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岁岁青莲 Blooming Days第10話「秘めたる情熱」慕海瑶(ボカイヨウ)に帰順した振りをして鳴りを潜める駱青蓮(ラクセイレン)。しかし庶室の許寄柔(キョキジュウ)は駱青蓮の思惑に薄々、勘づいているようだった。許寄柔は簡単に信用すべきでないと警告したが、かえって慕海瑶の機嫌を損ねてしまう。賀連信(ガレンシン)は買い物と称して駱青蓮を百珍巷(ヒャクチンコウ)へ連れて行った。すると賀連信が五弟・賀連佐(ガレンサ)の義弟宅で青蓮の侍従・李塘(リトウ)を見た者がいると牽制する。実は慕天殊(ボテンシュ)に銀庫の手がかりを教えて功を立てさせたのは駱青蓮だった。「正夫人の立場を落とし、慕海瑶を持ち上げる魂胆か?何を企んでいる?」「公子、正夫人の無実をご存知なら、私と同じ考えなのでは?」「私?ふっ、私はただの遊び人だ」しかし青蓮は賀連信が遊び人を装いながら、貸付金回収の調査に来たと気づいていた。最近の百珍巷は貸付金を返すために家宝を売りに来る官吏たちで賑わっていた。するとある店で偶然、買い取りを断られている李家の使用人を見かける。賀連信はその家財に価値がないと知りながら、なぜか全て買い取った。賀連信は李家に家財を届けて屋敷を後にした。実は李家は李浅陌(リセンバク)の実家、父親は遊興する他の官吏とは違い、貧民救済のために借金したという。父親はかつて水害に巻き込まれた民を救うため私財をなげうち、賀連信はその姿に深く感銘を受けていた。「彼の志を尊重したい、だが借金を帳消しにする以外、私には何もできぬ せめて娘に赤子を無事に産ませ、その子をしっかりと育ててやりたいのだ この世は不公平だ、だが私は良心を信じる (๑•̀ㅂ•́)و✧」駱青蓮は賀連信の胸には秘めたる情熱があると知った。その頃、王府を抜け出した郡主・賀元雪(ガゲンセツ)も百珍巷にいた。李家の前で馬車に乗り込もうとした賀連信は男装した妹を見かけたが、見失ってしまう。実は賀元雪は三兄に気づき、咄嗟に鍵が開いていた裏門から李家に逃げ込んでいた。すると賀元雪はそこで老爺が刺客に殺される様子を目撃する。「お前は修(シュウ)公子の邪魔だ」しかしうっかり物音を立て、刺客に追われることになってしまう。必死に逃げた賀元雪はいつの間にか侍女と離ればなれになった。ともかく酒楼に逃げ込んで客を装ったが失敗、刺客に見つかって慌てて飛び出して行く。実はその席で酒を飲んでいたのは呂北逸(リョホクイツ)だった。呂北逸は自分の外套と酒瓶を持って逃げ去った娘を追った。やがて空き家で刺客に襲われている娘を発見、高い武功で刺客を蹴り飛ばす。呂北逸は娘から自分の外套を剥ぎ取り、無事に酒瓶を取り返した。実はその酒瓶は青蓮からの贈り物、どうしてもあきらめるわけにいかない。すると娘は空心庵(クウシンアン)まで送ってくれないかと頼んだ。呂北逸は令嬢のお遊びかと呆れたが、賀元雪は籠の鳥でいるより出家した方がましだという。「家には豪華な衣や宝石があるけれど墓場よ 抜け出すには高官に嫁いで別の墓場に行くだけ…私には普通の暮らしができない」「普通の暮らし?…普通ってのはある日、一晩にして全てを失うんだ 分かるか?最愛の人が婚礼を前にして連れ去られ、他の男に嫁いで行く気持ちが」その夜、駱青蓮は許寄柔を牽制するため棲雁(セイガン)楼を訪ねた。「禁足が解かれたのにご挨拶が遅れました…」青蓮は馴れ馴れしく許寄柔の手を取ったが、急に手首をつかまれてしまう。「暉児(キジ)の腕輪は合わないわ」許寄柔は青蓮の腕輪が亡き暉児の形見だと気づいていた。「寄柔夫人は海瑶夫人に忠実なのですね? でも真心に真心で応えてもらえるとは限りません 虎の供をするなら用心しないと襲われますよ?…東籬(トウリ)、帰るわ」漣微居(レンビキョ)へ戻る道すがら、駱青蓮は許奇柔の手が妙だったと漏らした。「赤らんでいたから触ってみたけれど、とても冷たかった どこへ行けばあんなに冷たくなるのかしら?」すると東籬が氷室ではないかと気づいた。しかし真夏でもないのになぜ夜遅く氷室に行く必要があったのか。その話を偶然、通りかかった庶室・葉秀(ヨウシュウ)が聞いていた。葉秀は氷室に向かった駱青蓮たちを尾行、そこで思わぬ事実を知ってしまう。翌日、賀連信は朗月閣で朝食を取りながら慕海瑶の機嫌を取っていた。実は治水工事用の公金が集まり、今日は慕天殊と運ぶことになっているという。すると典宝(テンホウ)署の前で民が騒ぎていると知らせが届いた。「李大人(ダーレン)が…自害したと」驚いた賀連信は何か裏があると気づき、念のため李浅陌には伝えないよう釘を刺して出かけて行った。慕海瑶は李浅陌に出産してもらわなければならない理由があった。すると珍しく葉秀が訪ねてくる。葉秀は権勢を失った正夫人ではなく海瑶夫人に取り入ろうとしたが、慕海瑶は朗月閣に居場所はないと冷たかった。「では朗月閣ではなく氷室だったら?…あなたの赤子のように氷室にいようかしら?」典宝署の前には李大人に恩がある多くの貧民が集まり抗議していた。これも賀連信が借金の取り立てで追いつめたせいだという。しかし賀連信は民の排除を命じず、裏門から密かに公金を運び出すことにした。一方、呂北逸は助けた娘が郡主とは知らないまま、一足先に空き家を後にした。恐る恐る門を開けた賀元雪、すると目の前に足を折られて立ち上がれなくなった刺客がいる。その時、なぜか世子・賀連儲(ガレンチョ)の馬車が現れ、賀元雪は運良く二兄に助けられた。朗月閣の如画(ジョガ)は庭園を散策中だった李浅陌に聞こえるよう、李大人が借金を隠せず自害したと侍女に話した。これを聞いた李浅陌は激しい衝撃で倒れ、そのまま産気づいてしまう。一方、呂北逸は街中で偶然、公金を運送する賀連信の姿を見かけた。するとふいに昨夜の娘の言葉を思い出す。…あなたはただの弱虫よ、自暴自棄になってもさらに尊厳を手放すことになるわ…李浅陌のお産が始まった。寝宮で朗報を待っていた方懐蕊(ホウカイズイ)だったが、葉秀が倒れるように駆け込んでくる。「どうしたの?」「正夫人…慕海瑶の子は死にました…慕海瑶は浅陌夫人の子を奪おうと…グフッ!」すると葉秀はそこで急に血を吐き、意識を失ってしまう。そこへ慕海瑶も産気づいたと報告が来た。朗月閣では慕海瑶の偽装出産が始まった。すると思いがけず方懐蕊が乗り込んでくる。方懐蕊は寝所へ入ろうとしたが、如画や徐良川(ジョリョウセン)たちが全力で阻止、今や女主人は慕海瑶だと反発した。その頃、典宝(テンホウ)署で抗議していた貧民たちは賀連信たちの居場所を突き止めたという男に煽られてついて行った。一方、何も知らず二兄に救出された賀元雪だったが…。つづく( ゚ェ゚)何だか話が見えないw
2024.10.31
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岁岁青莲 Blooming Days第9話「だまし合い」駱青蓮(ラクセイレン)を利用して慕海瑶(ボカイヨウ)を害そうと企んだ李浅陌(リセンバク)。しかし転んだはずの慕海瑶が大きなお腹で寝殿から出て来た。慕海瑶の芝居はうまく行ったように見えたが、方懐蕊(ホウカイズイ)は久しぶりに茶でも飲みながら話したいと牽制する。殿内にいた侍女・如画(ジョガ)は駱青蓮どころではなくなり、慌てて亡骸を隠そうとした。するとその間に駱青蓮が外へ出てしまう。駱青蓮は正夫人に事情を説明した。「禁足を解かれて安(アン)王に謁見して戻った時、医官を案内する如画と会ったのです 海瑶夫人が転んだと聞いて心配になり一緒について来ました ご報告に上がろうとしたらちょうど正夫人がこちらに…」すると青蓮は慕海瑶のお腹の子は無事だと嘘をついた。実は李浅陌はかつて慕海瑶に流産させられそうになったことがある。恐らくその時の仕返しに自分を利用したのだろう。「ところで浅陌夫人、私の髪飾りを返してください 今朝、半秋(ハンシュウ)が拾ったはず…この目で見ました」青蓮は侍女・織月(ショクゲツ)から李浅陌の性格上、こちらが強く出れば自滅すると聞いていた。案の定、李浅陌は明らかに動揺し、それを見た慕海瑶と方懐蕊は全てを悟る。しかし方懐蕊はともかく2人とも無事に跡継ぎを産むことが肝要だとその場を丸く収めた。慕海瑶は棲雁(セイガン)楼の庶室・許寄柔(キョキジュウ)を訪ねた。驚いたことにあの駱青蓮が自分を助けてくれたという。「本当に私の側につくなら鬼に金棒ね」しかし許寄柔はたった5ヶ月で駱青蓮が生き残る術を身につけたとは到底、思えなかった。翌朝、駱青蓮は沈静容(シンセイヨウ)と一緒に驚秋(キョウシュウ)院へ向かう途中、医官を連れた徐良川(ジョリョウセン)と出くわした。いつもなら平然と自分たちを無視する朗月(ロウゲツ)閣の侍従。しかし今日はわざわざ挨拶し、主が腹痛を訴えていると説明してくれた。…私たちにわざと聞かせたのね…やはり妻妾たちの会合に慕海瑶の姿はない。沈静容は正夫人に海瑶夫人の腹痛を報告、驚いた方懐蕊はすぐ侍女に様子を見に行かせた。散会後、方懐蕊は駱青蓮、沈静容と一緒に侍女の帰りを待った。やがて酔柳(スイリュウ)が戻り、確かに海瑶夫人が寝台で苦しんでいたという。「そして見てしまったのです、如画が薬湯にこっそり堕胎薬を入れているところを… 叩いたり罵ったりされて恨んでいる様子でした、その報復かと」駱青蓮は如画が薬を混ぜる意味がないことを知っていた。…手の込んだ芝居ね、正夫人、見に行っては駄目…許寄柔は回廊から駱青蓮の動向を注視していた。果たして駱青蓮は裏切るのか。しかし駱青蓮は正夫人に真実を明かさぬまま、一緒に朗月閣に向かった。方懐蕊は駱青蓮たちを連れて朗月閣を訪ねた。すると慕海瑶が見舞いに来た賀連信(ガレンシン)の前でちょうど薬湯を飲もうとしている。「駄目っ!」方懐蕊は思わず器を払いのけ、慕海瑶の大事な薬を台無しにしてしまう。方懐蕊は公子に如画が堕胎薬を混ぜたと明かした。しかし如画は否定、そこで医官に調べさせたところ、薬湯に堕胎薬は入っていないと分かる。酔柳は確かに如画が毒を入れるのを見たと証言し、沈静容も酔柳の報告を正夫人と一緒に聞いたとかばった。そんな中、駱青蓮だけが高みの見物を決め込んでいる。すると賀連信は我が子を失った正夫人を休ませると口実をつけ、内向きの采配を慕海瑶に任せた。駱青蓮の忠誠を試すため、大掛かりな茶番を仕組んだ慕海瑶と許寄柔。どうやら駱青蓮は本気で自分たちに基準するようだ。すると朗月閣に駱青蓮がやって来た。ご機嫌な慕海瑶は駱青蓮に椅子を進めて茶まで出し、すっかり成長したと褒める。そこで公子の買付金回収に兄・慕天殊(ボテンシュ)を手伝わせると伝えた。許寄柔は駱青蓮と一緒に朗月閣を後にした。「どんなことを学んだの?」「難を知り、退くことです」「退くことでさらに前進するためでは?」すると許寄柔は別れ際、駱青蓮に蜘蛛の巣の切り絵を渡して帰って行った。「″蜘蛛の巣を張りて待ち得る大量の糧″…蜘蛛は辛抱強く待つのが得意よ」許寄柔の目利きはあなどれない。青蓮は慕海瑶がここまで上り詰めたのも許寄柔の力が大きいと知った。賀連信は今回の一件を静観していた駱青蓮が何か隠していると疑った。そこで漣微居(レンビキョ)を訪ねて迫ってみたが、運悪く急ぎの知らせが来る。賀連佐(ガレンサ)が典宝(テンホウ)署の前で物売りをしているというのだ。そこで駱青蓮は機転が利く駱青蓮を一緒に連れて行くことにした。典宝署の門の前にはすでに人だかりができていた。すると賀連佐は三兄の借金取り立てのせいで官吏たちが今にも自害しそうだと訴え、自分たち兄弟も貧しい暮らしを強いられているという。そこへちょうど役人が借財の返済にやって来た。しかし世子の侍従・宋安(ソウアン)に止められ、追い返されてしまう。その様子を見た賀連信は世子たちが貸付金回収を邪魔していると分かった。賀連信は慕天殊に銀子の穴埋めの仕事を頼んでいた。すると慕天殊が手がかりを見つけたと報告、早速、銀庫の裏庭へ向かう。「ここで何がある?」「見ていてください、でも青蓮姑娘は外していただいたほうが…」「構わぬ」その時、下履き姿の男たちが次々と出て来た。驚いた賀連信は慌てて青蓮の目を手で隠し、一体、何事かと困惑する。「毎日、勤めを終える度、こうして手を上で叩き、腰掛けを飛び越えさせます どこにも銀子はないと証明するのです、それでも銀子は盗まれるとか」そこで賀連信は男たちに衣を着るよう命じ、身体が温まるよう生姜汁を差し入れた。賀連佐は容赦ない三兄のやり方を激しく嫌悪した。まさか汁物に巴豆(バズ)を入れて腹を下させ、尻に隠していた銀子を出させたとは。しかし配下を買収して銀子を盗んでいた黒幕は自分の妻の弟だった。夫人に泣きつかれた賀連佐は翌日、しぶしぶ貸付金の返納に向かう。一方、駱青蓮は朗月閣を訪ね、慕天殊の助力により貸付金の半分を回収したと報告した。「海瑶夫人にお祝い申し上げます」許寄柔は駱青蓮の話を聞いてもどこか冷ややかだったが…。つづく(´゚艸゚)∴ウッ!色々な意味でキモいw
2024.10.29
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岁岁青莲 Blooming Days第8話「消えた銀子」賀連信(ガレンシン)は駱青蓮(ラクセイレン)の住まいを漣微居(レンビキョ)に移した。ここは景色がとても美しく、懐妊中の側夫人・李浅陌(リセンバク)が希望しても与えられなかったという。屋敷では使用人たちが新しい主を出迎えた。そこで青蓮はここでは誰もが平等であり、忠誠も求めず、去就も自由だと伝えておく。「己の心に従って、決して責めたりしないわ」使用人たちは呆気に取られていたが、駱青蓮の美しく凛とした姿にすっかり感化された。しかし引っ越して早々、青蓮は賀連信から1年間の禁足を命じられてしまう。侍女の東籬(トウリ)は困惑したが、当の青蓮は賀連信なりに理由があるのだろうと理解を示した。…民思いの賀連信なら曲涼(キョクリョウ)の明主になる、ただ慕海瑶(ボカイヨウ)が腹黒く、慕家も大きな力を持つ、いずれ賀連信に害を及ぼすかも…その夜、慕海瑶は侍女・如画(ジョガ)から駱青蓮の様子を聞いた。何でも新居に移って早々、禁足になり、使用人も融通が利かない無能な者ばかりだという。しかし慕海瑶は駱青蓮を警戒、棲雁(セイガン)楼に使いを出すよう命じた。…駱青蓮の追放…すると慕海瑶の文を読んだ棲雁楼の主はすぐ燃やしてしまう。七弟・賀連倚(ガレンイ)は三兄が父王のお気に入りである駱青蓮を禁足にしたと聞いて驚いた。しかし賀連信は屋敷の内情を知らない駱青蓮がここで生き抜くには待つことを覚える必要があるという。その頃、駱青蓮は信宅の内情を知るため、侍従・李塘(リトウ)、侍女・織月(ショクゲツ)と染雲(ゼンウン)を集めた。3人は古株ながら実直なせいで主に好かれず、これまでに仕えた人数が多いという。…なるほど、公子は先を見越してこの3人を私につけたのね…青蓮はこれまでの屋敷の出来事や妻妾たちの性格などを聞き出し、飲食の担当で唯一、外と連絡が取れる東籬には各部屋の一挙手一投足を見張るよう命じた。駱青蓮は賀連信の期待通り、待つことを覚えた。しかし5ヶ月が過ぎたある夜、東籬が寝所に駆けつけ、賀連信が急に王府に呼ばれたと報告する。「何があったのかしら?」実はこの激しい雷雨で曲涼河の堤防が決壊した。安王は治水工事を命じるはずだったが、税収を収める銀庫が空、未払いの手形だけしかないと知る。激怒した安王は息子や重臣たちを呼びつけ叱責、誰かに貸付金の回収を任せると決めた。すると四子・賀連修(ガレンシュウ)と結託する右長史・袁百里(エンヒャクリ)が賀連信を推挙する。「貸付金の回収は曲涼中に影響が及びます 手違いがあれば民の不満を招き、混乱が生じるでしょう そのためにも徳や仁が不可欠ですが、″時間の猶予″がある方が適任かと…」袁百里は賀連信が遊び人を装っているのを利用し、まんまと嫌われ役を押し付けることに成功した。李浅陌は明け方だというのに苦い薬湯を飲まねばならなかった。「ゲッ!いつまで耐えればいいの?」すると薬材を取りに行った奴婢・半秋(ハンシュウ)が戻って来る。実は帰り道で禁足中の駱青蓮とすれ違ったというのだ。「蘇南春(ソナンシュン)と連れ立って足早に通り過ぎたのです、その時、これを拾いました」急いでいた駱青蓮はうっかり髪飾りを落としていた。李浅陌は駱青蓮の髪飾りを受け取ると、慕海瑶がまだ何も知らないはずだと気づく。「あの人は駱青蓮を憎んでいる…」窮地に追い込まれた賀連信は駱青蓮を呼び出し、父王の寝宮を訪ねた。しかし父王から買付金回収の件で駱青蓮を連れて来たと見抜かれてしまう。「お見通しでしたか…私では力及ばず、ご迷惑にならぬか心配です」「青蓮はどう思う?」すると青蓮は安王の子息である信公子ならできると答えた。安王は機嫌取りも上手いと失笑、5ヶ月も禁足にされて不満はないのかという。「禁足も悪くありません、この五月(イツツキ)の間に多くのことを学びました」「そうか、ふっ…優しさの形はそれぞれだ 老三がそなたを労っているように、私も息子に愛情を注いでいると思わぬか?」その時、賀連信は父王が何か意図があってこの件を自分に任せたと気づいた。「必ず父親(フーチン)の期待に応えます!」一方、慕海瑶は李浅陌からの知らせで禁足のはずの駱青蓮が外に出たと聞いた。今や公子の心にいるのは駱青蓮だけ、激しい嫉妬に駆られた慕海瑶は大きなお腹を抱えて朗月閣を出たが、足を滑らせ転倒してしまう。賀連信は駱青蓮を屋敷まで送り届け、出かけて行った。安王の狙いは一体、何なのか。青蓮が考え事をしながら寝宮へ到着すると、朗月閣の侍従・徐良川(ジョリョウセン)が待っていた。慕海瑶は駱青蓮が正殿に入ると扉を閉めた。何やら異様な雰囲気に戸惑う青蓮、すると驚いたことに慕海瑶が赤子を抱いている。「もうお生まれにって…いつの間に?」「私の子を見て、可愛い?」青蓮がおくるみの中をのぞくと、赤子は死んでいた。「この子は死んだ…あなたのせいよ!」慕海瑶は駱青蓮の髪飾りを示して激高した。ようやく髪飾りがないことに気づいた青蓮は罠にはめられたと分かったが手遅れ、外に出られない。しかしその時、外から嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)の声が聞こえた。↓ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ慕海瑶は如画(ジョガ)に駱青蓮を拘束させ、耳をすませた。侍従は扉を開けられないと拒んでいたが、方懐蕊は慕海瑶が転んだと聞いて駆けつけたという。その時、思いがけず李浅陌の声が聞こえた。「正夫人に逆らうつもり?!やけに邪魔するけれど赤子に何かあったの?」李浅陌は自分の侍女が確かに海瑶夫人が転倒して出血するのを見たと訴え、駱青蓮の髪飾りを踏んだことが原因だと口を滑らせた。駱青蓮は朝方、出かける際に李浅陌の侍女とすれ違ったことを思い出した。一方、慕海瑶も自分が転んだ原因を知る李浅陌こそ黒幕だと気づく。そこで咄嗟にお腹に詰め物を入れ、大きなお腹で部屋を出た。「確かに転びました、でも天のご加護があります 私の子を害そうとしても無駄ですわ…ねえ、妹妹?」つづく(  ̄꒳ ̄)このネタ満載の懐かしさよwww
2024.10.27
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岁岁青莲 Blooming Days第7話「新しい味方」世子の刺客に狙われ、追われる身となった駱青蓮(ラクセイレン)と賀連信(ガレンシン)。青蓮は誰か頼れる人がいないか聞いたが、賀連信は父王以外、誰も信じるなという。「正夫人や海瑶(カイヨウ)夫人は?」「…価値がなくなれば捨てられる」「徳(トク)夫人もそうだったの?」青蓮は賀連信がうわ言で母を呼んでいたと明かした。賀連信が夫人たちの真心を信じられないのも、亡き母が関係しているのかもしれない。すると気まずい賀連信は聞いたことを全て忘れるよう命じ、呂北逸(リョホクイツ)にとっても一番大事なのは功名だと指摘した。「賭けをしないか?…いつか答えは出る、その時、私に泣き顔を見せるなよ?」「そんな日は来ないわ」翌朝、信宅から逃亡した呂北逸と東籬(トウリ)は無事、呂家村に到着した。駱青蓮とは村の入り口で合流する約束になっている。呂北逸はひとまず実家に戻ったが、先に引き上げた家族は賎民に落とされた苦しみから心中していた。賀連信は恩人である駱青蓮を解放すると決め、呂家村まで送った。「皆にはお前が死んだと言う、呂北逸と2人で好きな所へ行くといい」「私たちを自由にしてくれてありがとう」後ろ髪を引かれる思いで立ち去ろうとする賀連信。しかしその時、東籬が独りでやって来た。すると東籬は急に泣き出してしまう。呂北逸は墓標用の木を手に入れて墓へ戻った。すると墓前にいる駱青蓮と賀連信の姿に気づき、物陰に身を潜める。青蓮は自責の念に苦しみ、呂家のために白魚のような手で墓標を削っていた。しかし見かねた賀連信が強引に木材を取り上げ、青蓮の代わりに墓標を完成させる。「私と帰らないか?出世した暁には呂家を赦免する」その時、突如、林の中から賀連信めがけて矢が飛んで来た。「危ない!」弓矢に気づいた青蓮は咄嗟に賀連信を突き飛ばし、難を逃れた。世子の刺客が賀連信を襲撃した。海瑶夫人の兄・慕天殊(ボテンシュ)と嫡妻の弟・方爾格(ホウジカク)も近くまで来ていたが、賀連信が劣勢と見るや静観を決め込む。しかし七弟・賀連倚(ガレンイ)が精鋭を率いて現れ、刺客を排除した。すると刺客はその場で自害してしまう。「三哥!ご無事で!」そこへ何食わぬ顔で慕天殊と方爾格が駆けつけ、遅参を謝罪した。↓七弟駱青蓮は賀連信の無事を見届け、ここで別れることにした。しかし賀連倚が唯一の証人である駱青蓮を制止、拝跪して兄を助けて欲しいと懇願する。駱青蓮はともかく呂北逸が来るのを待つと決めたが、結局、呂北逸が姿を見せないまま夜が明けた。駱青蓮は賀連信との賭けに負けた。賀連信に泣き顔を見せまいと、あふれ出す涙を拭う青蓮。「屋敷に戻って手助けするわ、その代わりいつか必ず呂北逸を助けて欲しい」「権力さえあれば必ず呂北逸を賎民から解放すると誓う」すると青蓮は肌身離さず持っていた櫛を取り出した。「この櫛で誓いを…」青蓮は墓前に櫛を備え、賀連信たちと帰って行った。…共に白髪になるまで…当時、呂北逸が青蓮に誓いの品として贈った櫛。呂北逸は誰もいなくなってから墓の前に駆けつけ、青蓮が置いた櫛をそっと取り上げた。↓マイマイ…(´-ω-。` )無事に王府へ戻った賀連信と駱青蓮。安(アン)王は自ら駱青蓮を審問したが、世子の証言とは全く逆だと首をかしげた。賀連儲(ガレンチョ)は老三が自分を襲撃したと訴え、賀連信は負傷して覚えていないとしらばくれたという。しかし青蓮は山崩れが賀連信を狙ったものだったと証言した。「信公子が民をかばって負傷するところを見ました」その時、総管・于徳常(ウトクジョウ)が駆けつけ、暗衛の密折を届ける。…信公子は墓参りの道中で民を救済中に巨石にて負傷、世子が民の生死も顧みず信公子を害そうと陥れたため…王府で受封の式典が始まった。皇帝の勅命により安王の長子・賀連伯(ガレンハク)が郡王に、四子・賀連修(ガレンシュウ)が奮威(フンイ)将軍に、五子・賀連佐(ガレンサ)が鎮護(チンゴ)将軍にそれぞれ封じられる。世子は賀連信が排除されたとほくそ笑んだが、安王は最後に賀連信を御前に呼んだ。緊張が走る朝廷、世子は老三が罰を受けると信じて疑わなかったが、思いがけず父王は三子・賀連信を昭徳(ショウトク)将軍に封じると命じる。「父王に心より感謝いたします」「礼を言うべきは駱青蓮にだろう」すると安王は駱青蓮を呼び、主を救った忠誠心を誉めて亡き王妃の玉笛を下賜した。「終生、死を免ずる」式典が散会、賀連信は駱青蓮を人けのない楼閣に呼んだ。「世子の謀略だとなぜ父王に言わなかった?」「告げれば讒言と受け取られ、処罰されたのは公子の方だったわ あなたが忘れたというなら、妾の私も黙らなくては…」青蓮は改めて賀連信の妾となり、これから一生、苦楽を共にすると誓った。「では誰なんだ?暉児(キジ)を殺したのは?」「…証拠はないけれど確信しています、海瑶夫人よ」信宅に主が戻ってきた。出迎えた妻妾たちは賀連信の受封を祝って拝礼したが、嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)だけはひざまずいたまま罰を請うという。「公子の苦難を知りながらおそばでお仕えできませんでした 弟が大事な時に出兵しなかったのは…私が命じたからです」方懐蕊は正室を廃して欲しいと言ったが、賀連信は夫だけでなく一族の繁栄も背負わねばならない方懐蕊の苦労を重々、理解していた。「私は再起を図る、再起できねば方家の婿とは名乗れまい、そなたを責めはせぬ」すると賀連信は駱青蓮の功績を認め、住まいを漣微居(レンビキョ)に移すと伝えた。「そう言えば海瑶がいないが?」「公子に合わせる顔がないと… 実は事前に世子より何かをつかみながら握りつぶされたようです」慕海瑶は賀連信が正夫人を許すと分かっていた。「公子には方氏一族の助力が必要よ 残念ながら見誤ったわ、夫となる人と駱青蓮を…」賀連信が妻妾たちを連れて朗月(ロウゲツ)閣を訪ねた。しかし思いがけず診察に来ていた医者と鉢合わせになり、海瑶夫人が懐妊したと知る。慕海瑶を訝しんでいたはずの賀連信は態度が一変、その様子を目の当たりにした方懐蕊は表情を曇らせた。つづく( ゚ェ゚)前フリが長かったけれど、これでようやく信宅での新生活が始まるのね…
2024.10.26
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岁岁青莲 Blooming Days第6話「世子の策略」これまで保身ばかりを考え暮らして来た沈静容(シンセイヨウ)だったが、駱青蓮(ラクセイレン)の誠意に心を打たれ、勇気を取り戻した。「これからはあなたを妹妹だと思う、あの証言も中途半端だった 実は…はっきり見たの、あれは嵐児(ランジ)だった」如画(ジョガ)が見張っていると、嵐児が慌てた様子で且歌苑(ショカエン)から飛び出して来た。そこで後をつけたところ、裏門で世子の侍従・宋安(ソウアン)と落ち合っている。「世子に言づてを…これで命を助けて欲しいの」嵐児は駱青蓮を始末できなかった代わりに包みを渡していたが、如画にはそれが何か分からなかった。嵐児は慕海瑶(ボカイヨウ)に捕縛され、朗月(ロウゲツ)閣に連れ戻された。慕海瑶は世子に何を渡したのか追及したが、嵐児はこれまで人間扱いされず虐げられて来たと鬱憤を晴らし、不敵な笑みを浮かべる。「あなたが私にお願い?ふっ、まさかあなたが下手にでるとはね」「いいわ、公子のため、どうかお願い」その頃、ちょうど駱青蓮と嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)が嵐児を捕えようと朗月閣に向かっていた。しかし一足遅く、中院ですでに息絶えた嵐児を発見する。慕海瑶は嵐児が男と密会していたと説明し、軽い罰を与えていたところ自害したと涙を流した。嵐児が世子に渡したのは隠し部屋から盗んだ翡翠の白菜と文だった。…賀連信(ガレンシン)が世子の罪証を隠し持っています下賜品を横領した翡翠の白菜、他にも賄賂の授受、官吏の恐喝、男妾を囲うなど、証拠の品は100点以上です…その夜、証人を失った駱青蓮は呂北逸(リョホクイツ)を逃がして捕まり、且歌苑に連行された。「お前の望みを叶える」賀連信は怒りに震えながら剣を振り上げたが、突然、安(アン)王からの勅命が届いた。「明日の王妃の命日、世子と信公子は青蓮姑娘を伴い、墓参りして孝心を表すように」賀連儲(ガレンチョ)は老三に不正を暴かれれば世子の座を失うと恐れた。そこで墓参りを利用して賀連信を始末しようと画策、道中に刺客を忍ばせる。一方、駱青蓮も脱走する機会をうかがっていた。墓参りの一行が山道に入った。爆薬を用意した刺客たちは世子を巻き込まないよう頃合いを見計らっていたが、その時、駱青蓮が急に具合が悪くなったと訴え、一行を止めてしまう。賀連信は馬を降りて逃亡しないよう警告したが、その時、激しい爆発音と共に山崩れが起こった。駱青蓮は何とが大岩の影に身を潜めて難を逃れたが、賀連信は落石で足を負傷してしまう。慕海瑶は世子が賀連信を見逃すとは思えなかった。しかし如画は助けに行けばなぜ内情を知り得たのか問われることになり、自白も同然だと止める。「邪魔しないで!公子に何かあったら許さないから!」そんな2人の言い争いをちょうど朗月閣にやって来た方懐蕊が聞いていた。方懐蕊はいきなり慕海瑶の頬を引っ叩いた。実は賀連信が道中で事故に遭い、生死不明だという。「公子が事故に遭うと知っていたのね、″旦那様が危ない″と言ったでしょう? 恐ろしい人!暉児(キジ)だけでなく夫まで奪うつもり?!」しかしその時、世子の来訪を知らせる前触れが聞こえた。賀連儲は護衛兵を引き連れ、信宅に乗り込んだ。実は賀連信の配下が山頂で待ち伏せ、自分の馬車を襲い、無垢な民まで巻き添えになったという。しかし思いがけず西曲(セイキョク)兵営にいるはずの老七・賀連倚(ガレンイ)が兵を連れて駆けつけた。「三哥の危難ゆえ参上しました、私が三哥を連れ戻し、自ら潔白を証明させます!」賀連儲は憤慨したが、七弟の精鋭を前に仕方なく引き上げた。すると宋安から老三だけでなく駱青蓮にも逃げられたと聞かされる。「全てが水の泡だ!草の根をかき分けても探せ!」賀連信を救ったのは駱青蓮だった。青蓮は幼い子供を助ける賀連信の姿に心を打たれ、洞窟にかくまい、薬草で手当てしながら苦労して担架を編んでいる。しかし駱青蓮を息子の敵と信じる賀連信は何か企みがあって自分を助けたと疑った。「私を狙ったのは世子か…実の兄に狙われる私を見て同情したのか?」「その様子ならあなたも同類ね、跡目争いをする人は皆、非情よね」一方、慕海瑶は兄・慕天殊(ボテンシュ)を頼った。賀連信が罰を受ければ妻妾はもちろん、一族も処罰を免れないだろう。慕天殊は賀連信を信じると安心させ、必ず疑いを晴らすと約束した。その夜、正夫人の弟・方爾格(ホウジカク)は慌てて駆けつけた。実は世子が父に罪を着せ、安王に裁いてもらうと脅してきたという。「″父親と一族の存亡は懐蕊にかかっている″と… 信公子が捕まれば方一族も確実に巻き込まれます」翌朝、駱青蓮は賀連信を連れて荒れ廟に移動し、医者を呼ぶことにした。しかしすでに自分たちの捜索で町は兵士だらけ。そこで顔を隠し、咳き込みながら病を装って医館に駆け込む。さすがに兵士たちも麻風(マフウ)と聞いて伝染を恐れ、近寄ろうとしなかった。駱青蓮は賀連信の足を医者に診せた。持ち合わせがない賀連信は治療代の代わりに高価な玉を渡し、わだかまりが解けないまま2人で急ぎ出発する。しかし運悪く官兵が荒れ廟の捜索にやって来た。駱青蓮と賀連信は咄嗟に庭の物陰に隠れた。するとまだ廟に残っていた医者が捕まり、玉を持っていたせいで賀連信の治療をしたことがばれてしまう。賀連信は医者を見捨てられず、兵士に襲いかかり医者を逃した。しかし足の怪我を狙われ、危うく斬られそうになってしまう。その時、背後から駱青蓮が兵士を短剣で刺した。駱青蓮のおかげで命拾いした賀連信だったが、こうして息子も殺したのかと逆上した。呆れた青蓮は自分が下手人なら賀連信を見捨ててとうに逃げていると反発、すると無理に足を動かしたせいで賀連信は急に意識を失ってしまう。賀連信は亡き母の夢を見ていた。「娘(ニャン)…会いたい…」駱青蓮は高熱でうなされる賀連信の汗を拭っていたが、その時、賀連信が不意に目を覚ました。「娘!」賀連信が母の手だと思ってつかんだ腕は駱青蓮だった。「大勢があなたを探してる、誰か頼れる人を…」「誰も信じるな、王府へ行って父王に頼るしかない」「正夫人や海瑶夫人は?」つづく( ๑≧ꇴ≦)久しぶりの馬芸!
2024.10.24
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岁岁青莲 Blooming Days第5話「陰謀の渦の中で」賀連信(ガレンシン)の長子・暉児(キジ)が急逝、駱青蓮(ラクセイレン)の閨房で発見された。確かに暉児は猫が死んだ件で駱青蓮を訪ねたが、一人で飛び出して行ってからのことは青蓮にも分からない。しかし慕海瑶(ボカイヨウ)の侍女・嵐児(ランジ)が駱青蓮と侍女が包みを持って出て行く様子を目撃し、不審に思って部屋の中をのぞいたところ、暉児を見つけたと証言した。賀連信は息子に脱走を知られた駱青蓮の犯行だと誤解し激怒、駱青蓮と呂北逸(リョホクイツ)を池に沈めるよう命じる。その時、侍従・蘇南春(ソナンシュン)が慌てて止めた。「安王のお言葉をお忘れですか?!」賀連信は駱青蓮を妾として扱わないと父王と約束していた。すると青蓮は自分が下手人を見つけたいと嘆願、もし見つからなければ潔く死を賜るという。賀連信は許可する代わりに呂北逸を拘束し、下手人を捕まえるまで水も食事も与えるなと命じた。駱青蓮は真っ先に驚秋(キョウシュウ)院に正夫人を訪ねた。悲しみに暮れる方懐蕊(ホウカイズイ)は門前払いしたが、中院から駱青蓮の訴えが聞こえて来る。「正夫人、ご存知でしたか?…小公子は本当は孤独だったのです」青蓮は暉児が猫だけが友だったと吐露していたことを明かし、安心して眠れるよう送りたいと懇願する。すると方懐蕊が門を開けた。駱青蓮は正夫人から使用人たちを取り調べる権限を得た。そこで翌日、全ての使用人たちを集め、1人ずつ部屋に呼んで質問する。使用人たちは部屋に入ってもすぐ出て来たが、最後に呼ばれた慕海瑶の侍女・如画(ジョガ)だけはなかなか戻らなかった。慕海瑶は悪知恵が働く嵐児と違って賢くない如画を心配し、しびれを切らして迎えに行ってしまう。その頃、青蓮はのらりくらりと如画を引き留めていた。青蓮は如画の集中力が切れた頃を見計らい、嵐児が白状したと鎌をかける。「海瑶夫人は殺す気などなかった、だけど如画のせいで誤って…」「嘘です!本当は嵐児が…(はっ!)」如画はうっかり口を滑らせそうになったが、その時、慕海瑶が現れ、強引に連れて帰ってしまう。駱青蓮は慕海瑶が下手人だと確信した。そこで隣の閨房に住む妾・沈静容(シンセイヨウ)を訪ね、何か見ていないか聞いてみる。沈静容は明らかに何か隠している様子だったが、頑なに知らないと否定した。暉児の出棺の日、世子・賀連儲(ガレンチョ)が父王の代理で見送りに来た。侍従・宋安(ソウアン)は駱青蓮がまだ生きていると知り呆然、密かに嵐児を呼びつける。「世子の銀子では不足だと?…あの女が死なないならお前が死ね!」宋安に脅された嵐児は駱青蓮が留守のうちに閨房に侵入し、急須の茶に毒を混ぜた。方懐蕊は慕海瑶が怪しいと知り、ひとまず自分の寝宮に呼んで足止めさせた。その間に流雲小築(リュウンショウチク)で沈静容を審問することにする。沈静容は何も見ていないと答えたが、方懐蕊は話すまで叩くと言い出した。焦った駱青蓮は自分が沈静容を説得したいと申し出る。実は策を用いて沈静容から証言を引き出すこともできたが、こうして正夫人に相談したのは沈静容を守ってもらうためだという。「姐姐を巻き込みたくはありません、でもこのままでは無実の罪で死んでしまう者がいます どうか私をお助けください、来世は牛馬となりご恩をお返しします」それでも沈静容は口を開かなかった。方懐蕊はやはり棒打ちすると決めたが、青蓮はならば自分を打って欲しいと罰を請う。「いいわ、容赦しない」「話します!」すると沈静容はついに勇気を出して証言した。「あの夜、丫头(ヤートー)が袋を抱えて青蓮姑娘の部屋に入るのを見ました 袋の膨らみからして子供の大きさかと…」ただ奴婢の顔までは暗くて分からなかったという。青蓮は沈静容に心から感謝したが、その時、突然、血を吐いて倒れた。駱青蓮は嵐児が毒を入れたお茶を飲んで倒れた。方懐蕊はすぐ医者を呼んだが、手の施しようがないという。すると虫の息となった青蓮は付き添っていた沈静容に呂北逸に伝えて欲しいと頼んだ。方懐蕊が驚秋院に戻って来た。「部屋から出ずに人の命を奪うとは大したものね」駱青蓮が毒を盛られたと聞いた慕海瑶は自分ではないと否定したが、少なくとも正夫人に疑われていることは明らかだった。「因果応報という言葉を知ってる?」「ええもちろん、私は公子に尽くしています、だから寵愛を頂けるのです」方懐蕊はそのふてぶてしさに嫌気が差し、そこで慕海瑶を帰した。しかし慕海瑶も本当に誰が駱青蓮に毒を持ったのか知らなかった。「まさか如画?…いいえ、嵐児だわ」沈静容は意識が朦朧とする呂北逸に許可なく水を飲ませ、出し殻を見せて解毒法を聞き出した。その様子を見た嵐児は危険を感じ、荷物をまとめて逃げることにする。しかし如画が偶然、嵐児の姿を見かけ、後を追いかけた。すると嵐児が沈静容と鉢合わせしそうになり、慌てて近くの且歌苑(ショカエン)に逃げ込んでしまう。嵐児は身を隠した部屋で美しい花瓶を見つけた。そこで花瓶の模様を見ようと手をかけたが、急に壁が開いて隠し部屋が現れる。一方、駱青蓮は沈静容の解毒薬のおかげで九死に一生を得た。「このご恩にどう報いたらいいのか…」「屋敷に来て4年、私は臆病過ぎた、保身ばかり考えていたわ あの証言も実は中途半端だったの」つづく
2024.10.23
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岁岁青莲 Blooming Days第4話「運命への立ち向かい方」安(アン)王は三子・賀連信(ガレンシン)の希望通り駱青蓮(ラクセイレン)を妾として娶ることを認めた。側仕えの蘇南春(ソナンシュン)は早速、祝言の準備に取り掛かろうと言ったが、賀連信はその前にやることがあると出かけてしまう。その夜、閉鎖された医館の前で飲んだくれていた呂北逸(リョホクイツ)の前に賀連信が現れた。賀連信はわざと駱青蓮を妾にすると教えて挑発、呂北逸を奮起させる。「お前は名誉挽回したいのだろう?」「そうさ、だが王爺の裁きを誰が覆せると?」「…私だ」三子側室・慕海瑶(ボヨウカイ)の企みは失敗。安王の歓心を買うどころか夫が駱青蓮を見初めたと知って激しく嫉妬した。そんな中、ついに駱青蓮が新しい妾として流雲小築(リュウンショウチク)に到着する。不満を募らせた駱青蓮は輿から降りるなり紅蓋頭を投げ捨てたが、慕海瑶から無礼だと叱責され、棒叩き20回を命じられてしまう。そこへちょうど賀連信の嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)が現れた。正夫人は意外にも駱青蓮を気に入り、罰なら公子に委ねようという。すると賀連信が安王の勅命を持って帰って来た。「三子・賀連信に駱青蓮を妾として与える、異論は認めない」賀連信が駱青蓮の閨房に入った。駱青蓮は約束通り妃候補選びに参加したので取り引きは終わったはずだと訴えたが、賀連信は歯牙にも掛けない。「父王から妾として扱わないよう言われたよ 夫婦になったのだ、妻の実家を脅すわけにはいかないな」賀連信は母・駱恭(ラクキョウ)が署名した契約書を目の前で燃やしてくれたが、駱青蓮は離縁状が欲しいと食い下がった。「では呂北逸のことはいいのか?」賀連信は駱青蓮を連れて馬屋に向かった。すると驚いたことに賤民となった呂北逸が信宅で下働きしている惨めな姿を目の当たりにする。…呂北逸、お前は志が高く、策士としていずれ誰かに招かれよう私に機会があれば賎民の籍から解放してやる…呂北逸は賀連信が青蓮を従わせるため自分を懐柔したと知りながら、甘んじて受け入れた。「逸哥哥、やめて!」青蓮は思わず駆け寄ったが、賀連信に引き戻されてしまう。「逆らいたいのなら逆らえばいい、だが覚悟しておけ、呂北逸は生かしておかぬ」翌朝、世子の賀連儲(ガレンチョ)は受封の件で一足早く四子・賀連修(ガレンシュウ)を祝いにやって来た。屋敷にはちょうど五子・賀連佐(ガレンサ)の姿もある。しかし賀連修は困惑した。「本当に私に爵位が?実は名簿を盗み見た者がいます 長兄が郡王、五弟が鎮護(チンゴ)将軍で…」賀連儲は最も重要な昭徳将軍が当然、四弟だと思っていたが、驚いたことに賀連信だったという。「もしや駱青蓮が私の母にそっくりだからか?」賀連儲は賀連信が遊び人とあって油断していた。侍従・宋安(ソウアン)は今から手を打つよう助言、実は信宅に同郷の侍女がいるという。「その者を使え」宋安から賄賂をつかまされた慕海瑶の奴婢・嵐児(ランジ)は、庭園を歩いて来た駱青蓮めがけて植木鉢を落とした。しかし運良く東籬(トウリ)が駆けつけ、駱青蓮を突き飛ばして助ける。2人が上階の露台を見上げると、ちょうど逃げて行く猫がいた。賀連信は駱青蓮にも側仕えが必要だと東籬を呼んでいた。「まさか本当にここの嫁になるのですか?」「…よく来たわ、手伝って」一方、慕海瑶もちょうど寝宮を出るところだった。その時、突然、猫に飛びかかられ肝を冷やす。嵐児は猫を捕まえ、さっきは盆栽にぶつかって危うく駱青蓮が怪我をするところだったと吹き込んだ。方懐蕊は妻妾たちに駱青蓮を紹介した。掟により妻妾の定員は正室1名、側室2名、庶室4名の計7名。信宅には嫡妻・方懐蕊を筆頭に側室として慕海瑶と李浅陌(リセンバク)、庶室として宋(ソウ)氏・葉秀(ヨウシュウ)、現在、療養中の寄柔(キジュウ)3名がいる。なお庶室の下となる妾には制限がなく、身分としては沈静容(センセイヨウ)と青蓮が最下位だった。慕海瑶が遅れて到着、これで妻妾が揃った。方懐蕊は一晩で心を入れ替えた駱青蓮を歓迎したが、そこへ泣きながら息子の暉児(キジ)が駆け込んでくる。「絨球(ロンチウ)が死んじゃった!誰かに殺されたんだ!うわーん!」すると慕海瑶が絨球は庭を走り回って盆栽を倒し、危うく駱青蓮が怪我しそうだったらしいと報告した。しかし予想に反し駱青蓮は否定せず、猫が苦手で振り払ってしまったと認めてしまう。「まさか死んでしまうと思わなくて…お許しください」方懐蕊は素直に罪を認めた駱青蓮に感心し、誠意もあったと許した。むしろ駱青蓮の自白を聞いてなぜ慕海瑶がそんなに驚いているのか分からないと怪しむ。「猫を殺して褒められるなら誰でも驚きます」駱青蓮が寝宮に戻ると、ちょうど東籬が帰って来た。「準備はできました、あとは古い衣を数着…」そこで青蓮は隣の閨房にいる沈静容を訪ね、古着をもらう代わりに公子からもらった反物を贈った。しかし沈静容は質素な方がかえって気楽でいいと遠慮し、青蓮は結局、古着と反物を持って閨房をあとにする。妾という身分ながら優しく気高い沈静容。青蓮はそんな沈静容に感銘を受け、やはり古着も返すことにした。「実家から届いたから必要なくなったと言って、迷惑になるわ」慕海瑶は駱青蓮と東籬の怪しい行動を知った。駱青蓮は古着をもらったがすぐ返し、東籬と言えば厨房で干し飯を手に入れ、門番と何やら話していたという。「古着…干し飯…門番?(はっ!)脱走よ!」一方、青蓮は閨房で東籬が戻るのを待っていた。その時、急に暉児が現れ、駱青蓮と2人きりで話したいと従者を先に帰してしまう。母には敵討ちを止められてがどうしても納得できず、父に審議してもらうというのだ。しかし青蓮があの時の閉じ込められていた娘だと気づき、暉児は自分の誤解だと分かる。「でも誰が殺したんだ?…はっ!あいつだ!許さないぞ!」暉児は下手人に気づいて飛び出した。驚いた青蓮は追いかけようとしたが、暉児と入れ違いで東籬が戻って来る。「準備ができました!お急ぎを!」慕海瑶は嵐児から駱青蓮たちが流雲小築を出たと聞いた。「行くわよ!逃さない!」そこへ突然、暉児が現れ、猫を殺したと慕海瑶にしがみついた。しつこく追求された慕海瑶は暉児を振り払ったが、暉児は勢い余って後ろに倒れ、頭を強く打ってしまう。慕海瑶は意識を失った暉児を見て呆然、確認すると息をしていなかった。「死んでる!私ったらなんてことを…公子に自首しなくては…」すると宋安から駱青蓮を殺せと指示された嵐児があることを思いついた。「犯人を捕らえましょう、ちょうど駱青蓮が逃げようとしています」OMG嵐児は暉児の亡骸を麻袋に入れて背負い、密かに駱青蓮の閨房に運び込んだ。その様子を偶然、窓を閉めようとしていた沈静容が見かけたが、見て見ぬふりをしてしまう。一方、賀連信は呂北逸を連れて逃亡しようとしていた駱青蓮たちを馬屋で捕まえ、連れ戻した。しかし急報を受け流雲小築に駆けつけてみると、青蓮の閨房で方懐蕊が冷たくなった我が子を抱きしめ、泣き崩れている。つづく( ̄▽ ̄;)Pさんが…ちょっと…
2024.10.22
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长相思 lost you forever第39話西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は小夭(ショウヨウ)をおぶって寝宮まで送り届けた。塗山璟(トザンケイ)と顔を合わせても思いの外あっけらかんとしている小夭。瑲玹は未練が吹っ切れたことを期待したが、小夭は平気なふりをしているだけだと吐露した。「璟の沈んだ顔を見て気分が良かったわ、もし璟が平静だったら私は辛かったはず 私って素直じゃない、本当は私のこと忘れて欲しくないの 自分は平気なふりをするのに璟が平気なのは許せないなんて…哥哥、私ってどうかしてる?」「本気だったのだ」瑲玹は自分が塗山璟の力を借りたばかりに小夭を苦しめることになったと反省した。「奴が近づく機会を私が与えてしまった、私のせいだ」「璟とは出会う縁だったのよ、自分を責めないで、それに璟への想いに後悔はない 私が自分に損な真似すると思う?ふふ」小夭は笑顔で瑲玹を見送ったが、独りになると何とも言えない虚しさに襲われた。西炎王は紫金頂での祭祀の準備を五王・西炎徳岩(セイエントクガン)に任せた。「政を預かる重責は次の代に譲るべき時が来た…抜かりないようにな 祭祀の後に重要な発表をするつもりだ」徳岩は父王の言葉にすっかり舞い上がり、早速、辰栄(シンエイ)山に乗り込んだ。祭祀の準備を理由に紫金頂を明け渡すよう迫られた瑲玹。しかしあっさり引き下がり、五王が自分の兵を配備させても抵抗しない。小夭はその様子を回廊から眺めていたが、そこへ苗莆(ビョウホ)がやって来た。「王姫、辰栄府からお越しを請うと…」小夭を辰栄府に呼んだのは赤水豊隆(セキスイホウリュウ)だった。すると思いがけず小夭は豊隆から妻になって欲しいと求婚される。実は豊隆はこそこそしたくないとすでに塗山璟にも伝えていた。「悲しそうだったよ、だが私に誠意があるなら祝福すると言ってくれた」小夭は塗山璟の返答に傷ついたが、今は私情に惑わされている時ではなかった。「私を娶る本当の目的を教えて」中原の氏族の間ではすでに祭祀で五王が儲君に冊立されると噂が流れていた。瑲玹に娘を嫁がせた曋(シン)氏以外の六大氏族は五王側に付くと決め、瑲玹は生死の瀬戸際に立たされているという。赤水豊隆は瑲玹を救うため急いで族長になる必要があった。「中原の氏族は世家たる赤水氏に従う、族長になるには君を娶るのが近道だ」「本音を聞けて良かった…瑲玹が出した条件は何?」「…他の女子は娶るなと言われた、この場で誓うよ」小夭は思わず失笑した。「色気のない縁談ね、まるで商いの話をしているようだわ」「私たちらしい」すると小夭は一生の大事ゆえ考える時間が欲しいと頼んだ。一方、紫金頂を立ち退いた瑲玹は小月頂(ショウゲツチョウ)の草屋にいた。鈞亦(キンエキ)の報告では祖父が辰栄山を10万の兵で包囲し、五王の兵も放任しているという。そこで禺彊(グウキョウ)は命があれば直ちに2万の精鋭で奇襲すると言ったが、瑲玹は静観していた。辰栄馨悦(ケイエツ)は兄の縁談を後押ししようと小夭を寝殿に呼んだ。しかし瑲玹を見限った後ろめたさから、つい必死に言い訳してしまう。かつて西炎で人質として怯えながら暮らした経験は馨悦の心に暗い影を落としていた。「もう二度とこんな惨めな日々は送らないと誓った、必ず高みに上り詰めると…」何より辰栄王族の末裔であり中原の氏族たちの象徴でもある馨悦が平凡な結婚をすれば、かつての敗北と恥辱を連想させてしまうという。小夭は瑲玹なら理解してくれると慰め、久しぶりに話せたことを喜んだ。わだかまりが解けた馨悦は安堵したが、もし瑲玹を助けたいなら兄に嫁ぐべきだと助言する。「急いで、一刻を争うのよ?」瑲玹は小夭が戻ったと知って鳳凰樹林に向かった。しかし赤水豊隆が小夭に求婚したと知り、動揺を隠せない。愛する小夭を誰かに渡したくない本音と活路を見出すために嫁いでもらいたい現実。瑲玹は葛藤に苦しみ、思わず背を向けた。「どうしたの?…豊隆以上の婿が見つかると思う?」「確かに彼はお前に相応しい…私がいる限り不条理はさせぬ」すると小夭は瑲玹の力になるべく決意、早速、父の皓翎(コウレイ)王に縁談を知らせる文を送った。皓翎王は小夭を赤水氏に嫁がせることが果たして正しいのか分からなかった。しかしせめて自分がいる限りは力になってやろうと決める。一方、塗山璟は赤水族長の継承の儀にも顔を出さず、露店の酒屋で悲しみに暮れていた。「小六(ショウリク)…すまない、私は葉十七(ヨウジュウシチ)になれず、生涯を共にできぬ」するとひょっこり防風邶(ボウフウハイ)になりすました相柳(ソウリュウ)が現れた。「″六″とか″七″がどうした?算術の稽古か?」「小夭が婚約した、豊隆が小夭を娶る」寝耳に水だった相柳は呆気にとられた。「なぜ豊隆なんだ?」「家柄も才気も申し分ない、裏切り者の私を選ぶはずがないし、ましてお前のような…(はっ)」相柳は何が言いたいのか分かったが、少なくとも小夭がそんな条件で夫を選ばないことだけは知っていた。↓お前たち・・・族長となった赤水豊隆は辰栄府に氏族たちを集めた。実は行宮で西炎王たちの話を耳にしたが、五王は飴と鞭を使い分けて中原に威厳を示すべきと答えたのに対し、瑲玹は同じ国土にある城に何の違いもないと述べたという。「五王が王位について国を動かせば中原の氏族が心休まる日はなくなるだろう どちらを儲君とすべきかは明白だ」その時、瑲玹と因縁がある樊(ハン)氏族長と樊彰(ハンショウ)が難色を示した。すると次男の樊彬(ハンヒン)が父と兄を術縄で拘束、五王に加担する2人を排除してしまう。「長老が認めた次期族長は私です」中原の氏族たちは赤水氏と進退を共にし、瑲玹に従うと決めた。そこで西炎王に謁見し、王孫の瑲玹こそ儲君に相応しいと推挙する。西炎王は自分の決断に委ねて欲しいとなだめて帰したが、この話を聞いた五王は苛立ちを隠せなかった。父の冊立を信じる岳梁(ガクリョウ)は今さら誰も何もできないとなだめたが、七王の息子・西炎始冉(シゼン)は禍根を残さぬよう瑲玹を始末すべきだという。しかし五王は冊立後に動いても遅くないと止めた。祭祀を前に瑲玹は小夭と2人だけで酒を飲むことにした。どうやら瑲玹は奇襲するつもりはなく、手を出さないと決めたらしい。「どうする気なの?」「危機はいつも2人で乗り越えて来た、苦楽を共にする絆に乾杯しよう」小夭はまるで他人事のような瑲玹に困惑したが、勧められるまま酒を飲んだ。すると急に身体の力が抜けて眠ってしまう。瑲玹は小夭の美しい寝顔を目に焼き付け、苗莆に小夭を託した。「抜け道から逃してくれ…もう会えぬだろう」紫金頂で祭祀が始まった。西炎山と中原の氏族たちが見守る中、拝礼の儀を終えた西炎王はいよいよ重要な発表があると知らせる。しかしそれが″儲君の発表″と言った覚えはなかった。「噂は間違いだ、この場で儲君を冊立するつもりはない 今日、発表するのは私の後を継ぐ西炎の君主である 新たな君主に私が果たせなかった願いを託そうと思う」君主?!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ…その時、衛兵に紛れていた小夭が物陰から弓矢を構え、五王に狙いを定めた。すると思いがけず西炎王が瑲玹を呼ぶ。「瑲玹、ここへ」西炎王は自分の王冠を外し、ひざまずいた瑲玹に自らかぶせた。「本日この時より西炎瑲玹は西炎の君主である この儀式ではあまりにも盛大さに欠け、一国の君主の戴冠式とは思えぬであろう だが忘れないでもらいたい 君主とは盛大な儀式ではなく、成し得た偉業によってこそ民の記憶に残るべきだと…」五王たちは呆然、そのまま崩れ落ちるように膝をつき、去って行く先王を見送った。( ๑≧ꇴ≦)哥哥!飴ちゃんどこ?!w先王が石段を降りていると、突然、鎧をまとった小夭がひょっこり現れた。「万一に備えて瑲玹がお前を去らせたと思っていたが?」「去ったと見せかけたのよ」小夭は徳岩が儲君になった場合、その場で殺すつもりだったと明かした。「皆すっかり阿爺に騙されたわ~瑲玹に譲るつもりならなぜ黙っていたの?哥哥が万一…」「瑲玹が辰栄山に隠し持つ精鋭兵のことか?」先王は全て知っていた。「もし瑲玹が起兵して王位を奪ったなら、私とよく似た君主となろう だが瑲玹は違う、私より慈悲と寛容の心を持っている その心で天下により多くの平和をもたらしてもらいたい」すると先王は瑲玹が全ての氏族を承服させるまで辰栄山に留まると決めた。「見せてもらおう、瑲玹がいかに明君となるかを…」つづく(シーズン最終話、なおシーズン2は12月放送予定です)
2024.10.20
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岁岁青莲 Blooming Days第3話「引き裂かれた恋人たち」妃候補選びで他の参加者に毒を盛ったと濡れ衣を着せられた駱青蓮(ラクセイレン)。釈明の機会を与えられ理路整然と反論するも、下手人を特定できる証拠はなかった。賀連信(ガレンシン)も手をこまねいたが、その時、突然、呂北逸(リョホクイツ)が現れ、追い詰められた青蓮を連れて逃げ出してしまう。呂北逸と駱青蓮は門を出ようとしたところで衛兵に捕まり引き離された。青蓮は無関係の呂北逸を見逃して欲しいと懇願、その代わり無実の罪を認めて死を賜ると号泣する。かつて王妃が我が子の命と引き換えに亡くなったように、自分も有意義な死を選ぶというのだ。「王爺(ワンイェ)、私は亡き王妃に似ているのでしょうか? もしそうなら呂北逸をお許しください…どうかお願いです」安王は駱青蓮の希望を叶えることにした。その時、思いがけず錦芳(キンホウ)が現れ、駱青蓮の潔白を訴える。「青蓮小姐(シャオジエ)と接したのは短い間ですが信じています、険悪な方ではないと…」しかし無実の証拠がないのも事実、そこで駱青蓮の代わりに自分が死を賜ると言った。驚いた安王と青蓮は止めようとしたが間に合わず、錦芳は自ら頭を打ちつけて絶命してしまう。安王は亡き王妃の側仕えだった錦芳の死を悼み、初めて本音を明かした。「王妃の死は私の心の傷だった、50を過ぎても未だ忘れられぬ 早くそばへ行きたいと願って来た、やっとこの思いを口に出せた」すると安王は老臣たちに必ずや下手人を見つけ出すと約束、錦芳に免じて駱青蓮を見逃してくれる。しかし老臣たちの面目のため呂北逸は末代まで賎民(センミン)に落とされ、駱青蓮もまた奴婢(ヌヒ)として五子・賀連佐(ガレンサ)に下げ渡された。安王の妃候補選びは中止となった。下働きとなった駱青蓮は佐宅に到着、すると駱家の側仕え・東籬(トウリ)が駆けつける。「みんなは大丈夫?」「落ち込んでいますが心配しないようにと、生きてさえいれば必ず再起できます」青蓮は自分のせいで賎民に落とされた呂北逸が気がかりだった。賎民の男は科挙を受けることも職に就くことも禁止され、婚姻も賎民同士が決まり、女は妓女になるしかない。東籬は小姐の代わりに呂北逸の様子を見に行ったが、ちょうど官兵が呂医館を閉鎖したところだった。東籬は駱青蓮に呂北逸の近況を伝えた。自暴自棄になった呂北逸は酒に溺れ、小姐を気遣う言葉もなかったという。駱青蓮は呂北逸の悲しみに理解を示し、元気だとだけ伝えて欲しいと頼んで仕事に戻った。賀連信は馬に目がない五弟を懐柔するため、駿馬を連れて佐宅を訪ねた。その時、ちょうど薪を持って厨房に入る駱青蓮を見かける。もてなしを受けた賀連信は汁物が美味いと絶賛し、味の決めては調理というより火加減だと言った。すると賀連佐は駿馬と引き換えに料理人と厨房の奴婢を交換してくれる。賀連信は早速、駱青蓮を連れて帰ることにしたが、青蓮は困惑した。「私は安王の奴婢、あなたの自由にはできないわ、離してください!」「妾より奴婢がいいのか?」その様子を偶然、佐宅を訪ねた賀連修(ガレンシュウ)が見ていた。五弟を訪ねた賀連修は三兄がまんまと駱青蓮を奪い取ったと明かした。「あの娘は我らにとって利がある…」つまり亡き王妃の生き写しである駱青蓮を大事にすれば三兄まで重用されるという。厄介払いできたと思っていた賀連佐と嫡妻は呆然、賀連信が遊び人を装いながら意外にも策士だと知った。四兄の入れ知恵で賀連佐は父王に謁見、うっかり三兄に駱青蓮を渡してしまったと報告した。経緯を聞いた安王は老三を呼ぶよう命じたが、思いがけず賀連信自ら釈明に現れる。「実は青蓮をわざと自宅に…私は青蓮を娶りたいのです 青蓮とは妃候補選びの前に出会いました、その時、純粋な輝きに惹かれたのです 父王の妃候補ゆえ想いを抑えましたが、今は抑えられません! まさか五弟の屋敷でボロをまとい、厨房の下働きに…ゥッ」すると安王は罪人を嫁にはできないが、妾なら良いと認めた。「信R、よいか、妾として迎えよ、だが妾として扱うな」つづく( ̄▽ ̄;)錦芳…すごいへっぴり腰だったけど…
2024.10.19
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岁岁青莲 Blooming Days第2話「妃候補への道」王妃の生き写しである駱青蓮(ラクセイレン)はなかなかの切れ者だった。賀連信(ガレンシン)はともかく青蓮と錦芳(キンホウ)を連れて屋敷へ戻り、早速、行儀作法を習わせることにする。しかしちょうど王府から帰る様子を四弟・賀連修(ガレンシュウ)に見られていた。屋敷に戻った賀連修は早速、嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)に老三が女子を馬車に押し込んでいたと報告した。いつの間に色好みになったのかと鼻で笑う賀連修、しかし阮之湄は間髪いれずに否定する。「そんな人じゃないわ」賀連修は妻の反応にいささか動揺したが、その時、阮之湄は慕海瑶(ボカイヨウ)に先を越されてしまったと勘づいた。「まずいわ、このままでは信公子が昭徳(ショウトク)将軍に封じられてしまう!」慕海瑶は錦芳がなぜ娘の指導を引き受けたのか分からなかった。賀連信の話では鸚鵡(オウム)を贈ったお礼だという。実は賀連信は鸚鵡に亡き王妃の最期の言葉を暗記させて贈り、錦芳を懐柔していた。「…私は公子に必要とされているのかしら」そんな中、信宅に突然、阮之湄がやって来た。阮之湄は血燕の差し入れと称し、侍女が止めるのも聞かず朗月閣(ロウゲツカク)に乗り込んだ。中院にいたのは慕海瑶と侍女だけだったが、衛兵が警戒している殿内が怪しい。すると突然、寝殿から賀連信が現れた。殿内では駱青蓮が助けを求めようともがいていたが、衛兵に拘束され、機を逃してしまう。賀連信は駱青蓮の存在を隠すため、阮之湄を庭園に連れ出した。しかし過去のわだかまりのせいでうっかり四弟が阮之湄を″こんな形″で送り込んで来たと嘆いてしまう。阮之湄はようやく賀連信が実は自分の来訪を察していたのだと気づいた。「ウッ…後継者の見込みなしと私を捨てて四弟に嫁ぎ、その上、私を疑うのか?!」「失ったものが多すぎて用心深くなったの」すでに外は暗くなっていた。するとにわかに屋敷内が慌ただしくなり、賀連信はそこで阮之湄を帰すことにする。ちょうどその時、呂北逸(リョホクイツ)が朗月閣に忍び込み、衛兵に包囲されていた。呂北逸は駱恭(ラクキョウ)が署名した契約書を盗み出し、駱青蓮を救おうとした。しかし予見していた慕海瑶の罠にはまって捕まってしまう。すると慕海瑶が駱青蓮を連れて中院に現れた。呂北逸は青蓮と一緒に死ねるなら本望だと言ったが、青蓮は北逸を救うため命乞いする。「哥哥だけはお助けください!私が全て悪いのです! 今から私はあなたの奴婢となり尽くします!」その様子を密かに阮之湄が見ていた。その夜、賀連信の長子・暉児(キジ)は逃げ出した猫を追いかけていた。しかし途中で見失い、偏殿の回廊に腰掛けて途方に暮れる。「絨球(ロンチウ)…みんな僕に遠慮して遊んでくれない やっと遊び相手が見つかったのに、お前まで僕を避けるのか?」「…この子が欲しいのは自由よ、外に出て好きなことがしたいの」猫は駱青蓮が監禁されている偏殿に迷い込んでいた。驚いた暉児は門の鍵をはずそうとしたが、猫のためではなく駱青蓮のためだという。「絨球が好きだから好きにさせてやりたい でもあなたは閉じ込められて悲しいのでしょう?」すると賀連信が現れ、明日になれば彼女は出られるとなだめて息子を帰した。賀連信は駱青蓮に登用試験を受けた呂北逸の答案を見せた。「まさか、だって官界は嫌いなはず…」実は試験で呂北逸は最優秀を取っていた。駱青蓮のため野心を隠していたが、仕官の道を諦めたわけではないのだろう。青蓮は暉児の言葉を思い出し、呂北逸を愛するからこそ手放そうと決めた。「でもなぜ私を慰めるの?さすがに良心が痛むのかしら?」しかし賀連信は何も答えず帰ってしまう。駱青蓮は心を入れ替え、全力で妃候補選びの準備に取り掛かった。やがて錦芳の苦労が報われ、駱青蓮は亡き王妃が王府に来た当時を彷彿とさせる佇まいと気品を身につける。安堵した錦芳は王宮へ戻った。しかし妃候補選び当日、思わぬ事件が起こる。駱青蓮は謁見の前に他の参加者3名と並んでお清めをするところだった。するとふいに突風が吹いて木の葉が舞い落ち、水盤に入ってしまう。運良く端にいた駱青蓮の水盤だけは無事だったため、皆で一緒に使おうと声をかけた。喜んだ3人はその水で顔を拭いたが、急に悲鳴を上げたかと思うと頬がただれてしまう。この一報は阮之湄の耳に入った。まさか他の参加者が怪我を負い、駱青蓮だけが助かるとは…。「まあいいわ、どうせ王府から追い出される」呂北逸は妃候補選びに参加した駱青蓮を心配し、王府の様子を探っていた。すると官吏たちが駆けつけ、事件を起こした駱青蓮が死罪になると噂している。その時、駱青蓮は参加者に毒を盛った罪で安王のもとに連行されていた。しかし安王は顔を上げた駱青蓮の顔を見て呆然、ついに亡き王妃・芙児(フR)が帰ってきたと歓喜する。一方、清康(セイコウ)殿には公子たちと負傷した参加者の父親たちが集まり、謁見を願い出ていた。安王は駱青蓮を連れて正殿に入った。娘を傷つけられた父親たちは怒り心頭、しかし安王は駱青蓮に申し開きの機会を与える。すると賀連信が確かに衆人環視の下、己の水盤に毒を盛って捕まる者がいるかと首を傾げた。「まさか自害しようと?」「それが狡猾なところだ!疑われぬための方便に過ぎない!」父親たちは猛反発したが、駱青蓮は冷静だった。「もし疑われたくないなら密かに毒を盛るのでは? 皆さんもご存知のはず、風に飛ばされた木の葉が水盤に入り、水が汚れたのです 私が風を起こしたとでも?」つづく(  ̄꒳ ̄)おじいちゃんwいやぁ、懐かしいわ~この感じw ←こればっかり
2024.10.18
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岁岁青莲 Blooming Days第1話「王妃の生き写し」…祁和(キワ)元年、先帝の崩御を受け幼君が即位丞相が全力で幼君を支えるも政局は混迷の度を深めたそんな中、側近の大将軍・賀雲朔(ガウンサク)は安(アン)王に封じられ、辺境へ赴任する当時の曲涼(キョクリョウ)は未開の地だった荒涼とした大地、野蛮な民、外敵の侵入に先住民の内紛しかし賀雲朔は戦乱を抑え、人材を登用徳をもって統治に務めること30年、ついに曲涼を繁栄に導いた…駱青蓮(ラクセイレン)は母が兄のために自分を売ったと知り猛反発。屋敷を飛び出して逃げ回っていたが、結局、連れ戻された。実は安王が曲涼に来て30年、皇帝から継室を取るよう詔勅が出たという。この機に誰もが妃候補選びに参加しようと血眼になっていたが、駱恭(ラクキョウ)もまた娘を安王の三子の側夫人・慕海瑶(ボカイヨウ)に預ける手はずを整えていた。娘に想い人がいようがお構いなし、駱青蓮は自分が側室に選ばれた暁には兄を登用するという約束を母が取り付けたと知っている。駱青蓮は深く失望し、帰りの馬車からいきなり飛び降りた。王妃が亡くなって30年、安王は秋が来るたび愛しい王妃を思い出してはふさぎ込んだ。四子・賀連修(ガレンシュウ)は父王が本当に継室を迎えるつもりか探りを入れたが、侍従・于徳常(ウトクジョウ)は答える立場にないと茶を濁す。「陛下は独り身の王爺(ワンイェ)を気遣い詔勅を出しました 確かに話し相手が見つかれば寂しさも紛れるかもしれません 私の願いは明日の妃候補選びに亡き王妃に似た方が現れ、王爺の孤独が癒えることです」一方、駱青蓮は屋敷へ戻り、母に妃候補選びへの参加を伝えた。ただし海瑶夫人の仲介を拒み、自分の力で選ばれたいという。翌日、妃候補選びが始まった。今日の予選に通ると数日後の本選へ進み、安王に選ばれれば王府に入って妻妾となる。その様子を物陰から亡き王妃の侍女・錦芳(キンホウ)が見ていた。妃候補選びの会場に海瑶夫人が現れた。すると思いがけず四子の嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)と鉢合わせになる。立場上、正室の之湄夫人が上だったが、海瑶は按察使(アンサツシ)である父の威光を笠に着て横柄だった。2人の夫人は夫の出世を助けるため、亡き王妃に似た娘を探した。しかしどちらの侍女も目ぼしい娘を見つけられず途方に暮れる。海瑶はせめて美人の娘を探せと命じた。その時、ちょうど顔を上げた駱青蓮は海瑶夫人と目が合ってしまう。海瑶はその娘が気に入り、近くで顔を確認することにしたが、その娘の頬には大きなあざが…。「ひどい顔で驚かせると思い、顔を隠していました」すると侍女・如画(ジョガ)は醜い顔をした娘を追い出してしまう。駱青蓮の作戦は成功、見事に妃候補から落選し自由の身となった。しかし錦芳は海瑶夫人を呼び止め、追い返した娘こそ亡き王妃の生き写しだと教えてしまう。「公子に″これでご恩はお返しした″とお伝えください」驚いた海瑶は慌てて後を追ったが、ちょうど娘の馬車が出たところだった。すると道端に敗れた薬袋が落ちている。袋には″呂(リョ)医館″とあった。駱青蓮は曲涼の名医・呂北逸(リョホクイツ)の薬を使ってあざを装い、難を逃れた。2人は晴れて結婚を決め、典宝(テンポウ)署官員の父・駱容与(ラクヨウヨ)も富より真心を求める娘の選択を認めてくれる。しかし婚礼当日、呂北逸が花嫁を迎えに駱宅に到着すると、突然、役所から官兵が駆けつけた。すると花嫁道具の中から賄賂で受け取った品が見つかり、駱容与はいきなり捕まってしまう。駱青蓮は困惑していたが、その時、群衆の背後にいる海瑶夫人に気づいた。海瑶は駱恭に渡した褒美を賄賂に仕立て、駱容与を捕縛させた。さらに駱恭を騙して天青会との契約書に署名させ、逆徒に与した証拠だと脅す。責任を感じた駱恭は自分の命で償う覚悟を決めたが、駱青蓮は家族を守るため王府に入ると約束した。呂北逸は落胆したが、愛する駱青蓮がどんな道を選ぼうと責めないと理解を示す。こうして家族と呂北逸は無事に解放された。するとそこに安王の三子・賀連信(ガレンシン)が現れる。「公子?!実はこの娘は…」「分かっておる…、でそなたは…」「賀 連 信 !」賀連信は自分を平気で呼び捨てにする娘に呆気に取られ、苦笑いした。翌日、賀連信は駱青蓮を連れて清康(セイコウ)殿の錦芳を訪ねた。青蓮を間近で見た錦芳は小姐が戻って来たと驚いてひざまずき、当時のことを思い出す。難産だった王妃は自分より赤子を助けるよう命じ、男子を出産したものの息絶えた。王妃を看取った安王は悲しみに暮れ、それ以来、30年間もひたすら王妃の帰りを待ち続けているという。「私と王妃はそんなに似ているの?」「その容貌からお人柄まで知るのは私だけ それゆえ公子や夫人たちがこぞって私を訪ねてきました 私の目を通して小姐に似た娘を探し出し、安王の観心を買うために… 小姐の名誉を汚すまいとお断りしてきましたが、でもあなたを見かけた あなたはお嬢様の生き写しです」錦芳は暇するするつもりだったが、小姐によく似た青蓮の世話役を買って出た。駱青蓮は錦芳が義理堅く温厚な良い人だと分かった。海瑶夫人も美人で有能、賀連信の周りには優秀な女子が多いらしい。「で、あなたは?私をどう使うつもり? 王爺も愚かではない、王妃に似ているだけで操れるとは思えないわ 遊び人を装っているあなたがこんな勝算のない賭けを?」安王が王妃の急逝直後に二子を世子に立てたことは周知の事実だった。それ以来、世子はやりたい放題、しかし王妃の息子ゆえ安王の信頼は厚いのだろう。「でも王妃に代わる女子が現れたら世子の座を守れるかしら?」つづく( ˙꒳˙ )この感じ、ちょっと懐かしいw
2024.10.17
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长相思 lost you forever第38話塗山璟(トザンケイ)への未練に我ながら戸惑う小夭(ショウヨウ)。ひたすら石段を登って振り切ろうとしても思いは募るばかりだった。するといつの間にか西炎瑲玹(セイエンソウゲン)が現れ、そっと外套を掛けてくれる。「…人生はやるせない、時々、思うの 自分の生死も手に負えないのに、それ以外のことで争ったり悩んだりする必要がある? 何の意味もないんじゃないかって」「誕生と死は手に負えないから他のことを掌握するんだ」瑲玹は登り疲れたという小夭の手を引き、峰の頂上まで連れて行った。「塗山璟!嘘つき!あなたは約束を破った!」小夭はようやく鬱憤を吐き出すと、瑲玹に自分の婿を選んで欲しいと頼む。「一緒に暮らせる人なら誰でもいい、ただ他に女子を持てば去勢する」確かに祖父の戒めは正しい。相手を間違えさえしなければ、敬い合いながら添い遂げることはできるだろう。「もう自分の目は信じられない、哥哥に頼むわ」(  ̄꒳ ̄)うん、その方がいいwその頃、西炎では五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)が瑲玹を弾劾する山のような奏状を父王に届けていた。辰栄(シンエイ)を併呑して以来、西炎王は中原の氏族が団結しないよう分割統治してきたが、瑲玹は曋(シン)氏を娶って徒党を組み、勢力を伸ばしているという。これに西炎ばかりか中原の氏族からも不満を訴える上奏文が続々と届いていた。「父王、このままでは瑲玹を支持する氏族らが割拠の野望をもちかねません」西炎王は紫金(シキン)宮の修築の完成を機に中原を巡視、紫金頂で祭祀を行なうと決めた。朝臣たちは謀反を心配して反対したが、西炎王はならばこの機に一掃すればいいという。西炎徳岩は東巡特使(トウジュントクシ)として父王に同行することになったが、西炎禹陽は応龍(オウリュウ)将軍と共に留守を任された。西炎王は巡視を強行し、沢(タク)州の行宮に入った。瑲玹は中原での近侍を務めたいと願い出たが、謁見すら叶わず、門前払いされてしまう。西炎王が瑲玹を避けているのは明らか、一報は皓翎(コウレイ)王の耳にも届いた。蓐収(ジョクシュウ)の話では各氏族が招かれた百花宴にも瑲玹は招待されなかったという。事態を重く見た皓翎王は直ちに小夭と阿念(アネン)を迎えに行かせた。しかし瑲玹は小夭が阿念だけ帰して残ったと知る。「師父が迎えを寄こしたのになぜ帰らなかった?!」「約束したはずよ?私たちは進むも退くも一緒だと… 私は爺爺に育てられた恩はないもの、哥哥には手を下せないでしょう?私に任せて」Σ(⊙∀⊙)ヒャーーーッ!百花宴が終わったその夜、西炎王が刺客に襲われた。しかし五王と衛兵が駆けつけ刺客を包囲、すると刺客は自害してしまう。検死の結果、刺客の背中には若木(ジャクボク)の樹液を使った入れ墨があり、彫ってから30年は経っていると分かった。若木と言えば瑲玹の母の一族である若水族が神木とあがめ、神聖な場所ゆえよそ者は近づけない。すると西炎王はすぐ瑲玹を呼ぶよう命じた。西炎徳岩の目論見通り父王は瑲玹の反逆を疑った。徳岩は警備を厳重にする傍ら密かに精鋭部隊を忍ばせ、瑲玹を決して生きて帰すなと釘を刺しておく。すると宮道の暗闇から防風邶(ボウフウハイ)が現れた。「お前が狙うべきは瑲玹の命だ」「分かっています」一方、紫金宮には西炎岳梁(セイエンガクリョウ)が瑲玹を迎えにやって来た。岳梁の口振りでは祖父の襲撃の黒幕が瑲玹だと疑われているらしい。曋淑恵(シンシュクケイ)はもちろん、側近たちも留まるよう懇願したが、瑲玹は拒めば辰栄山が包囲されてしまうと分かっていた。「辰栄山が陥落すれば犬死にとなる、お前たちの命を無駄にしたくない」瑲玹は鈞亦(キンエキ)だけ連れて宮殿を出た。しかし小夭が一緒に行きたいとついて来る。「何かあれば足手まといになる、迷惑だと分からないのか?」「それでも行く、私は皓翎王姫よ?手なんか出せないわ、もし止めるなら勝手に行くから」一方、知らせを聞いた塗山璟(トザンケイ)が辰栄府に駆けつけた。赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は瑲玹が刺客を放つとは思えなかったが、塗山璟は真実より瑲玹が疑われていることが問題だという。そこへ瑲玹と王姫が沢州へ向かったと報告が来た。「小夭も一緒だと?!」瑲玹と小夭は夜半に行宮に到着、正殿で祖父を待ったまま朝を迎えた。すると身支度を終えた西炎王の元に塗山璟と赤水豊隆が謁見を願い出ていると知らせが来る。西炎王はひとまず2人を脇殿で待たせ、正殿に入った。塗山璟と赤水豊隆は脇殿から正殿の様子に耳を澄ませた。その時、瑲玹と小夭が西炎王に挨拶する声が聞こえて来る。五王や老臣たちは瑲玹と中原の氏族が結託していると糾弾、しかし瑲玹は親交を深めたに過ぎないと否定した。すると西炎王は五王と瑲玹に中原の氏族をどう扱うべきか意見を聞きたいという。徳岩は飴と鞭を使い分けて威厳を示すべきと答えたが、瑲玹は違った。「西炎氏は中原の主です、軹邑(シユウ)城と西炎城に何の区別が? 辰栄山も西炎山も同じこと、いずれも国土の城と神山に違いありません」徳岩は瑲玹が失言したと確信し、刺客の入れ墨から瑲玹の仕業だと訴えた。すると黙って聞いていた小夭が祖父に発言したいと申し出る。「瑲玹と若水族の関係は周知の事実、まるで刺客が胸に″瑲玹″と彫ったようなもの 入れ墨は阿爺に疑念と殺意を抱かせるきっかけに過ぎない、簡単なことよ 瑲玹も五王も阿爺の血を引く者、王位を望むのは当然 五王?あなたも陰で努力しているのでしょうね?」 小夭から遠回しに疑われた徳岩は激怒、西炎の朝政に女子が干渉するなと声を荒らげた。「だったら娘(ニャン)が出征した時、何をしていたの?! あの時、女子は干渉するなと止めてくれたら私は孤児にならずに済んだわっ!」小夭は思わず感情的になったが、そこで西炎王が話を止めた。「瑲玹、お前は辰栄山で何をしてきた?」「私は宮殿の修築だけでなく、爺爺の教えに従って王孫としての勤めを果たしています」西炎王にはその答えで十分だった。「分かった、お前を信じよう、刺客を放ったのはお前ではない、帰るが良い」脇殿で話を聞いていた赤水豊隆は小夭の雄弁さに感心していた。普段は人当たりの良い小夭だが、まさかあの五王をやり込めるとは…。しかし塗山璟は瑲玹たちがこのまま無事に沢州城を出られるとは到底、思えなかった。その時、脇殿に西炎王が現れ、2人は足止めされてしまう。瑲玹は小夭と鈞亦を連れて城門に続く長い宮道を歩いていた。すると城楼に潜んでいた射手が一斉に矢を放ち、瑲玹たちが身動き取れなくなったところで精鋭部隊が現れる。その頃、西炎王は塗山璟と赤水豊隆を引き止め、碁の腕前が天下一という塗山璟と一局、手合わせしていた。瑲玹は小夭を守りながら神剣の力で精鋭部隊に応戦した。すると小夭が弓を招喚、城楼の射手を見事に射抜いて瑲玹を援護する。その時、外套をすっぽり被った防風邶こと相柳(ソウリュウ)が瑲玹に狙いを定めて弓を構えた。しかし小夭が瑲玹にぴったり張り付いているため、矢を放つ頃合いがつかめない。「ふっ、弟子が師父の仕事の邪魔をするとはな」瑲玹たちは精鋭部隊に邪魔され前進できず、いよいよ追い詰められた。「哥哥、あと1射よ…そうだ、阿爺の寝宮が近い」「それしかないな」そこで瑲玹は小夭の矢に術をかけた。すると西炎王の寝宮に向かって放った矢は空中で何百本にも増えて前庭に降り注ぐ。「刺客だっ!」将軍は直ちに西炎王に刺客が現れたと報告したが、西炎王は全く動じなかった。西炎王は瑲玹が叔父たちの力を利用して脱出したと分かった。一方、慌てて下がった塗山璟と赤水豊隆は、道すがら将軍から瑲玹たちが無事だと聞いて胸をなで下ろす。2人は瑲玹が五王の罠を逃れた上、逆に罪を被せたと気づき、その策謀に舌を巻いた。塗山璟たちは瑲玹たちに追いつき、帰り道の途中でひとまず水で乾杯した。赤水豊隆は瑲玹の脱出作戦に関心したが、実は小夭の策だったと知る。しかし小夭に合わせる顔がない塗山璟はどこか上の空だった。瑲玹と小夭は駆けつけてくれた2人に感謝して先に帰って行った。赤水豊隆は塗山璟の気持ちを分かっていたが、実は自分も小夭が好きだとほのめかす。すると塗山璟は小夭への想いが本当なら反対しないと言った。「璟、小夭を想うたび後ろめたさを覚えるのだな…だがもう妻子を持った」「分かってる」小夭は瑲玹の岳父・曋淑同(シンシュクドウ)が婿たちの無事を確認して帰ったと聞いた。存亡の機でも様子を見にきてくれた曋氏、これが婚姻の力なのかもしれない。「いつ馨悦(ケイエツ)を娶るの?」「私に会いにも来ない、私に嫁ぎやしないさ」瑲玹は無条件に力を貸してくれるお人好しは小夭だけだと笑った。この苦しい世の中では誰でも自分が一番、愛情では飢えを満たせず、暖も取れない。瑲玹は馨悦の判断に理解を示し、自分にとって要求を満たし合える公平な関係が理想だと話した。「割り切っているのね?」「お前も割り切れ」「哥哥の言う通りだけど、それで心が満たされる?」瑲玹は久しぶりに小夭をおぶって帰ることにした。辰栄山に赤々と広がる鳳凰樹、かつて小夭が自分をおぶって鳳凰樹林を歩いてくれた日が昨日のことのように思い出される。「哥哥…必ず生き抜くわよ」「はお」つづく( ˙꒳˙ )おんぶ…必要?w
2024.10.16
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长相思 lost you forever第37話小夭(ショウヨウ)を守るため何としてでも中原(チュウゲン)に留まらねばならない西炎瑲玹(セイエンソウゲン)。そのため赤水豊隆(セキスイホウリュウ)の提案を受け入れ、あらかじめ祖父の了解を得てから小夭と阿念(アネン)に報告した。「…側室を娶る」しかし相手は辰栄馨悦(シンエイケイエツ)ではなく意外にも曋淑恵(ハンシュクケイ)だった。瑲玹を慕う阿念は呆然、居たたまれなくなり席を立ってしまう。曋氏と言えば中原六大氏族の筆頭で、辰栄王族とも縁を結んでいた。瑲玹の話では曋氏の族長が自分に好感を持ち、力を貸してもらえるという。すると小夭は気まずそうにうつむく瑲玹の手を握り締めた。「生き抜くためだもの、どんな手段をとっても構わない」辰栄府に西炎の使者が到着、西炎王の王命が下った。瑲玹は罷免を免れ、さらに曋氏の娘・淑恵との縁談を賜る。祖父を密かに祭っていた赤水豊隆もその孝行心により不問とされ、改めて名将として王墓に祭ることが許された。するとそこへ皓翎(コウレイ)の使者として蓐収(ジョクシュウ)が現れる。皓翎は両王姫に対する瑲玹の情義に鑑み、紫金宮と王墓の修築に当てるよう建木と帰墟水晶(キキョスイショウ)を下賜した。結局、王墓の祭壇に乗り込んだ西炎岳梁(セイエンガクリョウ)は氏族への謝罪を命じられ、直ちに西炎へ連れ戻された。今回も何とか乗り切った瑲玹。しかし小夭は瑲玹の縁談が叔父たちへの宣戦布告になると心配になる。すると瑲玹は全て分かった上で、曋氏との結盟こそ自分が採る道だと断言した。「小夭、婚礼の場では私を祝うな」「…はお」西炎瑲玹と曋淑恵の婚礼の日。辰栄府には多くの氏族が招かれ、その中には塗山璟(トザンケイ)の姿もあった。塗山璟と目が合った小夭は何とも言えない悲しみを覚えたが、急に胸が苦しくなり、蠱虫(コチュウ)が暴れ出したと気づく。…相柳(ソウリュウ)に何かあったのかしら…すると塗山璟が駆けつけ、術を使って痛みを抑えた。「ありがとう、塗山族長」他人行儀な小夭に胸を痛める塗山璟、その時、ちょうど吉時となった。西炎瑲玹と曋淑恵の婚儀が始まった。しかし小夭は塗山璟がいることに耐えられず、途中で列から離れてしまう。その背中を見た瑲玹はふと幼い頃に小夭と交わした約束が頭をよぎり、感傷に浸った。…妹妹になればずっとそばにいられるわ!…そうだな!私はずっとお前の哥哥だ!何があろうと一緒にいよう!…約束よ?私たちは永遠に離れない!…約束だ!小夭は中庭でひとり悶々としていた。すると防風邶(ボウフウハイ)として招かれていた相柳が現れる。小夭は自分の感情も相柳に伝わっていると知り、相柳がわざと蠱虫で自分を苦しめたと気づいた。実は頭が9つあっても心はひとつ、身体の痛みなら9分の1でも心の痛みはそのまま伝わるという。相柳は己の心ひとつも守れないのかと嫌味を言いながら、小夭を気晴らしに連れて行くことにした。( ゚д゚)へえ…心はそうなんだ ←なぜか妙に感心w塗山璟がようやく祝宴に現れた。瑲玹はおおかた小夭と会っていたのだろうと思ったが、小夭なら防風邶と出かけてしまったという。驚いた赤水豊隆はなぜ止めなかったと聞いたが、塗山璟は苦渋の表情を浮かべた。「妻がいる私に止める資格はない…」小夭は久しぶりに相柳と毛球(ケダマ)に乗って空を飛んだ。「そう言えばどうして髪の色を戻さないの?」「初め防風邶に成り済ました時、霊力ではなく薬草で染めた、それ以来、習慣になってな…」小夭は相柳の思わぬ一面にくすっと笑った。すると相柳は照れ隠しに小夭を連れて海に飛び降り、海底に引きずり込んでしまう。かつて塗山璟に義理立てして相柳からの口移しの息を拒んだ小夭。しかし今では命を賭すべき相手はいない。小夭は目を閉じて相柳に顔を近づけたが、相柳は自分の気持ちを押し殺して笑い飛ばした。「いいから息をしてみろ」小夭は驚いたことに海底でも息をして話すことができるようになっていた。「はっ!…なぜ黙っていたの?酷い人!恨んでやる!」「生きるための代償だ、お前ももはや怪物だ!」相柳はやはり恨まれたと知って傷つき、泳いで行ってしまう。焦った小夭はからかわれたことに怒っただけだと釈明したが、仕方なく自分の腹を叩いた。すると騙された相柳は瞬時に引き返し、結局、小夭に捕まってしまう。小夭は相柳と一緒にしばし水中散策を楽しんだ。その時、貝殻から美しい歌声が聞こえてくる。「鮫人(コウジン)だわ!」「なぜそれを?」相柳は驚いた。確かに小夭を貝殻の中で治療していた時、ちょうど発情期に入った鮫人の求愛の歌を聞いている。小夭は美声と言えば鮫人だと誤魔化したが、相柳は小夭が当時、目覚めずとも意識があったと知った。「ついてるな、滅多に聞けない求愛の歌を2回も…いや、1度目で出会うとは」一方、感情を押し殺して瑲玹の婚儀を立派に仕切った辰栄馨悦。しかし祝宴を終えて居所に戻ると悲しみを抑えきれなくなってしまう。赤水豊隆は嫁がないと決断したのは妹だと呆れ、瑲玹に執着するなと叱った。翌朝、瑲玹は朝餉に阿念と小夭を招いた。曋淑恵は従妹とは言え身分の高い王姫に丁重に拝礼したが、小夭は気遣い無用だという。「嫂嫂(ソウソウ)、頭を上げてください、もう身内なんですから」しかし面白くない阿念は急に怒って帰ってしまう。阿念は居所で独り悶々としていた。すると小夭が駆けつけ、側室を蔑ろにすれば瑲玹を軽んじたことになると叱る。「阿念、淑恵を敬うことが瑲玹のためになるのよ?」阿念は仕方なく瑲玹のために譲歩すると約束したが、馨悦のように感情を抑えられないとぼやいた。しかし小夭は瑲玹のそばにいる女子が誰であれ気にさえしなければ阿念は阿念のままで良いという。「瑲玹のこと、どんなに力を持ったとしても今まで通り阿念を可愛がるはずよ その気性の荒さを改めるだけでいいの」「姐姐…私って本当に愚かね…何から何まで心配をかけて…」「ふふ、愚かな方が幸せになれる、天下一、幸せな女子になって」瑲玹は小夭が相柳と遊びに出かけて祝宴をすっぽかしたことに怒っていた。するとその夜、小夭が哥哥のご機嫌うかがいにやって来る。「婚礼を抜け出したから怒っているのね? でもあなたの作り笑いを見るのも、塗山璟と顔を合わせるのも嫌だった すぐ忘れられると思ったのに、忘れることがこんなにも難しいなんて…「その通りだ、感情は操れない」しかし瑲玹は自分だけはずっと小夭のそばにいると励ました。青丘で防風意映(ボウフウイエイ)が無事に男子を出産した。太夫人は曽孫を腕に抱いて感激、しかし父である塗山璟に笑顔はなく、虚ろな表情を浮かべている。片や塗山篌(トザンコウ)は赤子の顔を愛おしそうに見つめ、祖母に名前をつけるよう頼んだ。すると太夫人は″瑱(テン)″と名付け、その直後、息を引き取ってしまう。塗山府は悲しみに包まれた。藍枚(ランマイ)は夫が御霊に付き添っている間に塗山璟との接触を試みたが、塗山篌に見つかってしまう。小夭は塗山家の太夫人が逝去したと聞いた。そこで弔辞を記した対聯(ツイレン)を送るよう指示したが、実はその日に防風意映が男子を出産したと知る。小夭は祝いの品を送るよう冷静に対処したが、内心、激しく動揺していた。小夭は陵墓へ続く長い石段を登りながら、すでに晩年を生きているような無力感に襲われた。必ず戻ると約束した母の笑顔、哥哥との悲しい別れ、そして自分のためなら全てを捨てると約束してくれた塗山璟…。どんなに歩いても次々と浮かんで来る塗山璟との美しい思い出に、さすがの小夭も途方に暮れた。つづく( ๑≧ꇴ≦)17!後ろ!後ろ!…みたいなw
2024.10.14
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长相思 lost you forever第36話赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が塗山璟(トザンケイ)を見つけてくれたおかげで西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は検分前に帳簿の整理を終えていた。結局、帳簿を調べても何も見つけられなかった西炎岳梁(セイエンガクリョウ)。瑲玹も小夭(ショウヨウ)も岳梁がこのまま引き下がるとは思えなかったが、ひとまず乗り切った。そこで小夭は塗山璟の祖母を治療するため青丘へ出かけたいと頼む。実は小夭は皓翎(コウレイ)で医書や処方箋を調べ尽くし、ある治療法を見つけていた。しかし縁談のための取り引きではなく、あくまで医者としての本分を果たすためだという。瑲玹はうっかり防風意映(ボウフウイエイ)が婚約解消に応じずとも退婚させる方法があると口を滑らせた。「つまり防風意映が命を落とせばって言いたいのね… 私が欲しいのは添い遂げてくれる人、心の善良な人でなければ私を大切にできない 突然、私が冷たくなっても受け入れてくれる人じゃなきゃ」「冷酷無比だと恐れられていても身内には情が深い者もいるだろう?@俺」小夭はもちろん哥哥だけは違うと笑い、すぐに戻ってくると言った。仕方なく瑲玹は小夭を送り出したが…。塗山府では塗山璟が小夭を迎えてくれた。小夭は塗山璟が瑲玹のために手を尽くしてくれることに感謝し、思わず自分から唇を重ねてしまう。「璟って本当に優しいのね」「…優しくなんかない」塗山璟は小夭に大事な話があったが、その時、薬籠(ヤクロウ)の準備ができたと声がかかり、結局、伝えられずに終わってしまう。一方、西炎の朝廷では瑲玹の帳簿に問題がなかったことから、擁護の声が上がり始めた。岳梁は応龍(オウリュウ)将軍のせいだと恨みを募らせたが、思いがけず朗報が入る。「樊彰(ハンショウ)が来ました、瑲玹の秘密をお話ししたいと…」小夭は塗山璟の祖母に霊薬を飲ませた。病を根本から治すことはできないが、2年は延命できるはずだという。「はっ!本当だ、気分がいいわ!王姫、ありがとうございます!」太夫人は感激もひとしおだったが、その時、機を見計らっていた防風意映が急に立ちくらみを起こした。驚いた太夫人は名医である王姫に診て欲しいと懇願、すると脈診した小夭は呆然となる。実は意映は懐妊していた。…あなたが違うと言えば信じる、塗山璟、違うと言って…小夭は心の中で願いながら塗山璟の言葉を待ったが、弁解しないことが答えだと分かった。太夫人が跡継ぎができたと大喜びする中、小夭は独り寝殿を出た。塗山璟は慌てて後を追いかけ、小雪の舞う中庭で小夭に事情を説明する。「三月前、防風意映が自害しようとして看病を任されたんだ」その翌朝、目を覚ました塗山璟は防雨意映の隣で寝ていたという。罠にはめられたと気づいた塗山璟は思わず意映に斬りかかろうとしたが、結局、殺せなかった。経緯を聞いた小夭は防風意映が意識を朦朧とさせて色欲をかき立てる媚薬を使ったと分かった。「でもなぜ?私のもとで医術を学んだあなたがこんな毒牙に引っ掛かるなんて…」「薬を入れたのは奶奶(ナイナイ)だ…」実はあの夜、塗山璟は祖母に勧められた汁物を疑いもせず飲み干していた。「太夫人だったのね…あなたを責めないわ、でも私たちの縁はここまで」すると小夭は塗山璟からもらった魚丹の首飾りを返して帰ってしまう。阿念(アネン)は退屈で小夭が帰るのを今か今かと待っていた。するとようやく小夭の姿が見える。「姐姐!お帰り!哥哥ったら手伝わせてと言っても子供みたいにあしらうの! 姐姐から哥哥に話して!ね?姐姐~姐姐~!」阿音は小夭の腕をつかんで懇願したが、そこへ突然、瑲玹が血相を変えて駆けて来た。「阿念!やめろ!」その時、小夭が激しく血を吐いて倒れてしまう。( ゚д゚)・・・@阿念小夭は悲しみを我慢し過ぎて心脈が傷ついていた。医者は薬よりも気持ちを静めて穏やかに過ごすことが大事だという。小夭は平静を装っていたが、瑲玹は無理に笑う必要ないと言った。「そうしたいわけじゃない、慣れてしまったの 同じ1日なら笑顔の方がいい、心が傷ついてもせめて気丈に振る舞いたいから 少し眠れば平気よ…もう行って」すると小夭は目を閉じてしまう。瑲玹は塗山璟に関わる物すべてを紫金宮から排除した。その夜も心配で小夭の寝所を訪ねたが、ちょうど目を覚ました小夭から大袈裟だと呆れられてしまう。「男を理由に死んだりしないわ、大したことない」「私も何度も自分にそう言い聞かせたよ、″大したことない″と…」瑲玹は小夭が強がっていると分かっていたが、そうしなければ耐えられないことも身をもって知っていた。「悲しむな。塗山璟よりいい男はいる」すると小夭は背を向けてしまう。「悲しんでなんかいないわ」瑲玹は小夭が泣いていると気づいたが、黙って帰ることにした。その時、ふいに小夭が腕をつかんで引き止める。「哥哥…離れないでね」「離れない、ずっとそばにいるよ」岳梁は樊彰の告発で瑲玹が辰栄山陵園に私兵を隠していると知った。そこで氏族たちを集め、辰栄王の墓を守る陣を勝手に破ってしまう。静養していた小夭は外の騒ぎに気づき、弓を招喚して寝殿を飛び出した。一方、赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は岳梁の暴挙に猛反発。しかし岳梁は氏族たちに面白いものを見せると笑う。陵墓に駆けつけた小夭は物陰から弓を構え、岳梁に狙いを定めた。すると瑲玹が急に岳梁に歩み寄り、わざと自分が盾になる。結局、小夭は岳梁を仕留められなかったが、実は瑲玹はすでに手を打っていた。陵墓に隠されていたのは私兵ではなく辰栄炎灷(シンエイヒエン)の霊位だった。実は赤水豊隆が隠れて祖父を祭っていたという。「洵(シュン)山の役で敗れた祖父の亡骸はなく、墓もない 悲嘆に暮れた私は一族に黙って祭壇を作り、祖父を祭った、過ちを認め、罰を受ける」すると辰栄熠(ユウ)は息子の孝行心に思わず涙し、自分が代わりに罰を受けると言った。しかし辰栄王の墓地に押し入ったことの説明を求め、西炎王の判断を仰ぐという。紫金宮に戻った瑲玹は小夭の寝殿を訪ねた。「ごめんなさい、哥哥の策を台無しにするところだった」「西炎王の孫を殺せばどうなるか考えたのか?」「分かってる…でもあなたを失う方が嫌なの」すると瑲玹は小夭の肩を抱き寄せた。「私を失うことなどない」「そうね、今の哥哥なら何が起きても自分の身を守れる」小夭との強い絆を感じ、久しぶりに心が満たされる瑲玹。しかしその夜、西炎から思わぬ報告が届いた。岳梁が瑲玹を罷免し、辰栄山には別の者を送るよう上奏したという。瑲玹と赤水豊隆はいつもの峰で待ち合わせした。すると豊隆は中原に残れる方法があると伝え、妹が渡しそびれた劄記(サッキ)を勝手に贈ってしまう。瑲玹は驚いたが、これは無事に施工の儀を終えてこそ受け取れた物だと気づいた。「馨悦(ケイエツ)を娶れば氏族たちもお前を家族とみなすさ、お前への想いは明白だ」「…たやすく決められぬ、まずは馨悦の考えを聞こう」馨悦は今の瑲玹に嫁ぐのは嫌だと断った。確かに瑲玹に思いを寄せていたが、中原を追われそうなった今、一緒に危険を犯す勇気はないという。赤水豊隆は申し訳なさそうに瑲玹に報告したが、実は婚姻の件で別の提案があった。瑲玹が紫金宮へ戻ると、ちょうど小夭と阿念が談笑していた。2人の笑顔を見た瑲玹はふと応龍(オウリュウ)将軍からの返信を思い出す。…確かに第一王姫の出生の噂を聞いたことがありますが、真相は分かりませんただ王姫大将軍は兵士たちの前で赤宸(セキシン)と心を通わせていると公言したことがあります″赤宸を好いている″と…瑲玹は小夭が赤宸の娘だと確信していた。…いつかこの秘密が世に知られたら小夭を守れるのはこの世で私しかいない小夭、私を失えばお前は耐えられぬお前には幸せで生きて欲しい、他には何も望まぬ…つづく(  ̄꒳ ̄)馨悦、お前もかw
2024.10.12
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长相思 lost you forever第35話赤水豊隆(セキスイホウリュウ)とのわだかまりが解け、従兄弟同士の絆を深めた塗山璟(トザンケイ)。辰栄(シンエイ)府を訪ねた本来の目的は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)に離戎昶(リジュウチョウ)を引き合わせるためだった。中原で長年、差別を受けてきた離戎氏。離戎昶は賭場など下層の商いで祖先の名を汚して来たが、王孫の下で再興を図りたいという。こうして瑲玹は新たな同志を迎えた。小夭(ショウヨウ)は娘を案じる父のため皓翎(コウレイ)国に一度、帰ることになった。実は塗山璟も祖母の具合が悪いとの知らせを受け、青丘(セイキュウ)に戻らねばならないという。名残惜しそうに抱き合い、再び離ればなれになってしまう小夭と塗山璟。一方、青丘では防風意映(ボウフウイエイ)が塗山篌(トザンコウ)から塗山璟の想い人が皓翎の第一王姫だと聞いて驚愕していた。小夭が無事に五神山に到着した頃、赤宸(セキシン)を調査を命じられていた瀟瀟(ショウショウ)が紫金宮に戻った。確かに百黎(ヒャクレイ)にある赤宸寨(サイ)は赤宸と妻の居所だったが、民に尋ねても誰も口を開かなかったという。居所には赤宸の絵姿だけで妻のものはなく、分かったのは西陵(セイリョウ)氏の巫女ということだけだった。「西陵氏の巫女?」報告を聞いた瑲玹は姑姑と赤宸の噂を思い出し、今度は老桑(ロウソウ)に密命を下した。「内密に西炎に帰れ、応龍(オウリュウ)将軍に密書を届けてくれ」一方、辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は愛する瑲玹の力になろうと歴代の辰栄王が治世を記した劄記(サッキ)を自ら書写していた。塗山璟は急ぎ青丘へ戻ったが、防風意映とは距離を置いた。すると防風意映は塗山璟の退婚の意思が固いと分かったのか、身を引いてくれるという。喜んだ塗山璟は早速、祖母に報告したが、その時、意映が自害したと知らせが入った。すぐ気づいた侍女が医者を呼んで事なきを得たが、太夫人は意映を傷つけた孫に激怒、罪滅ぼしに看病するよう命じる。その夜、責任を感じた塗山璟は意映の居所で寝ずの番をすることにした。すると夜更けというのに太夫人がやって来る。「お前は病み上がりで意映まで倒れた、汁物を作ったの、飲みなさい…意映の分もあるわ」( ̄∀ ̄)ニヤリ紫金宮の″竣工の儀″を迎えた。赤水豊隆は塗山璟の姿がないことを訝しんだが、吉時となり儀式が始まってしまう。すると氏族たちが見守る中、突然、大明殿が崩壊した。辰栄馨悦は儀式のあとに手紙を入れた劄記を贈るつもりだったが、無駄になってしまう。↓ガラガラガッシャーン!( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ポカーンこれを受け五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)は工費の着服が疑われるため、早急に使臣を派遣して詳しく調べるべきだと上奏した。瑲玹に恨みを持つ樊(ハン)氏と鄭(テイ)氏が扇動、氏族たちが瑲玹の工費の着服が原因だと騒ぎ立て、間に入った城主・辰栄熠(シンエイユウ)は説得に失敗していた。小夭は父が紹介してくれた鋳造師を招き、新しい弓を頼むことにした。すると思いがけず名匠とは思えない若い娘が現れる。「あなたが弓が欲しい人?私は金天星沈(キンテンセイチン)」金天星沈はいきなり王姫の手を確認し、自分以上に荒れていると驚いた。「人を殺そうと思ったらよほど稽古しないとね」王姫を気に入った金天星沈は滅多に手に入らない名器を紹介した。ある男の注文で最高傑作の弓を完成させたが、なぜか男は使えないと怒って帰ってしまったという。弓を見た小夭はひと目で気に入った。しかし弓の実力を発揮させるには主人と認めてもらう必要があり、そのためには九頭蛇の血が必要だという。「ふっ、だから買い手がつかないのね、ではこの弓を頂くわ」瑲玹は禺彊(グウキョウ)から崩壊した大明殿の調査報告を聞いた。大明殿が崩れたのは枓栱(トキョウ)が割れたことが原因で、割れた場所には白蟻がいたという。調べてみると玉山の万年玉髄で育てられた白蟻で、昆梧(コンゴ)木も食い荒らす特殊な蟻だった。誰かが故意に放ったのは明らか、すでに怪しい者を捕らえに行かせたが、そこへ衛兵が駆けつけ、大工の彭山(ホウザン)がすでに自害していたという。「口封じされたな」小夭は辰栄山へ持ち帰る珍しい霊草や薬材を手に入れ、整理していた。すると阿念(アネン)が血相を変えて現れ、瑲玹が大変なことになったと報告する。「大明殿が崩れて岳梁(ガクリョウ)が検分に遣わされたって!哥哥を潰すつもりよ!」驚いた小夭は侍女たちにすぐ荷物をまとめるよう命じ、辰栄山に帰ると決めた。阿念は一緒に行きたいと頼んだが、小夭は珍しく姉として妹を諭す。「瑲玹はやめなさい…瑲玹は女子に情を求めていない 自分に想いを寄せる女子に利用する価値があるなら拒まないわ 女子を娶ることで争いが避けられるの 私だって本当は嫌よ、でも平凡な民の命のはかなさを思えば賛同できる 阿念、父王に良い人を選んでもらいなさい」「でも…40年、忘れようとしても無理だった 望みはないと分かっている、他の女子がいてもいい、私に優しければそれでいいの」「自分に厳しくなりなさい!王姫たるものが男に依存して生きると?!」「私は姐姐ほど強くない、分かるの、哥哥を失ったら生きる喜びも失ってしまうと…」阿念は両親の他に頼れるのは小夭だけだと訴え、自分の力になって欲しいとすがった。その頃、任務を終えた老桑が西炎から紫金宮へ戻った。瑲玹は待ちかねていた応龍将軍の返信を読んだが、文をその場で燃やしてしまう。「小夭のために中原に留まらなければ…何としてでも」しかし肝心の塗山璟の行方がまだ分からなかった。そんなある日、赤水豊隆は離戎昶から知らせを受けて賭場に駆けつける。すると自暴自棄になった塗山璟が酔い潰れていた。五王の息子・西炎岳梁がついに辰栄山に乗り込んできた。すると帳簿を全てかき集め、厳しく調べるという。鈞亦(キンエキ)は戦々恐々だったが、瑲玹はすでに塗山璟が整理したので抜かりはないという。しかし何事も″絶対″はない。もし祖父が調べれば早晩、あかるみにでるだろう。そこへ瀟瀟が駆けつけた。「殿下、王姫がお戻りです」外は雪になった。瑲玹は外套を持って小夭を出迎えたが、驚いたことに阿音が一緒だと知る。外套がひとつしかなく戸惑う瑲玹、しかし気を利かせた瀟瀟が外套を持って駆けつけた。( ๑≧ꇴ≦)哥哥w阿念は瑲玹から外套をかけてもらいながら、黙って帰ってしまったことを謝罪した。しかし瑲玹は今までと変わりなく笑って済ませてくれる。「小夭、なぜこんな寒いうちに戻った?風邪でも引いたらどうする?」「五神山にいれば風邪は引かなくても心配で病になるわ、ふふ それで爺爺は修築を他の者に任せるつもりなの?」「分からぬ、検分次第だろう」小夭はたとえどんな犠牲を払おうと瑲玹を中原に留めると誓った。「恐れたりはしない、勝てばいいだけ…血を流すことも恐れない」一方、皓翎王は小夭から届いた文を読んでいた。「″錦上に花を添える″には時機を見ねばな」蓐収(ジョクシュウ)はここで瑲玹に助け船を出さねば花を添える機会も来ないと諫言したが、皓翎王は厳しかった。「″九死に一生を得る″、それが王の道だ」小夭は弓の主人となるべく相柳(ソウリュウ)を呼び出した。どうやら相柳が頼んだ弓は無事、小夭の手に渡ったらしい。相柳は一粒の血を放ち、小夭自ら手に入れろと言った。すると小夭は見事に血の鳥を射止め、弓の主人となる。「霊力の弱いお前が良くここまで上達した、もう私が教えることは何もない」「ご教授に感謝します、師父」「私は用がある、もう行くぞ」相柳は歩き出しながら後ろを気にしていた。しかし小夭は引き留める様子もなく、そのまま帰ってしまう。↓もはや師父扱い?( ̄▽ ̄;)つづく( ゚ェ゚)いや〜回りくどいのよ、蛇夫はwさてボロボロ17、一体、何があったのでしょうか?!
2024.10.11
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长相思 lost you forever第34話その夜、小夭(ショウヨウ)は激しい雷鳴で目が覚めた。すると回廊から護衛・苗莆(ビョウホ)の声が聞こえる。「王姫、塗山(トザン)少主がお見えです」「璟(ケイ)?」小夭が慌てて門を開けると、憔悴した塗山璟が傘もささず、びしょ濡れになって立っていた。西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は夜更けに突然、訪ねて来た塗山璟を小夭に会わせてやった。しかし塗山璟が帰るまで安心して眠ることはできない。あの様子から自分にとっては朗報だと分かったが、小夭を思うとやはり胸が痛んだ。塗山璟は祖母が半月の命だと明かし、3日後に族長の座を継ぐことになったと伝えた。「拒めなかった、すまない…また君を失望させて」「分かったわ、大丈夫…あなたの心は柔らかい、その柔らかさに私は惹かれたの」一方、青丘では族長の座を奪われた塗山篌(トザンコウ)が母の霊廟で酒を飲みながら腐っていた。すると防風意映(ボウフウイエイ)が現れ、実はまだ勝算があると励ます。そんな2人の悪巧みをちょうど夫の様子を見に来た藍枚(ランマイ)が聞いていた。皓翎(コウレイ)王は塗山家から届いた招待状を小夭に譲った。「父王は優しい、これで堂々と見に行ける」瑲玹はこんな事態になっても参列する小夭を心配したが、小夭は愛する塗山璟の晴れ姿を目に焼きつけておきたいという。「心配しないで、失ったものに未練を残さない、私が男のために泣き暮らすと思う?」小夭は精一杯、強がって見せた。青丘で塗山璟の族長継承の儀が行われた。すると晴れ渡る空に九尾の印が現れ、太夫人や長老たちは吉兆だと大いに喜ぶ。実は継承式で毎回、吉兆が現れるとは限らず、まさに天が塗山璟の就任を認めたという証しだった。小夭は祝宴の気分ではなく、独りで裏庭に出た。すると方風邶(ボウフウハイ)として参列していた相柳(ソウリュウ)が現れる。小夭は自分の命を取り引きに使った相柳にどこか冷たかったが、相柳は落胆する小夭をわざとからかった。「塗山璟が族長を継承しなければ妹のこと、退婚に同意したのにな…ふっ」「不運には慣れているの、幸運に恵まれた時もそれが消える覚悟はしている 誓いの言葉も本気で信じてはいないわ 悲しくないと言えば嘘になるけれど、泣くほどでもない」「可愛げのない女子だな」相柳は小夭の強がりを見抜き、気晴らしに賭場へ行こうと誘った。離戎(リジュウ)氏が営む地下賭場は青丘にもあった。あの″二つ頭の犬″と塗山璟が親しいとは意外だったが、小夭は早速、試合をのぞいてみる。すると40年前に23話で戦っていたあの少年がいた。相柳の話では奴隷主との契約で40年間、連勝すれば自由の身になれるという。「今日が最後の日だ…40年も勝ち続けられたのは、九尾狐の檻にいたお前と同じ 心に目標を定めて果てしない日々をただ耐え続けたんだ そして砂粒ほどの小さな希望をあきらめなかった」その時、少年と対戦相手は相打ちとなり、共倒れになってしまう。観戦者たちは諦めて引き上げ始めたが、小夭だけは少年を鼓舞し続けた。「立って!勝てば自由になれるのよ?!立って!立って!」もはや体力の限界に来ていた少年、しかし小夭の声が届いたのかよろよろと立ち上がり、勝者となった。喜んだ小夭は塗山璟のことも忘れて大興奮、思わず相柳に抱きついてしまう。(´-ω-`)小夭…そういうトコだぞ?小夭は大勝ちして賭場をあとにした。すると闘技場から解放された少年が現れ、以前にも会ったことを覚えているという。実はあれから相柳は7回も少年の試合を見に来ていた。少年は相柳の下で働きたいと頼んだが、断られてしまう。「あなた名前は?」「奴隷11と呼ばれていた」そこで小夭は左耳のない少年に″左耳(サジ)″と名付け、困った時は辰栄山の瑲玹を訪ねるよう勧めた。「私は小夭よ、私の名を出せば仕事をくれるわ」小夭は勝った銭を全て左耳に渡し、見送った。しかしその後ろ姿を眺めているうち、小夭はかつて同じように闘技場から逃げた相柳の姿が重なる。「私があなたを救いたかった…そうすればあなたは自由でいられた ただの防風邶でいられたはずよ? 誰かに恩や情を返す必要もなく、負うべき責任も守る道義もなかったのに…」相柳は決して小夭と相容れないのだと思い知らされ、あえて自分から突き放した。「お前が私を救うだと?…思い上がりもいい加減にしろ!」小夭は急に声を荒げた相柳に怯えて後退り、そこへ思いがけず塗山璟が現れた。すると小夭は塗山璟の手を引き、慌ててその場から逃げ出してしまう。小夭は塗山璟を連れて黙って歩いた。しかしやがてふと塗山璟の手を離してしまう。「小夭、私から離れて行くのか?」「そのつもりはない、でもあなたが族長になった姿を見た時、失望や迷いを覚えたわ 私たちはそれぞれの道を歩き始めたと感じたの でも今は平気、簡単に諦めるべきじゃない、いつか道を1つにできるはずだわ」小夭は左耳の諦めない姿に感銘を受け、前向きになっていた。「私はわがままで冷めたところがあるから、まず自分を守ろうとする 人の言葉も心から信じられない、こんな私を受け入れるのは大変よね」「言ったはずだ、まず私が君を信じると」すると塗山璟は小夭を強く抱きしめた。(´-ω-`)小夭、ホントそういうトコだぞ?萃苑(スイエン)では五王・西炎徳岩(セイエントクガン)が七弟・西炎禹陽(セイエンウヨウ)から興味深い話を聞いていた。実は塗山璟が小夭のために退婚を申し出たという。どうやら瑲玹に力を貸すのも小夭のためらしい。気がつけば中原の氏族に影響力がある四大世家のうち3家が事実上、瑲玹の後ろ盾となっていた。瑲玹の血縁にある西陵(セイリョウ)氏はもちろん、瑲玹の腹心である赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が族長となれば赤水氏が味方になるのもやぶさかでない。しかし五王は勢いづく瑲玹が己を過信しているはずだと踏み、それを逆手に取ると決めた。「40年前、辰栄山に仕込んだ奥の手を使う時が来た」紫金宮の修築を進める瑲玹のもとに曋淑同(シンシュクドウ)と樊彰(ハンショウ)がやって来た。2人は城主が決めた″竣工の儀″の日取りを上奏、しかし瑲玹は工期が短いと難色を示す。しかし2人から最上の吉日だと説得され、仕方なく施工を急がせるしかなかった。辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は塗山璟と小夭が来たと聞いて木樨(モクセイ)園に駆けつけた。もし兄に見つかればまた一騒動、しかし塗山璟は涼しい顔で琴を弾いている。そこで小夭はひとまず馨悦と一緒に部屋を出ることにした。すると案の定、塗山璟がいると聞きつけた赤水豊隆が乗り込み、塗山璟と取っ組み合いの喧嘩になってしまう。塗山璟と赤水豊隆は久しぶりに思い切り殴り合い、落ち着いた。実は豊隆は小夭を取られたことより、自分に隠し事をしていたことが許せなかったという。塗山璟は小夭が王姫でなかった頃に知り合い、好きになったと明かした。今の小夭なら自分より豊隆や防風邶の方がふさわしいと分かっていながら、どうしても諦められないという。「いつからそんな臆病になった?!お前は俺の兄弟分だ、釣り合わないわけがない」「お前のことだ、兄弟分に譲ってくれると分かっていた、だから言えなかったんだ もう怒らないよな?」「…いいや!」すると2人は笑い合った。瑲玹は辰栄府を訪ねた。塗山璟と赤水豊隆の顔はあざだらけだったが、すでにわだかまりが解けたことに気づいて安堵する。つづく(  ̄꒳ ̄)小夭、いやホントお前のそういうトコだぞw
2024.10.09
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长相思 lost you forever第33話西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は塗山璟(トザンケイ)の枕元でうたた寝しているに小夭(ショウヨウ)を見つけた。しかしまだ夢のようで、そっと手を伸ばして小夭の頭を優しく撫でてみる。「小夭…」ようやく小夭が戻って来たと実感し涙ぐむ瑲玹、その時、小夭がふと目を覚ました。すると瑲玹は態度を一変させ、自分ではなく塗山璟の元に駆けつけたとへそを曲げて出て行ってしまう。小夭はこの数十年、ずっと瑲玹を気にかけていたと弁解した。塗山璟の命が危ういと知って駆けつけたものの、辰栄馨悦(シンエイケイエツ)に真っ先に尋ねたのは瑲玹のことだったという。すると瑲玹は小夭を抱きしめた。「お前を失うかと思った…」「安心して、哥哥、これからは十分に気をつけるわ」瑲玹は相柳(ソウリュウ)がどうして小夭を救えたのか不思議だった。小夭の話では蠱虫(コチュウ)が功を奏したのだという。「蠱虫を通じて正気を送り込んだあと、血呪(ケツジュ)の術で命を長らえさせたのよ」瑲玹は取り引きした以上、一時しのぎでは困るとこぼし、実は辰栄山の峰ひとつと交換する約束だと明かした。…まさか条件を出していたとは恐れ入ったわ…小夭は相柳に恩返しできるか心配だったが、どうやら取り越し苦労だったらしい。一方、相柳は金天(キンテン)谷の金天星沈(キンテンセイチン)を訪ねていた。金天星沈は注文を受けた弓を45年も鍛え続け、残る部品は弦だけだという。そこで相柳は弦を託し、また3ヶ月後に来ると約束して帰った。( ̄▽ ̄;)え?相柳だったんだ、てっきり青丘の兄だと思ってたw小夭は塗山璟が目覚めるまでそばにいたいと頼んだ。仕方なく瑲玹は赤水豊隆(セキスイホウリュウ)と辰栄馨悦に医術に通じる小夭に塗山璟を任せたいと伝え、許可をもらう。そこへ思いがけず禺彊(グウキョウ)がやって来た。小夭は呆然、刺客が来たと激しく動揺したが、実は禺彊は瑲玹の配下になったという。すると馨悦は兄たちの話を邪魔しないよう小夭を連れ出し、この37年間の出来事を話して聞かせた。その夜、小夭はこっそり木樨(モクセイ)園に駆けつけ、塗山璟のそばに付き添った。主人と小夭の仲睦まじい様子を見て嬉しそうな式神。「私の死を知って生きる意欲を失ったと聞いたけど、そんなに私を想っていたなんて… 私を命と同じくらい大事だと想っているなら、何があっても私を見捨てないわよね でも懸命なあなただからきっと答えてくれない、口にしてたがえたら嘘になってしまうもの それにあなたが約束してくれたとしても私が信じない 人の心は世と同様に移ろいやすい、自分のことも信じがたいわ…璟、早く目を覚ましてね」西炎国と皓翎(コウレイ)国に瑲玹から小夭が目覚めたと知らせが届いた。西炎王はちょうど罪人の処刑を命じるところだったが、報告を聞いて恩赦を与えると決める。一方、皓翎王は滋養のため小夭に万年水髄(スイズイ)を届けるよう命じた。蓐収(ジョクシュウ)は直ちに調達に向かったが、運良く阿念(アネン)の寝宮に山ほどあると分かる。すると阿念は小夭が心配だとおくびにも出さず、霊獣が食べ飽きてるので譲ってもいいと言った。「礼なら霊獣に言って」小夭は塗山璟を中庭のあずま屋へ連れ出した。24話の夢が叶い、塗山璟の黒髪をとかしながら山歌を口ずさむ小夭。すると式神が現れ、主人が目を覚ましたと身振り手振りで伝えた。しかし小夭が確認すると塗山璟は眠っている。「また邪魔したら縛るわよ?」その時、薬湯を届けに来た静夜が驚きのあまり盆ごと落とした。小夭はその意味を悟り、ゆっくり振り返る。「璟…目覚めたの?声をかけてくれればいいのに…」「声を出したら君が消えてしまいそうで…」2人は硬く抱き合い、互いの無事を喜んだ。「わっ私は何も見ていません!」焦った静夜は急いで引き返してしまう。小夭の甲斐甲斐しい世話のおかげで塗山璟がついに意識を取り戻した。「小夭、私は君の夫として堂々と一緒にいたかった 王姫である君に釣り合うためには塗山璟でいなければならない だからこの名を手放せなかったんだ、だが間違っていた、この名を捨てるよ 君と一緒にいられるなら夫婦を名乗れずとも、君の下僕になったとしても構わない ただそばにいて君を守りたい…この命より君の方が大事だ」塗山璟は生きている限り小夭を手放せないと涙してしまう。すると小夭はこれまで見捨てられてばかりだった自分にとって″手放さない″という言葉が何より嬉しいと笑った。瑲玹は塗山璟が回復したと聞いて辰栄府に駆けつけた。久しぶり集まった同志で囲む食卓、その時、辰栄馨悦は塗山璟と小夭の様子から2人の関係に気づいてしまう。馨悦は小夭と2人だけになってから遠回しに探りを入れた。すると小夭は隠し立てもせず相思相愛だと認めてしまう。一方、瑲玹と赤水豊隆は病み上がりの塗山璟に早速、資金繰りを頼んだ。塗山璟は銭なら工面できると快諾したが、早急に青丘へ戻り、祖母に全て話すつもりだという。瑲玹にはその意味が分かったが、赤水豊隆は首を傾げた。「私は小夭に想いを寄せている」塗山璟の告白を聞いた豊隆は呆然となった。「つまり愛する小夭の後を追うつもりだったのか?!」豊隆はあろうことか自分の屋敷で小夭と塗山璟が蜜月を過ごしていたと知り激怒、塗山璟を殴ってしまう。瑲玹は興奮する豊隆を外へ出した。どちらにしても防風(ボウフウ)家が退婚に応じるとは思えないが、塗山璟は身分も何もかも捨てて小夭を選ぶという。「祖母が認めてくれなければ塗山璟の名も捨てる、葉十七(ヨウジュウシチ)に戻るだけだ」その時、小夭が現れた。小夭は塗山璟が身ひとつになっても気にしないという。瑲玹の前で見つめ合う2人…。瑲玹は自分には決して叶わぬ夢を手に入れた塗山璟が何とも妬ましかった。瑲玹は小夭を連れて辰栄山に戻った。すると山は鳳凰樹林で真っ赤に染まり、思い出の鞦韆(シュウセン)まである。瑲玹は正直に塗山璟を待つだけ無駄だと言った。「哥哥、心配は無用よ?失敗続きだったから常に最悪の想定をしているわ ″期待しなければ永遠に失望しない″って言ったでしょう?」「結果がどうあれ私がついている」瑲玹と小夭は硬く手を握り合い、しばし昔を懐かしむように鳳凰樹林で過ごした。一方、青丘に戻った塗山璟は祖母に改めて退婚を願い出ていた。もし同意しないのなら縁を切る覚悟だという。全てを聞いた太夫人は王姫に激怒し、どんなに身分が高くても嫁には決して迎えないと退けた。そこで翌日、家族を集め、長老と相談の上、3日後に塗山璟を族長に指名する儀式を行うと伝える。驚いた塗山篌(トザンコウ)は他にふさわしい者がいると猛抗議、すると塗山璟も兄の方が族長に相応しいと推挙した。「お前の同情などいらぬ!」塗山篌が怒号を響かせると、太夫人が突然、激しく喀血してしまう。実は太夫人の余命は半年しかなかった。つづく( ๑≧ꇴ≦)あ~またかwでも想定内?w
2024.10.08
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神隐 The Last Immortal第10話「暴かれた嘘」鴻奕(コウエキ)は阿音(アイン)を励まそうと得意の幻術で花吹雪を見せた。しかし阿音はどこか上の空、やはり古晋(コシン)が華姝(カシュ)に求婚するせいだろう。図星だった阿音は慌てて空元気を出し、これから凝雲(ギョウウン)山を見つけに行こうと誘った。古晋への未練を断ち切るようにむやみに飛び回る阿音。鴻奕は他の結界に飛び込むなど危険だと叱ったが、その時、偶然、孔雀族に襲われる鷹族公主・宴爽(エンソウ)を目撃する。すると阿音が加勢するより早く鴻奕が飛び出し、宴爽を救った。顔を合わせれば喧嘩になる2人だったが、宴爽もこの時ばかりは颯爽と現れた鴻奕の姿に思わず見惚れてしまう。鷹族と孔雀族は停戦したはずだった。しかし面目を潰された華衍(カエン)が報復して来たという。宴爽はそもそも古晋が遮天傘(シャテンサン)を貸したからだとぼやいたが、阿音は鷹族が孔雀族の領土を狙ったことが発端だと古晋をかばった。すると宴爽が出たら目だと反論する。実は孔雀王は100年前の戦で鷹王に負け、焦って修練した結果、自分で内丹を傷つけていた。古晋と阿音が偶然、宴爽から華姝を助けた時も、先に鷹王を襲ったのは華姝だという。あの時、碧血霊芝(ヘキケツレイシ)で父を治したかったのは華姝ではなく宴爽だった。仙界では鷹族が開戦を迫ったと伝えられていたが、実際は鷹族が失踪した師兄を探すため、孔雀族の聖地である無極洞(ムキョクドウ)を開けて欲しいと頼んだだけだという。「証拠なら鷹島に証拠があるわ!」一方、古晋はなかなか華姝に求婚する気持ちになれず、祝宴の時間まで中庭で酒を飲んでいた。ふと気がつけば阿音のことを考えてしまう古晋…。その時、華姝の侍女・紅雀(コウジャク)が侍女を叱る声が聞こえて来た。)<待って!それは殿下の大切な鵲羽灯(ジャクウトウ)よ?七夕に贈られた貴重なものなの古晋は真身に戻った阿音が暴れながら″鵲羽灯″と叫んでいたことを思い出し、やはり阿音が正しかったと分かった。華姝は古晋との約束を破って誰かと密会し、しかも静養していたと嘘をついていた。青衣(セイイ)は師叔が傷つくのも無理はないと慰めたが、古晋は気落ちしているわけではないという。確かに梧桐(ゴトウ)島で助けられた縁で近づきたいと願ったが無理強いしたこともなく、なぜ嘘をつく必要があったのだろうか。すると青衣は師叔の冷静さに困惑した。「人間界の恋愛話本によれば、誰かを愛すると善悪の区別ができなくなると… 殿下の嘘を見過ごして己の本心に背けますか? もし分別ある行動を取れるなら…それは愛じゃない、恩義を感じているだけです」( ๑≧ꇴ≦)青衣!人間界上がりなのに悟ってるw古晋は気持ちの整理がつかず、ともかく求婚は考え直すことにした。しかし青衣が早とちりして孔雀王に婚書と結納品の鳳冠を渡してしまったという。Σ(⊙∀⊙)ヒャーーー!古晋は婚書と結納品を取り戻すため孔雀王を訪ねることにした。すると通りかかった裏庭で偶然、華姝と瀾灃(ランホウ)帝君の密会現場を目撃する。華姝は帝君からもらった首飾りを返し、二度と会えないと別れを告げていた。実は人質となった兄を救うため、遮天傘を煉化してしまったという。大澤山を守る宝を無断で我が物にしたと分かれば大事、そのため華姝は古晋の求婚に応じると説明した。驚いた瀾灃は贖罪のために嫁ぐなどあってはならないと反対し、華姝を抱き寄せる。その様子を目の当たりにした古晋は自分の愚かさに気づき、阿音にまで理不尽な思いをさせてしまったと後悔した。…10年も執着し、盲目になっていた…↓(∩ω∩`)確かに見たくなかったわw一方、鷹島では宴爽が鷹族と孔雀族のこれまでの戦書や戦報を証拠に華姝の嘘を暴いていた。しかも華姝は遮天傘を煉化して自分の神器にしていたという。「煉化しないと天罡(テンコウ)星は使えないもの」阿音は古晋の優しさにつけ込み神器を奪ったと激怒、百鳥島にいる古晋に知らせることにした。孔雀王の誕辰の宴が始まった。華黙(カモク)は娘と入場しながら、古晋から婚書の無効と遮天傘の返還不要という書簡が届いたと知らせておく。安堵した華黙は真っ先に孔雀族の恩人である古晋に感謝の杯を捧げたが、古晋は衆目の中ででわざわざ鳳冠の返却を求めた。「若かりし頃、華姝殿下から受けた恩には感謝しています そのため遮天傘と炫星鳳冠(ゲンセイホウカン)をお貸ししました 危機を脱した今、大澤山は争いに介入しません、早期に鳳冠をお返しください 遮天傘は恩返しとして贈りましょう」招待客たちは驚いた。誰もが孔雀族は大澤山の庇護を得たと思っていたが、古晋の様子ではあきらかに距離を置きたがっている。すると同席していた瀾灃は華姝の面目を守るため、その場で求婚の意があると宣言した。その時、突然、阿音の叫び声が聞こえて来る。「師兄?!…阿晋!私よ!結界を解いて!」華姝は古晋に頼まれ、仕方なく結界を解いた。すると阿音は華姝が大澤山の遮天傘を我が物にしたと激怒する。古晋は自ら華姝に譲ったとなだめ、求婚したのも自分ではなく帝君だと明かした。拍子抜けする阿音だったが、その時、思いがけず帝君に謁見できた宴爽が上申したいと訴え出る。北海で静かに暮らして来た鷹族。数百年前から霊力の高い弟子たちが失踪し、いくら探しても消息はつかめなかった。しかしついに孔雀族の領土である無極洞の外で同族の霊力が見つかり、鷹王は捜索を願い出たという。孔雀王はこれを拒否、この時、もし百鳥島を打ち負かせば捜索を許すという戦約が結ばれた。結局、華姝が遮天傘を手に入れ、鷹族は降参するしかなかったという。宴爽は証拠として開戦帖を招喚した。寝耳に水だった古晋は図らずも遮天傘を貸して孔雀族に加担してしまったと知る。瀾灃は帝君として公正に判断し、孔雀王に捜索を許可するよう命じた。すると万儀(バンギ)派も客観的に判断するため、同行すると申し出る。孔雀王は腸が煮えくり返る思いだったが、招待客たちの手前、了承するしかなかった。宴爽の嘆願が叶い一件落着、しかし古晋は捜索の許可だけでなく、10年の休戦協定を100年に延ばすよう提案した。「私の遮天傘が原因で鷹族を敗北させてしまった、私に免じてお願いします」「もし断ったら?」すると古晋は神剣を招喚し、巨大な剣気を誇示した。「停戦を断るなら、再び戦が起きた時、大澤山は鷹族のために剣を抜くでしょう」孔雀王は100年の停戦に同意した。華姝は従順だった古晋の反発に誰よりも驚き、侍女に命じて裏庭に呼び寄せる。「負傷した父を助けるため仕方なくて…」「殿下、もう十分です、鷹族は仲間を捜索したいだけだった まさか北海を見下すためにわざと遮天傘を煉化したとでも?」「わざとじゃない、緊急事態じゃなければ決してしなかったわ」「…華姝殿下、尊師は私を守るため遮天傘と大澤山をつなげていました 半神でも煉化には半月以上かかります」古晋は華姝の嘘に気付いていたが、百鳥島を一人で背負っていた華姝に同情したのも事実だった。「恩返しに遮天傘を贈ります、私にできるのはここまで…どうかお元気で」華姝は呆気に取られながら古晋の背中を見送った。しかしこれも全て阿音のせいだと逆恨みする。「利用価値のないものは必要ない、特に鷹族の味方は不要よ」宴爽は父への報告のため急いで帰って行った。仙車で帰路についた古晋たち、しかしどこか気まずく誰も口を開かない。古晋は華姝への感情が子供じみた憧れに過ぎず、阿音への想いとは違うことに気づいた。そうとは知らず、阿音は自分が華姝を追い詰めたせいで古晋を傷つけたのだと誤解してしまう。「阿晋、ごめんなさい、急に真相を暴露してあなたの顔に泥を塗ってしまった」「何を言ってるんだ?俺は…」「俺が行けと煽ったんだ」鴻奕が咄嗟に阿音をかばうと、古晋は2人の関係を怪しんでしまう。すると鴻奕が古晋と阿音を励まそうと朗報を伝えた。「晨敏(シンビン)が言ってた、幽冥(ユウメイ)界に梧桐の木があるって」古晋は青衣だけ仙車で先に帰し、人間界に降りた。鴻奕の話では皇城の城門が幽冥界へつながっている唯一の道だという。すると急に烏が集まって来た。実は烏は人間界の悪夢を集め、牛車が烏たちを幽冥界へ運び入れるという。「阿玖ったら物知りなのね!」「俺は博識だからな」古晋は2人の何気ない会話にも内心、おだやかではなかった。(´-ω-`)<俺だって博識ですけど…ボソッ鴻奕の説明通り東市街から牛車が現れた。古晋たちはこっそり荷車に乗り込んだが、急に重くなったことを訝しんだ牛が急に止まってしまう。すると勢い余って阿音が古晋の胸の中に飛び込んだ。見つめ合う古晋と阿音。その時、鴻奕は阿音がよからぬ想いを抱けば主従契約の罰を受けると思い出し、咄嗟に阿音を引っ張って古晋から離した。古晋たち結界から幽冥界に入った。部外者は滅多に入ることができないだけに、阿音は噂で聞いていた不気味な場所とは違うと驚く。山間亭には多くの店や露店が集まり、まるで人間界のように賑やかだった。古晋たちは幽冥王に謁見するため鐘霊(ショウレイ)宮を訪ねた。阿音は門前でまたも鳳隠(ホウイン)の仙元を感じ取ったが、あっけなく門前払いされてしまう。実は鐘霊宮の規則で謁見は毎月1日のみ、今日は2日だった。「どうしても謁見をお望みならあちらへ…」宮殿の向かいに修言(シュウゲン)楼があった。修言楼では令牌を買うことができるという。しかしすぐ謁見できる″特等令牌″の値をつけるのは楼主だった。特等令牌が出たのは3000年でわずか2回だけ。その時の値は九頭蛇(キュウトウジャ)の内丹10個と梧桐の木で交換したという。…本当に梧桐の木があるとは…古晋は阿音がまたしても仙元を感じ取ったことに驚いていたが、その時、楼主が現れた。つづく(´⊙ω⊙`)はっ!修言だ!…って化粧こっ!w宴爽の陳情がワケワカメ数年前に同族の霊力を見つけた→戦約を結んだ→100年経過したえ?どういうことなんです?
2024.10.07
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神隐 The Last Immortal第9話「宿命の星」主従契約に反する想いを抱き、発作で倒れた阿音(アイン)。閑善(カンゼン)から古晋(コシン)に好意を抱いたのか聞かれても笑って否定したが、確かに気がつくと古晋のことばかり考えていた。阿音は古晋のことを考えまいと独り散策に出かけた。今夜は七夕、鵲羽(ジャクウ)仙路は天河を見に来た仙族たちで賑わっている。阿音は人混みを避けて静かな場所を探したが、その時、偶然、瀾灃(ランホウ)帝君と華姝(カシュ)を見かけた。華姝への想いを込めて″鵲羽灯″を贈る瀾灃、すると華姝が受け入れてくれる。すると喜んだ帝君は華姝を待たせ、贈り物を取りに戻った。阿音は華姝のもとへ駆けつけ、古晋を蔑ろにするなと憤慨した。しかし華姝は悪びれる様子もなく、仙僕が口を出すなと蔑む。阿音は遮天傘(シャテンサン)を返すのが嫌で華姝が曖昧な態度を取っていると気づき、早速、古晋に言いつけることにした。すると華姝は阿音を捕まえ、術をかけて自分たちを見た記憶だけ消してしまう。翌朝、華姝が禁谷を訪ねると、古晋は殊勝にもまだ山梨の木の下で自分を待っていた。そこで昨夜は急に体調をくずして出掛けられなかったと嘘を付く。すると阿音が駆けつけ、公主が来なかったのは他の人と会っていたからだと暴いた。しかしなぜか記憶がおぼろげで相手が誰か思い出せない。困惑した古晋は興奮気味の阿音をなだめたが、阿音は古晋が自分を疑っていると誤解し、怒って行ってしまう。華姝は居所に戻っても阿音のことが気がかりだった。すると侍女・紅雀(コウジャク)が帝君を籠絡できた今、もはや古晋など用済みだと笑う。しかし天帝の後継者である瀾灃が原則を曲げてまで孔雀族側に立つとは思えず、後顧の憂いは絶えなかった。その時、百鳥(モモトリ)島から急報が届く。…大殿下が奇襲をかけ、鷹軍営で捕らわれの身に…その夜、阿音は鴻奕(コウエキ)と一緒に酒を飲んで憂さ晴らしした。こうなったら早く凝雲(ギョウウン)山を探して古晋とおさらばしたいが、結界を作って姿を隠した山を見つけるのは至難の業だと嘆く。卵の妹にも毎日のように念を送っているが、全く反応がなかった。「妹が化身するとしたら山にある湖なの…ヒック」すると鴻奕は一緒に探すと申し出た。「阿音…君の心に入りたい」鴻奕は阿音を抱きしめようとしたが、その時、突然、阿音が消えてしまう。🦊<チッ!主従契約め!古晋は阿音を連れ戻した。すると泥酔した阿音は真身の水凝獣(スイギョウジュウ)に戻ってしまう。その時、運悪く華姝が訪ねて来た。古晋は咄嗟に阿音を寝台に隠して結界で閉じ込め、急いで対応に出る。「あ、酒に酔った猫が暴れていて…え?何ですか?」「明日の朝、帰ることになったの、それから話があって…」しかし阿音が″鵲羽灯″と叫びながら興奮し始めたため、古晋はそこで話を切り上げてしまう。華姝は遮天傘のことで相談があったが、仕方なく諦めた。一方、競技大会で大澤山に滞在する機会を得た鳳鳴(ホウメイ)は羅盤で仙脈を探し当てていた。しかし遮天傘の影響が残っているのか、侵入しようとした瞬間、腕に激痛が走る。その時、異変を察した青衣(セイイ)が禁足地に駆けつけた。鳳鳴は物陰で息を潜めていたが、思いがけず閑竹(カンチク)が現れ、難を逃れる。「師叔?2日ぶりですね、人間界に2年間も?」「…遅くなったが皆には言わないでくれ」(  ̄꒳ ̄)師叔…まさかw閑竹は禁足地の見回りを口実にして衍天(エンテン)殿へ戻った。今のところ結界に問題なくは仙脈も落ち着いていたが、閑善は目下の心配は古晋だという。実は2人を占ったところ、もし古晋と阿音が結ばれることがあれば、これが古晋の劫だと分かった。驚いた閑竹はならば急いで華姝との縁組を進めてはどうかと提案する。一方、妖界では鷹族と孔雀族が対峙していた。息子の華衍(カエン)を人質にされた孔雀王・華黙(カモク)は卑怯だと激怒したが、鷹王・宴丘(エンキュウ)と公主の宴爽(エンソウ)は降参しないなら華衍の内丹を潰すと迫る。その時、大澤山から華姝が戻って来た。すると華姝はすでに上君に昇格、遮天傘を見事に操って鷹族を退ける。たまりかねた宴爽は一族を守るため降参し、泣く泣く投降書を渡したのだった。鳳鳴は負傷しながらも仙脈の場所を特定した。合流した灼影(シャクエイ)は鳳鳴を手当したが、手首に傷跡が残ってしまう。「これでいい、天罡(テンコウ)星による傷跡には見えない」すると灼影は大きな種を渡し、仙脈に仕掛けるよう頼んだ。「気をつけろ、そいつは確実に芽を出し、霊力を吸い取って飲み込む」鳳鳴は遮天傘がなくてもまだ天罡星の気が仙脈を守っていると心配したが、灼影の話では仙脈の結界が消失しかけているという。どうやら遮天傘はもう戻らないらしい。「天の助けだな…ふっ」閑善と閑竹は古晋を呼び出し、華姝に縁談を申し込むよう勧めた。ちょうど孔雀王の誕辰祝いに招待されているため、婚書を持って話をまとめて来いという。すると閑竹は尊師が飛昇した時に残してくれた半神器・炫星鳳冠(ゲンセイホウカン)を招喚、これで求婚すれば間違いないと太鼓判を押す。しかし美しい鳳冠を見た古晋はなぜか真っ先に冠を付けた阿音の姿が思い浮かんだ。阿音は古晋が百鳥島へ求婚に行くと知った。なかなか決心がつかない古晋だったが、阿音に背中を押されて出掛けてしまう。しかし阿音は独りになると急に涙があふれ出した。孔雀王は古晋の来訪を心から歓迎した。従者の青衣は師叔がいつ求婚話を切り出すのか待っていたが、古晋は遮天傘を貸したことで誤解を招いたと思い、早急に返却して欲しいと頼む。驚いた孔雀王は静養中の華姝が自分で返すはずだと時間稼ぎ、ひとまずその場は逃げ切った。青衣はいらぬ気を回し、師叔に代わって勝手に婚書と結納品の鳳冠を孔雀王に届けた。喜んだ孔雀王は早速、娘に朗報を伝えたが、華姝は古晋に興味はない。「受け取るべきではありませんでした」しかし孔雀王は古晋に嫁げば大澤山と身内になり、遮天傘を返さずに済むという。華姝も確かに古晋は善良だと認めたが、気ままな性格で向上心がなく、常に中立な大澤山では百鳥島の後ろ盾にもならないと言った。「瀾灃はいずれ天帝になる、そうすれば私は天后よ?鳳族も一目置くでしょう 同じ仙禽(センキン)なのになぜ我々は鳳族の臣下なの? 父王、私の夫は九重天(キュウチョウテン)宮と仙界の主でなければ…」一方、大澤山では鴻奕が元気のない阿音を励ましていた。つづく( ゚ェ゚)あ~なるほど、孔雀族は仙禽だから仙界なのか(←今さらw)それにしてもかなり遠くまで離れられるようになったよね@主従関係w
2024.10.06
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神隐 The Last Immortal第8話「雷鳥と雷劫の賜物」閑竹(カンチク)は青衣(セイイ)を同行して南天洞府(ナンテンドウフ)を訪ね、大量の書物を借りた。しかし飛行中の帰路で突風にあおられ、青衣が背負っていた書物の1つが落下してしまう。閑竹は風向きから人間界に落ちたと気づいた。そこで青衣を先に帰して人間界へ降り、無事に書物を回収する。すると偶然、男たちに追われる娘を目撃、閑竹は男たちを追い払ったが、美しい皖月(カンゲツ)に魅了されてしまう。( ゚ェ゚)え?師兄の恋愛ネタまでぶっ込んできたwその頃、大澤(ダイタク)山は試練競技会の準備でてんやわんやだった。古晋は飛昇天劫(ヒショウテンゴウ)が近いため観心谷にこもることにしたが、偶然、大会の優勝賞品が年に1つしか取れない″陰火陽冰(インカヨウヒョウ)″だと知る。一方、灼影(シャクエイ)は密かに梧桐(ゴトウ)島に潜入していた。「なぜ来た?結託が知れたらどうする?」「心配ない、教わった秘法で結界に入った」鳳鳴(ホウメイ)は鎮魂塔(チンコントウ)を守る古木・揺籃(ヨウラン)を甲斐甲斐しく世話していながら、その裏で灼影と通じていた。鳳族の掟では鳳皇を継承できるのは火鳳だけ、なぜ真の実力者である自分が鳳皇になれないのか。灼影は妖族と偽ってそんな鳳鳴の野心につけ込み、互いに火鳳玉の破壊を望む者同士として手を組んだ。そこで灼影は青霖(セイリン)から預かった羅盤を差し出し、これで仙脈のありかを探して欲しいと頼む。実は火鳳玉が仙脈で守られているため灼影は近寄ることもできなかった。「主の話では大澤山の試練競技会は事を進める好機だ」鳳鳴は灼影の素性を怪しみながら、結局、羅盤を受け取った。↓よく見る顔なのに何のドラマか思い出せない( ̄▽ ̄;)試練競技会当日、大澤山に多くの仙門が集まり、瀾灃(ランホウ)帝君が参加者6名を発表した。壇上に並んだのは万儀山・霊風(レイフウ)や梧桐島・鳳鳴ら5人、すると最後に古晋の名が呼ばれる。すると閉関したはずの古晋がやって来た。驚いた阿音は競技中に雷劫に遭遇すれば危険だと引き留めたが、その時、孔雀族公主・華姝(カシュ)が現れる。古晋は華姝に見とれていたが、急に阿音の手を振り切って壇上に上がってしまう。古晋は阿音のため陰火陽冰を手に入れようと急遽、競技大会に参加を決めた。競技は帝君が放った天界の雷鳥から紫電を仙器に集めるというもの、最初に戻った2名が勝者となる。こうして6人は帝君の開始の合図と同時に雷鳥を追って舞い上がった。会場では瀾灃が鷹族との諍いが絶えない華姝を労った。華姝は感謝して下がったが、瀾灃は華姝が落とした飾り袋を拾う。実はその袋は幼い頃、瀾灃が華姝に贈った星を入れた袋だった。一方、霊風たちは雷鳥に手を焼いていた。そんな中、鳳鳴は顔見知りの古晋に声をかけ、麟粉(リンプン)で雷鳥の気を引き、催眠術をかけようと提案する。2人は雷鳥を誘き寄せることに成功、しかしあと一歩というところで霊風が雷鳥に攻撃し、怒らせてしまう。仕方なく古晋は興奮した雷鳥を捕まえに向かったが、鳳鳴は運良く雷鳥が放った紫電を手に入れた。最初に戻った鳳鳴が勝者の1人となった。最後の一枠を古晋と霊風が争う中、急に暗雲が垂れ込め、運悪く雷劫が訪れてしまう。Σ(⊙∀⊙)ヒャーーー!今かよ?!@古晋その時、巻き込まれた霊風が雷に打たれて落下してしまう。阿音は必死に雷劫に耐える古晋を見かね、無謀にも駆けつけた。「どうして来たんだ?!打たれたら死ぬぞ!」「いいから早く!陣形を!」しかし閑善(カンゼン)は2人を見守りながら、確かに古晋と霊脈で通ずる阿音なら力になれるかもしれないと期待した。古晋は阿音の加勢で雷劫を乗り切り、雷鳥を捕まえて戻った。こうして古晋は下君(カクン)に昇格し、競技会でも2人目の勝者となる。帝君は鳳鳴と古晋に職位を選ぶよう命じたが、古晋の目的は賞品のため職位はいらないと断った。すると阿音をかばって最後の天雷を受けた古晋が倒れてしまう。( ゚ェ゚)え?雷劫って打たれなきゃダメなんじゃ?古晋が目を覚ますと阿音が付き添っていた。しかし阿音は華姝のために無茶をした古晋に冷たく当たる。すると古晋が阿音に優勝賞品の陰火陽冰を渡した。「鴻奕(コウエキ)が言っていただろう?これで霊力を消耗せずに済むって」古晋が競技会に出たのは阿音のためだった。誤解していた阿音は深く反省し、お詫びに古晋と華姝の仲を取り持とうと思いつく。そこで青衣が教えてくれた話本を参考に桃花の下で古晋に告白させることにした。大澤山に桃花の木はなかったが、禁谷の山小屋の横に特別な山梨の木があり、仙力を10刻ほど注げば桃色の花が咲くという。ちょうど明日は七夕、阿音は早速、古晋に計画を教えた。↓反省する阿音華姝は古晋に興味などなかったが、七夕の誘いに快く応じた。かつて火鳳の降誕を潰しながら無傷で済んだ古晋、恐らく身上に何か秘密があるのだろう。何より遮天傘(シャテンサン)を使い続けるためには古晋をつなぎ止めておく必要がある。 片や瀾灃も長年、上君止まりで上神する気配もなかったが、今や帝君となった。「わざと落とした星の袋が功を奏すかどうかね…」すると目論見どおり瀾灃が訪ねて来た。瀾灃は華姝に星の袋を返しに来た。今も華姝が星の袋を持っていてくれたことに感激した瀾灃は明日の七夕、一緒に出かけようと誘う。「実は200年前から公主のことを思っていた」「考えさせてください」↓チョロいチョロいw古晋は禁谷の山梨の木に桃色の花を咲かせようと懸命に仙力を送り続けた。しかし七夕当日になっても桃色の花は咲かない。見かねた阿音は古晋を休ませ、試しに自分が仙力を与えることにした。「やめておけ、お前の仙力じゃ到底無理d…ブハーッ!」阿音があっさり桃色の花を咲かせるのを見た古晋は思わず茶を吹き出してしまう。山梨の木は桃色の花で満開となった。阿音はこれで休めると喜んだが、古晋に引き止められ、告白の予行練習に付き合わされてしまう。「…君が好きだ」しかし阿音は急に気分が悪くなり、逃げるように帰ってしまう。阿音は回廊で倒れ、ちょうど通りかかった青衣が寝殿に運び込んだ。心配そうに見守る閑善と鴻奕、すると阿音はすぐに目を覚ます。実は閑善は阿音が主従契約の発作で倒れたと知っていた。「契約に反する想いを抱いたことが原因だ、正直に答えなさい 古晋を傷つけたいと思ったか?」「まさか!」「では古晋に惚れたか…」つづく( ๑≧ꇴ≦)孔雀公主www闇堕ちの青霖より根っから真っ黒の孔雀公主…嫌いじゃないw
2024.10.05
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神隐 The Last Immortal第7話「解かれた封印」帰墟(キキョ)山で4つ目の鳳隠(ホウイン)の仙元を手に入れた古晋(コシン)と阿音(アイン)。2人は急いで立ち去ることにしたが、その時、乾坤袋(ケンコンタイ)に忍び込んでいた鴻奕(コウエキ)が飛び出した。すると主守の晨敏(シンビン)公主に見つかってしまう。実は鴻奕の両親は200年前の仙妖大戦で公主の母である白芷(ハクシ)天后に殺されていた。鴻奕はこの機に報復しようと企んでいたが、晨敏の仙力で拘束されてしまう。そこで古晋は丁重に拝礼して帰墟山へ入った事情を説明し、お詫びに賭場で手に入れた晨家の家紋を贈った。おかげで晨敏は怒りが鎮まり、鴻奕を解放して消えてしまう。しかしその家紋は灼影(シャクエイ)の罠だった。帰墟山の護山大陣が突然、魔陣に変わり、古晋たちは魔物に襲撃された。阿音は乾坤袋の鷹族公主・宴爽(エンソウ)を解放、その大きな翼で敵を撃退してもらう。しかし灼影が配下を率いて現れ、阿音が捕まった。「霊気は魔気へと変わった、逃げられぬぞ?…古晋、久しぶりだな」「はっ!炙火(シャカ)の結界で見た黒影…お前だったのか!」↓鷹公主がカッコいい灼影は古晋が晨敏への贈り物に紋章を選ぶと予想し、あらかじめ紋章に魔気を仕込んでいた。案の定、晨敏は紋章を受け取って石碑にはめ込み、あふれ出した魔気が護山大陣を侵してしまう。「火鳳玉を渡せ、さもなくば小娘を殺す」古晋は仕方なく火鳳玉を招喚し、自ら灼影のもとへ届けた。しかし灼影が火鳳玉に触れようとした瞬間、魔族たちははね飛ばされてしまう。古晋は無事に阿音を取り戻し、4人で五行陣法を開いた。しかし多勢に無勢、灼影の渾身の一撃で陣が壊れ、4人は深手を負ってしまう。その時、古晋の元神(ゲンシン)剣が現れ、長剣になった。神剣とは知らない灼影たちは無謀にも独りで歯向かってきた古晋にとどめを刺そうとしたが、古晋の放った神気をまともに浴びて全滅、驚いて撤退する。すると古晋は阿音を心配し、真っ先に駆け寄った。鴻奕は怪我をした阿音にこっそり霊丹を渡そうとした。しかし古晋に見咎められてしまう。「狐血丹だろう?これは精華を高める一方で、狐族の主への服従を強いられる …話がある、こっちへ来い!」古晋は鴻奕が妖功の精華を高めるのが目的で阿音を欲しがっていると気づいた。「ならば阿音の同意を求めるべきだ、強要するな、お前を軽蔑する」「いいだろう、それは使わない、平等な勝負だ…お前も阿音が好きなんだろう?」古晋は思わぬ指摘に動揺、阿音はあくまで師妹であり仙僕だと否定し、自分の心は華姝(カシュ)にあると訴えた。その話を2人を追ってきた阿音が聞いてしまう。灼影はまたしても火鳳玉を奪えなかった。激怒した青霖(セイリン)は罰として一撃を与えたが、実は火鳳玉には禁制が敷かれ、触れることもできなかったという。「なるほど、確かに仙族は仙脈と仙器を使って禁制を敷いた… これを″あの者″に渡せ、仙脈を探しに行かせるのだ」しかしこれまで大量の妖丹を吸って生き延びてきた青霖の肉体にも限界が近づいていた。「九尾狐の身体を手に入れなければ…」すると青霖は鴻奕の身体に弑神花(シシンカ)の種が侵入していることを思い出した。古晋たち4人は友となった。宴爽は鷹族と孔雀族の戦に加勢するため一足先に飛び立ち、一方、古晋と阿音は鴻奕の内丹を治すため大澤山へ連れて行くことにする。すると道中、長旅に備えて独りで食料を集めに出かけた鴻奕の前に叔母の鴻若(コウジャク)が現れた。鴻若は一緒に帰るよう説得したが、鴻奕から拒絶されてしまう。そこに虎族の林墨(リンボク)が現れ、叔母を傷つけないよう鴻奕をたしなめた。「この男のために三重天に留まって両親を見捨てたんだな…叔母とは認めない!」憤慨した鴻奕は逃げようとしたが、鴻若の妖力に捕まってしまう。その時、鴻若は鴻奕の身体が弑神花の種に侵されていると気づいた。恐らく傷を負った時に侵入したのだろう。鴻若は無理に連れ戻すのをあきらめ、その代わり壇木(ダンボク)の玉を鴻奕の腕にはめた。驚いた鴻奕は腕輪を外そうとしたが外れない。「いずれ十尾(ジュウビ)の血が目覚めたら狐族の王位を奪う!覚えてろよ!」青霖は魔に侵された鴻奕を発見、密かに身体を乗っ取ろうとした。しかし壇木の玉に跳ね返され、反噬をくらってしまう。鴻若が自らの妖元を費やしてまで鴻奕を守るとは意外だったが、青霖は思わぬ敵役を見つけた。「弑神花の種を己の身体に移し、妖力の半分を鴻奕に与えた 鴻若よ鴻若、妖族の長老にして狐族の王… あの身体を奪い、仙族と妖族に戦を仕掛けてやろう」↓姑姑、なぜタネを捨てなかった?w古晋と阿音は鴻奕を連れて無事、大澤山の山門へ到着した。すると閑善(カンゼン)と閑竹(カンチク)が出迎えてくれる。古晋と阿音は鴻奕の身分を隠すため阿玖(アキュウ)と紹介したが、前狐王と交友があった閑善はすぐ気づいた。「鴻軒(コウケン)の九男だね?…君は父上によく似ている」師兄たちは2人を救ってくれた恩人である鴻奕の静養を快諾してくれたが、念のため隠妖符で鴻奕の妖気を消した。師兄たちは帰墟山に魔物が現れたと聞いて驚いた。九淵(キュウエン)の封印に問題があれば三界に知らせがあるはず、もしくは魔物が蘇生したのだろうか。古晋は魔物の目的が火鳳玉だったと教えたが、師兄たちは首を傾げた。確かに真神が与えた玉だが、火鳳玉は仙元を育む神物に過ぎず、魔物には無用だという。「だが万が一に備え、この件を瀾灃(ランホウ)帝君に上申し、三界に警戒を促そう」天帝代理の瀾灃は大澤山からの報告を受け、妖界に合同調査を持ちかけた。すると妖族たちはこれが妖界を探る口実ではないかと揶揄し、断ってしまう。そんな中、鴻若だけが妖王に警戒を促した。「陛下、不可解な点が…魔物は兆候もなく現れ、姿を消しています この隠密な動きは青霖を想起させます」しかし妖王・林森(リンシン)は青霖なら封印されているため安心だとなだめた。かつて魔族を率いて仙族をも虐殺した青霖は妖族の恥、もはや自分たちの敵でもあるという。天宮の主管の職を選ぶ50年に一度の試練競技会が大澤山で開かれることになった。古晋は真っ先に司禄(シロク)仙君である華姝も参加するのか確認したが、孔雀族と鷹族が交戦中のため、分からないという。そこで古晋は賭場で手に入れた碧血霊芝(ヘキケツレイシ)を華姝に届けようと思いついた。しかし袋は空っぽ、宴爽の書き置きが出てくる。…碧血霊芝は持ち主に返せ…師兄は悔しがる古晋を見て遮天傘(シャテンサン)が孔雀公主を守ってくれるとなだめた。近況で戦局が逆転したことを訝しんだ師兄たちは古晋から遮天傘が消えていることに気づき、見当がついたという。「遮天傘を貸すのも厭わぬとは…公主への真心だな」( ゚ェ゚)え?師兄、怒らないんだ…古晋は師兄に仙魔大戦で水凝獣族の故郷・凝雲(ギョウウン)山と共に戦った南天洞府(ナンテンドウフ)を訪ねたいと頼んだ。すると南天府主と面識ある閑竹が口を利いてくれるという。「この件は阿音には内緒にしてください、凝雲山探しが徒労に終われば落胆しますから」そうとは知らず、阿音は華姝ばかり気にかける古晋への不満を募らせていた。阿音は鴻奕の内丹の治療を始めた。しかし古晋が駆けつけ、止める。「毎回、仙力を消耗していたら、半年も経てば修行の精華を損なうぞ?」すると鴻奕は″陰火陽冰(インカヨウヒョウ)″が手に入れば阿音も仙力を消耗せずに済むと教えた。阿音は自分なら大丈夫だと強がって見せたが…。つづく( ゚ェ゚)管理人的メモ師兄の見分け方閑善→東華から大澤山を引き継いだ師兄、金色の簪、判官筆
2024.10.04
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长相思 lost you forever第32話赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)がなぜ禺彊(グウキョウ)を何度も見逃したのか分からなかった。しかし瑲玹はもう襲われることはないと自信を見せる。「小夭(ショウヨウ)の命を狙った者には容赦ないのに、己を狙う刺客には寛容だな」「私が苦難を受け入れるのは小夭に苦痛も屈辱も味わせないためだ」「ふっ、自分は後回しか、皆が忠義を尽くすわけだ」すると豊隆は自分もその1人だと言った。一方、海底で療養する小夭は相柳(ソウリュウ)のおかげでゆっくりと快方に向かっていた。「小夭…目覚めた後に私を恨むなよ」元神の小夭にはその意味が分からなかったが、相柳は退屈そうな小夭のため海上へ出てくれる。小夭の治療のため満月の時は海底から離れられず、相柳も満月を見るのは久しぶりだった。しかし急に暗雲がたれこめ、穏やかだった海が荒れて巨大な渦ができる。相柳は眠っている小夭に怖くないと声をかけ、珍しく自分の過去を明かした。あれはまだ辰栄(シンエイ)国が滅ぶ前のこと。相柳は闘技場から逃げ出し、渦の中で死にかけたところを大将軍の義父に救われた。義父は相柳に傷を癒す術を教え、辰栄王に治療させるとまで言ってくれたが、相柳は逃げてしまう。極北の地へたどり着いた相柳は思いがけず雪に救われ、結局、100年以上も隠れ住んだ。雪に気づきを得た相柳は義父から学んだ功法から修練法を編み出し、そのため霊力を使う時には雪が降るのだという。実は白い衣を好むのも保身の術のなごりだった。相柳の話はそこで終わった。しかしそれからどうなったのか、小夭にも見当がつく。西炎との戦の末に辰栄は滅び、洪江(コウコウ)も凋落、恐らく相柳は恩返しのため養子になったのだ。奇しくも軍師となり、従兄と敵同士人なってしまった相柳。その時、肉体の小夭が悲しそうな表情になり、相柳は困惑した。「どうした?…幻術でも見るか?」そこで相柳は雪を降らせた。元神の小夭は自分が眉間に皺を寄せていると気づき、慌てて皺を伸ばして口を緩ませる。すると肉体の小夭の顔も穏やかになり、それを見た相柳は安心した。小夭が襲撃されてから37年が経った。今や辰栄山にも見事な鳳凰樹林が広がり、瑲玹は母から受け取った若木(ジャクボク)花を眺めながら小夭の帰りを今か今かと待っている。…いつか愛する人にこの若木花を贈りなさい…しかし一方で紫金(シキン)宮の資金繰りは苦しくなっていた。塗山璟(トザンケイ)が倒れて以来、帳簿の管理が塗山篌(トザンコウ)に代わり、銭をごまかすことができない。実はその頃、辰栄府では塗山璟が死の淵をさまよっていた。塗山璟はいよいよ薬もまともに飲めなくなった。静夜(セイヤ)は王姫が回復すれば主人も助かるはずだと期待したが、王姫の消息が分からぬまま、ついに命灯(メイトウ)の炎が消えかかり、揺れ始める。赤水豊隆は中原の神医を連れて駆けつけたが、あと数日の命だと宣告された。鳳凰樹が大きく育ち、瑲玹は朝雲峰と同じ鞦韆(シュウセン)を掛けた。その時、毛球(ケダマ)の鳴き声が響き渡り、相柳が来たことに気づく。相柳は峰で瑲玹を待っていた。「私の条件をのめば小夭を帰らせる」相柳は辰栄山の峰のひとつを要求した。瑲玹が西炎王となった暁には放浪の末に亡くなった反乱軍の兵士を故郷で眠らせ、その峰を禁地にして欲しいという。「約束しよう、だが私が王になれずとも、そのことで小夭を煩わせるな」「いいだろう」その頃、小夭は暇を持て余していた。この十数年、瑲玹は何かと贈り物をくれたが、塗山璟からはなしのつぶて。もしや防風意映(ボウフウイエイ)を娶ったのかもしれない。疑心暗鬼になる小夭だったが、貝殻に戻ってきた相柳から耳を疑うような話を聞いた。実は自分が昏睡してから塗山璟も眠ったまま意識が戻らず、命は残りわずかだという。驚いた小夭は塗山璟を助けたい一心で懸命に相柳に語りかけたが、突然、自分の身体に引き戻された。元神が肉体へ戻り、小夭はついに目を覚ました。しかし相柳の姿はなく、後ろ髪を引かれる思いで毛球の背中に乗る。相柳は密かに小夭が無事に飛び立つ様子を見守ると、誰もいなくなった貝殻に戻った。すると寝台の上に小夭がこぼした涙がある。相柳は小夭が名残惜しんでいたことに気づき、思わず涙を集めて大事そうに握りしめた。紫月宮に小夭が戻ると知らせが届いた。喜んだ瑲玹は小夭の寝殿を掃除させ、調度品を全て対にするよう命じる。しかし小夭が真っ先に向かったのは辰栄府だった。辰栄馨悦(ケイエツ)は小夭が訪ねてきたと聞いて慌てて正門に駆けつけた。「小夭!本当にあなたなのね!」馨悦は思わず小夭に抱きついて涙したが、小夭がまだ瑲玹に会っていないと聞いて困惑する。「璟が重病だと聞いたわ、青丘へ見舞いに行きたいの、一緒に来てくれる?」「先に辰栄府に来て正解よ、璟哥哥はここにいるの」馨悦は小夭を木樨(モクセイ)園に案内した。しかし塗山璟の命灯が燃え尽きたと知り、馨悦は慌てて兄を探しに向かう。悲しみに暮れていた静夜だったが、王姫の姿に気づき、一縷の望みに懸けた。「少主は悲嘆のあまり気が散じ、五臓を傷つけて自ら死を選ばれました 王姫!どうかお助けください!」「死を選んだ?一体、何があったの?生きる気力を失うなんて…」「お分かりにならないのですか?! 梅林で少主は息絶えた王姫を抱き、燃え盛る陣の中に座っておいででした 陣法に精通する少主なら怪我をしていなければ逃げられないはずありません 自ら逃げなかったのです!猛火に焼かれても王姫と離れまいとしたのです! そのお気持ちが分からぬのですか?!少主は死んでも王姫と共にと願われたのです!」瑲玹は小夭の寝殿の出来栄えに満足していた。しかし鈞亦(キンエキ)が駆けつけ、王姫が辰栄府にいると知る。「無事に戻ったのならいい」憮然としながらもあからさまに嫉妬できない瑲玹。一方、小夭は塗山璟に自分の血を飲ませるため、ひとまず胡珍(コチン)と静夜を下げていた。もはや薬も受け付けない塗山璟だったが、小夭は自分の血を入れた薬湯を口移しで飲ませてみる。その時、命灯に小さな炎が戻った。「早く目を覚まして」小夭は塗山璟の胸に顔をうずめた。すると主人が息を吹き返したことで式神が現れ、仲睦まじい2人の様子を見て照れてしまう。辰栄府に瑲玹が到着した。静夜は主人の寝殿に王孫が入ることをためらったが、瑲玹は無視して入ってしまう。すると看病で疲れた小夭が寝台にもたれて居眠りしていた。「…小夭」つづく( ๑≧ꇴ≦)さすが17!あざと過ぎるwこれは夢見る乙女の心を鷲づかみだわ~
2024.10.02
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长相思 lost you forever第31話小夭(ショウヨウ)を襲撃した沐斐(モクヒ)が辰栄(シンエイ)府に捕まった。瑲玹は黒幕を暴こうとしたが、沐斐は拷問にかけられても口を割らないどころか、自分を殺せと開き直る。沐氏は今や沐斐ただ1人、黒幕は初めから沐斐を捨て駒にすると決めていたのだろう。しかし瑲玹は瀟瀟(ショウショウ)から思わぬ情報を手に入れていた。実は沐斐の侍女が暇を出されたその後、密かに息子を産んでいたという。沐斐は慎重を期して母子と滅多に会わなかったが、瑲玹はその息子が沐斐の子だと勘づいた。「口をつぐんだまま死んでも構わぬ、ならばお前の息子にあの世への供をさせてやろう もし私の問いに答えれば息子だけは見逃してやる、小夭を襲った理由だけでいい」沐斐は沐氏一族を滅ぼした赤宸(セキシン)の娘である小夭を襲ったと白状した。実は沐斐も五神(ゴシン)山での″第一王姫お披露目の儀″に参列、小夭の目を見た時、赤宸の娘だと確信したという。そこで真偽を確かめようと五王と七王に謁見し、赤宸と西炎王姫大将軍の密通の噂は本当なのか尋ねた。七王は確かに当時、そんな噂があったと口を滑らせたが、皓翎(コウレイ)に嫁ぐ前のことだったという。すると五王はさも真実を隠すように慌てて七弟を止め、沐斐の憶測が事実だと匂わせた。瑲玹はありえないと沐斐の推測を否定した。そもそも小夭が赤宸の娘なら皓翎王が気づくはず、少しでも疑念があれば盛大にお披露目の儀を開くはずがない。沐斐も冷静に考えてみればその通りだと気づいたが、後の祭りだった。「後悔してももう遅い、お前の命で償ってもらう」瑲玹はかつて小夭も同じように赤宸の娘ではないかと悩んでいたことを思い出した。しかし赤水豊隆(セキスイホウリュウ)には師匠と姑姑の名誉に関わることだと訴え、沐斐の話を2人だけの心に留めておきたいと頼む。豊隆も対応を誤れば西炎王と氏族たちが対立すると危惧して了承した。「中原の安寧のためにも言動には気をつけるよ」その頃、相柳(ソウリュウ)の懸命な治療が功を奏したのか、小夭は危機を脱して元神が目を覚ました。しかし相柳の姿はなく、気がつくと自分の肉体が横たわっている。Σ(⊙∀⊙)ヒャーーー!<私は誰?ここはどこ?!死んだ?死んだのか?!小夭はともかく急いで帰ろうとしたが、自分の肉体から離れることができず、助けも呼べなかった。「今頃、瑲玹が心配しているわね」小夭が襲われた理由が判明、赤水豊隆と辰栄馨悦(シンエイケイツ)は沐斐に協力した仲間を突き止めた。関わったのは沐斐の他に赤宸に一族を滅ぼされた3人、申柊(シンシュウ)・詹雪稜(センセツリョウ)・晋越剣(シンエツケン)。しかし詹雪稜は樊彰(ハンショウ)の許嫁、晋越剣も鄭(テイ)氏の娘の許嫁だったことから、樊氏と鄭氏が助命を求めているという。味方を増やす良い機会、豊隆と馨悦は大事をなすためには諦めることも必要だと説得したが、瑲玹はどうしても受け入れなられなかった。瑲玹は父が戦死した時、祖母や母、姑姑が泣き崩れる姿を目の当たりにした。西炎の初代王后で祖父と共に戦った祖母、若水(ジャクスイ)族の族長として勇敢に戦った母、そして国のために戦死した王姫大将軍の姑姑、瑲玹が知る限り誰よりも強い女子たちが弱々しく途方に暮れる姿は見る者の心を痛めたという。瑲玹はその時、祖父より強くなって3人を守り、二度と同じ経験をさせまいと誓った。しかしその時を待たずして3人は逝ってしまう。「私が強くなるために小夭を傷つけた者を見逃せば昔の自分の誓いを破ることになる 目的のために小夭の敵討ちをあきらめれば、いつか目的のために君たちを切り捨てるだろう 私は君子でもないし、女子を喜ばせることもできぬ しかし自分の身内や友、配下は必ず守ってみせる もし君や瀟瀟、金萱(キンケン)が傷つけられたら、絶対に許さない そのせいで険しい道になろうと喜んで進むさ」豊隆と馨悦は瑲玹の力強い言葉に感銘を受け、なお一層、信頼を深めた。瑲玹は赤宸のことで小夭が勘繰られないよう沐斐の身柄は辰栄殿に任せた。申氏・詹氏・晋氏は自分で罰することにしたが、叔父たちにはまだ手を出せない。「この借りはいつか必ず返す」詹雪稜は女子であることに免じ、瀟瀟が苦しませず暗殺した。後の2人は拷問にかけ、小夭が受けた苦痛をそのまま味わせる。こうして片を付けた瑲玹は寝殿で眠っている分身の小夭に報告した。「お前の敵は討った…それと引き換えに今までの努力が水の泡となるがな 一からやり直しだ、また私を支えてくれ」貝殻に相柳が戻って来た。元神の小夭は必死に声をかけたが、どうやら相柳には自分の声も姿も分からないらしい。すると相柳が自分のために心の臓から血を分け与え、霊力まで注ぎ込んでくれた。『私が目を覚ましたらいくらでも血をあげるわね』しかし相柳は無理がたたって卒倒してしまう。『相柳?!相柳?!…やだ死なないわよね?』←他人事w西炎の朝議、小夭の襲撃事件は西炎王の知るところとなった。七王は嬴(エイ)氏と褚(チョ)氏が沐氏の血を絶やさぬため沐斐の助命を願い出たと上奏したが、西炎王は西陵珩(セイリョウコウ)の血を引くのも小夭ただ一人だと指摘、小夭には同情しないのかと牽制する。「私は中原の氏族の代わりに思いを述べただけで…」「中原の氏族と懇意だとは初めて知った」父に結託を疑われた七王は激しく動揺し、その場で崩れ落ちるようにひざまずき、許しを請う。一方、皓翎王は小夭が襲われたと知り、すぐ連れ帰るよう命じていた。しかし蓐収(ジョクシュウ)の話では瑲玹が救える人物を見つけ、今は動かせないという。沐斐はすでに八つ裂きの刑に処され、西炎王は助命を願い出た族長の交代を命じていた。すると皓翎王も自国にいる嬴氏・褚氏・樊氏・鄭氏を追い出すと決め、今後はこの4氏族の入国を禁じてしまう。相柳はようやく意識が戻り、化粧箱を取り出した。「瑲玹から届いた霊薬だ、役には立たんがな」小夭は瑲玹が自分の居場所を知っていることで安堵したが、塗山璟(トザンケイ)の様子が分からず悶々となる。一方、瑲玹は辰栄山で小夭の好きな鳳凰の木を植えていた。「鳳凰樹が大きくなったら朝雲峰と同じ鞦韆(シュウセン)を掛けてやるつもりだ」「いいですね!殿下が王姫の背中を押す、子供の頃と同じです!」老桑(ロウソウ)が昔を懐かしんでいると、鈞亦(キンエキ)が駆けつけた。約束の場所に相柳はいなかったが、書き付けがあったという。「…目覚めてはいないが一命を取り止めた」瑲玹は喜んだが、塗山璟の容体は悪化の一途をたどっていた。ある夜、瑲玹の寝殿に刺客が侵入した。しかし寝台で眠っていたのは瑲玹の分身、禺彊(グウキョウ)こと玄冥(ゲンメイ)はあっけなく捕まってしまう。「また会ったな、衛兵の目を逃れ、よくたどり着けた」禺彊は瑲玹に誘き出されたと気づいたが、瑲玹はあっさり解放した。「行け、次は罠にかからぬよう気をつけろ」禺彊は懲りずに下山した瑲玹を襲撃した。しかしまたしても失敗、捕まってしまう。瑲玹は仕方なく禺彊を地下牢へ連行し、数々の残酷な刑具を見せた。「ついに本性を現したな!そんな恐ろしい刑具で痛めつけるつもりか!」禺彊は瑲玹への憎しみを募らせたが、実はその刑具を自ら設計したのは200年前の軹邑(シユウ)城の城主だった兄・玄庭(ゲンテイ)だった。今では城主が代わり、これらの刑具は使われていないという。その証拠に瑲玹は玄庭が書き残した刑罰記録を禺彊に渡した。「当時、私は祖父から玄庭の処断を任された、殺したことに後悔はない 納得できないならまた私を殺しに来い」つづく( ๑≧ꇴ≦)ダメだ~あの巨大貝殻が出てくると急にドラマがネズミーになってしまうwww小夭、早く復活してくれ~!
2024.10.01
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