【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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长相思 lost you forever第39話西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は小夭(ショウヨウ)をおぶって寝宮まで送り届けた。塗山璟(トザンケイ)と顔を合わせても思いの外あっけらかんとしている小夭。瑲玹は未練が吹っ切れたことを期待したが、小夭は平気なふりをしているだけだと吐露した。「璟の沈んだ顔を見て気分が良かったわ、もし璟が平静だったら私は辛かったはず 私って素直じゃない、本当は私のこと忘れて欲しくないの 自分は平気なふりをするのに璟が平気なのは許せないなんて…哥哥、私ってどうかしてる?」「本気だったのだ」瑲玹は自分が塗山璟の力を借りたばかりに小夭を苦しめることになったと反省した。「奴が近づく機会を私が与えてしまった、私のせいだ」「璟とは出会う縁だったのよ、自分を責めないで、それに璟への想いに後悔はない 私が自分に損な真似すると思う?ふふ」小夭は笑顔で瑲玹を見送ったが、独りになると何とも言えない虚しさに襲われた。西炎王は紫金頂での祭祀の準備を五王・西炎徳岩(セイエントクガン)に任せた。「政を預かる重責は次の代に譲るべき時が来た…抜かりないようにな 祭祀の後に重要な発表をするつもりだ」徳岩は父王の言葉にすっかり舞い上がり、早速、辰栄(シンエイ)山に乗り込んだ。祭祀の準備を理由に紫金頂を明け渡すよう迫られた瑲玹。しかしあっさり引き下がり、五王が自分の兵を配備させても抵抗しない。小夭はその様子を回廊から眺めていたが、そこへ苗莆(ビョウホ)がやって来た。「王姫、辰栄府からお越しを請うと…」小夭を辰栄府に呼んだのは赤水豊隆(セキスイホウリュウ)だった。すると思いがけず小夭は豊隆から妻になって欲しいと求婚される。実は豊隆はこそこそしたくないとすでに塗山璟にも伝えていた。「悲しそうだったよ、だが私に誠意があるなら祝福すると言ってくれた」小夭は塗山璟の返答に傷ついたが、今は私情に惑わされている時ではなかった。「私を娶る本当の目的を教えて」中原の氏族の間ではすでに祭祀で五王が儲君に冊立されると噂が流れていた。瑲玹に娘を嫁がせた曋(シン)氏以外の六大氏族は五王側に付くと決め、瑲玹は生死の瀬戸際に立たされているという。赤水豊隆は瑲玹を救うため急いで族長になる必要があった。「中原の氏族は世家たる赤水氏に従う、族長になるには君を娶るのが近道だ」「本音を聞けて良かった…瑲玹が出した条件は何?」「…他の女子は娶るなと言われた、この場で誓うよ」小夭は思わず失笑した。「色気のない縁談ね、まるで商いの話をしているようだわ」「私たちらしい」すると小夭は一生の大事ゆえ考える時間が欲しいと頼んだ。一方、紫金頂を立ち退いた瑲玹は小月頂(ショウゲツチョウ)の草屋にいた。鈞亦(キンエキ)の報告では祖父が辰栄山を10万の兵で包囲し、五王の兵も放任しているという。そこで禺彊(グウキョウ)は命があれば直ちに2万の精鋭で奇襲すると言ったが、瑲玹は静観していた。辰栄馨悦(ケイエツ)は兄の縁談を後押ししようと小夭を寝殿に呼んだ。しかし瑲玹を見限った後ろめたさから、つい必死に言い訳してしまう。かつて西炎で人質として怯えながら暮らした経験は馨悦の心に暗い影を落としていた。「もう二度とこんな惨めな日々は送らないと誓った、必ず高みに上り詰めると…」何より辰栄王族の末裔であり中原の氏族たちの象徴でもある馨悦が平凡な結婚をすれば、かつての敗北と恥辱を連想させてしまうという。小夭は瑲玹なら理解してくれると慰め、久しぶりに話せたことを喜んだ。わだかまりが解けた馨悦は安堵したが、もし瑲玹を助けたいなら兄に嫁ぐべきだと助言する。「急いで、一刻を争うのよ?」瑲玹は小夭が戻ったと知って鳳凰樹林に向かった。しかし赤水豊隆が小夭に求婚したと知り、動揺を隠せない。愛する小夭を誰かに渡したくない本音と活路を見出すために嫁いでもらいたい現実。瑲玹は葛藤に苦しみ、思わず背を向けた。「どうしたの?…豊隆以上の婿が見つかると思う?」「確かに彼はお前に相応しい…私がいる限り不条理はさせぬ」すると小夭は瑲玹の力になるべく決意、早速、父の皓翎(コウレイ)王に縁談を知らせる文を送った。皓翎王は小夭を赤水氏に嫁がせることが果たして正しいのか分からなかった。しかしせめて自分がいる限りは力になってやろうと決める。一方、塗山璟は赤水族長の継承の儀にも顔を出さず、露店の酒屋で悲しみに暮れていた。「小六(ショウリク)…すまない、私は葉十七(ヨウジュウシチ)になれず、生涯を共にできぬ」するとひょっこり防風邶(ボウフウハイ)になりすました相柳(ソウリュウ)が現れた。「″六″とか″七″がどうした?算術の稽古か?」「小夭が婚約した、豊隆が小夭を娶る」寝耳に水だった相柳は呆気にとられた。「なぜ豊隆なんだ?」「家柄も才気も申し分ない、裏切り者の私を選ぶはずがないし、ましてお前のような…(はっ)」相柳は何が言いたいのか分かったが、少なくとも小夭がそんな条件で夫を選ばないことだけは知っていた。↓お前たち・・・族長となった赤水豊隆は辰栄府に氏族たちを集めた。実は行宮で西炎王たちの話を耳にしたが、五王は飴と鞭を使い分けて中原に威厳を示すべきと答えたのに対し、瑲玹は同じ国土にある城に何の違いもないと述べたという。「五王が王位について国を動かせば中原の氏族が心休まる日はなくなるだろう どちらを儲君とすべきかは明白だ」その時、瑲玹と因縁がある樊(ハン)氏族長と樊彰(ハンショウ)が難色を示した。すると次男の樊彬(ハンヒン)が父と兄を術縄で拘束、五王に加担する2人を排除してしまう。「長老が認めた次期族長は私です」中原の氏族たちは赤水氏と進退を共にし、瑲玹に従うと決めた。そこで西炎王に謁見し、王孫の瑲玹こそ儲君に相応しいと推挙する。西炎王は自分の決断に委ねて欲しいとなだめて帰したが、この話を聞いた五王は苛立ちを隠せなかった。父の冊立を信じる岳梁(ガクリョウ)は今さら誰も何もできないとなだめたが、七王の息子・西炎始冉(シゼン)は禍根を残さぬよう瑲玹を始末すべきだという。しかし五王は冊立後に動いても遅くないと止めた。祭祀を前に瑲玹は小夭と2人だけで酒を飲むことにした。どうやら瑲玹は奇襲するつもりはなく、手を出さないと決めたらしい。「どうする気なの?」「危機はいつも2人で乗り越えて来た、苦楽を共にする絆に乾杯しよう」小夭はまるで他人事のような瑲玹に困惑したが、勧められるまま酒を飲んだ。すると急に身体の力が抜けて眠ってしまう。瑲玹は小夭の美しい寝顔を目に焼き付け、苗莆に小夭を託した。「抜け道から逃してくれ…もう会えぬだろう」紫金頂で祭祀が始まった。西炎山と中原の氏族たちが見守る中、拝礼の儀を終えた西炎王はいよいよ重要な発表があると知らせる。しかしそれが″儲君の発表″と言った覚えはなかった。「噂は間違いだ、この場で儲君を冊立するつもりはない 今日、発表するのは私の後を継ぐ西炎の君主である 新たな君主に私が果たせなかった願いを託そうと思う」君主?!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ…その時、衛兵に紛れていた小夭が物陰から弓矢を構え、五王に狙いを定めた。すると思いがけず西炎王が瑲玹を呼ぶ。「瑲玹、ここへ」西炎王は自分の王冠を外し、ひざまずいた瑲玹に自らかぶせた。「本日この時より西炎瑲玹は西炎の君主である この儀式ではあまりにも盛大さに欠け、一国の君主の戴冠式とは思えぬであろう だが忘れないでもらいたい 君主とは盛大な儀式ではなく、成し得た偉業によってこそ民の記憶に残るべきだと…」五王たちは呆然、そのまま崩れ落ちるように膝をつき、去って行く先王を見送った。( ๑≧ꇴ≦)哥哥!飴ちゃんどこ?!w先王が石段を降りていると、突然、鎧をまとった小夭がひょっこり現れた。「万一に備えて瑲玹がお前を去らせたと思っていたが?」「去ったと見せかけたのよ」小夭は徳岩が儲君になった場合、その場で殺すつもりだったと明かした。「皆すっかり阿爺に騙されたわ~瑲玹に譲るつもりならなぜ黙っていたの?哥哥が万一…」「瑲玹が辰栄山に隠し持つ精鋭兵のことか?」先王は全て知っていた。「もし瑲玹が起兵して王位を奪ったなら、私とよく似た君主となろう だが瑲玹は違う、私より慈悲と寛容の心を持っている その心で天下により多くの平和をもたらしてもらいたい」すると先王は瑲玹が全ての氏族を承服させるまで辰栄山に留まると決めた。「見せてもらおう、瑲玹がいかに明君となるかを…」つづく(シーズン最終話、なおシーズン2は12月放送予定です)
2024.10.20
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长相思 lost you forever第38話塗山璟(トザンケイ)への未練に我ながら戸惑う小夭(ショウヨウ)。ひたすら石段を登って振り切ろうとしても思いは募るばかりだった。するといつの間にか西炎瑲玹(セイエンソウゲン)が現れ、そっと外套を掛けてくれる。「…人生はやるせない、時々、思うの 自分の生死も手に負えないのに、それ以外のことで争ったり悩んだりする必要がある? 何の意味もないんじゃないかって」「誕生と死は手に負えないから他のことを掌握するんだ」瑲玹は登り疲れたという小夭の手を引き、峰の頂上まで連れて行った。「塗山璟!嘘つき!あなたは約束を破った!」小夭はようやく鬱憤を吐き出すと、瑲玹に自分の婿を選んで欲しいと頼む。「一緒に暮らせる人なら誰でもいい、ただ他に女子を持てば去勢する」確かに祖父の戒めは正しい。相手を間違えさえしなければ、敬い合いながら添い遂げることはできるだろう。「もう自分の目は信じられない、哥哥に頼むわ」(  ̄꒳ ̄)うん、その方がいいwその頃、西炎では五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)が瑲玹を弾劾する山のような奏状を父王に届けていた。辰栄(シンエイ)を併呑して以来、西炎王は中原の氏族が団結しないよう分割統治してきたが、瑲玹は曋(シン)氏を娶って徒党を組み、勢力を伸ばしているという。これに西炎ばかりか中原の氏族からも不満を訴える上奏文が続々と届いていた。「父王、このままでは瑲玹を支持する氏族らが割拠の野望をもちかねません」西炎王は紫金(シキン)宮の修築の完成を機に中原を巡視、紫金頂で祭祀を行なうと決めた。朝臣たちは謀反を心配して反対したが、西炎王はならばこの機に一掃すればいいという。西炎徳岩は東巡特使(トウジュントクシ)として父王に同行することになったが、西炎禹陽は応龍(オウリュウ)将軍と共に留守を任された。西炎王は巡視を強行し、沢(タク)州の行宮に入った。瑲玹は中原での近侍を務めたいと願い出たが、謁見すら叶わず、門前払いされてしまう。西炎王が瑲玹を避けているのは明らか、一報は皓翎(コウレイ)王の耳にも届いた。蓐収(ジョクシュウ)の話では各氏族が招かれた百花宴にも瑲玹は招待されなかったという。事態を重く見た皓翎王は直ちに小夭と阿念(アネン)を迎えに行かせた。しかし瑲玹は小夭が阿念だけ帰して残ったと知る。「師父が迎えを寄こしたのになぜ帰らなかった?!」「約束したはずよ?私たちは進むも退くも一緒だと… 私は爺爺に育てられた恩はないもの、哥哥には手を下せないでしょう?私に任せて」Σ(⊙∀⊙)ヒャーーーッ!百花宴が終わったその夜、西炎王が刺客に襲われた。しかし五王と衛兵が駆けつけ刺客を包囲、すると刺客は自害してしまう。検死の結果、刺客の背中には若木(ジャクボク)の樹液を使った入れ墨があり、彫ってから30年は経っていると分かった。若木と言えば瑲玹の母の一族である若水族が神木とあがめ、神聖な場所ゆえよそ者は近づけない。すると西炎王はすぐ瑲玹を呼ぶよう命じた。西炎徳岩の目論見通り父王は瑲玹の反逆を疑った。徳岩は警備を厳重にする傍ら密かに精鋭部隊を忍ばせ、瑲玹を決して生きて帰すなと釘を刺しておく。すると宮道の暗闇から防風邶(ボウフウハイ)が現れた。「お前が狙うべきは瑲玹の命だ」「分かっています」一方、紫金宮には西炎岳梁(セイエンガクリョウ)が瑲玹を迎えにやって来た。岳梁の口振りでは祖父の襲撃の黒幕が瑲玹だと疑われているらしい。曋淑恵(シンシュクケイ)はもちろん、側近たちも留まるよう懇願したが、瑲玹は拒めば辰栄山が包囲されてしまうと分かっていた。「辰栄山が陥落すれば犬死にとなる、お前たちの命を無駄にしたくない」瑲玹は鈞亦(キンエキ)だけ連れて宮殿を出た。しかし小夭が一緒に行きたいとついて来る。「何かあれば足手まといになる、迷惑だと分からないのか?」「それでも行く、私は皓翎王姫よ?手なんか出せないわ、もし止めるなら勝手に行くから」一方、知らせを聞いた塗山璟(トザンケイ)が辰栄府に駆けつけた。赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は瑲玹が刺客を放つとは思えなかったが、塗山璟は真実より瑲玹が疑われていることが問題だという。そこへ瑲玹と王姫が沢州へ向かったと報告が来た。「小夭も一緒だと?!」瑲玹と小夭は夜半に行宮に到着、正殿で祖父を待ったまま朝を迎えた。すると身支度を終えた西炎王の元に塗山璟と赤水豊隆が謁見を願い出ていると知らせが来る。西炎王はひとまず2人を脇殿で待たせ、正殿に入った。塗山璟と赤水豊隆は脇殿から正殿の様子に耳を澄ませた。その時、瑲玹と小夭が西炎王に挨拶する声が聞こえて来る。五王や老臣たちは瑲玹と中原の氏族が結託していると糾弾、しかし瑲玹は親交を深めたに過ぎないと否定した。すると西炎王は五王と瑲玹に中原の氏族をどう扱うべきか意見を聞きたいという。徳岩は飴と鞭を使い分けて威厳を示すべきと答えたが、瑲玹は違った。「西炎氏は中原の主です、軹邑(シユウ)城と西炎城に何の区別が? 辰栄山も西炎山も同じこと、いずれも国土の城と神山に違いありません」徳岩は瑲玹が失言したと確信し、刺客の入れ墨から瑲玹の仕業だと訴えた。すると黙って聞いていた小夭が祖父に発言したいと申し出る。「瑲玹と若水族の関係は周知の事実、まるで刺客が胸に″瑲玹″と彫ったようなもの 入れ墨は阿爺に疑念と殺意を抱かせるきっかけに過ぎない、簡単なことよ 瑲玹も五王も阿爺の血を引く者、王位を望むのは当然 五王?あなたも陰で努力しているのでしょうね?」 小夭から遠回しに疑われた徳岩は激怒、西炎の朝政に女子が干渉するなと声を荒らげた。「だったら娘(ニャン)が出征した時、何をしていたの?! あの時、女子は干渉するなと止めてくれたら私は孤児にならずに済んだわっ!」小夭は思わず感情的になったが、そこで西炎王が話を止めた。「瑲玹、お前は辰栄山で何をしてきた?」「私は宮殿の修築だけでなく、爺爺の教えに従って王孫としての勤めを果たしています」西炎王にはその答えで十分だった。「分かった、お前を信じよう、刺客を放ったのはお前ではない、帰るが良い」脇殿で話を聞いていた赤水豊隆は小夭の雄弁さに感心していた。普段は人当たりの良い小夭だが、まさかあの五王をやり込めるとは…。しかし塗山璟は瑲玹たちがこのまま無事に沢州城を出られるとは到底、思えなかった。その時、脇殿に西炎王が現れ、2人は足止めされてしまう。瑲玹は小夭と鈞亦を連れて城門に続く長い宮道を歩いていた。すると城楼に潜んでいた射手が一斉に矢を放ち、瑲玹たちが身動き取れなくなったところで精鋭部隊が現れる。その頃、西炎王は塗山璟と赤水豊隆を引き止め、碁の腕前が天下一という塗山璟と一局、手合わせしていた。瑲玹は小夭を守りながら神剣の力で精鋭部隊に応戦した。すると小夭が弓を招喚、城楼の射手を見事に射抜いて瑲玹を援護する。その時、外套をすっぽり被った防風邶こと相柳(ソウリュウ)が瑲玹に狙いを定めて弓を構えた。しかし小夭が瑲玹にぴったり張り付いているため、矢を放つ頃合いがつかめない。「ふっ、弟子が師父の仕事の邪魔をするとはな」瑲玹たちは精鋭部隊に邪魔され前進できず、いよいよ追い詰められた。「哥哥、あと1射よ…そうだ、阿爺の寝宮が近い」「それしかないな」そこで瑲玹は小夭の矢に術をかけた。すると西炎王の寝宮に向かって放った矢は空中で何百本にも増えて前庭に降り注ぐ。「刺客だっ!」将軍は直ちに西炎王に刺客が現れたと報告したが、西炎王は全く動じなかった。西炎王は瑲玹が叔父たちの力を利用して脱出したと分かった。一方、慌てて下がった塗山璟と赤水豊隆は、道すがら将軍から瑲玹たちが無事だと聞いて胸をなで下ろす。2人は瑲玹が五王の罠を逃れた上、逆に罪を被せたと気づき、その策謀に舌を巻いた。塗山璟たちは瑲玹たちに追いつき、帰り道の途中でひとまず水で乾杯した。赤水豊隆は瑲玹の脱出作戦に関心したが、実は小夭の策だったと知る。しかし小夭に合わせる顔がない塗山璟はどこか上の空だった。瑲玹と小夭は駆けつけてくれた2人に感謝して先に帰って行った。赤水豊隆は塗山璟の気持ちを分かっていたが、実は自分も小夭が好きだとほのめかす。すると塗山璟は小夭への想いが本当なら反対しないと言った。「璟、小夭を想うたび後ろめたさを覚えるのだな…だがもう妻子を持った」「分かってる」小夭は瑲玹の岳父・曋淑同(シンシュクドウ)が婿たちの無事を確認して帰ったと聞いた。存亡の機でも様子を見にきてくれた曋氏、これが婚姻の力なのかもしれない。「いつ馨悦(ケイエツ)を娶るの?」「私に会いにも来ない、私に嫁ぎやしないさ」瑲玹は無条件に力を貸してくれるお人好しは小夭だけだと笑った。この苦しい世の中では誰でも自分が一番、愛情では飢えを満たせず、暖も取れない。瑲玹は馨悦の判断に理解を示し、自分にとって要求を満たし合える公平な関係が理想だと話した。「割り切っているのね?」「お前も割り切れ」「哥哥の言う通りだけど、それで心が満たされる?」瑲玹は久しぶりに小夭をおぶって帰ることにした。辰栄山に赤々と広がる鳳凰樹、かつて小夭が自分をおぶって鳳凰樹林を歩いてくれた日が昨日のことのように思い出される。「哥哥…必ず生き抜くわよ」「はお」つづく( ˙꒳˙ )おんぶ…必要?w
2024.10.16
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长相思 lost you forever第37話小夭(ショウヨウ)を守るため何としてでも中原(チュウゲン)に留まらねばならない西炎瑲玹(セイエンソウゲン)。そのため赤水豊隆(セキスイホウリュウ)の提案を受け入れ、あらかじめ祖父の了解を得てから小夭と阿念(アネン)に報告した。「…側室を娶る」しかし相手は辰栄馨悦(シンエイケイエツ)ではなく意外にも曋淑恵(ハンシュクケイ)だった。瑲玹を慕う阿念は呆然、居たたまれなくなり席を立ってしまう。曋氏と言えば中原六大氏族の筆頭で、辰栄王族とも縁を結んでいた。瑲玹の話では曋氏の族長が自分に好感を持ち、力を貸してもらえるという。すると小夭は気まずそうにうつむく瑲玹の手を握り締めた。「生き抜くためだもの、どんな手段をとっても構わない」辰栄府に西炎の使者が到着、西炎王の王命が下った。瑲玹は罷免を免れ、さらに曋氏の娘・淑恵との縁談を賜る。祖父を密かに祭っていた赤水豊隆もその孝行心により不問とされ、改めて名将として王墓に祭ることが許された。するとそこへ皓翎(コウレイ)の使者として蓐収(ジョクシュウ)が現れる。皓翎は両王姫に対する瑲玹の情義に鑑み、紫金宮と王墓の修築に当てるよう建木と帰墟水晶(キキョスイショウ)を下賜した。結局、王墓の祭壇に乗り込んだ西炎岳梁(セイエンガクリョウ)は氏族への謝罪を命じられ、直ちに西炎へ連れ戻された。今回も何とか乗り切った瑲玹。しかし小夭は瑲玹の縁談が叔父たちへの宣戦布告になると心配になる。すると瑲玹は全て分かった上で、曋氏との結盟こそ自分が採る道だと断言した。「小夭、婚礼の場では私を祝うな」「…はお」西炎瑲玹と曋淑恵の婚礼の日。辰栄府には多くの氏族が招かれ、その中には塗山璟(トザンケイ)の姿もあった。塗山璟と目が合った小夭は何とも言えない悲しみを覚えたが、急に胸が苦しくなり、蠱虫(コチュウ)が暴れ出したと気づく。…相柳(ソウリュウ)に何かあったのかしら…すると塗山璟が駆けつけ、術を使って痛みを抑えた。「ありがとう、塗山族長」他人行儀な小夭に胸を痛める塗山璟、その時、ちょうど吉時となった。西炎瑲玹と曋淑恵の婚儀が始まった。しかし小夭は塗山璟がいることに耐えられず、途中で列から離れてしまう。その背中を見た瑲玹はふと幼い頃に小夭と交わした約束が頭をよぎり、感傷に浸った。…妹妹になればずっとそばにいられるわ!…そうだな!私はずっとお前の哥哥だ!何があろうと一緒にいよう!…約束よ?私たちは永遠に離れない!…約束だ!小夭は中庭でひとり悶々としていた。すると防風邶(ボウフウハイ)として招かれていた相柳が現れる。小夭は自分の感情も相柳に伝わっていると知り、相柳がわざと蠱虫で自分を苦しめたと気づいた。実は頭が9つあっても心はひとつ、身体の痛みなら9分の1でも心の痛みはそのまま伝わるという。相柳は己の心ひとつも守れないのかと嫌味を言いながら、小夭を気晴らしに連れて行くことにした。( ゚д゚)へえ…心はそうなんだ ←なぜか妙に感心w塗山璟がようやく祝宴に現れた。瑲玹はおおかた小夭と会っていたのだろうと思ったが、小夭なら防風邶と出かけてしまったという。驚いた赤水豊隆はなぜ止めなかったと聞いたが、塗山璟は苦渋の表情を浮かべた。「妻がいる私に止める資格はない…」小夭は久しぶりに相柳と毛球(ケダマ)に乗って空を飛んだ。「そう言えばどうして髪の色を戻さないの?」「初め防風邶に成り済ました時、霊力ではなく薬草で染めた、それ以来、習慣になってな…」小夭は相柳の思わぬ一面にくすっと笑った。すると相柳は照れ隠しに小夭を連れて海に飛び降り、海底に引きずり込んでしまう。かつて塗山璟に義理立てして相柳からの口移しの息を拒んだ小夭。しかし今では命を賭すべき相手はいない。小夭は目を閉じて相柳に顔を近づけたが、相柳は自分の気持ちを押し殺して笑い飛ばした。「いいから息をしてみろ」小夭は驚いたことに海底でも息をして話すことができるようになっていた。「はっ!…なぜ黙っていたの?酷い人!恨んでやる!」「生きるための代償だ、お前ももはや怪物だ!」相柳はやはり恨まれたと知って傷つき、泳いで行ってしまう。焦った小夭はからかわれたことに怒っただけだと釈明したが、仕方なく自分の腹を叩いた。すると騙された相柳は瞬時に引き返し、結局、小夭に捕まってしまう。小夭は相柳と一緒にしばし水中散策を楽しんだ。その時、貝殻から美しい歌声が聞こえてくる。「鮫人(コウジン)だわ!」「なぜそれを?」相柳は驚いた。確かに小夭を貝殻の中で治療していた時、ちょうど発情期に入った鮫人の求愛の歌を聞いている。小夭は美声と言えば鮫人だと誤魔化したが、相柳は小夭が当時、目覚めずとも意識があったと知った。「ついてるな、滅多に聞けない求愛の歌を2回も…いや、1度目で出会うとは」一方、感情を押し殺して瑲玹の婚儀を立派に仕切った辰栄馨悦。しかし祝宴を終えて居所に戻ると悲しみを抑えきれなくなってしまう。赤水豊隆は嫁がないと決断したのは妹だと呆れ、瑲玹に執着するなと叱った。翌朝、瑲玹は朝餉に阿念と小夭を招いた。曋淑恵は従妹とは言え身分の高い王姫に丁重に拝礼したが、小夭は気遣い無用だという。「嫂嫂(ソウソウ)、頭を上げてください、もう身内なんですから」しかし面白くない阿念は急に怒って帰ってしまう。阿念は居所で独り悶々としていた。すると小夭が駆けつけ、側室を蔑ろにすれば瑲玹を軽んじたことになると叱る。「阿念、淑恵を敬うことが瑲玹のためになるのよ?」阿念は仕方なく瑲玹のために譲歩すると約束したが、馨悦のように感情を抑えられないとぼやいた。しかし小夭は瑲玹のそばにいる女子が誰であれ気にさえしなければ阿念は阿念のままで良いという。「瑲玹のこと、どんなに力を持ったとしても今まで通り阿念を可愛がるはずよ その気性の荒さを改めるだけでいいの」「姐姐…私って本当に愚かね…何から何まで心配をかけて…」「ふふ、愚かな方が幸せになれる、天下一、幸せな女子になって」瑲玹は小夭が相柳と遊びに出かけて祝宴をすっぽかしたことに怒っていた。するとその夜、小夭が哥哥のご機嫌うかがいにやって来る。「婚礼を抜け出したから怒っているのね? でもあなたの作り笑いを見るのも、塗山璟と顔を合わせるのも嫌だった すぐ忘れられると思ったのに、忘れることがこんなにも難しいなんて…「その通りだ、感情は操れない」しかし瑲玹は自分だけはずっと小夭のそばにいると励ました。青丘で防風意映(ボウフウイエイ)が無事に男子を出産した。太夫人は曽孫を腕に抱いて感激、しかし父である塗山璟に笑顔はなく、虚ろな表情を浮かべている。片や塗山篌(トザンコウ)は赤子の顔を愛おしそうに見つめ、祖母に名前をつけるよう頼んだ。すると太夫人は″瑱(テン)″と名付け、その直後、息を引き取ってしまう。塗山府は悲しみに包まれた。藍枚(ランマイ)は夫が御霊に付き添っている間に塗山璟との接触を試みたが、塗山篌に見つかってしまう。小夭は塗山家の太夫人が逝去したと聞いた。そこで弔辞を記した対聯(ツイレン)を送るよう指示したが、実はその日に防風意映が男子を出産したと知る。小夭は祝いの品を送るよう冷静に対処したが、内心、激しく動揺していた。小夭は陵墓へ続く長い石段を登りながら、すでに晩年を生きているような無力感に襲われた。必ず戻ると約束した母の笑顔、哥哥との悲しい別れ、そして自分のためなら全てを捨てると約束してくれた塗山璟…。どんなに歩いても次々と浮かんで来る塗山璟との美しい思い出に、さすがの小夭も途方に暮れた。つづく( ๑≧ꇴ≦)17!後ろ!後ろ!…みたいなw
2024.10.14
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长相思 lost you forever第36話赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が塗山璟(トザンケイ)を見つけてくれたおかげで西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は検分前に帳簿の整理を終えていた。結局、帳簿を調べても何も見つけられなかった西炎岳梁(セイエンガクリョウ)。瑲玹も小夭(ショウヨウ)も岳梁がこのまま引き下がるとは思えなかったが、ひとまず乗り切った。そこで小夭は塗山璟の祖母を治療するため青丘へ出かけたいと頼む。実は小夭は皓翎(コウレイ)で医書や処方箋を調べ尽くし、ある治療法を見つけていた。しかし縁談のための取り引きではなく、あくまで医者としての本分を果たすためだという。瑲玹はうっかり防風意映(ボウフウイエイ)が婚約解消に応じずとも退婚させる方法があると口を滑らせた。「つまり防風意映が命を落とせばって言いたいのね… 私が欲しいのは添い遂げてくれる人、心の善良な人でなければ私を大切にできない 突然、私が冷たくなっても受け入れてくれる人じゃなきゃ」「冷酷無比だと恐れられていても身内には情が深い者もいるだろう?@俺」小夭はもちろん哥哥だけは違うと笑い、すぐに戻ってくると言った。仕方なく瑲玹は小夭を送り出したが…。塗山府では塗山璟が小夭を迎えてくれた。小夭は塗山璟が瑲玹のために手を尽くしてくれることに感謝し、思わず自分から唇を重ねてしまう。「璟って本当に優しいのね」「…優しくなんかない」塗山璟は小夭に大事な話があったが、その時、薬籠(ヤクロウ)の準備ができたと声がかかり、結局、伝えられずに終わってしまう。一方、西炎の朝廷では瑲玹の帳簿に問題がなかったことから、擁護の声が上がり始めた。岳梁は応龍(オウリュウ)将軍のせいだと恨みを募らせたが、思いがけず朗報が入る。「樊彰(ハンショウ)が来ました、瑲玹の秘密をお話ししたいと…」小夭は塗山璟の祖母に霊薬を飲ませた。病を根本から治すことはできないが、2年は延命できるはずだという。「はっ!本当だ、気分がいいわ!王姫、ありがとうございます!」太夫人は感激もひとしおだったが、その時、機を見計らっていた防風意映が急に立ちくらみを起こした。驚いた太夫人は名医である王姫に診て欲しいと懇願、すると脈診した小夭は呆然となる。実は意映は懐妊していた。…あなたが違うと言えば信じる、塗山璟、違うと言って…小夭は心の中で願いながら塗山璟の言葉を待ったが、弁解しないことが答えだと分かった。太夫人が跡継ぎができたと大喜びする中、小夭は独り寝殿を出た。塗山璟は慌てて後を追いかけ、小雪の舞う中庭で小夭に事情を説明する。「三月前、防風意映が自害しようとして看病を任されたんだ」その翌朝、目を覚ました塗山璟は防雨意映の隣で寝ていたという。罠にはめられたと気づいた塗山璟は思わず意映に斬りかかろうとしたが、結局、殺せなかった。経緯を聞いた小夭は防風意映が意識を朦朧とさせて色欲をかき立てる媚薬を使ったと分かった。「でもなぜ?私のもとで医術を学んだあなたがこんな毒牙に引っ掛かるなんて…」「薬を入れたのは奶奶(ナイナイ)だ…」実はあの夜、塗山璟は祖母に勧められた汁物を疑いもせず飲み干していた。「太夫人だったのね…あなたを責めないわ、でも私たちの縁はここまで」すると小夭は塗山璟からもらった魚丹の首飾りを返して帰ってしまう。阿念(アネン)は退屈で小夭が帰るのを今か今かと待っていた。するとようやく小夭の姿が見える。「姐姐!お帰り!哥哥ったら手伝わせてと言っても子供みたいにあしらうの! 姐姐から哥哥に話して!ね?姐姐~姐姐~!」阿音は小夭の腕をつかんで懇願したが、そこへ突然、瑲玹が血相を変えて駆けて来た。「阿念!やめろ!」その時、小夭が激しく血を吐いて倒れてしまう。( ゚д゚)・・・@阿念小夭は悲しみを我慢し過ぎて心脈が傷ついていた。医者は薬よりも気持ちを静めて穏やかに過ごすことが大事だという。小夭は平静を装っていたが、瑲玹は無理に笑う必要ないと言った。「そうしたいわけじゃない、慣れてしまったの 同じ1日なら笑顔の方がいい、心が傷ついてもせめて気丈に振る舞いたいから 少し眠れば平気よ…もう行って」すると小夭は目を閉じてしまう。瑲玹は塗山璟に関わる物すべてを紫金宮から排除した。その夜も心配で小夭の寝所を訪ねたが、ちょうど目を覚ました小夭から大袈裟だと呆れられてしまう。「男を理由に死んだりしないわ、大したことない」「私も何度も自分にそう言い聞かせたよ、″大したことない″と…」瑲玹は小夭が強がっていると分かっていたが、そうしなければ耐えられないことも身をもって知っていた。「悲しむな。塗山璟よりいい男はいる」すると小夭は背を向けてしまう。「悲しんでなんかいないわ」瑲玹は小夭が泣いていると気づいたが、黙って帰ることにした。その時、ふいに小夭が腕をつかんで引き止める。「哥哥…離れないでね」「離れない、ずっとそばにいるよ」岳梁は樊彰の告発で瑲玹が辰栄山陵園に私兵を隠していると知った。そこで氏族たちを集め、辰栄王の墓を守る陣を勝手に破ってしまう。静養していた小夭は外の騒ぎに気づき、弓を招喚して寝殿を飛び出した。一方、赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は岳梁の暴挙に猛反発。しかし岳梁は氏族たちに面白いものを見せると笑う。陵墓に駆けつけた小夭は物陰から弓を構え、岳梁に狙いを定めた。すると瑲玹が急に岳梁に歩み寄り、わざと自分が盾になる。結局、小夭は岳梁を仕留められなかったが、実は瑲玹はすでに手を打っていた。陵墓に隠されていたのは私兵ではなく辰栄炎灷(シンエイヒエン)の霊位だった。実は赤水豊隆が隠れて祖父を祭っていたという。「洵(シュン)山の役で敗れた祖父の亡骸はなく、墓もない 悲嘆に暮れた私は一族に黙って祭壇を作り、祖父を祭った、過ちを認め、罰を受ける」すると辰栄熠(ユウ)は息子の孝行心に思わず涙し、自分が代わりに罰を受けると言った。しかし辰栄王の墓地に押し入ったことの説明を求め、西炎王の判断を仰ぐという。紫金宮に戻った瑲玹は小夭の寝殿を訪ねた。「ごめんなさい、哥哥の策を台無しにするところだった」「西炎王の孫を殺せばどうなるか考えたのか?」「分かってる…でもあなたを失う方が嫌なの」すると瑲玹は小夭の肩を抱き寄せた。「私を失うことなどない」「そうね、今の哥哥なら何が起きても自分の身を守れる」小夭との強い絆を感じ、久しぶりに心が満たされる瑲玹。しかしその夜、西炎から思わぬ報告が届いた。岳梁が瑲玹を罷免し、辰栄山には別の者を送るよう上奏したという。瑲玹と赤水豊隆はいつもの峰で待ち合わせした。すると豊隆は中原に残れる方法があると伝え、妹が渡しそびれた劄記(サッキ)を勝手に贈ってしまう。瑲玹は驚いたが、これは無事に施工の儀を終えてこそ受け取れた物だと気づいた。「馨悦(ケイエツ)を娶れば氏族たちもお前を家族とみなすさ、お前への想いは明白だ」「…たやすく決められぬ、まずは馨悦の考えを聞こう」馨悦は今の瑲玹に嫁ぐのは嫌だと断った。確かに瑲玹に思いを寄せていたが、中原を追われそうなった今、一緒に危険を犯す勇気はないという。赤水豊隆は申し訳なさそうに瑲玹に報告したが、実は婚姻の件で別の提案があった。瑲玹が紫金宮へ戻ると、ちょうど小夭と阿念が談笑していた。2人の笑顔を見た瑲玹はふと応龍(オウリュウ)将軍からの返信を思い出す。…確かに第一王姫の出生の噂を聞いたことがありますが、真相は分かりませんただ王姫大将軍は兵士たちの前で赤宸(セキシン)と心を通わせていると公言したことがあります″赤宸を好いている″と…瑲玹は小夭が赤宸の娘だと確信していた。…いつかこの秘密が世に知られたら小夭を守れるのはこの世で私しかいない小夭、私を失えばお前は耐えられぬお前には幸せで生きて欲しい、他には何も望まぬ…つづく(  ̄꒳ ̄)馨悦、お前もかw
2024.10.12
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长相思 lost you forever第35話赤水豊隆(セキスイホウリュウ)とのわだかまりが解け、従兄弟同士の絆を深めた塗山璟(トザンケイ)。辰栄(シンエイ)府を訪ねた本来の目的は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)に離戎昶(リジュウチョウ)を引き合わせるためだった。中原で長年、差別を受けてきた離戎氏。離戎昶は賭場など下層の商いで祖先の名を汚して来たが、王孫の下で再興を図りたいという。こうして瑲玹は新たな同志を迎えた。小夭(ショウヨウ)は娘を案じる父のため皓翎(コウレイ)国に一度、帰ることになった。実は塗山璟も祖母の具合が悪いとの知らせを受け、青丘(セイキュウ)に戻らねばならないという。名残惜しそうに抱き合い、再び離ればなれになってしまう小夭と塗山璟。一方、青丘では防風意映(ボウフウイエイ)が塗山篌(トザンコウ)から塗山璟の想い人が皓翎の第一王姫だと聞いて驚愕していた。小夭が無事に五神山に到着した頃、赤宸(セキシン)を調査を命じられていた瀟瀟(ショウショウ)が紫金宮に戻った。確かに百黎(ヒャクレイ)にある赤宸寨(サイ)は赤宸と妻の居所だったが、民に尋ねても誰も口を開かなかったという。居所には赤宸の絵姿だけで妻のものはなく、分かったのは西陵(セイリョウ)氏の巫女ということだけだった。「西陵氏の巫女?」報告を聞いた瑲玹は姑姑と赤宸の噂を思い出し、今度は老桑(ロウソウ)に密命を下した。「内密に西炎に帰れ、応龍(オウリュウ)将軍に密書を届けてくれ」一方、辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は愛する瑲玹の力になろうと歴代の辰栄王が治世を記した劄記(サッキ)を自ら書写していた。塗山璟は急ぎ青丘へ戻ったが、防風意映とは距離を置いた。すると防風意映は塗山璟の退婚の意思が固いと分かったのか、身を引いてくれるという。喜んだ塗山璟は早速、祖母に報告したが、その時、意映が自害したと知らせが入った。すぐ気づいた侍女が医者を呼んで事なきを得たが、太夫人は意映を傷つけた孫に激怒、罪滅ぼしに看病するよう命じる。その夜、責任を感じた塗山璟は意映の居所で寝ずの番をすることにした。すると夜更けというのに太夫人がやって来る。「お前は病み上がりで意映まで倒れた、汁物を作ったの、飲みなさい…意映の分もあるわ」( ̄∀ ̄)ニヤリ紫金宮の″竣工の儀″を迎えた。赤水豊隆は塗山璟の姿がないことを訝しんだが、吉時となり儀式が始まってしまう。すると氏族たちが見守る中、突然、大明殿が崩壊した。辰栄馨悦は儀式のあとに手紙を入れた劄記を贈るつもりだったが、無駄になってしまう。↓ガラガラガッシャーン!( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ポカーンこれを受け五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)は工費の着服が疑われるため、早急に使臣を派遣して詳しく調べるべきだと上奏した。瑲玹に恨みを持つ樊(ハン)氏と鄭(テイ)氏が扇動、氏族たちが瑲玹の工費の着服が原因だと騒ぎ立て、間に入った城主・辰栄熠(シンエイユウ)は説得に失敗していた。小夭は父が紹介してくれた鋳造師を招き、新しい弓を頼むことにした。すると思いがけず名匠とは思えない若い娘が現れる。「あなたが弓が欲しい人?私は金天星沈(キンテンセイチン)」金天星沈はいきなり王姫の手を確認し、自分以上に荒れていると驚いた。「人を殺そうと思ったらよほど稽古しないとね」王姫を気に入った金天星沈は滅多に手に入らない名器を紹介した。ある男の注文で最高傑作の弓を完成させたが、なぜか男は使えないと怒って帰ってしまったという。弓を見た小夭はひと目で気に入った。しかし弓の実力を発揮させるには主人と認めてもらう必要があり、そのためには九頭蛇の血が必要だという。「ふっ、だから買い手がつかないのね、ではこの弓を頂くわ」瑲玹は禺彊(グウキョウ)から崩壊した大明殿の調査報告を聞いた。大明殿が崩れたのは枓栱(トキョウ)が割れたことが原因で、割れた場所には白蟻がいたという。調べてみると玉山の万年玉髄で育てられた白蟻で、昆梧(コンゴ)木も食い荒らす特殊な蟻だった。誰かが故意に放ったのは明らか、すでに怪しい者を捕らえに行かせたが、そこへ衛兵が駆けつけ、大工の彭山(ホウザン)がすでに自害していたという。「口封じされたな」小夭は辰栄山へ持ち帰る珍しい霊草や薬材を手に入れ、整理していた。すると阿念(アネン)が血相を変えて現れ、瑲玹が大変なことになったと報告する。「大明殿が崩れて岳梁(ガクリョウ)が検分に遣わされたって!哥哥を潰すつもりよ!」驚いた小夭は侍女たちにすぐ荷物をまとめるよう命じ、辰栄山に帰ると決めた。阿念は一緒に行きたいと頼んだが、小夭は珍しく姉として妹を諭す。「瑲玹はやめなさい…瑲玹は女子に情を求めていない 自分に想いを寄せる女子に利用する価値があるなら拒まないわ 女子を娶ることで争いが避けられるの 私だって本当は嫌よ、でも平凡な民の命のはかなさを思えば賛同できる 阿念、父王に良い人を選んでもらいなさい」「でも…40年、忘れようとしても無理だった 望みはないと分かっている、他の女子がいてもいい、私に優しければそれでいいの」「自分に厳しくなりなさい!王姫たるものが男に依存して生きると?!」「私は姐姐ほど強くない、分かるの、哥哥を失ったら生きる喜びも失ってしまうと…」阿念は両親の他に頼れるのは小夭だけだと訴え、自分の力になって欲しいとすがった。その頃、任務を終えた老桑が西炎から紫金宮へ戻った。瑲玹は待ちかねていた応龍将軍の返信を読んだが、文をその場で燃やしてしまう。「小夭のために中原に留まらなければ…何としてでも」しかし肝心の塗山璟の行方がまだ分からなかった。そんなある日、赤水豊隆は離戎昶から知らせを受けて賭場に駆けつける。すると自暴自棄になった塗山璟が酔い潰れていた。五王の息子・西炎岳梁がついに辰栄山に乗り込んできた。すると帳簿を全てかき集め、厳しく調べるという。鈞亦(キンエキ)は戦々恐々だったが、瑲玹はすでに塗山璟が整理したので抜かりはないという。しかし何事も″絶対″はない。もし祖父が調べれば早晩、あかるみにでるだろう。そこへ瀟瀟が駆けつけた。「殿下、王姫がお戻りです」外は雪になった。瑲玹は外套を持って小夭を出迎えたが、驚いたことに阿音が一緒だと知る。外套がひとつしかなく戸惑う瑲玹、しかし気を利かせた瀟瀟が外套を持って駆けつけた。( ๑≧ꇴ≦)哥哥w阿念は瑲玹から外套をかけてもらいながら、黙って帰ってしまったことを謝罪した。しかし瑲玹は今までと変わりなく笑って済ませてくれる。「小夭、なぜこんな寒いうちに戻った?風邪でも引いたらどうする?」「五神山にいれば風邪は引かなくても心配で病になるわ、ふふ それで爺爺は修築を他の者に任せるつもりなの?」「分からぬ、検分次第だろう」小夭はたとえどんな犠牲を払おうと瑲玹を中原に留めると誓った。「恐れたりはしない、勝てばいいだけ…血を流すことも恐れない」一方、皓翎王は小夭から届いた文を読んでいた。「″錦上に花を添える″には時機を見ねばな」蓐収(ジョクシュウ)はここで瑲玹に助け船を出さねば花を添える機会も来ないと諫言したが、皓翎王は厳しかった。「″九死に一生を得る″、それが王の道だ」小夭は弓の主人となるべく相柳(ソウリュウ)を呼び出した。どうやら相柳が頼んだ弓は無事、小夭の手に渡ったらしい。相柳は一粒の血を放ち、小夭自ら手に入れろと言った。すると小夭は見事に血の鳥を射止め、弓の主人となる。「霊力の弱いお前が良くここまで上達した、もう私が教えることは何もない」「ご教授に感謝します、師父」「私は用がある、もう行くぞ」相柳は歩き出しながら後ろを気にしていた。しかし小夭は引き留める様子もなく、そのまま帰ってしまう。↓もはや師父扱い?( ̄▽ ̄;)つづく( ゚ェ゚)いや〜回りくどいのよ、蛇夫はwさてボロボロ17、一体、何があったのでしょうか?!
2024.10.11
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长相思 lost you forever第34話その夜、小夭(ショウヨウ)は激しい雷鳴で目が覚めた。すると回廊から護衛・苗莆(ビョウホ)の声が聞こえる。「王姫、塗山(トザン)少主がお見えです」「璟(ケイ)?」小夭が慌てて門を開けると、憔悴した塗山璟が傘もささず、びしょ濡れになって立っていた。西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は夜更けに突然、訪ねて来た塗山璟を小夭に会わせてやった。しかし塗山璟が帰るまで安心して眠ることはできない。あの様子から自分にとっては朗報だと分かったが、小夭を思うとやはり胸が痛んだ。塗山璟は祖母が半月の命だと明かし、3日後に族長の座を継ぐことになったと伝えた。「拒めなかった、すまない…また君を失望させて」「分かったわ、大丈夫…あなたの心は柔らかい、その柔らかさに私は惹かれたの」一方、青丘では族長の座を奪われた塗山篌(トザンコウ)が母の霊廟で酒を飲みながら腐っていた。すると防風意映(ボウフウイエイ)が現れ、実はまだ勝算があると励ます。そんな2人の悪巧みをちょうど夫の様子を見に来た藍枚(ランマイ)が聞いていた。皓翎(コウレイ)王は塗山家から届いた招待状を小夭に譲った。「父王は優しい、これで堂々と見に行ける」瑲玹はこんな事態になっても参列する小夭を心配したが、小夭は愛する塗山璟の晴れ姿を目に焼きつけておきたいという。「心配しないで、失ったものに未練を残さない、私が男のために泣き暮らすと思う?」小夭は精一杯、強がって見せた。青丘で塗山璟の族長継承の儀が行われた。すると晴れ渡る空に九尾の印が現れ、太夫人や長老たちは吉兆だと大いに喜ぶ。実は継承式で毎回、吉兆が現れるとは限らず、まさに天が塗山璟の就任を認めたという証しだった。小夭は祝宴の気分ではなく、独りで裏庭に出た。すると方風邶(ボウフウハイ)として参列していた相柳(ソウリュウ)が現れる。小夭は自分の命を取り引きに使った相柳にどこか冷たかったが、相柳は落胆する小夭をわざとからかった。「塗山璟が族長を継承しなければ妹のこと、退婚に同意したのにな…ふっ」「不運には慣れているの、幸運に恵まれた時もそれが消える覚悟はしている 誓いの言葉も本気で信じてはいないわ 悲しくないと言えば嘘になるけれど、泣くほどでもない」「可愛げのない女子だな」相柳は小夭の強がりを見抜き、気晴らしに賭場へ行こうと誘った。離戎(リジュウ)氏が営む地下賭場は青丘にもあった。あの″二つ頭の犬″と塗山璟が親しいとは意外だったが、小夭は早速、試合をのぞいてみる。すると40年前に23話で戦っていたあの少年がいた。相柳の話では奴隷主との契約で40年間、連勝すれば自由の身になれるという。「今日が最後の日だ…40年も勝ち続けられたのは、九尾狐の檻にいたお前と同じ 心に目標を定めて果てしない日々をただ耐え続けたんだ そして砂粒ほどの小さな希望をあきらめなかった」その時、少年と対戦相手は相打ちとなり、共倒れになってしまう。観戦者たちは諦めて引き上げ始めたが、小夭だけは少年を鼓舞し続けた。「立って!勝てば自由になれるのよ?!立って!立って!」もはや体力の限界に来ていた少年、しかし小夭の声が届いたのかよろよろと立ち上がり、勝者となった。喜んだ小夭は塗山璟のことも忘れて大興奮、思わず相柳に抱きついてしまう。(´-ω-`)小夭…そういうトコだぞ?小夭は大勝ちして賭場をあとにした。すると闘技場から解放された少年が現れ、以前にも会ったことを覚えているという。実はあれから相柳は7回も少年の試合を見に来ていた。少年は相柳の下で働きたいと頼んだが、断られてしまう。「あなた名前は?」「奴隷11と呼ばれていた」そこで小夭は左耳のない少年に″左耳(サジ)″と名付け、困った時は辰栄山の瑲玹を訪ねるよう勧めた。「私は小夭よ、私の名を出せば仕事をくれるわ」小夭は勝った銭を全て左耳に渡し、見送った。しかしその後ろ姿を眺めているうち、小夭はかつて同じように闘技場から逃げた相柳の姿が重なる。「私があなたを救いたかった…そうすればあなたは自由でいられた ただの防風邶でいられたはずよ? 誰かに恩や情を返す必要もなく、負うべき責任も守る道義もなかったのに…」相柳は決して小夭と相容れないのだと思い知らされ、あえて自分から突き放した。「お前が私を救うだと?…思い上がりもいい加減にしろ!」小夭は急に声を荒げた相柳に怯えて後退り、そこへ思いがけず塗山璟が現れた。すると小夭は塗山璟の手を引き、慌ててその場から逃げ出してしまう。小夭は塗山璟を連れて黙って歩いた。しかしやがてふと塗山璟の手を離してしまう。「小夭、私から離れて行くのか?」「そのつもりはない、でもあなたが族長になった姿を見た時、失望や迷いを覚えたわ 私たちはそれぞれの道を歩き始めたと感じたの でも今は平気、簡単に諦めるべきじゃない、いつか道を1つにできるはずだわ」小夭は左耳の諦めない姿に感銘を受け、前向きになっていた。「私はわがままで冷めたところがあるから、まず自分を守ろうとする 人の言葉も心から信じられない、こんな私を受け入れるのは大変よね」「言ったはずだ、まず私が君を信じると」すると塗山璟は小夭を強く抱きしめた。(´-ω-`)小夭、ホントそういうトコだぞ?萃苑(スイエン)では五王・西炎徳岩(セイエントクガン)が七弟・西炎禹陽(セイエンウヨウ)から興味深い話を聞いていた。実は塗山璟が小夭のために退婚を申し出たという。どうやら瑲玹に力を貸すのも小夭のためらしい。気がつけば中原の氏族に影響力がある四大世家のうち3家が事実上、瑲玹の後ろ盾となっていた。瑲玹の血縁にある西陵(セイリョウ)氏はもちろん、瑲玹の腹心である赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が族長となれば赤水氏が味方になるのもやぶさかでない。しかし五王は勢いづく瑲玹が己を過信しているはずだと踏み、それを逆手に取ると決めた。「40年前、辰栄山に仕込んだ奥の手を使う時が来た」紫金宮の修築を進める瑲玹のもとに曋淑同(シンシュクドウ)と樊彰(ハンショウ)がやって来た。2人は城主が決めた″竣工の儀″の日取りを上奏、しかし瑲玹は工期が短いと難色を示す。しかし2人から最上の吉日だと説得され、仕方なく施工を急がせるしかなかった。辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は塗山璟と小夭が来たと聞いて木樨(モクセイ)園に駆けつけた。もし兄に見つかればまた一騒動、しかし塗山璟は涼しい顔で琴を弾いている。そこで小夭はひとまず馨悦と一緒に部屋を出ることにした。すると案の定、塗山璟がいると聞きつけた赤水豊隆が乗り込み、塗山璟と取っ組み合いの喧嘩になってしまう。塗山璟と赤水豊隆は久しぶりに思い切り殴り合い、落ち着いた。実は豊隆は小夭を取られたことより、自分に隠し事をしていたことが許せなかったという。塗山璟は小夭が王姫でなかった頃に知り合い、好きになったと明かした。今の小夭なら自分より豊隆や防風邶の方がふさわしいと分かっていながら、どうしても諦められないという。「いつからそんな臆病になった?!お前は俺の兄弟分だ、釣り合わないわけがない」「お前のことだ、兄弟分に譲ってくれると分かっていた、だから言えなかったんだ もう怒らないよな?」「…いいや!」すると2人は笑い合った。瑲玹は辰栄府を訪ねた。塗山璟と赤水豊隆の顔はあざだらけだったが、すでにわだかまりが解けたことに気づいて安堵する。つづく(  ̄꒳ ̄)小夭、いやホントお前のそういうトコだぞw
2024.10.09
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长相思 lost you forever第33話西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は塗山璟(トザンケイ)の枕元でうたた寝しているに小夭(ショウヨウ)を見つけた。しかしまだ夢のようで、そっと手を伸ばして小夭の頭を優しく撫でてみる。「小夭…」ようやく小夭が戻って来たと実感し涙ぐむ瑲玹、その時、小夭がふと目を覚ました。すると瑲玹は態度を一変させ、自分ではなく塗山璟の元に駆けつけたとへそを曲げて出て行ってしまう。小夭はこの数十年、ずっと瑲玹を気にかけていたと弁解した。塗山璟の命が危ういと知って駆けつけたものの、辰栄馨悦(シンエイケイエツ)に真っ先に尋ねたのは瑲玹のことだったという。すると瑲玹は小夭を抱きしめた。「お前を失うかと思った…」「安心して、哥哥、これからは十分に気をつけるわ」瑲玹は相柳(ソウリュウ)がどうして小夭を救えたのか不思議だった。小夭の話では蠱虫(コチュウ)が功を奏したのだという。「蠱虫を通じて正気を送り込んだあと、血呪(ケツジュ)の術で命を長らえさせたのよ」瑲玹は取り引きした以上、一時しのぎでは困るとこぼし、実は辰栄山の峰ひとつと交換する約束だと明かした。…まさか条件を出していたとは恐れ入ったわ…小夭は相柳に恩返しできるか心配だったが、どうやら取り越し苦労だったらしい。一方、相柳は金天(キンテン)谷の金天星沈(キンテンセイチン)を訪ねていた。金天星沈は注文を受けた弓を45年も鍛え続け、残る部品は弦だけだという。そこで相柳は弦を託し、また3ヶ月後に来ると約束して帰った。( ̄▽ ̄;)え?相柳だったんだ、てっきり青丘の兄だと思ってたw小夭は塗山璟が目覚めるまでそばにいたいと頼んだ。仕方なく瑲玹は赤水豊隆(セキスイホウリュウ)と辰栄馨悦に医術に通じる小夭に塗山璟を任せたいと伝え、許可をもらう。そこへ思いがけず禺彊(グウキョウ)がやって来た。小夭は呆然、刺客が来たと激しく動揺したが、実は禺彊は瑲玹の配下になったという。すると馨悦は兄たちの話を邪魔しないよう小夭を連れ出し、この37年間の出来事を話して聞かせた。その夜、小夭はこっそり木樨(モクセイ)園に駆けつけ、塗山璟のそばに付き添った。主人と小夭の仲睦まじい様子を見て嬉しそうな式神。「私の死を知って生きる意欲を失ったと聞いたけど、そんなに私を想っていたなんて… 私を命と同じくらい大事だと想っているなら、何があっても私を見捨てないわよね でも懸命なあなただからきっと答えてくれない、口にしてたがえたら嘘になってしまうもの それにあなたが約束してくれたとしても私が信じない 人の心は世と同様に移ろいやすい、自分のことも信じがたいわ…璟、早く目を覚ましてね」西炎国と皓翎(コウレイ)国に瑲玹から小夭が目覚めたと知らせが届いた。西炎王はちょうど罪人の処刑を命じるところだったが、報告を聞いて恩赦を与えると決める。一方、皓翎王は滋養のため小夭に万年水髄(スイズイ)を届けるよう命じた。蓐収(ジョクシュウ)は直ちに調達に向かったが、運良く阿念(アネン)の寝宮に山ほどあると分かる。すると阿念は小夭が心配だとおくびにも出さず、霊獣が食べ飽きてるので譲ってもいいと言った。「礼なら霊獣に言って」小夭は塗山璟を中庭のあずま屋へ連れ出した。24話の夢が叶い、塗山璟の黒髪をとかしながら山歌を口ずさむ小夭。すると式神が現れ、主人が目を覚ましたと身振り手振りで伝えた。しかし小夭が確認すると塗山璟は眠っている。「また邪魔したら縛るわよ?」その時、薬湯を届けに来た静夜が驚きのあまり盆ごと落とした。小夭はその意味を悟り、ゆっくり振り返る。「璟…目覚めたの?声をかけてくれればいいのに…」「声を出したら君が消えてしまいそうで…」2人は硬く抱き合い、互いの無事を喜んだ。「わっ私は何も見ていません!」焦った静夜は急いで引き返してしまう。小夭の甲斐甲斐しい世話のおかげで塗山璟がついに意識を取り戻した。「小夭、私は君の夫として堂々と一緒にいたかった 王姫である君に釣り合うためには塗山璟でいなければならない だからこの名を手放せなかったんだ、だが間違っていた、この名を捨てるよ 君と一緒にいられるなら夫婦を名乗れずとも、君の下僕になったとしても構わない ただそばにいて君を守りたい…この命より君の方が大事だ」塗山璟は生きている限り小夭を手放せないと涙してしまう。すると小夭はこれまで見捨てられてばかりだった自分にとって″手放さない″という言葉が何より嬉しいと笑った。瑲玹は塗山璟が回復したと聞いて辰栄府に駆けつけた。久しぶり集まった同志で囲む食卓、その時、辰栄馨悦は塗山璟と小夭の様子から2人の関係に気づいてしまう。馨悦は小夭と2人だけになってから遠回しに探りを入れた。すると小夭は隠し立てもせず相思相愛だと認めてしまう。一方、瑲玹と赤水豊隆は病み上がりの塗山璟に早速、資金繰りを頼んだ。塗山璟は銭なら工面できると快諾したが、早急に青丘へ戻り、祖母に全て話すつもりだという。瑲玹にはその意味が分かったが、赤水豊隆は首を傾げた。「私は小夭に想いを寄せている」塗山璟の告白を聞いた豊隆は呆然となった。「つまり愛する小夭の後を追うつもりだったのか?!」豊隆はあろうことか自分の屋敷で小夭と塗山璟が蜜月を過ごしていたと知り激怒、塗山璟を殴ってしまう。瑲玹は興奮する豊隆を外へ出した。どちらにしても防風(ボウフウ)家が退婚に応じるとは思えないが、塗山璟は身分も何もかも捨てて小夭を選ぶという。「祖母が認めてくれなければ塗山璟の名も捨てる、葉十七(ヨウジュウシチ)に戻るだけだ」その時、小夭が現れた。小夭は塗山璟が身ひとつになっても気にしないという。瑲玹の前で見つめ合う2人…。瑲玹は自分には決して叶わぬ夢を手に入れた塗山璟が何とも妬ましかった。瑲玹は小夭を連れて辰栄山に戻った。すると山は鳳凰樹林で真っ赤に染まり、思い出の鞦韆(シュウセン)まである。瑲玹は正直に塗山璟を待つだけ無駄だと言った。「哥哥、心配は無用よ?失敗続きだったから常に最悪の想定をしているわ ″期待しなければ永遠に失望しない″って言ったでしょう?」「結果がどうあれ私がついている」瑲玹と小夭は硬く手を握り合い、しばし昔を懐かしむように鳳凰樹林で過ごした。一方、青丘に戻った塗山璟は祖母に改めて退婚を願い出ていた。もし同意しないのなら縁を切る覚悟だという。全てを聞いた太夫人は王姫に激怒し、どんなに身分が高くても嫁には決して迎えないと退けた。そこで翌日、家族を集め、長老と相談の上、3日後に塗山璟を族長に指名する儀式を行うと伝える。驚いた塗山篌(トザンコウ)は他にふさわしい者がいると猛抗議、すると塗山璟も兄の方が族長に相応しいと推挙した。「お前の同情などいらぬ!」塗山篌が怒号を響かせると、太夫人が突然、激しく喀血してしまう。実は太夫人の余命は半年しかなかった。つづく( ๑≧ꇴ≦)あ~またかwでも想定内?w
2024.10.08
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长相思 lost you forever第32話赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)がなぜ禺彊(グウキョウ)を何度も見逃したのか分からなかった。しかし瑲玹はもう襲われることはないと自信を見せる。「小夭(ショウヨウ)の命を狙った者には容赦ないのに、己を狙う刺客には寛容だな」「私が苦難を受け入れるのは小夭に苦痛も屈辱も味わせないためだ」「ふっ、自分は後回しか、皆が忠義を尽くすわけだ」すると豊隆は自分もその1人だと言った。一方、海底で療養する小夭は相柳(ソウリュウ)のおかげでゆっくりと快方に向かっていた。「小夭…目覚めた後に私を恨むなよ」元神の小夭にはその意味が分からなかったが、相柳は退屈そうな小夭のため海上へ出てくれる。小夭の治療のため満月の時は海底から離れられず、相柳も満月を見るのは久しぶりだった。しかし急に暗雲がたれこめ、穏やかだった海が荒れて巨大な渦ができる。相柳は眠っている小夭に怖くないと声をかけ、珍しく自分の過去を明かした。あれはまだ辰栄(シンエイ)国が滅ぶ前のこと。相柳は闘技場から逃げ出し、渦の中で死にかけたところを大将軍の義父に救われた。義父は相柳に傷を癒す術を教え、辰栄王に治療させるとまで言ってくれたが、相柳は逃げてしまう。極北の地へたどり着いた相柳は思いがけず雪に救われ、結局、100年以上も隠れ住んだ。雪に気づきを得た相柳は義父から学んだ功法から修練法を編み出し、そのため霊力を使う時には雪が降るのだという。実は白い衣を好むのも保身の術のなごりだった。相柳の話はそこで終わった。しかしそれからどうなったのか、小夭にも見当がつく。西炎との戦の末に辰栄は滅び、洪江(コウコウ)も凋落、恐らく相柳は恩返しのため養子になったのだ。奇しくも軍師となり、従兄と敵同士人なってしまった相柳。その時、肉体の小夭が悲しそうな表情になり、相柳は困惑した。「どうした?…幻術でも見るか?」そこで相柳は雪を降らせた。元神の小夭は自分が眉間に皺を寄せていると気づき、慌てて皺を伸ばして口を緩ませる。すると肉体の小夭の顔も穏やかになり、それを見た相柳は安心した。小夭が襲撃されてから37年が経った。今や辰栄山にも見事な鳳凰樹林が広がり、瑲玹は母から受け取った若木(ジャクボク)花を眺めながら小夭の帰りを今か今かと待っている。…いつか愛する人にこの若木花を贈りなさい…しかし一方で紫金(シキン)宮の資金繰りは苦しくなっていた。塗山璟(トザンケイ)が倒れて以来、帳簿の管理が塗山篌(トザンコウ)に代わり、銭をごまかすことができない。実はその頃、辰栄府では塗山璟が死の淵をさまよっていた。塗山璟はいよいよ薬もまともに飲めなくなった。静夜(セイヤ)は王姫が回復すれば主人も助かるはずだと期待したが、王姫の消息が分からぬまま、ついに命灯(メイトウ)の炎が消えかかり、揺れ始める。赤水豊隆は中原の神医を連れて駆けつけたが、あと数日の命だと宣告された。鳳凰樹が大きく育ち、瑲玹は朝雲峰と同じ鞦韆(シュウセン)を掛けた。その時、毛球(ケダマ)の鳴き声が響き渡り、相柳が来たことに気づく。相柳は峰で瑲玹を待っていた。「私の条件をのめば小夭を帰らせる」相柳は辰栄山の峰のひとつを要求した。瑲玹が西炎王となった暁には放浪の末に亡くなった反乱軍の兵士を故郷で眠らせ、その峰を禁地にして欲しいという。「約束しよう、だが私が王になれずとも、そのことで小夭を煩わせるな」「いいだろう」その頃、小夭は暇を持て余していた。この十数年、瑲玹は何かと贈り物をくれたが、塗山璟からはなしのつぶて。もしや防風意映(ボウフウイエイ)を娶ったのかもしれない。疑心暗鬼になる小夭だったが、貝殻に戻ってきた相柳から耳を疑うような話を聞いた。実は自分が昏睡してから塗山璟も眠ったまま意識が戻らず、命は残りわずかだという。驚いた小夭は塗山璟を助けたい一心で懸命に相柳に語りかけたが、突然、自分の身体に引き戻された。元神が肉体へ戻り、小夭はついに目を覚ました。しかし相柳の姿はなく、後ろ髪を引かれる思いで毛球の背中に乗る。相柳は密かに小夭が無事に飛び立つ様子を見守ると、誰もいなくなった貝殻に戻った。すると寝台の上に小夭がこぼした涙がある。相柳は小夭が名残惜しんでいたことに気づき、思わず涙を集めて大事そうに握りしめた。紫月宮に小夭が戻ると知らせが届いた。喜んだ瑲玹は小夭の寝殿を掃除させ、調度品を全て対にするよう命じる。しかし小夭が真っ先に向かったのは辰栄府だった。辰栄馨悦(ケイエツ)は小夭が訪ねてきたと聞いて慌てて正門に駆けつけた。「小夭!本当にあなたなのね!」馨悦は思わず小夭に抱きついて涙したが、小夭がまだ瑲玹に会っていないと聞いて困惑する。「璟が重病だと聞いたわ、青丘へ見舞いに行きたいの、一緒に来てくれる?」「先に辰栄府に来て正解よ、璟哥哥はここにいるの」馨悦は小夭を木樨(モクセイ)園に案内した。しかし塗山璟の命灯が燃え尽きたと知り、馨悦は慌てて兄を探しに向かう。悲しみに暮れていた静夜だったが、王姫の姿に気づき、一縷の望みに懸けた。「少主は悲嘆のあまり気が散じ、五臓を傷つけて自ら死を選ばれました 王姫!どうかお助けください!」「死を選んだ?一体、何があったの?生きる気力を失うなんて…」「お分かりにならないのですか?! 梅林で少主は息絶えた王姫を抱き、燃え盛る陣の中に座っておいででした 陣法に精通する少主なら怪我をしていなければ逃げられないはずありません 自ら逃げなかったのです!猛火に焼かれても王姫と離れまいとしたのです! そのお気持ちが分からぬのですか?!少主は死んでも王姫と共にと願われたのです!」瑲玹は小夭の寝殿の出来栄えに満足していた。しかし鈞亦(キンエキ)が駆けつけ、王姫が辰栄府にいると知る。「無事に戻ったのならいい」憮然としながらもあからさまに嫉妬できない瑲玹。一方、小夭は塗山璟に自分の血を飲ませるため、ひとまず胡珍(コチン)と静夜を下げていた。もはや薬も受け付けない塗山璟だったが、小夭は自分の血を入れた薬湯を口移しで飲ませてみる。その時、命灯に小さな炎が戻った。「早く目を覚まして」小夭は塗山璟の胸に顔をうずめた。すると主人が息を吹き返したことで式神が現れ、仲睦まじい2人の様子を見て照れてしまう。辰栄府に瑲玹が到着した。静夜は主人の寝殿に王孫が入ることをためらったが、瑲玹は無視して入ってしまう。すると看病で疲れた小夭が寝台にもたれて居眠りしていた。「…小夭」つづく( ๑≧ꇴ≦)さすが17!あざと過ぎるwこれは夢見る乙女の心を鷲づかみだわ~
2024.10.02
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长相思 lost you forever第31話小夭(ショウヨウ)を襲撃した沐斐(モクヒ)が辰栄(シンエイ)府に捕まった。瑲玹は黒幕を暴こうとしたが、沐斐は拷問にかけられても口を割らないどころか、自分を殺せと開き直る。沐氏は今や沐斐ただ1人、黒幕は初めから沐斐を捨て駒にすると決めていたのだろう。しかし瑲玹は瀟瀟(ショウショウ)から思わぬ情報を手に入れていた。実は沐斐の侍女が暇を出されたその後、密かに息子を産んでいたという。沐斐は慎重を期して母子と滅多に会わなかったが、瑲玹はその息子が沐斐の子だと勘づいた。「口をつぐんだまま死んでも構わぬ、ならばお前の息子にあの世への供をさせてやろう もし私の問いに答えれば息子だけは見逃してやる、小夭を襲った理由だけでいい」沐斐は沐氏一族を滅ぼした赤宸(セキシン)の娘である小夭を襲ったと白状した。実は沐斐も五神(ゴシン)山での″第一王姫お披露目の儀″に参列、小夭の目を見た時、赤宸の娘だと確信したという。そこで真偽を確かめようと五王と七王に謁見し、赤宸と西炎王姫大将軍の密通の噂は本当なのか尋ねた。七王は確かに当時、そんな噂があったと口を滑らせたが、皓翎(コウレイ)に嫁ぐ前のことだったという。すると五王はさも真実を隠すように慌てて七弟を止め、沐斐の憶測が事実だと匂わせた。瑲玹はありえないと沐斐の推測を否定した。そもそも小夭が赤宸の娘なら皓翎王が気づくはず、少しでも疑念があれば盛大にお披露目の儀を開くはずがない。沐斐も冷静に考えてみればその通りだと気づいたが、後の祭りだった。「後悔してももう遅い、お前の命で償ってもらう」瑲玹はかつて小夭も同じように赤宸の娘ではないかと悩んでいたことを思い出した。しかし赤水豊隆(セキスイホウリュウ)には師匠と姑姑の名誉に関わることだと訴え、沐斐の話を2人だけの心に留めておきたいと頼む。豊隆も対応を誤れば西炎王と氏族たちが対立すると危惧して了承した。「中原の安寧のためにも言動には気をつけるよ」その頃、相柳(ソウリュウ)の懸命な治療が功を奏したのか、小夭は危機を脱して元神が目を覚ました。しかし相柳の姿はなく、気がつくと自分の肉体が横たわっている。Σ(⊙∀⊙)ヒャーーー!<私は誰?ここはどこ?!死んだ?死んだのか?!小夭はともかく急いで帰ろうとしたが、自分の肉体から離れることができず、助けも呼べなかった。「今頃、瑲玹が心配しているわね」小夭が襲われた理由が判明、赤水豊隆と辰栄馨悦(シンエイケイツ)は沐斐に協力した仲間を突き止めた。関わったのは沐斐の他に赤宸に一族を滅ぼされた3人、申柊(シンシュウ)・詹雪稜(センセツリョウ)・晋越剣(シンエツケン)。しかし詹雪稜は樊彰(ハンショウ)の許嫁、晋越剣も鄭(テイ)氏の娘の許嫁だったことから、樊氏と鄭氏が助命を求めているという。味方を増やす良い機会、豊隆と馨悦は大事をなすためには諦めることも必要だと説得したが、瑲玹はどうしても受け入れなられなかった。瑲玹は父が戦死した時、祖母や母、姑姑が泣き崩れる姿を目の当たりにした。西炎の初代王后で祖父と共に戦った祖母、若水(ジャクスイ)族の族長として勇敢に戦った母、そして国のために戦死した王姫大将軍の姑姑、瑲玹が知る限り誰よりも強い女子たちが弱々しく途方に暮れる姿は見る者の心を痛めたという。瑲玹はその時、祖父より強くなって3人を守り、二度と同じ経験をさせまいと誓った。しかしその時を待たずして3人は逝ってしまう。「私が強くなるために小夭を傷つけた者を見逃せば昔の自分の誓いを破ることになる 目的のために小夭の敵討ちをあきらめれば、いつか目的のために君たちを切り捨てるだろう 私は君子でもないし、女子を喜ばせることもできぬ しかし自分の身内や友、配下は必ず守ってみせる もし君や瀟瀟、金萱(キンケン)が傷つけられたら、絶対に許さない そのせいで険しい道になろうと喜んで進むさ」豊隆と馨悦は瑲玹の力強い言葉に感銘を受け、なお一層、信頼を深めた。瑲玹は赤宸のことで小夭が勘繰られないよう沐斐の身柄は辰栄殿に任せた。申氏・詹氏・晋氏は自分で罰することにしたが、叔父たちにはまだ手を出せない。「この借りはいつか必ず返す」詹雪稜は女子であることに免じ、瀟瀟が苦しませず暗殺した。後の2人は拷問にかけ、小夭が受けた苦痛をそのまま味わせる。こうして片を付けた瑲玹は寝殿で眠っている分身の小夭に報告した。「お前の敵は討った…それと引き換えに今までの努力が水の泡となるがな 一からやり直しだ、また私を支えてくれ」貝殻に相柳が戻って来た。元神の小夭は必死に声をかけたが、どうやら相柳には自分の声も姿も分からないらしい。すると相柳が自分のために心の臓から血を分け与え、霊力まで注ぎ込んでくれた。『私が目を覚ましたらいくらでも血をあげるわね』しかし相柳は無理がたたって卒倒してしまう。『相柳?!相柳?!…やだ死なないわよね?』←他人事w西炎の朝議、小夭の襲撃事件は西炎王の知るところとなった。七王は嬴(エイ)氏と褚(チョ)氏が沐氏の血を絶やさぬため沐斐の助命を願い出たと上奏したが、西炎王は西陵珩(セイリョウコウ)の血を引くのも小夭ただ一人だと指摘、小夭には同情しないのかと牽制する。「私は中原の氏族の代わりに思いを述べただけで…」「中原の氏族と懇意だとは初めて知った」父に結託を疑われた七王は激しく動揺し、その場で崩れ落ちるようにひざまずき、許しを請う。一方、皓翎王は小夭が襲われたと知り、すぐ連れ帰るよう命じていた。しかし蓐収(ジョクシュウ)の話では瑲玹が救える人物を見つけ、今は動かせないという。沐斐はすでに八つ裂きの刑に処され、西炎王は助命を願い出た族長の交代を命じていた。すると皓翎王も自国にいる嬴氏・褚氏・樊氏・鄭氏を追い出すと決め、今後はこの4氏族の入国を禁じてしまう。相柳はようやく意識が戻り、化粧箱を取り出した。「瑲玹から届いた霊薬だ、役には立たんがな」小夭は瑲玹が自分の居場所を知っていることで安堵したが、塗山璟(トザンケイ)の様子が分からず悶々となる。一方、瑲玹は辰栄山で小夭の好きな鳳凰の木を植えていた。「鳳凰樹が大きくなったら朝雲峰と同じ鞦韆(シュウセン)を掛けてやるつもりだ」「いいですね!殿下が王姫の背中を押す、子供の頃と同じです!」老桑(ロウソウ)が昔を懐かしんでいると、鈞亦(キンエキ)が駆けつけた。約束の場所に相柳はいなかったが、書き付けがあったという。「…目覚めてはいないが一命を取り止めた」瑲玹は喜んだが、塗山璟の容体は悪化の一途をたどっていた。ある夜、瑲玹の寝殿に刺客が侵入した。しかし寝台で眠っていたのは瑲玹の分身、禺彊(グウキョウ)こと玄冥(ゲンメイ)はあっけなく捕まってしまう。「また会ったな、衛兵の目を逃れ、よくたどり着けた」禺彊は瑲玹に誘き出されたと気づいたが、瑲玹はあっさり解放した。「行け、次は罠にかからぬよう気をつけろ」禺彊は懲りずに下山した瑲玹を襲撃した。しかしまたしても失敗、捕まってしまう。瑲玹は仕方なく禺彊を地下牢へ連行し、数々の残酷な刑具を見せた。「ついに本性を現したな!そんな恐ろしい刑具で痛めつけるつもりか!」禺彊は瑲玹への憎しみを募らせたが、実はその刑具を自ら設計したのは200年前の軹邑(シユウ)城の城主だった兄・玄庭(ゲンテイ)だった。今では城主が代わり、これらの刑具は使われていないという。その証拠に瑲玹は玄庭が書き残した刑罰記録を禺彊に渡した。「当時、私は祖父から玄庭の処断を任された、殺したことに後悔はない 納得できないならまた私を殺しに来い」つづく( ๑≧ꇴ≦)ダメだ~あの巨大貝殻が出てくると急にドラマがネズミーになってしまうwww小夭、早く復活してくれ~!
2024.10.01
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长相思 lost you forever第30話何者かの陣に閉じ込められ、襲撃された小夭(ショウヨウ)。梅の木から伸びた鞭に打たれたかと思うと急に静かになり、今度は獰猛な獣が現れた。小夭は護身用の短剣で獣と戦ったが、危機一髪のところで獣が消えてしまう。「出てきなさい!次は何?!どんな手を使うか見てやるわ!」そこへ見知らぬ男がやって来た。男は赤宸(セキシン)に一族を滅ぼされた沐斐(モクヒ)だった。沐斐は氏族の敵を討つため、赤宸の唯一の子である小夭を殺すという。「勘違いも甚だしい!赤宸は赤の他人よ!私の父は皓翎(コウレイ)王だもの!」しかし復讐に駆られた沐斐の耳に小夭の訴えは届かなかった。霊力の弱い小夭はなす術なく両手を縛られ吊し上げられた。沐斐はまず赤宸に滅ぼされた詹(セン)氏と晋(シン)氏のため暗器を放ち、小夭の血を捧げる。真っ白な雪の上に滴り落ちる鮮血、小夭は皓翎王が自分の父だと訴え続けたが、沐斐は聞く耳を持たなかった。「父さん、母さん、兄さん、義姉さん…どうか安らかに」すると無数の梅の花が暗器と化し、小夭の身体をめった刺しにして息の根を止めた。↓カメハメハ〜!(残酷な映像が苦手な方は次の動画を飛ばしてください)辰栄残党軍の陣営にいた相柳(ソウリュウ)は突然、激しい胸の痛みに襲われた。小夭の身に危険が迫っていると気づき、慌てて飛び出す相柳。同じ頃、政務中だった西炎瑲玹(セイエンソウゲン)はふいに胸騒ぎを覚え、思わずうなだれた。「父が戦死した時と全く同じだ…」瑲玹は暗衛を呼び、直ちに小夭を迎えに行くよう命じた。「私も行く!」一方、青丘でも塗山璟(トザンケイ)が小夭の異変に気づいていた。それは病み上がりの祖母に薬湯を届けていた時のこと。肌身離さず持っていた玟小六(ビンショウロク)お手製の香袋が落ちてしまう。瑲玹たちが梅林に到着すると、ちょうど辰栄馨悦(シンエイソウエツ)が令嬢たちと王姫を探しているところだった。ともかく手分けして小夭を探すことにしたが、その頃、ひと足先に塗山璟が血だらけで倒れている苗莆(ビョウホ)を見つける。驚いた塗山璟は式神を招喚して付近を捜索、するとすでに息のない小夭を発見した。塗山璟は小夭を救うため自分の全霊力を使い果たす覚悟だった。しかし小夭は息を吹き返さず、身体は次第に冷たくなっていく。「小夭…全て私のせいだ、何があろうと君と離れるべきではなかった!」塗山璟は小夭を抱きしめながら涙に暮れたが、その時、陣が炎に包まれてしまう。小夭を失った塗山璟は絶望のあまり共に果てようと決意、自分の身体を盾にして小夭が燃えないよう守った。「小夭、私は君だけの葉十七(ヨウジュウシチ)だ、一生、君のそばにいると言っただろう? 私を見捨てないでくれ、君がどこへ行こうと私は付いて行く…」そして小夭と塗山璟は激しい炎にまかれてしまう。瑲玹たちは梅林の中で燃え盛る炎を発見した。「あの中に小夭がいる!」瑲玹は矢も盾もたまらず駆けつけようとしたが、絶殺陣に入れば生きて出られるはずがない。鈞亦(キンエキ)は仕方なく取り乱す主人を手刀で打ち、眠らせた。そこで瀟瀟(ショウショウ)は鈞亦に主人を任せ、配下を連れて絶殺陣に向かう。陣の中ではすでに梅林が焼き尽くされ、ほぼ鎮火していた。すると小夭を抱きしめたまま大やけどを負った塗山璟を発見する。瀟瀟は塗山璟の腕を外そうとしたが、塗山璟は小夭を手放すまいと拒むかのようになかなか離れなかった。瑲玹が目を覚ますと紫金(シキン)宮だった。小夭も戻ったと聞いた瑲玹は急いで会いに行ったが、小夭はすでに息がないという。「殿下、王姫はすでにお亡く…」「でたらめを言うなっ!」医者の言葉を聞いた瑲玹は烈火の如く怒り、誰も王姫の死を口にできなくなった。塗山璟が霊力を注いでいたおかげか小夭はまるで眠っているように美しいままだった。瑲玹は引き続き霊力で小夭の肉体を守らせることにしたが、どんな神医にも助ける術はないという。その頃、相柳は毛球(ケダマ)に乗って懸命に小夭を探していた。辰栄山の結界を破って曲者が侵入した。報告を聞いた瑲玹は小夭の世話を任せて自ら宮門へ出たが、曲者が相柳だと知る。「私を殺すため、はるばる辰栄山へ来たか?!」鬱憤を晴らすにはちょうど良い相手だったが、相柳は殺すために来たのではないと否定した。「昔なじみを救うために来た、私を阻めば妹妹はあの世行きだぞ?」「箝口令を敷いたのにどうやって嗅ぎつけた?」実は玟小六がかつて軒(ケン)に埋め込んだ蠱虫は相柳に移し替えられていた。「救えるのか?」「小夭を渡せ、私なら救える…差し出さねば小夭は死ぬ」玉の寝床に横たわった小夭の姿にさすがの相柳も血の気が引いた。しかし元神を探ってみると、まだ一縷の望みが残っていると分かる。「いつ目が覚めるかは分からない、数年後か数十年先か…」瑲玹は悩んだ。しかし小夭が助かる望みがあるなら、それがどんな策であろうと試してみようと腹をくくる。「彼女を連れて行け、ただし傷つけたら辰栄残党軍を掃討し、お前を八つ裂きにする」「傷つけなければ掃討せず、八つ裂きにはしないと?」すると相柳は霊薬を要求、さらに小夭を救えた暁にはどんな望みにも応えるよう迫った。「小夭を救えたらな約束しよう」「今の言葉を忘れるな」瑲玹は相柳に小夭を託し、瀟瀟に密道へ案内するよう命じた。瀟瀟は襲撃事件を捜査、瑲玹に報告した。王姫の手足には刺し傷があり、さらに両脚を6カ所と両腕を4カ所、刀で切りつけられ、全身に無数の暗器が刺さっていたという。敷かれていたのは火陣だったが傷は水霊術と木霊術の達人によるもので、少なくとも3人が関わっていると判断した。「これは王姫を狙うため、長い時をかけ周到に練られた謀です ひとりは曋淑恵(シンシュクケイ)の友でしょう、曋淑恵が辰栄小姐と王姫を招くと知りうるような…」「探し出せ、だが決して殺すな」一方、塗山璟は傷が深くないにも関わらず、昏睡していた。瀟瀟の話では死を望むあまり生気が戻らないという。瑲玹は塗山璟が小夭と死を共にする覚悟だと知り、その誠意に感銘を受けた。「霊薬を贈れ、小夭が峠を越せばあいつも目覚めよう」塗山璟は辰栄府で療養していた。赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は瑲玹と塗山氏に亀裂が入らぬよう、太夫人にうまく話をしてくれたという。あとは相柳が小夭を救ってくれることを願うしかない。一方、塗山璟には胡珍(コチン)と静夜(セイヤ)が付き添っていた。胡珍は主人がなぜ死を望むほど悲しんでいるのか分からなかったが、静夜は再び琴を弾かせてくれた王姫こそ主人の命を握っていると気づく。その頃、相柳は小夭と貝殻の中に閉じこもり、自分の心の臓の血を与えていた。情蠱により一心同体となった相柳と小夭、今やそれが小夭を救える唯一の手立てとなる。つづく( ๑≧ꇴ≦)まさかの女主死亡!
2024.09.29
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长相思 lost you forever第29話西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が来るのを待ちながら、祖父の戒めの言葉を思い出していた。『爺爺!小夭(ショウヨウ)を玉(ギョク)山にはやらないでください!』『瑲玹、今のお前では小夭を守ることはできぬ』小夭を愛するがゆえ自分の心を押し殺さねばならない瑲玹、そこへ豊隆が現れた。豊隆は私兵集めに苦心する瑲玹のため一度、赤水に戻って勇猛な男たちを連れて来るという。しかし瑲玹は反対した。実は西炎軍の糧秣(リョウマツ)と武器を盗まれ祖父が激怒、軹邑(シユウ)城にも戒厳令が敷かれている。豊隆は仕方なく年明けまで待つことにしたが、瑲玹の本当の不安は辰栄府にいる小夭と塗山璟(トザンケイ)が2人きりになることだった。五神(ゴシン)山に瑲玹から文が届いた。喜んだ阿念(アネン)は内容も知らず強引に父から瑲玹の文を奪い取ったが、瑲玹が辰栄馨悦(シンエイケイエツ)を娶ると知る。王族の縁談は政(マツリゴト)の駒だと分かっていても深く傷つく阿念。そこで瑲玹を諦めるため、思い切って父に婿選びを頼んだ。塗山璟は防風邶(ボウフウハイ)こと相柳(ソウリュウ)に呼び出され、歌舞坊の個室に入った。実は清水(セイスイ)鎮まで荷を運んで欲しいという。塗山璟は西炎の糧秣と武器を盗んだのが相柳だと分かった。「頼まれる義理はない」「これは取り引きだ」塗山璟は相柳が小夭を盾にして脅していると気づき、不快感をあらわにした。「取り引きの条件が小夭なら応じる気はない…だが荷を運ぶ件は引き受けた 小夭に弓術を教えてくれたことには感謝している、その恩を私が返そう」「代わりに恩を返すだと?小夭が承知するかな?」「私と小夭の問題だ、気遣いは結構、もちろん貴殿の意に染まぬなら断ってくれ」すると相柳は悔しさをにじませながら積荷を渡す時と場所を教えた。琴を習うという口実で密会を重ねる小夭と塗山璟。そんなある日、小夭は塗山璟の琴が聞きたいと頼んだ。しかし手首の怪我のせいで以前と同じように弾けなくなった塗山璟は困惑してしまう。すると小夭はもし腕前が落ちたとしても弾く喜びは変わらないと励まし、何より楽を学んだことがない自分には良し悪しなど分からないと笑った。「何を弾こうか?」「酒席で私が歌った歌を覚えている?」小夭は塗山璟の伴奏で山歌を歌った。木樨(モクセイ)園から聞こえて来る美しい琴の音。塗山璟の侍衛・胡珍(コチン)と侍女・静夜(セイヤ)は主が弾いていると気づき、思わず涙した。まさか再び主の琴を聞ける日が来ようとは…。皓翎では漪清(イセイ)園で阿念の婿探しの宴が開かれた。しかし結局、瑲玹しか目に入らない阿念にとって、宴はただの時間潰しでしかない。一方、小夭は瑲玹の心配をよそに塗山璟との蜜月に夢中になっていた。瑲玹は赤水豊隆と落ち合った。すると豊隆はいつの間にか赤水に戻り、霊力の強い兵士を連れてきたと報告する。瑲玹は呆然、なぜ何も言ってくれなかったのかと困惑した。「色恋より友情の方が大事だろう?内緒にして驚かせたかったんだ!」瑲玹の真意など知る由もなく、豊隆は満足げに友と肩を組んだ。小夭は赤水豊隆と辰栄馨悦に琴を披露することになった。そこで慌てて塗山璟から一番、簡単な曲を教えてもらったが、付け焼き刃の演奏は散々たる結果に終わる。豊隆は頭を抱え、小夭には別の才があると前置きし、今後は演奏を控えた方が良いと伝えた。すると率直な馨悦は従兄の名誉のためにも塗山璟が師だと言わないでくれと頼む。「上達は無理ね」「何ですって?!」小夭は思わず馨悦に木の実を投げ、追い回した。辰栄府で気の合う仲間たちと楽しい日々を送る小夭。しかし新年が近くなり、塗山璟は一族の祭祀に出席するため青丘へ戻らなければならなくなった。豊隆と馨悦の手前、小夭は別れを惜しむ時間がなかったが、静夜に塗山璟のための薬を持たせて戻る際、すれ違いざまに塗山璟から書き付けを受け取る。こうして後ろ髪を引かれる思いで帰路に着いた塗山璟。一方、恋文を読み終えた小夭はしばし雪を眺めながら愛しい人に思いを馳せた。新年早々、五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)のもとに中原に詳しい沐斐(モクヒ)が訪ねてきた。沐斐は瑲玹が王姫を辰栄府に滞在させていると報告、これも赤水豊隆を取り込むためだという。「実は王姫大将軍のある噂を耳にしました、ただならぬことなのでご相談に…」小夭は馨悦に誘われて梅林の宴に参加した。曋淑恵(シンシュクケイ)たちは歓迎してくれたが、小夭は王姫である自分がいると氏族の娘たちに気を遣わせると気づき、護衛の苗莆(ビョウホ)と散策に出かけてしまう。雪景色の梅林はひときわ美しかった。「次は瑲玹と一緒に来ましょう…苗莆?」実は小夭は誰かが仕掛けた陣に捕まり、苗莆と離ればなれになっていた。すると梅の木の枝が伸びて鞭となり、小夭に襲いかかる。「私を殺したいの?!だったら隠れていないで出てきたら?!」その時、梅の木の鞭が消え、今度は狼が現れた。つづく( ๑≧ꇴ≦)えーっ?!バイ◯ハザード?wそれにしてもまさか相柳が17にやり込められちゃうなんてねw
2024.09.27
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长相思 lost you forever第28話小夭(ショウヨウ)は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)のため辰栄(シンエイ)城の招きに応じた。屋敷で暇を持て余していた辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は大歓迎。父や兄は忙しく、母も長年、赤水(セキスイ)にいるため、遊び相手になって欲しいという。すると豊隆(ホウリュウ)が駆けつけ、小夭の好物だと聞いた瓜を山のように差し入れた。しかし兄の贈り物を見た馨悦は呆然、もっと王姫に似つかわしい貴重な品を贈れと叱られてしまう。そこで豊隆は酒豪の小夭と猴妖(コウヨウ)王が霊果(レイカ)で醸した名酒・猴児酒を酌み交わし、龍石が埋め込まれた賽子を振って遊んだ。豊隆は小夭と意気投合、こんなに気の合う女子は初めてだと妹に報告した。「小夭は何もできない令嬢とは違う、賽子に飲み比べ、拳遊び…最高の遊び仲間だ」頭を抱えた馨悦は兄に贈り物禁止を言い渡し、小夭のことは自分に任せるよう告げた。馨悦は役立たずの兄の代わりに化粧道具を小夭に贈った。「使い方を教えてあげる、西炎城の流行りも知ってるわ」実は馨悦は幼い頃、人質として西炎城に住んでいた。父が中原を任されたのを機に馨悦と母が西炎城に居を移し、兄は赤水に残ったという。「西炎の重臣たちは元辰栄王族の父に中原を任せることに反対だったから… それから数十年、二心なしと判断されて帰郷を許されたの」馨悦は思えばあの時、瑲玹と小夭に出会っていればと悔やんだ。しかしその時にはすでに小夭は天下をさすらい、瑲玹は人質として皓翎(コウレイ)にいたという。小夭は囚われの身だったという馨悦に親近感を持ち、それ以来、2人は姉妹のように親しくなった。赤水豊隆は練兵に要する費用と物資を従兄弟である塗山璟(トザンケイ)に調達してもらった。当然、私兵の件は一切もらしていないが、塗山璟も薄々、勘づきながら、何も聞かず力を貸してくれたという。瑲玹は塗山璟の協力に感謝しながらも、求める見返りが財物でないことを思うと複雑だった。塗山璟が辰栄府に滞在することになった。小夭は馨悦から従兄がいても構わないかと聞かれ、思わず防風意映(ボウフウイエイ)も一緒か確認してしまう。「いいえ、独りよ、彼女を招くものですか」馨悦はしかめっ面になり、優しい許嫁という意映の評判など嘘だと訴えた。「あれは芝居よ、前に長老の誕辰祝いで一族が勢揃いしたの 殿方たちは雪の中、狩りに出かけたんだけど、璟哥哥は怪我で行けなかった でも彼女は狩りに出かけてしまったわ、しかもなかなか山から戻って来なくてね 璟哥哥のことなんてどうでもいいのよ、彼女の目的は将来の族長夫人の座だから」その夜、豊隆と馨悦は中庭の涼亭で小夭と塗山璟を歓待した。小夭は馨悦が披露した琴の腕前を絶賛、しかし馨悦は塗山璟には及ばないという。「琴を弾くの?聴いたことがないわ」塗山璟は小夭の言葉に困惑したが、その時、豊隆が芸を見せたいと席を立った。すると豊隆は火球を作り曲芸を披露、最後に大きな花火となって空中で弾けてしまう。その時、激しい火花で一瞬、視界が見えなくなった。小夭はその隙に思わず隣の席にいた塗山璟を引き寄せ、頬に口づけしてしまう。宴もたけなわ、小夭たちもすっかり酔いが回った。すると馨悦が次は小夭の番だと急かす。小夭は琴棋書画に通じていないと断り、その代わり山歌(サンカ)を披露することにした。舞いながら歌う小夭の妖艶な姿、その様子を眺めながら、塗山璟はふと15年だけ待つと誓った小夭との口づけを思い出す。しかしそんな2人の密かな情愛の裏で、清水鎮へ戻った相柳(ソウリュウ)は再び血生臭い日々に身を投じていた。翌朝、小夭は馨悦に塗山璟が琴の名手なのか尋ねた。馨悦は従兄に勝る子弟などどこを探してもいなかったと絶賛したが、行方知れずとなって戻ってきた時には人となりが一変、更に脚と手に深手を負ったのか、琴も弾けなくなっていたという。「璟哥哥の法術の源は琴の音だから霊力も半減したわ」そこで小夭は手ほどきならできるはずだと訴え、この機に塗山璟から琴を習いたいと言った。「私から頼んでみるわ」一方、瑲玹は鈞亦(キンエキ)から逐一、小夭と豊隆の様子を聞いていた。報告によれば2人は意気投合、しかしまるで兄弟のようだという。瑲玹は失笑したが、実は辰栄府に塗山璟も滞在していると聞いて動揺した。「4人で宴に興じたそうです 誰も侍女を帯同しておらず詳細は不明ですが、王姫は上機嫌でお戻りになったとか」「上機嫌?」すると鈞亦は辰栄馨悦からまた文が届いていると報告した。念のためまた多忙を理由に断るか確認したが、瑲玹は珍しく会うという。瑲玹と馨悦は山間の川辺で逢い引きした。そこで馨悦は素足をさらし、水につけて自慢の赤い爪を見せる。瑲玹は咄嗟に目をそらしたが、馨悦は小夭の足の爪にも同じ紅い色を塗ったと話した。すると瑲玹は馨悦の足を見つめながら、小夭の爪を想像して顔をほころばせる。「小夭が宴で山歌を歌ったの、歌ってあげる」瑲玹は小夭が隣で自分のために歌っているような錯覚に陥ったが、ふと現実に戻った。「遅くなった、公務が山積みゆえ戻らねば…」琴を習うという口実で塗山璟と2人きりで過ごすことが叶った小夭。そこで小夭はまず塗山璟の脚の傷を確認した。王姫となった今なら妙薬や霊薬を入手することも可能となり、見た目なら綺麗に戻せるという。「君は気になる?」その時、小夭が塗山璟の傷痕にそっと唇をつけた。「私が気にすると思う?」「なら治さなくていい」実は馨悦の話を聞いた小夭は傷のせいで塗山璟が周りから奇異の目で見られることを心配していた。しかし塗山璟は小夭がそばにいれば、他人の目など関係ないと微笑む。すると愛しい小夭の顔をながめているうち我慢できず、唇を重ねてしまう。「君を独り占めしたくなった…もしくは君があまりに美しいから…」小夭は塗山璟の腕に抱かれながら、女子の幸せを実感していた。つづく(๑•̀ㅂ•́)<想い人が来てくれたのに賽子ふっちゃうやつ、いる?ザワザワ(*´・ω)(ω・`*)ザワザワ(๑•̀ㅂ•́)<いねーよなあ?!
2024.09.26
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长相思 lost you forever第27話青丘(セイキュウ)に戻った塗山璟(トザンケイ)は防風意映(ボウフウイエイ)を居所に呼び、改めて退婚を申し出た。「想い人がいる、君とは夫婦(メオト)になれない」そこで意映の名誉を守るため祖母の養女となるよう提案、塗山氏から嫁がせ、防風家は赤水(セキスイ)氏・西陵(セイリョウ)氏・鬼方(キホウ)氏の後ろ盾を得られると懐柔した。しかし意映は塗山璟がこのために奔走していたと知り激怒、出て行ってしまう。塗山璟は退婚に向けて着実に準備を進めていた。しかし祖母の態度が一転、三月後に意映と祝言を挙げるよう命じられてしまう。「どんな女子を連れて来ても構わない、だけどそれは意映を娶ったあとの話よ」塗山璟は祖母が初めから退婚する気はなかったと知って深く失望し、生涯、妻を娶らないと反発した。「ならば私は青丘を離れ、軹邑(シユウ)城へ行きます」塗山璟は修繕が始まった紫金(シキン)宮に自ら資材を届けた。小夭(ショウヨウ)には文を送ったがなしのつぶて、そこで西炎瑲玹(セイエンソウゲン)に言づてを頼みたいと懇願する。瑲玹はなぜ小夭が怒っているのか分かっていた。辰栄(シンエイ)府での誕辰祝いの時、小夭は赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が妹に代わって塗山璟の許嫁である防風意映に頭を下げるのを目の当たりにし、しかも未だ退婚もままならない。「どの面下げて小夭に会うつもりだ?…悪いが協力できぬ、話は退婚してからだ」一方、小夭は再会した防風邶(ボウフウハイ)こと相柳(ソウリュウ)から再び弓術を習い始めた。すると相柳は腕を上げた小夭に新しい弓を買うよう勧め、早速、2人で塗山氏の武器鋪を訪ねる。店では高価な品を求める客だけが中庭で武器を試せるようになっていた。「こちらが金天(キンテン)氏によって作られた上等な弓です」ちょうどその頃、塗山璟も武器鋪に到着した。しかしなぜか防風意映が現れる。意映は太夫人から塗山璟が柳(リュウ)族長から宴に呼ばれたと聞いて武器鋪で待ち伏せしていた。匕首が好きな柳族長のため、塗山璟が必ず贈り物を買いに来ると踏んだのだ。「あなたと話したくて…ゥッ…(ノ_<)」意映は思わず涙すると、人目を気にした塗山璟は仕方なく意映を連れて店に入った。( ๑≧ꇴ≦)意映の泣き芸がwww防風意映は中庭で仲睦まじく弓を選ぶ小夭と二兄の姿を見て驚いた。王姫の話では二兄から弓術を習っており、今日は新しい弓を探しに来たという。思いがけずまた意映と一緒のところを見られて気まずい塗山璟。すると意映は二兄が王姫に弓を贈ると誤解し、夫人気取りで二兄の弓代も払って欲しいと塗山璟に頼んだ。しかし小夭は青丘公子から自分への贈り物のようだと断り、相柳に目配せする。「そうでしょう?″邶″?」相柳は小夭の顔を立て、話を合わせた。「これは私からの贈り物でね、払われては困るんだ」小夭は相柳の機嫌を損ねたと気づき、後を追いながら必死に謝った。すると相柳は急に立ち止まって小夭に弓を渡し、代金を返せと迫る。小夭は急いで銭袋を渡したが、相柳はそのまま物乞いに投げ渡した。「あなたが怒っているのは私に利用されたせいよね?2度としないから許して…」しかし相柳は黙って帰ってしまう。小夭の寝殿に塗山璟の式神がやって来た。式神は懸命に誘い出そうとするが、小夭は優柔不断な塗山璟への怒りが収まらない。実は小夭はその時、相柳の機嫌を直そうと美しい料理に見立てた猛毒を作っていた。翌日、小夭は相柳を歌舞坊へ呼び出し、男装で出かけた。全く味わう様子もなく、あっという間に猛毒料理を平らげてしまう相柳。「…これで許してくれる?弓術の稽古を続けたいの」「少し軹邑城を離れる、帰りを待て」小夭は相柳が清水鎮の陣営に戻るのだと気づき、改めて防風邶ではなく相柳なのだと実感する。「ずっと防風邶のままなら良かったのに(ボソッ」しかし相柳は急に立ち上がり、黙って帰ってしまう。防風意映は青丘に戻って塗山篌(トザンコウ)と密会、塗山璟が意地でも退婚するつもりだと泣きついた。「このままでは笑いものになる、早く始末して! いい?藍枚(ランマイ)も片付けるのよ?そうすれば私が妻になれ…」「どうかしているぞ?!」塗山篌は妻を殺せと迫られ驚き、しばらく会わないと言った。その夜、宴の帰り道で塗山璟の馬車が刺客に襲われた。侍衛たちは応戦したが、その隙に槍が車を直撃、塗山璟は刺されてしまう。一方、塗山璟の式神はまだ小夭の寝殿に居座っていた。「まだいたの?!帰らないと霊獣の餌にしちゃうから!」|ω・`)}}}}} gkbrすると瑲玹が慌ててやって来た。塗山璟が刺客に襲われ、生死も分からないという。小夭は激しく動揺したが、塗山璟に何かあれば式神も消えるはずだと気づいた。小夭と瑲玹は草凹(ソウオウ)嶺に駆けつけた。すると庭で小夭が来るのをじっと待っている塗山璟の姿がある。小夭は思わず駆け出し、瑲玹のことも忘れて塗山璟に抱きついた。「何しているの?!心配させないで!」「やっと来たね」塗山璟は式神が小夭を連れて来るのを昨夜からずっと待っていた。そのため宴には分身を行かせ、帰路で殺されたのは塗山璟の分身だという。「哥哥…2人きりで話をさせてくれる?」「ならばあとで迎えに来よう」瑲玹は仕方なく小夭を残して引き返した。小夭は自分の心にいるのが塗山璟だけだと安心させた。もちろん縁を切るつもりはないが、それでも防風意映と一緒にいる姿を見るのは辛いという。すると塗山璟は正直に祖母から意映を娶るなら想い人を迎えてもいいと言われたと報告した。小夭は怒って背を向けたが、塗山璟は小夭を抱きしめ、必ず解決すると約束する。「15年だけ待つと約束したわ、婚約解消できる日を待ってる」小夭は悶々としながらも、葉十七(ヨウジュウシチ)として心を通わせた塗山璟をあきらめられなかった。「でも身の安全を優先して、敵に情けは無用よ?」「分かった」青丘の塗山府は悲しみに包まれた。防風意映は塗山篌が自分のために手を下してくれたと喜んでいたが、塗山篌から寝台にいるのは分身だと知らされる。すると翌日、本物の塗山璟が元気な姿で祖母の前に現れた。太夫人は涙ながらに喜び、必ず刺客を捜し出して罰するよう告げる。「奶奶、ご心配なく、必ず見つけます」侍衛の胡珍(コチン)は軹邑城の58店舗の使用人を全て入れ替えた。塗山篌は後ろ暗いせいか協力的だったという。一方、塗山篌と防風意映は密室にいた。「ごめんなさい、私が軽率だったわ」「気にするな、私たちは夫婦も同然、どんなことも共に乗り越えよう 失ったものは大きいが、五王と七王は私の味方だ」すると意映は今後はおとなしく塗山篌に従うと約束した。塗山璟が刺客を捜し出すという名目で塗山篌の配下を一掃。そのせいで五王たちは配下を失い、嫌でも中原での勢いが衰えることになった。瑲玹はなぜ塗山篌がこんな下策に出たのか分からなかったが、確かに成功すれば塗山璟を亡き者にし、同様に刺客捜しという名目で塗山璟の配下を一層するつもりだったのだろう。そんな中、赤水豊隆が瑲玹に小夭との仲を取り持って欲しいと頼んだ。実はいくら誘っても小夭に断られてしまうという。「分かった、話してみるが、決めるのは小夭だぞ?」紫金宮に戻った瑲玹は早速、小夭を訪ねた。実は赤水豊隆から口添えを頼まれたという。「確かに豊隆は良い人よ、でも哥哥に似てるの、考えが透けて見える 私に会いたいのも最も条件が良い女子だからよ」「私に似ているから不満だと?」瑲玹は思わず小夭の頭を小突くと、会ってみなければ本心は分からないと諭した。「私の顔を立てて会ってくれぬか?」瑲玹は辰栄山で密かに私兵を鍛えていると明かした。すると小夭は従兄のため豊隆に会うと了承してくれる。実は瑲玹は内心、小夭が愛する塗山璟と一緒にいるより、打算的な豊隆といてくれる方が安心だった。つづく( ゚ェ゚)17も17だけど、女主も大概だよね~惚れた弱みで利用されちゃう相柳もどうなんだろう…
2024.09.24
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长相思 lost you forever第26話逍遥(ショウヨウ)丹の禁断症で倒れた西炎瑲玹(セイエンソウゲン)。翌朝、目を覚ますと付き添ってくれた愛しい小夭の寝顔があった。瑲玹は自分の気持ちを抑えきれず顔を近づけたが、その時、小夭の寝言を聞いて我に返る。「哥哥…悲しまないで、私がいる、いつでもそばにいるわ…」「お前さえいれば悲しくない」すると小夭がふいに目を覚ました。小夭は慌てて瑲玹の脈を確認、すでに体内の毒は消えていた。小夭は瑲玹の断薬に付き合って酒を断っていた。すると回復した瑲玹が溜まっていた青梅酒を小夭の寝殿まで届けてくれる。塗山璟(トザンケイ)は瑲玹たちが中原に来てから決まって15日に15本の青梅酒を送っていた。「中原に来てからもう幾月も経つのね…」瑲玹はなぜ塗山璟が″15″という数字にこだわるのか分からなかったが、小夭は塗山璟との約束を明かさなかった。( ๑≧ꇴ≦)しつこいようだが17あざとい!wそんなある日、塗山璟は式神の白狐を使いに出し、小夭を秘密の場所へ招待した。ここは山守さえ知らない草凹(ソウオウ)嶺、偶然にも茅葺きの小屋を見つけて室内を整えておいたという。「1000年経ってもまだ霊力が残っているんだ」「…以前の主が誰か知ってる?あの悪名高き赤宸(セキシン)よ」小夭は紫金(シキン)宮にある典籍で赤宸の居所だった草凹嶺が禁地であると知っていた。しかし贅の限りを尽くしたと思われている赤宸がまさかこんな質素な暮らしをしていたとは…。塗山璟は何も知らなかったとは言え、小夭を敵の家に案内してしまった自分の愚かさを嘆いた。すると小夭はすでに過去のことだと笑ってくれる。「気に入ったわ、今後はここを私たちの隠れ家にしましょう」↓チワワではないw一方、辰栄(シンエイ)府では馨悦(ケイエツ)がちょうど瑲玹に会いに行くという兄を引き留めていた。いくら目的のためとは言っても身を慎むよう瑲玹に忠告して欲しいという。しかし赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は妹を冷静に諭した。「一途な男を望むなら瑲玹はやめておけ、大志を抱く瑲玹が女子に左右されるとでも? 瑲玹に嫁ぎたいなら独占や優先を望まぬことだ、今後はもっと辛い経験をする」瑲玹と赤水豊隆は人目につかない山奥で再会を果たした。そこで瑲玹はいずれ赤水一族を率いる豊隆が本当に先をも知れぬ自分に付き従うつもりか確認する。豊隆は迷わず拝跪、瑲玹に忠誠を尽くして決して後悔しないと誓った。すると瑲玹も片膝をつき、今後は義兄弟となって共に戦おうと約束する。一方、小夭は塗山璟の侍女・蘭香(ランキョウ)が塗山篌(トザンコウ)の密偵だったと聞いた。しかし塗山璟は父親代わりだった兄をどうしても罰することができないという。塗山篌が真相を知るまでの400年余り、兄弟は仲が良く、誰よりも優しい兄だった。「あなたは優し過ぎて優柔不断だけど、そこがあなたの良いところだわ 私の祖父母や両親、哥哥は決して情に流されたりしない、私にも同じ血が流れている あなたを好きなのは私と違うからね」塗山璟は小夭の口から初めて自分を好きだという言葉を聞き、天にも昇る心地だった。夜更けになってようやく紫月宮に戻った小夭。しかし瑲玹が寝ずに帰りを待っていたと知り、土産を渡して機嫌を取った。実は塗山璟が例の九尾狐の尾で霊器を作ってくれたという。「あなたに化ける人形よ、身代わりに使えば瀟瀟(ショウショウ)や金萱(キンケン)でさえ見破れないわ」塗山璟に嫉妬する瑲玹はいらないと拒んだが、そうとは知らず、小夭は自分の敵である狐の尾を持つのが嫌なのだと誤解した。「哥哥の身を守るためなの、私を安心させると思って、ね?お願い!」小夭に懇願された瑲玹は仕方なく受け取ったが、塗山璟はもやは葉十七(ヨウジュウシチ)ではないと釘を刺した。族長となれば意のままにならないことも多く、塗山璟の退婚は難しいだろう。「お前が傷つくのを見たくないんだ、それからこれを…防風邶(ボウフウハイ)の素性を調べたぞ」小夭と瑲玹は赤水豊隆と辰栄馨悦の誕辰祝いに招かれた。辰栄府には氏族の子弟が勢揃い、すると馨悦は厳密に言えばいずれも親戚だという。瑲玹と小夭も例外ではない。確かに王族や氏族は何代も家のための婚姻が繰り返され、系譜をたどれば必ずどこかでつながっていた。小夭は複雑すぎて分からないと笑ったが、どうりで西炎王が頭を痛めたわけだと納得する。…中原の氏族には複雑なつながりがある、普段は親しくなくとも存亡の危機となれば団結するに違いないわ…赤水豊隆と塗山璟が一局、手合わせしていると、妹が気を利かせて小夭を連れて来た。しかし小夭に気づいた防風意映(ボウフウイエイ)が横から入り、二兄がずっと待っていたと半ば強引に連れて行ってしまう。小夭は防風邶に成り済ました相柳(ソウリュウ)が堂々と祝宴に顔を出したことに驚愕した。「どうしてここに?!…ちょっと聞きたいことがあるの」すると小夭は皆が見ている前で防風邶を誘って出て行ってしまう。中庭に出た小夭は相柳を連れて築山に入った。辰栄馨悦の話では築山には陣が敷かれ、迷宮に続いているという。「正体を知られたらどうするの?!私でも救えないわ」「ここは中原だ、中原は辰栄軍と西炎王の間では中立、私を捕らえたりしないだろう」すると相柳はまた小夭に弓を教えたいという。一方、馨悦も瑲玹を誘って築山に入った。兄から警告されてもどうしても瑲玹を諦められない馨悦、そこで自分から瑲玹に唇を重ねてしまう。皓翎(コウレイ)に戻った阿念(アネン)は傷心のあまり閉じこもっていた。皓翎王は塞ぎ込んでいる娘を心配して含章(ガンショウ)殿を訪ねたが、原因は瑲玹だと分かる。「あんな人じゃなかったのに…」話を聞いた皓翎王はおそらく瑲玹が敵を欺くために芝居をしていると見抜いた。今後は氏族の力を借りるため、婚姻を利用することになるという。阿念は父のように利用せずとも王になれると言ったが、実はそれが原因で″五王の乱″が起きたのだった。当時、皓翎王は白虎部と常曦(ジョウギ)部から妃を迎えなかったが、そのせいでどちらも謀反を支持したという。築山から迷宮へ入った小夭と相柳。そこで小夭は瑲玹からもらった防風邶の身上書を読んで相柳を追求することにした。…北方の防風氏の族長の次男である防風邶、しかし母親の身分が低く幼少より虐待を受け、若くして賭博を覚え、返しきれぬほどの借金を作る、そして極北の地に身を隠して45年、家族はもはや死んだと思っていたが、防風邶が突如、大量の氷晶を手にして戻り、家族から歓迎される、それ以来、防風邶は病に苦しむ母親を看病し、母も最期は笑顔で逝った、一族はそんな防風邶に感じ入り、その孝行をたたえた…「本物の防風邶は極北で死んだのね?」「そうだ…私を選んだのは彼の方だ」相柳は氷晶を探しに向かった極北の地で凍死寸前の防風邶と出くわした。すると防風邶は自分の霊血も霊力も全て譲ると約束し、その代わり母の面倒を見て欲しいと頼んだという。一族も凍傷で顔が変わったという防風邶に何の疑いも持たず、相柳は約束通り防風邶の母に孝行して看取っていた。「だがこの取り引きで得をしたのは私だった」卵からかえった相柳は目を開けた時にはもう母はいなかった。しかし防風邶のおかげで母を持ち、母に愛され、母子の情を知ったという。「約束を果たしたのになぜ防風邶の振りを?」「ふりだと?ふっ、私は常に自分らしく生きている、呼び名など意味はないさ」「そうね…どちらも本質は冷淡だもの」騙されていた小夭は思わず嫌みを言うと、その時、相柳は塗山璟が来たことに気づいた。そこで小夭に誰かが自分たちを見張っていると吹き込み、氷鋲を渡す。「稽古の成果を見せてもらおう」小夭が振り向きざまに氷鋲を投げると、塗山璟は素手で受け止めた。「璟?あなただったの?!」小夭は相柳にからかわれたと気づき、憤慨して帰ってしまう。焦った塗山璟は追いかけようとしたが、相柳が邪魔をした。「向こうでうちの妹妹が探していたぞ?」赤水豊隆は独り、塗山璟との一局を解いていた。そこへ瑲玹と辰栄馨悦が戻ってくる。豊隆は瑲玹を誘って碁の続きを始めたが、侍女が駆けつけ、詹雪稜(センセツリョウ)が許嫁の樊彰(ハンショウ)と帰ったと報告して下がった。かつて詹氏は赤宸に一族を滅ぼされ、1人残った娘を親しかった樊氏が世話をしている。馨悦は思わず赤宸を残虐な魔物だと罵ったが、ちょうど小夭と帰って来た防風邶が聞いていた。「他はどうあれ辰栄氏が赤宸を罵るべきではない」「なぜいけないの?」「君の父上に聞いたらどうだ?借りがあるのはどちらか」するとちょうど防風意映が現れ、馨悦から二兄の態度を厳しく非難されてしまう。塗山篌と璟兄弟が戻って来ると、ちょうど防風意映と辰栄馨悦が言い争っていた。赤水豊隆は同志たちに亀裂が入らぬよう妹を止めたが、面白くない馨悦は出て行ってしまう。その様子を小夭は不安そうに門の近くで見ていた。するとそれとなく瑲玹が寄り添い、黙って小夭に飴を勧める。「甘いわ」瑲玹は小夭の機嫌を直して手を取り、そこで祝宴を切り上げた。瑲玹と小夭は帰り道、長い石段を登っていた。「小夭、これから私はお前のよき哥哥になる、辛い思いはさせたくない 少なくともどちらか1人くらいは幸せでなければ…」「どうしたの?何があったの?」「私が選んだこの道が幸せに続くと思うか?…これからは哥哥としてお前を守る」この時、小夭はまだその意味を深く考えずにいた。つづくΣ(⊙∀⊙)ハッ!そう言えば小夭を虐待していたのは狐だよね17の一族ではないの?野狐は青丘とは無関係?
2024.09.18
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长相思 lost you forever第25話小夭(ショウヨウ)の寝所に現れた仮面の男。小夭は恐る恐る仮面に手をかけたが、その男は防風邶(ボウフウハイ)だった。防風邶は叔父たちに追われているという。しかし防風家は叔父たちに与したはず、なぜ追われているのだろうか。ともかく小夭は薬を与え、今にも倒れそうな防風邶に寝台を譲った。一方、五王の息子・西炎岳梁(セイエンガクリョウ)は刺客の捜索のため西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の寝殿に乗り込んでいた。しかし瑲玹は逍遥(ショウヨウ)丹の幻覚で抵抗するどころか将軍のなすがまま、恍惚とした表情を浮かべている。その頃、七王の息子・西炎始冉(セイエンシゼン)は阿念(アネン)の寝殿に到着していた。すると門を開けた海棠(カイドウ)がいきなり霊術で兵士を吹き飛ばしてしまう。小夭は向かいの寝殿から阿念の怒号を聞いた。そこで始冉を呼びつけ、死にたいのかと脅す。実は始冉が小夭の侍女だと思っていた海棠は妹の侍女、つまり友人という名目で滞在しているのは皓翎(コウレイ)第二王姫だった。身分を隠していたのは阿念の身の安全を守るため、祖父の意向だという。驚いた始冉は慌てて兵士を止めたが、それとなく小夭の寝台をのぞき込んだ。すると小夭がわざと置いた胸当てを見て慌てふためき、逃げるように出て行ってしまう。騒ぎが収まると小夭は寝台に隠れていた防風邶の脈を診た。すると極上の薬を与えたにも関わらず、全く効いていないと分かる。防風邶の正体はやはり相柳(ソウリュウ)だった。相柳は傷を癒したいと訴え、いつもそうしていたように小夭の首にかみつこうとする。しかし小夭が止めた。「…ここはだめ、今の私はもう男じゃないのよ?」小夭は仕方なく腕を差し出した。相柳に血を吸われた小夭は急激に血を失ったせいで卒倒した。しかし相柳も霊力が回復するまで動けず、図らずも小夭と枕を共にすることになってしまう。相柳は何とか寝台の端まで移動、小夭と離れてから意識を失った。翌朝、阿念は怒り心頭で瑲玹を訪ねた。すると瑲玹は身なりも乱れたまま、従妹が虐げられたと聞いても反応がない。阿念は従兄の変わりように困惑していたが、そこへ鈞亦(キンエキ)がやって来た。実は昨夜のお詫びに始冉から贈り物が届いたという。その贈り物とは歌舞坊の芸妓2人だった。金萱(キンケン)は瑲玹の配下だがもう1人は従弟たちの手先、芝居を続けねばならない。しかし阿念に瑲玹の企みが分かるはずもなく、従兄に深く失望した阿念は皓翎に帰ってしまう。その頃、先に目が覚めた小夭は相柳の寝顔を見ながら、清水(セイスイ)鎮での気ままな日々を思い出していた。すると相柳がいつの間にか心の隙間に入り込んでいたことに気づいて動揺してしまう。そこで小夭は相柳の着替えを枕元に置き、別れを告げた。「傷が癒えたら離れて、あなたが防風邶であろうと相柳であろうと縁を切る 別れの挨拶はしないわ」しかし相柳は寝たふりをしたまま黙っていた。小夭が薬房にいる間に相柳はいつの間にか消えていた。自分から別れを切り出しながら、なぜか落胆してしまう小夭。すると瑲玹が回廊でぼんやりしている小夭を見つけた。「昨夜は本当に舅舅を狙う刺客が現れたの?」「地図の紛失を爺爺に知られぬため、でっち上げた騒ぎだ 西炎の兵糧庫と武器庫が中原にある、その在りかを示す地図を辰栄残党軍に盗まれたんだろう」「そういうこと…」小夭は事情を飲み込むと、防風邶の来歴を洗いざらい調べて欲しいと頼んだ。「ところで阿念を怒らせたの?ふふ、堕落者のふりは楽しい?」「ふっ、今すぐ誰かに刺し殺して欲しいくらいだ」そこで小夭は瑲玹の脈を診た。すでに丹薬への依存が強くなっていると警告したが、瑲玹はあと少しだという。実は刺客騒ぎのおかげで瑲玹は叔父たちに正気を失っていると信じ込ませることに成功していた。一方、中原では塗山璟(トザンケイ)と赤水豊隆(セキスイホウリュウ)の策が功を奏し、族長たちは中原の象徴である紫金(シキン)宮を修繕するため、西炎王に人の差遣を求めることを決めた。実は塗山璟は古蜀(コショク)に西陵(セイリョウ)氏を訪ね、手回ししておいたという。豊隆はさすが塗山璟だと感心し、あとは瑲玹が上手く立ち回ることを期待した。瑲玹は2人の期待通り堕落者を演じ切り、倒壊の恐れがある紫金宮の修繕特使に任命された。そこで皓翎玖瑤(コウレイキュウヨウ)の同行を嘆願したが、さすがに叔父たちに他国の王姫を連れて行く必要はないと反対されてしまう。しかし西炎王は小夭が西陵珩(セイリョウコウ)の娘であることを理由に五王たちの意見を一蹴した。瑲玹は同志の協力を得てついに中原行きを叶え、紫金宮に居を構えた。すると逍遥丹の禁断症状が現れ始め、壮絶な発作に襲われるようになる。しかし瑲玹が小夭を煩わせまいと口止めし、金萱はやむなく逍遥丹を与えるしかなかった。そうとは知らず、寝宮にこもって瑲玹の解毒薬の処方を考えていた小夭。ようやく穏やかに毒を除く術を思いついたが、手遅れだった。その夜、瑲玹は逍遥丹を断つと決め、寝所に閉じこもった。しかしちょうど小夭が寝殿の前を通りかかり、異常に気づいてしまう。鈞亦(キンエキ)は発作中には誰も入れるなとの命だと止めたが、小夭は自分がそばにいて助けると譲らなかった。「哥哥!」↓( ๑≧ꇴ≦)哥哥eeeeeeeeeeee!※音量注意w瑲玹は発作のせいで小夭のことさえ認識できず、手を上げようとした。「私は小夭よっ!哥哥っ!…耐えて、耐えれば楽になる、耐えるの!」すると瑲玹は小夭を突き飛ばし、自分の手をかんで必死に堪えた。「哥哥…昔、好きだった歌をうたってあげる!あなたも好きだった歌よ?」小夭は瑲玹を抱きしめながら、母が歌ってくれた子守唄を聞かせた。やがて瑲玹は朝雲殿で小夭と一緒に過ごしていた頃を思い出し、急に苦しみから解放される。「哥哥…あなたには私がいる」小夭は憔悴した瑲玹をなだめながら、その日はそのまま付き添った。翌朝、瑲玹が目を覚ますと、枕元で居眠りしている小夭がいた。瑲玹は美しい小夭の寝顔を眺めているうち、口づけしたい衝動に駆られてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)危な〜い!哥哥っ!
2024.09.13
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长相思 lost you forever第24話乙女心を察してくれない塗山璟(トザンケイ)に憤る小夭(ショウヨウ)。しかし塗山璟が青梅酒を送らなくなった理由を明かすと、ようやく自分の考え過ぎだと分かった。「誰かが酒に触れた痕跡を見つけた、君の身に何かあっては困る それに…青梅酒が君に約束を思い出させると言っていた、だから煩わせまいと思って」塗山璟はそんな自分が小夭を不安にさせていたと知り、必ず退婚すると伝えた。実は祖母がふさわしい時機を見て退婚させると約束、それまで防風意映(ボウフウイエイ)を妹として扱うよう助言されたという。すると小夭は納得してくれたのか、魚丹紫の首飾りを身につけた。「小夭、戻ってくれてありがとう」「…瑲玹(ソウゲン)のためよ」「だとしても嬉しい、瑲玹のことは心配ない、君との約束は必ず守る」「約束?」驚いたことに塗山璟は今も玟小六(ビンショウロク)が第12話で″軒(ケン)老板に危害を加えないでくれ″と頼んだことを覚えていた。( ๑≧ꇴ≦)やっぱり狐妖は人たらしなのか?wその頃、瑲玹は塗山璟が連れてきた⾚⽔豊隆(セキスイホウリュウ)と辰栄馨悦(シンエイケイエツ)兄妹に会っていた。すると豊隆は王位を狙うなら叔父たちが掌握する西炎城をあきらめてはどうかと助言する。今や西炎の領土は西炎城だけではなく、北地・西域・南彊(ナンキョウ)・中原全体まで広がっていた。「分からぬか?お前が治めるべき地をよく見ろ」「なるほど…」確かに西炎の中心はもはや中原であり、中原を掌握すれば天下が見渡せる。瑲玹は豊隆の意図に気づいて心から感謝し、共に天下統一を目指す同志を得た。「瑲玹、中原で待っている」↓俺は西炎王になるっ!(๑•̀ㅂ•́)و✧一方、小夭は塗山璟の身近にいる間者を暴くため、ある方法を思いついた。「でも瑲玹と豊隆の話に加わらなくていいの?」「彼らは大望を抱いているが、私の望みは君と暮らすことだけだから」しかしそんな甘い言葉はかえって小夭を冷静にさせた。「どの瓶にも猛毒が入っているわ、この毒で2枚の手巾に絵を描いて」そこで塗山璟は1枚に蓮の花、もう1枚に青梅酒の瓶と同じ梅の絵を描いた。小夭はまた約束を忘れさせないつもりかとからかったが、焦った塗山璟は誤解だと訴える。するとうっかり猛毒の絵の具が手につき、急に体の力が抜けた塗山璟は小夭に覆い被さるように倒れてしまう。その時、図らずも2人の唇が重なった。「ちっ違うんだ…」「ふふっ、分かっているわ、毒のせいでしょう」小夭は塗山璟に手を貸し、すぐ毒消しを飲ませた。「蓮の花の手巾を持って帰って、間者が探りそうな場所に置いておけば手に取って調べるはず 触れれば毒にあたる、解毒薬も欲しがると思って作っておいたわ」小夭は起き上がった塗山璟の曲がった冠を直し、すっかり美しさを取り戻した黒髪を褒めた。実は手入れは侍女に頼まず、塗山璟が自分で梳かしているという。「今後は私が手入れしたい…これからは様子を知らせて、ただ待っているのは何より辛いの」「はお」塗山璟が灯を消して部屋を出ると、ちょうど瑲玹が立っていた。「時間を忘れて話し込んでしまった、彼女は疲れたと言って眠ってしまった」「傷つけるな、小夭を裏切って泣かせたらお前の命をもらう」「そんな時が来たら殺してくれ」瑲玹は後ろ手に隠していた短剣を思わず握りしめ、血を流すことで嫉妬に耐えた。翌朝、小夭が目を覚ますとすでに塗山璟の姿はなかった。すると手に塗山璟の一条の黒髪がある。「私から離れていくくせに髪を残して私の心を乱すなんて…」しかしこれまでの心のもやが晴れ、小夭はまるで天にも昇る心地だった。( ̄▽ ̄;)小夭メンドクセーw小夭が浮かれている頃、瑲玹はすでに先を見据えて動き出していた。瑲玹の新政により西炎王が功労のある湖禾(コカ)族を水運から排除、瑲玹は朝臣の反感を買って孤立してしまう。五王・西炎徳岩(セイエントクガン)はこれに目をつけ、七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)に息子たちを瑲玹に付き合わせるよう指示した。「血を見ずに殺すのが上策だ」西炎岳梁(セイエンガクリョウ)と西炎始冉(シゼン)は瑲玹を誘って歌舞坊へ出かけた。瑲玹はどんな芸妓にも興味を持たなかったが、ある舞姫の花妖を見初める。実はその舞姫は瑲玹の暗衛である金萱(キンケン)だった。青丘に戻った塗山璟は毒入りの手巾のおかげで間者を捕まえた。静夜(セイヤ)は蘭香(ランキョウ)の裏切りに怒り心頭だったが、心優しい塗山璟は見逃してくれる。「ただこれだけ教えてくれ、標的は私か、塗山氏か?」「…少主です」すると塗山璟は故郷へ帰るよう命じ、今後は人の争いに関わらないよう釘を刺した。塗山璟から青梅酒が届いた。小夭は塗山璟の面倒が解決したと知って安堵し、これで全力で瑲玹の力になれると奮起する。その頃、瑲玹が憂さ晴らしに遊び回っているという噂は中原まで届いていた。心配した塗山璟は赤水豊隆と接触、実は五王たちの警戒を解くための演技だと知る。訳もなく中原に行きたいと言い出せば当然、怪しまれるからだ。すると塗山璟は自分にも策があると切り出した。「辰栄山の28峰に今も人はいるか?」「国が滅び、王族の師弟の多くは軹邑(シユウ)城に移った。今や侍衛や宮女が残っているだけだ」「辰栄山を取るならこれを契機に使うのだ」瑲玹は今夜も従弟たちと歌舞坊へ出かけた。すると始冉が憂いを失くせるという丹薬・逍遥(ショウヨウ)を勧めて来る。瑲玹は罠だと分かっていたが、金萱の心配をよそに素直に飲み込んだ。しかしその帰り道、ばったり亡き父の腹心だった応龍(オウリュウ)と出くわしてしまう。応龍は瑲玹を諌めようとしたが、瑲玹はわざと逍遥が入った瓶を投げつけ、暴言を吐いて呆れさせた。小夭は瑲玹が戻ったと聞いて寝殿を訪ねた。「先に言ってくれれば解毒薬を作ったのに」「医者に尋ねた、病みつきになる薬らしい、だが私ならやめられるさ」瑲玹は叔父たちが自分を使い物にならなず、何の志もないと思い込まさねばならないと訴えた。「私にはお前がいる」「いつまで続ける気?」「契機を待っているのだ」一方、赤水豊隆が策を弄した辰栄山に雷が落ちた。天雷は偶然だったが、塗山璟は契機ができたところで火に油を注ぐ必要があるという。するとある夜、琦園(キエン)に突然、岳梁と始冉が兵を率いて乗り込んで来た。実は刺客が現れ、捜索しているという。対応に出た鈞亦(キンエキ)は反発したが、五王の令牌があっては拒めなかった。その頃、小夭はすでに休んでいた。しかし寝所に誰かが侵入したと気づいて身体を起こす。寝所には念のため毒を仕掛けておいたが、驚いたことに仮面の男は平然と寝台までたどり着いた。…毒が効かないの?…「霊力は高いけれど深手を負っているようね?私は手を貸さない」すると男は帷を開けた。小夭は恐る恐る手を伸ばして仮面をはずしたが…。つづく( ゚ェ゚)辰栄山うんぬんがさっぱり分からないけれど、きっと何かあるんですw
2024.09.12
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长相思 lost you forever第23話その日、防風邶(ボウフウハイ)が小夭(ショウヨウ)を案内したのは離戎(リジュウ)氏が営む地下賭場だった。離戎氏と言えば双頭の天犬の末裔、身分を隠したい客は犬の仮面をつけるという。しかし周囲の目など気にしない小夭は堂々と入った。格闘場ではどう猛な男と華奢な少年が戦っていた。すると客たちの予想に反して少年が勝利する。小夭は心を失った傷だらけの少年の姿にかつての自分を重ね、防風邶に賭けを持ちかけた。「どちらがあの子に希望を与えられるかしら」小夭は少年に温かく接し、生きていれば必ず良い事があると励ました。しかし少年の死んだような目は全く動かない。防風邶は思わず失笑、小夭と交代した。すると少年は防風邶の言葉を聞いて急に顔を上げ、目を輝かせる。「何を言ったの?」「それは…秘密だ」小夭は帰りの道すがら、少年に何を言ったのかしつこく聞いた。仕方なく防風邶は″自分も闘技場の奴隷だったがこうして生きている″と伝えたと明かす。しかし小夭は少年がそんな嘘を信じるとは到底、思えなかった。「他に何かしたでしょう?」「奴隷だけが知る言葉で話しかけたんだ」「あなた、何者なの?」良家の子息が奴隷の言葉など知るはずがない。小夭は思わず防風邶の胸と自分の胸に手を当てた。すると2人の鼓動が同じだと分かる。その時、偶然にも西炎城に到着した塗山(トザン)氏の馬車が通りかかった。塗山璟(トザンケイ)は防風意映(ボウフウイエイ)を連れて各地の主管たちと面会し、ようやく目的地の西炎城に入った。すると窓から外を見ていた意映が二兄の姿に気づき、馬車から降りる。「二哥!」「意映?久しぶりだな…彼が青丘公子か?私の将来の義弟だっていう…」意映は二兄と一緒にいるのが第一王姫だと気づいて慌てて拝礼した。思わぬ形で小夭と再会を果たした塗山璟、それにしても噂の防風邶が相柳とうり二つとはどこかいかがわしい。そこで塗山璟は馬車で王姫を送って行こうと申し出たが、小夭は歩きたいと断り、防風邶と親しそうに帰ってしまう。一方、五神山では皓翎(コウレイ)王が全てお見通しだとは知らず、阿念(アネン)が侍女・海棠(カイドウ)と変装し、王城を脱出していた。塗山璟は翌朝一番で琦園(キエン)を訪ねた。瑲玹(ソウゲン)は塗山璟の目的が小夭だと気づいたが、小夭なら朝雲殿に出かけたところだという。そこへ老桑(ロウソウ)が駆けつけ、王姫が来たと報告した。しかし現れたのは王姫は王姫でも阿念、すると塗山璟は落胆し、帰ってしまう。阿念は父王がなかなか西炎に行くことを許してくれず、策を講じてこっそり抜け出したと自慢した。しかし瑲玹はそう簡単に城門を出られないことなど重々、承知している。ともかく正式な訪問でない以上、人には小夭の友人と言うよう助言した。「ここでの私の立場は弱い、小夭の友人なら安全だ」「ぉぅ…心配しないで、哥哥に迷惑をかけないようにする」「迷惑なものか」その頃、塗山璟と顔を合わせたくない小夭は朝雲峰で弓術の修練に励んでいた。すると西炎王が様子を見に来る。小夭は祖父を座らせると、西炎王は小夭の手にできた立派なたこに驚いた。「若い娘は手袋をはめて稽古するものだぞ?」「目的が違うから…狩を楽しむためじゃない、私は敵と戦うためよ」西炎王はため息をつき、よく考えて夫を選ぶよう勧めた。小夭が選んだ相手なら誰に嫁いでも構わないという。「どんな夫を望む?」「幼い頃から苦労が多かったから、年頃になっても生きるのに必死で恋どころじゃなかった やっと伴侶が欲しいと思った時には、もう誰も信用できなくなっていたわ 母親でさえ私を捨てたのよ?私を捨てない男がいるとは思えない 何より祖父王や父王のような人は怖い、伴侶より優先する事があるから どんな選択を迫られようと私を選び、どんな困難が訪れようと私を見捨てない… そんな人がこの世の中にいるのなら添い遂げてもいいわ」「私が天下を取るよりも難しいだろう」「分かっているから私は誰のことも想わない、心が揺れ動いても抑えようと努力する 理想の人に出会えなければ嫁がない、男がいなくても楽しく過ごせるわ」西炎王は時には愚かな方が良いこともあると助言したが、どちらにしても思うがまま動けない瑲玹の代わりに小夭には自由でいて欲しいと言った。瑲玹は河運内史(カウンナイシ)に任命され、一見すると順調そうに見えた。しかし実際は叔父たちに懐柔された官吏が言うことを聞かず、苦労が絶えない。この日も河運署では湖禾(コカ)族の官吏が水族と結託して通行手形の手続きを遅らせ、民たちは鮮度が肝心の荷を運べず途方に暮れていた。瑲玹は官吏に掛け合ったが逆に脅され、水族にからまれてしまう。そこへ船が遅れていると聞いた塗山璟がやって来た。塗山璟の姿を見た官吏は態度が一変、塗山家が全ての荷を買い取ると聞いて慌てて民たちに通行手形を出してくれる。こうして瑲玹は塗山璟のおかげで叔父たちの嫌がらせを回避した。瑲玹は阿音を祖父に紹介した。阿念は自分も西炎王を″爺爺″と呼びたいと懇願、西炎王は快諾し、西陵纈祖(セイリョウケッソ)の碧玉の腕輪を授ける。「ありがとうございます、爺爺!」小夭が鞦韆に乗って弓矢を手入れしていると瑲玹が現れた。瑲玹は阿念が来たと報告し、今頃、祖父に碁を教えてもらっているという。「阿念に見つかると面倒だから出かけるわね」しかし瑲玹は小夭が防風邶と待ち合わせだと知るや本題を忘れて厳しい表情になった。「会ってもいいがこれだけは忘れるな、防風氏は叔父たちを頼っている 少しの油断が命取りになる」「心配しないで、矢を向けられたことは忘れない」すると小夭は瑲玹が塗山璟の件で来たのだと気づいた。恐らく塗山璟が自分に会いたいと言ったのだろう。瑲玹は正直に今の自分には塗山璟が必要だと明かし、会って欲しいと頼んだ。防風邶は弓を射る小夭を見てすぐ機嫌が悪いと分かった。そこで今日は弓術の稽古をやめようと言ったが、小夭は気分に左右されては一生、上達しないという。すると防風邶は小夭の傷だらけの指に気づいた。「王姫とは思えぬな」「私は温室育ちじゃないのよ?」「…王姫などやめて私と放浪の旅に出ないか?」「いいわよ?全てを捨てる覚悟があるならね」しかしその言葉を聞いた防風邶は失笑してごまかしてしまう。「本当に口先だけね、私を甘く見ないで」塗山璟は再び琦園を訪ねたが、瑲玹は帰っていなかった。しかし第一王姫が戻っていると知り、老桑に案内してもらう。すると驚いたことに小夭の寝殿で防風邶が待っていた。「小夭は弓の稽古で疲れていてね、適当に座ってくれ」小夭は横になっていたが、塗山璟の声に気づいて飛び起き、慌てて身なりを整えて顔を出した。塗山璟は急によそよそしくなった小夭に困惑した。「哥哥が戻るまでここでしばらくお待ちを…私と邶は用があるので失礼するわ」すると小夭は防風邶と仲良く出かけてしまう。しかし門を出た小夭は瑲玹のため塗山璟の機嫌を取る約束だったと思い出した。「実は哥哥の用事を思い出したの、今日は行けないから日を改めない?」その時、防風邶はぞっとするような冷たい視線で小夭を見つめた。小夭は一瞬、相柳を思い出して怯んだが、防風邶はすぐ笑顔に戻る。「用があるなら仕方がない、またの機会に」塗山璟は船遊びの時、小夭が兄が手に入れた魚丹に興味があると気づいていた。貴重な魚丹紅は見つからなかったが、運良く手に入れた魚丹紫を持ってきたという。「これを君に…」実は塗山璟は小夭のため、試しに水中で息ができるか試していた。「これがあれば1日中、水中にいられた、だが君は霊力が強いからそんなにはいられない」小夭は塗山璟の誠意が嬉しい反面、苛立ちを隠せなかった。「忘れようとすると私の心を揺さぶるんだから!」「…すまない、来るべきではなかった」「何も分かってない!」小夭は思わず魚丹をほおり投げてしまう。一方、防風邶は何とも惨めな気分でなじみの小食堂に入った。「いらっしゃい、今日はあの美人さんと一緒じゃないの?」「…1人じゃダメですか?2人じゃないとだめなんですか?!」つづく( ゚ェ゚)なるほど、小夭が爺爺に明かした気持ちが全てを物語ってるのね
2024.09.11
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长相思 lost you forever第22話塗山璟(トザンケイ)は辰栄(シンエイ)府に赤水豊隆(セキスイホウリュウ)を訪ねた。実は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)を支援して欲しいという。しかし今の西炎は五王と七王が朝廷を牛耳っており、後ろ盾のない瑲玹を助けても何の利もなかった。豊隆は難色を示したが、塗山璟は高い志を持つべきだと訴える。「何の功も立てず、一氏族の長で終わる気か?」翌日、瑲玹は五王の息子・岳梁(ガクリョウ)から宴に招かれた。小夭(ショウヨウ)はまだ足場が固まっていないうちに朝雲(チョウウン)峰から出るのは危険だと止めたが、瑲玹は頂に立つためには避けられないという。その時、小夭は妓楼で見かけた相柳(ソウリュウ)とうり二つの公子を思い出した。「何だか嫌な予感がする…私も行くわ、侍衛も帯同して」岳梁は瑲玹を招待しておきながら完全に無視した。招待客たちも示し合わせたように関わろうとしなかったが、そこへ七王の息子・始冉(シゼン)が客を連れて来る。「あの赤水献(ケン)を負かした皓翎羲和(コウレイギワ)部一の猛者だ」「禺彊(グウキョウ)です」一方、女客の宴席にいた小夭は歓待されていた。しかし令嬢たちの話に全くついていけず、息が詰まって外へ出てしまう。小夭は宴席を離れて独り酒を飲んでいる黒髪の相柳を見つけた。「相柳、ここで何をしているの?」しかし男は人違いだという。「君に一目惚れしたと言ったら?ふっ」確かにその男から蠱虫(コチュウ)の反応はない。そこで試しに毒入りの酒を飲ませてみたが、男は本当に毒にあたってしまう。小夭はすぐ毒消しを飲ませて謝罪したものの、やはり不信感は拭えなかった。「私は防風邶(ボウフウハイ)、もう間違えるな」実は相柳とうり二つの男は意映(イエイ)の兄だった。すっかり日も暮れ、宴はお開きとなった。馬車の前で瑲玹が来るのを待つ小夭、すると門から瑲玹と禺彊が現れ、別れの挨拶を交わしている。その時、小夭は一瞬の突風に驚いて空を仰ぎ、防風氏の白馬を見つけた。小夭は慌てて瑲玹を呼び戻したが、瑲玹が振り返った瞬間、いきなり禺疆に襲われてしまう。しかし瑲玹は応戦、禺疆と霊力と霊力がぶつかり合い、激しい衝撃波が起こった。すると小夭が巻き込まれ、馬車に激突し、地面に叩きつけられてしまう。「小夭っ!」慌てた瑲玹はわずかに集中が途切れ、禺疆はその隙をついて一撃を放った。小夭の目の前で瑲玹が力なく倒れた。「誰かっ!誰かぁぁぁぁぁぁぁ!」動けない小夭は必死に侍衛を呼んだが、禺疆の結界が侵入を阻む。すると禺疆は瑲玹を捕まえ、巨大な氷刀を招喚した。小夭は悲鳴を上げながら必死に這いつくばり、何とか瑲玹を救おうともがく。「禺疆nnnnnnnng!羲和部が滅んでもいいの?!」「これは個人的な復讐、羲和部には関係ないんじゃ!」「なわけあるか!私は皓翎王姫だぁぁぁぁぁぁ!」「よそ者のために羲和部を滅ぼすつもりか?!」「こっちのセリフじゃ!よそ者と結託して瑲玹の暗殺を謀りやがったな!」「兄はこいつに殺された!この首を兄の墓に供えにゃ気が済まねえ!」禺疆はついに氷刀を振り下ろした。「やめてェェェェェェェェェェェェェェェ!」その時、突然、現れた赤水献が氷刀を粉砕、禺疆を誘い出した。瑲玹は九死に一生を得た。しかし小夭は空から防風氏が狙っていることを思い出し、何とか立ち上がって瑲玹を守る。瑲玹も防風氏に気づき、小夭を巻き込むまいとした。すると小夭は瑲玹を抱きしめて自ら盾となる。「小夭、どけ!」「動かないで!」「いいからどけeeeeeeeeee!」「私は皓翎王姫よ!あいつらに私は殺せない!私を信じて!信じてェェェェェ!」「小夭、どけ!」「動 く な っ!」すると弓を構えていた防風邶はとんだ茶番を見せられ、結局、瑲玹の暗殺をあきらめて引き上げた。↓( ๑≧ꇴ≦)<别动(びぃぇど~ん)! ※音量にお気をつけください赤水献は禺疆を郊外まで誘き出した。禺疆はなぜ邪魔をしたのかと憤怒したが、赤水献は好敵手のあまりの下策に呆れ果てる。「兄がいたのか」「私の本名は玄冥(ゲンメイ)、兄は玄庭(ゲンテイ)だ」「かつての悪名高き軹邑(シユウ)城の主か?」「違う!兄は優しい人だった!」赤水献は復讐心を利用されているだけだと指摘したが、禺疆は何にせよ殺せるなら構わないという。しかし赤水献は復讐を阻み続けると警告し、帰って行った。赤水豊隆は塗山璟に頼まれて結局、瑲玹を救った。しかし瑲玹の立場が弱いことは事実、深入りしたくないのが本音だという。すると塗山璟は地図を招喚した。「今は立場が弱くとも、西炎城を離れれば話は変わる…ここが西炎山だ」翌朝、西炎王は負傷した瑲玹を見舞い、朝雲峰の衛兵を動かせる令牌を託した。しかし西炎を手に入れたいならここに閉じこもっていては駄目だと助言する。やがて傷が癒えた瑲玹は小夭と一緒に王族の墓へ出かけた。瑲玹は再び小夭が自分の盾になることがあってはならないと五神(ゴシン)山へ帰すことにしたが、小夭は別々の道を歩むとしても今ではないという。すると小夭は瑲玹の手を握りしめた。西炎王は瑲玹を河運内史(カウンナイシ)に任命し、西炎城内に屋敷を下賜した。叔父たちは瑲玹の暗殺を邪魔した小夭に恨みを募らせたが、禺疆の件で息子たちが父王から叱責されたばかり、表立って動くことはできない。一方、瑲玹は琦園(キエン)に居を構え、小夭も一緒に朝雲殿を出た。すると荷物を整理していた侍女・珊瑚(サンゴ)が駆けつけ、青梅(セイバイ)酒が最後の1本になったと報告する。「あなたにあげる、瓶は捨ててちょうだい その酒は放っておくと苦みが出る、放っておかれる苦々しさは玉(ギョク)山で味わった いくら好物でも苦味が出たら要らないわ」瑲玹は塗山璟への当てこすりだと気づき、代わりに桑葚(ソウシン)酒を持って来るよう珊瑚に命じた。「塗山璟に近況を尋ねる文を書こうか?」「結構よ、期待もしなければ失望もしないって言ったでしょう?それより薬房をしつらえて」「また毒か?」小夭は塗山氏の車力に清水(セイスイ)鎮への荷物を頼んだ。荷物は一見、美しい点心の詰め合わせに見えたが、実は毒だという。「それで受取人は?」「届ければ取りに来るはずよ」するとその帰り道、防風邶と出くわした。防風邶は小夭が憮然としていると知りながら、しつこくついて来る。しかし自分たちの命を狙いながら平然と現れた防風邶の企みが気になり、小夭は弓術の腕前が見たいと挑発した。小夭は防風邶が目を見張るほどの凄腕だと知り、今さらながら身震いした。…この男に射られていたら私も瑲玹もひとたまりもなかった…「お見事ね」「習うか?」すると防風邶の指南のおかげで霊力の弱い小夭でも見事に的を射ることができた。防風邶の話では弓術なら少しの力で最大限の効果を得られ、強い者にも勝てるという。「どうだ、私に師事する気になったか?」「うん!」思いがけず気分が晴れた小夭は罠だとしても思い切って飛び込んでみようと決めた。防風邶は馴染みの小食堂に小夭を連れて行った。「ここの肉は西炎城で一番うまいぞ」すると防風邶は小夭のために肉を取り分け、焼餅(シャオビン)の柔らかいところを譲った。「どうした?」「何でもない、私の知り合いではないと確信しただけ」防風邶の顔や飄々とした雰囲気は相柳によく似ていた。しかし本当に相柳なら塗山璟のように女子を優しく気遣ったりはしない。一方、青丘に戻った塗山璟は小夭のことを思わない日はなかった。そんなある夜、西炎の密偵から報告書が届く。…こちらに大きな動きはなし、ただし第一王姫は防風邶と親しくしており、人目もはばからず街に繰り出しては娯楽に興じている、宵の口まで秘境や山野を巡ることも…塗山璟は驚きのあまり、慌てて部屋を飛び出した。小夭は防風邶のおかげで退屈することがなくなった。「今日はどこへ連れて行ってくれるの?」つづく
2024.09.10
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长相思 lost you forever第21話西炎(セイエン)王は孫たちが到着したと知っていたが、少し昼寝をすることにした。「ここまでの道は長い、まだまだかかるだろう」西炎王の予想通り、小夭(ショウヨウ)と瑲玹(ソウゲン)は門衛に阻まれ、城門で足止めされていた。叔父の五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)が言うには父王が瑲玹の拝謁は許していないという。しかし小夭はひるまず、瑲玹と一緒に入れないならこのまま皓翎(コウレイ)へ帰ると脅した。確かに民のため国に殉じた将軍の娘である王姫を追い返したとあれば大事、叔父たちは体面を考えて仕方なく引き下がるしかない。こうして小夭と瑲玹は300年ぶりに朝雲(チョウウン)殿へ戻った。小夭と瑲玹は西炎王に叩頭、帰国の挨拶をした。小夭の態度を見れば祖父に不満があるのは明らかだったが、西炎王はそんな孫の様子を微笑ましく見ている。しかし朝雲殿の唯一人の王孫である瑲玹には厳しい顔を見せた。「帰り道を忘れたのかと思ったぞ?」「遅くなりました…国を得るために戻りました」西炎王は瑲玹が覚悟をもって戻ったと知り、その代わり自身の力で手に入れるよう釘を刺した。「悪く思うな、私が与えたとしてもお前は守りきれぬ」「分かっています」小夭と瑲玹は拝謁を終えて外に出た。朝雲殿の前庭には今も鳳凰樹があったが、幼い頃に遊んでいた思い出の鞦韆(ブランコ)はない。しかし瑲玹は鳳凰花は昔のままだと言った。「私たちも戻った」すると瑲玹はその夜、鞦韆を作り、翌朝には鳳凰樹にぶら下げておいた。瑲玹は久しぶりに祖父と碁を打った。西炎王は孫の腕が落ちていないことに安堵しながら、連絡もしなかった自分を恨んでいるかと尋ねる。しかし瑲玹は祖父の石を持つ手が震えているのを見ながら、長い年月の苦労を察した。「苦難を望む者はいません、しかし苦難に打ち勝てば自らの力となります」「…この一局は見事だった」「爺爺(イェイェ)、少しは身体を動かさなくては、外を歩きましょう」すると瑲玹は自ら祖父に履き物を履かせた。小夭が祖父への挨拶に向かうと留守だった。しかし門衛から中で待つよう勧められ、小夭は生前の頃のまま残してある祖母の遺品を懐かしむ。西陵纈祖(セイリョウケッソ)の化粧台には今も鳳凰花が飾られていた。小夭は祖母のかんざしを挿してみることにしたが、そこへちょうど西炎王と瑲玹が戻ってくる。「気に入ったのなら持って行くが良い」祖父の声に驚いた小夭はかんざしを化粧箱に戻し、装飾品など所詮は男の気を引くための道具に過ぎないと言い放った。「冷然としているな、お前の母や祖母とはまるで違う」「だから何なの?男のために苦労しろと?私は男に尽くしたりしない」すると西炎王は王室の者なら悪くない考え方だと認め、孫たちを下げた。瑲玹は小夭を鞦韆に乗せた。小夭は祖父の自分たち家族への仕打ちを思うと素直になれなかったが、意外にも瑲玹は一国の君主である祖父の選択が理解できるという。「私と同様、爺爺もきっと傷ついてきたのだ」しかし瑲玹も祖父も小夭にはそのまま正直であって欲しいという。「哥哥…君主になるためには爺爺と同じ道を歩むべき?勇敢で冷酷であるべきなの?」「まだ何も成していない私には答える資格がない」「私にできることがある?」「私はお前を利用して来た、もう十分、助けてもらった」瑲玹は塗山璟(トザンケイ)が自分に協力的なのは小夭のおかげであり、何より帰国できたのは小夭が王姫に戻ってくれたからだと感謝した。「お前が私を思ってくれる、それが助けとなる お前の手を血で汚すことは望まぬ、ただそばにいてくれ、それだけでいい」小夭はもはや背を押してくれる人はいないと鞦韆を諦めていたが、今は瑲玹が何度も小夭の背中を押してくれた。( ;∀;) イイハナシダナー一方、青丘に戻った塗山璟は和解こそ難しいものの、母の過ちを償うため兄・塗山篌(トザンコウ)を許すことにした。しかし塗山篌にとって最善の謝罪は塗山璟が消えることだという。そんなある日、塗山璟は人払いしてから太夫人に防風意映(ボウフウイエイ)との退婚を申し出た。太夫人は憮然とし、いくら情がないと聞いても塗山家に尽くして来た孫も同然の意映を追い返しては恩を仇で返すようなものだと激怒する。「奶奶(ナイナイ)、族長の座には就かず、汚名は私が背負います!」すると頭に血が上った太夫人は倒れてしまう。↓店長とクレーマーみたいなwその頃、防風意映は愛しい塗山篌からもらった魚丹紅の首飾りを眺めていた。そこへ侍女・喧昼(ケンチュウ)が血相を変えて駆けつける。「二少主が太夫人に退婚を申し出たそうです 太夫人はお怒りのあまりお倒れになったとか…」意映も塗山璟に情などなかったが、両親の手前、防風家の後ろ盾を失うわけにはいかなかった。塗山璟は小夭のため準備した青梅酒を確認した。すると1瓶だけ梅の花のない枯れ木の絵になっている。驚いた塗山璟は侍女を呼んで酒に触れたか聞いたが、静夜(セイヤ)も蘭香(ランキョウ)も決して触っていないと言った。「これは瑲玹殿下に届けないでくれ」塗山璟はこれまで小夭への想いを込め、季節ごと瑲玹あてに酒を届けて来た。1組9本を12組、しかしまだ4組しか送っていない。小夭は老桑(ロウソウ)と2人、鳳凰樹林で最後の青梅酒を空けていた。急に届かなくなった塗山璟の誠意、しかし小夭はどこか冷めている。すると瑲玹がやって来た。「用があって街に出る、一緒にどうだ?」「いいわ!」小夭は帷帽(イボウ)で顔を隠し、瑲玹と歌舞坊を訪ねた。「妓楼に来るとは意外ね?…ここで待ってるわ」「そうか、では舞でも見ていてくれ」すると瑲玹は独りである芸妓の部屋に入った。芸妓・金萱(キンケン)は瑲玹の亡き伯父が建てた青鳥(セイチョウ)司の暗衛の一人だった。しかし今や青鳥司は凋落し、金萱は王孫が命を狙われたことも最近になって知ったという。「申し訳ありません」「謝る必要はない、叔父が放った刺客はお前の知らせで避けることができた」すると金萱はこれまでに集めた消息を瑲玹に渡した。実は西炎王の具合が悪く、五王と七王が勢力を伸ばし、猛者たちが次々と配下に下っているという。「殿下の侍衛だけでは敵いません、朝雲峰を出るのは危険です」その頃、舞を眺めていた小夭はある公子とすれ違い、驚愕していた。面紗から垣間見た公子は黒髪でありながら相柳(ソウリュウ)とうり二つ。驚いた小夭は思わず追いかけようとしたが、ちょうど瑲玹が現れ、その間に見失ってしまう。一方、塗山璟は密書を受け取り、西炎で不穏な動きがあると知った。…小夭が危ない…塗山璟は急ぎ西炎に向かうことにしたが、ふと思い直して行き先を軹邑(シユウ)城に変える。すると防風意映が手作りの差し入れを持って見送りにやって来た。塗山璟は断ったが、意映の手の包帯に気づく。侍女から意映が火傷してまで作ったと聞いた塗山璟は結局、差し入れを受け取った。「ありがとう」実は回復した祖母がひとまず婚礼を保留すると言ってくれた。…意映を妹と思って過ごせばいい、退婚は時機を見て話し合いましょう…妓楼からの帰り道、小夭はそれとなく相柳の話を振った。「手配書に人相画がないのはどうして?」「顔を見た者は多いが、奴は九頭蛇だ、素顔が9つある上、変幻自在だからな」小夭はふと自分に見せていた顔も相柳の素顔とは限らないと怪しむ。「でも妙だな、なぜ顔を変えずに仮面をつけていたんだ?」「彼も私と同じように自分自身の顔で生きていたいのかも…」つづく|ω・`)そうだよね、やっぱり相柳も出てくるよね…
2024.09.09
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长相思 lost you forever第20話塗山璟(トザンケイ)は許嫁・防風意映(ボウフウイエイ)とは結婚しないと断言。実は傷だらけの身体を見られてしまい、意映に毛嫌されていると教えた。「ただの傷痕でしょう?うわべのことだわ、勘違いじゃない?」しかし小夭(ショウヨウ)にとってたかが外見のことでも、世間では多くが称号や家柄に惹かれるものだという。塗山璟はそんな小夭が一番だと笑顔を見せたが、かつての玟小六(ビンショウロク)が今や誰もが絶賛する皓翎(コウレイ)の第一王姫・皓翎玖瑤(コウレイキュウヨウ)となり、自分では釣り合わないとうつむいた。「あなたはあなたでしょう?…そうだ、昨夜ある男に口づけするよう迫られたわ でも今はあなたにしたい」すると小夭は自ら塗山璟に唇を重ねてしまう。塗山璟は驚きを隠せず、小夭から身を引いた。「やめよう…時期尚早だ」「はて?男は女子を見れた誰にでもすぐ口づけしたいのかと…」「私は違う」「じゃあ…いつできるの?」「分からない」塗山璟は以前のように″いつ″とは約束できなかった。…時機を決めるのは君だ、私ではない、私が欲しいのは君の愛であり、哀れみではない…その時、小夭を探しにきた西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の声が聞こえて来た。瑲玹が海岸で小夭を探している、小夭がひょっこり現れた。「なぜ髪が乱れている?!…いつの間に塗山璟と一夜を共にする仲になった?!」「これが夜通し遊び尽くしたように見える?」確かに小夭は髪の毛に海藻を絡ませ、衣は塩水でシワシワになっていた。「あなたの可愛い妹妹に海へ突き落とされたのよ!」その頃、阿念(アネン)は小夭が翌朝になっても戻らないと知って心配になっていた。すると突然、侍女が止めるのも聞かず小夭が寝宮に乗り込んでくる。小夭は鍵を閉めてから阿念を挑発、2人は取っ組み合いの大げんかになった。しかし霊力を封じられた阿念は小夭に拘束されてしまう。「母親の身分が高い私を羨んでいるんだろう? だが母親が王姫大将軍だったばかりに国の大義を背負って出征、2度と帰らぬ人になった …なんなら母親を交換するか?」「嫌よ!」「…瑲玹と私は互いを唯一のよすがとしている、私を虐げるお前を許すと思うか? どちらに味方するか分かっているから嫉妬しているんだろう?!」これまで唯一の王姫として愛されてきた阿念、確かに突然、小夭が現れ、自分の居場所を奪われてたのだから無理もない。そこで小夭は姉妹として仲良くできなくても、互いに干渉しないことで折り合いをつけようと提案した。「いいわ、関わらない」阿念は小指を差し出し、小夭と指切りして平和協定を結んだ。防風意映は旅先で塗山篌(トザンコウ)との密会を楽しんでいた。すると偶然、塗山篌が隠し持っていた鴛鴦の刺繍入り手巾を発見する。浮気がばれた塗山篌は一夜の遊びだったとなだめたが、意映は裏切られたと激高、出て行ってしまう。その頃、小夭は塗山璟を訪ねていた。彼が皓翎を離れたら次はいつ会えるか分からない。しかし塗山璟は外出してしまったという。瑲玹は赤水豊隆(セキスイホウリュウ)、辰栄馨悦(シンエイケイエツ)兄妹と塗山璟たちを誘って船遊びに出かけた。すると豊隆は塗山篌までいることに困惑する。「なぜあいつが?」「″兄も一緒に″と言われたんだ」豊隆は塗山璟がまだ兄弟の和解を諦めていないとため息を漏らしたが、瑲玹には何の話か分からなかった。瀛州へ足を伸ばした小夭は露店で珊瑚の装飾がついた箱に目を止めた。そこで店主に価を聞いたが、突然、どこかの令嬢が現れ、箱を横取りされてしまう。小夭は傲慢な令嬢が辰栄馨悦と防風意映だと気づき、箱を譲って帰ることにした。すると瑲玹が帷帽(イボウ)で顔を隠した小夭に気づく。「小夭?…小夭!お前も散策していたのか?」辰栄馨悦は自分が箱を奪った相手が瑲玹の従妹で第一王姫の小夭だと知った。そこで仲直りの印に箱を返し、謝罪する。「明日、帰るのでお土産にしたくて無礼な真似を… そうだ、今から皆で船遊びに行くの、一緒にどう?」一行に小夭が加わり、送別の宴となった船遊びは和やかに始まった。辰栄馨悦が小夭を兄の隣に座らせてくれたおかげで、赤水豊隆は美しい小夭に釘付け。するとすっかり気を良くした豊隆が酔った勢いで海に飛び込んだ。「魚を捕って来る!」泳げない瑲玹は驚いたが、防風意映と仲違いしてむしゃくしゃしていた塗山篌まで飛び込んでしまう。「私も捕って来る!」それを見た意映は自分も泳ぎたいと口実をつけ、塗山篌を追った。すっかり感化された馨悦は泳げないという瑲玹に自分が教えると迫り、道連れにしてしまう。船に残ったのは小夭と塗山璟だけとなった。思いがけず塗山璟と2人だけの時間を過ごせることになった小夭。しかし塗山璟と防風意映が一緒にいる姿を見るのはやはり辛い。「他の女に思われている男は好きにならない どんなにいい人でも自分が損をするなら見限る」一方、塗山篌と防風意映は小島に上陸していた。意映はまだ怒っていたが、塗山璟は2人の馴れ初めを思い出させ、機嫌を取る。「許してくれ…意映、あの年の端午節のことを覚えているか? 出会いはやはり船の上だったな」「忘れるわけない、北方育ちの私は初めて水景を見て興奮のあまり川に飛び込んだわ」「お前はまだ泳げず、霊力を使うことも忘れるほど慌てていたな」そんな意映を助けたのが塗山篌だった。「あの時から私の心を占めているのはお前だけだ、本当に好きなのはお前だけ」塗山篌は手巾の主が弟の間者だったため利用したとごまかし、意映と仲直りした。塗山璟は防風意映にも自分への情がないのは事実だと訴えた。しかし残念なことに清水(セイスイ)鎮とは事情が異なり、自分も小夭も自由に動けなくなったという。「君の父王に婚姻を申し入れる、猶予をくれないか、堂々と君の前に立ちたい! 私以外を思わないで欲しい」「あなたは本当にずる賢い、青梅酒を贈って来たりして何かと約束を思い出させる ″過分な望みは抱かない″と言いながら決して諦めようとしないのね」「すまない、私にはもったいない人だと分かっているが、どうしても諦められない」瑲玹たちは無事に船に戻り、身なりを整えた。するとわざと時間をずらして塗山篌が最後に海から上がって来る。その手には深海で仕留めた魚妖の魚丹があった。魚丹は装身具や薬材、道具作りに用いられ、上質になると呼吸を助ける道具が作れるという。色によって魚丹紅・魚丹紫・魚丹黄に分けられるが、多くはまだらのため、塗山璟が持っていた真っ赤な魚丹は貴重だった。小夭と瑲玹は五神山に戻った。船で2人きりになった小夭と塗山璟の様子が気になる瑲玹、しかし逆に小夭から辰栄馨悦に色目を使われていたとからかわれてしまう。瑲玹は馨悦が色目を使うのは自分が西炎王の孫だと知ったからだと冷ややかだったが、自分も同類だと認めた。「辰栄馨悦だからこそその気持ちを拒まなかった 嫌いな者の恨みは買えず、好きな者には近づけない、辛いさ だが西炎を得るには避けられぬ代償だ」「西炎山に戻れば骨肉の争いが待っている、覚悟はできているの?」「来年の姑姑の命日に私は朝雲(チョウウン)峰に立つ」「…もう長いこと母親の墓参りをしていないわ」すると小夭が瑲玹に手を差し出した。「瑲玹…私たち帰りましょう」「はお、一緒に帰ろう」瑲玹は小夭の手を握りしめた。西炎王は小夭こと皓翎玖瑤(コウレイキュウヨウ)の墓参りを許した。内心、面白くない五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)だったが、父王の手前、小夭を手厚くもてなすしかない。すると叔父たちは小夭を温かく出迎えながら、一緒に帰ってきた瑲玹を完全に無視した。「瑲玹は拝謁できぬ」小夭は仕方なく自ら瑲玹の手を引いて城門に向かったが、門衛が立ちはだかった。つづく( ̄▽ ̄;)これどうするよ?…と思ったら西炎に帰国で俄然、やる気になる管理人w
2024.09.06
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长相思 lost you forever第19話第一王姫の明瑟(メイシツ)殿に薬房ができた。小夭(ショウヨウ)は王姫という身分を利用して貴重な薬材を集め、久しぶりに新しい毒を完成させる。霊力が弱くなってからは母譲りの医術で自分の身を守って来たが、今となっては清水(セイスイ)鎮で相柳(ソウリュウ)のために毒を作っていた頃が懐かしい。「でももう玟小六(ビンショウリク)はいない、相柳は私に会っても気づかないわね」すると小夭はふと思い出して猩猩(ショウジョウ)の鏡に相柳の顔を映した。そこへちょうど皓翎(コウレイ)王が現れ、思い出し笑いしている姿を見られてしまう。小夭は慌てて鏡を消したが手遅れだった。「その人は…ただの知り合いよ」皓翎王は娘の想い人が塗山璟(トザンケイ)だと思っていただけに、銀髪の男を見て困惑しているようだった。「許嫁がいる人を想っても辛くなるだけ 心配しないで、ずっと男だった私には乙女心のかけらもないから」五神(ゴシン)山に″第一王姫お披露目の儀″に招かれた氏族が集まった。西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は⾚⽔豊隆(セキスイホウリュウ)たちから到着の知らせを受け、挨拶がてら本当の身分を明かすことにする。「私は西炎国の西炎瑲玹、軹邑(シユウ)城で動くには都合が悪く嘘をついていた、すまない」しかし辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は見初めた知音の身分が王族だと知り、内心、飛び上がりたいほど嬉しかった。蓐収(ジョクシュウ)は第一王姫のため準備した礼服を皓翎王に見せた。天下一の機織り職人が作った衣は完璧だったが、真紅の布地が赤宸(セキシン)を思い起こさせ、皓翎王は理由も告げず作り直せと命じる。その頃、瑲玹は明瑟殿にいた。小夭は赤水豊隆が従兄の本当の身分を知っても受け入れてくれたと知って安堵したが、瑲玹はどこか浮かない顔をしている。「何があったの?」「塗山璟(トザンケイ)も一緒だった…小夭? もし私と塗山璟どちらか1人しか選べないと言われたら誰を選ぶ?」すると小夭は自分たちの関係は切っても切れないもの、熱しやすく冷めやすい男女の情とは違うと笑った。「心配せずにやりたいようにやって、塗山氏があなたの敵になるなら私にとっても敵だわ」お披露目の朝、小夭の新しい礼服が墨をかけられ、台無しになっていた。仕方なく小夭は父が気に入らなかった最初の礼服をまとい式場に登場、その美しさに誰もが魅了される。塗山璟はもちろん、赤水豊隆は一目で小夭に心を奪われた。礼服を汚した張本人の阿念(アネン)は何事もなく現れた小夭の姿に動揺を隠せなかったが、隣にいた母にたしなめられてしまう。こうして皓翎の第一王姫・玖瑤(キュウヨウ)としての第一歩を踏み出した小夭。まさかその場に相柳が紛れ込んでいることなど知る由もなかった。↓まさに( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ジェットストリームポカーン儀式が終わり、堅苦しい礼服から解放された小夭。しかし父王はなぜ自分が急遽、あの礼服を着たのか理由を知っていた。「阿念が新しい礼服を駄目にしたのだろう?」実は皓翎王は小夭をひいきしていると思われないよう阿念が何をしても黙っていたという。思えばこの人生、心残りはあれど後悔はないが、娘たちのことだけが心配だった。「2人が心から互いを受け入れ、支え合うことができれば安心できる」「努力するわ」その頃、阿念は独り海岸でふて腐れていた。すると思いがけず海から相柳が現れる。相柳は阿念の小夭への嫉妬に気づき、自分が手を貸すので懲らしめようと提案した。「殺しはしない、どうだ?」阿念はなぜ自分に協力してくれるのか分からなかったが、相柳はいずれ辰栄軍のために手を貸してくれれば良いという。「でもどうやって懲らしめるの?」大役を無事に果たした小夭は寝宮で羽を伸ばしていた。すると漪清(イセイ)園の宴に出席しているはずの瑲玹が現れ、塗山璟から″龍骨獄で待つ″と言づかったという。小夭は断ったが、ふと塗山璟に15年だけ待つと約束したことを思い出した。「やっぱり会うわ」小夭は女子として初めて塗山璟と会うことになった。すると寝宮から侍女たちと一緒に衣を選ぶ嬉しそうな小夭の声が漏れ聞こえる。回廊に出た瑲玹は小夭を止めたい気持ちを押し殺し、結局、華音(カイン)殿に帰って独りやけ酒をあおった。小夭が龍骨獄へ向かっていると、林の中から急に阿念が現れ、切り立つ崖へ誘った。父と約束した手前、仕方なく誘いに乗った小夭だったが、阿念に突き飛ばされて海へ落ちてしまう。その頃、塗山璟は海岸でひたすら小夭が来るのを待っていた。小夭は崖から海に落ちても不安はなかった。…私は泳げるのよ?…しかし海上へ上がろうとした矢先、相柳に脚をつかまれ、引きずり込まれてしまう。息が続かずもがき苦しむ小夭。相柳は自分の口から息を吸うよう合図したが、小夭は拒んだ。相柳は小夭を連れて岸に上がった。「ゲホゲホゲホォォォッ!どうして私が小六だと分かったの?他人のふりをするつもりだったのに…」「私には蠱虫(コチュウ)がいる、忘れたか?…私を騙したな?」相柳は身分を隠して西炎王の孫をかばったと責め、全ての嘘を白状しろと迫った。しかし小夭は嘘をついたことはないと断言する。「今までの話は全て本当よ」小夭は相柳の機嫌を直そうと靴の中に入れていた薬瓶を取り出した。「新しい毒薬を作ったの、飲んでみて、あなたのために作ったのよ?」「…俺のために?(グビ)まだまだだな」(,,Ծ‸Ծ,,)<チッ!あきらめないんだからね(ボソッ相柳は小夭の小六らしい一面を垣間見ると、なぜかほっとした。相柳は小夭の美し顔をまじまじと見つめながら、なぜ海中で自分からの息を拒んだのか尋ねた。何とか誤魔化そうとした小夭だったが、相柳に嘘は通じない。「怖かったから、あなたが怖い」相柳は小夭の思わぬ本音に困惑した。「口づけが死よりも怖いか?」「私の哥哥が…瑲玹が言ったの、″お前は夢見る乙女だ″って あり得ないと思うけど…でもやっぱり怖い、あなたにうっかり夢に入られることが あなたは夢見ていい人じゃないのよ?それは死よりも怖いことなの」相柳は意外な理由を聞いて失笑、小夭を冷たく突き放し、独りで海へ戻ってしまう。一方、塗山璟は満ち潮で腰まで水に浸かりながら、まだ小夭が来るのを待っていた。小夭は塗山璟との約束を守るため、夜通し海を泳いだ。しかし波に飲まれて息が苦しくなり、ついに力尽きて沈んでしまう。その時、塗山璟が現れ、小夭を抱き止めた。相柳は小夭が無事に戻れるか密かに見守っていた。すると塗山璟が小夭を抱きかかえて陸に上がる姿が見える。相柳は親密な2人の様子に激しく動揺し、無理に埋め込んだ蠱虫が身体を蝕んでしまう。霊力で何とか痛みを抑え、後ろ髪を引かれる思いで海に消えた相柳。一方、塗山璟は龍骨獄で小夭との再会を喜んだ。「私は防風意映(ボウフウイエイ)を娶らない、むしろ防風意映は私を毛嫌いしている」翌朝、老桑(ロウソウ)は珍しく二日酔いの瑲玹に酔い覚ましを差し入れた。そこへ侍女の珊瑚(サンゴ)が慌てて駆けつける。「殿下、第一王姫がゆうべから戻りません」瑲玹は慌てて立ち上がったが、小夭の体面を考え、あえて冷静に振る舞った。「第一王姫は遊びに夢中で時を忘れたようだ、迎えに行く、他言無用だ」しかし小夭が塗山璟と一夜を明かしたと思うと瑲玹の心は激しく揺れた。つづく( ๑≧ꇴ≦)どうするかな~いやこれどう? ←誰に聞いているのかw
2024.09.04
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长相思 lost you forever第18話小夭(ショウヨウ)が駅館に戻るとすでに西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の姿があった。「今日のところは目的を果たした、それで街に出たのか?どうだった?」「うん…なぜだか急に女子の美しい衣が着たくなった」仲睦まじい男女の姿を見てようやく女子に戻りたい気持ちが芽生えた小夭、しかし皆が自分の本当の姿に失望すれば、そんな皆に失望してしまうことが怖いという。瑲玹は小夭の心境の変化が塗山璟(トザンケイ)のためだと気づいたが、何にせよ自分と師匠は失望しないと励ました。翌朝、小夭と瑲玹は玉(ギョク)山へ発った。蓐収(ジョクシュウ)は皓翎(コウレイ)王から戻るよう文が届いたとごまかし、事情を知らない阿念(アネン)を連れて先に帰国の途に着く。一方、防風意映(ボウフウイエイ)は塗山璟の機嫌を取ろうと酔い覚ましを差し入れることにした。しかしちょうど着替え中だった塗山璟の生々しい傷跡を見てしまう。意映はあれほどの傷を負っても無事だった塗山璟の悪運の強さに驚愕した。ここまで虐待されれば誰でもその恨みを忘れるはずがない。「喧昼(ケンチュウ)、青丘に戻るわ、荷物をまとめて」防風意映は塗山府へ到着するとからくり扉から密室に入り、愛しい塗山篌(トザンコウ)と合流した。実は塗山璟から退婚を迫られ、もともと嫁ぐ気がなかった意映は応じるつもりだという。「あれほど酷い身体になったんだもの、身の程をわきまえたのね きっと耐え忍んで油断させ、一撃で報復するつもりよ、気をつけて」しかし塗山篌は生き延びた弟を再び同じ目に遭わせ、全てを取り戻すと奮起した。玉山ではすでに知らせを受けた王母(オウボ)が小夭たちを待っていた。あれから数百年経っても何も変わらない玉山の風景。それもそのはず、玉山は一年中、桃花が咲き続ける桃源郷として知られている。しかし小夭にとってはこの美しい桃林も悲しい思い出でしかなかった。「たとえ時間を巻き戻せても私はここから逃げる…死も同然の安らぎより流浪の日々を選ぶわ」王母は小夭が玉山に残るなら霊力を回復させることができると持ちかけた。自分の寿命も残すところ数百年、小夭を次の王母に指名し、玉山を託したいという。しかし束縛を何より嫌う小夭は断った。「今のままで構いません、穏やかに暮らせれば十分です」「好きにしなさい」王母は小夭の額に桃花のあざを戻し、駐顔花(チュウガンカ)を取り出すことはできないが元の姿には戻れると教えた。「玉山の神器なのになぜ取り出せないのですか?」「この世には私にできないこともたくさんある…」すると王母は小夭に瑤池(ヨウチ)へ入るよう命じた。小夭は期待以上の美しさだった。瑲玹は瑤池から戻って来る小夭に見とれ、しばらく言葉が出ない。「どうしたの?…哥哥?!」「(はっ!)何でもない」瑲玹は小夭を連れて皓翎に戻った。小夭はまだ自分の外見に自信が持てず、従兄の背中に隠れて父の前に立つことができない。痺れを切らした皓翎王は自ら娘の手をつかんで引っ張り出した。「…子供の頃は父王に似ていたはずなのに…なぜかしら?父王にも娘(ニャン)にも似ていないの」「誰に似る必要もない、健やかなら十分だ」皓翎王は美しい娘の姿に感激もひとしおだったが、ふと小夭の額に戻った桃花のあざを見ると複雑な気持ちになった。皓翎王は早速、家族に小夭を紹介することにした。阿念は母の静安(セイアン)妃と一緒に酒席で待っていたが、そこへ父王と従兄が見知らぬ美しい娘を連れてやって来る。すると皓翎王は耳が不自由な静安妃のため手話を交えて報告した。「彼女が私の大女児・玖瑤(キュウヨウ)だ」寝耳に水だった阿念はあまりの衝撃に言葉を失った。静安妃は阿念に姉への挨拶を促したが、阿念は猛反発、本当に父の娘かと噛みついてしまう。そこで瑲玹は実は小夭があの玟小六(ビンショウロク)だったと明かした。「人を褒めないお前が小六を″人柄は悪くない″と言っただろう? 素晴らしい姉を持てたのに何が不満なのだ?」しかし阿念は姉などいらないと食台をひっくり返して出ていってしまう。↓( ತ _ತ)<私と仕事、どっちが大事なの?!的な?(違うw)小夭は自分のせいで家族に亀裂が生まれたことに責任を感じた。一方、寝宮に戻った阿念は小夭への激しい嫉妬で大暴れ、父王が差し入れた食事に当たり散らしてしまう。これまで瑲玹の愛情を独占していただけに小夭の出現は何より阿念を脅かした。しかも身分の低い母を持つ自分とは違い、小夭の母は西炎の王后・西陵纈祖(セイリョウケッソ)の弟子で勇敢な西炎王姫大将軍、父王が最上の礼をもって迎えた妃だという。皓翎王は小夭に明瑟(メイシツ)殿を与えた。第一王姫の寝宮にしてはやはり狭いと感じたが、小夭はこれで十分だと笑う。「寂しいのは嫌なの、哥哥のそばがいいわ 流浪の身だったから物欲はないし、寝る場所はどこでも構わない」「小夭、お前はもう流浪の身ではない」皓翎王は娘の苦労を思うと胸が痛み、本来の生活を取り戻して習慣を身につけるよう言い聞かせた。小夭は苦手な礼儀作法や王宮のしきたりを学び始めた。自由気ままに暮らして来た小夭には何より面倒だったが、そこへ阿念が顔を真っ赤にして乗り込んで来る。「父王は天下の氏族をすべて儀式に呼ぶそうね?ちょと調子に乗ってない?!」「そうなのそうなの~嬉しくて涙がでちゃうわ~」小夭に挑発された阿念は思わず手が出たが、その時、慌てて蓐収が駆けつけ、皓翎王が呼んでいるからと連れ出した。小夭は偏殿に貴重な薬材を集めて薬房にした。すると早速、瑲玹が様子を見に来る。「医術の研鑽(ケンサン)か?」「身を守るためよ、私は霊力が弱いから阿念にさえ突き飛ばされてしまう 何か護身の術を持たないとね」「お前に言おうと思っていた、今後は私が守ると…だがその資格はないようだ」瑲玹は小夭との約束を果たせず、苦労させたことを思うと辛くなった。しかし小夭は瑲玹の負担になりたくないだけだと釈明し、自分の身を守ることが延いては相手を守ることになるという。「私たちは一蓮托生の仲でしょう?」一方、清水(セイスイ)鎮では石妖(セキヨウ)の新しい講談が始まっていた。皓翎王が第一王姫の帰郷を祝うお披露目の儀を盛大に催し、各氏族を漏れなく招いたという。その話を茶屋の片隅で相柳(ソウリュウ)が聞いていた。その夜、相柳は独り酒を飲みながら、小六の嘘に憤った。頼れる者もなく帰れる場所もないと言いながら、まさか皓翎の第一王姫だったとは…。「すべて偽りだったか」つづく(ヾノ・∀・`)イヤイヤイヤイヤイヤ〜顔、変わってないしwせめて鏡に映る顔だけでも小六の顔が別人だったらな〜惜しいわ
2024.09.03
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长相思 lost you forever第17話軹邑(シユウ)城の涇水(ケイスイ)湖で防風意映(ボウフウイエイ)に襲われた小夭(ショウヨウ)たち。小夭は咄嗟に阿念(アネン)を連れて湖に飛び込み、何とか岸までたどり着いた。「独りで大丈夫か?ここから絶対に動くなよ?」小夭はひとまず阿念を草陰に残し、侍女の海棠(カイドウ)を探しに戻った。一方、逃げ遅れた西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は防風意映の暗器を受けて湖に落ちた。意映は侍女・喧昼(ケンチュウ)に止めを刺しに行かせようとしたが、運悪く客室から辰栄馨悦(シンエイケイエツ)が現れる。「片がついたのね…姐姐、ありがとう、でも興醒めだわ、帰りましょう」しかし馨悦は湖面に浮かんでいる簫に気づいて足を止めた。小夭は無事に海棠を助け、阿念を気遣いながら夜道を歩いて駅館までたどり着いた。意外にも頼りになる玟小六(ビンショウロク)に好感を持つ阿念、しかし事情を聞いた師兄の蓐収(ジョクシュウ)はもめた相手が塗山(トザン)氏の許嫁だと聞いて及び腰になる。阿念は仕返しする気満々だったが、小夭もまず瑲玹の行方を突き止めることが先決だとなだめた。「阿念、湯浴みして着替えた方がいい」小夭は阿念を部屋に返してから蓐収に警告した。「防風意映は瑲玹だと知って襲ったと思う」辰栄馨悦は湖面に浮かぶ簫を見つけ、船から落ちた男が知音だと気づいた。そこで男を救出、辰栄府で手当する。目を覚ました瑲玹は身分を隠して皓翎(コウレイ)青龍部の軒(ケン)と名乗り、命の恩人が琴の奏者と知って喜んだ。「家人が心配しているはず、失礼します、お礼は改めて…」「安静にしていないとだめよ?家人には無事を知らせる文を送るわ」その様子を防風意映が回廊から見ていた。喧昼は隙を見て手を下すと申し出たが、意映もさすがに辰栄府で騒ぎを起こすことはできないという。翌朝、駅館に瑲玹の無事な知らせが届いた。小夭と蓐収は瑲玹に何か目論見があると気づいたが、阿念は従兄が浅手にも関わらず戻らないと激怒、しかも全く心配する様子がない2人に苛立ちを募らせる。一方、辰栄馨悦は眉目秀麗で才気あふれる知音との出会に心を躍らせていた。しかし侍女の鈴蘭(リンラン)はどんなに気が合っても青龍部の一般の若者では高貴な主に釣り合わないという。小夭は阿念に八つ当たりされないよう独りで街の散策に出かけた。すると偶然にも青丘(セイキュウ)から軹邑城に来ていた塗山璟(トザンケイ)と再会する。「小六、どうしてここへ?」「それは…やるべきことがある、あとで教える」「私も言わねばならぬことが…」「じゃあ機が熟した時に」2人は人目を気にして短い会話だけで別れた。瑲玹が駅館に戻った。さすがは鋭い小夭、従兄が何か思惑があって芝居を打ったと気づいていたという。実は瑲玹は清水(セイスイ)鎮で矢を受けたあと、防風意映を調べさせていた。「私を狙っているのは別人だった、叔父たちが絡んでいるのは確実だ」どうやら防風氏は叔父側に付いたのだろう。湖では敵が優勢だと見て退散すべきと考え、瑲玹はあえて負傷して湖に飛び込んでいた。しかし意外にも辰栄馨悦に助けられ、中原で力を持つ辰栄氏や赤水(セキスイ)氏と懇意になれるきっかけをつかむ。小夭は従兄が馨悦の情を得るため計画的に出会ったと疑ったが、瑲玹は鼻で笑った。「やはりお前は夢見る乙女だな?両氏族が私に付くか否かは情などではない 私がもたらす益で決まるのだ」(* ゚ェ゚)<冷めてんな___私は夢見る夢子ちゃんで結構です@小夭駅館に塗山璟から宴の招待状が届いた。瑲玹は断って急いで玉(ギョク)山へ発つつもりだったが、小夭は参加するよう説得する。「塗山璟に会う機会を失いたくないのか?」「それもあるけれど、⾚⽔豊隆(セキスイホウリュウ)に会う機会を失うべきじゃない 彼は辰栄熠(ユウ)を父に持つ赤水族の次期族長、他の氏族の子弟に慕われているとか 味方につければ哥哥も今後、動きやすくなるわ」瑲玹は何かと揉め事を起こす阿念に留守番させ、小夭を連れて辰栄府を訪ねた。塗山璟は小夭たちに協力し、豊隆と馨悦兄妹には友人の軒と彼の従弟・玟小六だと紹介する。知音の軒との思わぬ縁に喜びを隠せない馨悦、一方、瑲玹も西炎の朝議で残党軍との結託を糾弾された辰栄熠に理解を示し、豊隆の信頼を得ることに成功した。「中原を任された辰栄大人は残党軍と秘密裏に交渉し、投降を勧め、あまたの戦を防いで来た ″結託″なくして残党軍の数をここまで減らすことはできなかっただろう」「よくぞ言ってくれた、敬意を表する」こうして酒宴は和やかに始まったが、その時、思いがけず防風意映が現れた。↓第四の男登場!@赤水豊隆防風意映は小夭と塗山璟の間に割って入った。居心地の悪い小夭は手洗いに行くと断って席を立ち、辰栄府を抜け出して湖の桟橋へ出る。すると運良く小舟が通りかかり、乗せて欲しいと頼んだ。実はその舟に乗っていたのは糧秣の工面に来た相柳(ソウリュウ)。船頭は辰栄熠から相柳を早く送り出すよう命じられていたが、九頭蛇に乗せろと言われれば断れない。そこで相柳は女子に変身し、小六を同乗させた。小舟には面紗で顔を隠した令嬢が乗っていた。小夭は令嬢に感謝し、男女の別を守って舟先に立っている。すると相柳はわざと雨を降らせたり舟を揺らして小六が隣に座るよう仕向けた。相柳は水族に命じて途中で差し入れを受け取った。すると小六は自分にも妖族の友がいるという。「奴には噛まれてばかりさ…でも気性は少し荒いが、根はいい奴なんだ、すごく」やがて舟が街の水路に入る頃にはすっかり日も落ちていた。↓″根はいい奴″というexcuseあるある辰栄府では酒宴がお開きになった。塗山璟は勝手に宴に顔を出した防風意映に怒り心頭、慌てて追いかけて来た意映に改めて退婚を言い渡す。驚いた意映は拒んだが、塗山璟は無視して部屋に向かった。すると物陰から瑲玹が現れる。「誤解するな、防風意映とは…」「今日は感謝する、青丘公子のおかげで豊隆と友になれた だがこれだけは言わせてもらう、小夭を傷つける者は私も彼女の父王も許さない 傷つけぬと約束できぬなら今のうち小夭から離れろ」小夭は舟から花火を見上げた。その時、ちょうど橋の上で仲睦まじい恋人同士を見つける。相柳は小六が何を見ているのか気づき、お似合いの男女だと言った。「はたからみれば隣同士でいる私たちもお似合いかもしれないわ?」「姑娘、ご冗談を…たまたま同じ舟に乗り合わせただけだ」すると興が醒めた相柳は急に舟を止め、小六を下ろしてしまう。「辛い時はあなたを気にかけてくれる人を思って、彼も…その人もあなたを思っているわ」小夭は舟を見送った。「私を気にかけてくれる人?」つづく|ω・`)システムが分からん辰栄氏なのに兄だけ赤水?そう言えば瑲玹母は若水族の濁山さんだったわ馨悦は塗山璟を従兄だって言うし、豊隆は友だと言うし…ワケが分からないw
2024.09.02
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长相思 lost you forever第16話皓翎(コウレイ)王は小夭(ショウヨウ)を必ず元の姿に戻すと約束した。長年の疑問が解決し、かつての天真爛漫な娘に戻った小夭。しかし何かと不自由な王姫という身分に戻るのはどうしても嫌だと拒む。皓翎王は仕方なくしばらくそのままでいいと許したが、実は小夭にはまだわだかまりがあった。華音(カイン)殿に戻った小夭は早速、塗山璟(トザンケイ)に元の姿に戻れそうだと報告した。「でも不細工だったらどうする?」「それはない…だとしても幸いだ、心の美しさを理解する者は少ない、私が独占できる」すると塗山璟は自分の問題を解決するため青丘(セイキュウ)に戻ると伝えた。皓翎王の娘である小夭にもはや庇護など不要、何よりとても楽しそうで安心したという。小夭は引き止めるわけでもなくあっさり了承したが、念のため塗山篌(トザンコウ)の攻撃には用心するよう警告した。「あと15年、待っていて欲しい」「心配いらない、待ってる」( ๑≧ꇴ≦)17iiiii!あざとい!wその夜、小夭が涼亭で碁を解いていると西炎瑲玹(セイエンソウゲン)が現れた。「塗山璟が帰って寂しくないか?」「確かに塗山璟が好き、でも分かってる、誰でも一生そばにはいられない 娘(ニャン)さえ私を残して逝ってしまった、男のために一喜一憂なんてしないわ ふふ、意外だった?冷淡で…」「冷淡なのではない、私たちは血を吐くような別れの苦痛を何度も経験して来た それは心が痛みを感じないよう己を守る手段だ」小夭は何も言わなくても分かり合える従兄の言葉に思わず顔をほころばせた。どんな幸せもいつか必ず失う時が来る。小夭はいかなる喜びであっても常に微かな悲しみを伴っていた。初めから覚悟しておけば、失った時につらくても冷静に受け止められるという。「″喜びも悲しみも全て味わい尽くさず″か…そういう者は私だけかと思っていた」瑲玹も同じ価値観を共有できる小夭の存在が心強かった。「もう私は孤独ではない」「ごめん、今まで…」小夭が瑲玹に身分を明かさず、今も頑なに王姫の身分を拒むのには理由があった。実は宮女だけでなく、あの九尾狐(キュウビコ)も小夭が皓翎王の娘ではないと知っていたという。『お前の母は天下を欺くあばずれだ!赤宸(セキシン)と姦通してお前を産んだ! 皓翎王はいつかお前を殺すぞ!』話を聞いた瑲玹は激高、でたらめだと否定した。皓翎王ほどの霊力があれば小夭が自分の娘でなければ気づくはず、何より小夭の物を当時のまま大切に保存しているのは父である証拠だという。「じゃあ私は本当の娘なの?」「間違いない (๑و•̀ω•́)و」小夭は胸のつかえが下りて目の前の霧が晴れたようだった。しかし瑲玹は誰が小夭の体内に駐顔花(チュウガンカ)を封印して姿形を変えたのかが引っ掛かる。…師父の様子を見るに知らぬとは思えない…その時、瑲玹は出征前夜の姑姑(グーグー)の言葉を思い出した。…瑲玹、小夭はあなたとは少し″違う″、だからしっかり面倒見てやってね…「まさか小夭の顔を変えたのは姑姑?」瑲玹は驚愕したが、小夭が誰の娘であろうと大切な従妹なことに変わりはなかった。…2度と失いたくない、小夭を守るためならどんな犠牲も払う…一方、阿念こと皓翎億(コウレイオク)はすっかり蚊帳の外。侍女・海棠(カイドウ)から聞いて初めて玟小六(ビンショウリク)が従兄の寝宮に滞在し、漪清(イセイ)園にも案内されたと知った。激怒した阿念は自分を辱めた玟小六を罰して欲しいと父に頼んだが、気のせいだとあしらわれてしまう。「近いうちに公にすることがある、それでお前も辱めを受けたとは思わないはずだ、喜び事だぞ」阿念は父が自分を玟小六に嫁がせるつもりだと誤解した。父は身分に寛容で下級の神族はもちろん、卑しい妖族も登用し、実は母も嫁ぐ前は苦役をしている。阿念は父が自分を医者に嫁がせることもあり得ない話ではないと気づき、慌てて小六を訪ねた。「あんたなんかに絶対、嫁がないんだからね!」小夭は阿念を娶るはずないと呆気にとられていたが、阿念は信用できず、誓いを立てろと迫った。「分かったよ、絶対に娶らないと誓う、破れば雷に打たれて墓にも入れない」「ひとまず信じるわ」瑲玹は小夭を守るためにも西炎へ戻ると決意、師匠に報告した。皓翎王は時期尚早だと反対したが、瑲玹は時間がないという。「私が持つべきものを取り返さねば大切な者を守れないのです」その意味を悟った皓翎王はそれ以上、何も言えなかった。その夜、瑲玹は小夭に朝雲(チョウウン)殿に戻ると明かした。「それもいい、いつかは帰らないとね」「帰らないのか?」すると小夭は朝雲殿の庭にあった鳳凰樹の鞦韆(シュウセン)を懐かしみ、答えをはぐらかしてしまう。そう言えば祖母は臨終の際、2人で助け合いながら生きて欲しいと言い残していた。小夭は祖母がまるでこうなることを分かっていたかのようだと感慨深い。結局、瑲玹は小夭の返事を聞かないまま帰ることにした。「早く休めよ」「うん」小夭は瑲玹の後ろ姿を見送った。その時、母も同じように笑顔で出征したまま戻ってこなかったことを思い出す。「哥哥!…私、王姫に戻る!」「嫌がっていただろう?気が変わったのか?」驚いた瑲玹が引き返して来た。「私が王姫なら危害を加えるにも思慮が要る、一国の王を敵に回すことになるから」瑲玹は自分を守るためだと気づいた。しかし小夭は身分を笠に着て横暴に振る舞うのも良いと笑う。すると瑲玹は思わず小夭を抱きしめた。…奶奶(ナイナイ)、爹爹(ディェディェ)、娘親(ニャンチン)、姑姑、小夭との再会に感謝します、妹妹(メイメイ)を2度と辛い目に遭わせません…小夭は瑲玹が西炎に戻るなら血なまぐさい争いも覚悟の上だった。…私がそばにいて哥哥の志を果たさせる…翌朝、小夭は早速、父に王姫に戻る決意を伝えた。皓翎王は喜び、お披露目の前に玉(ギョク)山へ行って本当の姿に戻るよう告げる。「王母(オウボ)にはもう知らせてある」一方、塗山璟は中原の名家が集まる軹邑(シユウ)城の辰栄(シンエイ)府にいた。しかし防風意映(ボウフウイエイ)が自分に見向きもしない塗山璟に困惑し、太夫人に泣きついて無理やりついて来てしまう。塗山璟は仕方なく青丘に戻ったら退婚を申し出るとはっきり伝えた。「これまで塗山家に尽くしてくれた恩は返す、退婚しても防風氏を支え続けよう」「私は家のために嫁ぐわけじゃない、私の情を疑うの?」「面識もない相手をどうしてそこまで想えるのだ?」すると塗山璟は傷だらけで志もない自分では釣り合わないと言って出かけてしまう。防風意映は迫真の演技で情に訴えかけたが失敗、無駄になった涙を拭った。玉山へ向かった小夭たちはその夜、軹邑城にある皓翎国が建てた駅館に泊まることにした。旅行気分の阿念は質素な建物に不満だったが、瑲玹は身分を隠しているため目立てないという。すると小夭が絶景で有名な涇水(ケイスイ)湖あると思い出し、明日の準備があるという蓐収(ジョクシュウ)と別れて船遊びに出かけることにした。小夭は獲れたての魚を焼いて皆にふるまった。わがままな阿念は汚くて食べられないと断ったが、小六が皮を取り除いてくれる。小夭は生きるために嫌でも料理が身についたと笑ったが、それを聞いた瑲玹が今度は自分が焼くと言った。「私がやろう、阿念のように食べるだけで良い」実はちょうど同じ頃、軹邑城主の娘・辰栄馨悦(シンエイケイエツ)が従兄の許嫁である防風意映を乗せて湖に乗り出していた。防風意映は琴の名手である辰栄馨悦に一曲、頼んだ。その琴の音は小夭たちの船まで届き、小夭は見事な調べに酔いしれる。しかし船はすぐ離れてしまい、小夭は残念がった。「気に入ったのならもっと弾かせよう」瑲玹は咄嗟に得意の簫(ショウ)で合奏、案の定、船が戻って来た。防風意映は即興で琴に合わせられるとはまさに知音だと褒めた。まんざらでもない辰栄馨悦は簫の主の顔が見たいと船を引き返させたが、近づいた途端に簫の音が止まってしまう。実は小夭が琴の弾き手が女子だと推察し、嫉妬した阿念が急に従兄の簫をつかんで止めていた。防風意映は近くに船があると気づいて窓の外を見た。すると驚いたことに簫を吹いていたのが西炎王の孫だと知る。「何を見ているの?どうかした?」「いいえ、魚を焼く香りに誘われただけよ」辰栄馨悦は粗末な船に乗っているのがまさか貴族とは思わず、従兄の許嫁のために代価を払ってでも魚料理をもらって来いと命じた。辰栄の侍女は銭でも物でも何でも交換するので魚料理が欲しいと交渉した。海棠は銭など足りていると言い返し、見事に敵をやり込める。「そうね、湯(トウ)谷の扶桑の木は炎なく熱を出すとか…1束もらえる?魚を焼くのに使うから」小夭は海棠の狡猾さに舌を巻いた。貴重な扶桑の木は指の長さで取り引きされ、薪のように束で購入できるはずがない。憤慨した侍女は思わず水術で攻撃したが、海棠に跳ね返されて自分がびしょ濡れになった。侍女に泣きつかれ、ついに船の主が現れた。しかし小夭は令嬢と一緒にいるのが防風意映だと気づき、慌てて背を向ける。すると瑲玹が知り合いかと聞いた。「赤い衣の女子は防風意映だ」「あれが…」防風意映はこの機会に西炎国の孫を始末しようと企んだ。そこで辰栄馨悦にこの場は自分が収めると申し出る。父と兄の手前もめ事を起こしたくない辰栄馨悦は感謝し、後を頼んで船室に戻った。防風意映と侍女は阿念に狙いを定めて攻撃した。すると逃げ遅れた海棠が湖に落ちてしまう。瑲玹は防風意映が本気で自分の命を狙っていると気づき、小夭に阿念を任せた。しかし船上に逃げ場はなく、小夭は咄嗟に阿念を連れて川へ飛び込んでしまう。瑲玹もすぐ後を追ったが、その時、防風意映の暗器が突き刺さった。つづく
2024.08.28
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长相思 lost you forever第15話玟小六(ビンショウリク)の正体が小夭(ショウヨウ)だと確信した西炎瑲玹(セイエンソウゲン)。皓翎(コウレイ)王は瑲玹が自責の念に駆られていると気づき、慰めた。「全て私の責任だ、当時、己の身さえ守れなかったお前を玉(ギョク)山へ行かせたところで 小夭を連れ帰ることはできなかった」「約束を破ったことに変わりはありません」幼い頃から霊力が強かった小夭が今では防御すらできないほど弱くなっていた。何があったのか分からないが、天下をさすらいながら辛酸をなめつくしたことは想像に難くない。「何もしてやれなかった、他人のふりをするわけです…ゥッ」瑲玹は悔やんでも悔やみ切れず、涙に暮れた。しかし皓翎王は小夭も心の中では従兄だと認めていると励ます。「確かに小六は2度も私を救ってくれた、姿形が変わっても小夭は小夭です」翌朝、小六は松葉杖を使って歩けるまでに回復した。すると寝殿の前に黄金の山ができている。富豪の青丘公子・塗山璟(トザンケイ)さえこれほどの金子を見るのは初めてだと驚いた。小六は昨日の会食で″毎日、銭の山で寝転びたい″と語ったことを思い出し、本当に準備してくれたのだと感心する。そこで早速、黄金の山に登って寝転がり、夢を叶えた。塗山璟が小六を支えて寝殿に連れて帰ると老桑(ロウソウ)がやって来た。「殿下の命で朝雲(チョウウン)殿の桑葚(ソウシン)を持って来た 退屈なら漪清(イセイ)園を散歩しろとも言っていた」老桑は拝礼して出て行ったが、小六への厚遇にどこか不満げに見えた。小六は思い出深い漪清園を訪ねることにした。しかしまだ脚を踏み入れる勇気がなく、門近くの岩に腰掛ける。幼い頃、夏は園内の池で水浴びをしながら、母から冷えた瓜を食べさせてもらったものだ。「こんな暑い日は冷えた瓜があれば最高だな」すると塗山璟はすぐ戻ると行って出かけてしまう。その時、運悪く天敵である阿念(アネン)が現れた。(゚ロ゚ノ)ノ<ヒイィィィ!何であんたがここにいるの?!阿念は清水(セイスイ)鎮での屈辱を思い出し激高、侍女に小六を連行するよう命じた。阿念は自分の寝宮で小六を拘束した。従兄の恩人ゆえ命まで取れないものの、あの日の恨みを晴らすため罰として手を打つという。すると小六は両手を仕置き棒で叩かれながら、わざと阿念を挑発した。「王姫の背中は柔らかくていい香りがしたな~例え手を失っても触る価値はあった」驚いた侍女の海棠(カイドウ)は口をふさぐよう指示、王姫を侮辱した以上、殺すべきだと訴えた。「まずは手を叩いて!次は口よ!死んでも構わない!」阿念が顔を真っ赤にして叫んでいる頃、辰栄(シンエイ)軍の陣営にいた相柳(ソウリュウ)は急に手が痛くなった。小六の身に何かあったのは明らか、しかし糧秣もままらない軍営を離れるわけにいかない。( ー̀ωー́ )チッ!<役立たずの狐狸め!一方、塗山璟は小六のために瓜を手に入れ、漪清園に向かっていた。すると通りかかった含章(ガンショウ)殿から第二王姫の怒号が聞こえてくる。「この賎民め!」塗山璟は小六が捕まったと気づいて助けようとしたが、門衛に阻まれてしまう。小六の両手は激しく打たれて真っ赤に腫れ上がった。そこへ騒ぎに気づいた静安(セイアン)妃が現れる。「娘、なぜここに?…止めて」阿念が罰を中止し、小六はふと顔を上げた。すると戦死したはずの母・西陵珩(セイリョウコウ)が立っている。「モゴモゴ(娘)…?」小六は急に取り乱し、侍女たちを突き飛ばして母の元へ行こうとした。しかし侍女たちに押さえつけられ、どんなに手を伸ばしても届かない。その時、門衛から知らせを聞いて皓翎王が瑲玹と塗山璟を連れて駆けつけた。瑲玹は侍女たちを押しのけ、小夭を必死になだめようとした。何が起こったのか分からず戸惑う静安妃と阿念、そこで皓翎王は2人に外へ出るよう命じる。瑲玹は小六の口に詰め込まれた手巾を取り外して投げ捨て、必死に説得した。「小夭!あの人は姑姑じゃない!」「哥哥、娘が戻って来た!知りたいんだ、なぜ私を捨てて行ってしまったのか… いい子にするから戻って欲しいって伝えてよ!」「小夭!私だ、哥哥だ!姑姑は戦死しただろう?!あの人は姑姑に似ているだけだ!」「娘は約束した…すぐ戻って来る、必ず帰って来るって…ゥッ… なぜ私を捨てたのか聞きたかっただけよ…なぜ戻って来なかったの?!どうして? 哥哥、娘はどうして私を捨てたの?!」瑲玹は号泣する小夭を抱きしめ、思い切り泣かせてやることしかできなかった。。・゜・(ノД`)・゜・。<音量に気をつけて〜 w小六はようやく落ち着きを取り戻し、瑲玹は場所を移して真実を聞いた。「さっき私を哥哥と呼んだな?もう言い逃れはできないぞ?」「…瑲玹哥哥、戻ったわ」実は皓翎王は小夭が阿念をわざと怒らせ、自分の反応を見ようとしたと見抜いていた。そこで皓翎王は小夭の不信感をぬぐおうと、幼い小夭が好きだった幻術の動物を見せる。すると小夭はようやく重い口を開いた。「聞いたの、私は捨てられたって…なぜ迎えに来てくれなかったの?」「玉山に行けなかったのは弟たちの反乱のせいだ お前を巻き込まぬよう反乱を鎮めてから迎えに行くつもりだった だがお前は勝手に山を下りていた そうなると分かっていたら、危険があろうとそばに置いたよ」「…本当に私の爹爹なの?」「当たり前だ、たとえお前がそう呼ばなくても私はお前の父だ」するとわだかまりが解けた小夭は父に抱きつき、泣きじゃくった。小夭はふと塗山璟がいることを思い出し、何と説明すればいいか分からなかったと釈明した。しかし皓翎王は九尾一族ならその眼力で小六が女子だと気づいていたはずだという。「塗山璟だな、確か許嫁は防風(ボウフウ)小姐のはずだ」皓翎王は塗山璟を牽制したが、小夭の手前、それ以上は追求しなかった。小夭は本来の身体に戻るまで、このまま瑲玹の寝宮である華音(カイン)殿で過ごすことになった。すると老桑が食事の準備をしながらなぜか涙ぐんでいる。「そうだ小夭、老桑はお前が酒をあげていたあの碧玉桑なんだ」「え!気づかなかった!ついに人像(ヒトガタ)を手に入れたんだ?」老桑は小六が王姫だと見抜けなかったことで落ち込んでいたが、小夭はならば罰としてこれからも桑葚を実らせ、酒を醸造しろと笑った。その夜、小夭たちはあずま屋で酒を飲むことになった。塗山璟は瑲玹が酒を取りに行っている間、これから小六を何と呼べばいいのか尋ねる。「本当の名前は皓翎玖瑤(コウレイキュウヨウ)だ 額のあざが″夭夭たる桃花″を連想させることから小夭と呼ばれていた でも今まで通り小六と呼んでくれ」しかし塗山璟はどんな事情があったにせよ、小六が第一王姫だと知った今では恐れ多いという。そこへ瑲玹が戻って来た。瑲玹は酒を飲みながら、ずっと気になっていたことを切り出した。「小夭、山を離れた後のことを教えてくれないか?」すると小夭はこれが最初で最後という条件で過去を明かすことにした。もし父や祖父に聞かれたら代わりに伝えて欲しいという。「分かった」…小夭は皓翎の宮女2人と一緒に玉山を下山し、五神山に戻るつもりだったしかし道中、思いがけず宮女の愚痴を聞いてしまう『陛下はあの子の母親と別れたのよ?もう王姫でも何でもないのに…』『母親は密通してあの子を産んだらしいわ』『本当に大切な娘なら玉山で70年も待たせるはずないのにね』深く傷ついた小夭は独りで下山し、ひとまず母が戦死したという冀(キ)州を目指した必ず戻ると約束した母が死ぬはずがないそう信じて紆余曲折の末、冀州に辿り着いたが、当然、母はいなかった小夭は行く当てもなくさまよい、やがてある町で父と祖父が自分を探していると知った尋ね人の告示には自分の似顔絵が描かれていたが、今の小夭には見る影もないしかし玉山に70年も住んでいた王姫の霊力に目をつけた妖族は小夭の額にある桃花のあざを見逃さなかった小夭は妖族と目が合い、慌てて逃げ出したするとちょうど孤児たちの集団を見つけ、仲間に加わって鳴りを潜めるしかし妖族の男が駆けつけ、子供たちを立たせて順番に額のあざを確認し始めた小夭は怯えながら心の中で自分の顔が変わるよう念じ続けると、驚いたことに姿形だけでなく、性別まで変えることに成功する小夭はそれ以降、顔を変えながら転々とした『これでもう怖くない』しかし元の顔に戻そうと手鏡をのぞいた時、すでに自分の顔が思い出せなくなっていたそれからも顔は変わり続けたが、どれも偽物この時、小夭は自分が幻形術が使えるようになったのではなく、医者も治せぬ奇病にかかったのだと思った小夭は人里離れた山奥に逃げ込んだ霊力が強かったおかげで猛獣など敵ではなく、猿を話し相手にしたり、蛇妖をからかったりして寂しさを紛らせるそんなある日、小夭は自分と同じように顔を変えることができる九尾狐の男と出会った2人は顔を変えられる回数を競って遊んでいたが、やがて九尾狐は猩猩(ショウジョウ)の精魂でできた映る物を覚えられる鏡を見せてくれるその鏡に小夭の顔を覚えさせれば、自分の顔を操れるようになった小夭も初めは九尾狐を警戒していたしかし自分を怪物扱いせず何でも教えてくれる九尾狐を慕い、住み家へついて行ってしまうすると九尾狐は小夭を檻に繋いだ『お前の母は私の友を殺して尾を切った、本人が死んだのならお前が代わりに償え』九尾狐はあらゆる方法で小夭を痛めつけたそして得体の知れない食べ物を流し込まれ、霊力を身体中に散らされてしまうそれから30年、満月まであと2日という時だった九尾狐はすでに気力を失った小夭を眺めながら、完成した霊薬をどう食べようかと思案するそこで小夭はわざと九尾狐を挑発し、檻の中へおびき寄せた九尾狐もまさか小夭が長い年月をかけ、密かに毒薬を調合していたなど想像もしていなかっただろうすると小夭は機を見て毒に自分の血を毒に混ぜ、効果を高めて九尾狐を殺した小夭は倒れた九尾狐から鏡を奪い、檻の中で唯一の慰めだった一輪の花を摘んだそして九尾狐の住み処に火を放ってついに外へ出る…瑲玹は小夭から預かった白狐の尾が原因だと知り、思わず投げ捨てた。しかし九尾狐の尾は貴重で幻刑術を見破る時に役立つため、小夭はひとまず塗山璟に預かってもらうことにする。翌朝、瑲玹は皓翎王に小夭の辛い経験を伝えた。すると皓翎王は小夭の姿形が変わるのは奇病ではなく神器のせいだと教える。何も知らなかった小夭は慌てて父のもとへ向かった。小夭は体内に駐顔花(チュウガンカ)という神器が封印されていた。しかし皓翎王は誰が封印したかには触れず、自分に神器を取り出す術はないと教える。「だが必ず元の姿を取り戻してやる」「今まで散々、待ったんだ、もう少しくらい待てる」つづく( ๑≧ꇴ≦)長文だわ重過ぎるわでお腹いっぱい!だがまだまだ続くw
2024.08.27
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长相思 lost you forever第14話相柳(ソウリュウ)は毛球(ケダマ)に乗って空から玟小六(ビンショウリク)を探し回っていた。一方、小六を山小屋から逃した塗山璟(トザンケイ)は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の怒りを買い、一撃を喰らって倒れてしまう。結局、小六は塗山璟を見捨てることができず、すぐ引き返して捕まった。瑲玹は再び小六が逃亡できないよう容赦なく両脚を折り、塗山璟と一緒に護送することにする。その時、小六が怪我をしたせいで相柳の脚にも激痛が走った。「捕まったか…毛球、五神(ゴシン)山へ」( ̄▽ ̄;)哥哥を嫌いになりそうです小六は檻車に揺られながら、意識のない塗山璟に自分の血を飲ませた。「冷たくしたのは身を引かせるためだ、そうすれば安心して発てる、なのにお前は…」すると塗山璟はすぐ目を覚まし、実は6年前も小六の血を飲んで助かったと知る。「つまり…相柳も君の血で治療していたのか?」「そうだ、あいつは俺を薬士瓶だと思っているらしい」塗山璟はようやく小六の首の赤いあざの理由を知り、誤解が解けて思わず笑顔になった。瑲玹は五神山に到着、小六と塗山璟をひとまず海沿いにある龍骨(リュウコツ)獄に入れることにした。歩けなくなった小六を大事そうに抱きかかえて獄舎に入って行く塗山璟。瑲玹は小六と塗山璟が親しいと知っていたが、それにしても2人の関係は不可解に思えた。塗山璟はたとえ獄舎でも小六と一緒なら心静かでいられると喜んだ。「男の俺にべったりなのは変だろう?」「…君は女子だ」小六は驚き、あの相柳でさえ自分を女子とは認めていないと困惑する。「奴は見ていないから」「見ていない?何を?!」小六は完璧な幻形術を見破られたと知って激しく動揺した。「何を見ていないんだ?教えてくれよ!」すると塗山璟は6年前、傷が癒えて湯浴みすることになった時、自分の身体を見た小六が頬を赤らめたのを見て女子だと確信したと明かした。「嘘だ!赤くなんてなっていない!嘘に決まってる!」小六は決して認めようとしなかったが、塗山璟は小六が女子だと気づいた時、本当の意味で息を吹き返したようだったと話した。それ以来、塗山璟は小六を女子として愛し、離れまいと決意したという。塗山氏に戻ったのは回春堂を兄から守るためであり、母が決めた許嫁の防風意映(ボウフウイエイ)に恋情はなく、顔を合わせたのも清水(セイスイ)鎮が初めてだった。「必ず退婚する、15年でいい、塗山璟から葉十七(ヨウジュウシチ)になる それまで他の男を心に入り込ませないで欲しい」一方、相柳も五神山海域に到着、小六を救うため霊力で結界を破ろうとしていた。小六は塗山璟の思わぬ告白に驚きながら、初めて女子の幸せというものを体験していた。「…俺は簡単に心を開かない、15年どころか50年経っても誰も入れないさ」塗山璟はそれが合意の意味だと悟り、あまりの嬉しさに思わず涙してしまう。しかし小六はまだ他人と深く関わることに自信が持てずにいた。そんな小六の不安も塗山璟は全て受け止めてくれる。「君は簡単に人を信じたり尽くしたりしない 偽りの愛に生きる桑甜児と違ってあくまでも正直で、不誠実な相手とは潔く縁を切る 君が望む時まで待つよ、君が去らない限りずっと待つ、そんな人生も悪くない」( ̄▽ ̄;)あざとい…あざと過ぎる17w獄舎に迎えの兵士が来た。塗山璟は兵士が小六に触れるのをよしとせず、自分が抱えて連れて行くという。龍骨獄の外では瑲玹たちが待ち構えていた。その時、海から相柳が現れる。瑲玹は自分を殺すため無謀にもここまで来たのかと呆れたが、相柳は瑲玹には用がないと言った。「なんてザマだ?!脚を折られるとは…」小六は海に飛び込みさえすれば相柳が助けてくれると分かったが、相柳の衣に血がにじんでいることに気づいた。手負いの身で自分を連れて逃げられるほど五神山は甘くない。何より塗山璟を独りここへ置きざりにすることなどできなかった。「借りは作らない主義なんでね、帰ってくれ」「…忘れるな、すでに借りはあるぞ?」「分かってる、取り立てを待ってる!」すると相柳はおとなしく引き上げて行った。瑲玹は小六と塗山璟をひとまず自分の寝宮に滞在させることにした。そこで沐浴を済ませ、謁見の準備をして待つよう命じて朝議に向かう。塗山璟は小六の落ち着かない理由が皓翎(コウレイ)王にあると気づいたが、なぜここまで頑なに面会を拒否するのか分からなかった。塗山璟は歩けない小六を御前まで送り届け、皓翎王に拝礼した。「陛下、玟小六は拝礼できませんがご容赦ください」恐る恐る皓翎王の顔を見上げた小六、しかしいざ自分を捨てた父を前にすると乾いた笑いがもれてしまう。「誰が脚を折ったのだ?」皓翎王は不満げだったが、それが瑲玹の仕業だと知って追求できなかった。「一緒に食事を…」( ゚ロ゚)!!<しょ食事?@瑲玹小六は皓翎王と瑲玹、塗山璟と会食した。しかしわざと不作法に振る舞い、瑲玹をへき易させる。「育ちが悪いのでごちそうに興奮しちゃって…大目に見てくれ」すると皓翎王が小六に好きな物は何かと聞いた。小六は銭が好きだと答え、できれば毎日、銭の山で寝転びたいという。「…食べ物のことだ、蓬餅(ヨモギモチ)を用意させた、他に望みがあれば作らせる 物語を聞きながら食べるといい」皓翎王の言葉に小六は動揺を隠せず、もう十分過ぎるほど食べたと断って塗山璟と戻ってしまう。瑲玹は血相を変えて皓翎王に尋ねた。「師父、小六は何者なのです?てっきり師父の甥なのかと… 蓬餅は小夭(ショウヨウ)の好物、物語を聞きながら食べるのが小夭の日課でした」「高度な幻形術だ、正体は分からぬ」瑲玹は本人に確かめたいと言ったが、皓翎王は止めた。玟小六の正体が何者であれ、決めるのは本人だという。「素性を知りたいのは私も同じだ、だが玟小六が切り出すまで問い詰めずに待つとしよう」(  ̄꒳ ̄)そうよね~さすがはパパなの、いきなり脚折っちゃだめよw瑲玹は回廊を歩きながら、清水鎮で自分を救ってくれた小六の様子を思い出していた。するとふいに涙が頬を伝う。…小夭は素性を明かしていたのに、自分が心を閉ざしていたばかりに見抜けなかったのか…瑲玹が呆然としながら寝宮へ戻ると、ちょうど塗山璟が小六に竜眼(リュウガン)を勧めていた。実は小夭は竜眼を食べない。その時、小六が断った。「竜眼は食わない」瑲玹がふらふらと小六たちの部屋に入って来た。塗山璟はまた小六が傷つけられるのではと警戒したが、なぜか瑲玹は自分の霊力を使って小六の脚を治療してくれる。まさか小六が小夭だと夢にも思わず、脚を折り、拷問で手を痛めつけてしまった瑲玹。そんな瑲玹の悲痛な面持ちを見た小六は哥哥がついに自分の正体に気づいたのだと悟った。「良く介抱してくれ」瑲玹は涙をこらえ、塗山璟に小六を任せて帰って行った。:( •ᾥ•):グッ!しかし小六はこらえきれず、涙があふれ出してしまう。(꒦ິ⌑꒦ີ)ダー! その夜、瑲玹は回廊に座って白狐の尾を眺めていた。…約束通り小夭を迎えに行っていれば姿を消さなかったはずだ…すると皓翎王がやって来た。つづく
2024.08.26
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长相思 lost you forever第13話遊歴を終えて皓翎(コウレイ)国の五神山に戻った西炎瑲玹(セイエンソウゲン)。皓翎王は瑲玹に湯(トウ)谷水での治療を勧めたという町医者に興味を持ち、その恩人の話が聞きたいと言った。「相柳(ソウリュウ)や防風(ボウフウ)氏の動機や目的は私もよく承知しています しかしこの玟小六(ビンショウリク)だけは敵か味方なのか読めません 私に蠱虫(コチュウ)を放ちながら二度も私を救った…あの者の目的が分からぬのです」「毒の扱いに長け、蠱術も操るのか…」すると皓翎王は思うところあって玟小六に会ってみたいと言い出した。「連れて来てくれ…知人の子供かもしれぬ」瑲玹は師兄に師匠の思惑を聞いた。すると蓐収(ジョクシュウ)もただの町医者とは言え神族、市井にいながら湯谷水や氷晶を使い、蠱術まで操れるとなるとただ者とは思えないという。「″五王の乱″を知っているか?5人の王は討たれたが、中容(チュウヨウ)の子は今も行方知れずと聞く 中容の側室は毒の扱いに長けたそうだ、ひょっとするとその医者は逆賊の子やも?」「そう言うことか…私に近づいたのは見返りを期待しているからに違いない」回春堂を出て行くことにした小六、するとが塗山璟(トザンケイ)が氷晶で作った風鈴を届けにやって来た。しかし小六の部屋に小さな荷物があることに気づき、呆然となる。「どこへ?…私は君のそばにいる」「塗山璟は葉十七(ヨウジュウシチ)じゃない、俺とは赤の他人だ、消えろ」「君に嫌われ、会うまいと努力した、でも無理だった、離れられない」塗山璟は小六がどこへ行こうと付いて行くと決めたと伝え、風鈴を置いて帰ってしまう。塗山璟の熱い思いにまたも心が揺らぐ小六。中庭の長椅子に座って気持ちを落ち着かせようとしていると、突然、皓翎へ帰ったはずの瑲玹が現れた。何事かと思えば、皓翎王が小六に会いたいと所望しているという。「私は西炎瑲玹、西炎王の孫で師父は皓翎王だ 師父にお前の話をしたらなぜか会いたいと仰せだ、王の命を拒むことはできない 私を困らせるな、乱暴は好まぬ…二時で荷造りし、家族に別れを告げ、夕刻には出発だ」瑲玹の有無を言わさぬ高圧的な態度に、もはや優しい従兄の面影はなかった。…こうやって皓翎で生きて来たんだな…ここは金天(キンテン)谷。金天星沈(キンテンセイチン)はまだ若い娘ながら腕のいい鍛冶屋だった。そこへ仮面をつけた賓客が現れ、図面を渡す。「族長は恩があるので仕事を受けるよう言ったわ、でもつまらない仕事はご免よ」しかし弓矢の図面を確認した途端、金天星沈は笑顔になった。「ずい分と凝った仕掛けね、いいわ!仕事を受ける!」小六は部屋で荷物をまとめるふりをしながら逃げ出す方法を考えた。そこで自分のすねを思い切り打ち付け、蠱虫を使って相柳に助けを求める。しかし中庭から鈞亦(キンエキ)の報告が聞こえて来た。「清水(セイスイ)鎮を出る道を全て封鎖しました」どうやら辰栄(シンエイ)軍に逃げ込むのは無理らしい。その時、ふと軒下で揺れている風鈴に気づき、塗山璟を頼ろうと思いついた。瑲玹は近隣への別れの挨拶に出かけたいという小六の頼みをあっさり許可してくれた。家族に別れを伝えられないまま外へ出ようとした小六、しかしちょうど独りで店番をしていた桑甜児(ソウテンジ)がひょっこり顔を出す。「回春堂は任せた、老木(ロウボク)には″縁が尽きたら別れる定め、出会えて良かった″と…」すると桑甜児は医術の師に叩頭して別れの挨拶とした。小六は聡明な桑甜児に老木や麻子(マシ)夫婦のことを頼み、どこへ行くとも告げず出て行ってしまう。塗山璟は侍女・静夜(セイヤ)から小六が訪ねて来たと聞いて驚いた。「何があった?」「皓翎王が俺をお召しだそうだ」小六は会いたくないので塗山氏が持っている抜け道から逃がして欲しいと頼んだ。さすがの塗山璟も皓翎王と西炎王を敵に回すことはできないと思ったが、塗山璟は二つ返事で了承し、一緒に逃げると決める。「静夜、私と小六の衣を準備してくれ」一方、小六を監視していた鈞亦は瑲玹に玟小六が兪(ユ)府を訪ねたと報告していた。「殿下、玟小六の狡猾さを知りながら、なぜ二時も猶予を?」「事情はどうであれ命の恩人だ、この二時で恩を返しておく」しかし見張りから玟小六が密かに兪府を出たと知らせが来た。鈞亦から報告を聞いた瑲玹は小六を侮っていたと憤った。そこで鈞亦は直接、兪府を訪ねたが、塗山璟もいなくなったと分かる。何も知らなかった防風意映(ボウフウイエイ)は困惑したが、ふと回廊で出くわした静夜が衣を持っていたことを思い出した。「そう言えば…部屋にあった包みに入っていた衣が薄物ばかりでした 温暖な皓翎に行ったのでは?」相柳は慌てて回春堂に駆けつけたが一足遅かった。小六の部屋はもぬけの殻。一方、小六と塗山璟は無事に清水鎮を脱出し、その夜、皓翎の寂れた山小屋に身を隠した。灯台下暗し、瑲玹もまさか小六が皓翎にいるとは思わないだろう。しかし防風意映の思わぬ密告で追っ手はすぐそこまで迫っていた。小六は塗山璟が″青丘公子″の名声を捨てることも厭わずついて来たことに驚きを隠せなかった。すると塗山璟は初めて自分の境遇を話してくれる。実は塗山璟を死地へ追いやったのは兄である塗山篌(トザンコウ)だった。塗山璟は兄に監禁され、顔の判別もできなくなるほど痛めつけられてから解放されたという。「その時に青丘公子は消えたんだ」…塗山篌は幼い頃から活発で霊力も強く、弟思いの優しい兄だったしかしなぜか母は塗山璟だけを可愛がり、あからさまに兄に冷たかったというそんな理不尽な母の仕打ちにもめげず、塗山篌は何とか母に認めてもらおうと必死に努力した母は病床にふせっても塗山篌を激しく拒み、二度と顔を見せるなとまで言い放った結局、2人のわだかまりが解けぬまま、母はこの世を去ってしまう塗山篌は母を失った悲しみと、二度と認めてもらえない絶望感から酒に溺れ、自暴自棄になったすると見兼ねた祖母がついに真実を明かす実は塗山篌と塗山璟は母親が違ったのだ母に嫌われていた原因を知った塗山篌は酒を断ち、立ち直った塗山璟も安心していたが、そんなある日、兄から相談があると誘われ屋敷を離れるしかしいつの間にか意識を失い、気がつくと地下牢に捕らわれ、霊力を封じられて龍骨(リュウコツ)製の鎖につながれていた…塗山璟も小六と同じような心の傷を抱えていた。「十七、もう大丈夫、今は俺がついている、誰にも手出しさせない」「分かった」2人の絆はさらに強まったが、翌朝、山荘は皓翎軍に包囲されてしまう。塗山璟は力及ばず落胆したが、小六はここまで逃がしてくれた塗山璟の勇気に感謝した。そこで塗山璟は自分が瑲玹たちを足止めし、その間に小六を逃がすと決める。「私の騎乗獣(キジョウジュウ)が北東の方角にいる、行け、この玉佩を掲げれば現れる 最後に君の本当の顔を見せてくれないか?」しかし外から瑲玹の怒号が聞こえてきた。(」゚ロ゚)」<玟小六!出て来い!逃げれば脚を折るぞ!焦った塗山璟は煙幕の術を使って急ぎ小六を山荘から逃し、独りで瑲玹の前に姿を現した。小六は必死に走った。しかし山間に瑲玹の声が響き渡り、思わず足を止める。(」゚ロ゚)」<お前の連れは葉十七だそうだ!こいつを殺すのは簡単なことだぞ?!「さすが爺爺のお気に入りなだけある、容赦ないな」つづく( ๑≧ꇴ≦)あざとくて何が悪いの@17
2024.08.25
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长相思 lost you forever第12話相柳(ソウリュウ)は玟小六(ビンショウリク)の壮絶な過去を思い出し、思わず手を伸ばして小六の頭をなでた。小六は妖族らしからぬ行動に困惑したが、慰めてくれたと気づいて笑顔を見せる。「でもあんたとは打ち解け合っているだろう?」しかし相柳はまたいつものそっけない態度に戻った。「また私を怒らせるまではな…」「はあ~はなかいな~」すると小六はそろそろ眠くなったと言って独りで帰ってしまう。翌朝になっても軒(ケン)こと西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の傷口の出血は止まらなかった。暗衛・鈞亦(キンエキ)は弓矢に何の変哲もないことから、恐らく弓術の名手に違いないという。清水(セイスイ)鎮でこれほどの腕前を持つのは唯一人、防風意映(ボウフウイエイ)だけだ。しかし塗山(トザン)家の後ろ盾がある防風家を何の証拠もなく追求することは難しい。一方、阿念(アネン)は小六が毒に詳しいと思い出し、藁にもすがる思いで回春堂を訪ねた。いきなり叩き起こされた小六は憮然としていたが、事情を聞いて呆然となる。…哥哥の襲撃に相柳が一枚かんでたのか…小六は阿念以上に焦って酒店へ駆けつけた。瑲玹の出血が止まらない原因は分からなかったが、矢が刺さった瞬間に悪寒が全身を駆け巡ったと知り、氷晶だと気づく。氷晶は北極の氷山の結晶で宝石に並ぶ透明度と鉱山石以上の硬さを誇り、極寒の気を放出した。さらに瑲玹の血を舐めて確認してみると、何か薬が仕込まれていると分かる。恐らく矢尻に薬を仕込んだ氷晶を塗り、溶けた水晶から特殊な薬が傷口に広がってふさがらないよう細工したのだろう。小六は太陽神の力を受ける湯(トウ)谷の水ならどんな物もきれいに洗い流せると助言した。しかし瑲玹は湯谷に到着するまで身体がもたないと落胆する。「俺に妙案がある、氷晶を傷口に当てれば血が固まり流れ出なくなる」実は小六は兪(ユ)府で静養していた時、軒先に氷晶の風鈴があったことを覚えていた。小六は兪府に塗山璟(トザンケイ)を訪ねたが、応対に出たのは防風意映だった。…風に飛ばされそうなほど弱々しく見える防風小姐があの毒矢を放てるだろうか?軒哥を襲ったこと、十七(ジュウシチ)は知っているのか?…何とも複雑な思いで防風意映と対面した小六、すると塗山璟の居所にあった氷晶の風鈴はすでに撤去されていた。塗山璟は不機嫌そうに防風意映を下げると、小六の前では優しい十七の顔に戻った。そこで小六は氷晶の風鈴が欲しいと無理を言ったつもりだったが、塗山璟は二つ返事で引き受けてくれる。瑲玹からはいくら親しくても宝を得られるとは限らないと忠告されたが、杞憂に終わった。すると小六は念のため何があっても軒老板に危害を加えないよう釘を刺しておく。「分かった、君に従うと約束した、君の言うことは何でも聞く」小六はどんなに突き放されても自分に尽くしてくれる塗山璟に心が揺れた。…十七は防風小姐の悪行を全く知らないようだな…小六は早速、瑲玹の傷口に氷晶を置いた。すると無事に血が固まり、急いで荷造りして湯谷へ向かうことにする。瑲玹は蠱毒の件もあるため小六も一緒に行こうと誘った。「その才知があれば立身出世できるはずだ」「俺は~清水鎮で町医者を続けるよ、蠱毒はあんたが全快したら処方を書く 有能な配下が毒を解いてくれるさ…お互いいつまでも元気でいよう」こうして瑲玹たちは急ぎ清水鎮を出発した。「哥哥…哥哥の願いが全て叶うよう祈っているよ」小六が独り河畔で寂しさを持て余していると相柳が現れた。相柳はまた軒を助けたのかと聞いたが、小六は酒でもどうかと話題を変えてごまかす。「何を考えていた?」「軒の蠱虫はどうしたら取り除けるかと…」「言ったはずだ、別のものに移し替えるしかない、適当には選べないぞ?」どうやら小六は本当に蠱虫ついて何も知らないらしい。「どこで手に入れた?」「ずいぶん前、死にそうな白黎(ハクレイ)族の老女に出会った 異臭を放っていたから湯殿に連れて行き、綺麗な姿で夫のもとへ送り届けた そのお礼にあの胡桃をもらった」「育て方はどこで?」「…老女が教えてくれた」相柳はすぐ嘘だと分かった。育て方を教えたのなら異名も伝えたはず、しかし小六は言葉を濁してしまう。「ともかく軒の身体から取り除きたいなら別の者に移すしかない」相柳は離戎(リジュウ)氏の話を思い出していた。…大抵は女子が育て、意中の相手に埋める、一心同体になることを願ってな一度、埋めれば生死を共にできるゆえ、巷では″情蠱″と呼ばれているつまり好意がない相手には埋めることができないだが奥深い術だ、そうでなくても成功することもあるやもしかし無理に埋めてもいいことはないぞ、一心同体どころか蠱虫に蝕まれ命を落とすこともあるどちらにせよ埋めるも除くも放った者の想いしだいだ埋めてから時が経ち、想いが揺らげば他の者に移せるやもしれぬだが放った者に好意があることが条件だ…小六はふと九頭蛇の相柳なら身代わりになれると気づいた。「妖族だし蠱虫がいても問題ないだろう?頭が9つもあるんだ、俺の痛みなんて大したことない! な?いいだろう、頼むよ?」「…私に移し替えてもいいが、私に力を貸すと約束しろ もし約束を違えたらお前の喜びを痛みに変え、楽しみを苦しみに変える」「ひどい奴だな…分かった、誓うよ」(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコク…本当、酷いw小六の霊力では瑲玹と遠く離れていては蠱虫を呼び戻せなかった。そこで早速、相柳と一緒に皓翎(コウレイ)国の五神(ゴシン)山へ出発する。一方、医館には塗山璟が差し入れを持って小六を訪ねていた。しかし小六なら急用が出来て出て行ったという。王宮がある五神山は守りが堅く、毛球(ケダマ)で空から近づくのは難しかった。そこで途中で巨大な貝殻の中に移り、密かに五神山海域まで接近することに成功する。「五神山に着いた…」感慨深げに王宮を見上げる小六、すると相柳が蠱虫を誘い出すよう急かした。…情蠱とは命のみならず心も必要だ、お前は9つの命を持つが心は1つしかない一度、差し出したら二度と取り戻せないぞ?…相柳にとって蠱虫を受け入れることは賭けでもあった。↓これ何貝?その頃、華音(カイン)殿では瑲玹が内息を巡らせながら静養していた。するとふいに鳳凰林で小夭(ショウヨウ)と約束を交わした情景が浮かんでくる。『お前が大人になって嫁いだら離れ離れだな』『じゃあ妹妹になってずっとそばにいる!』『そうだな、お前は妹妹で私は哥哥だ!ずっと一緒にいよう!』『約束よ!私たちは永遠に離れない』その時、瑲玹が急に喀血、老桑(ロウソウ)は蠱虫の仕業だと疑った。「玟小六め、解毒の処方も持ってこない!」「…解けたんだ」老桑は喜んだが、瑲玹はなぜか無性に寂しく感じた。瑲玹が吐き出した蠱毒は離散、小六に呼び戻され、相柳の身体に移った。するといつの間にか蠱虫を飼っていた胡桃が消えてしまう。小六はどこか落ち着きがなく、自分の蠱虫に違和感を感じると訴えた。「嫌な予感がする…蠱虫が何かを訴えているみたいに…あんたは?不快じゃないか?」「それより早く逃げた方がいい」相柳は小六と大きな泡に入り、海中散歩を楽しんだ。初めてみる深海の美しさに大興奮の小六、その様子を見ながら相柳は自然と笑顔になる。つづく( ゚ェ゚)つまり小六は相柳に少なからず情があるってこと?いや〜思わせ振りw
2024.08.21
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长相思 lost you forever第11話春を迎えた清水(セイスイ)鎮。玟⼩六(ビンショウリク)は身元を明かせぬまま軒(ケン)こと西炎瑲玹(セイエンソウゲン)と交流を深め、その日は酒を飲みながら門外不出の毒の避け方を伝授していた。すると瑲玹は小六がなぜ相柳(ソウリュウ)と親しいのか解せないという。(管理人もw)「相柳は…怖いとは思うが嫌いじゃない、敵ではないが友だちでもない 軒哥こそ、阿念(アネン)は妹以上の存在じゃないのか?」小六はそれとなく探りを入れたが、瑲玹がふいに白狐の尾を取り出し、大事そうに見つめた。「これは妹妹小夭(ショウヨウ)の宝物だ、別れ際に私にくれた、″しばらく持っていて″と言ってな その″しばらく″がもう300年になる、小夭妹妹は姑姑と師父の女児で、幼い頃に失踪した 誰もが彼女は死んだと言う、でも一縷の望みにかけている いつか彼女がこの狐狸の尾を取りに来ると…」実は阿念を溺愛しているのは小夭の分まで大切にしようと決めたからだった。まさか目の前に小夭がいるとは知る由もなく、瑲玹は声を詰まらせ涙する。小六もあふれる涙を止められず、酒を飲みながら杯で顔を覆い、こっそりぬぐった。そんなある日、小六は銭を忘れたことに気づかず、うっかり兎妖の店で点心を買った。しかし塗山璟(トザンケイ)が現れ、代わりに支払ってくれる。どんなに邪険にされても小六から離れようとしない塗山璟、すると前の酒店から瑲玹が声をかけた。「寄っていかないか?」瑲玹はこの機に碁に精通している青丘公子から教えを請いたいと頼んだ。しかし塗山璟は碁を打つかどうかさえ小六に従うとという。「なら俺も混ぜてくれ」こうして小六が石を置き、塗山璟は横に座って指南することになった。瑲玹は小六を通して塗山璟と対局した。青丘公子はさすがの腕前、しかし途中で急に小六が自分の好きな場所に石を置いてしまう。瑲玹はせっかくの対局が台なしだとぼやいたが、塗山璟は小六が好きな所で構わないと笑った。確かに小六が突拍子もない場所に石を置いても、次は塗山璟が見事に軌道修正している。しかし結局、小六に振り回された塗山璟が自分の負けを認めた。小六の提案で3人は石妖(セキヨウ)の新しい講談を聞きに行くことになった。すると茶屋へ向かう道すがら、御簾に弓矢の刺繍がある馬車を見かける。瑲玹は防風(ボウフウ)氏の紋章だと教え、弓術の名家で、先祖は星を射落としたと伝えられているという。「だが厳しい掟があり、紋章を使える者はわずかのはず… あの大きさの紋章なら弓術はかなりの腕前だろうな」その時、通り過ぎる車の後ろの御簾に九尾狐の紋章があることに気づいた。どうやら車に乗っているのは防風小姐らしい。小六はついに塗山璟の許嫁が現れたと知り、その場で別れることにした。「俺たちは邪魔しないよ、じゃここで」実は石妖の新しい講談は防風意映(イエイ)の純愛物語だった。…10年前、塗山家では青丘公子と防風小姐の祝言の準備が進められていたしかし祝言の前夜に青丘公子が突然、重い病に倒れ、祝言は中止となり、2人は結ばれずじまい娘を寡婦にさせまいと防風氏は退婚を申し出たが、小姐は花嫁衣装を身にまとって太夫人に直談判したという『私は塗山府で生き、塗山氏の墓に入ります』太夫人はいたく感動し、防風小姐を青丘に迎え入れ、屋敷の差配を手伝わせることにした正式な嫁として迎えられたわけではなかったが、太夫人は防風小姐を実の孫のように可愛がっているという今は青丘公子も回復して清水鎮に滞在しており、防風小姐も許嫁を追いかけてきたところ2人の祝言も近いだろう…塗山璟は兪(ユ)府で初めて許嫁の防風意映と対面した。10年の時を経てようやく巡り会えた許嫁同士、しかし感動で涙する防風意映とは裏腹に塗山璟は目も合わせようとしない。「当時、重傷を負ったと聞きました、どんな怪我を?何か手がかりがつかめるかも」「覚えていない…もう過去のことだ」すると塗山璟は侍女・静夜(セイヤ)に防風小姐を部屋で休ませるよう促し、早々に追い出してしまう。防風意映は客室に運び込んだ大事な弓矢を確認した。実は塗山璟の兄・塗山篌(トザンコウ)が意映のため作らせた天下一品の弓矢で、刀でも斬ることができないという。その時、白い伝令鳥がやって来た。…あの件は引き受けよう、お前に協力して動く…実は意映が清水鎮へ来た本当の目的は美談とは別にあった。一方、小六の蠱虫(コチュウ)が気がかりだった相柳は退隠した離戎(リジュウ)氏を訪ねていた。「妙な蠱術に遭遇した、蠱術師が蠱虫を操れず、呼び戻す方法がない」「もしやその蠱術師は女子か?女子なら相手は想い人なのだろう、雄雌の蠱虫だ」つがいの蠱虫は育てるのが極めて珍しく、また虫自体が強い力を持ち、放った者にも操ることはできないという。講談から戻った小六は河畔で独り落ち込んでいた。どんなに嘆いても無駄だと知りながら、やはり塗山璟と防風小姐が結ばれると思うとやりきれない。そこへ突然、相柳が現れ、そのまま連れ去られてしまう。その頃、店を閉めた瑲玹は老桑(ロウソウ)と中庭で片付けをしていた。すると黒装束の刺客たちが現れる。鈞亦(キンエキ)ら暗衛が駆けつけ瑲玹を守ったが、密かに上空から白馬の射手が西炎(セイエン)王孫に狙いを定めていた。相柳は小六を毛球(ケダマ)に乗せてしばらく上空を飛んでいた。やがて頃合いを見計らったように小六を突き落とし、一緒に湖へ落下する。その時、湖面に落ちた衝撃が瑲玹に伝わり、急に息苦しくなって動けなくなった。咄嗟に鈞亦が駆け寄ったが間に合わず、瑲玹は右胸に矢を受けてしまう。相柳はしばらく小六を水中に留めた。しかし息が続かなくなった小六はついに気を失い、湖底に沈んでしまう。すると相柳は小六を追いかけ、口移しで息を吹き込み助けた。相柳は小六を担いで河畔へ上がった。その時、ちょうど伝令鳥が戻り、防風意映が無事に目的を果たしたと知る。…おかげで成功したわ…やがて小六は水を吐き出し、目を覚ました。「どうせ殺すなら一思いにやれよ」「そう簡単には殺さぬ」一方、瑲玹は矢が命中したものの、急所を外れて無事だった。しかし薬を塗っても一向に血が止まらず、医者も頭を抱えてしまう。相柳は小六の想い人が瑲玹なのか気になった。そこでなぜ瑲玹から蠱虫を除かないのか切り出したが、小六は呼び戻そうとしたが失敗したという。「(はっ!)妖族のあんたなら操れるか?!」「ゥッ…取り除きたいなら別の者に移せばいいが…その者に害が及ぶぅ…」「俺が害したいのはあんただけだ(^ꇴ^)」「私に害を与えたいだと?」面白くない相柳は軒が清水鎮を去るときに殺せば手間が省けるとわざと挑発、小六を怒らせてしまう。「西炎王の孫というだけで無関係な瑲玹を殺すのか?!」「軍師だからな、見逃せない、辰栄軍には恩がある」「はあ?洪江(コウコウ)ってどんな奴なんだ?妖族に″良心″を持たせるなんて!」「…哀れな愚か者だ、愚かな兵士を率いて哀れな行いをしていた」「愚かなのはあんただ!辰栄の兵士たちじゃない! 自分たちの行いが先祖の供養となり、子孫に誇れることだと信じてる! 死ぬ時でも正義感に満ちあふれているさ!チッ!あんたと違ってお遊びじゃないんだ!」相柳は小六に厳しく責められ、自ら頭が9つもあれば矛盾も生じると言い訳した。「頭の話題には触れるなと自分で言ったくせに…自虐ネタかよ」「…私が嫌うのは9つ頭の話ではなく、腹の中で見下す奴らだ お前は許そう、私をからかいはするが決して見下さない、九頭の怪物とは見ていない」小六は初めて相柳の胸の内を知り、思わず励ました。「怪物というなら昔の俺のことだ」「だから人を避けて山にこもったのか…」すると相柳は柄にもなく小六の頭をそっと撫でた。つづく(  ̄꒳ ̄)ほのぼのlake〜♪
2024.08.20
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长相思 lost you forever第10話塗山璟(トザンケイ)は今日も帰墟(キキョ)水晶と玉(ギョク)山の万年玉髄(ギョクズイ)の差し入れにやって来た。しかし小屋はもぬけの殻、驚いた塗山璟は慌てて玟小六(ビンショウリク)を探しに向かう。その頃、西炎瑲玹(セイエンソウゲン)をかばって深手を負った小六は相柳(ソウリュウ)が洞窟でかくまっていた。「なぜ軒(ケン)を助けた?」「軒の素性に気づいたからさ、なぜあんたが俺を介抱しているのか不思議だった でも分かったんだ、軒を誘き出すためだって 塗山璟もあんたが俺を隠せば見つけられないと思ったんだろうな でも軒は西炎(セイエン)王の嫡孫だ、奴を殺せば必ず西炎王が敵討ちに来る そうすれば俺は安心して暮らせなくなる」「なぜ軒の素性が分かった?」「奴の侍従が叫んだんだ、確か″殿下を救え″とか何とか…」「なのに邪魔をしたと?!」激情に駆られた相柳は思わず小六の首を締め上げ、血を吸い始めた。その夜、瑲玹は急に首元の痛みを感じて目を覚ました。「正気とは思えぬ若造だ、あれほどの重傷でこんなことを…」←とんだ誤解w一方、相柳は小六が怪我人だと思い出し、慌てて血を吸うのをやめた。すると弱った小六の姿にふと心が揺れ動き、思わず衣に手を伸ばしてしまう。「相柳大人、俺は男だぞ」「ならなぜ朏朏(フェイフェイ)が誘い出された?」小六は相柳も声や顔を変えられると言ったが、どちらにせよ身体は男だった。「分かったよ、触ればいいだろう?好きにしてくれ」「…偽りの身体に興味はない」←どっちだよ?w小六は再び眠った。すると相柳は誰かが近づいていることに気づき、動かせない小六に自分の霊力を与えてから姿を消した。そこへ塗山璟が現れる。塗山璟は小六をわき水から抱き上げると、自分の居所に運び込んで献身的に介抱した。小六が目を覚ますといつの間にか豪華な寝殿にいた。「こんなに早く治るとは…かなり霊薬を使ったはずだ」塗山璟はついに目覚めた小六の姿を見て感激し、思わず抱きしめてしまう。そこへ侍女の静夜(セイヤ)が現れた。「あの…私がお支えします」侍女の声で我に返った小六は急によそよそしくなり、世話になったと感謝して帰ってしまう。「お邪魔したせいでご気分を害されたのでしょうか?」「…葉十七(ヨウジュウシチ)の恩に感激しただけ、塗山家の少主にではない」小六は相柳と塗山璟のおかげで回復、回春堂で仕事に戻った。串子(カンシ)は相変わらず使い物にならなかったが、思いがけず桑甜児(ソウテンジ)が十七の穴を埋めてくれる。小六は桑甜児の才能を見抜き、興味があるなら自分の医術を授けると持ちかけた。感激した桑甜児は手に職があれば堂々と生きていけると訴え、その場で弟子入りの叩頭を済ませる。「串子と2人で老木(ロウボク)に孝行しろよ、老木が長生きしたら子供にも孝行させてくれ」「…六哥、ここを離れるつもりですか?」小六は何も答えなかったが、桑甜児は老木と串子のことなら心配ないと言った。「まるで死に際の遺言みたいだな?」その声は瑲玹だった。小六は瑲玹を前にしてどうしたら良いか分からず、落ち着きがなかった。「で、軒老板、何の用で?」「恩人に礼を…」「あんたが死んだら体内の蠱虫も死ぬ、苦労して育てから死なせたくなくてね 阿念を傷つける気はなかった、ちょっとからかっただけさ 相柳を手伝ったがあんたを救ったし、これで貸し借りなしだ」瑲玹は今ここで蠱毒を解いて欲しいと頼んだが、小六は身を守るため軒が清水鎮を離れた時に解くと約束する。「身体には害がない、俺の痛みを感じるだけだ」「そうか…暇があれば酒を飲みに来い、重傷の身で色事は控えろよ」「そうだな~って、はい?( ゚д゚)」すると瑲玹は首元を指差して笑った。酒屋に戻った瑲玹は医者の脈診を受けた。確かに身体には何の影響もないと分かったが、小六が蠱毒をすぐに解かないのは何か思惑があると疑う。「蠱術に詳しい者の話では、放った者にしか解けないそうです かつて同様の蠱虫を放たれた者は蠱術師が死ぬと死んでしまったとか」しかし小六が蠱毒を解かなかったのは他に理由があった。季節は巡り回春堂の中庭は一面、雪景色になった。桑甜児は小六の期待通り医術にまい進し、今や独り立ちできるまでに成長している。再び平穏を取り戻した小六、その様子を相柳がこっそり眺めていた。…傷も治ったようだな…相柳は仲間たちと食卓を囲む小六の姿を見つめながら、かつての小六の言葉を思い出していた。…寂しいのは嫌だ、いっときの道連れでも構わないさ…一方、酒屋でもすっかり元気になった阿念の姿があった。酒に弱い阿念は1杯飲んだだけですっかり酔っ払い、侍女の海棠(カイドウ)が寝所へ連れて行く。その様子を見ていた老桑(ロウソウ)は失笑し、やはり酒に強い瑲玹の相手は第一王姫でしか無理だと言った。「きっと今頃は酒豪ですね」日が暮れると雪はいっそう激しくなった。小六はそろそろ瑲玹が清水鎮を去る頃だと察し、今が一緒に酒を飲める最後の機会だと気づく。矢も盾もたまらず酒屋へ出かけた小六、しかしやはり門の前で思い直し、引き返すことにした。その時、急に門が開いて瑲玹が現れる。「どうした?なぜ入らない?」「灯りが消えていたからいないのかと思って…」「どうぞ」小六は窓から中庭の玉萼梅(ギョクガクバイ)を眺めた。「見事に咲いているな」「妹妹が好きなんだ」「軒哥は本当に妹妹思いだな」しかし瑲玹は何も言えなかった。思い出の桑葚(ソウシン)酒を飲むと自然と目がうるんでしまう小六。瑲玹は酒を何年も寝かせていたが、阿念が飲みたいと言うので開けたと明かした。「なぜ清水鎮に来たんだ?」「言っても信じないだろう…実は妹妹のためだ」瑲玹は小夭のために来たと言ったが、小六は阿念のためだと誤解した。「どうして俺を助けた?」「それを言うにはまだ飲み足りないや」小六は立て続けに何杯も酒をあおると、結局、酔い潰れて眠ってしまう。「六哥?六哥?起きろ?」瑲玹は思わず小六に一撃を与えようと構えたが、自分も巻き込まれると思い出して諦めた。「命知らずな奴だな」小六は回春堂へ戻った。すると塗山璟が差し入れを持ってやって来る。「蠱毒を解く方法はあるのか?」「それが色々、試したが駄目だった」「何か手伝えることがあれば…はっ!誰だ?!」外へ出た塗山璟は相柳がいたと気づいたが、小六には気のせいだとごまかした。しかし小六からもう訪ねて来るなと追い返されてしまう。つづく( ꒪ω꒪)・・・
2024.08.18
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长相思 lost you forever第9話玟⼩六(ビンショウリク)は阿念(アネン)を拘束して郊外へ連れ出した。すると相柳(ソウリュウ)が合流、九頭蛇を見た阿念は気絶してしまう。小六は傷だらけの相柳を心配し、軒(ケン)から薬材が届いたら自分が阿念を送り届けると申し出た。「その間どこかで療養しなよ」「…奴の正体を知っているのか?見当はついたが裏付けが必要だ だが私の推測が正しければお前は地獄を見ることになる 奴は妹妹をさらったお前を殺すだろう、私が奴を殺すまでそばにいればいい」「遠慮するよ、誰かの陰に隠れるなんて性に合わない」「好きにしろ、だが絶対に死ぬな」そこへ毛球(ケダマ)が飛んできた。辰栄(シンエイ)軍に薬材が無事に届いたと分かった。小六は相柳と別れ、阿念を連れて清水鎮へ帰ることにする。しかし町へ到着する前に阿念を探し回っていた軒が現れ、小六は激しく吹き飛ばされた。泣きじゃくる阿念を大事そうに抱きしめる軒。感動的な兄と妹の再会に小六は思わず笑顔になったが、そのまま連行されてしまう。阿念は小六から毒を飲まされ、さらに毒を塗ったかんざしで突き刺されたと話した。しかし小六が解毒法を白状せず、激怒した軒は拷問の達人を呼びつけ、死なない程度に痛めつけるよう命じる。地下牢に監禁された小六は両手に死人の脂を塗られ、蛆虫にかじられる拷問を受けることになった。あまりの激痛で自ら手を噛みちぎることのないよう口には布を詰め込まれ、最近ではこの拷問で正気を失った者がいると脅される。「面倒をかけるなよ」拷問師2人は暗い方が苦しみが増すため、灯りを消して出て行くことにした。その時、小六の身体から蠱虫(コチュウ)が飛び出し、拷問師たちと一緒に部屋を出て行く。すると蠱虫はちょうど阿念を寝かしつけていた軒を見つけ、背中から体内へ入った。塗山璟(トザンケイ)は小六を救うべく西河の畔に相柳を呼び出した。しかし相柳は自分の誘いを断った小六の自業自得だと冷たい。「これは頼みではない、取り引きだ、助けてくれるならどんな条件ものむ」「…お前は奴の何なのだ?青丘公子」すると相柳は暗殺なら請け負うが人助けはしないと言って帰ってしまう。翌朝、拷問師が地下牢に戻ると小六は気を失っていた。しかし何やらうわ言のように呟いている。「…ん?魚の焼き方か?変だな、蛆虫に問題でもあったのか?」拷問師は箱の中身を確認したが、小六の手は確かに蛆虫に食われている。信じられない忍耐力の持ち主に驚く拷問師、実は小六をここまで強くしたのは朝雲(チョウウン)殿で過ごした小夭(ショウヨウ)としての幸せな記憶があったからだった。その時、何者かが地下牢に侵入、拷問師たちは蹴り飛ばされてしまう。小六が目を覚ますと塗山璟がいた。両手は包帯でぐるぐる巻き、すると塗山璟が手を動かせない小六を抱き起こしてくれる。「ここは辰栄軍の陣地か?」「そうだ」実は相柳が軒を引き離した隙に塗山璟が地下牢へ潜り込み、小六を救出していた。小六は助けずとも自分で逃げられたと言ったが、塗山璟は阿念に毒消しを渡して恨みを解こうという。「…毒ってのは嘘だ、一芝居うったのさ 軒は阿念を溺愛している、何の毒を盛ったのか分からなければ俺を殺すことはない だがこれは一時しのぎでしかない、だから阿念ではなく軒に毒を盛った 正確には毒ではなく蠱虫だ、体内で飼っていた2匹のうち1匹を軒の身体に埋め込んだ これで俺が怪我をすれば奴も同じ痛みを味わうってわけだ 本当は相柳を懲らしめるために育てていたんだ あいつにはどんな毒も通用しないから知恵を絞ったのに… まさか軒の身体に埋めることになるとはな」塗山璟は軒のことなら自分に任せて欲しいと言った。しかし小六は相柳からも自分のそばにいるよう忠告されていたと明かす。「俺は長い間、何でも1人でやってきた、これからも自分で何とかする 俺の命を救ったことで貸し借りはなくなった、もう俺に構わないでくれ」すると塗山璟は仕方なく痛み止めの薬を置いて引き上げた。その夜、小六は気分転換に外へ出た。すると木の上で休んでいる相柳に気づく。実は相柳は塗山璟と小六の話を全て聞いていた。「私を討つために蠱虫を?…で、軒の体内の蠱虫はいつ動き出す?」「数日後だ、どのみち奴は苦しみから逃れられない」蠱虫は育てた小六にしか操ることができないという。小六はわざと痛み止めを飲まず、真っ赤に腫れ上がった手を放置して激痛にもだえ苦しんだ。「イタイイタイイタイイタイイタイイタイ~!」相柳は山頂に響き渡らんばかりの小六の悲鳴に耐えかね、耳をふさいでいる。すると小六は振り返った拍子にうっかり柱に手をぶつけた。「あ″ーーーーーーーーーっ!」「大丈夫k…」相柳は思わず手を差し伸べようとしたが、小六はすでに塗山璟が差し入れた帰墟(キキョ)水晶と玉(ギョク)山の万年玉髄(ギョクズイ)に手を突っ込んでいた。「ふう〜」「本当に痛み止めはいらないと?」「いらない、軒に痛みを与えなきゃ拷問を受けた意味がない」頑固な小六は外へ出ると、また激痛に襲われながら悲鳴を上げ始めた。「敵を討つのに己を痛めつけるとは…愚か者め(ボソッ」同じ頃、阿念と食事をしていた軒は突然、手が激しく痛み、箸を落とした。阿念はすぐ医者を呼んだが原因が分からず、ひとまず痛み止めを飲むと徐々に症状が治る。軒は安堵したが、そこへ暗衛の鈞亦(キンエキ)が駆けつけた。「玟小六の居場所が分かりました」小六は急に鼓動が早くなり、軒が近づいていると気づいて慌てて外へ飛び出した。するとすでに相柳と配下たちが軒たちが来るのを待ち構えている。相柳は今日こそ決着をつけると覚悟し、小六に身を隠すよう勧めた。「相柳、生きて帰れよ」しかし小六は居ても立っても居られず、様子を見に行ってしまう。相柳と軒、双方入り乱れて激しい戦いが始まった。そこで軒は手負いの相柳を誘き出し、一対一での対決に持ち込む。小六は物陰から2人の戦いを見ていたが、その時、相柳が劣勢に立たされた。仕方なく小六は自分の腕を岩に打ちつけ加勢、そのせいで軒も急に腕が痛み、攻撃の手が止まる。相柳は近くに小六がいると気づき、蠱虫を利用することにした。「右腕!…左足!」「ひと事だと思って…」小六は相柳の指示通り自分の身体を痛めつけていたが、思い切り足で岩を蹴飛ばした時だった。突然の激痛にひざをついた軒は後方へ吹き飛び、その勢いで肌身離さず持っていた玉の入れ物が転がり落ちてしまう。すると入れ物のふたが開き、中から白狐の尾が飛び出した。小六は軒が落とした白狐の尾を拾い、確かに自分が西炎瑲玹(セイエンソウゲン)に贈ったものだと分かった。「瑲玹哥哥…」しかし小六が感傷に浸っている間に優勢に転じた相柳がついに瑲玹を追い詰めた。…西炎王の孫よ、お遊びはここまでだ…深手を負った瑲玹は相柳の呪縄で締め上げられ、身動きが取れなくなってしまう。「すまない」小夭との約束を果たせないまま目を閉じた瑲玹、その時、突然、小六が現れ、身を挺して瑲玹をかばった。瑲玹は激しい背中の痛みに襲われたが、無事だった。ふと目を開けると小六が相柳の一撃を受けて喀血している。「早く逃げろ!」小六は白狐の尾を瑲玹に返して背中を押し、相柳が後追いしないよう足にしがみついた。相柳はあと一歩のところで瑲玹を逃し、激高して小六の首を締め上げた。「哥哥…」小六は息を詰まらせながら瑲玹との幸せな時間を思い出し、その記憶を垣間見た相柳は慌てて手を放す。「邪魔しやがって…どう片をつけようか」一方、瑲玹は急に首を圧迫されたように苦しくなったが、医者が到着する頃には症状が消えた。「自分の痛みを他人に感じさせる毒は存在するか?」「毒薬ではできませんが、蠱虫なら可能かと…」医者は確かに無傷にも関わらず強い痛みを感じるのは蠱虫の症状だと納得した。しかし辰栄王の孫弟子と言えども蠱術には不案内、そこで詳しい知人から取り除く方法を聞いてくるという。相柳は深手を負った小六を洞窟にかくまい、わき水に入れて休ませた。その間に正体を隠して暗殺を請け負い、報酬として帰墟水晶と玉山の万年玉髄を手に入れる。洞窟に戻った相柳は無理がたたって立ちくらみを起こしたが、それでも小六のために尽力した。つづく( ๑≧ꇴ≦)肝心な場面だけどフタがパカッ!尻尾がぼよよよよ~ん!で笑ったw
2024.08.17
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长相思 lost you forever第8話川辺で玟⼩六(ビンショウリク)が現れるのをひたすら待ち続ける塗山璟(トザンケイ)。水汲みから戻った桑甜児(ソウテンジ)は葉十七(ヨウジュウシチ)が川にいると教えたが、小六は強がって会いに行こうとしなかった。その夜、独り寂しく星を眺めていた小六、そこに突然、相柳(ソウリュウ)が現れる。相柳は十七があの″青丘公子″だと聞きつけ、瘴毒(ショウドク)に侵された兵士たちのために薬材を用意させろと迫った。「なぜ俺が?!食われてもお断りだ、直接、塗山家に買いに行けよ」「…銭がない」「(* ̄m ̄)プッ!そもそも妖族のあんたがそこまでする必要があるのか?」「お前も他人の面倒を見ている、無駄なことが悪いか?」小六は確かにその通りだと失笑し、仕方なく手を貸す事にした。「分かったよ、兪(ユ)府へ行こう」「こっちだ、川辺にいる」塗山璟は小六の咳払いを聞いて嬉しそうに振り返った。しかし小六の後ろに憎き相柳の姿がある。「頼みがある」「はい、喜んで」「薬材が必要なんだ、これに詳しく書いてある」小六は相柳から預かった処方箋を渡し、揃ったら連絡が欲しいと頼んだ。「相柳が取りに行く、分かっていると思うが銭は払わない」「君から銭は取らないよ」「そうか、ありがとな」「…私に礼は不要だ」塗山璟は快く引き受け、帰って行った。すると相柳は薬材が届くまでの人質として小六を軍営に連れて行ってしまう。軍師である相柳の天幕は驚くほど質素だった。すると小六は相柳が眠った隙を狙い、例の胡桃を取り出す。…俺の血で育てたんだ、お前たち、頑張るんだぞ…小六は胡桃で育てた2匹の蠱虫(コチュウ)を解放し、1匹を自分の身体に入れ、もう1匹を相柳に寄生させることにした。しかし蠱虫が相柳を拒み、計画は失敗してしまう。小六は軍営で相柳の意外な一面を知ることになった。あの気位の高い相柳が山奥に隠れ住み、早朝から自ら練兵しているなど誰が想像できようか。また小六がうっかり茶葉と間違えて虫をいぶす薬玉を飲んだと分かると、相柳は初めて自然な笑顔を見せた。そんなある日、また2人の兵士が瘴毒で犠牲になってしまう。相柳は献杯して弔い、軍営に兵士たちの鎮魂歌が響き渡った。小六は辰栄軍が尊敬に値すると気づき、相柳に安易に帰順を勧めたことを謝罪した。今は薬材が1日も早く届くのを祈るばかりだが、肝心の薬材は軒(ケン)が全て買い占めている。そこで塗山璟は兪信(ユシン)に命じ、付近の名家が持っている薬材を貴重な帰墟(キキョ)水晶と交換して調達した。軒は暗衛・鈞亦(キンエキ)から塗山璟が薬材を集めたと聞いた。恐らく相柳と何らかの取り引きをしたのだろう。そこで塗山璟を見張って薬材の置き場所を探り、相柳が現れたところで捕まえることにした。辰栄軍ではいよいよ薬材が底をつき、医者は出がらしを再度、煎じて時間を稼ぐことにした。その話を偶然、耳にした小六はこっそり自分の血を薬湯に混ぜることにしたが、相柳に見つかってしまう。「死ぬ気か?!」確かに小六の血を全て絞り尽くしたとしても足りるはずがない。その時、毛球(ケダマ)の甲高い声が聞こえた。塗山璟が川辺で待っていると、小六と相柳が現れた。薬材は東柳(トウリュウ)街の丁字路を東に進み、4軒目の地下に隠したという。すると相柳は黙って引き上げて行った。「奴のために?」「友だちだからな、手伝うのは当然だ…いつここを離れる?」「離れない」「ふっ、許嫁が来るのか…とにかく助かったよ、それじゃ」小六はそっけない態度で帰ってしまう。しかしその夜、回春堂へ戻った小六の前に再び相柳が現れた。明け方、小六は何やら違和感に気づいてふと目を覚ました。すると傷だらけになった相柳が寝台に腰掛けている。「また怪我したのか…」小六は仕方なく自ら首を差し出し、血を飲ませた。聞けば薬材を取りに行ったところ刺客の待ち伏せに遭ったという。相柳に心当たりはなかったが、以前に自分を狙った刺客と同じだった。「軍営内に間者がいる、1人は始末したが1人は取り逃した」その時、小六は酒蔵で聞いた軒と暗衛の話を思い出した。「嘘だろう?まさかあいつが…」相柳は酒店の軒の仕業と聞くや否や出かけようとしたが、小六は多勢に無勢だと引き留めた。「俺に考えがある!無傷で取り返せるぞ!」相柳は自分の護衛4人を小六に貸して毛球の背に飛び乗った。「相柳!死ぬなよ!」小六は思わず叫んだが、相柳は何も言わず飛んで行ってしまう。酒店に戻った鈞亦はまたしても相柳に逃げられたと軒に報告した。すると鷲の鳴き声が聞こえ、相柳が来たことを知る。「その度胸に免じて会ってやろう」相柳は軒たちを誘き出すことに成功した。そこで小六が酒店を訪ね、老桑(ロウソウ)に軒老板が白髪の男と戦っていると伝える。「老板が劣勢で怪我をしていた!あっちだ!急いで助けろ!」小六はまんまと老桑を追い出し、今度は門を叩きながら大声で軒の名を呼んだ。すると阿念(アネン)が現れ、小六に気づいて激怒する。「なんの騒ぎ?さっさと帰って!」「帰らないね!老板に頼まれてなかったらお前なんかとっくに張り倒してる! お前、マジあたおかだよな!」「何ですって?!」「くやしかったらここまでおいで~」短気な阿念は小六に煽られ、思わず屋敷を飛び出した。侍女・海棠(カイドウ)は門を閉めて急いで王姫を追ったが、途中で相柳の護衛に襲われ、気を失ってしまう。その頃、軒は罠とも知らず、林の中で相柳と剣を交えていた。配下も駆けつけ優勢となった軒、その時、夜空に照明弾が上がり、相柳はあっさり引き上げてしまう。一方、無我夢中で小六を追いかけていた阿念はふと海棠がついて来ないことに気づいて足を止めた。「小姐ェ~怖くなったのかい?」「誰が怖いもんですか!」阿念は小六に向かって氷刃を放ったが、結界に阻まれてしまう。すると相柳の配下が現れ、阿念を包囲した。翌朝、軒が酒店に戻ると、老桑と海棠は慌ててひざまずいた。海棠は脅迫文を渡し、王姫を人質にして薬材との交換を要求していると伝える。「玟⼩六に騙されました!」「…私が敵を侮り、隙を突かれたのだ」軒は脅迫文を床に叩きつけ、再び出て行った。…もう二度と従妹を失うわけにはいかぬ、阿念を傷つける者には思い知らせねば…つづく(  ̄꒳ ̄)小夭の代わりに阿念を溺愛?哥哥もちょっと…w
2024.08.14
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长相思 lost you forever第7話回春堂で祝言を挙げた串子(カンシ)と桑甜児(ソウテンジ)。軒(ケン)は場違いな阿念(アネン)を連れて早々に引き上げることにしたが、葉十七(ヨウジュウシチ)の姿がないことを訝しんだ。門まで見送った玟⼩六(ビンショウリク)は十七なら厨房で料理を作っているとごまかしたが、軒に目をつけられたと気づく。十七はいつの間にか祝宴を抜け出し、西河の畔に隠れていた。すると小六がやって来る。「急に姿を消したりしたから、軒はきっとお前のことを調べるぞ?」しかし小六の警告を聞いても十七はどこか飄々としている。その時、毛球(ケダマ)に乗った相柳(ソウリュウ)が現れた。十七は小六を行かせまいと腕をつかんだが、小六はすぐ戻ると言って相柳と出かけてしまう。相柳は軍営で偶然、兵士たちが妖族である自分に不信感があると知った。そこで気晴らしに小六に会いに来たが十七の邪魔が入り、今日はいつになく機嫌が悪い。小六は毛球の乱暴な飛行のせいで何度も落ちそうになりながら、ようやく湖畔に到着した。「…なぜ霊力が弱いのだ?」「霊力は高い方だったが、全部あの狐妖のせいさ 狐妖は俺に霊力を使わせないため薬を飲ませ、少しずつ霊力を身体中に散らしたんだ」それは想像を絶するような痛みを伴っただろう。小六は地獄のような30年間をあっけらかんと話してくれたが、さすがに相柳も胸が痛んだ。相柳はふと立ち上がり、葫芦(コロ)湖に入った。すると水蛇の相柳は沈むことなく水面に立ち、小六を手招きする。小六は相柳の手を取って恐る恐る一緒に水面を歩き始めたが、驚いた事に自分も沈まなかった。やがて日が落ち、青い月が浮かび上がる。「見慣れた景色も誰かと見れば価値を感じられる ずっと変わらぬ景色に価値を見出せるのは人だけだ…」相柳は小六の言葉が嬉しかったが、その帰り道、小六の思わぬ言葉に激怒してしまう。「なぜそこまで辰栄(シンエイ)軍に肩入れするんだ?洪江(コウコウ)と一緒にいて何になる? もし権力を手に入れたいなら西炎(セイエン)王に帰順したほうがいい」激情に駆られた相柳の目は怪しく赤く光り、小六を呪縄で締め上げた。「悪かったよ…許してくれ」小六は無事に河畔に到着、相柳にいきなり放り投げられた。しかし今夜もずっと帰りを待っていてくれた十七が抱き止めてくれる。部屋に戻れば暖かい汁物、食べ終われば口を拭く手巾、小六は思わず十七が突然、消えたらどうすればいいか分からないと笑った。「ずっと一緒だ」「約束する者は大勢いるが、守れる者は滅多にいない…ふっ」すると十七は相柳に二度と会わないで欲しいと頼んだ。「相柳のことは私が何とかする」小六は十七が部屋を出ると、枕の下から胡桃を取り出した。「安心しろ、俺にも考えがある」その頃、辰栄(シンエイ)軍大本営では兵士が次々に瘴気(ショウキ)にあたり、倒れていた。清水(セイスイ)鎮に見慣れない豪華な馬車が到着した。馬車に乗っていた美しい娘は兪(ユ)府に到着、すると清水鎮の王と呼ばれる兪老板が娘を出迎え、拝礼までしている。どこかの富豪の家の娘なのか、ともかく貴人の来客に間違いない。そんなある日、麻子(マシ)が息急き切って回春堂へやって来た。実は兪老版が川沿いの店すべてに立ち退くよう要求しているという。小六は十七を連れて兪府を訪ねた。愛着のある回春堂を手放したくない小六は賃料の値上げなら話し合いたいと提案したが、兪信(ユシン)は自分ではなく主の決定のため、従うしかないと明かす。小六はひとまず引き上げる事にしたが、その時、例の馬車の娘が本殿に入って来た。「少主!」十七は無視したが、娘は慌てて十七にしがみつき、引き止めた。「あれからもう10年…天がまた引き合わせてくれたのですね… お忘れですが?私です、静夜(セイヤ)です、蘭香(ランキョウ)もいます! 兪信!少主のお戻りを太夫人に知らせて!」静夜と蘭香は十七の侍女だった。小六と十七の別れはあまりに突然だった。独りで回春堂へ帰った小六は追い出されずに済みそうだと報告し、もう十七の食事はいらないという。しかし小六が独り寂しく川辺を散歩していると十七が現れた。十七はまだ″葉十七″でいたいと言ったが、小六はもともとも葉十七などいなかったと突き放してしまう。一方、軒もその夜、暗衛・鈞亦(キンエキ)の報告で葉十七の素性を知った。…葉十七の正体は塗山璟(トザンケイ)、兄の塗山篌(トザンコウ)に陥れられ清水鎮に流れ着く…小六が川で洗い物をしていると桑甜児がやって来た。甜児は小六と十七の間に何かあったと察し、自分が洗い物を代わるという。「…もう慣れたか?」「回春堂に来てから心穏やかな日々を過ごせています、朝が来るまで眠れる…ふふ 六哥、私たちを認めてくれてありがとう」しかし小六はいつか後悔するのが怖いなら、今のうち離れた方が良いと言った。すると甜児は確かに突き放せば苦痛から逃れられるが、喜びも失ってしまうという。甜児の答えで小六は目から鱗が落ちた。「…お前のおかげで納得できた、ありがとうな」わだかまりが解けた十六は十七に自分で調合した香り袋を贈り、万が一の時にはここへ戻れば良いと笑った。辰栄軍の兵士が次々と瘴毒に侵され、相柳は薬材集めに奔走していた。その夜、鈞亦から報告を聞いた軒は絶好の機会だと判断、直ちに薬材を買い占め、万策尽きた頃に投降を促すよう指示する。鈞亦は拝命したが、投降させても西炎(セイエン)の五王や七王に手柄を横取りされると警戒した。しかし軒は1日も早く平穏な世の中にするためにも、私情は挟めないという。「王位が欲しくとも民を見捨てることはできぬ」翌日、軒は石妖(セキヨウ)の新しい講談を聞くことにした。今日の物語は4世家のひとつである天下一の富豪・塗山氏一族の話だという。…塗山氏一族とは九尾狐の子孫で、代々続く商いは手広く行われている塗山氏宗家が暮らす青丘の屋敷は玉や金で装飾され、珍しい動物もいた王族でなくともそれに匹敵する力を持ち、代々続いている勢力は複雑に絡み合っている皓翎(コウレイ)王と西炎王でさえ一目置くほどの力であった…小六が講談を聞きに行くと偶然、軒がいた。「六哥!ここへ座れよ」「軒老板!」小六は軒の席に座らせてもらったが、向かいの席には立派な衣をまとった十七が座っていた。…塗山氏一族は裕福だが子にはあまり恵まれず、直系の子は2人の兄弟だけだった弟は聡明で美丈夫なだけでなく、琴棋書画にも精通し、″青丘公子″と呼ばれ世の女子たちの憧れの的となるしかし兄のことを知る者はおらず、同じ名家に生まれながら兄弟の運命は正反対だった…塗山璟は小六の元へ向かい、皮を剥いた銀杏を差し入れた。小六は黙ったまま何も言ってくれなかったが、軒が座るよう勧めてくれる。その時、講談はちょうど塗山璟の許嫁の話になった。…天下に名高い青丘公子は塗山氏一族の次の族長になる方公子の母が迷いに迷って決めた許嫁は防風(ボウフウ)氏の令嬢だった令嬢は幼い頃から各地を遊歴し、花のような美しさと優れた弓術の腕前を持つというしかし災いはいつ訪れるか分からないもの祝言の準備が進む中、青丘公子は突然、重い病に倒れ、祝言は中止になってしまうそれ以来、青丘公子は世俗を離れて静養、今や塗山氏宗家は兄に託された…小六は十七に許嫁がいたと知り、深く傷ついた。「…6年だ、面倒を見た代わりにその分の家賃を免じろ、それで貸し借りなしだ」すると小六は帰ってしまう。呆然とたたずむ塗山璟。軒は思わず命の恩人にさえ正体を明かさなかったのなら、小六が怒るのも仕方がないと言った。「彼の怒りが収まったらちゃんと謝れよ、な?」つづく( ゚ェ゚)十七も相柳も気づいたのに、なぜお兄は小六が女子だと分からないのか?
2024.08.12
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长相思 lost you forever第6話老木(ロウボク)の大慌ての理由はすぐに分かった。実は串子(カンシ)が妓女に入れ上げ、その日も玟⼩六(ビンショウリク)たちが見張っているとも知らず、店から出て来た妓女と落ち合い、物陰で睦み合っている。「何とかしろ」老木は目も当てられないとばかりに小六に任せて帰ってしまう。串子は突然、現れた小六に慌てふためいたが、相手の妓女は肝が据わっていた。「桑甜児(ソウテンジ)と申します、彼から銭はもらっていません」しかも遊びではなく、串子と夫婦になりたいという。小六は祝言の相談をすると言って串子を連れ戻した。しかし老木が妓女との縁談に反対するのは必至、そこで小六と串子は一芝居打つことにする。小六は激怒しながら店に入ると、串子を追い回して折檻するふりをした。見かねた老木は小六をなだめ、気がつけば串子の肩を持ってしまう。「世帯を持つ相手は惚れた女子でないとな、周りがうるさく言うのは良くない」「チッ!そうと決まれば身請けしないと…祝言の準備もだ!」こうして串子の縁談を上手くまとめた小六、その様子を見ながら十七は嬉しそうに微笑んだ。老木は早速、桑甜児の身請けに出かけたが、なぜか独りで戻って来た。何でも妓楼の女将が法外な額を吹っかけ、とても払えないという。小六は首を傾げた。普通ならさほど若くもなく、看板娘でもない妓女の身請けを渋るのはおかしい。「裏に誰かいそうだな…相柳(ソウリュウ)か?あの時の顔のことかな(ボソッ」その夜、串子は軒(ケン)の店でやけ酒を飲んだ。軒は自分のおごりだと言って一瓶、差し入れ、それとなく探りを入れる。「小六は忙しいのか?新酒をごちそうしたいが店に来ない」「ここの酒は辛すぎて六哥は好かない…六哥が一番好きな酒は桑葚(ソウシン)酒だ」「なぜ好きなんだ?」「哥哥のせいさ、桑葚酒は六哥に哥哥を思い出させる」軒は驚いて小六の哥哥が誰か聞いたが、泥酔した串子は老木だと答えて潰れてしまう。そこへ十七が現れた。十七は軒がおごりだと言っても銭を置き、串子を連れて帰ってしまう。しかし回春堂へ戻ると、小六の姿がなかった。小六は毛球(ケダマ)に頼んで相柳を呼び出した。いたずら書きの仕返しとばかりに小六の首にかみつく相柳、しかし小六は美しい満月を眺める余裕がある。「…もう良いだろう?胃袋も9つあるのか?」「お前の首をここでかみ切ってもいいんだぞ?」相柳は侮られないよう牙まで出して脅したが、小六はどこか達観して見えた。「あんたには40回も鞭打たれて血も吸われているが気にしてない、だって俺は寂しいから 昔、奇病に侵されて何十年も山に隠れ住んでいた ある日、俺を食おうとする蛇妖に出会い、危険と知りつつ良くからかっていた 話し相手がいなかったからな」「で、蛇妖はどうなった?」「死んだよ、九尾狐が殺した、蛇妖は俺を九尾狐に渡すまいとして殺されたんだ」「面白い…で、九尾狐は?」「俺が殺した、あいつは俺を檻に入れて吐き気のする食事を与え、太らせて食おうとしたのさ あいつもうかつだったよな、獲物を太らせすぎると反撃するのに…」小六はその時の様子をふと思い出した。そんな小六の記憶を読み取った相柳はあまりの壮絶な情景に唖然とする。「…そう言えば大事な話とは?」「あ、南槐(ナンカイ)街の妓楼はあんたの店か?うちの串子が妓女に惚れたんだ」「私に請け出せと?」小六は相柳の様子で無関係だと気づいた。「どうもあんたの流儀じゃないと思ったよ、忘れてくれ、別の者に頼む」「…大事な話とはこれか?」相柳は小六にとって自分がただの暇つぶしの相手だと気づき、無性に腹が立ってしまう。その時、ちょうど小六が大木から降りるため枝にぶら下がっていた。相柳は思わず術で枝を折り、小六はそのまま落下してしまう。( ˙꒳˙ )月がキレイだな…小六が枝を杖代わりにして歩いていると十七が現れた。十七は小六が足を怪我していると気づいて駆け寄ったが、首元にまた赤いあざがあると気づいて悶々となる。「もう独りで出かけるな、姿が見えないと不安になる」「うん、分かったよ」十七は小六を背負って回春堂へ戻り、足を手当てして部屋で寝かせた。「邪魔したのは相柳ではなかった、別の奴だ」すると十七は酒屋の軒だと教えた。翌朝、小六は酒屋に軒を訪ね、串子の縁談に力を貸して欲しいと頼んだ。「なぜ私に?」「…あんたの真の素性を探る気はないが、ただ者じゃないことは分かる あんたが寛大な心で情けをかけてくれたら上手くいくはず」「そっちこそ真の素性はどうなのだ?」「老板、俺はどんな勢力とも関係ない、平凡な日々を送りたいだけだ 串子と麻子(マシ)に世帯を持たせ、老木に楽をさせる…家族の無病息災を願う平凡な男だよ」「″家族の無病息災″か…」小六の言葉を聞いた軒は感慨深げに自分も家族と平和で静かな日々を送りたいと漏らした。「祝言には私も呼んでくれるか?」「もちろん!」喜んだ小六は怪我を忘れて急に立ち上がり、うっかり足を痛めてしまう。軒は咄嗟に手を差し伸べたが、突然、飛び込んできた十七が軒を制し、小六を連れて帰ってしまう。「…鈞亦(キンエキ)、あの葉十七という男は怪しい、調べろ」老木が無事に桑甜児を回春堂へ連れて来た。すっかり舞い上がる串子だったが、小六は桑甜児に串子への情愛がないことなどとうに気づいている。「目的は何だ?」実は桑甜児は3ヶ月前にある男から銭を渡され、串子を誘惑して回春堂を探るよう頼まれていた。すると昨夜になってまたその男が現れ、仕事の終わりを告げて銭を渡して帰ったという。「男の素性は分かりません… 卑しい女の身です、真の愛など諦めていますが、串子は本当に私を身請けしてくれた だから串子に賭けてみたいんです! 誓います、串子が私を一途に想ってくれるなら私も一途に尽くすと… もし二心を抱けば殺されても構いません」そこへ運悪く桑甜児の衣を調達して来た串子が戻って来る。串子は小六の前でひざまずく桑甜児の姿に動揺したが、小六は婚家への挨拶だと安心させた。小六と十七は川辺で仲睦まじく寄り添う串子と桑甜児の姿を遠目から眺めていた。「桑甜児は串子の情を信じていない、そうとは知らず尽くされた串子は彼女への情を深める 串子の情が深まれば芝居の情も本気になり、添い遂げられるという仕掛けだ …もし串子が心変わりしたら死人がでそうだな、ふっ、俺の人生は長い、結末が見られる」「彼女は勇敢だな」「偽の情で気を引くのに?普通ならそしられる」「己の未来を懸けて偽の情を誠の情に変える機会を与えたんだ」「変わった考え方だな」結局、小六が酒蔵に忍び込んだことで軒に怪しまれ、串子を巻き込むことになった。今さらながら相柳に頼んでいたら面倒な事になっていたと胸を撫で下ろす小六。すると十七は相柳に会わないよう頼み、小六の杖を取り上げてふいに抱き上げた。「足元が悪い」小六は十七の腕に抱かれながら回春堂まで戻った。しかし鼓動が早くなるのを感じ、十七に気づかれまいと慌てて部屋に入ってしまう。回春堂で串子と桑甜児の祝言が執り行われた。すると祝宴に招かれた兄を探して阿念(アネン)が現れ、下々を見下した物言いをして場を凍り付かせてしまう。つづく( ゚ェ゚)前話の疑問の答えがもう来たわwどんな相手だろうと孤独よりはマシってことなのね
2024.08.10
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长相思 lost you forever第5話9つの頭を揶揄され、術で玟⼩六(ビンショウリク)の口をふさいだ相柳(ソウリュウ)。「私の好物は人だ」相柳は脅しのつもりで小六の首に噛みついたが、思いがけず小六の血に霊力を回復させる力があると気づく。小六は自分の血の秘密がばれてしまい覚悟したが、相柳はしばらくすると牙を抜き、術を解いて牙の痕を消した。相柳は毛球(ケダマ)で小六を西河の畔まで送り届け、帰って行った。すると同じ場所でひたすら小六を待っていた葉十七(ヨウジュウシチ)の姿がある。十七は小六の首に赤いあざがあることに気づき、何とも言えない焦燥感に襲われた。「また起きていたのか?早く休めよ」小六は笑顔を見せたが、十七は小六が自分に心を閉ざしてしまったと分かった。相柳は軍営に紛れ込んだ間者に気づき、敵の通信手段だった伝書鳩で黒幕を誘き出した。すると罠とは知らず軒(ケン)の暗衛・鈞亦(キンエキ)が現れる。「会って話したいとは何事だ?」鈞亦は相柳が密偵に化けていたと気づいて慌てて逃げ出したが、捕まってしまう。「誰の差し金だ?」相柳は霊縄で縛りつけた鈞亦に氷刃を突きつけた。その時、万が一に備えて隠れていた伏兵が現れ、相柳を法陣に閉じ込めることに成功する。しかしあと一歩という所で相柳が剣を召喚、陣を破って反撃した。翌朝、小六たちは中庭で食卓を囲んだ。しかしそこに老木(ロウボク)の姿はなく、串子(カンシ)はやはり軒の酒店をつぶしに行こうと訴える。小六は生きていれば悔しい思いもすると諭し、講談の王孫と王姫も我慢して生きていると言った。「…六哥、まるで知っているみたいな言い方だな」その時、老木がようやく部屋から出て来た。「俺なら平気だよ」老木は笑顔を見せたが、肩を落として店に入ってしまう。軒の酒店は客で賑わっていた。すると小六が現れ、酒を注文しては言いがかりをつけて商売の邪魔をする。さらに食欲のない阿念(アネン)のため苦労して手に入れた新鮮な茘枝(ライチ)まで横取りした。「この前は悪かった、謝る」「妹妹に謝らせろ」しかし軒は従妹の過ちなら従兄である自分の責任だと言った。小六は妹思いの兄に感心し、ならば店の看板商品である桑葚(ソウシン)酒を持って回春堂へ謝罪に来るよう要求する。「老木に謝るんだ、それで老木が許したら二度と店の邪魔をしたりしない」軒は約束通り大量の酒を持って回春堂にやって来た。始めはふて腐れていた老木だったが、軒が謝罪のため何杯も酒をあおる豪快さに感服し、最後は義兄弟の契りまで結んでしまう。「今日は酔うまでとことん飲むぞ!」その様子を小六は物陰から眺めていた。「…本当にすごいヤツだ、妹妹をなだめる一方で、老木とは義兄弟になった」軒は大事な任務があるため今回は穏便に済ませた。屋敷へ戻ると酔ったふりをやめて一安心、しかし間者に会いに行った鈞亦がまだ戻って来ない。一方、陣を破ったものの深手を負った相柳は密かに十六の部屋に転がり込んだ。小六はまた相柳に捕まって血を吸われたが、動じる様子はない。河原で血を吸っただけで解放してくれたのなら、霊力を上げるため自分を食べるつもりはないのだろう。すると小六は相柳の袖に血がついていることに気づいた。「あんたを怪我させるなんて…どこのどいつだ?」しかし相柳は黙ってそのまま横になってしまう。相柳に寝床を奪われ、仕方なく床で横になったものの寝つけない小六。そこで眠っている相柳の顔にいたずら書きしようと思いついた。すると突然、相柳が目を開ける。驚いた小六だったが、相柳は経血をめぐらせて内傷を治しているため動けないと分かった。「これは上出来だ!1、2、3…これで目が9つになった!(*≧∀≦)ブハッ!」小六は鏡でいたずら書きを見せると、相柳の仕返しを恐れて部屋を飛び出した。小六が部屋を出るとちょうど十七と出くわした。そこで相柳が部屋で休んでいるため、誰も入らないよう見張って欲しいと頼む。「起きたら勝手に帰る、俺は出かけるよ」小六は軒の酒蔵に隠れた。安全な上、ここなら上等の酒がある。すると夜更けというのに軒が誰かと入って来た。小六は息を潜め、耳を澄ます。「相柳に深手を負わせましたが、配下は全員、殺され、残ったのは私だけです」「利用できないなら先手を打つしかない、奴が深手を負っているうちに仕留めるぞ」小六は軒も賞金首の九頭蛇を狙っていると知り、相柳が無事に逃げ切れるのか心配になった。翌朝、恐る恐る小六の部屋に入った十七は相柳がいないと知ってほっとした。しかし寝台に銀髪が落ちているのを見て激しい嫉妬に駆られ、寝台の敷物や掛け物を全て交換してしまう。一方、空腹に耐えかねた小六は厨房で食べ物を物色しているところを軒に見つかった。「つい匂いに釣られて…」小六は愛想笑いしながら後ろ手で毒を放つ準備をしたが、なぜか軒は一緒に朝食を食べようと誘った。小六は酒蔵にいたことがばれたのかと警戒したが、少なくとも軒に殺意は見られなかった。しかも食卓に並んだ料理は全て軒が作ったという。「まさか酒造りだけじゃなく料理も得意とは…阿念(アネン)は幸せ者だな」「哥哥が面倒を見るのは当然だ」小六は軒のような従兄を持った阿念を心から羨ましいと思った。「老板は本当に良い哥哥だな」「…良い哥哥ではない」軒は表情を曇らせたが、小六はそこで引き上げることにした。相柳を追っていた鈞亦だったが、間者から相柳ならすでに完治していると連絡が来た。「最高の機会を逃したな」報告を聞いた軒は仕方なく時機を待つことにしたが、その一方で老桑(ロウソウ)に回春堂を調べさせていた。しかしこれと言って怪しい点はなかったという。「玟小六は臆病で銭に目がないとか、でも温和な性格で隣近所との付き合いもいい 悪さもしていません、ただの医者でしょう」「じゃあ私は?」軒は自分が酒店の主にしか見えないように裏の顔があるはずだと疑った。十七は小六がどんなに突き放しても尽くし続けた。それがかえって小六を苛立たせてしまう。十七はわだかまりを解こうと素直に謝罪した。「二度としない…何が起きようと私を頼りたい時に姿を消したりしない 二度としないと誓う」その時、老木が息急き切って現れた。「大変だ!すぐ来てくれ!」すると老木は小六を強引に引っ張って行ってしまう。独り取り残され、意気消沈する十七。しかし小六はふいに立ち止まり振り返った。「おい!お前も来い!」十七は小六が許してくれたことに気づき、笑顔で後を追う。つづく( ゚ェ゚)九頭蛇が次第に小六に惹かれるのは分からんでもないでも小六の気持ちがピンと来ないなぁこのツンデレ蛇!どうせ食えないんだろう?って煽ってるのかしら?w
2024.08.07
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长相思 lost you forever第4話辰栄(シンエイ)軍臨時陣営に侵入者が現れた。報告を聞いた相柳(ソウリュウ)は仮面を招喚して幕舎から出ると、兵士に包囲された神族の男がいる。「お前は誰だ?」「葉十七(ヨウジュウシチ)、玟⼩六(ビンショウリク)を迎えに来た」十七が来たと気づいた小六は慌てて外へ飛び出し、相柳にすがりついて十七を見逃すよう懇願した。すると相柳はあっさり2人を解放、十七は傷だらけの小六を背負って帰って行く。その後ろ姿を相柳は黙って見送った。…女子であるうえ高貴な神族でもある、なぜ身分を隠す?実に面白い…( ̄▽ ̄;)え?女だと気づいてからの鞭打ちなの?最悪___小六は自分を探し当て、迎えに来てくれた十七の優しさが嬉しかった。しかし長年、辰栄軍と戦った老木(ロウボク)は相柳を怖がっているため、秘密にして欲しいと頼む。十七の口が固いことを思えばいらぬ心配だったが、固過ぎるせいで小六は十七のことを何も知らないと気づいた。「永遠に葉十七でいてくれるといいが…それは無理か でもここにいる間は葉十七として俺の言うことだけを聞いてくれ」十七はちょうど休めそうな洞窟を見つけ、小六の背中に薬を塗ることにした。しかしいくら幻形術で男の身体をしているとは言え、本当は女子だと分かってしまった以上、直接、肌に触れることははばかられる。そこで十七は手巾で薬を塗ることにした。すると小六が身の上を語り始める。「…俺は20年以上、一人で暮らしていた、″奇病″にかかってすごく怖かった 人を避けて鏡も見ず、姿を消してさすらい続けたよ 初めはずっと黙っていた、でもある日、山で果物を見つけたんだ 何という果物か分からなくて、訳もなく急に怖くなったよ それからおしゃべりになってね、ある時は猿を捕まえて1日中、話しかけてた 猿は耐えきれずに石に頭をぶつけて死んだけど…」( ;∀;)さっるぅぅぅぅぅ…十七は数日ほど小六を静養させ、その間にこっそり霊草を採りに出かけた。断崖絶壁を登ってついに霊草を手に入れた十七、しかし踏み場が崩れて落下してしまう。すると途中で9本の真っ白な尾が現れ、十七の身体を浮かせて無事に着地した。(  ̄꒳ ̄)お、ここで十七の正体が九尾白狐と判明小六は十七のおかげで希少な霊草を手に入れ、麻子(マシ)の結納金を工面した。しかし回春堂へ戻ると早速、窓枠に相柳の霊獣・毛球(ケダマ)が止まり、短い足で毒薬を催促されてしまう。「まずい!間に合わない!」小六は慌てて薬材を調合し、寝る間も惜しんで薬を煎じた。すると十七が現れ、自分が代わると申し出る。「相柳はなぜ毒薬を?」「知らない、俺の毒は色がないが臭いは強烈だ、どうせ誰も殺せないさ」こうして翌朝、小六は無事、期限通り毛球に毒薬を託した。↓通常運転は小さい毛玉です回春堂の中庭で麻子と春桃(シュントウ)の祝言が執り行われた。しかし思いがけず相柳が現れる。小六は祝宴を抜け出し相柳を部屋に案内、わざわざ人質が増えたと知らせに来たのかと嫌味を言った。「お前は神族だ、連中が死んでもお前の姿は変わらない、何が面白い?」「寂しいのは嫌だ、一時の道連れでも構わないさ」相柳は小六に勧められるまま毒酒を飲んだが、びくともしなかった。「毒を除けば何てことのない酒だな」すると十七が現れ、相柳は居心地が悪くなって帰ってしまう。新婚生活が始まった麻子は医館の仕事をほったらかして春桃の実家の肉屋を手伝っていた。そんなある日、春桃が顔を怪我した麻子を連れて回春堂に駆けつける。実は配達に出かけようとした春桃が店先で阿念(アネン)と衝突、衣に羊の血をぶちまけた。春桃はすぐ謝罪して衣を弁償すると言ったが、侍女・海棠(カイドウ)は無知な人間族の娘に激高する。『お前に弁償できると思うの?!』これに怒った串子(カンシ)は敵討ちに行くと飛び出し、老木が追いかけて行った。小六は麻子を手当してから十七に店を任せ、老木たちの様子を見に行くことにした。すると通りに人だかりができている。実は霊縄に捕まった串子を助けようとした老木が法術で蹴鞠のように転がされていた。残酷な神族の仕打ちに眉をひそめる村人たち。驚いた小六は阿念に駆け寄り、降参している2人を許して欲しいと懇願した。しかし阿念は無視、本来なら殺すところだが従兄の手前、命までは奪わないという。「ゥッ…小六…いっそ殺してくれ…このままでは生き地獄だ…」そんな老木の哀れな姿を阿念は笑って見ていた。小六は激しい憎悪に苛まれ、ついに後ろ手でこっそりを呪術を放ってしまう。その時、十七が密かに法術で老木と串子を解放してくれた。海棠は誰が術を破ったのか分からず不安になり、急に主を連れて引き上げてしまう。「姑娘!回春堂で待っている!」(`ω´ )阿念ムカつくわ〜ヤンズーより早く拳に力が入ったわ💢意気消沈した老木の姿に小六は胸を痛め、十七だけに本音を漏らした。「老木たちは俺のことを善人だと思っている、でも子供の頃には人をたくさん殺した 忘れていた感覚だ、今日は連中を殺したいと思ったよ」十七は相手が霊力の強い神族だと警告したが、小六は彼らの霊力の属性を見極めることができれば毒で殺せるという。その頃、屋敷に戻った海棠は得体の知れない毒に当たり苦しんでいた。軒(ケン)は大夫を呼んだが解毒できず、激怒した阿念は自分が敵討ちに行くという。経緯を聞いた軒は阿念を連れて回春堂を訪ねた。待ち構えていた小六は解毒薬を渡す代わりに妹に謝らせろと迫ったが、軒は丁重に解毒薬が欲しいと頼む。「嫌だと言ったら?」小六はわざと挑発して軒に霊力を使わせ、後ろにいる十七が属性を見極める間、足止めする段取りだった。「十七っ!」しかし振り返ると十七の姿はなく、小六は軒の掌をまともに食らって倒れてしまう。「すまぬ、まさかこれほど弱いとは…だが傷つけてはいない、少し苦しいだけだ」( ;∀;)えーっ?!そりゃないぜ〜17w小六はあっけなく解毒薬を奪われた。これまで自分に忠実で尽くしてくれた十七の突然の裏切り。さすがに小六も自分の浅はかさに乾いた笑いが出てしまう。するとしばらくして十七が戻って来た。「奴らは知り合いか?」「神族の高貴な令嬢だ」「素性を気づかれないよう隠れたのか?ふっ… それとも怒らせるのは得策じゃないから解毒薬を渡そうと?」「私が顔を見られる以上に…」十七は釈明しようとしたが、小六は怒って出て行ってしまう。小六が西河のほとりでふて腐れていると、毛球に乗った相柳が現れた。「乗れ」「小六!」その時、小六を追いかけて来た十七が引き留めたが、小六は自ら手を伸ばし、相柳と行ってしまう。相柳は小六と十七の間に何かあったと気づいた。「奴は何をしてお前を怒らせたんだ?」「自分に怒っている、他人に頼りたいと思うなんて…期待するなんて馬鹿だ 期待が大きいほど失望も大きくなる、やっぱり頼れるのは自分だけだ」小六は自分には頼れる親も兄弟もなく、どん底の時にも誰にも頼らなかったと言った。「もう大人なんだ、誰も当てにすべきじゃない つまづいたとしても支えてくれるのは自分しかいないんだ」すると小六は急に毛玉の背中から川に飛び込んでしまう。夕日を背に小六は無心になって泳いだ。毛球に乗った相柳は黙って小六を追いかけ、河原に到着する頃にはすっかり日も暮れる。すると小六は捕まえた魚を焼いて相柳に振る舞った。「ところで9つの頭はどう生えてるんだ? 食事の時はもめるだろうな~順番は決まってるのか?」すると相柳は術をかけて小六の口をふさいでしまう。「私の好物は人だ、お前ぐらいの大きさならちょうど9人分ある」つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょwww一番、聞いちゃダメなヤツwww
2024.08.03
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长相思 lost you forever第3話玟⼩六(ビンショウリク)の血のおかげで奇跡的に回復した神族の男。ようやく顔中を覆っていた包帯を外し、沐浴を済ませて身なりを整えた。すると男は端正な顔立ちで、粗末な装いでありながらどこか高貴さを漂わせている。多少、脚を引きずるものの、歩くのに不自由はないようだった。そこで小六は明日にでも出て行くよう言ったが、男は名前も行き場もなく、命の恩人である小六に仕えたいという。果たして男は記憶を失ったのか、ただ言いたくないだけなのか。小六はそんな訳ありの男にどこか共感し、医館に置くことにした。すると喜んだ麻子(マシ)と串子(カンシ)は自分たちのように男にも名前を付けてやってはどうかと提案する。「…その葉っぱを数えろ、何枚ついてる?」「17枚」「じゃあ今日からお前は葉十七(ヨウジュウシチ)だ」清水(セイスイ)鎮の郊外には九頭蛇の相柳(ソウリュウ)率いる辰栄(シンエイ)残党軍の陣営があった。西炎(セイエン)の五王は賞金首の筆頭である相柳を仕留めようと躍起になっていたが、相手は手強い。軒(ケン)は暗衛・鈞亦(キンエキ)の報告を聞きながら、確かに九命相柳は侮れないと警戒した。「大将軍・洪江(コウコウ)だけなら制圧できていたはずなのに…必ず始末して見せます!」「いや、殺すには惜しい」軒は相柳の手腕に目をつけ、自分に帰順させるよう命じた。そんなある日、老木(ロウボク)は麻子と恋仲の春桃(シュントウ)の家に結納を届けに行った。しかし父親は猛反対、一人娘の嫁ぎ先は自分の老後にも関わるという。「こんな結納で娘をやれるか!」すると老木は追い返されてしまう。十七は仕事覚えが早く、小六はこれで悠々自適の日々だと喜んだ。しかし麻子が縁談を断られたと知り、結納金を工面するため霊草を採りに行くと決める。霊草がある山奥は辰栄残党軍の縄張り、老木は危険だと止めたが、小六はただの薬草採りだと笑って出かけた。するといつの間にか十七が付けて来たことに気づく。小六は帰るよう命じたが十七は頑に一緒に行くと譲らず、結局、道連れになった。痒い所に手が届く十七のおかげで快適な山登りになった小六。やがて辰栄残党軍の領地を示す大きな岩が見えて来た。「ここから先には絶対に入るなよ?西炎に滅ぼされ、洪江の領地はここだけだ 軍律が厳しいらしいから残党軍を怖がることはない ただ九頭蛇の相柳は面倒だ、悪辣な手段も辞さないからな」小六は老木の受け売りで十七を散々、怖がらせて待たせることにした。すると運良く石ころにくっついた朏朏(フェイフェイ)の糞を見つける。実は希少な朏朏は人族に解憂獣(ゲウジュウ)と呼ばれ、貴人に高く売れた。「気をつけて!ここで待ってる!」「…待ちくたびれたら帰れよ!」小六が振り返ると心配そうに見送る十七の姿がある。しかし小六は自身の苦い経験から、永遠に待ち続けることなどできないと知っていた。朏朏の足跡は池のほとりで途切れていた。朏朏は若い娘の歌声が好きで、人の悲しみに寄り添うという。そこで小六は自分の前に罠の陣を敷き、哀愁ただよう情愛の曲を歌った。まさか自分の歌声が高台にいる九頭蛇にまで届いてしまうとは夢にも思わず…。(* ̄0 ̄)θ~♪相見相思ぅ~小六の歌を聞いた朏朏が巣穴からひょっこり顔を出した。すると小六の歌に導かれ、まんまと罠に掛かって出られなくなってしまう。しかし小六は自分を慰めに来てくれた朏朏の優しさに心を打たれ、陣を解いて逃すことにした。その時、巨大な鷲が朏朏目がけて降りて来る。小六は鷲に毒を投げつけ朏朏と逃げ出したが、鷲の主が現れた。「毛球(ケダマ)、だから言っただろう?人は信用ならぬと」↓フェイフェイと鷲の兄貴w木の上に仮面で顔を隠した銀髪の男がいた。驚いた小六は男にも毒を投げつけたが、毛球を倒せることはできても主には効果がない。小六は仕方なく朏朏だけを逃し、男に解毒薬を渡して許しを請うた。「こいつは西炎の太医の毒にも倒れなかった、驚いたな」「まぐれでできた薬だ、俺はただの町医者、子作りの手助けをしている」すると解毒した鷲が無事に目を覚まし、朏朏はあっけなく捕まってしまう。小六は捕縛され辰栄軍の臨時陣営に連行された。すると幕舎に放り込まれ、さっきの銀髪の男が現れる。小六は恐る恐る男の顔を見たが、その時、男の仮面が消えて素顔が現れた。…九命相柳だったのか…一方、十七は背負っていた荷物を降ろし、ひたすら小六の帰りを待っていた。相柳の配下が調べたところ、この男は確かに玟⼩六という回春堂の医者だった。しかしただの医者とは到底、思えない。「お前は何者だ?」すると相柳の目が怪しげに赤く光り、小六の首に氷刃を突きつけた。小六は怯えていたが、かと言って何とも答えようがない。実のところ小六にも自分が何者なのか分からないからだ。「俺はただ…」あの時、小夭(ショウヨウ)は川に映った自分の顔が次々と変わる様子を見て驚愕した『私の顔がない!顔を忘れたら元に戻れなくなってしまう!』「…俺はただの捨てられた者だ、身を守る力もなく、頼れる者もいない 帰れる場所もなく、天下をさすらっていたが、20年余り前、清水(セイスイ)鎮に住み着いた もし許されるなら生涯、ただの小六でいたい」小六の話を聞いた相柳はふいに殺気が消えて目の色が戻り、命が欲しいなら自分の配下になれと言った。「明日、答えを聞こう」その夜、阿念(アネン)は庭で酔い潰れた老桑(ロウソウ)に上掛けをかけている従兄を見かけた。「これじゃ哥哥が老桑に仕えているみたい」すると老桑が何かうわごとを言っている。「″王姫″…私の千年桑葚(ソウシン)はあなたに取ってあります、誰にも渡しません…」「ふふ、主思いなのは感心ね」一方、小六は縛られたまま相柳の幕舎の床に転がっていた。…十七は帰っただろうな、老木たちは心配しているだろうか…翌朝、十七はついに霊力を使って小六の行方を探し始めた。その頃、小六は相柳から答えは出たのか迫られ、まだ考え中だと時間を稼いでいた。「のどが渇いたな…」「…誰か」小六はようやく水が飲めると思ったが、噂通り相柳は容赦なかった。「鞭を打て、20回だ」小六は拷問の末、配下になると約束した。しかし条件があると言ったせいで、さらに20回も打たれてしまう。すでに背中は血で真っ赤になり、肉が裂けていた。「まだ条件があるのか?」「…これだけは譲れない、清水鎮からは離れない、承諾できないならここで殺してくれ」「いいだろう」その頃、十七は小六が反乱軍の陣営にいると突き止め、独り乗り込んでいた。相柳は小六が清水鎮で医者をすること認め、自分に必要な毒を調合するよう命じた。「必要な時には必ず命に従え…毒を作れなければ身体で償ってもらう まずは耳を切り落とそう、次は鼻を削ぐ」その時、配下が駆けつけ、侵入者だと報告した。つづく※字幕では毛球(モウキュウ)ですが、ずっと″けだま″と呼んでいたのでこのままでw
2024.07.30
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长相思 lost you forever第2話清水(セイスイ)鎮に到着した軒(ケン)一行。ここには知らぬものはないと豪語する霊石の妖怪がいた。霊石の広場では講談中に兎妖(ウヨウ)の急なお産で一騒動あったばかり。軒たちはちょうど医者の玟⼩六(ビンショウリク)と入れ違いで講談の続きを聞くことにした。しかし思いがけず小夭(ショウヨウ)と瑲玹(ソウゲン)の物語だと気づき、軒は目を潤ませてしまう。…小王姫は玉(ギョク)山で哥哥との再会を待ち続けていただが待てど暮らせど哥哥は迎えに来ない小王姫はあきらめて父の皓翎(コウレイ)王を探すため密かに下山するも、その後、行方知れずとなり、今では生死すら分からないという…「今日はここまで、続きを聞きたい方はまた明日、来てくれ」すると石妖(セキヨウ)は霊石に戻った。軒は身分を隠し、街の東側にある空き家を借りた。早速、従者の老桑(ロウソウ)と2人、手際よく住まいを整え、中庭には従妹・阿念(アネン)の好きな梅の木を植える。阿念はまだ真冬のため花が見られないと残念がったが、軒は霊力で梅の木を満開にした。しかし花びらの舞う中ではしゃぐ阿念を見ると、軒は鳳凰木の鞦韆(ブランコ)で遊んでいた小夭の姿が重なってしまう。その夜、軒は寝つけず中庭で酒を飲んでいた。すると老桑が現れ、王姫のことを考えているのだと気づく。あれから300年、遊歴しながら西炎と皓翎をくまなく探したが小夭の手がかりは何もなかった。「私を役立たずの哥哥だと思っているだろうな」「殿下は長年、王姫の行方を探す一方で五王や七王から命を狙われてきた 王姫が知ったら胸を痛めるはずです」「小夭が見つかるのなら大したことではない 化外(ケガイ)の地である清水鎮にいれば何か分かるやも」しかし清水鎮に来た目的は本来、辰栄(シンエイ)の残党軍を探るため、小夭の件は秘密にするよう釘を刺した。一方、小六も石妖の講談を思い出しながら独り、月見酒で寂しさを紛らせていた。石妖の話では瑲玹が叔父たちの排斥を受けて人質として皓翎国に送られたが、今や第二王姫と楽しく過ごして世俗を忘れてしまったという。軒の店の前は小六が子供を取り上げた兎妖の点心の店だった。挨拶がてら朝食を食べに行った軒、すると兎妖がお近づきの印に漬物をおまけしてくれる。「それで何の店を開くの?」「酒造りを学んだので酒を売ろうかと…酒ができたら店を開きます」小六が往診から戻ると、弟分の麻子(マシ)と串子(カンシ)が西河(セイガ)沿いで物乞いを見かけたと報告した。実は洗い物当番だった小六も草むらで倒れている物乞いに気づいたが、余計な事に首を突っ込まず、悠々自適に過ごすことが信条、見て見ぬふりをして帰っていた。「六哥、すごく哀れだったし…」「哀れな奴はいくらでもいる!面倒を起こすな!」そうは言ったものの、小六はやはり気になって散歩がてら様子を見に行った。物乞いはまだ川辺で倒れていた。するとその男は麻子が恵んだ焼餅(シャオビン)ではなく、すぐ横に咲いている小さな花に手を伸ばしている。小六はかつて監禁されていた時、自分も同じように必死に花へ手を伸ばしたことを思い出し、結局、男を助けることにした。男は余程むごい仕打ちを受けたのか全身傷だらけだった。鞭打ち傷、やけど、刀傷に刺し傷、どれも古傷から生傷まであり、足には釘で地面に打ち付けられていたような跡があった。右脚は手当てしなかったせいか、折れた骨が曲がったままくっついている。小六は脚をもう一度、折って骨を真っ直ぐ治すと決めたが、老木(ロウボク)は怪我人が神族だと気づいて心配した。恐らくただならぬ事情を抱えているはず、助けてもろくなことにならないという。しかし小六は耳を貸さず、手当を始めることにした。その時、怪我人の目がうっすら開く。「心配するな、ここは医館だ。これから脚を治療する」すると脚を折られた男は気絶してしまう。小六の献身的な治療で神族の男は落ち着いたように見えた。しかし長年、虐げられてきたせいで五臓六腑が傷つき、どちらにしても長くはもちそうにない。一方、軒の屋敷に密かに暗衛・鈞亦(キンエキ)が現れ、辰栄の残党軍に潜入している間者と接触できたと報告した。「慎重に動いてくれ」五王や七王も残党軍にはお手上げの様子、祖父の心の棘である残党を滅ぼすことができれば西炎山へ戻れる日も近いはずだ。その夜、軒は老桑と一緒に石妖を訪ねた。「清水鎮にいる旧友の居場所を知りたい」軒がお礼に妖族の修行に役立つ玉山の万年玉髄(ギョクズイ)を差し出すと、石妖は喜んで引き受けた。しかし長年、会っていないため風貌が特定できず、かろうじて分かっているのは眉間にある桃の花のあざだという。石妖は早速、清水鎮の住人を全て映し出したが、その中に小夭はいなかった。「そうだ、旧友は姿形を変えているのかも…術を見破って真の姿を見られるか?」石妖はそこまでの霊力がないと断ったが、軒は自分の霊力を使わせた。神族の強い霊力のおかげで霊石は人の姿をした妖族たちの真身を映し出した。小夭はやはり見つからなかったが、霊石はなぜか最後に小六の寝顔を映して止まる。「彼は知り合いの医者だ、名前は玟⼩六、数十年ここに住んでいる 戦を好まぬ西炎の逃亡兵1人と、親のいない2人と共に暮らしているが、怪しい点はない だが…隣にいる怪我人は見たことがないな?」「旧友は女子で男ではない、この2人も神族だが姿は変えていないようだ」軒は結局、小夭の手がかりを得られず、落胆した。翌朝、小六は神族の男に付き添ったまま目を覚ました。男は眠っていたが、どうやら枕元の燭台から溶けた蝋燭が小六にかかないよう腕を伸ばしていたらしい。…これほどの仕打ちを受ければ性格も変わるはずだが、それでも善良な心が残っているとは…しかし男は再び高熱を出してしまう。老木は見切りをつけて棺の準備に出かけたが、小六は男の包帯の上ですっかり固まった蝋を見て心が動いた。「安心しろ、俺は神医だ、すぐ良くなる」小六は手首を切って男に自分の血を飲ませた。小六の献身的な看護が実を結び、神族の男は起き上がれるまでに回復した。そこで湯浴みをさせることにしたが、男は小六に触れられるのを頑なに拒む。「身体を拭いて薬を塗り、頭を洗ったのも俺だ、今さら気にするな」小六は遠慮なく男の肌着を脱がせ始めたが、なぜか急に鼓動が激しくなってしまう。「ちょっと用事を思い出した、後は自分で…」すると感の鋭い男は小六の様子から実は医者が女子だと見抜いた。つづく( ̄▽ ̄;)小夭のおでこの印ってあざだったのか…
2024.07.29
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长相思 lost you forever第1話西炎(セイエン)山の頂に見える朝雲(チョウウン)殿。ここは西炎(セイエン)国の王后の寝宮で、西陵纈祖(セイリョウケッソ)は静養しながら前庭で遊んでいる2人の孫を見守っていた。静かに書を読んでいるのは王孫の瑲玹(ソウゲン)。片や鳳凰木の鞦韆(ブランコ)で遊んでいるお転婆な娘は外孫の小夭(ショウヨウ)だ。すると瑲玹は出征した父がいつ帰るのか祖母に尋ねた。その時、突然、西炎山の空に暗雲が垂れ込める。西陵纈祖はそれが悲しい知らせだと気づき、衝撃から気を失ってしまう。出征していた四王子・西炎仲意(セイエンチュウイ)が戦死した。瑲玹は父の突然の訃報に呆然と立ちすくんでいたが、墓を閉じる時間になっても王妃・濁山昌僕(ダクザンショウボク)の姿はない。西炎国王は仕方なく墓を閉じるよう命じたが、瑲玹が止めた。すると九王子・西炎夷澎(イホウ)が祖父に口答えした甥を叱責する。その時、ついに真紅の衣をまとった昌僕が現れた。濁山昌僕は夫が九皇子の裏切りで死んだと暴露した。西炎夷澎が私怨で軍報を止めたせいで援軍が間に合わず大敗、夫と6000人に上る若水族の兵士が犠牲になってしまう。しかし国王も夷澎も昌僕が悲しみのあまり錯乱していると取り合わなかった。思い詰めた昌僕は夫と一族の敵を討たねば顔向けできないと訴え、隠し持っていた短剣でいきなり夷澎を刺し殺してしまう。「瑲玹、お別れよ…」すると昌僕は髪に挿していた花を息子に渡した。「いつか愛する人にこの若木(ジャクボク)花を贈りなさい…父上の所へ行くわ」昌僕は瑲玹を突き飛ばして西陵珩(セイリョウコウ)に託し、自ら胸を刺して夫の墓に身を投げてしまう。小夭の母・西陵珩は王后に育てられた愛弟子で、王姫に封じられて皓翎(コウレイ)王に嫁いだ。師匠の看病で西炎国に戻っていたが、このまま朝雲峰に留まって玱玹と小夭を育てるという。「皓翎に戻らないと?」「私と皓翎王は別れました、もはや皓翎王妃ではありません」するとついに西陵纈祖は喀血、死期を悟った西陵纈祖は2人の孫を呼んだ。西陵纈祖は朝雲峰のたった1人の男子である瑲玹に朝雲峰を任せた。今後の苦難の道を思うと胸が痛んだが、小夭は自分が必ず従兄を守ってみせると安心させる。「お前たち2人はお互いを大切にして助け合って生きていくのよ ここで誓ってちょうだい、生涯お互いを信じ、その誠意を疑わないと そしてお互いを思い合い、決して裏切らない…」瑲玹と小夭が復唱して誓いを立てると、王后はその言葉を聞いて静かに息を引き取った。瑲玹は朝雲峰を任されたものの、祖母も両親も失い、裏山で途方に暮れていた。すると従兄弟たちが現れ、後ろ盾を失った瑲玹は寄ってたかっていじめられてしまう。しかしそこに小夭が駆けつけた。「やめなさい!父上に捕らえさせるわよ!」「何が父上だ!お前の母親は皓翎王と別れたんだぞ?!」両親が別れたことを知らなかった小夭は激怒、母譲りの武功で従兄弟たちをボコボコにして追い払った。小夭と瑲玹は鳳凰林で2人だけの約束を交わした。「女子は大きくなったら嫁ぐ、そうなれば離ればなれになるな…」「そうだ、私はずっと妹妹でいる」「じゃあ私は哥哥だ、何があろうと一緒にいよう!」「私たちは永遠に離れない、約束よ?」「約束だ!」そんなある夜、ふいに目を覚ました瑲玹は書卓で泣いている姑姑に気づいた。実は西陵珩は王姫大将軍として出征するよう命じられたという。瑲玹の父の戦死後、西炎国は敗北を喫し、辰栄(シンエイ)軍が城下に迫っていた。「国を守り民を守るのは王姫として当然の務めなの」西陵珩は必ず戻ると安心させ、濁山昌僕が自害に使った短剣を形見として瑲玹に渡した。この短剣は皓翎王が瑲玹の両親の成婚祝いに贈ったものだという。「朝雲峰はあなたたちだけになる、自分と小夭の身は守れるわね? 小夭は…あの子はあなたと少し″違う″、だからしっかり面倒見てやってね」翌朝、西陵珩は自分の持つ知識を収納した首飾りを娘に渡し、すぐ戻ると約束した。小夭は指切りして母を見送ったが、結局、西陵珩も戦死してしまう。西炎王は小夭を玉(ギョク)山へ送り、王母(オウボ)を師として修行させると決めた。玉山は世俗を離れ独立した世界、王母も霊力が強く、亡き祖母の友でもあるという。瑲玹は涙ながらに小夭と離れたくないと叩頭したが、西炎王は小夭の身の安全のためだと言い聞かせた。「今のお前では小夭を守れぬ、ひざまずいてはこの座にたどり着けぬぞ?!」小夭との別れの日、瑲玹は必ず小夭を迎えに行くと約束した。そこで小夭は肌身離さず持っていた九尾狐の尾の飾りを贈り、再会を願って旅立つ。「できるだけ早く迎えにいくよ」「分かった、待ってるから」小夭は瑲玹の前では決して涙を見せなかったが、馬車が出発するとあふれる涙を止められなかった。そして300年後。清水(セイスイ)鎮では村人が集まり、石妖(セキヨウ)の霊石に映る幼い王孫と王姫の悲しい物語に耳を傾けていた。…上古の時代、人間と神と妖が一緒に暮らす世界皓翎国は最も豊かで国力に富み、辰栄国は肥沃な地にして最も民が多く、西炎国は厳格な法と最強の兵力を誇っていたこの三国は三大神族として天下の勢力を三分していたが、300年前、西炎と辰荣が戦となり、西炎王姫大将軍と辰栄国大将軍・赤宸(セキシン)が血戦、共に相果ててしまう結局、敗れた辰栄国は西炎国に下り、これを機に三国鼎立の世は二国の対峙へと様変わりしたこの時、朝雲殿に残されたのが哀れな2人の遺児しかし2人も離ればなれになってしまう…その時、医者の玟⼩六(ビンショウリク)がやって来た。すると小六は薬を買ってくれる客を待ちながら、講談の続きを聞き始める。…朝雲峰の西炎王の后には子供が3人、弟子が1人いずれも文武両道の傑物だったが全て戦場で国に殉じ、残された孫2人も西炎国を追われる運命だった西炎王の王孫は玉山で修行することになった皓翎国の王姫を見送る王姫は別れの形見に玉佩を贈り、再会を願って別れたのだった…「渡したのは玉佩じゃない九尾狐の尾だ…」講談を聞いていた小六はなぜか王姫が王孫に渡した品が違うと知っていた。…王姫は玉山で再び王孫に会える日を待ち続けたしかし王孫は叔父たちの排斥を受け、人質として皓翎国へ送られてしまうとは言え豊かな皓翎の地は他郷ながら王孫にとって第二の故郷となり、今は二王姫を連れて遊歴しているという…ちょうどその頃、清水鎮に九尾狐の尾を持った青年・軒(ケン)の馬車が到着した。一見、平凡に見える清水鎮。しかし善悪混交の地と呼ばれ、西炎国からも皓翎国からも支配を受けない化外(ケガイ)の地だという。すると面紗で顔を隠した妹・阿念(アネン)は、何が現れても五神山で飼い慣らしてみせると自信を見せた。軒は市場にいた娘の額にある花鈿(カデン)を見て慌てて追いかけた。「失礼、人違いでした…」ふと気がつけばその娘だけでなく、市場にいる若い娘は皆、額に小夭と同じような花鈿があった。つづく
2024.03.19
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※ネタバレご注意ください!长相思 lost you forever【何となく視聴した気分になれる長相思1季】昔々、人、神、妖が共存していた頃母と西炎国に身を寄せていた女主・小夭(シャオヤオ)は戦乱で遺児となり、玉山へ修行に出されます幼馴染で王孫の哥哥こと玱玹(チァンシュエン)は必ず迎えに行くと誓いますが、小夭は行方知れずにそれから300年後、身分も本当の容貌さえも失った小夭は清水鎮で医者・小六(シャオリウ)として気ままに暮らしていました1~13話までは女主と彼女をとりまく男主たちとの出会いそしていよいよ小夭の身分が明かされ、父と再会を果たします第15話「小夭の母が生きていた?!」このシーンを見た時、まあまあ驚きました( ̄▽ ̄;)何しろ叫ぶ叫ぶ「にいやあ~」「ぐぁ~ぐぁ~」「ぐぉ~ぐぉ~」第22話「小夭、哥哥を守る」気を抜いていたらまた来ましたwww泣くわ叫ぶわでもうお腹いっぱいw第25話「禁断症状で暴れる哥哥」哥哥熱演?いや怪演?w第30話「まさかの女主死す!」なのにキリトルのが↓ここw第36話「失恋の末に…」最後はどんだけ盛大な泣き芸が来るのか?!と待ち構えていたら急にしおらしくなるという…ガガはそばにいてね・・・( ತ _ತ)知らんがなさて1季は小夭の後押しもあり玱玹が王位を継承したところで終わりました結局、このドラマって小夭が最終的に誰を選ぶのか?って話なのかな?そうなるとわりとどうでもいいような気がwww(ヾノ・∀・`)イヤイヤイヤイヤイヤ…楽しかったんですよ(←フォローになってないw果たして2季はいつになるのでしょうか?あのごたごた加減から、しばらくかかりそうですね2季23話の配信が終わりました!話数が少ない分、怒涛の展開で飽きさせませんが、どうやら原作とは違うとか日本放送が楽しみですね
2023.09.21
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