ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2009.01.22
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カテゴリ: 民衆の歴史
マリア信仰の形成(7)

産児制限の思想や方法が普及する以前、女性たちはいったい何人位の子どもを生んでいたのだろうか。これは、人口史に関心のある人たちにとって、大変興味のあるテーマでした。そして実はカトリックの国や地域では、このことは比較的調べやすかったのです。

そうです。プロテスタントに批判された幼児洗礼の伝統が、カトリック世界では長く残っていたからです。生まれるとすぐに、教会に連れて行かれて、神父さんの祝福を受け、洗礼名をいただくのです。そして神父は、教区の名簿に新たな信者の名を記載します。亡くなる時も、司祭に祈ってもらいます。こうして、カトリック地域では、こうした教区民の名簿が残されてさえいれば、村や町の人口変動を追う事は、そう難しいことではないのです。

こうした何点かの調査の結果から、結婚した女性の最終出産年齢は、どの地域でもおよそ40歳くらいであることが分かります。また、夫が健在である家庭の妻は、平均して2年に1回は出産していることも確認されています。

そして、17世紀の記録になるのですが、夫と妻が共に、健在で40代を迎えた夫婦の場合の、平均的な出生数は、6~7人となっています。ここから、生活に余裕のある王侯や大貴族、大ブルジョワの家庭を別とすると、比較的晩婚であったことが理解できます。女性の場合で、20代の半ばでの結婚が多かったのです。

面白いことに、経済が不振の時期や、大凶作の後などでは、20代後半、30近くなっての結婚が多くなったりもしています。農民や都市の一般市民や下層民は、避妊法を知らない代わりに、結婚年齢を繰り下げることで、子沢山を回避していたのです。

子どもは生まれてしまうものでした。では生まれた子どもはどうするのか。ここにも色々な問題がありました。「女性は、生む機械」と発言して、問題を引き起こした大臣までいましたが、王侯貴族や大ブルジョワの家庭では、妻はまさしく跡継ぎを生む機械でした。宗教は融通無碍のところがありますから、庶民の離婚は認めないカトリック教会も、跡継ぎの出来ない名門家庭では、分けのわからない理屈を拵えては、離婚を認めていたのです。佐藤賢一の直木賞受賞作『王妃の離婚』は、まさにそうしたケースを記しています。

この場合も、妻が自ら授乳し、赤子を育てることはありえません。乳母が選ばれていて、養育は乳母に任されます。授乳は体力の回復を遅らせるため、次の妊娠に影響するからです。マリー・アントワネットの母、オーストリア女帝のマリア・テレジアは、こうして何と16人もの子を産んだのです。アントワネットは、その末っ子でした。

乳母に子を預けるのは、上流階級や裕福な家庭だけだったでしょうか。実はそうではありません。生産力が低く、社会全体として、決して豊かとは言えないこの時代においては、夫婦は労働共同体でもあったのです。僅かな畑を耕す自作農や小作農も、都市の親方や職人も同じでした。農地や道具と言った生産手段を持たない(或いは借用できない)農民や職人は、当然一家を構えることは出来ません。



農家の妻は、都市の市民の子どもを何人も預かり、その費用を受け取ることで、農業労働の片手間に、仕事としての授乳時間を確保したのです。しかし、それは短時間でした。いったい、子ども達は、どのように育てられたのでしょうか。そして、どのくらいの子が育ったのでしょうか。
                        続く





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最終更新日  2009.01.22 13:09:36
コメント(18) | コメントを書く


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私たちの年代  
きちはな  さん
周りにいる家庭は、5人兄弟なんてたくさんいました

7~8人の人も珍しくなかったです

今ではあまり沢山いるとなんだか少し恥ずかしい気持ちが働くのでしょうか?

でも今現実的には、普通のサラリーマンではそんな
大家族養えないですね

華たんのかんずめメーカー調べて今度載せますね (2009.01.22 15:41:22)

Re:マリア信仰の形成(7)(01/22)  
Mrs. Linda  さん
ますます面白くなってきました。 (2009.01.22 17:07:04)

昔の  
神秘家の庵  さん
日本でも似たような話がありますね。 (2009.01.22 17:26:16)

Hello!  
ジョー0114  さん
Watashi wa telkkiri, jouryuu katei de no hahaoya no ikuji tazu sawari ga kinshi sare te iru riyuu wa, ai no ketsujo wo tsumugu tame dato omotte imashita.
Shihai sou to iu no wa aruteido no jiko chuushin teki na kangae kata ga nai to, kibishii ketsudan ga shidurai.
Kibishii ketsudan wo suru tame ni wa ironna seiyaku no naka de okorasare, muki ni narasareru uchi ni, hanmen kyousi no kouka mo shouji, hito no ue ni tatsu utsuwa wo motsu hito nigiri no ningen ga keisei sare te kita no dewa nakarouka...
Sonna huu ni kangae te kimashita.
(2009.01.22 17:32:48)

考。  
山デジ  さん



(2009.01.22 20:17:03)

こんばんは  
kopanda06  さん
育児にはどうしても資金も必要ですから、苦労も多くあります。
昔の人は苦しいなりの工夫をしてきたのですね。

(2009.01.22 21:24:59)

女に生まれて…  
lemidori  さん
日本などでは、裕福な家庭でなければ、少し大きくなった兄や姉が妹や弟の面倒をみたのが普通だったように思います。

長女を産んだとき病院で一緒だった方は、跡継ぎとしての男の子をと嫁ぎ先で強く強く望まれて、2年おきに4人目を産んだ方でした。その4人目を含めぜ~んぶ女の子!

おじいちゃんも、その方も、産まれた子供も、みんなお気の毒!

わたしは、妊娠中から今まで、ほんとに楽しんで子育てしてきました^^ 女に生まれて、すっごく幸せです!!\(^o^)/ 
(2009.01.22 21:40:17)

Re:マリア信仰の形成(7)(01/22)  
danmama313  さん
日本でも子供達が「丁稚奉公」や「子守」に出された歴史がありますから西洋でも同じ様な事があったのでしょうが「生後間もなく」というのは、ちょっと可愛そうですね... (2009.01.23 10:47:01)

Re:マリア信仰の形成(7)(01/22)  
こんにちは~^^。。
女性は子を産む機械・・言葉は選んでいただきたいけれど^^;男性には産めませんからね~・・(苦笑)
西洋事情、興味深く。。
しかし・・三つ子の魂百までも~?気になります。。 (2009.01.23 13:55:20)

Re:私たちの年代(01/22)  
ザビ神父  さん
きちはなさん
>周りにいる家庭は、5人兄弟なんてたくさんいました
>7~8人の人も珍しくなかったです

私も6人兄弟です。産めよ増やせよの時代でしたから…

>今ではあまり沢山いるとなんだか少し恥ずかしい気持ちが働くのでしょうか?
>でも今現実的には、普通のサラリーマンではそんな
>大家族養えないですね

子ども好きでないと、大変ですし、確かにお金もかかりますね。
               ザビ (2009.01.23 21:04:03)

Re[1]:マリア信仰の形成(7)(01/22)  
ザビ神父  さん
Mrs. Lindaさん
>ますます面白くなってきました。
-----
有難うございます。頑張ります。
                   ザビ (2009.01.23 21:04:38)

Re:昔の(01/22)  
ザビ神父  さん
神秘家の庵さん
>日本でも似たような話がありますね。
-----
日本の場合、働きに出していますね。似て非なるような気がします。水田耕作は圧倒的に収穫が高いですから…
               ザビ (2009.01.23 21:07:26)

Re:Hello!(01/22)  
ザビ神父  さん
ジョー0114さん
>Watashi wa telkkiri, jouryuu katei de no hahaoya no ikuji tazu sawari ga kinshi sare te iru riyuu wa, ai no ketsujo wo tsumugu tame dato omotte imashita.
>Shihai sou to iu no wa aruteido no jiko chuushin teki na kangae kata ga nai to, kibishii ketsudan ga shidurai.
>Kibishii ketsudan wo suru tame ni wa ironna seiyaku no naka de okorasare, muki ni narasareru uchi ni, hanmen kyousi no kouka mo shouji, hito no ue ni tatsu utsuwa wo motsu hito nigiri no ningen ga keisei sare te kita no dewa nakarouka...
>Sonna huu ni kangae te kimashita.
-----
今晩は。ジョーさんのお考えの通りなら、もっと名君が沢山出ても不思議はないですね。しかし、そうはなっていませんね。支配の学は、傳役によって授けられます。選ばれた傳役次第だったようですよ。
                  ザビ (2009.01.23 21:13:06)

Re:考。(01/22)  
ザビ神父  さん
山デジさん
>5~6歳で労働力。金(生活の足し)には成るけど預かったら手放す事に成る。何を考え出したのか...。
-----
農村に里子と言うのは、乳母に預け、乳母を終えると保母になると言うわけです。子を預かる契約ですから… これは19世紀まであります。
                 ザビ (2009.01.23 21:15:11)

Re:こんばんは(01/22)  
ザビ神父  さん
kopanda06さん
>育児にはどうしても資金も必要ですから、苦労も多くあります。
>昔の人は苦しいなりの工夫をしてきたのですね。
-----
しかし、農村への里子は、決して環境良好と言うわけではありませんから、余計に幼児死亡率を引き上げていたことも事実です。
                ザビ (2009.01.23 21:17:01)

Re:女に生まれて…(01/22)  
ザビ神父  さん
lemidoriさん
>日本などでは、裕福な家庭でなければ、少し大きくなった兄や姉が妹や弟の面倒をみたのが普通だったように思います。

私は6人兄弟の5番目、姉がよく背負って暮れていたようですが、おしっこで何度背中を濡らされたかといった話を聞かされます(苦笑)。憶えはないのですが…

>長女を産んだとき病院で一緒だった方は、跡継ぎとしての男の子をと嫁ぎ先で強く強く望まれて、2年おきに4人目を産んだ方でした。その4人目を含めぜ~んぶ女の子!

ヒャー。メンデルの法則の例外ですね。3:1にならないとは… 確かにお気の毒です。

>わたしは、妊娠中から今まで、ほんとに楽しんで子育てしてきました^^ 女に生まれて、すっごく幸せです!!\(^o^)/ 
-----
そういえる、レミさんはご立派です。ただレミ夫氏が、協力的であることも大きいでしょうね。
                ザビ (2009.01.23 21:23:14)

Re[1]:マリア信仰の形成(7)(01/22)  
ザビ神父  さん
danmama313さん
>日本でも子供達が「丁稚奉公」や「子守」に出された歴史がありますから西洋でも同じ様な事があったのでしょうが「生後間もなく」というのは、ちょっと可愛そうですね...
-----
丁稚奉公や子守は、労働力となってからですね。それは、そのまま当てはまります。それとは別に、赤子を自分で育てないのです。赤子は「子」として認識されないのですね。
                 ザビ (2009.01.23 21:26:16)

Re[1]:マリア信仰の形成(7)(01/22)  
ザビ神父  さん
ポンちゃん50さん
>こんにちは~^^。。
>女性は子を産む機械・・言葉は選んでいただきたいけれど^^;男性には産めませんからね~・・(苦笑)
>西洋事情、興味深く。。
>しかし・・三つ子の魂百までも~?気になります。。
-----
三つ子の魂…の諺は、いかにも日本的です。でも真実ですよね。
              ザビ (2009.01.23 21:27:31)

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