寧鈺軒は夜更けにこっそり様子を見に来たが、3人を起こさないようそっと掛け布を直し、慌てて去って行く。実はその後ろ姿を季曼が見ていた。翌日、季曼は水宴居(スイエンキョ)に出かけることにした。街は上巳節を前に人出が多くにぎやか、桑葚の話では黄帝(コウテイ)の誕辰を祝って盛大な灯籠祭りが開かれるという。「殿方が想い人に灯籠を贈るんです、一緒に灯籠に火をともせば天の加護で幸せになれるんですよ」水娘子(スイニャンズー)こと水亦清(スイイーチン)は聶桑楡(ニェサンユー)に罪を着せてしまったことを謝罪した。しかし季曼は水娘子の証言で疑いが晴れたと感謝し、水娘子にだけ自分の正体を明かす。ただ聶桑楡として二品誥命(コクメイ)夫人に封じられた手前、公表できないという。水娘子は口外しないと約束し、2人のわだかまりも解けた。そこで季曼は水娘子に皓雪堂の番頭になって欲しいと頼んだが、水娘子は住む世界が違うと困惑する。「海坊(カイホウ)という土地はとても狭い…結局、男たちに頼るしかないの 来たばかりの頃は私もささやかながら幸せに暮らせると思っていた 本当は静かな場所を見つけて暮らしたい、好きな人だけに歌を聴かせてね」「人は誰でも自分の人生を選ぶ権利がある、決められた一生に甘んじたりしないで わずか数十年の命、自分が好きなことを追い求めても良いはずよ?」季曼は水娘子の手を握りしめ、一緒に夢を叶えたいと訴えた。一方、蛟龍(コウリュウ)幇は沈連成(シンレンセイ)の死後、内部闘争と新幇主選びが始まった。袁朗(エンロウ)はのさばる悪人を海坊から追い出し人心を掌握、茶幇の残党たちの後押しもあり、新幇主の座を手に入れる。焦った王錦堯(オウキンギョウ)は袁朗を懐柔しようと水宴居に呼びつけたが、杞憂に終わった。袁朗は蛟龍幇を立て直し、寧鈺軒の支配から脱したいという。「蛟龍幇と海上貿易組合は海坊の2大勢力、この袁朗、王老板と手を組みます」ちょうど同じ頃、季曼も千怜雪(センレイセキ)を連れて水娘子を訪ねていた。店の再開を決めた季曼は番頭に水娘子を迎え、帳場担当の怜雪と3人で店の株を分配する。「力を合わせてもっと店を大きくしましょう!」回廊では苜蓿と桑葚が控えていた。桑葚は小姐がなぜ小さな店1つにこだわるのか分からなかったが、苜蓿は季曼にとって皓雪堂は命も同然だという。しかし桑葚の話では季曼はすでに1000の店を経営し、配下に差配を任せて莫大な利益を得ていた。その時、王錦堯と話を終えた袁朗が通りかかる。「桑葚か、どうしてここに?」「実は小姐が中に…ぁ!」苜蓿は慌てて桑葚の話を遮り、桑葚を新しい侍女だと紹介してごまかした。焦った桑葚は話せば長くなると断り、袁朗もそれ以上は追及しないで先を急ぐ。すると回廊を曲がったところで苜蓿と桑葚の声が聞こえてきた。<何も言っちゃダメ!<でも″季曼″とは言ってない!<しーっ!袁朗は聶桑楡が季曼だと確信した。腹心の趙龍(チョウリュウ)と趙虎(チョウコ)は意味が分からず混乱したが、袁朗は実は聶桑楡と季曼が姉妹だと明かす。だとしても本物の聶桑楡はどこへ消えたのか。袁朗は捜索の手配を命じ、季曼の正体を決して口外しないよう釘を刺した。「我らも知らないふりを通し密かに守る、小妹の安全のためだ」…聶桑楡が季曼なら寧鈺軒の妻でもなく、2人の間に愛情もない、どうやら私にもまだ機会があるようだ…海坊で新しい生活を始めた千怜雪、しかし不肖の弟からの金の無心が続いた。しかも今度は賭場で作った借金が500両にもかさんだという。「どうやって工面しろっていうの?」すると聶青雲(ニェセイウン)が現れ、一緒に灯籠祭りへ行こうと誘った。怜雪は想い人の陶思維(トウシイ)を誘うよう勧めたが、青雲は突き放されてしまったとぼやく。「あきらめちゃダメ、友だちとしてなら気軽に誘えるでしょう?」「うまく行くかな?…試してみる!」一方、県衙では寧鈺軒がちょうど鬼白に街の警備を確認していた。鬼白はすでに手配を済ませ、人手を増やしたと報告する。そこへめかしこんだ温婉が現れ、灯籠祭りの見物に連れて行って欲しいと懇願した。しかし寧鈺軒は公務があるため1人で行くよう伝え、逃げるように出かけてしまう。明日の皓雪堂の再開を前に季曼たちは準備に忙しかった。すると袁朗が駆けつけ、灯籠祭りへ行こうと誘う。季曼はまだやることがあると断ったが、袁朗は試しに祭りで商品を売ってみてはどうかと提案した。水宴居に来た秦奕閑(シンエキカン)は水娘子が灯籠祭りのためいないと知り落胆した。すると偶然、酔っぱらって給仕に絡んでいる千怜雪を見つける。そこで個室を取って自分のツケで飲めばいいと安心させて帰ることにしたが、急に怜雪が抱きついて引き止めた。「あなたの好きな歌をうたう、舞だって踊るわ…洗濯や料理だってやる…大金が必要なの…」驚いた秦奕閑は困っているなら力になると言ったが、怜雪は理由を明かせないと言った。「ただ銭が必要なだけ…銭がいるの」聶青雲は灯籠祭りに来ていた陶思維を見つけた。そこで一緒に灯籠を流したいと頼んだが、陶思維は軍営に戻らねばならないとごまかして慌てて行ってしまう。青雲はこっそり陶思維を尾行、すると陶思維が独りで灯籠を流して帰って行くのを見た。傷ついた青雲は陶思維が誰のために灯籠を流したのか気になって確認に向かったが、思いがけず″聶″と書いてある。「聶?陶大哥ったら、私を想ってくれていたのね…」↓すごい誤解w水娘子は舞を披露して灯籠祭りに花を添えた。すると群衆の中にいる鬼白に気づく。水娘子は鬼白と灯籠を流せると期待したが、舞台が終わっても鬼白はただ黙って自分のあとをついて来るだけだった。「なぜつけ回すの?」「水娘子の周りには人だかりができて危ない、灯籠祭りが安全に終わるよう務めを果たす」「人だかり?どこに?あなたしかいないわ…向こうで灯籠を流すの、じゃあね」「…水娘子!」水娘子は鬼白に引き止められ、喜んで振り返ったが、予想外の言葉を聞いた。「その衣は着替えた方がいい」つづく( ๑≧ꇴ≦)侯爺wwwww
2024.04.22
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第18話「命を賭けて守る」鬼白(キハク)は水娘子(スイニャンズー)こと水亦清(スイイーチン)の代わりに初めて酒を飲み、酔い潰れた。水娘子は鬼白を居所で介抱したが、実は鬼白がずっと自分を見張っていたと知っている。「主に何か調べろと命じられたのね、でも別の理由もあるでしょう?私を守ってくれたのね ふふ、どこへ行ってもあなたのその染みついた血の臭いで分かったわ…(はっ!)臭い?!」寧鈺軒(ネイギョクケン)は季曼(キマン)を守るため監房に張り付いていた。そろそろ遠く離れた都にも二品誥命(コクメイ)夫人・聶桑楡(ニェサンユー)が関わる大事件が伝わる頃だろう。「黒幕はこの機に私たちを潰すつもりだ」季曼はようやく実は牢の中にいるのが最も安然なのだと分かった。「ずっと私を守ってくれていたのね…ありがとう」一方、賭場を調べさせていた袁朗(エンロウ)は季曼の玉佩を盗んだのが沈連成(シンレンセイ)の手下・阿強(アキョウ)だと突き止めた。亡骸の第一発見者である水娘子は聶桑楡が犯人なら白粉の匂いが残っていたはずだと気づいた。そこで寧鈺軒を呼び、蓮香の部屋に入った時、嗅いだことのない臭いがしたと明かす。「最初は何の臭いか分からなかったの でも先日、港へ行った時、蛟龍幇(コウリュウホウ)の船乗りと同じ臭いがしたわ」蛟龍幇の幇主・沈連成(シンレンセイ)は檀(タン)王の庇護の下、悪事を重ねて来た。しかし失態続きで見放され、今や従う者も少ない。黄漢(コウカン)たちはこれを機に茶幇(チャホウ)を復活させ、阿狼(アロウ)に付き従うと決めた。寧鈺軒は水宴居に蛟龍幇を誘き出すため、水娘子が刺客の顔を見たらしいと噂を流した。するとその夜、追い詰められた沈連成たちが現れ、水娘子に襲いかかる。控えていた鬼白は部屋に飛び込み応戦、水娘子の盾となった。「守ると約束した、命を懸ける…」負傷しながらもたった独りで立ち向かう鬼白、やがて応援が駆けつけてくれたが、沈連成たちに逃げられてしまう。一方、袁朗は水宴居を襲った沈連成が手下と県衙へ向かったと聞いた。「まずい!」その頃、寧鈺軒も牢から季曼を出して母屋に帰していた。「今夜、決着がつく、それまでどこかに隠れてくれ、物音がしても決して出てくるな、いいな?」沈連成は今夜こそ寧鈺軒の首を取ると決意、配下を引き連れ県衙に押し入った。すでに本堂で待ち構えていた寧鈺軒は逃げ道を封じて包囲、官兵たちが一斉に襲いかかる。季曼は母屋まで届く激しい剣戟の音に気づき、矢も盾もたまらず飛び出した。寧鈺軒は沈連成と剣を交えていたが、配下が放った暗器が腕に刺さった。すると毒のせいで立ちくらみを起こし、沈連成から何度も投げ飛ばされてしまう。そこへ突然、季曼が飛び込んで来た。「寧鈺軒!どうしたの?!私はどこにも行かない、死ぬ時は一緒よ!」寧鈺軒は季曼を守るため咄嗟に盾となったが、駆けつけた袁朗が沈連成を一撃で仕留めた。袁朗は寧鈺軒を抱きしめる季曼を見て寧鈺軒には手を下せなかった。趙龍(チョウリュウ)と趙虎(チョウコ)は袁朗が寧鈺軒に情けをかけたと勘ぐったが、袁朗は季曼を巻き込む危険性があったと否定する。「茶幇と寧家の恨みは解けない、寧鈺軒に情けなどかけない」翌朝、寧鈺軒が目を覚ますと季曼の姿はなかった。すると鬼白が駆けつけ、夫人がずっと介抱していたと教える。「今はお休み中です」「ならいいんだ、よかった…」鬼白の報告では沈連成の手下が全て白状し、蓮香の事件だけでなく、荒れ廟での流民の虐殺も認めたという。実は寧鈺軒は沈連成の敗れた袖からのぞく茶幇の入れ墨に気づいていた。「蛟龍幇の中に茶幇の者がいないか確かめろ、それにしてもなぜ袁朗が急に現れたんだ?」どうやら思った以上に海坊の闇は深いらしい。そこへ季曼が汁物の差し入れにやって来た。「医者が養生すれば元気になると言っていたわ…だからもう行くわね」寧鈺軒が安心したのも束の間、季曼はもはや聶桑楡でも寧鈺軒の妻でもないと言って出て行ってしまう。季曼は侍女の苜蓿(ムーシュ)だけ連れて県衙を出た。「これからは夫人ではなく小姐と呼んでね、とにかく帰海(キカイ)号へ行きましょう」そこで2人は海坊港に向かったが、停泊している帰海号は想像をはるかに超える巨大な船だった。季曼は本当に自分が帰海一刀(キカイイットウ)の娘かどうか自信がなかったが、船員や侍女たちに歓迎され、一緒に育った側仕えの桑葚(ソウシン)に至っては抱きついて帰りを喜んでくれる。「ぁぁぁ…で、あなたはどなた?」「え?!どうかしたんですか?小姐?!」苜蓿は季曼が都で事故に遭い記憶を失ったと説明、自分が季曼の首席侍女だと自慢した。桑葚は小姐の記憶を戻そうと早速、部屋に案内した。季曼の居所は船の中とは思えない豪華な船室で、質素倹約を心がけていた聶桑楡とは比べ物にならないほど贅沢品があふれている。「小姐の一番のお気に入りはこの大粒の真珠でした」「うわっ!こんな上等の真珠が普段使いなの?!」「小姐は欲しいものなら何でも手に入れました、これが目録です」「やだ、大金持ちじゃないの!」「小姐は帰海一刀・季銘(キメイ)の一人娘なんですよ? こんな小物だけではなく帰海号もお持ちです!どうです?思い出しましたか?」季曼はふと幼い頃の断片が蘇るものの、やはり記憶は戻らなかった。そこで桑葚は季曼が4年間も研究した化粧品の処方を持って来る。「あ!私の処方だわ!全工程が記されている!」「私たちのために作ってくれたんです、船上では潮風と日にさらされ、シワが増えるからって」季曼は確かに自分が季銘の娘だと確信を得たが、やはり何も思い出せない。すると桑葚は結局、想い人とはどうなったのか聞いた。実は季曼は港で一目惚れした人に会いたいと、家出してまで都へ向かったという。「私ってそんなに軽薄だったの?…それより父親は?会いに行きましょう」しかし季銘は娘を連れ戻すため都に出かけていた。その夜、帰海号に突然、寧鈺軒たちがやって来た。寧鈺軒はあくまで公務で来たと断り、帰海号は長年修理されておらず、即刻、直す必要があるので下船するよう命じる。「不便なら県衙を仮住まいとして貸し出そう」季曼は寧鈺軒の魂胆に気づき、自分たちも船の点検をしながら港で過ごすと断った。しかし寧鈺軒は耳を貸さず、直ちに船上で作業を始めるよう命じて降りてしまう。「へ?寧鈺軒!ちょっと!」一方、桑葚は苜蓿から寧鈺軒が季曼の夫だと聞いて訳がわからず困惑していた。つづくホッ!(⸝⸝ ˇωˇ )やっと笑顔が戻ったわ〜良かった♡
2024.04.21
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第16話「消し得ぬ毒婦の称号」温婉(オンエン)の企み通り、蓮香(レンコウ)の思わぬ暴露で皓雪堂(コウセツドウ)の新作発表会は台無しになった。寧鈺軒(ネイギョクケン)は憔悴した聶桑楡(ニェサンユー)を連れて県衙に帰ったが、聶桑楡は心を閉ざしてしまう。「甘かった、都さえ離れれば毒婦の悪名も忘れ去られると思ってた…全て私が悪いの」「実はそなたに話がある、大事なことなんだ」「お願いよ、独りにして」騒ぎを知った聶青雲(ニェセイウン)が杖をついて県衙に駆けつけた。「くじいてしまって…」中庭ではちょうど千怜雪(センレイセキ)たちが聶桑楡を心配して待っていたが、そこへ寧鈺軒がやって来る。「姐姐は?!」「今はそっとしてやろう」すると怜雪が今夜の一件は妙だと訝しんだ。蓮香は3年前、確かに銭を渡して暇を出したが、なぜ妓楼に売られたなどと嘘をついたのだろうか。つまり偶然ではなく裏には思惑があり、恐らく誰かが指示したのだろう。飲まず食わずで寝殿にこもってしまった聶桑楡。寧鈺軒は早く真実を明かすべきだったと後悔したが、その時、苜蓿(ムーシュ)が慌ててやって来た。「大変です!皓雪堂が荒らされたと聞いて夫人が店に…」「なぜ止めなかった?!」寧鈺軒が急いで店に駆けつけると、聶桑楡は散乱した化粧品を片付けていた。「もうやめろ、拾わなくていい」「私はなんて酷い女子なのかしら… どれだけ罪を重ねて来たの?どれだけ罰を受けるべき?」「罪などない」寧鈺軒は聶桑楡が身に覚えのない罪に苦しむ姿に耐えられなくなり、ついに本当の身分を明かした。寧鈺軒は聶桑楡の肩には梅の花のあざがあると教えた。「実はそなたは季曼(キマン)、帰海一刀(イカイイットウ)の娘だ 季曼の書いた痕消し膏の処方はそなたの処方と同じだった、筆跡も同じだ だから君は聶桑楡ではなく季曼なんだ」季曼は自分の名前を聞いても記憶が戻らなかったが、少なくとも聶桑楡の悪事とは無関係だと知り喜んだ。「本当なのね!皆に知らせなくては!(はっ)でも待って…あなたはいつから知っていたの?」「信じられず何度も調べて確かめたんだ、言おう言おうと思いながら… 伝えていれば苦しめずに済んだ、償わせてくれ」「償えると思う?話してくれていたら皆にちゃんと説明できたのに… 店だって荒らされることはなかったわ、一体、どう償うっていうの?! 出て行って、顔も見たくない!」「季曼…」「出てってよ!早く!」そんな騒ぎの中、凌剣星(リョウケンセイ)の命で海坊を監視していた阿正(アセイ)は蛟龍幇(コウリュウホウ)幇主・沈連成(シンレンセイ)を脱獄させた。度重なる失態に怒りが収まらない阿正、しかし沈連成はもう一度だけ機会が欲しいと懇願する。「必ず寧鈺軒を潰してみせます!」一方、寧鈺軒は沈連成が何者かに連れ去られたと報告を受けたが、聶桑楡が心配で上の空だった。悶々としながら書斎で夜を明かした寧鈺軒、すると鬼白が血相を変えてやって来た。「蓮香が殺されました!部屋の中に大夫人の玉佩が…」寧鈺軒は慌てて水宴居に駆けつけた。すでに現場を検証していた劉(リュウ)主簿は容疑者の証拠として寧夫人の玉佩を示したが、寧鈺軒はこれだけで断罪できないという。そこへなぜか富商の王錦堯(オウキンギョウ)が現れた。王錦堯は海上貿易組合の名誉に関わるため駆けつけたと断り、正当な裁きで死者の無念を晴らすよう嘆願する。すると寧鈺軒は鬼白に聶桑楡を捕らえて詮議すると命じた。聶桑楡は理由も分からないまま投獄された。すると秦奕閑(シンエキカン)が駆けつけ事情を説明する。聶桑楡はようやくいつもに身につけている玉佩が消えていることに気づいたが、いつ盗まれたのか皆目見当もつかなかった。「県衙に戻ってから店に行ったけれど、証人は寧鈺軒しかいない… 目的は私を陥れることだわ、必ず刺客を見つけて」亡骸の発見者は水娘子(スイニャンズー)こと水亦清(スイイーチン)だった。寧鈺軒は妻の冤罪を晴らすため協力して欲しいと訴えたが、水娘子は蓮香を虐待していた聶桑楡への嫌悪から追い返してしまう。仕方なく寧鈺軒は鬼白に監視を頼み、牢獄の季曼に面会した。寧鈺軒は王錦堯たちを黙らせるためひとまず聶桑楡を投獄した。二品の誥命(コクメイ)夫人となれば罪を裁くのは大理寺、もし聶桑楡に殺人の嫌疑がかかっていると都に知られれば助けることができなくなる。今は牢屋が一番安全だったが、そうとは知らない季曼は面会に来た寧鈺軒に冷たかった。「そなたが使い慣れている寝具も持って来た、複雑な問題なのだ、実は夫人…」「夫人じゃないわ、私たちは赤の他人でしょう?早く刺客を見つけて あなたがいたら食欲もなくなる、早く出て行って!」一方、袁朗(エンロウ)も配下に蓮香の事件を調べさせていた。しかし水宴居の周辺で怪しい者を見たという情報はないという。「聶小姐の玉佩はいつなくなったんだ?」王錦堯は寧鈺軒を敵に回し、完全に阿正(アセイ)側についた。しかし阿正から沈連成と同じ轍を踏まないよう釘を刺されてしまう。王錦堯は寧鈺軒が公正に裁くとみせかけ、その実、妻を守るため投獄したと気づいていた。そこで県衙の地下牢に手練れの死士を送り込むことにする。「自供書さえ手に入れれば大理寺が直接、裁くことになる、天の神でも救うことは無理だな」獄吏に成り済ました死士は聶桑楡を勝手に連れ出し、はりつけにした。「自供書に署名すれば縄を解いて食事をお持ちしますよ?これは寧大人からの命です」しかし季曼は嘘だと見抜き、誰の差し金かと迫った。すると獄吏は署名しないなら手始めに焼印を押すと脅す。季曼は唾を吐きかけ抵抗、その時、寧鈺軒が駆けつけ死士を捕らえた。その夜、水宴居で贔屓客の誕辰祝いが開かれた。水娘子は琴を弾いて興を添えたがどこか上の空、すると突然、弦が切れてしまう。「申し訳ありません、弾きなおします」しかし客は縁起が悪いと憤怒、舞台を降りて自分の酒を飲めと強要した。その時、鬼白が現れ、水娘子の代わりに酒を飲んでしまう。寧鈺軒は季曼を心配し、牢屋で一緒に過ごすと言い出した。しかし季曼に廊下へ追い出されてしまう。「じゃあここでそなたを守る」すると季曼は何とも虚しくなり、そのままへたり込んだ。「この程度で償ったと思わないで…」「悪かった、黙っていたせいでそなたを傷つけた…すまない、どうか許してくれ」何もできない寧鈺軒だったが、せめてそばにいたいという。「2人に未来があるなら望みを言ってくれ、必ず償う もし未来がないとしても、今は一緒にいるよ」寧鈺軒は季曼を陥れた者を必ず見つけると誓い、柵の間から手を伸ばして季曼を抱きしめた。つづく( ;∀;)ポンちゃんが可哀想であらすじが進まないというw
2024.04.21
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第15話「初めての料理」千怜雪(センレイセキ)たちが海坊(カイホウ)に駆けつけ、友や妹との再会を喜ぶ聶桑楡(ニェサンユー)。明日は街を観光しようと楽しそうに県衙へ案内したが、思いがけず第二夫人・温婉(オンエン)が待っていた。温婉は寧鈺軒(ネイギョクケン)が連れてきてくれたと嘘をつき、すでに聶青雲(ニェセイウン)には宿を取り、怜雪の部屋を準備、聶桑楡の母屋まで掃除しておいたという。「お食事を準備しますね」まるで女主人のごとく我が物顔で屋敷を仕切っている温婉。何も知らず屋敷へ戻って来た寧鈺軒は温婉の出迎えに度肝を抜かれた。温婉は千怜雪たちが出かけると知って慌てて追いかけてきたと説明し、街を案内して欲しいという。「大夫人は随分、古びた寝具をお使いです、だから街に出て一緒に選んで欲しいと思って…」温婉にまくし立てられタジタジの寧鈺軒。しかし聶桑楡のためだと聞いて仕方なく翌日、温婉と買い物に出かけた。その時、ちょうど街に出ていた聶桑楡が寧鈺軒と温婉の姿を見てしまう。深く傷つき、食欲まで失せてしまう聶桑楡。寧鈺軒は聶桑楡が夕餉も取らず、差し入れた寝具まで突き返されたと聞いて困惑した。すると鬼白(キハク)が苜蓿(ムーシュ)の見立てによると嫉妬らしいと報告する。寧鈺軒は失笑し、聶桑楡を喜ばせようと手料理を振る舞うことにした。寧鈺軒は夜食の麺を用意して聶桑楡を招いた。( ゚д゚)<ぁあ?これは何?食べ物なの?すると鬼白がうっかり侯爺が作った麺だとバラしてしまう。(;^ꇴ^).oO(麺って普通は長いけど…ちぎれてる「どうだ?!」( ̄▽ ̄;)<ちょっとしょっぱい…かな?しかし炎が苦手な寧鈺軒が失敗を重ねてやっと完成した麺だと聞くと、味などどうでもよくなった。「何だか急に美味しくなったわ」結局、2人は仲良く塩辛い謎の麺料理を食べた。温婉は寧鈺軒が聶桑楡のために自ら料理したと知って激しく嫉妬した。「どうして?私にはあなたが全てなのに」…かつて寧鈺軒が匪賊の隠れ家に乗り込んだ時のことそこには山賊にさらわれた温婉がいた温婉の話では父に叱られ家出したところ山賊に襲われ、抵抗も虚しく辱めを受けたいうしかし山賊はすでに刺されて死んでいた…「つかんだものは決してはなさない、誰であろうとあの人は渡さない」宿に泊まった聶青雲は想い人の陶思維(トウシイ)に会うため、郊外の軍営に出かけた。しかし将軍の友人だと訴えても門前払い、仕方なく忍び込んだものの足を捻挫してしまう。陶思維は妹同然の青雲との仲を勘ぐられないよう幕舎に医官を呼ぶことにしたが、青雲は嫌だと拒んだ。「別に誤解されてもいい、だって私は陶将軍が好き!」「勘違いするな、君はただの妹、それだけだ、だから傷つけたくない、分かってくれ」青雲は陶思維に想い人がいると気づいたが、陶思維は言葉を濁した。「結局、聶桑楡の妹だから優しかっただけなのね!」すると青雲は陶思維が止めるのも聞かず、足を引きずりながら帰ってしまう。そんなある日、水宴居(スイエンキョ)に水娘子(スイニャンズー)の都の友から推薦状をもらった琵琶弾きがやって来た。蓮香(レンコウ)は器量も琵琶の腕前も申し分なく、水娘子は喜んで採用する。しかし蓮香は奉公先で虐待を受け、身体中に目を覆いたくなるような酷い傷跡があった。水娘子は早速、皓雪堂(コウセツドウ)に軟膏を買いに行くと、話を聞いた聶桑楡は店中の非晩霜をかき集めて持たせてくれる。「足りなかったら調合するから言ってね!」聶桑楡の提案で皓雪堂と水宴居の共同企画が実現した。その夜、聶桑楡と水娘子は店の前で招待客を出迎えていたが、運悪く寧鈺軒と袁朗(エンロウ)がかち合ってしまう。寧鈺軒は聶桑楡に付きまとう袁朗に対抗心を燃やしていたが、実は袁朗と蛟龍幇(コウリュウホウ)の関係を疑っていた。皓雪堂の新作発表会が始まった。聶桑楡は招待客に新商品の説明をして試供品を配り、つぎに看板娘である水娘子の歌舞が花を添える。しかし袁朗は殿内にいる怪しい男に気づき、急に店を飛び出した。袁朗は先回りした趙龍(チョウリュウ)・趙虎(チョウコ)と男を挟み撃ち、捕縛に成功する。すると男は顔を隠した女子から銀子3両で会場に豚の血をまき散らせと頼まれたと白状した。一方、水宴居では舞台を終えた水娘子が聶桑楡に新しい琵琶引きの蓮香を紹介していた。しかし蓮香は聶桑楡を見ると激しく怯え、その場で平伏してしまう。「大夫人のお目を汚して申し訳ありません!」すると騒ぎに気づいた招待客たちが何事かと集まった。蓮香は自分を虐待し、妓楼に売ったのは聶桑楡だと明かした。当時、寧鈺軒に一度、茶を出しただけで誘惑したと誤解され、激高した聶桑楡に鞭で打たれたという。寧鈺軒は確かにかつて暇を出した侍女の蓮香だと気づき、妻に罪はないと訴えた。「説明させてくれ」しかし蓮香はいきなり衣をはだけ、群衆の前で背中の大きな傷跡を晒した。「あの日、私は大夫人の命で紙を取りに行き、図らずも侯爺に触れてしまった 大夫人は私を鞭打ちした後、馬車に縛り付けて引きずったんです 心ある人が助けてくれた時には肉がこそげ落ちていました それでも大夫人の怒りは収まらず、その夜のうちに私は人買いに売られました 私は妓楼で3年もの間、死んだような日々を送ったのです やっと水宴居で穏やかに過ごせると思っていたのに…まだ私を追っていたなんて…」その時、温婉は聶桑楡が群衆から断罪される様子を上階から嬉しそうに眺めていた。…聶桑楡、海坊で顔を上げて歩けなくなるわね…聶桑楡は事故に遭って記憶がないと釈明して謝罪したが、蓮香はひざまずいて謝れと迫った。しかし寧鈺軒は二品誥命(コクメイ)夫人の聶桑楡が辱めを受けることを許せず、慌てて止める。「蓮香、ひざまずいて恨みが薄らぐのなら私がひざまずく!夫人の罪を償うのは夫の務めだ」寧鈺軒はそもそも妻を冷遇していた自分の責任だと言ったが、聶桑楡は抱きついて寧鈺軒を止めた。「ダメよ!こんなことが都に伝わったらあなたは終わる」思わぬ展開に驚いた蓮香は上階にいる温婉を見上げた。温婉も寧鈺軒の予想外の行動に動揺し、首を横に振って引き上げて行く。「もういい!…あなたを許すわ」蓮香はそこで芝居を切り上げたが、聶桑楡に向けられた群衆の激しい憎悪は収まらなかった。つづく( ๑≧ꇴ≦)あ~もう早速、やらかしたわ!そもそも侯爺が追い返さないからよ!
2024.04.19
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安乐传 The Legend Of Anle第25話投獄されていた古雲年(コウンネン)が召喚された。嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)は張堅(チョウケン)の証言が事実か確認したが、古雲年はそれとなく皇太后・孫瑜君(ソンユクン)の顔色をうかがう。実は皇太后は古雲年が収監されると密かに口止めし、命だけは助けると約束していた。「確かに帝(ディ)家軍を討てとの文を受け取りましたが、送り主が誰かは今も知りません 文も書かれていた指示どおり焼き捨てました」これに任安楽(レンアンルー)は猛反発、将軍が誰の指示かも確かめず帝家軍を謀殺するなどあり得ない。皇太子・韓燁(ハンイェ)も″知らぬ″の一言で済む問題ではないと加勢したが、古雲年は自分の罪で構わないと開き直った。「息子をかばう気持ちから悪事を隠したのは間違いでした、しかし忠心は変わりません 全ては国と陛下のためだった」その時、皇太后が立ち上がり、古雲年を断罪した。「帝家の件に限らず、そちの所業は死罪に値する!早く白状なさい! 一族まで巻き添えにするつもり?!本当のことを言うのよ!」「…陛下、10年も前のことなので覚えていません ただ宮中に刺客を放ったのは私ではない、しかし今さら何を言っても誰も信じないでしょう ふふっ、私はかつて靖安(セイアン)侯を陥れた、だが今の私はあの時の靖安侯と同じ これも因果応報だろう、はっははは…それも良い 奸臣の役目を果たし、いま一度、お役に立つ所存です、罪人としてお先に参ります…」すると古雲年は柱に突進、自ら頭を打ちつけて自害してしまう。古雲年の死により密書の有無は証明できず、帝家の潔白を明らかにする術がなくなった。そこで皇帝は三法司(サンホウシ)に審理を任せると決め、張堅と鍾海(ショウカイ)は連行されてしまう。皇太子妃冊封の儀は仕切り直し、帝承恩(ディチォンエン)は改めて帝家が犯した罪を詫びて叩頭した。皇帝は帝承恩を正式に靖国の皇太子妃に封じると言ったが、その時、安楽が止める。「お待ちを!…帝承恩には罪を認める資格も妃となる資格もない!勅命の撤回を! 陛下、帝家に罪はありません!」安楽は御前に進み出ると、ついに正体を明かした。「帝承恩に帝家の罪は認められない、その真相を知るのは帝梓元(ディヅユアン)である私だけです」皇太后は任安楽が皇太子妃の座を諦められず、朝廷を撹乱するつもりだと呆れた。すると皇帝は本当に帝梓元なら宮中で怪我をした時の傷が今も肩にあるはずだという。そこで孫(ソン)女官と安寧(アンニン)公主が安楽の肩の傷を確認した。「申し上げます、陛下、太后…確かに任大人の左肩に傷痕がございます」皇太后はたかが傷痕1つで帝梓元だと証明できないと突っぱねたが、安楽は証人もいるという。「…太子殿下、私は帝梓元ですか?」安楽は清廉な韓燁に賭けた。…安楽は帝家が悪人に陥れられたと分かれば韓燁が必ず味方するはずだと考えた洛銘西(ルォミンシー)は韓燁が公明正大さより天下太平を望むかもしれないと懸念したが、安楽は公明正大さを欠いた天下太平など韓燁は認めないという…安楽の予想通り韓燁は任安楽こそ帝梓元だと認めた。すると夢がついえた帝承恩はその場でへたり込んでしまう。「ではそなたが帝梓元だとしよう、ならばその帝承恩は一体、何者だ?」「陛下、帝承恩は瑇(タイ)山へ送られる際に私と入れ替わった身代わりです 私は瑇山へ行かず、流転の末、海賊に身をやつしました」皇帝は任安楽が水軍を差し出したのも嫁ぐためではなく、最初から入念に仕組んだ企みだったと気づいた。「任安楽!そちが帝梓元でも、そちの訴えが誠とは限らぬ!」すると安楽は皇太后に献上した贈り物をここで開けるよう嘆願した。皇帝の侍従・趙福(チョウフク)は安楽が皇太后に贈った巻物の箱を持ってきた。韓燁は何も知らず箱を開けたが、その時、巻物が転がり落ちて床に広がる。そこには青南山で謀殺された帝家軍8万の名が記されていた。涙をこらえながら将兵たちの名を1人1人読み上げる安楽。すると宴席の皇族や大臣たちは無念のうちに死んでいった多くの若者たちに思いを馳せた。…洛銘西は自分たちだけで帝家の潔白を証明するのは難しいと心配したしかし安楽は2人だけではないと否定する『8万人がいる、8万人の将兵と一緒に戦うのよ』…安楽は帝家の潔白を認めて正義を示すよう嘆願した。すると皇帝はどちらにしても帝家軍が勝手に兵を動かしたことに変わりはないという。「証拠もなく潔白とは言えぬ!」「古雲年が死んで密書の有無は藪の中です、でも陛下は当時、確かに父親に文を送っています」「ふん!あの年、帝永寧(ディエイネイ)に一度も文は書いておらぬ」「お忘れですか?…西北に出兵せよと密書が届きました 帝家の取りつぶしで古雲年は兵符を持ち去った、でも密書は私が父親から預かっていました」そこで安楽は韓燁に扇子を貸して欲しいと頼んだ。安楽は扇子の地紙の間に密書を隠して韓燁に渡していた。「なぜ私に?」「一番、安全だからよ」安楽は玉璽のある皇帝親筆の密書を示し、皇帝の師で右丞相(ユウジョウショウ)の魏諫(ギカン)に筆跡の鑑定を頼んだ。密書を見た魏諫は驚愕、確かに″文が届き次第、帝家軍を率いて西北に出兵せよ″との密旨だと確認する。「陛下、もし密旨が事実なら天下に正義をお示しください」すると皇族と大臣たちも御前に進み出て天下に正義を示すよう嘆願した。「反逆するつもりか!」身に覚えがない皇帝は狼狽えるばかり、しかしついに皇太子までが公正な判断を嘆願する。その時、ついに真相を知る安寧公主が口を開いた。「…陛下が書いたのではない」…洛銘西は最も重要な証言が得られなければ真の首謀者を名指しできないと懸念したしかし安楽は自分が人心を得れば全て上手く行くはずだという『だからこそ宴の場で訴えるのよ』安楽も安寧を巻き込みたくはなかったが、公主としての責任を果たしてもらう必要がある…安寧は墓場まで持って行くつもりだった秘密を明かした。「文は陛下ではなく、太后が書いたのよ…」帝家が取り潰されたあの日、安寧は皇祖母に帝家のとりなしを頼もうと静心堂へ駆けつけた。そこで偶然、皇祖母と侍従の会話を耳にしてしまう。『陛下から皆殺しの勅命が下ったものの、帝梓元だけは許されました』『まあ良い、情けをかければ諫言を黙らせることができる、数年後に始末すればいいだけよ』『英明です、玉璽がある陛下の筆跡の文だからこそ、靖安侯も信じて軍を動かしたのでしょう』『古雲年に必ず密書を探し出して始末しろと伝えて』その後、一緒にいた安寧の侍従・良喜(リョウキ)は自害、静心堂の太監も姿を消した。安寧は自分が真相を隠していたせいで帝家に汚名を着せ続けてきたと後悔し、自ら罰を請うた。すると洛銘西が当時、まだ幼かった公主の証言だけで皇太后を断罪できないとかばう。「しかし偽筆ができる者はごく僅かでしょう」「…陛下、お忘れですか?陛下は私の前に太后から学問を学んでおいででした」魏諫の証言が決め手となり、皇太后はついに自分が密書を書いたと認めた。皇太后は当時、兵力を誇り功労の大きい帝家が脅威だったと訴えた。しかし皇帝は帝永寧とのよしみで手を下さず、これも天下安泰のためにやったと正当化する。「命が惜しくなければ哀家を宗正寺(ソウセイジ)へ引っ立てて裁くがいいわ…やってごらん!」すると皇太后は悪びれる様子もなく、むしろ堂々と帝家軍8万の名簿の上を歩いて出て行ってしまう。無惨に踏みつけられた帝家軍8万の名簿には皇太后の足跡が薄汚く残った。「帝家軍は民に平和な世をと命を懸けて戦った、それを脅威とみなし、皆殺しにするなんて…」安楽は何とも言えない虚しさに打ちひしがられながら、改めて帝家の潔白を認めるよう嘆願した。すると韓燁をはじめ文武百官も一斉に嘆願、皇帝は恩のある母に対しても君主として法の平等を示さなくてはならないと覚悟する。「分かった、自ら太廟(タイビョウ)で3日間禁足し、3日後に答えを出そう 帝家と文武百官のため、また天下の民に対し、韓家の正義を示す!」皇帝は一筋の涙を拭い、任安楽の前に立った。「この先、そちは何者であるのか?」「偽りの任安楽は消え、帝梓元のみが残ります」「分かった、靖国の朝廷にはこれより帝梓元のみが存在する、今後、任安楽は存在せぬ!」祝宴は思わぬ形で散会、皇帝は太廟にこもった。大殿に残ったのは身分を取り戻した帝梓元と韓燁、そして呆然と座り込んでいる帝承恩だけとなる。「帝梓元、答えてくれ…こうなることを望んでいたのか?」「…そうよ、10年、機会を待った、この日のためにね」「つまり君が私に近づいたのもこの日のためだったのか…」すると帝承恩はふつふつと怒りが込み上げた。「10年よ?!10年間も地獄を味わわせて、今さら自分が帝梓元を名乗るの?! じゃあ私は誰?!誰なの?!何様のつもりよ!」帝承恩は思わず梓元を突き飛ばすと、韓燁がかばった。「帝承恩、帰るんだ」「帝承恩?違う、私は帝承恩じゃない!これは偽りの名よ?私の人生も…じゃあ私は誰?」帝承恩は急に頭が混乱し、ふらふらと出て行ってしまう。洛銘西が城門で待っていると梓元が出てきた。ついに悲願を果たし、帝家の汚名をそそいだ梓元。しかしそのために韓燁や安寧、帝承恩を深く傷つけてしまったと嘆く。何より古雲年の最後の言葉が梓元の心にわだかまりを残した。「朝廷には私の知らない闇がある、国の危機につながるのかも…」「梓元、気にするな、韓家の朝廷だ、君が憂うことはない」洛銘西は霧が晴れるように徐々に良くなると梓元をなだめた。つづく( ゚ェ゚)あれ?安寧は皇太后が太監に文を託すのを目撃したはずだよね?今回の証言は続きなの?結局、字幕で見ても意味が分からないというw
2024.04.18
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安乐传 The Legend Of Anle第24話皇太子妃の冊封は皇太后の誕辰の宴の場で行われることが決まった。帝承恩(ディチォンエン)はがっかりしたが、慕青(ムーチン)はどちらにしても皇太子妃の座が揺らぐことはないと安心させる。すると宮中から皇太后の使いがやって来た。韓燁(ハンイェ)は替え玉と知りながら帝承恩を娶ると決意したものの、任安楽(レンアンルー)こと帝梓元(ディヅユアン)を忘れられずにいた。韓燁が寝殿に引きこもって丸一日、温朔(ウェンショウ)はただ外で待っていることしかできなかったが、そこへ吉利(キツリ)がやって来る。「冊封の儀は太后の誕辰の祝宴で行われると決まったそうだ」「殿下は気にしないさ、いつどこでやろうとな…」温朔は何より今後、慕っていた安楽と無関係になってしまうのかと思うとやるせなくなった。孫瑜君(ソンユクン)は帝承恩を静心(セイシン)堂に呼びつけ、冊封の儀で本当に帝家の罪を認めるのか確認した。帝承恩は皇帝と皇太后の聖恩に感謝して帝家の罪を認めて償うと約束、皇太后への服従を誓う。これに気をよくした孫瑜君は香が燃え尽きたら帰ることを許したが、その間に書写するよう命じて出ていった。洛銘西(ルォミンシー)は安楽の悲願を叶えるため着々と伏線を敷いていた。しかしまだ安心できず、琳琅(リンロウ)にある男を陥落させる。その男の名は張堅(チョウケン)、張副将軍は10年前、忠義侯(チュウギコウ)の侍衛だったが、青南(セイナン)山の戦いから戻ると辞職していた。皇太后の誕辰前夜、皇太子府に突然、安楽がやって来た。酔い潰れて寝ていた韓燁は慌てて身なりを整え、かろうじて冷静さを保って現れる。すると安楽は皇太子妃冊封の祝いだと言って扇子を贈った。「誕辰の祝宴に必ず持って来てね」「何を考えている?…まさか身分を明かすつもりか? 身分を偽って陛下を欺いたと分かれば大罪だ、そもそも君は罪人の娘なんだぞ?」「罪人ですって?…潔白を証明してみせるわ」韓燁は誕辰の宴が復讐の場になると気づき、韓家と梓元の板挟みだと嘆いた。しかし安楽は帝家が謀反を考えたことなどないと反発、皇太子を信じるからこそ計画を明かしたという。「私は証拠を信じる」「証拠は用意するわ」「10年前のことだ、潔白が証明できなければどうなると?」「帝家の名誉回復は私の悲願なの」「はお、では思うようにせよ」↓ちょっとボサボサw安楽は韓燁と決裂、皇太子府を出た。門前で待っていた洛銘西は張堅が証言してくれると報告し、必ず安楽の復讐を成功させると誓う。「覚悟はいいか?」「8万の魂が帝梓元と韓燁の間を隔てている…所詮、結ばれぬ定めよ」…韓燁、以前、あなたに言ったわね、あなたの望むことなら何でもやるとそれはいつか必ず私があなたの人生を壊すと分かっていたからよ…( ;∀;)おふ皇太后の誕辰当日、温朔は皇太子の身支度を手伝いながら、これで正式に皇太子妃が決まってしまうと肩を落とした。「安楽姐姐と疎遠になるのは少し辛いです…」「私に気を使うな、お前は今まで通り姐と思えばいい」すると韓燁は安楽からもらった扇子を手に取った。皇太后の誕辰には皇族と大臣が全て集結し、盛大な祝宴となった。安楽は大理寺卿として招待され、贈り物には自分で書写した経典の巻物を献上する。嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)は皇太子妃になれなかった安楽に騒ぎを起こさぬよう釘を刺したが、安楽は心得ていると悪戯っぽく笑って席についた。そしていよいよ皇太子妃冊封の儀が始まる。帝承恩は御前に進んでひざまずくと、約束通り帝家の娘として一族が犯した罪を謝罪した。安楽と洛銘西はそんな帝承恩を苦々しく眺めていたが、その時、突然、鍾海(ショウカイ)が乗り込んでくる。「帝家に罪などない!」すると鍾海は皇帝に拝謁し、実は帝家軍の生き残りだと明かした。鍾海の左胸には帝家軍の証しとなる入れ墨があった。「今日は帝家の潔白を訴えるために来ました!」皇帝は潔白もなにも帝家が命もなく独断で軍を動かしたと一蹴したが、鍾海は反論した。「独断ではなく確かに青南山へ援軍に向かえと命を受けて出兵しました!」…昼夜兼行で青南城に駆けつけた帝家軍しかし青南山のふもとに着くと、すでに北秦(ホクシン)軍の弓矢隊が陣を敷いて待ち構えていた追い詰められた帝家軍は山に逃げ込み要塞に至ったが、なぜか青南城の守衛軍に要撃を受けてしまう夜中で辺りは暗く、敵の姿も矢も見えない中、帝家軍だと大声で名乗っても応える者はいない帝家軍は味方の矢に次々と討たれ、辺りは血の海と化した『退却せよ!』帝家軍は慌てて引き返したが、逃げ場のない山道で巨石を落とされ、声を上げる間もなく圧死してしまう運良く逃れた兵士たちも火球を放り込まれ、火だるまとなった…鍾海は倒れた戦友が盾となり九死に一生を得た。「我々は謀反など起こしていません!靖国の忠臣です!帝家は陥れられたのです! 靖安(セイアン)侯は潔白です!」しかし韓燁が異を立てた。帝家軍は全滅したはず、今さら鍾海が訴え出たとしても誰が信じるだろうか。すると即座に安楽が反論した。せっかく生き残った罪人が罰を覚悟でわざわざ蒸し返す必要があるだろうか。「潔白でなければ黙っているはずです」(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ そうだ!そうだ!皇太后は自分の誕辰を台無しにしたと激怒した。慌てた皇帝は鍾海を追い出すよう命じたが、太傅で右丞相(ユウジョウショウ)・魏諫(ギカン)が止める。「陛下、確かに今さら過去の無実を訴えるのは妙な話です」しかし北秦の密偵である左丞相・姜瑜(キョウユ)が反対した。「己の主張が正義だと信じ切っているだけでしょう」その時、鍾海が侍衛の手を振り払い、自分の潔白を証明してくれる者がいると訴えた。「外におります!召喚してください!」韓燁は皇帝に認めてはどうかと進言した。皇太后は血相を変えて反対したが、もはや文武百官の前でうやむやにはできない。こうして洛銘西の次の駒が現れた。魏諫は証人がかつて忠義侯の侍衛だった張堅だと知っていた。すると張堅は当時、副将軍として北秦軍を討てと命を受けたが、自分たちが討ったのは帝家軍だったと認める。その後ろめたさから帰京すると職を辞し、忠義と人情の板挟みに苦しんで酒に溺れる日々を送っていた。…10年前、古雲年は突然、北秦軍を討てと命じ、部隊を青南山の要塞に向かわせた張堅は山すその道を守るよう命じられ、さらに敵が何を言おうと決して耳を貸さず、全員を殺すようにと指示を受ける暗闇の中、青南山から下りてくるのは当然、北秦軍しかいないはずだった部隊は敵兵を全滅させたが、その後、骸の回収で帝家軍の甲冑をつけていると気づく張堅はこれも命に従ったまでだと割り切ったしかしなぜか″帝家軍が北秦と通じて攻めて来る、投降を拒否すれば殺せ″と勅命が下る帝家軍なら全滅させたはず、張堅はあの亡骸が帝家軍の甲冑を着けた北秦軍だったのかもしれないと考えたところが辺境の守りを固めて何日待っても、逆賊の帝家軍は現れないその代わり届いたのは″帝家軍が青南山で北秦軍に殲滅された″という知らせだった張堅はその時、確信するやはり自分が帝家軍を殺したのだと…張堅の証言は国に波乱を呼び、朝廷を揺るがすものだった。「本当に偽りはないか?…敵味方も分からない夜戦で何が事実なのか判断できるか?」皇太子のするどい指摘に張堅は確かに判断できる状況ではなかったと認めた。「仮にお前たちの攻撃で帝家軍が全滅したとしよう しかし古雲年が北秦軍の攻撃と誤解し、お前たちに討たせた可能性もある つまり可能性は複数あり、謀殺とは断定できぬ」しかし張堅は都から密書を受けて帝家軍を討ったと訴えた。「都からの密書?」その時、皇太后が卓を叩いて怒りをあらわにした。「侍衛の分際でよくもそんな出まかせを!密書なんて誰が信じると?!」確かに密書を見たのは張堅だけ、しかも古雲年がすでに焼き捨ててしまったという。証拠がないと知った皇太后は失笑し、しょせんは出鱈目だと言い放った。悔しさをにじませる安楽、しかし清廉潔白な韓燁が安楽の信頼に応えてくれる。「陛下…古雲年を引き出して張堅の前で詮議させてください」すると魏諫も判断を下すには双方の話を聞く必要があると諫めた。つづく( ๑≧ꇴ≦)承恩が蚊帳の外過ぎるw
2024.04.17
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花朝秋月夜(カチョウシュウゲツノヨ) Love Behind the Melody第8話「教坊と楽坊」優秀ながら傲慢に振る舞う新入り楽師・宋傲晴(ソンアオチン)。首席の座をかけて李茹娘(リールーニャン)を挑発するが、李颯颯(リーサーサー)はあっさり首位を譲った。「じゃあこれからは首席の宋姑娘が弾き方を決めてね」実は首席は自分の楽器だけでなく、すべての楽器に通じていなければ指示することができない。しかし宋傲晴は秦箏(シンソウ)のことしか分からないと困惑した。颯颯はならば調弦を頼むと言ったが、宋傲晴はそれも得意ではないという。「そう、なら間合いを取る所を曲譜に書き入れてくれる?」宋傲晴は結局、首席としての采配を何ひとつ振れず、大人しく首位を諦めた。その夜、陸景年(ルージンニエン)は手作りの夜食で茹娘をもてなすことにした。急に呼び出された颯颯はすでに化粧を落としていたが、趣向を変えて現代風のナチュラルメークで登場する。陸景年は茹娘の雰囲気がいつもと違うと気づきながら、楽団を見事に団結させた茹娘に力を貸して欲しいと懇願した。そこで颯颯は陸景年と過ごせる時間を増やすため、楽団の管理を手伝う代わりに毎日の食事を共にしたいという。「食事?」「応じるなら取り引き成立よ?」陸景年は承諾したが、これが茹娘に思わぬ弱みを握られる結果となった。生金(ションジン)は小狐狸がいることを忘れて郎君に夕食の点心を届け、陸景年の好物がウサギ型の菓子だとバレてしまう。一方、宇師傑(ユーシージエ)に懇願されて一緒に食べ歩きを始めた欣児(シンR)。そんなある日、通りかかった民間の紅月(コウゲツ)楽坊から軽快な太鼓の音を聞いた。「上手いわ、官設の教坊の楽師にも引けを取らない」すると太鼓の音が止まったかと思うと、突然、楽師の娘が外に逃げ出して来た。欣児と宇師傑は楽師を助け、近くの客桟にかくまった。聞けば楽師は冀(キ)州から都へ来たもののさらわれ、無理やり紅月楽坊に連れてこられたという。楽師はあざだらけで、実は自分以外にも同じような楽師が大勢いると明かした。「中には高官の慰み者にされる楽師も…でも逆らえば殴られてしまうの」その頃、颯颯は元宵節選抜の見直し案を作成、陸景年と話し合うため部屋を訪ねていた。陸景年は留守だったが、ちょうど通りかかった苒綺(ランチー)が郎君と檀渓(タンシー)が一緒に出かけるのを見たという。実は欣児と宇師傑が助けた楽師は檀渓が都へ呼び寄せた元香(ユェンシャン)だった。陸景年と檀渓は元香を迎えに行ったが、結局、元香は現れなかった。檀渓は元香が心配で練習に身が入らず音を外してばかり、すると茹娘から疲れているなら休んだ方がいいと帰されてしまう。「姐姐…私を守って」居所に戻った檀渓は″周(チョウ)″と彫られた首飾りを握りしめながら元香の無事を祈った。颯颯は陸景年を訪ね、檀渓に何か隠し事があるようだと相談した。しかしかえって陸景年から探ったのかと責められ、檀渓のことに口を出すなと突き放されてしまう。颯颯は檀渓だけ特別扱いするのかと激怒して帰ったが、陸景年と檀渓が恋仲とは思えなかった。「ただ何か秘密があるはずよ…」宇師傑は民間の楽師の現状を知り、教坊使の父・宇巡安(ユージュンアン)を頼った。しかし宇巡安は平民の楽師と関わるなと一蹴、息子を追い返してしまう。宇師傑は仕方なく帰ることにしたが、その時、ちょうど太常寺にやって来た左教坊の副使・蘇宗辰(スーゾンチェン)と出くわした。そこで親友をいつも困らせている蘇宗辰に知り合いの楽坊の働き口を探すよう頼んでみる。教坊使の御曹司の頼みでは断れず、厄介ごとを承諾するしかない蘇宗辰、するとこれが思わぬ好機となった。蘇宗辰はちょうど客桟を出ようとしていた元香を引き留めた。元香は恩人が自分の働き口を世話してくれたと知ったが、必要ないと断る。その時、運悪く元香の荷物から手紙が落ちた。元香は慌てて拾おうとしたが、蘇宗辰に奪われ、秘密がバレてしまう。…今月の15日、巳の刻、城外で落ち合い、順調にいけば教坊へ入れる…「教坊に入れるだと?…平民の楽坊がどうやって?」陸景年は料理に手をつけず茹娘を待っていたが、結局、現れなかった。その頃、颯颯は自分の部屋に食事を運んだものの、料理に八つ当たりしてボロボロにしてしまう。「他の女のために私に辛く当たるなんて!任務がなければすぐ出ていくところよ!」すると欣児が駆けつけ、練習を休むと伝えた。「もう宋傲晴には我慢できない!」「また揉め事?」実は宋傲晴は次席の檀渓と交代したいと言い出し、楽師たちと揉めていた。一方、生金は数日前に楽師が逃げ出した騒ぎがあったと聞いた。陸景年は早速、現場近くで聞き込みを始めると、楽器商から思わぬ情報を得る。実は最近も楽師が人さらいに遭って楽坊に入れられたが、逃げ出したところを怪力の女に救われたという。「怪力の女?…もしや一緒に私くらいの背丈の軟弱な公子がいなかったか?」「いました!いました!」つづく
2024.04.16
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第14話「帰海号襲撃」水宴居(スイエンキョ)を見張っていた鬼白(キハク)は海賊の胡大(コタイ)と応戦。運悪く巻き込まれた水娘子(スイニャンズー)こと水亦清(スイイーチン)を助けたが、胡大はその隙を狙って暗器を放ち、逃げ出した。鬼白は水娘子をかばって負傷、すると水娘子は鬼白の胸に刺さった暗器が飛海鏢(ヒカイヒョウ)だと気づく。一方、聶桑楡(ニェサンユー)は聴水(テイスイ)閣で水娘子を待っていた。しかし呉(ゴ)老板が駆けつけ、事情があって水娘子が来られなくなったという。聶桑楡は仕方なく商品を託し、皓雪堂(コウセツドウ)で待っていると伝言を頼んで帰ることにした。飛海鏢は海賊の暗器で棘があり、下手に抜くと傷が広がるようになっていた。水娘子は専用の道具を使って暗器を取り出したが、鬼白は急に意識を失ってしまう。実は暗器には毒が塗られていた。店に戻った聶桑楡は苜蓿(ムーシュ)と店番を交代、そこへ寧鈺軒(ネイギョクケン)が訪ねて来た。聶桑楡は男装して水宴居に潜入したことがバレてしまったが、その時、家職が慌てて駆けつける。「水娘子から言づてです、鬼白大人を今夜、滞在させると…」鬼白が水宴居に?>(*´・д・)(・д・`*)<滞在って…?意識を取り戻した鬼白は水娘子が手当てしてくれたと知り、やみくもに責任を取ると言い出した。「何でも望みを言ってくれ」「ふっ、薬を塗っただけよ、責任と言われても困るわ」すると鬼白は水娘子が抜いてくれた毒鏢が海賊の暗器だと思い出し、急いで帰ってしまう。一方、李明(リメイ)は胡大が鬼白と戦ったと知り、慌てて幇主・沈連成(シンレンセイ)に報告した。どうやら帰海(キカイ)号の襲撃を寧夫人に良く似た男に聞かれたという。「まずい、もう引き延ばせないな」鬼白は県衙に戻り、寧鈺軒に事情を説明した。「夫人は偶然、奴らの話を聞いてしまい狙われたのかと…」「帰海号…海賊…蛟龍幇(コウリュウホウ)…ふっ、なるほど」蛟龍幇は船を守る口実で銭を取り、銭を出さない船は海賊に襲わせていた。寧鈺軒は次の狙いが主不在の帰海号だと気づき、精鋭を集めて船を守ることにする。一方、袁朗(エンロウ)も黄漢(コウカン)から今夜、沈連成が帰海号を襲わせると聞いた。もし茶幇(チャホウ)くずれの沈連成が天下に名声を轟かせる帰海一刀(キカイイットウ)の船を襲ったとなれば茶幇の復活は難しくなるだろう。亥の刻、李明は胡大たちを連れて帰海号を襲撃した。しかし海賊に紛れ込んだ袁朗が阻止、李明は裏切り者がいると気づいたが、その時、寧鈺軒たちが駆けつける。「寧鈺軒だ!退け!」李明は撤収することにしたが間に合わず、逃げ遅れて捕縛されてしまう。こうして証拠と証人が揃い、寧鈺軒はただちに沈連成を投獄するよう命じた。寧鈺軒は漏れがないよう船内を調べることにした。すると誰もいない船室の書卓で偶然、″痕消し軟″と書かれた処方を発見する。それは聶桑楡が考えた処方と全く同じで、他の軟膏も全て聶桑楡が店で発売した商品と同じだった。筆跡も確かに今の聶桑楡とよく似ていたが、その時、寧鈺軒はちょうど署名が入った処方箋を発見する。「″季曼(キマン)″…」翌朝、寧鈺軒が県衙へ戻ると、聶桑楡は中庭でちょうど朝食を取っていた。そこで真実を打ち明けようかどうか悩んだが、結局、何も言えずに書斎へ戻ってしまう。一方、袁朗は真っ先に船員たちを逃がしてくれた恩人として感謝されていた。すると桑葚(ソウシン)は英雄の袁朗を気に入り、小姐が戻るまで待っていて欲しいという。「小姐は大哥のような豪快な人が好みのはずよ!」水娘子が皓雪堂にやって来た。あの夜の話を聞いた聶桑楡は何も知らなかったと驚いたが、鬼白ならもう元気だと報告する。水娘子は安堵し、実は皓雪堂の商品を芸妓たちが気に入ったと報告した。しかしその割に店内に客の姿がない。「海坊(カイホウ)のごひいき様を紹介しましょうか?私にできることがあったら言って」「それなら水姑娘、その名声を銀子に換えようとは思わない?」水娘子は報酬などいらないと断ったが、聶桑楡は報酬も払わず頼み事はできないという。「あなたの絵姿を店に飾りたいの、それから新商品を試して感想を教えて欲しい あとは水宴居と皓雪堂で…(あ)」聶桑楡は呆気に取られている水娘子に気づいて話を止めたが、水娘子は快諾してくれた。寧鈺軒は聶桑楡に真実を告げられず、上の空だった。そこで思い切って店を訪ね、聶桑楡の正体が季曼だと明かすことにする。しかし顔を突き合わせる勇気がなく、ちょうど奥の部屋にいる聶桑楡に戸を閉めたまま話を始めた。「海坊への道中、そなたが聶桑楡ではないと気づいた そして最近になって分かったんだ、そなたは帰海一刀の娘・季曼だと…」その時、部屋の中から何かが割れる音がした。「驚くのも分かる、私も驚いた なぜ記憶を失ったのか、なぜ聶桑楡に成り代わったのか、いくら考えても分からない ただひとつだけ分かったことがある…そなたが好きだ 眠る前に想うのも夢に見るのもそなただ、こんな気持ちは初めてだ 初めて誰かを求め、共にいたいと願った、その誰かとはそなただ! 季曼、そなたが好きだぁぁぁあ!」寧鈺軒はそこでついに戸を開いたが、話を聞いていたのは聶桑楡ではなく苜蓿だった。「何も聞いていません!」買い物に出掛けていた聶桑楡が店に戻って来た。「ここで何してるの?あ、何か私に話があるのでしょう?この前から気づいていたわ〜ふふ」「何 も な い !」寧鈺軒は居たたまれなくなり、怒って帰ってしまう。(  ̄꒳ ̄)<ふふ、恥ずかしいのね水娘子の宣伝効果は絶大だった。皓雪堂の商品はあっという間に売り切れ、聶桑楡は水娘子に分け前を渡すことにする。しかし水娘子は断り、その代わり店の妹妹たちが買う時には半額にして欲しいと頼んだ。こうして軌道に乗り始めた皓雪堂。その頃、都では皇帝の命で海坊へ向かうことになった陶思維(トウシイ)と皓雪堂を手伝うことになった千怜雪(センレイセキ)が一緒に出かけようとしていた。すると2人が海坊へ行くと知った秦奕閑(シンエキカン)と聶桑楡の妹・青雲(セイウン)が駆けつけ、一緒に行きたいという。皓雪堂に千怜雪たちが到着した。聶桑楡は顔馴染みとの再会を喜んだが、犬猿の中である千怜雪と秦奕閑は相変わらず口喧嘩が絶えない。「秦″暇人″も一緒なの」「何だよ、口おばけ!」←とは言ってないw陶思維は元気そうな聶桑楡の姿を見て安堵した。しかし久しぶりに話そうとした矢先、店内の見学をしようと青雲に連れて行かれてしまう。聶桑楡は千怜雪と青雲と一緒に県衙へ帰った。「今日はゆっくり休んで後日、街を見ましょう?面白いものがたくさんあるの! それから部屋を準備中だから、整えるまで母屋で寝てね」3人は楽しそうに院子を歩いていたが、その時、青雲が招かれざる客に気づいた。「温(オン)姨娘?」「姐姐!お帰りなさい」つづく( ̄▽ ̄;)ァァァァァァァァァ_____イーニャン、こんなに早く来たわw
2024.04.16
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安乐传 The Legend Of Anle第23話洛銘西(ルォミンシー)は谷底から戻った韓燁(ハンイェ)の任安楽(レンアンルー)に対する態度が変わったことに気づいた。何より安楽も韓燁にまだ未練があるのが分かる。洛銘西は韓燁も当時、帝梓元(ディヅユアン)を救って幾月も幽閉されたと明かし、安楽に改めて選択を迫った。「心から選んで欲しい、復讐を続けるか、思い留まるか 復讐を続けるなら二度と韓燁に恩返しはできないだろう」「誰が犠牲になろうとも帝家の敵を討つ…心配しないで、もう韓燁とは決別した」一方、婚礼を間近に控えた韓燁は浮かぬ顔で昼間から酒を飲んでいた。思い出すのは安楽のことばかり、谷底で過ごしたかけがえのない幸せな時間が頭から離れない。しかしもう引き返せないことは重々、承知していた。その夜、安寧(アンニン)は任府に安楽を訪ね、真実を突きつけた。「梓元…あなたは梓元なのでしょう?! あなたが梓元でとても嬉しい、だって想像していた通り洒脱な人だもの 10年を経て義姉妹にもなれた、本当に嬉しいわ」しかし安寧は平穏を保つためにも梓元には任安楽のままでいて欲しいという。梓元が都へ来たのには理由があるはず、もし任安楽が帝梓元に戻ったら世は乱れるだろう。「だからどうか私に罪を償わせて!私にも罪があるの!私は…(はっ) とにかく望みがあるなら私が叶える!」「安寧…帝家一族と8万の将兵の犠牲はあなた独りでは償えない」安楽は自分が誰であれ安寧と義姉妹であることに変わりないと言ったが、もはや退路はないと拒んだ。「将兵たちの魂が私の背中を押す、私は立ち止まれない、あなたや韓燁のためだとしても…」しかし安楽は決して安寧に証言を強要せず、居所に戻った。洛銘西は翎湘楼へ戻ると、琳琅(リンロウ)に計画を早めることになりそうだと明かした。実は安楽の正体に気づいた皇太子が刑部に現れ、10年前の悲劇を繰り返さぬよう釘を刺されたという。「まだ梓元を想っているのだ」「大人(ダーレン)、知らせによると昨夜、動きがありました、帝承恩(ディチォンエン)が…」都は雪になった。安楽は露台でちらちらと舞う雪を眺めていたが、誰かが背後からそっと外套をかけてくれる。しかし安楽はそれが韓燁だと気づき、咄嗟に外套を断った。「婚礼が近いのだから私とは距離を置くべきよ?」韓燁は安楽が帝家の名誉を取り戻すつもりだと察し、危険を犯さぬよう説得した。「ここで思いとどまってくれ、終わりにしよう」「兄妹そろって志をくじこうとするのね」安楽は後戻りできないと拒否し、そもそも帝家が血を流す必要などなかったと怒りをあらわにした。「ずっと安楽のままで生きてゆけないのか?私が守る」「独り善がりね」それは10年前、梓元が韓燁に言い放った言葉と同じだった…『太祖が遺詔で決めた通り太子妃の座は梓元のものだ』『独り善がりね』…安楽は韓家から借りを返してもらうだけだと言った。「あなたに邪魔できる?私にも無理よ」すると安楽は殿内に入って戸を閉めてしまう。韓燁は仕方なく外套を置いて帰ったが、何にせよ必ず梓元を守ると決意を新たにした。帝承恩は皇太子の冷たい態度に困惑し、姜瑜(キョウユ)を頼った。そこで郊外の待ち合わせ場所に出かけたが、思いがけず馬車から洛銘西が現れる。「10年ぶりだな、この玉佩に見覚えは?」それは物乞いだった自分を″帝梓元″の替え玉に選んだ少年が持っていた玉佩だった。「あの時の…あなたが私を瑇(タイ)山へ送ったのね?!」「取り引きだった、勝手を許した覚えはない、本当の身分を忘れたのか?」洛銘西は帝承恩の放埒ぶりに不快感をあらわにしたが、言うことを聞くなら皇太子妃でいさせると条件を出した。「いいわ、言う通りにする」「慕青(ムーチン)はお前にやろう、要らないなら…」「いるわ!」帝承恩は慕青の主が実は洛銘西だと知った。唯一の家族と慕っていた慕青の裏切りに憤る帝承恩、しかし親のいない物乞いが今やここまで上り詰めたと自負する。すると慕青は帝承恩からもらった剣飾りを返した。「もはや私は用なしだろう」「私が洛銘西から取り返した命よ?私の手にあるものはそう簡単に手放さない」帝承恩は剣飾りを再び慕青に渡した。「私が編み込んだ気持ちは本物よ」帝承恩は自分が替え玉だと知る者が他にもいると考えた。…まだ安泰ではない、すぐ陛下に会わなくては…そこで帝承恩は皇帝に謁見し、帝家の罪を述べてから冊封の儀に臨むと上奏した。一方、安楽と洛銘西は翎湘楼に帝家軍の生き残りである鍾海(ショウカイ)を呼び出し、安楽が帝家唯一の生き残りである帝梓元だと明かした。「帝家は逆賊かしら?」「違います!帝家軍は国を裏切りませぬ!」「逆賊でないのなら潔白を示すのよ!」鍾海は安楽が小姐だとにわかに信じられなかったが、帝家の配下だった洛家が従う相手はただ独りだと知っていた。「帝家の汚名をそそぐため、あなたを探していたの、10年前の真相を白日の下にさらしたい」「鍾海、小姐のために命を懸けます!」朝臣の銭広(センコウ)は皇太后の誕辰の宴の場で皇太子妃の冊封を行ってはどうかと上奏した。皇帝は慶事が重なると喜んで話を進めることにしたが、報告を聞いた孫瑜君(ソンユクン)は面白くない。しかし冊封の前に帝承恩が帝家の罪を述べると知って鼻で笑った。「そう、ならばしかと見届けなければ…今すぐ呼んで」一方、姜瑜も皇太后の誕辰と皇太子妃の冊封が同日だと聞いて喜んだ。「面白くなりそうだ、だが何かが引っかかる」実は上奏文を出した銭広は帝家の残党だった…安楽と洛銘西は密かに銭広を帝家の霊廟に呼び出した洛銘西はすでに帝家の配下を探し出し、証拠もほぼ集まったと知らせる『小姐、実は今月、あつらえ向きの催しがございます』『太后の誕辰ね』銭広は皇太子妃の冊封を同日にして全ての皇族と大臣を集結させれば、まさに汚名をそそぐ絶好の機会だと提案した『ふふ、その時に8万の将兵の名簿を太后に贈るわ こたびの宴は間違いなく盛り上がるはずよ?』…琳琅は上奏が成功したと報告した。しかし洛銘西はまだ十分ではないという。「あと一手、必要だ」つづく( ゚ェ゚)やっぱり帝承恩を見つけたのは洛銘西だったのね〜
2024.04.14
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安乐传 The Legend Of Anle第22話谷底に転落した任安楽(レンアンルー)と韓燁(ハンイェ)だったが、洞窟で寒さをしのぎ、体力を回復した。韓燁は自ら魚を捕まえ振る舞ったが、安楽は一口食べただけで韓燁に料理の才能がないと気づく。そこで今度は狩りに挑戦、しかしどんなに兵法や武術に通じていようと、韓燁はウサギも捕まえられなかった。安楽は思わず鼻で笑ったが、自分を解放した韓燁はこれまでとは全く違う反応を見せる。「任安楽、″兎も怒れば人を噛む″という…太子も同じだ」意味ありげに笑う韓燁、そんな韓燁の姿に安楽はいつの間にか心を揺さぶられていた。「韓燁、見て!梅の花よ!」「山で自由に咲く梅か…そうだ任安楽、満開になるまでここにいよう」↓( ゚ェ゚)割れてんな〜@アンルー翎湘楼(レイショウロウ)では洛銘西(ルォミンシー)が未だ消息不明の安楽を心配していた。すると苑琴(エンキン)と苑書(エンショ)が駆けつけ、川辺で飲みかけの果実酒を見つけたと酒瓶を渡す。酒の匂いを嗅いだ洛銘西はついに″あの方″が姪孫(テッソン)を救いにやって来たと気づいた。あの方とは天下を遊歴する帝家の主・帝盛天(ディセイテン)だった。( ゚д゚)え?お祖父ちゃん生きてるの?!その夜、安楽と韓燁は暖を取りながら美しい星空を眺めた。韓燁は安楽にそれとなく安楽寨(サイ)での幼少期を尋ね、梓元の暮らしぶりを聞き出すことにする。しかし予想外に海賊の暮らしは厳しいものだった。安楽は幼い頃から武術の稽古と航海の毎日で、食事も湯浴みも早い者勝ちという生活だったという。「寨主の娘だからと言って特別扱いは許されない、実力がものを言う世界よ」「何と乱暴な…」「怒ることないわ、私は令嬢じゃない、海賊の娘よ?でも当時の苦労も殿下に会って報われたわ」安楽はいつものごとく茶化して笑ったが、韓燁はこの機に自分の胸の内を明かすことにした。「都に戻れば太子として帝承恩(ディチォンエン)を娶らねばならぬ」安楽はついに決別の時が来たと覚悟した。その時、流星群が現れる。韓燁は沐天府で安楽と灯籠流しを見たことを思い出し、満天の星を灯籠に見立て、願をかけようと言った。「私の願いは天でも叶えられない…そうでしょう?」「任安楽…私は任安楽という女子に心を動かされた、だが帝梓元(ディヅユアン)を生涯、守り続ける この言葉を忘れないでくれ」すると韓燁は安楽の額にそっと口づけした。「そろそろ都に戻らねば…しかし最後の瞬間まで大切に過ごそう」「…はお」↓見事にピッタリはまった横顔ヲヲヲヲヲ…w翌日、安楽と韓燁は谷を出ることにした。しかし道すがら安楽がつまづいて足首を捻ってしまう。一方、安寧(アンニン)や温朔(ウェンショウ)たちはこの数日、寝る間も惜しんで皇太子と安楽を探していた。すると草むらの向こうから安楽を背負って歩って来る皇太子を見つける。「殿下だ!殿下たちです!」安寧や温朔が安堵する中、冷北(ランベイ)だけは複雑な面持ちで皇太子を見ていた。…まさか本当に生きていたとは…こうして幕を閉じた梓元と韓燁の夢のような時間。「梓元、ここまでだ…」韓燁は自分の背中で眠ってしまった安楽に思わずつぶやいた。洛銘西は安楽が無事に見つかったと聞いた。しかし安楽たちを襲ったのはやはり忠義(チュウギ)侯ではない別の者だという。洛銘西は琳琅(リンロウ)に調査を命じると、ようやく身体の緊張が解けた。机の上では大事に育てた長思花(チョウシカ)がつぼみを付けている。一方、皇帝も安寧から届いた皇太子からの手紙を受け取っていた。皇帝として冷静を装っていたが、やはり息子を思う父親に変わりはない。韓仲遠(ハンチュウエン)は急に安心して立ちくらみを起こしたが、その顔には笑顔があった。韓燁と安楽は同じ馬車で帰途に着いた。韓燁は変わらず安楽を気遣っていたが、安楽は都を前にすでによそよそしい。「これからは別々の道よ、それぞれの願いが叶うといいわね…」一方、馬車を先導している安寧は兄の様子が変わったと気づいていた。…たぶん梓元だと気づいたのね、いいえ、まだ分からない…洛銘西は城門で安楽を出迎えた。「太子殿下と任大人(ダーレン)のご無事をお喜び申し上げます」ついに別れの時が来た。「任安楽、谷に落ちてから今まで私は幸せだった 私は帝承恩を娶らねばならないが、だが喜ばしいのは君が任安楽であることだ 任安楽のまま生きてくれ、君が任安楽でいる限り私は安心だ」「太子殿下、私には殿下を安心させることよりやるべきことがあるの」安楽は馬車を降りることにしたが、その時、思わず韓燁は安楽の手をつかんで引き止めた。「陛下が国を治める覚悟は君が想像する以上だ 傍若無人な君を私が守れる日まで陛下を敵に回すな、無事に生きろ」「誤解していない?陛下は名君で、私も大恩に感じ入っている、敵に回す必要はないわ」すると安楽は手を振り解き、馬車を出た。帝承恩は皇太子と任安楽が同じ馬車で帰ったと聞いて憤慨した。もともと親しい2人が何日も人の通わぬ谷底にいたのなら、韓燁の心変わりも考えられる。焦った帝承恩は太子府へ見舞いに行くと決め、化粧で憔悴を装うことにした。韓燁は安楽が自分と偶然を装って出会い、求婚したのも策略だったと気づいた。水軍まで差し出した目的が皇太子妃の座でも官職でもなければ一体、何なのか。そこへ安寧が見舞いにやって来た。すると兄が書いた安楽の絵姿に気づいて確信する。「やはり気づいたのね、安楽と梓元が同一人物だと… 私も気づかなかった、ずっとそばにいたのに…でも悲しいけれど嬉しくもある」「私も同じ気持ちだ、気づくのが遅すぎた」韓燁は梓元が自由の身だったと知って嬉しかったが、海賊稼業の厳しさを思うと胸が痛んだ。梓元がこれからも安楽のままで生きてくれることを願う2人、どちらにしても韓燁は自分が必ず梓元を守ると誓った。都は雪になった。洛銘西は回廊で物思いにふけっている安楽を心配し、手あぶりを届ける。「韓燁の態度が以前と変わっていたな…未練があるのか?」「谷底での数日間だけよ」吉利(キツリ)が皇太子の包帯を替えていると、いきなり帝承恩が戸を開けた。驚いた韓燁は慌てて下衣を羽織ったが、帝承恩は皇太子の傷を見て驚愕する。「侍衛が付いていながら太子殿下に怪我を?!不届きもの!」吉利はひざまずいて罰を請うたが、韓燁は罪などないと許して吉利を下げた。帝承恩は皇太子を牽制するため、自分のためにも御身を大切にして欲しいと諌めた。「10年前に弟の燼言(ジンイェン)を失い、天涯孤独の身となった私にはもう殿下しかいません」しかし韓燁は自分に負い目を感じさせるため弟の名を出した帝承恩に嫌悪感を抱き、早々に追い返してしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)シックスパックを見せつけるジュゴンw
2024.04.14
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第13話「不正を暴く」寧鈺軒(ネイギョクケン)は聶桑楡(ニェサンユー)の男友だち・袁朗(エンロウ)に嫉妬。そこで聶桑楡の歓心を買おうと中庭を花で埋め尽くし、陳(チン)府の肉料理を振る舞った。聶桑楡は自分の大好きな花だと喜んでいたが、それも束の間、急に新商品の準備を思い出し、慌ただしく出かけてしまう。「あ、この肉は持って行ってもいい?」↓嫉妬なんかじゃないんだからね!聶桑楡は皓雪堂(コウセツドウ)を開店、しかしかんこ鳥が鳴いていた。そこへちょうど視察中だった寧鈺軒が様子を見に来る。すると聶桑楡は経費もバカにならないと嘆き、帳簿の内容を説明しながら商いの大変さを訴えた。「待て…今、船舶税が20両と言ったか?」実は3年前、船舶税を2両に下げたのは寧鈺軒だった。一方、蛟龍幇(コウリュウホウ)は県令に九木(キュウボク)賭場を差し押さえられ、大損していた。幇主・沈連成(シンレンセイ)は新任県令にやられっぱなし、そこへ突然、袁朗という男が訪ねて来る。袁朗は姑娘を助けたのは偶然で、その際に″兄弟″を負傷させてしまったと謝罪した。「我らは海坊での商いを考えています、余計なことをして申し訳ない」そこで袁朗は銀子をちらつかせ、幇主を懐柔した。港には積み荷を引き取る民たちが並んでいた。すると聶桑楡が現れ、本来なら2両の船舶税を20両も取られたと訴える。何も知らずに払ってきた民たちは激怒、その時、満を持して官服姿の寧鈺軒が現れた。寧鈺軒は早速、徴収した税と帳簿を差し押さえたが、実際に集めた額は1780両なのに対し、帳簿には1船2両で合計178両と記されている。「説明してもらおう、3日分でこの差額なら、3年分の差額はどこだ?!」追い詰められた劉(リュウ)主簿は仕方なく海賊の討伐費として蛟龍幇に渡したと弁明した。寧鈺軒はその足で蛟龍幇に乗り込むことにした。すると港から出る時、群衆の中から思わぬ話を耳にする。(*´・ω・)<ねえ、寧夫人て季(キ)小姐に似てない?本当、そっくりね>(・ω・`*)寧鈺軒と聶桑楡は蛟龍幇を訪ね、官府から海賊討伐の費用を受け取っているか聞いた。沈連成は認めたが、寧鈺軒は官府の帳簿に記載がないため、蛟龍幇の帳簿を確かめたいという。そこで帳簿が読める聶桑楡に白羽の矢が立った。聶桑楡は記載の過ちを指摘しながら、結局、官府から合計5981両の銀子を受け取りながら、実際に使ったのは800両だと算出する。沈連成は海坊には長年の掟があると牽制したが、寧鈺軒は自分が赴任したからには朝廷の規則に従ってもらうと突っぱねた。「今後、船舶税は県衙が徴収し朝廷に納める、以上だ そうだ、800両しか使っていないなら、差額は返してくれ」寧鈺軒が引き上げると、沈連成は激高して机を壊した。一方、蛟龍幇への潜入に成功した袁朗は質屋の老板・黄漢(コウカン)を訪ねた。黄漢は新顔の袁朗を警戒したが、実は袁朗こそあの幼かった阿狼(アロウ)だと知り、再会を喜ぶ。しかし袁朗は義侠心にあふれる黄叔が沈連成に下ったことに深く失望した。茶幇は弱き者を助け、天に背く真似などしなかったが、今の蛟龍幇は悪事しかしていない。すると黄漢は寄る辺のない自分たちは沈連成を頼るしかなかったと釈明した。当時は茶幇でも下っぱの頭目だった沈連成。茶幇が散り散りになったあと海坊で蛟龍幇を作り、茶幇の紋章と合図をそのまま使い続けたという。そこで袁朗は茶幇を復活させるために海坊へ来たと明かし、黄漢も袁朗を若頭として忠誠を誓うと決めた。「黄叔、実のところ少主は俺ではない、真の少主なら見つかった」港の稼ぎを魔王夫婦に潰され頭を抱える沈連成、しかし李明(リメイ)に思わぬ妙策があった。実は長く港に停泊している帰海(キカイ)号を調べたところ、漕ぎ手が十数人と下働きの女だけだったという。「この船で大儲けして、その儲けを都へ運べば俺たちは一目置かれる」「はお、すぐ胡大(コタイ)に知らせて行動に移せ」寧鈺軒は払いすぎた税を民に返金、一方、聶桑楡は約束通り海坊すべての商家や名家、役人たちを調べあげ、寧鈺軒に報告書を渡した。そんな中、鬼白(キハク)は李明が船乗りを水宴居(スイエンキョ)に呼んだと突き止める。寧鈺軒は鬼白に水宴居の見張りを命じたが、ふと呼び止めた。「別件の調査だがどうなっている?」実は寧鈺軒は港で聞いた聶桑楡にそっくりだという季小姐を探していた。しかし未だ聶桑楡の行方も季小姐の身の上についても知らせはないという。客を囲い込みたい聶桑楡は袁朗から若い女子が集まると聞いた水宴居に目をつけた。そこで男装して店の様子を探ることにしたが、ちょうど歓顔堂(カンガンドウ)の裴(ハイ)老板が新作の金鱗(キンリン)油の宣伝を始めた。「私たちが使用する材料は上質で高価な蛇油です!どうぞお試しください!」しかし見本を手に塗った聶桑楡は蛇油ではないと見抜く。裴老板は言い掛かりだと憤慨したが、歓顔堂と長年、取引している呉(ゴ)老板は捨て置くわけにいかなかった。「問題があるというなら証明できる?」「できるよ…鶏肉と水はある?」聶桑楡は動物性の油や鉱物油なら水に垂らせば浮き上がると説明、鶏肉の皮をちぎって水の中に入れた。すると確かに油が浮いて来る。しかし質の悪い油を使っている金鱗油は水に沈んだ。呉老板はこれまでずっと劣悪品を買わされていたと憤怒、驚いた裴老板は払い戻しに応じると約束して逃げ帰ってしまう。呉老板は騙されずに済んだと聶桑楡に感謝した。その時、ちょうど海坊一の美女と評判の水娘子(シュイニャンズー)こと水亦清(シュイイーチン)が通りかかり、呉老板が紹介してくれる。聶桑楡は早速、非晩霜(ヒバンソウ)を贈って使ってもらうことにしたが、水娘子は聶桑楡の香りからすぐ女子だと見抜いた。ばつが悪い聶桑楡だったが、店には他にも色々な軟膏があり、興味があれば説明に来てもいいと畳み掛ける。「いいわ、聴水(テイスイ)閣で待っていて、着替えたら行くわ、話しましょう」呉老板は水娘子に都からまた手紙が届いていると知らせた。しかし水娘子は銭(セン)公子が自分の知っている薬の処方が目当てだと分かっている。「また文が来たら燃やして…」その頃、李明から水宴居に呼び出された胡大は個室で腹ごしらえしていた。弟分は帰海号を襲えば帰海一刀(キカイイットウ)の報復が怖いと訴えたが、胡大はどちらにしても沈幇主が後ろ盾となって助けてくれると安心させる。そこへ偶然、聴水閣を探していた聶桑楡が間違って部屋に入って来た。「水娘子に会いに来たんだが…部屋を間違えたみたいだ」「待った、話を聞いたな?」「え?何が?何も聞いていないよ!」聶桑楡は慌てて退散したが、胡大は念のため手を討つことにした。水宴居を見張っていた鬼白は回廊で胡大を阻止、乱闘騒ぎになった。鬼白に蹴り飛ばされた胡大は隠し持っていた暗器を投げたが、鬼白は瞬時に避ける。しかし運悪く着替えを終えた水娘子が後ろの部屋から出て来た。鬼白は危ないところで暗器をつかみ、水娘子を助けたが…。つづく( ゚゚ェ゚)つまり少主は季曼=聶桑楡なのか
2024.04.14
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第12話「富商の質素な宴」寧鈺軒(ネイギョクケン)は王錦堯(オウキンギョウ)の誕辰祝いに招かれ、聶桑楡(ニェサンユー)を同行することにした。聶桑楡は祝宴で化粧品の顧客を開拓しようと念入りに準備。寧鈺軒は口に出さないものの、美しく着飾った聶桑楡の姿に思わず見とれてしまう。王家は海坊(カイホウ)一の富商だったが、王錦堯と娘・王月梨(オウゲツリ)は簡素な身なりで、料理も至って質素だった。確かに稼いではいるが、稼ぎはほとんど民の救済に使っているという。これも新任の県令を牽制する策だったが、残念ながら今度の県令は一筋縄ではいかない相手だった。「噂ですが前任は賂を受けたことが露見し、一家3人で崖から飛び降りたとか 自害を強要されたという話です、それも上からの命で… 何せ3つの大河が海に流れ込む海坊の地は通商に最適、多くの高官が狙っています 海坊の利益の大きさは相当なものでしょうから」「フムフム…で、私が信じると思うか?」そんな中、聶桑楡は偶然、王月梨の面紗の下からのぞく赤い吹き出物に気づいた。早速、非晩霜(ヒバンソウ)を贈って顔に塗るよう勧めたが、かえって玉月梨を怒らせてしまう。すると寧鈺軒は妻が海坊で店を開く予定だと挨拶し、早々に引き上げた。県衙(ケンガ)に戻った聶桑楡と寧鈺軒は改めて夜食にした。すると聶桑楡は王老板の倹約が嘘だと指摘、前に座っていた娘の指にはあきらかに指輪の跡が残っており、簡素な衣の袖口からのぞく玉の腕輪には金が施されていたという。「あの茶番は初めてじゃないはずよ」「私も同感だ」寧鈺軒は海坊に表と裏の2つの勢力があると分かった。恐らく表は下九(カキュウ)坊の商いを掌中に収める蛟龍幇(コウリュウホウ)、そして裏の勢力が善人を自称する王錦堯だろう。「(´゚ω゚):;*.’:;. ブハッ!ちょっと!それなのに連中の前で私の店を宣伝したの?! 邪魔されるに決まってるわ!」「海坊には独自の掟ができているはずだ、君を放して混乱させ、相手の出方を見る」「ほお@うさぎ風」鬼白(キハク)の配下は王錦堯の使者を追跡したが、都でまかれた。しかし寧鈺軒はそう簡単に突き止められるとは思っていないという。荒れ寺を襲った刺客もまだ見つからなかったが、鬼白は潜伏期間の長さを考えるとそろそろ姿を現す頃だと期待した。すると開店準備で慌ただしい聶桑楡がようやく帰宅する。何でも都の友人・袁朗(エンロウ)の力添えのおかげで数日中にも開店できそうだというのだ。「(はっ!)まさかその友だちから銀子を借りたのか?」「そうよ?一緒に商売するの」何も知らなかった寧鈺軒は反対したが、嫉妬だと悟れないよう理由をこじつけた。「袁朗とやらと県令夫人が一緒に店を開いて窓口ができる 袁朗がそなたの名で賄賂を受け取ったらどうなる? 店は差し押さえ、店長が捕まるんだぞ?!」そこで自分が銀子を出す代わりに条件があると持ちかけた。(  ̄꒳ ̄)<やっぱりね~そんなことだろうと思ったわ〜王家の祝宴の後、名門の令嬢から聶桑楡宛に招待状が殺到していた。寧鈺軒は全部の屋敷を訪ねて情報を集め、使える者かどうか見分けて欲しいという。そこで聶桑楡は手始めに王月梨と不仲だという県尉(ケンイ)の娘・黄若雲(コウジャクウン)を訪ねた。黄若雲と取り巻きたちは噂通り聶桑楡の肌が美しいと絶賛、早速、聶桑楡手作りの非晩霜に食いつく。その時、突然、王月梨が乗り込んできた。王月梨は自分が非晩霜を買い占めると宣言、聶桑楡を連れて行こうとする。すると令嬢たちは王月梨が面紗を外していることに気づき、非晩霜のおかげできれいになったと知った。令嬢たちは非晩霜の効果を目の当たりにしてさらに興奮し、王月利と黄若雲の間で聶桑楡の取り合いが始まってしまう。その夜、鬼白は夫人が争いに巻き込まれて足をくじいたと報告した。寧鈺軒は迎えに行くことにしたが、ちょうど苜蓿(ムーシュ)に支えられながら酔っ払った聶桑楡が帰ってくる。「売れないからと酒を飲んで何になる?で頼んだ任務は?」「誰が売れてないって?!ムニャムニャ…」寧鈺軒は聶桑楡を背負って部屋に送りがてら情報を聞いたが、泥酔した聶桑楡は話にならなかった。一方、聶桑楡の父・聶向遠(ニェキョウエン)は季銘(キメイ)が18年前に欒(ラン)県を離れて以来、戻っていないと知った。「今どこで何をしていることか…」実は季銘は娘の季曼(キマン)を探して都にいた。しかし都の知人は誰一人、娘の行方を知らないという。「広い都で探すのは難儀だな…」聶桑楡は寧府の千怜雪(センレイセキ)に文を送り、海坊の店で帳場を手伝って欲しいと頼んだ。そして開店前夜、聶桑楡は寧鈺軒と一緒に店の扁額の幕を下ろし、店内を披露する。寧鈺軒は全て聶桑楡が手がけたと聞いて感心し、これも聶桑楡の努力の賜物だと誉めた。「ついに開店できる!自分の店を持てたわ~!」キィャァ〜!‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/››寧鈺軒は聶桑楡に豪華な食事をご馳走した。すると偶然、袁朗が現れ、水入らずの前祝いを台無しにされてしまう。袁朗の正体が阿狼(アロウ)とは知らない寧鈺軒、しかしその鋭い目つきにはどこか見覚えがあった。「聶姑娘、美味い物が好きなら俺が案内するよ」「夫人、店の料理はうまいが、家の料理は安然だぞ」( ゚ェ゚)🥩<あぁ?…そうね「寧大人、若い女子を冷たい屋敷の中に閉じ込めて考えを押し付けるな、そうだろう?」( '༥' )ŧ‹″ŧ‹″…<あぁ?あ、でも私は何もしなくていいの、家職がいるから快適よ?「聶姑娘、君のために注文した蝦(エビ)だ 寧大人?好きな物を求める権利は誰にもある、違うか?」(^ꇴ^)🦐<エビ美味しい!聶桑楡は好物を頬張りながら袁朗と商売の話で盛り上がった。しかしふと気がつくと寧鈺軒の姿がないことに気づく。その頃、寧鈺軒は楽しそうな聶桑楡の様子に深く傷つき、県衙に帰っていた。やはり県衙は退屈で自分のそばでは心が寒いのだろうか。「だったらぬくもりのある場所にすればいい…」すると聶桑楡が寧鈺軒への差し入れを持って帰ってきた。すっかりへそを曲げた寧鈺軒は目の前に並んだ豪華な食事を見ても食べなかったが、聶桑楡から嫉妬かと揶揄され、慌てて食べ始める。「妙なことがあったの、初対面の珍宝閣(チンポウカク)の老板娘に声をかけられてね 非晩霜を囲い込みたいと言われて、仲良くしましょうだって どう考えても妙だと思わない?なぜ私のことを知っていたのかしら?」「…鬼白、珍宝閣を探れ」「ねえ、私の聡明さはあなたの役に立ってない?」「ぅん」「あ、そう言えば珍宝閣を出ると向かいは屋敷の裏庭で、高価な花ばかりが植えてあったの それはもうすごい良い香りだったわ! 店を出ると花の香りが出迎える、そよ風が吹くと極楽気分よ!」つづく( ゚ェ゚)侯爺、もう完全に落ちてますやんw
2024.04.12
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第11話「海坊の洗礼」海坊(カイホウ)に左遷され、今や七品の県令となった寧鈺軒(ネイギョクケン)。そこで二品である聶桑楡(ジョウソウユ)に母屋を譲ったが、1日かけて見違えるようにきれいになった部屋にネズミが現れた。叩き起こされた鬼白(キハク)は部屋中を探すもネズミは見つからず、結局、その夜は聶桑楡が寧鈺軒の脇殿で一緒に寝かせてもらうことになる。聶桑楡は寝台を譲ってくれた寧鈺軒に感謝して藍珠を1つ渡すと言ったが、寧鈺軒は奉公人を手なずけることができたら紅珠を100つでも渡すと約束した。一方、朝廷では寧鈺軒の左遷を狙ったかのように劉(リュウ)同平章事が病に倒れた。刑部尚書・王寧(オウネイ)は代理を立てるよう上奏し、右(ユウ)執政・凌剣星(リョウケンセイ)を推挙する。しかし同平章事は国を左右する重要な役職、皇帝は早急過ぎだと突っぱねたが、見かねた檀(タン)王が口を挟んだ。「高齢の劉大人が続けるのは困難だろう、凌剣星が適任だ」すると続々と臣下たちが追従、すでに朝廷が自分の手中にあると誇示した。その時、思いがけず秦奕閑(シンエキカン)と陶思維(トウシイ)が同平章事に自薦すると名乗りを上げ、紛糾する。皇帝はこれに乗じて代理を慎重に選びたいと断り、そこで朝議を切り上げた。一癖も二癖もある奉公人に手こずる聶桑楡。すると寧鈺軒が一緒に街を散策してくれるなら紅玉を渡してもいいと持ちかけた。聶桑楡は紅玉に釣られて出かけたが、なぜか街並みに親しみを感じて困惑する。しかしそれより海坊では真珠が都の五分の1の値だと知り、軟膏に使えると大喜びした。一方、寧鈺軒も聶桑楡の買い物に付き合いながら重要な情報を得る。実は県令亡き後、海坊を仕切っているのは蛟龍幇(コウリョウホウ)だと分かった。「…ねえ、何か食べない?この先にある謝(シャ)氏の焼肉店は最高よ! 名前は忘れたけれど向かいの麺の店も…」聶桑楡はすらすらとお勧めの店を教えていたが、その時、寧鈺軒は停雲閣(テイウンカク)に入る家職・陸徳奎(リクトクケイ)を見かけた。聶桑楡は寧鈺軒が停雲閣を見つめていることに気づき、この店で食事することにした。店内に客の姿はなかったが、それもそのはず、料理に法外な値段がついている。憤慨した聶桑楡は帰ろうと言ったが、寧鈺軒は拒んだ。すると怒った聶桑楡は独りで店を出て行ってしまう。ちょうど同じ頃、袁朗(エンロウ)たちも海坊で蛟龍幇を探っていた。どうやら幇主・沈連成(シンレンセイ)が自分たちの探している茶幇(チャホウ)の者らしい。そこで蛟龍幇に潜入して探ることにしたが、道すがら、賊に襲われる聶桑楡を見かけた。寧鈺軒は1人になると給仕を呼び、老板の陸徳奎に″前任と同じ手は使えない″と伝えるよう釘を刺して帰った。しかし先に出て行った聶桑楡がまだ県衙に戻っていないと知る。寧鈺軒は陸徳奎の仕業だと激怒、夫人の居場所を教えるよう迫った。「答えないならあの棺をお前のために使う」「ヒイィィィ!九木(キュウボク)賭場の李明(リメイ)の仕業かと…県令を脅すと吹聴していました」すると寧鈺軒は陸徳奎たちを追い出せと命じ、聶桑楡を探しに出かけた。聶桑楡が目を覚ますと袁朗がいた。「目が覚めたか?!大丈夫か?!」袁朗は商いで海坊に来たと嘘をつき、自分の宿だと教えた。「確か賊から逃げようとして後ろから殴られたような…」「俺が賊から助けたんだ、賊には逃げられた」すると聶桑楡は自分が襲われたことと寧鈺軒に関係があると気づき、急いで県衙に帰ることにした。「あ、聶姑娘、寧大人は県衙にはいない、何でも賭場に行ったとか」「賭場?!」九木賭場に新しい県令が乗り込んできた。しかし飛んで火に入る夏の虫、李明はここでは何事も賭けで決まると訴え、県令が勝てば夫人の消息を教えるが、もし負けたら自分に履き物をはかせてもらうという。寧鈺軒は了承、その間に鬼白に聶桑楡を探すよう頼んだ。寧鈺軒は時間を稼いだが、鬼白は夫人を見つけられなかった。すでに2勝した李明は勝負がついたと確信、しかし最後の3戦目で寧鈺軒に骰子(サイコロ)の仕掛けを暴かれてしまう。「私の勝ちだな、鬼白、賭場を差し押さえろ!」焦った李明は咄嗟に女たちを呼んで県令を接待させることにしたが、そこへ運悪く聶桑楡が現れた。「寧 鈺 軒 !」「夫人!」聶桑楡は妓女に囲まれている寧鈺軒を見て激怒、ちょうど賭け台の上にあった耙子(ハシ)を握りしめた。「家庭内の風紀の乱れを正させてもらうわ!」驚いた寧鈺軒は誤解だと訴え聶桑楡と揉み合いになったが、聶桑楡は勢い余って李明の頭を叩いてしまう。「あ…まさか…そんなつもりは…」聶桑楡は焦ったが、寧鈺軒は悪党を退治してくれたと大袈裟に感謝してその場を取り繕った。聶桑楡は寧鈺軒が自分を探すため賭場に来たと知った。「だがそなたは誰に助けられた?」「偶然、都から来た友だちに助けられたの、袁朗という人で行商で来たのよ」すると寧鈺軒はこっそり鬼白にすぐ調べるよう命じた。海坊の富商・王錦堯(オウキンギョウ)は県令夫人の誘拐騒ぎを聞いて呆れていた。「蛟龍幇ときたら全く無礼な連中だな」すると王錦堯は自分の誕辰祝いの招待状を新県令にも届けるよう命じた。聶桑楡は海坊で化粧品の店を開くと決め、苜蓿(ムーシュ)と店探しに出かけた。しかし街を歩き回ってみても良い店が見つからない。すると酒楼で休憩中、再び袁朗と出くわした。話を聞いた袁朗は良い店があると教え、早速、紹介してくれる。確かに空き店舗は文句なく素晴らしかったが、元手がないため手が出せなかった。そこで袁朗は一緒に商売するという口実で自ら大金を払ってくれる。「ダメよ、これ以上、借りは作れない」「でもここなら水宴居(スイエンキョ)という楽坊へ行くお偉方が若い女子を連れて通るんだ」「そっ、それは良さそうね(ゴクリ)でも袁大哥、あくまで銀子は借りたのよ?必ず返すから」「いいよ」屋敷へ戻った聶桑楡は早速、寧鈺軒に店を決めたと報告した。「海坊で最高の店が手に入ったの!開店したら来てね」「…夫人、実は海坊の名門の令嬢と知り合う良い方法があるぞ?」それは寧鈺軒が招待された王錦堯の祝宴だった。つづく( ๑≧ꇴ≦)ポンちゃんw笑ったwwwww
2024.04.11
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第10話「梅の痣」裏山で仲良く星を眺めた聶桑楡(ニェサンユー)と寧鈺軒(ネイギョクケン)。寧鈺軒は貴賓室まで聶桑楡を送って行ったが、そこへ鬼白(キハク)が駆けつけた。「候爺、見回りしたところ怪しい者が…侍衛は配置済みです」刺客が真っ先に狙うのは貴賓室、そこで寧鈺軒は聶桑楡も薪小屋へ移るよう命じた。すると鬼白は手際良く布団をまとめ、苜蓿(ムーシュ)ならすでに安然な場所へ移動させたと伝える。「じゃあ私もそこへ…」「なりません!」寧鈺軒は薪小屋の窓から外の様子をうかがっていた。しかし聶桑楡は貴賓室を取られた腹いせに寧鈺軒が芝居していると誤解、同じ寝台に寝るのだけは断ると釘を刺す。寧鈺軒は呆れながらも警戒を怠らなかったが、やがて聶桑楡は寝台に座ったまま眠り始めた。…それにしても聶桑楡じゃないならそなたは一体、誰だ?…その時、寧鈺軒は聶桑楡の右肩に梅の花のあざがあったことを思い出したが、ふいに聶桑楡が目を覚まして確認できない。すると寧鈺軒の読み通り貴賓室に刺客が現れた。寧鈺軒は剣戟の音に気づき、聶桑楡を残して出て行くことにする。「おとなしく隠れていろ、そなたには手出しさせない」駅站に現れた刺客たちを全滅させた寧鈺軒はさらに森に潜んで新たな刺客を迎え撃つことにした。計画通り刺客一行の襲撃に成功、しかしあと一歩という所で聶桑楡を人質にした刺客が現れる。「近づいたらこの女を殺すぞ?!」「あなたのことが心配で、つい外に出ちゃって…(^-^;」聶桑楡はうっかり薪小屋から出たところを、死んだふりをしていた刺客に捕まっていた。聶桑楡は寧鈺軒が自分を助けないと知っていた。しかし寧鈺軒は鬼白たちに下がるよう命じ、剣を捨ててしまう。実はその時、寧鈺軒はふいに幼い頃、人質となった自分を救うため剣を置いた父の姿を思い出していた。刺客は聶桑楡を突き飛ばすと、標的の寧鈺軒は腹を刺されてしまう。すると寧鈺軒が隠し持っていた短剣で反撃、隙をついて聶桑楡を連れて逃げ出した。やがて2人は川に追い詰められ、仕方なく飛び込んでしまう。寧鈺軒は駅芳(エキホウ)客桟で目を覚ました。鬼白の話では生け捕りにした刺客たちが尋問の前に全て自害したという。「問いたださずとも首謀者は明らかだ…私の海坊行きを容易に阻めると思ったか」実は深手を負って気を失った寧鈺軒を運んできたのは聶桑楡だった。「夫人なら中庭で薬を煎じています」「至急、聶桑楡の行方を調べさせろ…あれは恐らく別人だ」川に流された寧鈺軒と聶桑楡は岸に打ち上げられた。その際、偶然にも聶桑楡の衣の肩が裂け、聶桑楡の肩にあるはずのあざがなかったという。…早く気づくべきだった、なぜ聶桑楡と同じ顔を?どうして私の前に現れた?…一方、海坊に向かった袁朗(エンロウ)たちは林海(リンカイ)駅站(エキタン)にいた。中庭は骸で埋め尽くされていたが、寧鈺軒と聶桑楡の亡骸はない。恐らく政敵が寧鈺軒を狙ったのだろう。…寧鈺軒といると小姐が危険だ、早く連れ戻さなければ…海坊への旅に戻った寧鈺軒と聶桑楡。すると聶桑楡は馬車の揺れで傷口が痛む寧鈺軒を隣に座らせ、自分に寄りかかるよう促した。「結構だ」「遠慮しないで」聶桑楡は強引に寧鈺軒の頭を自分の肩に乗せると、ぽんぽんと優しく叩いた。「私がいるわ、誰にもあなたに指一本ふれさせるものですか、私が守ってあげる」しかし気がつくと聶桑楡が先に眠っていた。…そなたは私と生死を共にした最初の人間だ、できるだけ早く記憶を取り戻させて数々の謎を解き明かしたい…やがて一行は海坊に到着、港町は賑やかで珍しい物が多かった。聶桑楡は馬車の窓から目を輝かせていたが、寧鈺軒は県衙に到着した途端に帰りたくなるはずだという。「珠を賭けるか?」「寧府よりはましよ~全部、賭けてもいいわ」「珠にご執心だな、これからは紅珠(ホンジュー)と呼ぼう」聶桑楡は赤い豚の″紅猪″と同じ音だと不満だったが、ふと寧鈺軒の藍珠(ランジュー)も怠惰な豚の″懶猪″と同じ音だと気づいた。「ぴったりだわ、藍珠」「いいだろう、紅珠…″藍珠″と″紅珠″か、対になっていて悪くない」「は?…そうね」その頃、凌剣星(リョウケンセイ)はまたしても刺客が失敗したと聞いて落胆していた。すると檀(タン)王から密書が届く。…軽挙は慎むべし、寧を海坊入りさせよ…海坊は海賊の拠点とあって県衙(ガ)は荒らされ放題、酷い有り様だった。寧鈺軒は聶桑楡に奥の屋敷を見に行くよう促したが、予想通り悲鳴を上げて逃げ帰って来る。実は母屋には棺が置いてあった。しかし確認してみると棺の中は空だと分かる。「前任の県令は一家全員で崖から飛び降りた、残された者はいない 何者かがここを霊堂に仕立て棺を置いたのだ、これは警告だ…私へのな」すると寧鈺軒は紅珠をちらつかせ、聶桑楡に掃除を頼んだ。日が暮れる頃になってようやく使用人たちが正庁に現れた。家職の陸徳奎(リクトクケイ)は代表して挨拶し、まさか今日が到着だと思わなかったと笑ってごまかす。しかし寧鈺軒はすでに掃除も住んだと伝え、休んで良いと追い返した。「明日から勤めに励んでくれ」寧鈺軒は使用人たちのふざけた態度が誰かの指示だと分かった。恐らくこれまでも同じように新任を出迎えたのだろう。「かような歓迎を受けた以上、いかにして返礼するかな…」つづく
2024.04.10
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第9話「手料理に秘めた悪意」寧鈺軒(ネイギョクケン)の降格処分に不安が募る侍女の苜蓿(ムーシュ)。しかし聶桑楡(ニェサンユー)は赴任先が海坊(カイホウ)だと知り、左遷ではなく別の意図があると気づいた。ともかく牢獄で苦労した夫をねぎらうべく厄払いの火またぎを準備して出迎えたが、寧鈺軒は嫌がらせだと憤慨して寝殿に逃げ込んでしまう。「私を助け出そうとしたと聞いたが戻った早々、これだ!」すると鬼白(キハク)が誤解だと大夫人をかばった。「足を洗う湯にも夫人が選んだ新鮮な文旦の葉が入っています 本当に厄払いのためだったのでしょう」寧鈺軒は迷信など信じないと強がったが、独りになると聶桑楡の突拍子も無い気遣いに失笑してしまう。一方、袁朗(エンロウ)は茶幇(チャホウ)の仲間がいると聞いた海坊に寧鈺軒が左遷されたと知り、様子を探りに行くと決めた。寧鈺軒は凌剣星(リョウケンセイ)を敵に回した聶桑楡を都に残して行くことに不安があった。そこで海坊に同行するよう命じたが、聶桑楡は都で店を開くため行かないと断る。すると第二夫人・温婉(オンエン)が海坊に連れて行って欲しいと懇願にやって来た。寧鈺軒は突っぱねるつもりだったが、温婉の話を聞いた聶桑楡がすっかり海坊に魅了される。「海坊は他国の商人や珍しい物も多いとか、それに色々な料理があって美味しいと聞きました」「それ本当?!」「うん」「じゃあ私も行く!」寧鈺軒は聶桑楡を説得してくれた温婉も連れて行くことにしたが、出発の前日に事件が起こる。聶桑楡が温婉のささげ料理を食べて腹痛を起こしたのだ。寧鈺軒は生のささげには毒があると知っていた。そこでその夜、温婉を呼び出し叱責、海坊へは連れて行かないと決める。「本当に悪意はありませんでした」これまでの悪事がばれているとも知らず言い逃れする温婉、しかし寧鈺軒も今回ばかりは許さなかった。…聶桑楡は無防備すぎる、忠告しなくては…翌朝、寧鈺軒は留守を劉(リュウ)家職に任せ、聶桑楡とわずかな護衛で出発することになった。温婉は別れ際、許しを請うたが、すっかり温厚になった聶桑楡ももはや同情してくれない。「もういいわ」「許してくださったのですね」しかし聶桑楡は何も言わずに車に乗ってしまう。殊勝な様子で馬車を見送る温婉、しかしその顔は嫉妬で歪んでいた。その頃、海坊の港では帰海(キカイ)号が帰港、桑葚(ソウシン)が季銘(キメイ)を出迎えた。「老爺!老爺!ご無事で何よりです!」「桑葚、曼児(マンR)はどこだ?」実は娘の季曼は2ヶ月前、想い人いを訪ねると言って都へ旅立ったという。何も聞いていなかった季銘は激怒、直ちに都へ行くと決めた。寧鈺軒と聶桑楡は都を出発、その夜は林海(リンカイ)駅站(エキタン)で休むことになった。寧鈺軒は自分より位が高い聶桑楡に部屋を取るよう頼んだが、聶桑楡はわざと1部屋だけ薪小屋を用意させる。「あなたは薪小屋よ、誥命(コクメイ)夫人の特権は本人にしか使えないらしいわ 二品は貴賓室って決まってるから~じゃあね~」聶桑楡は寧鈺軒が部屋を替えろと押しかけてくるはずだと踏んだ。しかしいつまで経っても寧鈺軒は現れない。「変ね~(はっ!)そうだ、最近は話をしていなかったわ!」聶桑楡は裏山で星空を眺めながら、近況を報告していた。「聞いてよ、最近は変な人たちに会うし、変なことも起こるの、嫌な奴にも会ったわ」その頃、寧鈺軒も裏山を散策していた。実は皇帝は投獄された寧鈺軒が陥れられたと気づいていたが、助け出す口実がなかった。しかし聶桑楡の救出作戦が転機となり、皇帝は寧鈺軒を無法地帯の海坊に左遷すると決め、風紀を正して朝廷の直轄地に取り込むよう命じる。『その後、そちを都へ連れ戻す』寧鈺軒は拝命したが、海坊では自分も脆弱だと分かっていた。…父上、どうかお守りください、必ずや茶幇の残党を見つけて父上の敵を討ち、太平の世を築いて父上の魂を慰めます…するとどこからともなく聶桑楡の声が聞こえて来た。「海坊では今までと違う日々だといいなあ~意味不明なことは忘れたいの、もしも私が…(はっ!)なぜここにいるの?!」聶桑楡は寧鈺軒がこんな所まで追いかけて来た理由を知っていた。「部屋の交換はお断りよ?」しかし寧鈺軒は失笑、どうやら見込みはずれだったらしい。「星がきれいだから明日は晴れね~」「分かるのか?」「信じないの?明日になれば分かるわ」すると聶桑楡は寧鈺軒の隣に座り、星や星座の名前を教えた。「天気だけじゃない、星の位置によって今の刻限まで分かるのよ?」「どこで習った?」「さあね、なぜか知ってるの」「他に知っていることは?例えば過去のこととか…」「ないわ…でも星がいる、星が友だちなの、ちょっと肩を貸して」聶桑楡は寧鈺軒の腕に手を回し、頭を肩に乗せて夜空を見上げた。「人は死んだら星になるんですって、そして天から私たちを見守ってくれるの 私たちが故人を思う時、故人も私たちを想ってる、愛する気持ちは永遠なの 居場所が天に変わっただけ、私たちを愛し、守り続けてくれる」「ありがとう…」「何?」「いや何でもない」つづく( ;∀;)ウチのわんこたちも見てるかしら…ゥッ…
2024.04.09
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第8話「夫救出作戦」聶桑楡(ニェサンユー)のため腐れ文士たちののどを潰した寧鈺軒(ネイギョクケン)。これではかえって自分の仕業だと疑われると気づき、聶桑楡は露店で頭を抱えていた。すると以前、一緒に店を出さないかと誘ってくれた公子・袁朗(エンロウ)が現れる。「悪意のある噂を聞いて心配になったんだ、良かった気晴らしに行かないか?」しかし運悪く公子と歩いているところを寧鈺軒に見られてしまう。袁朗は郊外に出かけ、聶桑楡と苜蓿に野菜の小麦粉焼きを振る舞った。「子供の頃の味なんだ、母を早くに亡くして父とその仲間に育てられた 家が貧しかったから良くこれを作ってくれた」しかし話を聞いても聶桑楡は全く心当たりがないようだった。「でもその家族ももういない、匪賊に村を焼かれて死んだんだ 長年、その仲間の縁者を探していて、いつか集まりたいと願っていた やっと見つかったが、相手は俺に気づいてくれない…」袁朗は落胆したが、自分も店を持つのが夢だと話し、聶桑楡と意気投合した。その夜、聶桑楡が非晩閣へ戻ると寧鈺軒が待っていた。聶桑楡は寧鈺軒のおかげで本当の毒婦になってしまったと抗議したが、寧鈺軒は鬼白(キハク)に命じて人を遣わし、知っていることを白状させて証拠を集めただけだという。「じゃあなぜのどが潰れたの?」「白状することが多過ぎたのだろう…ふふ」寧鈺軒は自分の功績を鼻にかけたが、肝心の凌剣星(リョウケンセイ)を取り逃したと悔しがった。実は凌剣星の名を出した文士もいたが、急に″自分が凌剣星の名を使って大事にした″と名乗り出た者がいたという。「身代わりね!凌剣星のヤツ!」「奴を誘き出す手を使った、必ず罰を与えてやる」「そうこなくっちゃ!…え?なぜそんなに私を気にかけるようになったの?」「それは…二品誥命(コクメイ)夫人を侮辱することは許されないからだ」「なるほど~私が好きなの?」驚いた寧鈺軒は慌てて話題を変えた。「ところでどこへ行っていた?」「行き先まで報告しろって言うの?」その時、鬼白が駆けつけた。「大理寺が押し入って来ました」昨夜、西の荒れ寺で流民が虐殺された。その中の母子が寧鈺軒と関わりがあると判明、寧鈺軒が殺めた疑いがあるという。後ろ暗いところがない寧鈺軒は素直に応じ、鬼白に荒れ寺をすぐ調査するよう命じてから同行した。袁朗から刺客の話を聞いた了然はふいに昔のことを思い出した。あれは数年前、黄漢(コウカン)という茶幇の者と偶然、知り合い、生き残っている仲間たちが″ある者″に従って海坊(カイホウ)へ行ったと話していたという。ある者が誰なのかは分からなかったが、名を挙げた者ではなく、なぜか財を成して仲間から慕われていたらしい。すると袁朗は荒れ寺を襲った刺客が藤(トウ)の履き物だったことを思い出した。「あれは漁民のものだ」一方、寧府では第二夫人・温婉(オンエン)が寧鈺軒を心配して涙していた。聶桑楡は女主人として気丈に振舞っていたが、そこへ荒れ寺を調べた鬼白が戻ってくる。「すぐ候爺に知らせて来ます、急を要するので大理寺に押し入ります」「鬼白、いくらあなたが強くでも無理よ?」そこで聶桑楡は令牌代わりの誥命服を持参し、寧鈺軒が収監されている御史台獄を訪ねた。門衛は誰も通せないと追い返したが、聶桑楡は誥命服の威力で脅し、さらに銀子をつかませて面会することに成功する。「なぜ来た?!」寧鈺軒は惨めな自分の姿を聶桑楡に見せたくなかったが、用があるのは聶桑楡ではなく鬼白だという。実は聶桑楡が連れて来た侍女は女装した鬼白だった。鬼白は誥命服の下に隠していた証拠の品を見せた。そのひとつは袁朗が落とした手巾で茶幇の紋章が刺繍されている。「2組が争った痕跡があり、一方は武芸者です」すると寧鈺軒は藤の履き物を手に取り、その軽さから船乗りが使うものだと分かった。しかし流民を殺して自分に罪をかぶせたのは凌剣星のはず、なぜ阿狼(アロウ)が関わっているのか。「もしや茶幇は海坊に?一度、行かねば…とにかく今は聶桑楡と戻れ この件は危険が伴うが転機となり得る」こうして短い時間ながら寧鈺軒と鬼白の話が終わり、聶桑楡は帰ることにした。「行きましょう」「あ…その~何か私に言うことは?」寧鈺軒は思わず聶桑楡を引き留めた。そこで聶桑楡は隠し持っていた小箱を渡し、鬼白を連れて来た功績とおやつの差し入れで珠を2つもらうと念を押して出て行った。聶桑楡は寧鈺軒と鬼白の話からだいたいの状況が分かった。今回の件は寧鈺軒が流民に刺されたことが発端だが、寧鈺軒は刺した母子を追求せず、流民たちを助けたという。「流民も可哀想ね、さまよったうえに朝廷の争いに巻き込まれて殺されるなんて… だけど寧鈺軒ってずいぶん良い役人なのね」しかし翌日、都では寧執政が流民を虐殺したと噂が広まった。これに激怒したのが酒楼にいた聶桑楡の妹・青雲(セイウン)。姉夫婦の悪口を言うなと鞭を振り回し、騒ぎを起こした。そこへ巡回中の陶思維(トウシイ)が駆けつける。「陶大哥!」「もしや青雲か?…都を離れる時はまだ子供だったのにすっかり成長したな」陶思維に憧れていた青雲は急にしおらしくなったが、兄を貶める輩をどうしても許せなかったと訴えた。その夜、柳(リュウ)嬷嬷は候爺への誤解を解こうと非晩閣を訪ねた。寧鈺軒は血も涙もない冷血漢と言われているが、幼い頃は明るく活発な子供だったという。しかし父親を亡くしてから自室にこもるようになり、ようやく外へ出て来た時には何も話さなくなっていた。1年後にやっと声が戻ったが、今度は母親がなくなり、それ以来、寧鈺軒は涙を見せなくなったという。「辛いことがあっても決して弱音を吐かず、嬉しいことがあっても笑わなくなりました ですが大夫人が崖から落ちて戻ってから、また笑顔を見せるようになったのです 幸せが訪れたと思っていたのに、またこんなことになるなんて…」「今まであの人のことを分かっていなかった…そんな大変なことがあったのね」聶桑楡は必ず救い出すと約束、翌日、例の腐れ文士を訪ねた。聶桑楡は腐れ文士に銀子をちらつかせ、寧鈺軒の汚名をそそぐ話を書いて広めるよう頼んだ。しかし方々に手を回したせいで、苜蓿は銀子が底をつきそうだと心配する。聶桑楡はそれでも寧鈺軒が清廉潔白な役人であることは事実だと言った。「悪をのさばらせたくないの」その夜、寧鈺軒は突然、皇帝から呼び出された。皇帝は寧鈺軒の匪賊討伐を叱責したが、寧鈺軒は決して民に手を出したことはないと釈明する。「寧執政は良い妻を持って幸運だったな!都中で噂しているぞ? 代々、忠義な寧家の陌玉(バクギョク)侯が陥れられたとな! そちの酌量を願う列は皇宮まで達しそうな勢いだ!」皇帝は翌朝の朝議で寧鈺軒を断罪、官吏は極刑にできないことから爵位封号を剥奪したうえ執政の職を解き、海坊へ左遷した。凌剣星は早速、檀(タン)王に報告したが、海坊の県令だと聞いた檀王の顔色が一変する。「ご安心を、海坊へは足を踏み入れさせません」一方、聶桑楡も苜蓿から寧鈺軒の左遷が決まったと聞いていた。しかし海坊だと聞いた聶桑楡はただの左遷ではないと気づく。「どうやら別の目的がありそうね…」つづく( ๑≧ꇴ≦)イヤイヤイヤ〜どうみても鬼白の変装、バレバレでしょうwww
2024.04.08
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第7話「家族との再会」二品誥命(コクメイ)夫人の冊封を祝う宴の日。聶桑楡(ニェサンユー)は自分で稼いだ100両を投じて豪華な宴席を準備したが、″都一の毒婦″と呼ばれる寧(ネイ)夫人の招待に応じる客は1人もいなかった。その時、見るからに大物の一家が現れる。聶桑楡は喜んだが、実は西北から駆けつけた自分の両親と妹・青雲(セイウン)だと分かった。聶向遠(ニェキョウエン)と夫人は別人のように穏やかになった娘の姿に困惑した。いつも姉に折檻されていた青雲は母の後ろに隠れて怯えていたが、聶桑楡が崖から落ちて本当に記憶がないと知り、むしろ安堵する。すると聶桑楡は差し入れの西北土産に目をつけ、父を非晩(ヒバン)閣に引っ張っていった。聶桑楡は西北の珍しい品を都で売れば儲かると考えた。しかし聶向遠は娘に商いなど無理だと一蹴、そもそも運賃がかさんで儲けなど出ないという。聶桑楡は落胆したが、聶向遠は娘が自分で稼がねばならないほど陌玉(バクギョク)侯に虐げられていると誤解した。「(ヾノ・∀・`)違う違う~実は寧鈺軒(ネイギョクケン)と離縁して化粧品の店を開くの 崖から落ちて目覚めたらすっきりしたわ⤴︎ 寧鈺軒も私を愛していないし、顔以外は良いところがないの 近寄らせてもくれないくせにね、離れるとのぞき見するのよ~」「やめなさい!…閨房(ケイボウ)の秘め事を人に漏らすでない!」「はあ?@うさぎ風」誥命服姿の聶桑楡が寧鈺軒に手を引かれ登場、祝宴は晴れやかに始まった。しかし結局、集まったのは家族だけ、聶桑楡は急に銀子が惜しくなってしまう。「やはり夫が負担すべきじゃない?」「だが規則で支払いには事前の報告が必要だ 私が払っても良かったが、そなたが身銭を切って宴を開くと聞いてな、仕方なく手を引いた」「じゃあ…折半にしない?」「だが規則は規則だ」「あそう、なら使った銀子の分だけ食べて飲むわ!」聶桑楡はやけ酒ですっかり酩酊、寧鈺軒に絡み始めた。「あなたはどうやら私の想い人だわ~甘い香りがする~♪これは私の想い人の甘い香りよん♡」聶向遠は娘の失態に眉をひそめたが、その時、偶然、聶桑楡が身につけている玉佩に気づいて呆然となった。その夜、客桟に帰った聶夫人は娘が夫に虐げられたせいで人柄が変わってしまったと泣いていた。しかし聶向遠は人格が変わったのではなく、娘ではない可能性に気づく。実は聶桑楡は季銘(キメイ)に託された養子だった…『向遠大哥、放浪の身で赤子2人を抱えては生きていけない 事情がなければ決して手放さぬが…』『安心しろ、妻を娶って1年あまり、まだ子はおらぬ、実の娘のように育ててみせる』すると季銘は双子が生まれた時に恩人からもらった玉佩を取り出した『上弦の月を姉のほうに渡す、姉妹である証しとなる』『この子に変わって玉佩を守ってみせよう、きっと互いを見つけられるはずだ』…聶向遠は当時のことを思い出し、娘がなぜ下弦の月の玉佩を身につけていたのか考えあぐねた。そこですぐさま故郷の欒(ラン)県で季銘を探すよう命じる。「よいか、必ず見つけ出せ」一方、凌剣星(リョウケンセイ)は寧家で誥命夫人冊封の祝宴があったと知り、花見の宴で名声を傷つけられた怒りが再燃した。「思い知らせてやらねば…名声が地に落ちる気分をな」するとちょうど阿正(アセイ)が寧鈺軒の負傷の原因を調べ上げていた。寧鈺軒はあの晩、西の荒れ寺に匪賊が集まると聞きて駆けつけたところ、女子供の流民だったという。「つまり流民に刺されたと?」どうやら父親の敵討ちのため匪賊を厳しく討伐し、寧鈺軒は流民から恨みを買ったらしい。「もし流民が虐殺されたら刑部は真っ先に誰に疑いを向けるかな?ふっ」翌朝、聶桑楡はひどい二日酔いで目を覚ました。苜蓿(ムーシュ)から宴席で酔っ払ったと聞いたが、全く記憶にない。何でも聶桑楡は宴席で寧鈺軒に抱きつき、″想い人″と呼んでいたとか。しかも夜は候爺の部屋へ出かけ、しばらくすると候爺が布団で巻いた聶桑楡を担いで送って来たという。「その時も候爺と一緒に寝たいと言って困らせて…ふふ そうだ、候爺から宴の費用として100両の銀票が届きました 候爺は夫人を気遣っていますね、候爺と一緒に眠れる日も近いです!」「何言ってるの?!」実は寧鈺軒が聶桑楡を布団で包み、縛り上げたのには理由があった。聶桑楡は酔った勢いで寧鈺軒を押し倒し口づけ、驚いて逃げ出した寧鈺軒を追い回していた。都には文人崩れの集まりがあり、銭さえもらえばどんな噂も平気で広めた。今回の標的は寧夫人。聶桑楡は根も葉もない悪評を風聴され激怒し、男装して講談に乗り込んだ。しかしかえって騒ぎになり、群衆から野菜を投げつけられてしまう。その夜、寧鈺軒は裏門からこっそり帰って来た聶桑楡を見咎めた。「待て…なぜそんな姿に?」「腐れ文士のせいよ!私が馬を殺して食べたって言うの…凌剣星の仕業に違いないわ! 皆に攻撃させるなんて…ぐすん」寧鈺軒は珍しく気落ちしている聶桑楡に同情し、優しくゴミを取り除いてやった。「言わせておけ、相手にするな、今後は聞いてはならぬぞ、分かったか? そうだ、紅色の玉を1個やろう」すると聶桑楡は寧鈺軒に抱きついて泣いてしまう。「ヨシヨシ…大丈夫だ、私が何とかする」一方、茶幇(チャホウ)の袁朗(エンロウ)たちは寧鈺軒が捜索したと聞いた西の荒れ寺に向かっていた。「仲間が捕まれば悲惨な末路をたどることになる…」その時、雷鳴と共に流民たちの悲鳴が聞こえ、袁朗たちは全速力で走り出す。すると仮面をつけた賊が流民たちの寝込みを襲い、すでに多くの骸が転がっていた。袁朗は生き残った流民を叔父の寺で保護した。実は刺客の腕に茶幇の紋章があり、何者かが茶幇を陥れるつもりだと疑う。しかし了然(リョウゼン)は今や寧鈺軒の他に茶幇を知る者などいるはずないと否定した。翌日、聶桑楡が講談の様子を見に行くと、あの腐れ文士はのどがつぶれて声が出なくなっていた。そこで苜蓿に調べさせたところ、都中の腐れ文士たちが一様に声が出なくなったと分かる。(๑•̀ㅂ•́)و✧<さすが候爺、一晩でやり遂げましたね!( ;∀;) <何のんきなこと言ってるの?!最悪よ~!腐れ文士たちに何かあれば当然、疑われるのは聶桑楡、これでは″都一の毒婦″を自ら証明したようなものだ。つづく( ゚ェ゚)二品なのにあまり迫力はない衣装w
2024.04.08
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第6話「蟹の宴」寧鈺軒(ネイギョクケン)に同伴してしぶしぶ皇宮にやって来た聶桑楡(ニェサンユー)。しかし花見の宴に招かれた高貴な婦女たちに気づき、実は痕消し膏を売り込む格好の機会だと分かった。そこで寧鈺軒が立ち話している隙に夫人たちに近づいたが、聶桑楡を見つけた陶思維(トウシイ)に捕まり、席に連れて行かれてしまう。「潔癖症の君のために私が卓をきれいに拭いておいたぞ!」「謝謝」「謝謝?!…私に礼を?!」実は聶桑楡は学堂の時から陶思維をこけにし、時には手をあげていた。陶思維は他人行儀な聶桑楡に傷つき、いつものように平手打ちしてくれという。記憶がない聶桑楡は困惑し、そろそろ皇帝が来るとなだめて話を切り上げた。「そうだな、また後で!」皇帝が御花園に到着、宴が始まった。皇帝の覚めがめでたい陌玉(バクギョク)侯夫婦は上席に座り、向かいには皇帝の叔父である檀(タン)王が、隣には凌剣星(リョウケンセイ)がいる。すると楽坊による美しい舞が始まった。聶桑楡はまた上客を見つけたと喜んでいたが、寧鈺軒に行儀良くしろと釘を刺されてしまう。聶桑楡は挨拶に来た凌剣星の嫌味を聞いて寧鈺軒とは犬猿の仲だと分かった。「何があったの?もしや想い人を奪ったとか?」「はあ?…奴は学問所にいた頃からあの調子だ」「学友なんだ~どこの学友も変わり者ばかりね、私が一番まともじゃないの(ボソッ」すると寧鈺軒は急に腹の傷がうずき、脇腹を抑えた。凌剣星は盛会を願って海坊(カイホウ)から取り寄せた蟹を振る舞った。しかも蟹の新鮮度を保つため、海水を満たした桶に入れて600里を早馬で運ばせたという。「おや、蟹が初めてでむけないのかな?」凌剣星はなかなか手をつけない寧夫人を揶揄、しかし聶桑楡は手慣れた様子で楽々と蟹をむいてしまう。すると凌剣星はそれほど気に入ったのなら寧府へ蟹を届けさせると鼻で笑った。(ヾノ・∀・`)<イヤイヤイヤ~民を酷使して公費を使い込んだ蟹を頂くなんて、そんなおこがましい~o(`ω´ )o<寧夫人!無礼な!凌剣星は声を荒げ、皇帝への侮辱でもあると糾弾した。宴席に不穏な空気が流れた。そこで聶桑楡はただ簡単に蟹の鮮度を保つ方法があると言いたかっただけだと釈明する。蟹料理は確かに鮮度をいかに保つかが決めて、実は香味野菜と酒に蟹を漬けて生のまま食べるのが一番美味しいという。「その名も″漬け蟹″です、すぐに作れます」「それは良い、では作ってくれ」皇帝は喜んで許したものの、寧鈺軒は戦々恐々だった。もし漬け蟹を食べて皇帝に何かあれば一族の首が飛ぶ。しかし皇帝は凌剣星の料理の数段上だと漬け蟹を絶賛、さらに聶桑楡を近くに呼んで談笑した。まさか寧夫人に面目を潰されるとは予想外、焦った凌剣星は余興として寧大人と手合わせしたいと申し出た。聶桑楡は病み上がりのため夫が万全でないと辞退したが、それまで黙っていた檀王がふいに口を開く。「陛下が幼く私が摂政だった頃は具合が悪くても休むことなどなかった 今の若い者たちは軟弱になったものだ…」檀王から遠回しに咎められた寧鈺軒は確かに興をそいでしまうと考え、腕比べに応じた。寧鈺軒と凌剣星はそれぞれ背中に小旗を挿し、先に相手の旗を奪った者が勝ちと決めた。こうして負傷の身ながら戦うことになった寧鈺軒、当然ながら力を出し切ることができず、劣勢に甘んじる。すると寧鈺軒が凌剣星に投げ飛ばされ、聶桑楡の前に吹っ飛んできた。「危ない!」聶桑楡は無我夢中で寧鈺軒の元に駆けつけたが、寧鈺軒は突進してくる凌剣星に気づき、聶桑楡をかばって剣を振った。その時、思いがけず聶桑楡が凌剣星の隙を見て背中から旗を奪うことに成功する。バーン!( °ω° )/▶︎ <陛下!旗を取りました!聶桑楡は御前に呼ばれた。すると皇帝から将軍家の娘ともあろう者が一対一の対決に割り込むとは何事かと叱責されてしまう。「寧執政、こたびの対決はそちの負けとする」聶桑楡は寧鈺軒の足を引っ張ってしまったと落胆したが、皇帝の話には続きがあった。「だが夫婦の絆の強さと互いを思いやる心を目にして朕は感じ入った 夫婦の心が1つなら家は安寧、家の安寧は国家の安泰だ」そこで皇帝は聶桑楡に高官の母や妻だけに与える二品の誥命(コウメイ)夫人に封じた。「はあ?@うさぎ風…陛下、そうではないんです、そんなつもりでは…」しかしまさか皇帝の勅命を断れるはずもなく、聶桑楡はその場で拝命するしかなかった。屋敷に戻って寧鈺軒の薬を交換する聶桑楡、しかしすっかり落ち込んでいた。「誥命夫人に封じられたのに、なぜ意気消沈するんだ?」「冊封より離縁を選ぶわ、身分なんていらないのに… それにしても誥命夫人用の衣、売ったらかなりの銀子が手に入りそう♪」「下賜された物を売ったら死罪だぞ?」「チッ!なら痕消し膏を″誥命膏″という名に変えるのはどう?」「離縁するんだろう?」「(はっ!)そんな急いで離縁しなくてもいいわ」すると寧鈺軒は掟通り数日後に冊封の祝宴を開くと言った。欲に目がくらんだ聶桑楡は離縁をしばらく延期、その代わり勘定だけはきっちりさせてもらうという。聶桑楡は2色の珠でできた首飾りの紐を切り、それぞれの色に分けた。「この珠1つで100貫に相当すると考えて、あなたは藍色、私は紅色ね? で相手の役に立ったら珠を1つ得る、逆に害を与えたら1つ没収よ 離縁する日に珠の数で精算しましょう」すると聶桑楡は傷の縫合で1つ、薬を塗って1つ、箱の中に2つの珠を入れた。しかし寧鈺軒は今の2つで珠1つ分だという。「負傷を黙ってあげた」「じゃあ手当と合わせて2つだ」「そうだ、誥命夫人に封ぜられ、寧家の名声を高めた!これは2つ分の貢献ね!」「だが必要以上の注目を集めた、1つだ…」「ふん!この分なら寧府を離れるまでにひと財産築けそうだわ」一方、凌剣星は聶桑楡を甘く見過ぎていたと後悔していた。しかし手合わせしたおかげで寧鈺軒がかなりの重症を負ったと見抜く。自分の読みが正しければ怪我は匪賊討伐と関係があるはずだ。「陛下は職権を越えての調査を禁じている もし事実なら寧鈺軒は自分で自分の首を絞めたことになるな…ふっ」聶桑楡は正室の寝殿である薔薇園に戻れることになった。しかし自分で手入れした部屋に愛着があり、このままで良いと断る。そこで反省させる目的の″思過閣″を″非晩(ヒバン)閣″と改名、痕消し膏も″非晩霜″に改めると決めた。鬼白(キハク)の報告で知った寧鈺軒は″非晩″と聞いてすぐ王勃(オウボツ)の句だと気づく。「東隅己逝 桑楡非晩…か、なかなか趣があるな」また聶桑楡は上客を取り込むため、自分で稼いだ100両で冊封の宴を準備するという。どうやら聶桑楡は自分が″都一の毒婦″であることを忘れたらしい。「ふっ、誰が宴に来る?」「聶将軍一家がお見えになります」つづく※王勃「縢王閣序」より「東隅己に逝けども桑楡晩き非ず(日の出は過ぎたがまだ日の入りではない→まだ遅くないという意)( ๑≧ꇴ≦)思過閣…どんだけMなのwwwww
2024.04.06
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第5話「4年越しの初夜」流民に刺されて重傷を負った寧鈺軒(ネイギョクケン)。不覚にも思過(シカ)閣で倒れ、危ないところを聶桑楡(ニェサンユー)に救われた。そのおかげで翌朝は弱みを握った聶桑楡から散々、けなされてしまう。するとようやく鬼白(キハク)が戻ってきた。実は薬を手に入れたあと賊に襲われ、銀子や薬材を盗まれてしまったという。寧鈺軒はともかく誰にも知られぬよう居所へ戻ることにしたが、少しでも動かそうものなら激痛が走った。「候爺(ホウイェ)…もう少し回復するのを待っては?」聶桑楡と苜蓿(ムーシュ)が前庭で薬を煎じていると第二夫人・温婉(オンエン)がやって来た。温婉は脱出に失敗した聶桑楡を心配して差し入れを持ってきたと言ったが、どうやら寧鈺軒を探しに来たらしい。無理に断ることもできず困惑する聶桑楡、その時、殿内から寧鈺軒の怒号が聞こえた。「帰れ!」こうして屋敷中に寧鈺軒が思過閣にいることがばれてしまう。屋敷を出て行く予定だった聶桑楡は家財道具をほとんど処分していた。そこで寧鈺軒は自分の居所の物を全て運ばせ、勝手に内装を変えてしまう。一方、温婉は寧鈺軒と聶桑楡が床を共にしたと誤解、食事も喉を通らなくなった。そんな温婉の心配を他所に今夜も寝台を占領する寧鈺軒。聶桑楡は長椅子で寝るほかなく、仕方なくつい立てで目隠しを作ってから横になった。2人ともなかなか寝付けずにいたが、寧鈺軒は聶桑楡がどうして適確に診断して手当できたのか、ふと疑問に思う。しかも慣れた手つきで自分の腕と寝台を″水手(カコ)結び″で縛っていた。…聶桑楡、なぜそんなに変わったんだ?…その頃、檀(タン)王は右執政・凌剣星(リョウケンセイ)を呼び出し、叱責していた。寧鈺軒と皇帝を離間させたい檀王、しかし凌剣星は一向に成果を出せずにいる。「どんな手を使ってでも寧鈺軒を倒し、同平章事(ドウヘイショウジ)になる必要がある さもなくばその命も煙のように消え去るだろう」翌朝、聶桑楡は悪夢にうなされる寧鈺軒の声で目を覚まし、脇腹を強くつねって無理やり起こした。すると運悪く報告に駆けつけた鬼白に見られてしまう。聶桑楡は慌てて逃げ出したが、回廊で控えていた苜蓿は主の4年越しの初夜を喜んでいた。鬼白はてっきり寝台で2人が睦合っていたと誤解した。「候爺…言動が一致していませんね…ふふ」「うぉ(我)…」ばつが悪い寧鈺軒は思わず書物を放り投げ、それより調査結果を聞いた。鬼白を襲った刺客は匪賊に扮していたが入れ墨はなく、衣も違い、まるで禁軍のようだったという。寧鈺軒は凌剣星に気づかれたと焦り、負傷したと知れないよう釘を刺した。「で、薬はどうだった?」「大夫人の処方を医者に見せたところ、問題はなく、むしろ見事だと感心していました」寧鈺軒はようやく起き上がれるまでに回復した。すると窓から前庭で軟膏を作っている聶桑楡の姿が見える。別人のように変わった妻は美しく、つい見とれてしまう寧鈺軒。( ・ノェ・)コショッ<夫人、候爺が見ていますよ♪しかし苜蓿に気づかれた寧鈺軒は慌てて姿を隠してしまう。「…苜蓿、外に出られる方法を思いついたわ」聶桑楡は寧鈺軒の性格を逆手に取り、薬を塗るので衣を脱ぐよう迫った。驚いた寧鈺軒はふとんをかぶって徹底抗戦、あまりのしつこさにうっかり口を滑らせてしまう。「もう少し離れてくれないか?」「言ったわね?!…離れろというなら困らせないように従うわ!」すると聶桑楡はあっさり引き上げ、出かけてしまう。寧鈺軒はいざ聶桑楡がいなくなると心配になり、鬼白に連れ戻せと命じた。「候爺、まだ出かけたばかりですが…なぜ急いで呼び戻すのですか?」「あ…薬を塗らせるのだ」茶幇(チャホウ)の袁朗(エンロウ)は花の市で偶然、露店で痕消し膏を売っている寧夫人を見かけた。そこで趙龍(チョウリュウ)と趙虎(チョウコ)を先に帰し、独りで店に立ち寄ってみる。すると確かに寧夫人は自分が贈った玉を身につけていた。袁朗はわざと袖をまくって内衣の刺繍を見せたが、寧夫人は全く気にも留めない。…噂どおり記憶を失っているのか?茶幇の紋章も忘れているとは…「私は袁朗、各地を巡っている商人だ、銀子を出すから一緒に店を開かないか?」「一緒に?…公子、初めて会ったのにそんな話を?」その時、苜蓿が鬼白の姿に気づいた。「夫人!鬼白です!」袁朗は寧鈺軒の侍衛だと気づき、興味があるなら望花楼(ボウカロウ)へ来るよう伝えて引き上げた。「また会おう」聶桑楡は薬を塗るために連れ戻された。しかし寧鈺軒はすでに薬を塗り替え、何もすることがない。「会いたかったの?」「チッ…んなわけあるか」すると寧鈺軒は侯爵夫人ともあろう者が露店で商いなどするなと叱った。「自分で稼ぐことがなぜ恥なの?」「なぜそんなに稼ぎたいんだ?」「それはね…あなたときれいさっぱり別れるためよ 崖から落ちて記憶を失くしたけれど、幸運にも生き返って新しい自分になれたんだもの」「私にとっては記憶を失ってくれたことが幸か不幸か…(ボソッ」「もう決めたわ、私たちは別々に生きた方がお互いに幸せよ、あなたの傷が治ったら出て行く」凌剣星は寧鈺軒が風邪ではなく、負傷して療養していると怪しんだ。そこで夏に善戦した龍驤(リュウジョウ)軍に褒美を賜るよう朝議で上奏、目論見通り皇帝は褒賞を認め、御花園で花見の宴を開いて功臣たちを労うと決める。「皆も家族を連れて参加すると良い」「陛下、龍驤軍の勝因は寧執政が手配した軍糧と武器です 寧執政が不参加では兵士たちも失望するでしょう」「確かにそうだ、ならば寧執政に必ず参加するよう伝えよ」陶思維(トウシイ)と秦奕閑(シンエキカン)は凌剣星が寧鈺軒を引っ張り出すために仕組んだと分かった。寧鈺軒と大夫人の不仲は周知の事実、もし2人が公の場で争えば寧鈺軒は体面だけでなく、未来も失うことになるだろう。聶桑楡は宴への同伴を断った。しかし勅命のため寧鈺軒は何が何でも正妻を連れて行かねばならない。そこで聶桑楡は今すぐ自分を離縁すれば温婉を連れて行けると足下を見た。「宴に参加してくれるなら離縁に同意するやも…」「私を脅してもだめよ、同意なんて必要ないから」「知っているのか?私が離縁書に署名せねば、夫婦共有財産となる つまり店を開いていくら稼ごうとも半分は私のものだぞ?」すると聶桑楡の顔色が一変した。「この冷血漢!ギギギギ…じゃあ今回は妥協してあげる!」つづく(  ̄꒳ ̄)候爺、もう完全に好きですやんw
2024.04.05
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安乐传 The Legend Of Anle第21話帝承恩(ディチォンエン)は快気祝いと称して任安楽(レンアンルー)を沅水閣(ゲンスイカク)に呼び出した。「あの宴以来、太子殿下は毎日お見舞いに来て、私が喜びそうな物や薬を届けてくれるの」承恩は殿内にわざと山のように珍品を並べ、卓にはこれ見よがしに皇太子が10年も梓元(ヅユアン)に送り続けた文を置いていた。「殿下は稀に見る好男子だから大切しなくちゃね」「…任大人、嫉妬しないの?だってあなたは太子妃の座を狙っていたのよね?」しかし安楽は皇太子に恋情はないという。「帝小姐の夢が運命の人と添い遂げることでも私は違う、色恋より大切なことがあるの」承恩は安楽にまで見下され憤慨、ならば皇太子と距離を置くよう迫った。「疎遠を心がけているけれど、公務の時だけは諦めてもらう(キッパリ」「…無礼な」その時、韓燁(ハンイェ)が現れた。すると韓燁は帝承恩に静養するよう釘を刺し、安楽の腕をつかんで出て行ってしまう。安楽は人目を気にして言動には注意すべきだと韓燁を諌めた。「君のようにか?…君の完璧な演技にすっかり騙された」韓燁は鎌をかけたが、安楽はしらばくれた。「いつ私が騙したかしら?」仕方なく韓燁は古斉善(コセイゼン)を連れ去るために苑書(エンショ)と刺客に芝居を打たせたことだと言った。「君が嘘をついても私は怒らない、だがいつか君の口から真実を聞かせて欲しい…」すると韓燁は安楽を連れて行きたい場所があると誘った。上元の夜、韓燁と安楽は賑やかな街に出かけた。すると韓燁は安楽を橋で待たせ、うさぎの灯籠を買って戻ってくる。安楽は幼い頃、韓燁と2人で出かけた灯籠祭りを思い出しながら、子供じみていると笑った。「宮殿を嫌う梓元と2人で祭りに来たことがある その時、わずか銅貨10枚のうさぎの灯籠を2つ贈った だがその翌日、16日が梓元の誕辰だと知ってな 私は視察へ発つ直前のため、咄嗟に梓元に文を書いたのだ ″ゆうべの灯籠は誕辰の贈り物だ″と…ふふ、ケチな太子だと思われたに違いない あれから10年が過ぎた…」「些細なことまでよく覚えているのね?」「些細なことではない、靖(セイ)国と帝家の縁談は天下太平のための策であった 梓元とは幼い頃に婚約を交わした、しかし常にそばには侍衛の洛銘西がいたのだ だからあの上元は2人きりの唯一の思い出だ」真実を明かせなくても分かり合える韓燁と梓元だけの記憶、しかしそこへ苑書が駆けつけた。実は忠義侯(チュウギコウ)が除夜の宴に使った刺客を化縁(ケエン)山で始末するつもりだという。安寧(アンニン)は安楽本人から事の次第を聞き出そうと考え、出かけることにした。しかし遊びに来た北秦(ホクシン)の莫霜(モーシュァン)公主に足止めされてしまう。実は冷北(ランベイ)は姜瑜(キョウユ)から軍の名簿を手に入れるよう急かされていた。姜瑜は帝承恩から帝家軍籠絡に協力する約束を取り付けたという。そこで冷北は妹に公主の気を引いてもらい、隙を見て眠り薬を仕込んだ。その頃、化縁山では罠とも知らず、古雲年が息子が来るのを待っていた。するとなぜか皇太子と任安楽がやって来る。…まずい!謀られた!…古雲年は驚いて逃げようとしたが、韓燁と安楽に捕まった。その時、突然、煙玉が爆発、辺りは真っ白な煙に覆われ、刺客たちが襲いかかる。…今度は何者だ?…古雲年は何が起こっているのか見当もつかなかったが、どうやら狙いは自分ではなく皇太子と任安楽だと分かった。多勢に無勢の中、懸命に応戦する韓燁、しかし安楽を助けようとして肩を刺され、崖から転落してしまう。「ハンイエェェェェェェェ!」安楽は無我夢中で韓燁を追いかけ、崖から飛び降りた。姜瑜の企みが成功、皇太子は行方不明となり、古雲年は数々の悪事が暴かれ投獄された。冷北は安寧から盗んだ名簿を姜瑜に送って公主府に戻ったが、何も知らない安寧は泥酔したせいで寝入ってしまったと自分を責めている。「将軍、冷静に、お2人はきっと生きています」実は皇太子と安楽が落ちた地点にはちょうど大河が流れていた。皇帝は内密に皇太子を捜索させていた。それでは手遅れになると安寧は禁衛軍を動かすよう嘆願したが、皇帝は表沙汰になれば民に動揺が広がり、敵国の耳に入れば取り返しがつかないという。安寧は息子より国を案じるのかと父を激しく非難、勅命がなくとも探しに行くと反発した。刑部の大牢では古雲年が拷問でぼろぼろになったところで洛銘西の尋問が始った。「自ら実父に引導を渡すとはな…」息子の供述書を見た古雲年は呆然、これまでの功績が我が子の手により無に帰したと肩を落とした。しかしあくまで刺客の件は知らないと訴える。「ふっ…愚息の証言は全て認めよう、ただし西郊大営が関わる罪状は一切、認めぬ! まったくの濡れ衣だ」洛銘西は古雲年が今さら言い逃れするとは思えなかった。一体、裏で誰が手を回しているのか。…安楽、どこにいる?無事でいてくれ…安楽と韓燁は川に落ちて流され、無事に岸に上がっていた。しかし安楽をかばって刺された韓燁は憔悴し、身体も冷え切っている。「韓燁!死んでは駄目!すぐ迎えが来るから…まだ借りも返していない!」「安楽…温朔(ウェンショウ)は…」「あんな子供の話をしている場合じゃない!眠っちゃダメ!」「私は…」すると韓燁は昏睡してしまう。安楽は韓燁を背負って近くの洞窟まで運んだ。しかし寝ずに介抱を続けても韓燁はなかなか目覚めない。「あなたに前世で借りでもあるのかしら?なぜ私をかばったりしたの? 婚礼が近いのに、10年も待った帝梓元を悲しませるつもり?」「…ただ君を助けたくて」「韓燁?!」韓燁はついに目を覚ました。「初めて己に正直に振る舞った…その結果、君を守ることができて嬉しい」しかし韓燁は再び意識を失ってしまう。翌朝、韓燁が目を覚ますとそばに安楽がいた。「ずっと見守ってくれていたのか?」回復した韓燁は身体を起こしたが、今度は衰弱した安楽が韓燁にもたれかかるように倒れてしまう。その時、韓燁は思わず安楽の肩を確認した。すると確かに傷がある。洛銘西は安楽が海賊との交戦で肩を刺されたと誤魔化していたが、韓燁は嘘だと見抜いた。…君の傷跡を私が見間違うはずがない…帝承恩は皇太子が行方不明と知って失望した。皇太子がいなければ当然、皇太子妃になるという夢はついえてしまう。「君が案じるのは己の栄耀栄華なのか?」慕青(ムーチン)の思わぬ指摘に驚いた承恩は、案じているのは″自分たち″の将来だと言い直した。倒れた安楽を介抱する韓燁。しかしその夜、安楽の身体が冷えていると気づき、抱き起こして温めることにした。梓元を腕に抱きながら、10年越しの想いが天に届いたと感慨深い韓燁、やがて一緒に眠りに落ちて朝を迎える。すると安楽は韓燁の胸の中で目を覚ました。「私なら大丈夫よ…それに太子殿下の腕に抱かれて得した気分だわ」安楽はいつものように茶化して照れ隠しした。「太子を迎えるのは閻魔様でも恐れ多いのね、ふふ、海賊の命に価値などないけれど…」「任安楽の命には価値がある、私が一生をかけて守る価値が…」韓燁はそこで話を切り上げ、食べ物を探しに出かけた。…私ったらこんな荒れ地で何を考えてるの?ふふ、でも今はこの幸せに感謝しよう…つづく( ๑≧ꇴ≦)傷があったぁぁぁぁぁぁ!
2024.04.04
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安乐传 The Legend Of Anle第20話鍾海(ショウカイ)の告発を後押しし、忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)を窮地に追い込んだ皇太子・韓燁(ハンイェ)。今日は任(レン)府で安楽(アンルー)、洛銘西(ルォミンシー)と祝杯を上げながら、除夜の宴に現れた刺客が変わった剣を落としていったと教えた。「私の読みが正しければ朝廷の腐敗を一掃できる、靖(セイ)国に正義が戻るだろう」すると侍従の吉利(キツリ)が駆けつけ、安寧(アンニン)公主が皇太子府で待っていると知らせた。安寧は兄に鍾海の身を守って欲しいと頼んだ。韓燁は忠義侯ならすでに力を失ったと安心させたが、思わぬ事実を知る。「江南で帝(ディ)家が鋳造した銀貨を使った飾り物を見つけたの、その持ち主が鍾海だった」「(はっ!)帝家軍の生き残り?…実は安寧、ある者も江南で鍾海の行方を追っていた」「誰?」「…任安楽だ」一方、洛銘西は翎湘楼(レイショウロウ)に場所を移し、安楽に帝家の潔白を示せる証人がいると明かした。「恐らく安寧は聞いてはならないものを聞いた」安楽はこれまで安寧を巻き込みたくないと拒んでいたが、事情が変わった。…私が安寧の口を開かせないと…安寧は帰りの道すがら、安楽がなぜ鍾海を探していたのか考えあぐねていた。するといつの間にか任府の前に出てしまう。安寧はそこで引き返すことにしたが、その時、夜更けというのに任府の門が開き、安楽と侍女の苑琴(エンキン)が辺りを警戒しながらどこかへ出かけて行った。安楽は人里離れた無縁墓地を訪ね、墓参りを済ませて帰った。安楽を尾行した安寧は誰の墓なのか確認に行ったが、墓標の名を見て愕然となる。「帝燼言(ディジンイェン)?帝家の一人息子…梓元(ヅユアン)の実の弟よ?!」呆然とたたずむ安寧、その様子を安楽が物陰から密かに見ていた。翌日、皇太子府では韓燁が安楽を思い浮かべながら筆を取っていた。書き上げた絵姿は靖南(セイナン)で初めて見た赤い傘を差す美しい任安楽…。「再会していたのに気づいていなかった…」韓燁もまた任安楽が10年も恋焦がれた梓元だと確信していた。「全身全霊で守りたいが、君のそばにいるのはいつもあやつだ…」すると温朔(ウェンショウ)に安楽の姿絵を見られてしまう。「殿下~まもなく妃を迎える方が安楽姐を想うのはまずいのでは?ふふ」「温朔?そう言えばなぜいつも安楽姐、安楽姐と呼ぶ?」温朔は改めて聞かれてもよく分からなかったが、初めて会った時から安楽に親しみを感じたという。「…私より勘が良いな(ボソッ」「そうだ、殿下、刺客が落とした剣は西郊(セイコウ)大営の剣でしたよ!」「フン、やはり忠義侯か…」韓燁は早速、任府を訪ねた。しかし朝も早いうちから安楽と洛銘西が院子で碁を打っている。韓燁は10年前と同じように安楽に張り付く洛銘西に嫉妬しながら、例の刺客は西郊大営の兵士だったと伝えた。安楽は早速、洛銘西と捕まえに行くと言ったが、韓燁はなぜ自分ではないのかと困惑する。( ̄꒳ ̄)<殿下は太子妃が決まって忙しいのだろう?公務もある…フン( ー̀ωー́ )<洛大人こそ己の本分を果たせ!(^ꇴ^)<もういいわ、太子殿下が暇なら一緒に来て~<フフン、楽大人も元気なら共に来ても良いぞ?( ̄꒳ ̄)<幼稚…一方、古雲年は自分を罠にはめた相手とは知らず、左丞相に泣きついていた。姜瑜(キョウユ)は皇帝に弁護しておくとなだめて帰したが、帝承恩(ディチォンエン)の言葉通り任安楽が脅威だと分かる。「忠義侯をここまで追い詰めるとは…何が何でも潰さねば、しかしまずは忠義侯だ 奴が消えれば西郊大営は烏合の衆と化し、国境を侵されてもまともに防げまい、ふふ」安楽たちは刺客を洗い出すため西郊大営にやって来た。すると韓燁が除夜の宴で刺客と渡り合った時、腕を刺したという。「身分は隠せても負った傷は隠せぬ、任安楽、そうであろう?」「…そうね」安楽は肩の傷の件を思い出し、咄嗟に安楽寨にいた頃は多くの傷を負ったと誤魔化した。洛銘西も安楽が海賊との交戦で肩を刺され、三日三晩も昏睡したことがあったと取り繕う。「それは知らなかった…二度と深傷を負わせないよ」「私に深傷を負わせる者など今の都にいない、太子殿下、心配無用よ」安楽たちは除夜の宴の日に留守だった兵士を調べるため、書房で手分けして名簿を探した。自然と安楽を目で追ってしまう韓燁、やがて洛銘西が名簿を見つけたと声をかける。「あったの?!」すると台に上がって探していた安楽が慌ててうっかり足を踏み外した。しかし咄嗟に韓燁が抱き留め、2人は折り重なるように倒れてしまう。その時、安楽が4話で韓燁の碁盤に置いた赤い石が転がり落ちた。「私があげた碁石を持ち歩いているの?」「ぁ…″待った″をかけるのは卑怯だと思っていた だが最近、この石を見て思った、碁とは違い人生は一度きり しくじった時は″待った″をかけても良いかと…」「私がいつ″待った″をかけたの?」「そうだな、記憶違いだ…任安楽、力及ばぬ時には私に助けを求めよ」「殿下こそ″待った″をかけたいことは早く忘れるのが身のためよ」(´・_・`)お、おぅ…結局、除夜の宴に軍営を抜け出した者は見つからなかった。刺客はどうやら西郊大営とは無関係らしい。韓燁はまたしても忠義侯が裁きを免れると落胆したが、安楽はすでに他の証人を見つけていた。古雲年に都を追い出された古斉善(コセイゼン)の一行が郊外で襲撃された。すると覆面の男は護衛たちをあっけなく殺し、車から古斉善を引っ張り出す。しかし危ないところで苑書(エンショ)たちが駆けつけ、刺客を生け捕りにした。「誰の差金?!」驚いたことに刺客は忠義侯府の令牌を持っていた。「申し訳ない、公子、忠義侯の命を受けて口封じに…」古斉善は信じられなかったが、苑書は父親が天秤にかけて息子より忠義侯府を選んだのだと揺さぶった。「辛い決断だったのね、何ならうちの小姐が助けてくれるかも…」朝廷では姜瑜が裏で手を回し、古雲年を糾弾する奏書が皇帝に次々と届いた。しかし急報が届き、古斉善が任安楽に捕らえられ、罪を認めたと知る。「独りで罪をかぶるとは孝行息子だな」「いいえ、陛下、実は古斉善は忠義侯の悪行を暴き立てました」そんな事とはつゆ知らず、古雲年は皇帝に拝謁できる機会を今か今かと待っていた。すると侍衛の李由(リユウ)が急いで左丞相からの文を届ける。…任安楽の追捕(ツイブ)から斉善を救い出した、今夜、化縁(ケエン)山まで迎えに来い…韓燁は御宸(ゴシン)殿に父皇を訪ね、古雲年を弾劾した。皇帝は性急すぎる結論は民も望まないと戒めたが、刺客が落としていった剣が西郊大営の剣だと知ると顔色が一変する。「まさか朕を失望させるとは…太子、この件はそちに任せよう」皇帝は皇太子が任安楽を連れて軍営に行ったと知った。しかし任安楽は褒賞として刀の鞘だけを受け取ったはず、総管・趙福(チョウフク)は任大人もその意を察して皇太子と距離を取っているはずだとなだめる。「それに軍営には洛大人も同行しました 梅花衛の調べによると洛大人は任大人が上京した折に知り合ったようです」「まあよい、見張らせよ」一方、沅水閣(ゲンスイカク)で静養している帝承恩は苛立ちを隠せずにいた。皇太子を呼びに行かせてもなしのつぶて、聞けば韓燁は皇帝を助けた自分ではなく任安楽を訪ねているという。実は任安楽は大晦日の五柳街の火事で皇太子を救っていた。何も知らなかった帝承恩は安楽へ激しい嫉妬の炎を燃やし、慕青(ムーチン)に任府へ行くよう頼む。「任大人を屋敷へ招待したいの」安楽は皇帝が洛銘西と自分の関係を疑って翎湘楼を探らせたと聞いた。琳琅(リンロウ)の機転で事なきを得たが、洛銘西はむしろ堂々としていればいいと笑う。しかし古雲年の失脚も目前、勝負も終盤にさしかかり、安楽は自分たちの間柄も秘密ではなくなると言った。「帝家の汚名をそそぐため正体を明かすと決めたのか?」「決めたわ」「はお…韓燁と帝承恩の婚礼が絶好の機会になる」「決定的な証拠が欠けているけれど…矢をつがえたら射るしかない」安寧には正体をばらしたが、真相を明かすかどうかの決断は本人に委ねるしかない。すると琳琅が苑書を連れて来た。「小姐、帝承恩が沅水閣に招待したいそうです、快気祝いだと…」瑇(タイ)山を調べさせていた韓燁は帝承恩が毎日、欠かさず臨書していた書き付けを手に入れた。確かに梓元の筆跡だったが、本人なら自分の身に起こった事を書き写さずとも忘れるはずがない。…やはり別人だったのか…すると吉利が帝小姐に招かれて任大人が沅水閣へ出かけたと報告した。″12月8日、帝梓元は韓燁と決別″つづく( ๑≧ꇴ≦)もう古雲年のHPは0なのにwwwwww
2024.04.04
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第4話「脱出大作戦」すっかり別人になってしまった聶桑楡(ニェサンユー)に疑念を深める寧鈺軒(ネイギョクケン)。そんな中、大夫人が出て行くと聞いた第二夫人・温婉(オンエン)は真偽を確かめるべく思過(シカ)閣を訪ねた。聶桑楡は温婉の思惑など知らず絶対に出て行くと宣言、親切にも最後の″痕消し膏″を贈ってしまう。寝殿をあとにした温婉は自分が手を下すまでもないと知ってほくそ笑んだ。「檀香(ダンコウ)、これ、あなたにあげる」聶桑楡は痕消し膏で一儲けできると思いつき、千怜雪(センレイセツ)に協力を求めた。怜雪はまた面倒を起こせば鞭打ちどころではないと渋ったが、半夏(ハンゲ)は確かに肩の傷がきれいに治ったと報告し、実はその残りを顔にも使ったという。すると怜雪は言われてみれば最近、半夏の肌が柔らかく、みずみずしいと気づいた。「実は十分な銀子を稼いだら寧鈺軒と別れるの、でも今の私は追い詰められている 皆に嫌われ、傷もまだ治っていないわ、あなたの力が必要なの」「私の?」千怜雪と半夏の宣伝が功を奏し、使用人たちはこぞって痕消し膏を購入した。あとは傷が完治したら離縁して出て行くだけとなった聶桑楡、そんなある夜、怜雪が思過閣に駆け込んで来た。「大夫人、大変です!薔薇園の薔薇が一夜で全部、散りました! あの薔薇がなければ痕消し膏が作れません!」実は温婉の侍女・檀香が薔薇園にお湯を撒き、薔薇を枯らしていた。その頃、鬼白(キハク)は陌玉(バクギョク)侯に今日の大夫人の様子を報告していた。痕消し膏の売り上げは合計90両20文、まだ衣を数枚ほど新調できる額だったが、どちらにしても商売は頭打ちになるという。「薬材となる薔薇が全て散りました」寧鈺軒は誰の仕業か察しがついていたが、聶桑楡がこれからどうやって離縁まで漕ぎ着けるのか興味があった。翌日も痕消し膏を求める使用人の長い列ができた。しかし今日から限定販売になり、すぐ売り切れになってしまう。千怜雪は聶桑楡の指示通り薔薇園の花が全て散ったせいで作れなくなったと明かし、それがかえって購買意欲を掻き立てた。最近では痕消し膏の噂を耳にした令嬢たちからも問い合わせが殺到、聶桑楡は販売を制限することで付加価値をつけることに成功する。一方、茶幇(チャホウ)の阿狼(アロウ)こと袁郎(エンロウ)は寧鈺軒の暗殺を後回しにすると決めていた。「暗殺よりも重要なことがある…」寧鈺軒と本当の夫婦になりたい温婉。そこで観心を買おうと人参の汁物を差し入れたが、自分の世話をする必要などないと追い返されてしまう。「顔色が悪いようだ、そなたが自分で飲みなさい」一方、思過閣にも陶思維(トウシイ)から滋養のある品々が届いた。聶桑楡はなぜ陶思維が自分に親切なのか分からなかったが、苜蓿(ムーシュ)の話では2人は学友だったという。「私を嫌いじゃない人もいたのね…」すると千怜雪が嬉しそうにやって来た。聶桑楡の″痕消し膏を売らない作戦″で、驚いたことに温婉が食いついたという。「温姨娘(イーニャン)は顔色が悪いと候爺に追い返されたとか そこでやっと使用人たちの肌が美しいと気づいて欲しくなったのです でも今は入手困難で誰も譲りたがらない、結局、3倍の値段で手に入れたそうです」「変ねえ~前に1瓶、あげたのに…まあいいわ」聶桑楡は寧府を去る目処がついたため、部屋にある物を何でも持って行くよう勧めた。この屋敷を出たら店を開き、痕消し膏を売るという。怜雪はそんな聶桑楡が羨ましかった。怜雪には科挙を受ける弟がいるため、寧鈺軒の助けが必要で離れることはできないという。「大丈夫よ!助けが必要な時はいつでも会いに来て、だって私たちは最高の商売仲間でしょう?」「うん!」翌日、聶桑楡は政務中の寧鈺軒を訪ね、梨を渡した。いよいよ明日、寧府を出て行くという。「馬車も手配したわ、正門に戌の刻よ、あなたが何を企もうと出て行くから、いいわね!」そして当日、大夫人を見送ろうと正門に寧府の人間が集まった。しかし戌の刻になっても聶桑楡は現れない。実はその時、聶桑楡と苜蓿はこっそり裏門から出ようとしていた。「再見、寧鈺軒!ふん!」聶桑楡はかんぬきを外して門を開けたが、衛兵たちが立ちふさがっていた。聶桑楡の計画は失敗、門を閉じてひとまず落ち着こうとしたが、振り返ると寧鈺軒が立っていた。「簡単に出て行けると本気で思っていたのか?」「性格が合わないなら無理することないわ」「ならなぜ手を尽くして嫁いだ?」「若い娘は愚かなものよ、私も最近、気づいたの」「自分勝手な…誰か、夫人を思過閣へ」「思いやりってものがないの?!あなたみたいな冷血漢、親でも手に負えなかったでしょうね!」両親を持ち出された寧鈺軒は急に顔をこわばらせ、衛兵に聶桑楡を引き渡してしまう。「連れて行け」そこに鬼白が駆けつけた。西の荒れ寺に先日の賊が逃げ込んだ可能性があるという。寧鈺軒は精鋭を連れて荒れ寺に乗り込んだ。しかし流民は数十人、そこで寧鈺軒は流民たちの腕を調べるよう指示する。あの時、阿狼は聶桑楡をかばって腕に矢を受けていた。すると幼い我が子を抱いた母親が寧鈺軒に助けを求めて来る。「大人(ダーレン)、この子を助けてください、もう3日も食べていません!」寧鈺軒は寒そうな母子に自分の外套を掛けることにしたが、その時、母親に腹を刺されてしまう。「グッ…なぜだ…」「悪徳役人は殺す!お前は残酷にも私たちの親族を皆殺しにした! 何が″匪賊を一掃し、民に利をもたらす″よ!」精鋭たちは一斉に流民たちに剣を向けたが、寧鈺軒は追及しなかった。寧鈺軒の怪我は重傷だった。朝廷の役人を刺せば重罪、刑部や大理寺に知られたら母親の命はないだろう。寧鈺軒は今夜の一件を口止めし、自分の手当てより貧しい流民への対応を優先した。実は寧鈺軒がこの数年、匪賊の討伐に力を注いだのは、父の死に関わる茶幇を探り、天下を安定させるためだった。…手厳しくやり過ぎたのか、まさか私が間違っていたと?…寧府を出て行くと決めた聶桑楡は思過閣の物を全て処分していた。閑散とした殿内で悶々とした夜を過ごす聶桑楡、すると突然、腹から血を流した寧鈺軒が現れる。「どうしたの?!すぐ医者を呼ぶわ」「ならぬ、誰も知らせるな…」その頃、寧鈺軒の政敵である右執政・凌剣星(リョウケンセイ)は鬼白が夜更けに独りで都を出たと聞いた。「しっかり見張れ」聶桑楡は寧鈺軒の傷を確認、ひとまず止血薬で押さえたが、出血が酷く飲み薬が必要だった。そこで処方箋を書いて苜蓿に渡す。「薬房で探して煎じてきて」一方、鬼白は寧鈺軒のため薬を手に入れ、都に戻る途中だった。しかし馬が罠にはまって落馬、何者かに捕まってしまう。阿正(アセイ)は鬼白が持っていた薬材を没収し、凌剣星に届けた。「調べたところ、血を止めて痛みを抑える薬です、効き目の強さから深手を追う者が飲む薬かと 念のため金めの物を盗んで山賊を装いました」「引き続き寧鈺軒を見張れ」翌朝、寧鈺軒は無事に目を覚ました。しかし昨夜は激しい痛みのせいで何があったのか覚えていない。「なぜ私はここに?!」「覚えていないの?夜通し薬を飲ませたのよ?」聶桑楡は呆れながら何があったのか説明した。夜更けに寧鈺軒が血まみれで寝殿に現れ、何とか寝台まで運んだが寧鈺軒が言うことを聞かなかったという。ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)<なんてざまなの~ケタケタケタそれでも放っておくわけにいかず、暴れる寧鈺軒の手足を寝台の角に縛りつけ、さらに竹尺で口をこじ開け、馬糞包入りの薬湯を飲ませたという。ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)<だって飲まないと死んじゃうから~ヒャヒャヒャ~いい気分♪つづく※″梨(リ)を送る″=″離(リ)を送る″、別れを告げる意
2024.04.02
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春闺梦里人 Romance of a Twin Flower第3話「離縁状」寧鈺軒(ネイギョクケン)の人気を利用して一儲けしたものの、没収されてしまった聶桑楡(ニェサンユー)。しかし思いがけず陌玉(バクギョク)侯と食事できるなら500両を出すという強者が現れた。そこで寧鈺軒を誘い出そうと殊勝に振る舞ってみたが失敗、侍女・苜蓿(ムーシュ)の話では侯爺の関心と言えば匪賊の討伐だけだという。折しも″阿狼(アロウ)″の名を白状した刺客が急死し、寧鈺軒は血眼になって匪賊を追っていた。「もうお手上げだわ~あの人を動かせるものは何もないの?!」「あ…そう言えば、陛下から下賜された西域の汗血馬がお気に入りです」聶桑楡は寧鈺軒の汗血馬を連れ出し、返して欲しければ魁星(カイセイ)楼へ来るよう書き置きを残した。それにしても聶桑楡はなぜここまで必死なのか。寧鈺軒は聶桑楡の真意を訝しみ、射手を率いて魁星楼へ出かけた。聶桑楡と苜蓿が魁星楼で待っていると寧鈺軒が現れた。「ぁ、夫君!こちらがあなたを慕う高(コウ)小姐よ」すると高小姐は急に逃げ出し、代わりに覆面の刺客たちが現れ、包囲されてしまう。「阿狼と言うのはお前か?」なぜか悠然と構える寧鈺軒、すると外で待機していた射手が一斉に矢を放ち、乗り込んだ。聶桑楡は寧鈺軒が端から罠だと踏んでやって来たと気づいた。すると追い詰められた袁朗(エンロウ)が寧夫人を捕まえ、人質にする。しかし寧鈺軒は妻が盾にされても動じなかった。「代償を払おうともお前を捕らえる」「ふっ、あんたの旦那、にわかに信じ難い非情な夫だな?」その時、袁朗は寧夫人が身に付けている玉に気づいて動揺した。寧鈺軒はそのわずかな隙を突いて矢を放ったが、袁朗は咄嗟に聶桑楡を突き飛ばして助け、窓を突き破って配下と共に逃げてしまう。寧鈺軒は配下に聶桑楡を任せ、残りの衛兵を連れて阿狼たちを追った。しかし山道を馬で駆けて行くと、やがて寺に行き当たる。配下が捜索したが賊を発見できず、寧鈺軒は弟子以外が入れない蔵経閣に踏み込もうとした。すると大師の了然(リョウゼン)が立ちはだかり、一触即発となる。そこへ陶思維(トウシイ)将軍が駆けつけ、寧鈺軒を止めた。陶思維は巡回中に賊を追う寧鈺軒を見かけ、追ってきた。「皇室の廟がある寺だぞ?強引な捜索は死罪になる 私情を交えるな、敵討ちより左執政の立場の方が重要だ 凌剣星(リョウケンセイ)に付け入る隙を与えるな」寧鈺軒は仕方なく引き上げることにしたが、寺を見張らせることにした。阿狼こと袁朗は危ないところを伯父の了然に救われた。それにしても寧夫人はなぜあの玉を持っていたのか。実はあの玉は2つ合わせると満月になる玉佩で、袁朗が幼い頃、ある姉妹に贈ったものだった。了然は袁郎たちをかくまい、寧鈺軒たちを追い返してくれた。「野菜売りの馬車に潜み、お前たちも山を下りるといい あれから随分、時が経った、放念しても良い頃だ、当時のことは今も疑わしいことがあり…」「いいえ、明々白々です!奴も茶幇(チャホウ)を滅ぼそうとしている」「幇主も寧忠天(ネイチュウテン)もすでに他界してしまったのだぞ? お前が寧の息子を討っても因縁が終わることはない」しかし袁郎も寧鈺軒も互いにこの18年、復讐のためだけに生きて来た。「我々の対立が終わることはありません」「お前を寄霞(キカ)山で修行させても無駄だったな、その気性は今も変わらず、父親とそっくりだ」了然はもはや説得をあきらめ、望む通りにやれと許した。その夜、屋敷へ戻った寧鈺軒は前庭で聶桑楡を詰問した。婚礼の日には聶桑楡の凶行に呼応するように刺客が現れ、今度も聶桑楡が魁星楼におびき寄せている。聶桑楡は事情を説明したが、寧鈺軒は聶桑楡と阿狼が手を組んだと信じて疑わなかった。「私は何も知らない!面識のない人よ!」「ならなぜそなたをかばった?!」「知らないったら知らない!何度言わせるの?!」すると寧鈺軒はかつて聶桑楡が作らせた鞭をちらつかせ脅した。「線香1本分の猶予を与える…何と答えるべきかよく考えるんだな!」寧鈺軒は女子を鞭で打つわけにもいかず、ひとまず鬼白と書斎へ戻った。しかしあの様子では本当に偶然だったのかもしれない。鬼白も大夫人は何も知らないようだと進言した。「しばらく放っておけ、あとで思過(シカ)閣へ…」一方、第二夫人・温婉(オンエン)はこの機に乗じて聶桑楡を始末しようと企んだ。そこで王(オウ)嬷嬷(モーモー)を呼び付け、線香が消えたので大夫人を鞭で叩くようそそのかす。「候爺の命令を遂行すればお手柄よ?」温婉は物陰で大夫人が打たれる音を聞きながらほくそ笑んだ。しかし途中で騒ぎに気づいた寧鈺軒が駆けつけ、聶桑楡は危ないところで助けられる。鬼白は直ちに大夫人を思過閣に運んで医者を呼び、手当が終わると寧鈺軒に報告した。「重症でしたが薬さえ塗れば大事には至らず、じきに治るそうです」王嬷嬷に尋問したところ指示したのは温婉だと分かった。寧鈺軒は婚礼で刺された報復だと思ったが、鬼白から当日の思わぬ真相を聞かされる。実は婚礼の時、確かに温婉が寧鈺軒をかばって立ちはだかったが、聶桑楡は直前で思い止まっていた。すると温婉が聶桑楡の手をつかみ、自分で腹を刺したという。「罰を軽くすると条件を出したところ、王嬷嬷が白状しました」寧鈺軒は頭を抱えたが、聶桑楡がこれ以上、騒ぎを起こさぬよう不問にすると決めた。聶桑楡は激しい痛みで目が覚めた。すると看病に疲れた苜蓿が枕元で居眠りしている。聶桑楡は自分に優しくしてくれるのは苜蓿だけだと涙を流し、もはやこの屋敷に残る意味などないと悟った。。゚(∩ω∩`)゚。翌日、寧府に秦奕閑(シンエキカン)と陶思維がやって来た。すでに都では寧鈺軒が妻を打ち据え、聶桑楡が重傷を負ったという噂が広まっているという。秦奕閑は陛下の側近である聶将軍の娘に何かあれば栄達の妨げになると諭したが、陶思維は怒り心頭だった。「金瘡(キンソウ)薬だ、いいか?!今度、彼女を傷つけたら…」「寧 鈺 軒 !」その時、使用人がまだ動けない聶桑楡を長椅子に乗せて運んできた。聶桑楡は寧鈺軒に休書を渡した。「大夫人の座は他の人に譲るわ、明日、大手を振ってここから出て行く! 縁を切るわ、夫なんてもういらない!」秦奕閑は妻の方から離縁するなど聞いたことがないと失笑したが、陶思維は男女身分の別にかかわらず己の過ちを認めるべきだと肩を持った。「あら兄台、良いこと言うわね!」「シィォンタイ?…サンユー、私だ、陶思維だ」すると寧鈺軒は聶桑楡に記憶がないと説明し、2人を追い出した。陶思維は帰り際、聶桑楡に自分の薬を塗るよう伝えたが、寧鈺軒は思わず薬瓶の上に書物を置いて隠してしまう。「いいか、爵位を持つ者の婚姻は陛下が定める、寧府を離れたければ謁見して来い」「はあ?@うさぎ風 ここで話して!信用の置けない私をなぜ屋敷に留めるの?!意地でも出て行くから!」しかし寧鈺軒は使用人に命じて聶桑楡を思過閣に戻すよう命じ、話は記憶が戻ってからだと突っぱねた。聶桑楡は苜蓿に荷物をまとめてすぐ実家へ帰ると伝えた。しかし聶将軍は一家で任地の西北に移ってしまい、しかも嫁いでから父娘の関係が悪化していると知る。母親と妹の取りなしで少しずつ改善はしていると言うが、まさか寧鈺軒のせいで家族とも不仲になっていたとは心外だ。一方、寧鈺軒は鬼白に聶桑楡の様子を聞いていた。鬼白の調べたところ、やはり大夫人の目的は単に銭目当てだったという。「何か言っていたか?そのまま伝えろ」「″寧鈺軒のせいで家族とも不仲になった!我ながら見る目がない!″…あ、夫人の言葉です」「他には?」「″はいつくばってでも銭を稼ぎ、堂々と寧府を出て行く!″…と」「鬼白…あの日、お前が救ったのは本当に聶桑楡なのか?つづく( ๑≧ꇴ≦)転んでもただは起きないポンちゃんイイ!←違うけどw
2024.04.01
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