偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2021.11.27
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カテゴリ: 銀輪万葉
​​  気が 付けばブログ更新、1週間もサボっていました。
 ネタが​無かった訳ではなく、何となくブログ記事を書く気にならなかったというだけのことでした。
 前ページの記事タイトルは「近隣紅葉散歩」でしたが、紅葉の時期を
近隣紅葉散歩だけで やり過ごすのもいかがなものか。
 さりとて、遠方まで出かけるのも面倒とて、奈良の正暦寺まで銀輪散歩に出かけて参りました。
 先日(25日)のことである。近隣散歩よりも少しばかり遠方である近場ということで、言わば「中近隣紅葉散歩」である。
 この寺の紅葉を訪ねるのは久々のこと。前回は多分20年以上も前のことにて記憶もあやふやなのだが、紅葉が見事であったことだけは印象深く残っているので、思い立って出かけてみることにしたもの。
 朝8時半頃、近鉄奈良駅前。わが愛車の小型折りたたみ自転車・トレンクル君を組み立てて出発。
 奈良地裁、奈良県庁を左に、興福寺を右に見て国道369号を東へ。

(奈良公園の紅葉)
 県庁の前で興福寺の境内へと入り、東金堂、五重塔の裏となる東側通路を南へ。
 五重塔の裏で
左折して、 ​​​ 会津八一の歌碑のある通路を東へ。
はるきぬと いまかもろびと ゆきかへり
        ほとけのにはに はなさくらしも (会津八一)
(春がやって来たと、今や多くの人々が往き来する興福寺の庭には、桜の花が咲いていることだろう。) ​​​​
​​ ​ 上の歌では季節が合わないので、ヤカモチが改変して詠むことといたしましょう。
あきゆく と いまかをじかの なきとよみ
       ほとけのにはに つまどひすらし (偐家持)

(秋が行ってしまうと、今や牡鹿が、鳴き声を響きわたらせて、興福寺の庭で妻問いをしていることだろう。)
<参考>上記会津八一歌碑の写真掲載記事は下記です。
    ​ 大仏殿から興福寺へ ​ 2019.2.28.​​​

 国道169号に出てこれを右折、南へ。
 春日大社の一の鳥居の前を過ぎて、荒池の手前、四季亭の南側の脇道に入り、鷺池へと向かう。

(鷺池と浮見堂)
 浮見堂を眺めつつ、池を半周して県道80号
(東大寺南大門から南へと延びている道) に出ると、飛火野の向こうに若草山が見える。

(飛火野と若草山)
 県道80号を南へ。高畑交差点を過ぎた右側(西側)にあったホテルウェルネス飛鳥路が撤去されて更地になっていました。このホテルは昔、若草読書会の人たちと宿泊したことがある。その頃は飛鳥荘とか何とか別の名前だったような気がするが、思い出せない。
 ホテル建物が撤去されてしまったので、その敷地西側の史蹟・頭塔が県道側からでもよく見える。

​(頭塔 県道80号から撮影)
 頭塔は、友人の偐山頭火氏との銀輪散歩で訪ねて居り、下掲<参考>記事に詳しく紹介している。
<参考>​ 古事記撰上1300年銀輪散歩・頭塔から田原の里へ ​ 2012.2.28.
 県道80号は奈良教育大学の先の東紀寺3丁目交差点で東へと左に折れていて、直進すると県道188号となる。
 県道188号となってスグに、白毫寺北側・春日奥山から流れて来る能登川を渡り、奈良護国神社の手前で岩井川を渡る。この能登川・岩井川の両川は下流の岩井橋の手前で合流しているが、以前、その合流地点を撮影してブログ記事に載せたことがある。
<参考>​ 奈良銀輪散歩(その1) ​ 2009.5.19.
 当分は、この県道188号を道なりに南へ、
​​​​​​​
ひたすら ​​​ 走ります。
 円照寺の先、山村町バス停の手前で県道188号は右(西)方向に大きくカーブしますが、ここで県道188号にお別れして直進、東海自然歩道(山の辺の道)に入る。左方向に緩やかにカーブしつつ急坂道を上りきると、下り坂となって、柳茶屋バス停前の分岐に到着である。
<参考>円照寺の写真掲載記事は下記です。
    ​ 北・山の辺の道銀輪散歩・鷺池から竜王池まで ​ 2012.3.26.


(柳茶屋 左・正暦寺、右・弘仁寺)
 柳茶屋から右に国道187号を行くと、弘仁寺を経て白川ダムへと至るのであるが、2012年3月の銀輪散歩で走っているので、今回は省略。
<参考>弘仁寺、白川ダムの写真掲載記事は下記です。
    ​ 北・山の辺の道銀輪散歩・御霊神社から梅林まで ​ 2012.3.27.

 柳茶屋からは、菩提仙川に沿って、坂道を上ります。
 菩提山町へとひたすら上り道。
 昔もやはり、今回と同じくこのトレンクルで走って来たのだが、当時はヤカモチも現役で会社勤めのある身、休日しか銀輪散歩はできないから、その日はきっと土曜日か日曜日または祝日であったのだと思う。加えて
​​​
紅葉の盛りということもあってか、 車が大渋滞。正暦寺のずっと手前まで数珠つなぎに 車が ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ 並んでいたのを覚えている。
 その横をスイスイと自転車で上って行く。駐車場の係のおじさんが、軽やかに上って来たヤカモチを見て「それは電動の自転車か」と声を掛けて来られた。その頃は「電動自転車」という言葉で呼んでいたかどうか定かではないので、そのように話されたかどうかは不明であるが、意味はそのようなことであった。多分、電動自転車が出回り始めた頃で、それはかなり珍しいものであったのだろうと思う。
 調べてみると、1993年ヤマハ発動機が発売した電動ハイブリッド自転車・ヤマハPASが、世界初の電動アシスト自転車とのこと。
 「いえ、違いますよ。軽い自転車なのでそこそこの坂道は軽々と上れてしまいます。」とヤカモチ。
 そういう会話を記憶しているので、正暦寺への坂道はさしたることもないと思っていたのだが、今回の再挑戦では、息が上がって、途中で一休みする始末。脚力も肺の機能もかなり落ちていることを今更ながらに再認識した次第。前回は息がハアーハアーというようなことはなかった筈だが、今回は違っていました(笑)。
行く坂は 昔のままに あるなれど 老いたか息切れ 銀輪われは (老家持)

(左菩提山道の道標)
 そして、泣き笑い地蔵が出迎えてくれて、正暦寺の標石の前へ。

(泣き笑い地蔵)

(大本山正暦寺の標石)
 しかし、正暦寺はまだ少し先。もう少し上らなくてはなりません。
 まあ、今回は紅葉が目当てでやって来たのだから、この先は、その紅葉を眺めながら「ゆるりと参ろう」であります。

(正暦寺境内図)

(正暦寺の紅葉)
 紅葉の盛りは少し過ぎてしまっている感、無きにしも非ずでありましたが、日に照るもみぢ葉、日を透かし見るもみぢ葉は素晴らしく、まだ十分に楽しめるのでありました。

(同上)
 第2駐車場脇にトレンクルを駐輪して、福寿院エリアへと向かう。

(同上 右は菩提仙川)
 日本清酒発祥の地、という石碑がある。
 正暦寺は、正暦3年(992年)、一条天皇の勅命を受け、九条兼家の息子・兼俊僧正によって創建された寺。
 平家による焼き討ちなど何度も兵火に見舞われ一時は廃墟となるほどであったが、そのつど復興、室町時代には最盛期を迎え、日本清酒の原形となる菩提酛造りが確立したのもこの頃のことだという。
 福寿院では、説明ナレーションを聞くともなく聞いていて、藤原兼家の息子によって創建された云々が耳に入り、「かねいえ」を「ためいえ」と聞き違え、「藤原為家なら藤原定家の息子だから、定家の孫が創建したのか」と一瞬思ったのでありました。しかし、何だか変だと思い、パンフレットを見ると、九条兼家と書いてあることに気づき納得(笑)。
 鎌倉時代の公家の定家。その孫の創建では時代がそもそも合わない。

(日本清酒発祥之地碑)

(正暦寺の紅葉)
 福寿院で、拝観受付。
 山門前の石段下に人麻呂の歌碑。

(人麻呂歌碑)
秋山の もみぢをしげみ 惑ひぬる 妹を求めむ 山道知らずも
                    (柿本人麻呂 万葉集巻2-208)


 悲しい紅葉の歌よりも、ここは楽しい紅葉の歌がよかろうと、ヤカモチはまたも改変して詠むのでありました(笑)。
妹と来し 秋山もみぢ 照る道は 磐根山坂 すがしとそ見ゆ (偐家持)

(正暦寺・福寿院山門)

(正暦寺の紅葉)
 正暦寺は、境内での撮影は禁止とある。
 堂内での撮影禁止はよくあるが、境内全域での禁止というのは珍しい。
 しかし、周辺の紅葉を撮ることまでは禁止していないのだろうと撮影しましたが、これも禁止なのだろうか。
 福寿院エリアを出て、本堂エリアへと向かう。

(同上 本堂エリアへの道)

(同上)

(同上)
 本堂エリアでも拝観受付。拝観券の半券をもぎ取って貰って入場。
 正面の石段を回避してスロープの道を行く。

(同上・本堂への石段)

(同上・スロープの道)

(同上・瑠璃光台の高みから)
 正暦寺の本尊は薬師如来、守護神が牛頭天王と清瀧権現。
 本堂裏の山頂には、その牛頭天王を祀っているようだが、一般人が足を踏み入れることは禁止されているのであろう。瑠璃光台の高みから上はフェンスでふさがれていて入れない。本堂の左手から上り、裏側の瑠璃光台(展望台)の高みをめぐって本堂右手に下りる。
 パワースポット龍神平という表示に誘われて、矢印の方向に進むと、またも見事な紅葉の景色である。
 下から仰ぎ見た銀杏の大木の裏側を通って龍神平へ。

(同上・龍神平への道)

(同上)
 銀杏の大木の下に落葉が黄色く降り積もり、日が差すとそこが黄色に輝く感じで、こちらの方がパワースポットらしいように見える。
 この森を抜けて、少し低地になった広場に出る。龍神平である。
 25万坪の境内が一望できる展望台、とパンフレットに書かれているが、ヤカモチの印象では、そんな「一望感」はなく、ただの広場。余りパワースポットという感じはしなかったのであるが、これは人それぞれの感じ方の問題であるから、何とも言えない。

(同上・龍神平の紅葉と柿)
 上は、龍神平の西端に並んでいた紅葉と柿。いいコンビである。
 駐輪している場所に戻る。
 そこには、茶店があり、お土産も売っている。
 柿巻きを土産に買い込む。何とかザックに詰め込むことができたが、背中がその分重くなった。
 帰途につくこととする。
 帰途は、爽快な下り坂。一気に駆け下ります。
 同じコースを帰るのは芸のないこと。
 柳茶屋、精華学院前から県道187号を西に走り、国道169号を北上するコースを行くこととしましたが、ひとまず記事はここまでとします。
 続きはページをあらためて。(​ つづく ​)
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​





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最終更新日  2022.02.28 08:48:20
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