としのすけのワインハウス

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ワインは悪酔いしやすいか?


それぞれに原因があったりしますが、一般論で考えていきますと、原因は大きく7つあると考えられます。

【原因1】アルコールの過大摂取

悪酔いの主な原因は何といっても過度のアルコール摂取。(笑)
ワインはとても美味しいので・・・ついつい大量摂取してしまいます。(^^;)
アルコールは「百薬の長」と言われるとおり、適量を摂取すれば心地よい「酔い」をもたらす「快楽の水」ですが、過度に摂取すると大変な事になるのです。
アルコールはアセトアルデヒドを経て酢酸分解され、最後は水と二酸化炭素になるのですが、この「アセトアルデヒド」が結構な毒物で、体重1Kgあたり300mgもあると二人に一人は死んでしまう程の毒です。
このアセトアルデヒド、通常は肝臓で酵素(アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ)によってすぐに酸化され酢酸になるのですが、アルコールを摂り過ぎてアセトアルデヒドの量が過多になり酵素(アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ)の処理能力を超えると、酢酸に酸化しきれないアセトアルデヒドが出てきて、顔の紅潮(フラッシング)、心拍数の上昇、頭痛などを起こします。
従って、酒を飲むとすぐに赤くなるのは酒が体質に合わない(アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼを十分持っていない)目印とも言えますね。
ちなみに、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼには「即効型」と「遅効型」の2種類があり、日本人は遺伝的に「即効型」を持っていない人が多いようです。
(だから、欧米人に比べて酒が弱いのですね。欧米人が酒に強いのは、氷河時代、冬場の食料は保存食料に頼らなければならず、往々にして食料がアルコール発酵しており、アルコールに強い人しか生き残れなかった為と言われています。)
「即効型」を持っていないと、完全にアルコールが代謝されるには、ほぼ24時間かかります。

【原因2】水分、ミネラルバランスの異常

これも結局はワインが美味しいせいで大量摂取することに起因するのですが・・・(^^;)
アルコールには体内の水分を奪う脱水作用と尿の排泄をうながす利尿作用があります。
その結果、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ビタミンB1/B2/Cなどを体内から排出することになります。
特に嘔吐や下痢を伴うとカリウム、マグネシウムが失われて脱力、消化管機能低下、不整脈などの原因になります。
また、アルコールが分解されていく過程でも、多量の水分や塩類を消費します。
その結果、体の水分バランス、ミネラルバランスが崩れて体調を崩すことはあり得ます

【原因3】ヒスタミン過敏

ワイン、特に赤ワインはお酒の中ではヒスタミンを多く含んでいます。
ヒスタミンには血管(細動脈)を拡張する働きがあり、この血管拡張が頭の中で起こると、それが神経を圧迫して「ヒスタミン頭痛」という症状を引き起こすことがあります。
ヒスタミンは古くなった青魚にも多く含まれますから、古い青魚を食べても頭痛がするようならヒスタミン過敏かもしれません。
(青魚にヒスタミンが多いのは、魚に含まれるヒスチジンが微生物の作用を受けてヒスタミンに変化するためです)

【原因4】フーゼル油過敏

悪酔いの原因として「フーゼル油」の混入がよく指摘されます。
フーゼル油とはエタノール発酵にごく微量混入する、n(ノルマル)プロパノールなどのやや分子量の大きいアルコール類で、酒に複雑で奥深い香りをもたらす有用な成分なのですが、頭痛を起こす原因物質としても知られています。
一般にフーゼル油はワイン等の醸造酒に多く、蒸留酒に少ないといわれていますが、焼酎の方が清酒やワインより多いという調査結果もあります。
ホントのところはどうなんでしょう?(^^;)

【原因5】メチルアルコール過敏

「目が散る」ことで有名なメチルアルコールも頭痛を起します。
メチルアルコールの含有量を調べると一般的にワインが一番多いので、ワインが苦手な人はメチルアルコールに過敏なのかもしれませんね。
ちなみに日本酒はワインの100分の1、焼酎はワインの10000分の1程度とといわれています。

【原因6】亜硫酸塩過敏

発酵の制御や酸化防止の目的でワインに欠かすことのできない亜硫酸は、摂り過ぎると肝臓機能を低下させ、アルコールやその他の毒物の代謝機能を低下させます。
その結果、頭痛が起こりやすくなることは考えられます。
しかし、亜硫酸は酸素と結びつくとすぐ分解されるので、デキャンタージュしたり時間をおいて飲む(早期に開栓しておく)ことである程度取り除けます。
また、亜硫酸塩無添加の自然派ワインや最近流行のビオワイン(ビオロジック・ビオディナミック農法で作られた葡萄を用いたワインで亜硫酸塩無添加の場合が多い)もあるので、これらで大丈夫なら原因は亜硫酸でしょう。

【原因7】チラミン過敏

チラミンは、赤ぶどうの皮に含まれるアミノ酸が発酵した時に生成される成分で、血管を収縮させる作用があります。
脳の血管は、チラミンによって収縮させられると元に戻ろうとして過度に拡張してしまい、ヒスタミン頭痛と同じメカニズムで神経が刺激され頭痛を引き起こす可能性があります。
チラミンは、ワインだけでなくチーズやチョコにも含まれているので、ワイン&チーズ・チョコレートはチラミンに過敏な方にはお勧めできないマリアージュです。(笑)
ちなみに、カフェインにも血管収縮作用があるので同じことが起こる可能性があります。ご注意ください。

【で、どうするのよ】

「頭痛」は結局のところアルコールの神経麻痺作用やその他の毒物に対する生体の防御反応の結果です。
従って、「頭痛がするほど飲まない」のが一番大切。
自分の体と相談して、適量のアルコールを楽しむように致しましょう。(^^)


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