偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2011.05.14
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カテゴリ: 銀輪万葉

 12日は雨中の富士から富士宮への銀輪散歩となりました。富士宮市には大雨警報が出ていたが、富士まで来たら富士山本宮浅間大社に詣でなくてはなるまいと、ともかくも富士宮を目指す。走り始めは雨も殆ど降らず、降っても霧雨のようなものにて、雨具の必要もない位のものであったが、上衣だけ雨用コートを羽織って出発する。JR身延線に平行して富士宮へと通じている国道139号を行く。車の通行も結構あり、歩道の幅も狭く、走り心地は余りよくない。しかし、地図を忘れて来た上、雨で富士山も見えないので方角の見当もつかないとあっては、道路の標識の「富士宮〇km」だけが頼りなので、国道を走るしかない。道路沿いに白山神社があったので立ち寄り小休止。

白山神社.JPG
​(白山神社)​

 曹洞宗と白山神社の関係は下の説明文で初めて知りました。

白山神社 (2).JPG

 白山神社から500m程進むと国道139号は大きく右に折れる。直進すると県道であるが、直進する。県道に入ると途端に標識が無くなる。不安になって道行く人に尋ねると、直進でいいとのこと。 やがてしっかりした雨に。ザックから雨用のズボンを取り出して着用。目の前に駅舎らしきものが見えて来た。JR身延線の富士宮駅である。

富士宮駅.JPG ​(富士宮駅)​

 駅から北東の方角に浅間大社はあった筈と駅前で右に入るが大鳥居が見えて来ないので一つ早く右に入ってしまったことに気付く。少し戻って、正しい道に。

浅間大社.JPG
​(浅間大社の大鳥居)​

 浅間大社は、富士山の噴火で周辺住民が離散し荒れ果てた状態が長期に及んでいたため、垂仁天皇がこれを憂い、浅間大神(木花之佐久夜毘売命のこと)を富士山麓に祀ったのが、その起源とする。当初は山麓の適所を選んで祭祀を営んでいたと見られるが、やがて山宮の地(現在の浅間大社の地の約6km北方の地)に祭祀を営むようになり、大同元年(806年)に平城天皇の勅命により、坂上田村麻呂が現在地に社殿を造営し、山宮から遷座したのが、現在の浅間大社である。
祭神の 木花佐久夜毘売 ( このはなさくやひめ )
大山祇 ( おおやまつみ ) の娘で 瓊々杵尊 ( ににぎのみこと ) の妻となり、三人の子を産む。その一人 彦火火出見尊 ( ひこほほでみのみこと ) (山幸彦) が神武天皇の祖父であるから、彼女は神武天皇の曾祖母ということになる。また、ニニギノミコトが醜女である姉の磐長姫を選ばず美人である妹の木花開耶姫の方を選んで妻として子をなした結果、その子孫たる人間の寿命が短いものとなったというのであるから、面白い(日本書紀神代下第九段)。

浅間大社  (2).JPG
​(太鼓橋から楼門へ。神木の桜の木の下を行く。)​

 現社殿は慶長9年(1604年)に徳川家康が寄進したものとのことであるが、寛永、安政の大地震などで倒壊したものもあり、当時の建物で現存するのは、本殿、幣殿、拝殿、楼門のみであるとのこと。

浅間大社  (3).JPG
(楼門)

 楼門前の石段中央にあるのは鉾立石。明治初年まで行われていた山宮御神幸の際に、神鉾をこの石に立てて休め奉ったとある。前の道は「桜の馬場」。5月5日には流鏑馬神事がここで行われているとのこと。桜の木が両サイドに植えられている。祭神が木花咲耶姫だけあって、此処では桜が神木となっているのですな。境内には多くの桜の木。花の盛りには桜の名所として賑うそうな。

浅間大社 .JPG
​(本殿)​

南極の石.JPG
​(富士山の火山弾)      (南極の石)​

 本殿の左側に、何かが置かれている。近付いてみると富士山の火山弾と南極の石でありました。

湧玉池.JPG
​(湧玉池)​
湧玉池 (2).JPG
​(同上)​

湧玉池 - コピー.JPG

 当初の予定では、大石寺から白糸の滝辺りまで、潤井川沿いを遡って走ることとしていたが、地図も忘れ、雨も降り、大雨警報が出ているとあっては、その気力も失せて、引き返すこととする。
 復路は県道と国道139号がぶつかる処で左折し身延線を渡り、富士根駅前から潤井川沿いを走ることとする。山本勘助生誕地がこの辺りで、その生誕地碑があるらしいので、それを目指すがさっぱり道が分らない。下調べも十分していない思い付きの目的地。所在する場所の地名も分らないのでは見つけられる筈もない(笑)。

潤井川.JPG
​(潤井川、山本付近。)​

 潤井川の対岸が山本の地、その高台の何処かに勘助生誕地碑はあるのだろうが、渡るべき橋が行けども、行けども無い。第二東名高速道路の工事囲いの処で県道に戻り、身延線に平行して走る。もう何と言って目的地もないので、目を引くものに立ち寄るなどの行き当りばったりのいつもの銀輪散歩となりました。

アヤメ .JPG
​(アヤメ)​

 道端のアヤメにも挨拶をして行く。

アヤメ  (2).JPG

 そして、松岳寺という曹洞宗の小さな寺に出会う。境内に歌碑がありました。道元の歌ならと思いましたが、仮名遣いが違いますな。

      梅花観音御詠歌
のりのおと みめぐみおおき かんぜおん
        おがむこころは のちのよのため

 道元の歌と言えば「春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえてすずしかりけり」が有名であるが、お坊さんらしい歌を2首ばかり掲載して置きますかな。

草の庵に ねてもさめても 申すこと
          南無釈迦牟尼仏 憐れみたまへ

とどまらぬ  ( ひま ) ゆく駒の ゆくすゑに  ( のり ) の道うる 人ぞ少なき​

         ~松本章男著「道元の和歌」(中公新書)より~

松岳寺.JPG
​(松岳寺)​

 この後、曽我兄弟の墓所のある曽我寺、万葉歌碑のある広見公園などへと回りますが、そろそろ文字数制限に引っ掛かりそうなので、本日はここまでとします。
<関連記事> 富士山と山部赤人万葉歌碑
曽我寺から広見公園万葉歌碑へ
富士銀輪散歩余録
<追記・注>
「富士山の火山弾」と 梅花観音御詠歌の歌碑の写真が横倒しの歪んだ画像になっていたので、2020年11月5日これらを復元修正しました。
過去記事の写真が歪んでいたりすること ​  2020.10.12.






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最終更新日  2020.11.05 20:30:38
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