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『スーパースターはブロンドがお好き』 ロッド・スチュワート 「Blondes Have More Fun」 Rod Stewart (78) 真似のできない並はずれたファッション・センス。華麗に、セクシーに、スーパースターは気どり屋さん。人気最高頂No.1ヴォーカリストが放つ世紀のビッグ・セラー!!A面 1. アイム・セクシー - Da Ya Think I'm Sexy? 2. ダーティ・ウィークエンド - Dirty Weekend 3. あばずれ女のバラード - Ain't Love a Bitch 4. 青春の思い出 - The Best Days of My Life 5. 愛の代償 - Is That the Thanks I Get? B面 1. 求む、いい女 - Attractive Female Wanted 2. スーパースターはブロンドがお好き - Blondes (Have More Fun) 3. ラスト・サマー - Last Summer 4. シャドウズ・オブ・ラヴ - Standin' in the Shadows of Love 5. うちひしがれて - Scarred and Scared 英国人シンガー・ロッド・スチュワート(Rod Stewart)が78年にリリースした9thアルバムには「スーパースターはブロンドがお好き(Blondes Have More Fun)」という、セクシーでプレイボーイなロッドにピッタリの邦題が付いている。 “まず前作の『明日へのキック・オフ(Foot loose & Fancy Free)』で日本でも人気が急上昇中でしたから何としてもスーパースターにしたかったというのがひとつ、そこにマリリン・モンロー(Marilyn Monroe)の映画のタイトル『紳士は金髪がお好き(Gentlemen Prefer Blondes)』が重なり、『スーパースターはブロンドがお好き』となった次第” と、このアルバム邦題の名付け親であるワーナーの担当者さんが「Guitar Magazine LaidBack・It's only Japanese title, but we like it.(たかが邦題、されど邦題)」で語っており、捻りがあるようでないような気もするがそこそこインパクトもあって素晴らしい邦題だ。 “アイム・セクシー(Da Ya Think I'm Sexy?)” だとか “あばずれ女のバラード(Ain't Love a Bitch)”、“求む、いい女(Attractive Female Wanted)” なんていう邦題もロッドだからこそしっくりくる。まぁフェイセズ(Faces)時代の「馬の耳に念仏(A Nod Is as Good as a Wink... to a Blind Horse)」には勝てないけど。 今年3月20日に東京・有明アリーナで「Live in Concert, One Last Time」という一夜限りのライヴを行ったロッドは現在79歳。その模様がYouTubeに上がっていたので視聴してみたが、80歳目前とは思えぬ若々しさ! そのライヴで1曲目に歌っていた “Infatuation” は、84年にリリースされた13thアルバム「カムフラージュ(Camouflage)」からの先行シングルで、洋楽番組を観まくっていた青春時代をふと思い出した。 そう、私の洋楽記憶の大半は80年代のものなので、70年代の――セクシー番長を張っていた頃のロッドは正直よく知らなかったりする。ちなみに80年代のセクシー番長といえば俳優のバート・レイノルズ(Burt Reynolds)とヴァン・ヘイレン(Van Halen)のデイヴィッド・リー・ロス(David Lee Roth)が思い浮かんだが、記憶違いかもしれない。 70年代の洋楽はほぼリアルタイムで知らないながらも、“アイム・セクシー” は余程流行ったのか聴き覚えがあった。全米・全英1位を記録し、日本でもオリコン12位だったらしい。 改めてセクシー番長時代のロッドのPVを見てみると、金髪ハスキーボイスの色気がたまらない。このロッドの系譜に女性ではキム・カーンズ(Kim Carnes)がいたが、男性では誰かいたっけ?すっと思い浮かばないあたり、ロッドが唯一無二のシンガーだといえるのかもしれない。いやまぁ、沢山いるとは思うけど…。森進一さんとかもんたよしのりさんとか葛城ユキさんとかは金髪じゃないから除外ね。(葛城さんは一昨年6月に、もんたさんは昨年10月に亡くなられた。) いつの日か邦題に絶滅の危機が訪れるとしても、このアルバム邦題は最後の最後まで粘るのではないかと思っている。こんなにイメージぴったりの邦題はなかなかない。ワーナーの担当者さんはいい仕事をしましたね。←上からで失礼 そんなロッドに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ アイム・セクシー あばずれ女のバラード スーパースターはブロンドがお好き
2024.05.31
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3月におよそ1年半ぶりの新刊(21巻)が出た中村 光さんの「聖☆おにいさん」。 世紀末を無事乗り越えたブッダとイエスが、有休をとって下界でのバカンスを満喫しようと、日本の東京都立川の安アパート「松田ハイツ」の一室で「聖」(せい)という名字でルームシェアして暮らすという設定で描かれる日常コメディ(Wikiさん丸写し)なのだが、仏教・キリスト経・ギリシャ神話・北欧神話等の様々な神々が出てくるので、歴史好きにはとても嬉しいやら楽しいやら。 数年前に実写ドラマ化したのは知っていたが、ちょっとイメージと違っていたので見ていない。ところがどうやら今度は映画化されるらしく、「聖☆おにいさん THE MOVIE〜ホーリーメン VS 悪魔軍団〜」が今年12月20日に公開予定とのこと。 うーん…見たいような見たくないような…。監督は「今日から俺は!!」と同じ方だそうで。あ、それで梵天さん役が「今日俺」で三橋貴志クン役を演じた役者さんなのか。まぁ「今日俺」も原作が好きなので、実写版は見なかった。面白かったそうだけど、デカくない今井勝俊クンは違う気がする。帝釈天さんを演じる勝地涼さんの方が梵天さんに向いてそうだけどなぁ。 勝地さんは山田裕貴くんが志村さんを演じた「志村けんとドリフの大爆笑物語」で初めて知ったが、加藤茶さん役を上手く演じていたし、梵天さんの目力も合いそう。 「聖☆おにいさん」の好きなキャラBEST 5はというと 1・ルシファー 元天使長だったが天界大戦争(ミカエルとの兄弟喧嘩)で敗北し、いまは堕天使の長。面倒見の言い兄貴っぷりが格好いい。 2・ウリエル 神の炎を司る天使で、イエス曰く「破壊天使」。大体無表情で場の空気も破壊する。 3・ペトロ イエスの一番弟子にして十二使徒のリーダーで、初代ローマ法王。漫画では明るい兄ちゃん。 4・帝釈天 雷を司る軍神。下界で着用しているスーツはアルマーニという、お洒落さん。 5・十一面観音 頭部に11の顔を持つ菩薩。「あー麺」というHNでレビュー系ブロガーとして活動しており、下界では有名。「いえっさ」のHNでテレビドラマ感想ブログを綴っているイエスもあー麺の大ファン。 神々が登場する漫画ではあるが内容はほっこり系なので、暇なときには読み返してほわほわしている。うーん、実写映画化かぁ…。 ジョニー・デップ(Johnny Depp)に似ているといわれるイエスを松山ケンイチさんが演じていることより、ブッダの実写化の方がちょっとキツいような。役者さんは頑張っているとは思うが。それより映画では天使長・ミカエルを日本人が演じることに無理がありすぎる。演じる岩田剛典さんに罪はないけど。あ、この方はEXILE系の「HiGH&LOW」シリーズで主演してたっけ。 いつの日かAmazon Primeで視聴可能になれば見るかもしれない。
2024.05.29
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『特別料理』 ローウェル・ジョージ 「Thanks, I'll Eat It Here」 Lowell George (79) リトル・フィートの中心人物、ローウェル・ジョージが超メガトン級の巨体をぶつけて創り上げたソロ傑作第一弾!ファンキー&タイト、とてつもなくポップなアメリカン・ロックの金字塔がここに築かれた!!A面 1. あの娘に何をさせたいの - What Do You Want the Girl to Do 2. オネスト・マン - Honest Man 3. ふたつの列車 - Two Trains 4. キャント・スタンド・ザ・レイン - I Can't Stand the Rain B面 1. チーク・トゥ・チーク - Cheek to Cheek 2. イージー・マネー - Easy Money 3. 僕のすべてを君に - Twenty Million Things 4. 川を探して - Find a River 5. ヒムラーズ・リング - Himmler's Ring ローウェル・ジョージ(Lowell George)が79年にリリースした唯一のソロアルバム「特別料理(Thanks, I'll Eat It Here)」。これも今では「特別料理 イート・イット・ヒア」だの「イート・イット・ヒア(特別料理)」だのとカタカナタイトルと併記されており、曲名も “あの娘に何をさせたいの(What Do You Want the Girl to Do)” 以外の邦題は消えてカタカナタイトルになってしまっている。寂しいなぁ。 アルバム邦題が絶滅してしまう前に1枚でも多くの邦題を書き残しておかねば!と勝手に使命を負った気になっているが、一部の面白邦題以外は誰もそこまで興味がない気もする… 面白邦題の王といえば何と言ってもフランク・ザッパ(Frank Zappa)である。「フランク・ザッパの○△□(Ship Arriving Too Late to Save a Drowning Witch。現在は「たどり着くのが遅すぎて溺れる魔女を救えなかった船」に改題されている)」(82)や「ハエ・ハエ・カ・カ・カ・ザッパ・パ!(The Man from Utopia)」(83)といった邦題史に残る傑作を多く残したザッパは、60年代半ばから約10年間マザーズ・オブ・インヴェンション(The Mothers of Invention。MOI)というバンドを率いていた。 ローウェル・ジョージは68年からこのMOIでギタリストとして活動したが、薬物摂取を理由に半年ほどで解雇された模様。69年にMOIは解散し(翌年再結成)、ローウェル・ジョージはMOIのオリジナルメンバーだったベーシストのロイ・エストラーダ(Roy Estrada)とリトル・フィート(Little Feat)を結成した。 ザッパのバンドにいた二人が結成したバンドのアルバムには嘸(さぞ)素晴らしい邦題が付いているに違いないと思いきや、カタカナタイトルばかりでちょっとガッカリ。 ロイ・エストラーダはキャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンド(Captain Beefheart and The Magic Band)に加入するため72年にリトル・フィートを脱退。でもってローウェル・ジョージは70年代後半から薬物中毒に陥りながらも、79年3月に初のソロアルバム「特別料理」をリリース。おッ、これはこの先面白邦題作品を続々と発表してくれるかも!? という日本のファンの淡い期待に沿ってくれることなく、同年6月に34歳の若さでドラッグのオーバードーズによる心不全で死去。バンドも79年に解散した。 エストラーダの方はというと、12年に児童性的虐待で仮釈放なし懲役25年の有罪判決を受けて現在服役中とのこと。 このアルバムにはリトル・フィートのdrであるリッチー・ヘイワード(Ritchie Hayward)とkeyのビル・ペイン(Bill Payne)が参加。他にも参加者リストにはTOTOのデヴィッド・ペイチ(David Paich)やジェフ・ポーカロ(Jeff Porcaro)、ビートルズ(The Beatles)メンバーのソロアルバムなどに参加しているセッションドラマーのジム・ケルトナー(Jim Keltner)やキーボーディストのニッキー・ホプキンス(Nicky Hopkins)などの名も。 カテゴリー的にはルーツ・ロック(Roots rock)、サザン・ロック(Southern rock)とかに分類され、フォーク、ブルース、カントリーミュージックに起源を持つロックミュージックだそうな。米国の片田舎を想起させるような音楽とでも言えばよいのか、どことなく土臭い音楽とでもいうのかな。勿論、演奏技術は一級だけど。ちなみにオリジナル曲は3曲だけで、残り6曲は全て誰かのカヴァーだったりする。 そんなローウェル・ジョージに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ あの娘に何をさせたいの ふたつの列車 イージー・マネー
2024.05.28
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『あいつにノック・アウト』 ポーラ・アブドゥル 「Forever Your Girl」 Paula Abdul (88) ヘビー級のステップで君をハートブレイク! ジャネット・ジャクソンからZZトップまで、彼女はダンスのインストラクター。 大ヒット “あいつにノック・アウト” A面 1. 恋するままに - (It's Just) The Way That You Love Me 2. あいつにノック・アウト - Knocked Out 3. 甘い誘惑 - Opposites Attract 4. ステイト・オブ・アトラクション - State of Attraction 5. アイ・ニード・ユー - I Need YouB面 1. フォーエバー・ユア・ガール - Forever Your Girl 2. ストレイト・アップ - Straight Up 3. ネクスト・トゥ・ユー - Next to You 4. 冷たいハート - Cold Hearted 5. 恋のかけひき - One or the Other 以前、ブランドX(Brand X)の「だ・れ・だ?!(Is There Anything About?)」を取り上げた際にフィル・コリンズ(Phil Collins)と寺尾聰さんが80年代の2大謎需要と書いたが、もう一人謎の需要で大ヒットを連発した人を忘れていた。 MTV全盛期に振付師(choreographer)として活躍し、88年にデビューアルバム「あいつにノック・アウト(Forever Your Girl)」をリリースするや見事全米1位に輝き、シングルカットされた6曲のうち4曲がこれまた連続で全米1位を獲得したポーラ・アブドゥル(Paula Abdul)だ。 彼女が振付を担当したPVにはジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)の “Nasty” や “Control”、インエクセス(INXS)の “Devil Inside”、デュラン・デュラン(Duran Duran)の “Notorious”、ZZトップ(ZZ Top)の “Velcro Fly” などがある。ZZトップのPVは良かったなぁ…髭おじさん達のぎこちないダンスが微笑ましくて。ジャネットのPVだとやはり “Rhythm Nation” のダンスが最も印象に残っているが、この曲はポーラが振付を担当したのではないのね。 さて、いきなり全米1位を獲得した「あいつにノック・アウト」だが、6枚のシングルはリリース順に “あいつにノック・アウト(Knocked Out)”、“恋するままに((It's Just) The Way That You Love Me)”、“ストレイト・アップ(Straight Up)”、“フォーエバー・ユア・ガール(Forever Your Girl)”、“冷たいハート(Cold Hearted)”、“甘い誘惑(Opposites Attract)”。3rdシングルの “ストレイト・アップ” が初のチャート1位になってからは6thまでの4曲が連続1位を記録。デビューアルバムから4曲のNo.1ヒットが出たのは史上初のことだった。 決して悪いアルバムではないけど、当時は何であんなに売れたんだろう?彼女のPVでぼんやり覚えているのは “甘い誘惑” ぐらい。アニメと実写の融合PVは良かったなぁ。 久々に彼女やジャネットのダンスPVを色々見たが、いい意味で80年代の香りがキツかった。随分前に日本のどこぞの高校のダンス部がバブリーダンスとかいうので話題になったことがあったが、確かに80年代のダンスって今見ると面白いモノかもしれない。大好きだったジャネットの “Rhythm Nation” も確かに格好いいけど、格好いいというより何だか甘酸っぱい気分になった。ZZトップのダンスは相変わらず微笑ましかったけど。彼女たちの肩パット姿に青春時代を思い出した。 ポーラは92年にエミリオ・エステベス(Emilio Estevez)と結婚。「アウトサイダー(The Outsiders)」や「レポマン(Repo Man)」、「ブレックファスト・クラブ(The Breakfast Club)」に「セント・エルモス・ファイアー(St. Elmo's Fire)」、そして “The Mighty Ducks” というカテゴリーを設けるほど愛してやまない「飛べないアヒル」シリーズなど、エミリオが出演した青春映画は結構好きだったので、この二人の結婚には正直驚いた。しかしたった2年で破局した。 90年代は低迷していたものの、21世紀に入ってからは人気オーディション番組「アメリカン・アイドル(American Idol)」や「Xファクター(The X Factor)」の審査員を務めて人気復活。何や昨年末に「アメリカン・アイドル」のプロデューサーを性的暴行で告訴したらしいけど…。 そんなポーラ・アブドゥルと80年代ダンスに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ ストレイト・アップ あいつにノック・アウト 冷たいハート 甘い誘惑
2024.05.27
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『僕はゴキゲン』 ジャクソンズ 「The Jacksons」 The Jacksons (76) モータウン・サウンドとフィラデルフィア・サウンドの華麗なる融合! ジャクソン・ファイブからジャクソンズへ。鬼才ギャンブル・ハフのプロデュースで一段とイメージ・アップしたジャクソンズ。大きく成長したマイケルを中心に●●●なニュー・アルバム、エピックから登場!A面 1. 僕はゴキゲン - Enjoy Yourself 2. ふたりはハッピー - Think Happy 3. 愛のひととき - Good Times 4. キープ・オン・ダンシング - Keep on Dancing 5. ブルース・アウェイ - Blues AwayB面 1. 愛ある世界へ - Show You the Way to Go 2. いつもふたりで - Living Together 3. くよくよしないで - Strength of One Man 4. 今日も夢みる - Dreamer 5. スタイル・オブ・ライフ - Style of Life ジャクソン兄弟の11thアルバムにして、モータウン・レコードからエピック・レコードへ移籍しグループ名をジャクソン5(The Jackson 5)からジャクソンズ(The Jacksons)に変更しての初アルバムでもある「僕はゴキゲン(The Jacksons)」。 改名後初アルバムということで原題はセルフタイトルなのだが、邦題は残念ながら先行シングル “僕はゴキゲン(Enjoy Yourself)” がアルバムタイトルになってしまった。今は「ザ・ジャクソンズ・ファースト〜僕はゴキゲン」と改題され、曲名も全てカタカナタイトルになっている。 帯文句で●●●と書いた箇所は、単に画像から読み取れなかったため。黒地に緑字は見にくいことこの上ない。万が一興味がある方は自力で画像を探して確かめるか、アルバムを購入するかしてください…すみません。 ジャクソンズはジャクソン家の兄弟からなり、69年にジャクソン5でデビュー。デビューシングル “帰ってほしいの(I Want You Back)” がいきなりBillboard Hot 100とR&Bチャートの両方で1位を記録したうえ、その後も4曲連続で両チャートの1位に輝くほどの爆発的人気を獲得した。 75年にレコード会社を移籍したものの、モータウンは「ジャクソン5」の商標を手放さなかったため新たに「ジャクソンズ」と名乗ることに。名前関係のゴタゴタといえば日本でも新加勢大周(坂本一生)さん問題とかあったなぁ。 この頃のジャクソンズのメンバーはvoのジャッキー(Jackie Jackson)、リードg&voのティト(Tito Jackson)、voのマーロン(Marlon Jackson)、リードvoのマイケル(Michael Jackson)、key&voのランディ(Randy Jackson)の5人。ジャクソン家は10人兄弟(姉も妹もいる)で、ジャッキーは長男、ティトは次男、マーロンは四男、マイケルが六男でランディは七男だ。三男・ジャーメイン(Jermaine Jackson)は元々ジャクソン5のメンバーだったがレコード会社移籍の際に脱退し、モータウンに残った。長女・リビー(Rebbie Jackson)、次女・ラトーヤ(La Toya Jackson)、三女で末っ子のジャネット(Janet Jackson)もそれぞれソロシンガーとして活躍した。(五男は夭逝している) 「僕はゴキゲン」は全米36位とまずまずの成績で、その後も何枚かアルバムをリリース。82年に「スリラー(Thriller)」でメガヒットを記録したマイケルは84年にジャクソンズを脱退。“King of Pop” の称号を得るも、09年に50歳の若さで急逝してしまった。 マイケル脱退後のジャクソンズは89年にアルバム「2300ジャクソン・ストリート(2300 Jackson Street)」をリリースしたものの90年に解散。2000年代に入ってから何度か再結成しているらしい。 R&Bとかソウルとかファンクとかには全く興味がないので音楽的なことには言及しないが、普通に聴きやすいアルバムだとは思う。マイケルはこの当時16歳ぐらい、伸びやかな歌声が耳に心地いいというか、飽きずに聴いていられる。本当に天才だったんだなぁ、マイケル。 そんなジャクソンズに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ 僕はゴキゲン ふたりはハッピー いつもふたりで
2024.05.26
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『黄金伝説』 シンプル・マインズ 「New Gold Dream (81–82–83–84)」 Simple Minds (82) 全英アルバム・チャート第3位に輝くシンプル・マインズ初のビッグ・ヒット・アルバム。永年の “黄金の夢” を現実のものとした彼らはロック・シーンの最前線に躍り出た。A面 1. さらば夏の日 - Someone Somewhere in Summertime 2. カラーズ・フライ・アンド・キャサリン・ホイール - Colours Fly and Catherine Wheel 3. 奇跡を信じて - Promised You a Miracle 4. 安息のとき - Big Sleep 5. 至上の愛 - Somebody Up There Likes You (Instrumental)B面 1. 黄金伝説 - New Gold Dream (81–82–83–84) 2. グリッタリング・プライズ - Glittering Prize 3. 狩人の詩 - Hunter and the Hunted 4. キング・イズ・ホワイト - King is White and in the Crowd スコットランド出身のシンプル・マインズ(Simple Minds)が82年にリリースした5thアルバム「黄金伝説(New Gold Dream (81–82–83–84))」を取り上げてみた。 まぁ普通の邦題なのだが、「黄金伝説」というとどうしてもココリコの番組を思い浮かべてしまう。田中さんが中国で中華料理検定取得を目指す伝説や、チュートリアルが一週間を獲った貝だけ食べて過ごす伝説、麒麟の二人が凍った湖の上で極寒生活をしながら釣った魚だけで一週間過ごす伝説、くりぃむしちゅーの二人が一週間でクリームシチュー500杯食べきる伝説とかを覚えている。無人島0円生活でのよゐこのちねり米や、1ヶ月1万円節約生活でのオードリー・春日さんのダクト飯も懐かしい…(牛丼を3回ぐらいに分けて食したり、水の入ったボトルに飴を入れてジュースにして飲む姿には衝撃を受けた)。 いやいや、バラエティ番組の方ではなくて、シンプル・マインズについてである。 このアルバムが全英3位に輝き、続く6thアルバム「スパークル・イン・ザ・レイン(Sparkle in the Rain)」(84)で初の全英1位を獲得。でもってシンプル・マインズの名を世界中に知らしめたのは、85年2月にリリースしたシングル “Don't You (Forget About Me)”。80年代青春映画の傑作「ブレックファスト・クラブ (The Breakfast Club)」の主題歌であるこの曲で見事全米1位(全英7位)となり、7thアルバム「ワンス・アポン・ア・タイム(Once Upon a Time)」(85)からシングルカットされた “アライヴ・アンド・キッキング(Alive and Kicking)” も全米3位(全英7位)を記録した。 ♪ど~んちゅ~ ふぉげらばみ~ ど~んど~んど~んど~んというジム・カー(Jim Kerr)のもっさりヴォーカルから当時は勝手におじさんだと思っていたが、“Don't You” 当時でまだ25、6歳だったことに驚いた。デュラン・デュラン(Duran Duran)のサイモン・ル・ボン(Simon Le Bon)が58年生まれでジム・カーが59年生まれだったとは! ジム・カーといえばプリテンダーズ(The Pretenders)のクリッシー・ハインド(Chrissie Hynde)と84年に結婚したが(90年離婚)、姐さんが51年生まれということは8歳下だったのか…。ジム・カーは92年にエイス・ワンダー(Eighth Wonder)のパッツィ・ケンジット(Patsy Kensit)と再婚したが(96年離婚)、パッツィは68年生まれなので次は9歳差婚であった。20代の頃は頼れる姉御に惹かれて、30代になって小悪魔的ロリっ子ちゃんに参っちゃったのかなぁ。 シンプル・マインズは現在も活動中だが意外とメンバーはちょくちょく代わっていて、創設メンバーで今も残っているのはvo.のジム・カーとgのチャーリー・バーチル(Charlie Burchill)の二人だけだ。「黄金伝説」の頃のメンバーはジム、チャーリー、そしてbのデレク・フォーブス(Derek Forbes)、dsのマイク・オーグルトリー(Mike Ogletree)、keyのマイケル・マクニール(Michael MacNeil)だった。制作時はdsの交代時期だったようで、マイク以外にメル・ゲイナー(Mel Gaynor)とケニー・ヒスロップ(Kenny Hyslop)が叩いている曲もあるみたい。 おばはんになってからシンプル・マインズの曲を聴くと何だか気持ちが落ち着くような感じがして、ずっと聴いていられる。HR/HMやプログレもいいけど、こういうほわ~ん、もわ~んとしたロックもいいよね(感じ方には個人差があります)。 そんなシンプル・マインズに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ さらば夏の日 奇跡を信じて 黄金伝説
2024.05.22
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『スリだー』 アル・ヤンコビック 「Eat It」 "Weird Al" Yankovic (84) 模倣と創造のランデブー、事情通にバカ受けのイミテーション・ワールド 今世紀最大のロック・パロディスト『へんてこりん』なアル・ヤンコビックのデビュー・アルバム遂に完成。全米大ヒット曲のパロディーを集中させて世界を騒がす未曾有のケッ作。A面 1. 今夜もEAT IT - Eat It 2. ロッキーXIII主題歌「ライ・オア・ザ・カイザー」 - The Rye or The Kaiser(Theme from Rocky XIII) 3. アイ・ラヴ・ロッキー・ロード - I Love Rocky Road 4. キング・オブ・スエード - King of Suede 5. クイズ・ジェパーディ - I Lost on Jeopardy 6. マイ・ボローニャ - My BolognaB面 1. リッキー - Ricky 2. ブレイディ・バンチ - The Brady Bunch 3. 嘆きの点数 - Stop Draggin' My Car Around 4. 遅刻へ道づれ - Another One Rides the Bus 5. ポルカズ・オン・45 - Polkas on 45 みんな大好き!パロディ音楽の第一人者であるアル・ヤンコビック("Weird Al" Yankovic)のこのアルバムは、全米でリリースされている2枚のアルバム(「"Weird Al" Yankovic」(83)、「"Weird Al" Yankovic in 3-D」(84))からパロディ・ソングのみを収録した日本限定盤だ。これを邦題アルバムと言ってよいのか怪しいところだが、素晴らしいタイトルなので取り上げておこう。 アル・ヤンコビックの代表作といえば、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の “今夜はビート・イット(Beat It)” の替え歌 “今夜もイート・イット(Eat It)” と、同じくマイケルの “BAD(Bad)” の替え歌 “FAT(Fat)” だろう。このアルバムの英題は「Eat It」ながら邦題(日本限定盤だけど)はマイケルが82年にリリースした大ヒットアルバム「スリラー(Thriller)」から取られており、ジャケットも本家のパロディである。 念のため、このアルバムに収録されている各曲の元ネタを記しておくとA面 1. 今夜はビート・イット - Beat It(Michael Jackson) 2. ロッキーIII主題歌「アイ・オブ・ザ・タイガー」 - Eye of the Tiger(Theme from Rocky III)(Survivor) 3. アイ・ラヴ・ロックン・ロール - I Love Rock 'n' Roll(Joan Jett and the Blackhearts) 4. キング・オブ・ペイン - King of Pain(The Police) 5. ジェパーディ(危険がいっぱい) - Jeopardy(The Greg Kihn Band) 6. マイ・シャローナ - My Sharona(The Knack)B面 1. Mickey - Mickey(Toni Basil) 2. セーフティ・ダンス - The Safety Dance(Men Without Hats) 3. 嘆きの天使 - Stop Draggin' My Heart Around( Stevie Nicks and Tom Petty and the Heartbreakers) 4. 地獄へ道づれ - Another One Bites the Dust(Queen) 5. スターズ・オン45 - Stars on 45(「Stars on 45」は当時流行っていた人気アーティストのメドレーソング) アル・ヤンコビックの愛すべきバカバカしさは、完成度の高い替え歌&本家そっくりのパロディPVを見て、聴いて理解していただくしかない。 ただ、パロディは元を知っていないと面白くも何ともないので、洋楽に馴染みの無い方は楽しめないのが残念なところ。 替え歌のみならず、88年に第1作目の「裸の銃を持つ男(The Naked Gun: From the Files of Police Squad!)」が公開され、後に続編が2本作られたこのシリーズ全作にチョイ役でアルも出演しているのだが、一瞬の出番にもかかわらず実に絶妙なキャスティングで笑ってしまった。 22年には何と!アルの自伝的映画「こいつで、今夜もイート・イット アル・ヤンコビック物語(Weird: The Al Yankovic Story)」がRoku Channelで放映され、数々の賞を手にした。ちなみにアルを演じたのはダニエル・ラドクリフ(Daniel Radcliffe)であった。 「スリだー」以降も、マドンナ(Madonna)の “ライク・ア・ヴァージン(Like a Virgin)” の替え歌 “Like A Surgeon”、ニルヴァーナ(Nirvana)の “スメルズ・ライク・ティーン・スピリット(Smells Like Teen Spirit)” の替え歌 “Smells Like Nirvana” 等々面白替え歌ソングを次々と発表し、ささくれ立った私たちの心を和ませてくれている。 そんなアル・ヤンコビックに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ 今夜もEAT IT リッキー アイ・ラヴ・ロッキー・ロード おまけ Like A Surgeon Smells Like Nirvana FAT
2024.05.19
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『だ・れ・だ?!』 ブランドX 「Is There Anything About?」 Brand X (82) 特異な存在で音楽シーンに次代を指示するスーパー・プロジェクト、ブランドX。ジャズ、フュージョンを越えて新世代のジャンル「X」をクリエイトする。A面 1. イパネミア - Ipanaemia 2. 長い4月 - A Longer April 3. モダーン、ノイジー&イフェクティヴ - Modern, Noisy and Effective B面 1. スワン・ソング - Swan Song 2. だ・れ・だ?! - Is There Anything About? 3. ATGA - TMIU-ATGA 英国のジャズ・フュージョン(ジャズ・ロック)バンドであるブランドX(Brand X)が82年にリリースした6thアルバム「だ・れ・だ?!(Is There Anything About?)」。流石にこの邦題は恥ずかしいと気付いたのか、現在では「イズ・ゼア・エニシング・アバウト?」という何の変哲も無いカタカナタイトルになっている。 おそらく私だけだろうけど、ブランドXとジェネレーションX(Generation X)がごっちゃになってしまう ゼンゼンチャウヤンケー!! ビリー・アイドル(Billy Idol)がいたパンク・ロックバンドがジェネレーションXで、フィル・コリンズ(Phil Collins)がいたジャズ・フュージョンバンドがブランドXである。ちなみにブランドXの結成が75年で、ジェネレーションXの結成は76年だ…ってどうでもいいけど。 ジェネシス(Genesis)のドラマー兼ヴォーカルだったフィル・コリンズ、80年代にはソロでも大ヒットを連発し、当時は “世界で一番忙しい男” と言われていた。確かにソロとして共に全米1位に輝いた “One More Night”(84) や “Sussudio”(85)はいい曲だったし、ジェネシスが86年にリリースした13thアルバム「インヴィジブル・タッチ(Invisible Touch)」は捨て曲なしの名盤で未だに大好きなアルバムではあるものの、80年代におけるフィル・コリンズの異常人気は何だったんだろう? 85年7月13日に開催された「ライヴエイド(LIVE AID)」で彼は英国の会場で演奏した後にコンコルドで米国の会場に移動し、両会場に出演した唯一のミュージシャンとなったが、何故そこまで需要があったのだろう?81年に “ルビーの指輪” で空前の大ヒットを飛ばした寺尾聰さんと並び、80年代の2大謎需要であった。 さて、「だ・れ・だ?!」リリース時のブランドXのメンバーはというと、keyのロビン・ラムリー(Robin Lumley)とJ・ピーター・ロビンソン(J. Peter Robinson)、gのジョン・グッドソール(John Goodsall)、bのジョン・ギブリン(John Giblin)とパーシー・ジョーンズ(Percy Jones)、そしてdsのフィル・コリンズ。 80年~92年までの休止期間はあったものの99年までバンドの活動は続いていたらしい。16年にジョン・グッドソールとパーシーを中心に再結成(フィルは不参加)するも、20年にパーシーが脱退。ジョン・グッドソールが21年11月に、ロビンは23年3月に亡くなっている。 昔からジャズは苦手なのだが、いざ聴いてみると案外すんなり聴けた。ジャズ・ロックということでロック色が強めだからかな。耳も感性も未熟なので、残念ながらこういう大人の音楽を楽しめる心の余裕が備わってないのである。いいアルバムだとは思うけど。 そんなブランドXに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪フルアルバムを貼っておくので、お暇な方は是非ご一聴あれ。 だ・れ・だ?!(Full Album)
2024.05.18
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「探偵!ナイトスクープ」で永らく最高顧問を務められていたキダ・タローさんが今月14日に亡くなられた。93歳だったそうだが、先月も出演されていたことに驚いた。御冥福をお祈りいたします。 初代局長の上岡龍太郎さん、初代最高顧問の横山ノックさん、そして2代目最高顧問のキダタローさんまで鬼籍に入られてもなお番組が継続しているのは素晴らしいが、もう久しく見ていない。 近頃は麒麟の田村 裕探偵とスリムクラブの真栄田 賢探偵、そして昨年新たに入局したカベポスターの永見大吾探偵の調査だけをYouTubeで視聴するくらいだ。 以前、「探偵!ナイトスクープ ~全国アホ・バカ分布図~」と題した駄記事を書いた。90年(平成2年)1月に放送された「東京からどこまでが『バカ』で、どこからが『アホ』なのか調べてください」という、アホとバカの境界線を探す依頼の調査結果について綴ったが、そういえばこの放送回の顧問もキダ先生だった。北野 誠探偵の中途半端な調査をよくキダ先生が貶していたが、この回もそうだったように思う。それが面白かったなぁ。 「探偵!ナイトスクープ」のDVDはVol.1~14と25周年記念DVD 百田尚樹セレクション(Vol.15、16)&キダ・タローセレクション(Vol.17、18)の計18枚出ているようだ。 私が持っているのはVol.1~6とVol.14の7枚。個人的には上岡局長時代のナイトスクープが好きだった。2代目の西田局長時代も悪くはなかったのだが、いつの間にか見なくなってしまった。3代目の松本局長になってからは一度も見たことがない。 秘書もやっぱり岡部まりさんが良かったし、探偵の面々も以前の方が好きだった。嘉門達夫探偵とか越前屋俵太探偵、前述の北野探偵とか長原成樹探偵とか。桂小枝探偵の小ネタ集もバカバカしくて面白かったなぁ。 記憶に残っている依頼は、先程の「アホとバカの境界線」の他には、有名な「謎の爆発卵」や「タケモトピアノCMの謎」、笑い転げた「大和川ボート通勤」や「巨大シジミ」、調査中止となった「謎のビニール紐」等々。 久々にDVDを見返してキダ最高顧問を偲びたい。笑っちゃうだろうけど、しんみり偲ぶよりはキダ先生も喜んでくださることだろう。 昔の「探偵!ナイトスクープ」は本当に面白かったなぁ。局長や探偵達は元より、依頼者もアホ(褒めてます)で最高に面白かった。 キダ最高顧問も今頃は上岡局長とナイトスクープの思い出話に花を咲かせているかしらん…。
2024.05.17
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ジョージ・ハリスン(George Harrison)のちょうど一周忌に当たる02年11月29日、英国のロイヤル・アルバート・ホール(Royal Albert Hall)で追悼公演「Concert for George」が開催された。 親友のエリック・クラプトン(Eric Clapton)が主催し、音楽監督とホスト役を務めたこのコンサートには、ジョージと親交のあったミュージシャン達が勢揃いした。 ビートルズ(The Beatles)仲間だったポール・マッカートニー(Paul McCartney)とリンゴ・スター(Ringo Starr)を始め、ビートルズのゲット・バック・セッションに参加したビリー・プレストン(Billy Preston)、ドイツ・ハンブルグ時代の友人で「リボルバー(Revolver)」のジャケットデザインを手掛けたクラウス・フォアマン(Klaus Voormann)。トラヴェリング・ウィルベリーズ(Traveling Wilburys)仲間のジェフ・リン(Jeff Lynne)やトム・ペティ(Tom Petty & The Heartbreakers)、ジョージの敬愛するジョー・ブラウン(Joe Brown)。更にはジョージのシタールの師であったラヴィ・シャンカール(Ravi Shankar)&娘のアヌーシュカ・シャンカール(Anoushka Shankar)、ジョージが大好きだったモンティ・パイソン(Monty Python)等。そして勿論、ジョージの一人息子であるダーニ(ダニー)・ハリスン(Dhani Harrison)も加わり、心温まる最高のコンサートであった。 それから時は流れて14年9月28日、米国ロサンゼルスのフォンダ・シアター(Fonda Theatre)で「George Fest」が開催された。副題は「A Night to Celebrate the Music of George Harrison(ジョージ・ハリスンの音楽を祝う夕べ)」。そして16年2月26日(ジョージが73歳の誕生日を迎えるはずだった日の翌日)には2CD+DVD(Blu-Ray)の限定デラックス・エディション(普通に2CDのみも有)が発売された。 プロデュースを手掛けたダーニ曰く、「僕と同世代のミュージシャンが、小さなクラブで父のキャリアの中でもディープな楽曲を自由に演奏するショウを今までずっと思い描いていたんだ。そして、今回はまったく新しく鮮やかな形で、自分が一番大切に思ってきた音楽界のヒーローたちと再びステージを共にし、僕の人生で一番馴染みのある曲を演奏する自分がいた。…皆さんにもこの録音を僕と同じように楽しんでもらえますように。父の曲に、今までできると思いもよらなかった最高の解釈が施されています」(Sony Music Group HPより) ということで、以前の「Concert for George」と比べると「George Fest」に参加しているミュージシャンは馴染みの無い方もチラホラ。おばはんが知っているのはザ・ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)のブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)、ハート(Heart)のアン・ウィルソン(Ann Wilson)、そして何故かアル・ヤンコビック("Weird Al" Yankovic)!いや、嬉しいけど…。そして「Concert for George」に出演していたラヴィ・シャンカールの娘でアヌーシュカの異母姉であるノラ・ジョーンズ(Norah Jones)とダーニくらい。 他にはスプーン(Spoon)のブリット・ダニエル(Britt Daniel)、ザ・キラーズ(The Killers)のブランドン・フラワーズ(Brandon Flowers)、ザ・カルト(The Cult)のイアン・アストベリー(Ian Astbury)、ザ・ストロークス(The Strokes)のニック・ヴァレンシ(Nick Valensi)、ザ・フレーミング・リップス(The Flaming Lips)の皆さん等々。あ、ザ・カルトぐらいは知ってるかな。 “Savoy Truffle” や “It's All Too Much” といったビートルズ時代のややマイナーな曲や、“Ballad of Sir Frankie Crisp (Let It Roll)” のようなソロ時代の目立たなかった曲も含まれている点は素晴らしい。ノラ・ジョーンズが歌う “Something” も素晴らしいが、個人的に一推しなのは “What is Life” by アル・ヤンコビック。アルも好きだし、この曲も大好きなので嬉しい。嗚呼、美しき人生哉。あとはザ・フレーミング・リップスの “It's All Too Much” が良くて、意外とライヴ演奏もアリだなぁと思ったりして。 一方、大定番の “While My Guitar Gently Weeps” は今回入っていない。やっぱりエリック・クラプトンがいてこその “While My Guitar…” なのかしらん!? ライヴの各演奏はジョージの公式YouTubeにあがっているので、いくつか貼っておこう。ダーニ世代のミュージシャン達が楽しそうに演奏しているのを見ていると、何だか心が和む。ジョージの曲はいい曲が多いので、子の代、孫の代まで引き継がれるといいなぁ♪ Old Brown Shoe - Conan O'Brien Ballad of Sir Frankie Crisp (Let It Roll) - Jonathan Bates, Dhani Harrison Beware of Darkness - Ann Wilson Something - Norah Jones It's All Too Much - The Flaming Lips What Is Life - "Weird Al" Yankovic
2024.05.16
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『夜ごとに太る女のために』 キャラヴァン 「For Girls Who Grow Plump in the Night」Caravan (73) プログレッシヴ・ロックにこの名盤あり!!「ロッキン・コンチェルト」と双璧をなすキャラヴァン、1973年の不朽の名作! A面 1. メモリー・レイン・ヒュー - Memory Lain, Hugh 2. ヘッドロス - Headloss 3. ホーダウン - Hoedown 4. サープライズ・サープライズ - Surprise, Surprise 5. シースルースルー - C'thlu ThluB面 1. ドッグ・ドッグ - The Dog, The Dog / He's at It Again 2. ビー・オール・ライト / チャンス・オブ・ア・ライフタイム - Be All Right / Chance of a Lifetime 3. いのししの館 / 狩へ行こう / ペンゴラ / バックワーズ / 狩へ行こう(反復) - L'Auberge du Sanglier / "A Hunting We Shall Go / Pengola / Backwards / A Hunting We Shall Go (reprise) 英国のカンタベリー・シーン(Canterbury scene)を代表するバンドの一つであるキャラヴァン(Caravan)が73年にリリースした5thアルバム「夜ごとに太る女のために(For Girls Who Grow Plump in the Night)」。ほぼ原題直訳の邦題だが、夜ごとに太る女って…私のこと!? 何だかチョコザップ(chocoZAP)やらカーブス(Curves)やらの誘い文句にありそうなタイトルは面白いけど、曲名の邦題が手抜きでよろしくない。ザッパ(Frank Zappa)やカーカス(Carcass)、コルピクラーニ(Korpiklaani。フィンランド出身のフォーク・メタルバンド)あたりだと、“目盛0(レイ)、ヒューッ!”(ザッパ風)、“獄門打首頭顱喪失(カーカス風)”、“歌えや踊れやドンジャラホイ”(コルピ風)てな感じになって楽しめただろう。 さて、カンタベリー・シーン(日本ではカンタベリー・ロック)というジャンルであるが、これは英国南東部のケント州カンタベリー出身者を中心とするプログレッシブ・ロック系のバンドやミュージシャンによる音楽を指す。64年にカンタベリーで結成されたワイルド・フラワーズ(The Wilde Flowers)からカンタベリー・ロックを代表するソフト・マシーン(Soft Machine)とキャラヴァンが生まれ、メンバーの離合集散とともに人脈がさらに広がり、ジャンルとしてくくられるほどの存在感を示すようになったとのこと(Wikiさんより)。 以前、ケヴィン・エアーズ(Kevin Ayers)の「夢博士の告白(The Confessions of Dr. Dream and Other Stories)」を取り上げたが、彼もワイルド・フラワーズのメンバーだった。ワイルド・フラワーズが67年に解散した際、メンバーはソフト・マシーンとキャラヴァンの2派に分裂したらしく、ケヴィンら4人はソフト・マシーンを、他の4人はキャラヴァンを結成した。 キャラヴァンの創設メンバーはg&voのパイ・ヘイスティングス(Pye Hastings)、bのリチャード・シンクレア(Richard Sinclair)、keyのデイヴ・シンクレア(Dave Sinclair)、drのリチャード・コフラン(Richard Coughlan)。その後ちょこっとメンバー交代があり、このアルバム作成時にはbがリチャードからジョン・G・ペリー(John G. Perry)に交代、そして新たにgやviola等を担当するジェフリー・リチャードソン(Geoffrey Richardson)が加わって5人組になっている。パイとジェフリーは現在もキャラヴァンで活動中のようだ。 73年10月リリースということは50年前のアルバムになるのだが、そこまで古臭さも感じさせなくて聴きやすい。結構キャラヴァン、いいかも。他のカンタベリー系も聴いてみようかな。……あ、「夢博士の告白」で音楽的にはちょっと好みじゃないって書いたっけ。カンタベリー系というよりキャラヴァンがいいだけかも。というかキャラヴァンというよりこのアルバムがたまたま良いだけかも!? 機会があったら他にも色々聴いてみようっと。 そんなキャラヴァンに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ メモリー・レイン・ヒュー / ヘッドロス ホーダウン シースルースルー
2024.05.14
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「鬼滅の刃」の柱稽古編がついに始まった。おばはんは一日千秋の思いでこの日を待っていたのである。 嗚呼、蛇柱・伊黒さんと風柱・不死川さんのアニオリ共闘シーンを家でじっくりと鑑賞出来て嬉しい 伊黒さんの技のエフェクトを最初に映画館で見たときは正直、少しガッカリしたのだが(思てたんと違う!)、改めて見るとまぁそこまで悪くはないような…。私の脳内ではもっと透き通った半透明の美しい蛇の姿を勝手に思い描きながら読んでいたので、こういう荒々しい白塗り蛇のエフェクトになるとは。だけど伊黒さんの格好良さ、美しさが堪能出来れば、蛇の姿など別にどうでもいい。 伊黒さんの活躍を存分に堪能でき、且つ幼少期の痛ましくて幼気な姿が見れるのは最終決戦なのだが、やはり映画になるのかなぁ?というか、柱稽古編ってどこまで進むのだろう?柱稽古から最終決戦って結構スムーズに繋がっているよね!? それにしてもやっぱり伊黒さんかっこよ 「一休さん」の蜷川新右衛門さん、「ガンバの冒険」のイカサマ、そして「鬼滅の刃」の伊黒小芭内さんが私の大好きキャラTOP 3である。我ながらどういう趣味なんでしょ どうかどうか、最終決戦での伊黒さんの動く雄姿が見られる日まで南海トラフが発生しませんように。戦争に巻き込まれませんように。健康でいられますように。ufotableさんがなるべく早くアニメ化してくださいますように。そこまで手間隙掛けて凝りに凝った作画でなくても、動いて鈴村健一さんが喋ってくだされば満足ですので、早めにアニメ化されますように――とはいっても、作画のハイパークオリティが鬼滅の良さでもあるのよね。 柱稽古編での伊黒さんの処刑場稽古が楽しみ♪
2024.05.13
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『刺青 ~神秘のロック野郎~』 タトゥー 「Tattoo」 Tattoo (76) 明日のポップス・シーンはこれだ!! あの「ラズベリーズ」のウォーリー・ブライソンがクリエイトする “タトゥー”。メロディアスでストレートなサウンドが爆発する神秘な世界!!A面 1. ホワット・ディド・ヒー・ドゥ - What Did He Do 2. ギブ・イット・トゥ・ヤ・イージー - Give It To Ya Easy 3. 君にあげよう - Send A Ship 4. おまえが欲しい - I Still Want You 5. 完璧な愛 - Absolutely LoveB面 1. 冷たい初恋 - It's Cold Outside 2. ヤー・スティール - Yer Stale 3. ひとりぼっちの土曜の夜 - Lonely Saturday Night 4. おまえの街 - This Is Your City 5. ハイウェイが呼んでいる - The Highway Calls My Name 今回取り上げるのはタトゥー(Tattoo。カタカナで書くと何だか間抜けっぽい)が76年にリリースしたセルフタイトルアルバム「刺青 ~神秘のロック野郎~(Tattoo)」。このバンドがリリースした唯一のアルバムである。 タトゥーといえば、20年ほど前に来日してTV番組「ミュージックステーション」でドタキャン騒動を起こしたロシアの女の子デュオ・t.A.T.u.の方がまだ知られているかもしれない。 しかしこちらのタトゥーは米国の男性5人グループだ。なので邦題もサブタイトルに “ロック野郎” と付いている。 グランド・ファンク・レイルロード(Grand Funk Railroad)が74年にリリースした「ハード・ロック野郎(世界の女は御用心)(All the Girls in the World Beware!!!)」を取り上げた際にも書いたが、この時代は巷に野郎が溢れていた。白バイ野郎、特攻野郎、冒険野郎、トラック野郎、ヒコーキ野郎など、海外のドラマや映画び邦題には “野郎” が付くものが多かったし、日本でも「トラック野郎」シリーズなんていう映画もあったぐらい、野郎が満ちていた。なのでなかなか時代を反映したサブタイトルと言えよう。 近年はあまり野郎を見なくなったもんなぁ。数年前に元SMAPの3人(新しい地図)主演の映画「クソ野郎と美しき世界」で見かけたくらいだ。 今はポリコレ(political correctness)に厳しい時代なので、野郎邦題は付けにくいかも。 さて、このタトゥーというバンドはエリック・カルメン(Eric Carmen)と共にラズベリーズ(Raspberries)を率いたウォーリー・ブライソン(Wally Bryson)が、故郷であるオハイオ州クリーブランド出身のミュージシャン仲間らと結成したバンドであったらしい。 メンバーはg&voのウォーリー・ブライソンの他に、gのデヴィッド・アレン・トーマス(David Allen Thomas)、bのダン・クレイウォン(Dan Klawon)、drのトム・ムーニー(Thom Mooney)、Pianoのジェフ・ハットン(Jeff Hutton)。 タトゥーとは関係ないがラズベリーズが75年に解散して以降、エリック・カルメンはソロとして75年にリリースした1stソロアルバム「エリック・カルメン(Eric Carmen)」からのシングル “オール・バイ・マイセルフ(All by Myself)” が全米2位の大ヒット!その後は低迷していたが、84年公開の「フットルース(Footloose)」の挿入歌 “パラダイス~愛のテーマ(Almost Paradise)” の作曲を手掛け、87年公開の「ダーティ・ダンシング(Dirty Dancing)」の挿入歌で自身が歌った “ハングリー・アイズ(Hungry Eyes)” は全米4位を記録して復活を遂げた。しかし今年3月にエリックは74歳で亡くなった。 話をタトゥーに戻すと、このアルバムは『disaster』と評された。ディザスターというのは災害や大惨事、大失敗とかいう意味だけど、そんなに酷い!? このジャケットが若干不気味で悪趣味だったかも。白塗りで着物姿の女性が内腿に彫ってある刺青(ライオン?何かの獣)を見せているような写真なのだが、背景が真っ黒なのでちょっと怖い。まるで団鬼六の世界のような… そんなタトゥーに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ ギブ・イット・トゥ・ヤ・イージー おまえが欲しい
2024.05.12
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『ヒッチハイクの賛否両論』 ロジャー・ウォーターズ 「The Pros and Cons of Hitch Hiking」 Roger Waters (84) ピンク・フロイドの “頭脳” ロジャー・ウォーターズの私的なインナートリップ。初のソロ作となったコンセプトアルバム。A面 1. 4:30AM トラベリング・アブロード - 4:30AM (Apparently They Were Travelling Abroad) 2. 4:33AM ランニング・シューズ - 4:33AM (Running Shoes) 3. 4:37AM ナイフを持ったアラブ人と西ドイツの空 - 4:37AM (Arabs with Knives and West German Skies) 4. 4:39AM 初めての出来事 パート2 - 4:39AM (For the First Time Today, Part 2) 5. 4:41AM セックス革命 - 4:41AM (Sexual Revolution) 6. 4:47AM 愛の香り - 4:47AM (The Remains of Our Love)B面 1. 4:50AM フィッシング - 4:50AM (Go Fishing) 2. 4:56AM 初めての出来事 パート1 - 4:56AM (For the First Time Today, Part 1) 3. 4:58AM さすらう事そして生きる事をやめる - 4:58AM (Dunroamin, Duncarin, Dunlivin) 4. 5:01AM 心のヒッチハイキング - 5:01AM (The Pros and Cons of Hitch Hiking, Part 10) 5. 5:06AM ストレンジャーの瞳 - 5:06AM (Every Stranger's Eyes) 6. 5:11AM 透明なひととき - 5:11AM (The Moment of Clarity) ピンク・フロイド(Pink Floyd)のベーシストであるロジャー・ウォーターズ(Roger Waters)が84年にリリースした初ソロアルバム「ヒッチハイクの賛否両論(The Pros and Cons of Hitch Hiking)」。邦題は原題直訳なので取り立てるほどではないが、何故か素っ裸のお姉さんがヒッチハイクをしているジャケットが目を引いたので取り上げてみた。 当時はネット通販がなかったので、青少年がこのアルバムをレジに持っていくには勇気が必要だっただろうなぁ…と思ったら、お尻を隠して売られていた所もあったようだ。 赤パンツを履かせてみたり、■で隠してみたり。更に■に加えて帯で半分隠したりして。 外人さんはスタイルがいいので、素っ裸ヒッチハイク姿もエロさより格好良さが勝っている…なんて思うのは私がおばはんだからかな。 85年に出版された「ロック名盤・レコード&ビデオ・ガイド」という本には「ザ・プロス・アンド・コンス・オブ・ヒッチハイキング」というカタカナタイトルで記載されているので、途中から邦題に変更されたのかも。だとしたらちょっと珍しい。 さて、このアルバムは神経症を患った主人公が見ている夢を、聴き手が同時進行で追っていくというコンセプトアルバムで、中年の危機に直面した主人公の男がカリフォルニアをロードトリップし、途中で拾ったヒッチハイカーと不倫し、荒野に移住して妻と和解しようとし、最終的には孤独になるがより深い洞察力を得るという夢の旅物語らしい。 物語は午前4時30分から午前5時13分までの43分間に起こる断続的な夢としてリアルタイムで構成されており(収録時間も43分)、夢の終わりに男は孤独で悔い改めながら目覚め、おそらく危機を乗り越えたのか本当の妻に慰めを求る――というものだそうな。 YouTubeでフルアルバムを聴いただけなので、そのあたりの物語は分からない。まぁ女性の喘ぎ声が入っていたりするけど。ただ、このアルバムにはエリック・クラプトン(Eric Clapton)が参加しており、彼のスライドギターを聴くことができる。 「ヒッチハイクの賛否両論」をリリースした翌85年にロジャーはピンク・フロイドを脱退し、87年に2ndソロアルバム「RADIO K.A.O.S. 〜混乱の周波数〜(Radio K.A.O.S.)」をリリースした。これも架空のラジオ局「Radio KAOS」を舞台としたコンセプトアルバムなのだとか。 残念なことに今の邦題はただの「RADIO K.A.O.S.」になっている。 A面 1. ラジオ・ウェイヴ - Radio Waves 2. 誰がそんな情報を必要としてるんだい? - Who Needs Information 3. 彼か、もしくは私が… - Me or Him 4. 予知能力 - The Powers That BeB面 1. サンセット通りにて - Sunset Strip 2. ホーム〜誰にでも国は存在する〜 - Home 3. 4分間のシミュレーション・ゲーム - Four Minutes 4. 流れが変わる時〜ライブ・エイドが終わって〜 - The Tide Is Turning (After Live Aid) “流れが変わる時〜ライブ・エイドが終わって〜(The Tide Is Turning (After Live Aid))” というのは、85年7月13日に開催されたアフリカ難民救済を目的としたチャリティコンサート「Live Aid」にロジャーは参加を申し込んだものの、主催者のボブ・ゲルドフ(Bob Geldof)に断られたらしい。しかしそのイベントがこの曲を書くきっかけになったそうな。 まぁ確かにこんな難解なアルバム曲で観客と盛り上がるのは難しいわな。残念だったけど。 そんな素っ裸ヒッチハイク ロジャー・ウォーターズに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪これは是非フルアルバムをご堪能くだされ。 ヒッチハイクの賛否両論(Full Album)
2024.05.11
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『放射能』 クラフトワーク 「Radio-Activity(Radio-Aktivität)」 Kraftwerk (75) ナチス・ドイツの魂を継承して、アメリカに侵略を敢行したジャーマン・プログレッシヴ・パワー、クラフトワーク、「アウトバーン」に続く待望の最新作! エレクトロニクス・エフェクトを駆使し、無限の可能性を視覚的に表現したクラフトワーク 快心の第2弾!!A面 1. ガイガー・カウンター(放射能測定器) - Geiger Counter(Geigerzähler) 2. 放射能 - Radioactivity(Radioaktivität) 3. ラジオランド - Radioland 4. エアウェーヴス - Airwaves(Ätherwellen) 5. 中断 - Intermission(Sendepause) 6. ニュース - News(Nachrichten)B面 1. エネルギーの声 - The Voice of Energy(Die Stimme der Energie) 2. アンテナ - Antenna(Antenne) 3. ラジオ・スターズ - Radio Stars(Radio Sterne) 4. ウラニウム - Uranium(Uran) 5. トランジスター - Transistor 6. オーム・スイート・オーム - Ohm Sweet Ohm ドイツの電子音楽?テクノ・ポップ?のバンド・クラフトワーク(Kraftwerk)が75年にリリースした5thアルバム「放射能(Radio-Activity・Radio-Aktivität)」。邦題というか原題を直訳しているだけなのだが、まぁ珍しいタイトルなので取り上げてみたい。 人類史上初、且つ世界で唯一核兵器が実戦使用された国で生まれ育った者として、放射線の怖さは心に刻まれている。日本に投下された原子爆弾は2発。一つは45年8月6日に広島市に投下されたガンバレル型ウラニウム活性実弾でコードネームはリトルボーイ(Little Boy)。もう一発は同年8月9日に長崎市に投下されたプルトニウムを用いたインプロージョン方式の原子爆弾・ファットマン(Fat Man)。大量の熱線と放射線を浴びて亡くなった方は両市で20万人にも上った。 私が16歳だった86年4月26日、チェルノブイリ原子力発電所事故が起った。当時は連日報道されていたが、所詮異国の事故ということでわりと呑気にニュースを眺めていた。 放射線の恐ろしさに初めて震えたのは、99年9月30日に茨城県で起った東海村JCO臨界事故だ。施設内で核燃料を加工していた最中にウラン溶液が臨界に達して核分裂連鎖反応が発生、至近距離で多量の中性子線を浴びた作業員3名中2名が亡くなった。後年、その被爆から死に至るまでの状況をネットで知って、PC前で慄然とした。 11年3月11日には東日本大震災による福島第一原子力発電所事故が発生。チェルノブイリ原発事故と並ぶレベル7の深刻な事故だった。どこかのTV局ではプレゼント当選者として「怪しいお米 セシウムさん」などというとんでもないフリップを誤放送して大顰蹙を買ったっけ。東日本一帯が立入禁止の政府管理区域となり、新首都が「岡京」になるとの某タイムトラベラーさんの予言も懐かしい(岡山県民なので未だに覚えている) ちなみに放射線、放射能を光にたとえると、放射線は光で、放射能は光を出す能力のことだそうな(電気事業連合会HPより)。 さて、アルバム「放射能」であるが、当初のジャケットはナチス政権の宣伝省が1930年代後半に導入した国民ラジオのイラストだった。09年のリマスター盤からは放射性標識の三葉マーク(アルファ線、ベータ線、ガンマ線)が描かれているジャケットになっている。 Wikiさんによると、「放射能」は放射性崩壊(Radioactive decay)とラジオ(radio communication)をテーマに編成されたコンセプト アルバムらしい。 クラフトワークのこの頃のメンバーは、v&シンセその他のラルフ・ヒュッター(Ralf Hütter)とフローリアン・シュナイダー(Florian Schneider)、電子ドラムのカール・バルトス(Karl Bartos)とヴォルフガング・フリューア(Wolfgang Flür)の4人。このグループは現在も活動中だが、ちょくちょくメンバーが代わっており、この中で今も残っているのは創設メンバーでもあるラルフ・ヒュッターのみだ。同じ創設メンバーだったフローリアンは08年に脱退、20年に癌で亡くなった。 個人的にこういう無機質な音楽には興味をそそられないのだが、クラフトワークというグループ名を昔から知ってはいたので今回初めてアルバムを聴いてみて、世の中にはこういう音楽を受け入れられる人が大勢いるんだな…と感じた次第。勿論、悪くはないけど。 再びWikiさんによると、2012年7月7日に幕張メッセで行われた反原発ライブイベント「NO NUKES 2012」(YMOが “放射能(Radioactivity)” をカヴァーした)で このイベントに参加したクラフトワークは、同曲を福島の原発事故を明確に意識し反原発(反放射能汚染)を訴える坂本龍一さんの監修による日本語詞で歌唱し現在も世界中のライヴで歌い続けている――とのことらしい。 YouTubeにその “放射能” の福島バージョンが上がっていたので貼っておこう。反原発派だった坂本さんの詞も書いておく。原発の代替エネルギーが開発されればよいのだけれど。 放射能(Fukushima Version)←タイトル click 日本でも 放射能 きょうも いつまでも フクシマ 放射能 空気 水 すべて 日本でも 放射能 いますぐ やめろ そんなクラフトワークに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ ガイガー・カウンター(放射能測定器) ウラニウム オーム・スイート・オーム
2024.05.09
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『大狂乱スレイド一座』 スレイド 「Old New Borrowed and Blue」 Slade (74) ハード・ポップの王者スレイド、彼等のステージには聴かせて、見せて、楽しく、陽気で、という本来の姿がある。A面 1. ジャスト・ウォント・ア・リトル・ビット - Just Want a Little Bit 2. 明りが消える時 - When the Lights Are Out 3. ボクの町 - My Town 4. 虹を見つけよう - Find Yourself a Rainbow 5. マイルズ・アウト・トゥ・シー - Miles Out to Sea 6. 屋根に昇って - We're Really Gonna Raise the RoofB面 1. ドゥ・ウイ・スティル・ドゥ・イット - Do We Still Do It 2. ハウ・キャン・イット・ビー - How Can It Be 3. ドント・ブレイム・ミー - Don't Blame Me 4. マイ・フレンド・スタン - My Friend Stan 5. エヴリデイ - Everyday 6. グッド・タイム・ガールズ - Good Time Gals GWは存分に楽しめましたでしょうか?GW明け一発目は元気を出してスレイド(Slade)が74年にリリースした4thアルバム「大狂乱スレイド一座(Old New Borrowed and Blue)」を取り上げたい。 英国のロックバンドであるスレイドとの出会いは、83年にリリースされた彼等の11thアルバム「神風シンドローム(The Amazing Kamikaze Syndrome)」からシングルカットされた “ラン・ランナウェイ(Run Runaway)” のPVがMTVで流れたのを視聴したことによる。当時はMTVやらベストヒットUSAやらの洋楽番組はビデオ録画して繰り返し見ていたため、“ラン・ランナウェイ” も幾度となく見まくった。そのうちノー天気なPVとケルト調の音楽に魅了された次第である。 この「大狂乱スレイド一座」、何故こんな邦題が付けられたのかは分からないけど、まぁちょっと心の片隅には引っ掛かるタイトルだ。曲名の邦題が何の捻りもなくて勿体無いけど。 英国では70年代初頭のシングルチャートを独占していたそうで、71年~74年の間に12曲ものTOP 5シングル(内3曲が1位を記録)を出したのだとか。 勿論このアルバムも英国では1位に輝いた。芬蘭(Finland)2位、諾威(Norway)3位、豪州6位、独国20位とまずまずの成績だったが、米国では受け入れられずに168位に終わった。(ちなみに前述のシングル “ラン・ランナウェイ” は英国7位、米国でも20位) 原題は「Old New Borrowed and Blue」だが、米国では「Stomp Your Hands, Clap Your Feet」というタイトルに変更された。「大狂乱スレイド一座」はこっちの方がやや近いかも!? スレイドのメンバーはリードv&リズムgのノディ・ホルダー(Noddy Holder)、リードgのデイヴ・ヒル(Dave Hill)、bのジム・リー(Jim Lea)、dsのドン・パウエル(Don Powell)の4人。 70年代後半に一時人気が低迷したが80年代になると復活。69年のデビュー以来一度もメンバーチェンジすることなく頑張っていたが、92年にバンドの要であるノディとジムが揃って脱退。残ったデイヴとドンは新メンバーを入れてスレイドII(Slade II)として復活し、後にバンド名をスレイドに戻した。 69年生まれの私は、70年代のグラムロック(Glam rock)とかプログレ(Progressive rock)とかのジャンルにはちょっと取っ付き難いイメージを勝手に持っているのだが、そのグラムロックの中でスレイドはわりと取っ付きやすいというか聴きやすい方だと思う。このアルバムもノディの気取りの無いパワフルな歌唱に元気をもらえる。 そういえばスレイドの “クレイジー・ママ(Mama Weer All Crazee Now)” (72) や “カモン!!(Cum On Feel the Noize)” (73) はクワイエット・ライオット(Quiet Riot)がカヴァーして大ヒット!この曲が収録されたクワライの3rdアルバム「メタル・ヘルス〜ランディ・ローズに捧ぐ〜(Metal Health)」(83年リリース)は当時のHM/HRアルバムとしては珍しく全米1位に輝き、そのおかげでスレイドのリバイバル・ブームが起ったのであった。 そんなスレイドに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ ジャスト・ウォント・ア・リトル・ビット 明りが消える時 エヴリデイおまけ・1 個人的一推し曲 ラン・ランナウェイおまけ・2 クワイエット・ライオットver. “カモン!!” カモン・フィール・ザ・ノイズ by Quiet Riot
2024.05.07
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『フランク・ザッパの○△□』 フランク・ザッパ「Ship Arriving Too Late to Save a Drowning Witch」 Frank Zappa (82) ザッパは誰でもなく、また十万人。ガッシーッと楽曲主義でフランク畑でつかまえて。 船は進む、ザッパ海峡、今日もまた。アッパレ ザッパレ! 回を重ねるごとにエスカレートする超豪華解説書「マ●コ・カパックの友」(不定期刊行物)付き。A面 1. いまは納豆はいらない - No Not Now 2. えー、うっそぉ、ホントー? - Valley Girl 3. ア、いかん、風呂むせて脳わやや - I Come from NowhereB面 1. フランク・ザッパの○△□(マルサンカクシカク) - Drowning Witch 2. フランク・ザッパの▯(長方形) - Envelopes 3. 娘17売春盛り - Teen-Age Prostitute GW中は邦題界の王者たちを取り上げよう!ということで、今回はフランク・ザッパ(Frank Zappa)が82年にリリースした35thアルバム「フランク・ザッパの○△□(Ship Arriving Too Late to Save a Drowning Witch)」を取り上げたい。 ザッパといえば邦題!邦題といえばザッパ!というくらいに、日本の洋楽好きには広く知られていたザッパの面白邦題。以前取り上げた「ハエ・ハエ・カ・カ・カ・ザッパ・パ!(The Man from Utopia)」よりはマシかもしれないが、「○△□(マルサンカクシカク)」って…。やっぱり「ハエ・ハエ・カ・カ・カ…」同様、ジャケットのデザインから付けたんだろうなぁ。 しかし絶滅の危機迫る邦題界に押し寄せた原題尊重の波に飲まれたのかは知らないけど、ザッパの邦題の幾つかは原題直訳か、もしくはカタカナタイトルにしれっと変更されている。 現在このアルバムは「たどり着くのが遅すぎて溺れる魔女を救えなかった船」という原題直訳の長ったらしいタイトルとなっており、曲名の邦題も以下のとおり。A面 1. ノー・ノット・ナウ - No Not Now 2. ヴァリー・ガール - Valley Girl 3. アイ・カム・フロム・ノーウェア - I Come from NowhereB面 1. 溺れる魔女 - Drowning Witch 2. エンヴェロウプス - Envelopes 3. 十代の娼婦 - Teen-Age Prostitute “ア、いかん、風呂むせて脳わやや(I Come from Nowhere)” は誰もが一度は「あいかむふろむのーうぇあ」と声を出して邦題のバカバカしさを確認してみただろう。“いまは納豆はいらない(No Not Now)” は「のっとなう」を納豆に無理やりこじつけたセンスが素晴らしい。“娘17売春盛り(Teen-Age Prostitute)” は「娘十八 番茶も出花(正しくは鬼も十八 番茶も出花)」っぽくて語感がいいけど、まぁ今のご時世で売春盛りはよろしくないかな。 日本では邦題で語られることの多いザッパのアルバムだが、普通に楽曲もよいのである。 「○△□」は全米Billboardチャートで23位とまずまずの成功を収め、シングルカットされた“えー、うっそぉ、ホントー?(Valley Girl)” も32位に達した。この曲ではザッパの娘で当時14歳だった娘のムーン(Moon Zappa)がラップを担当。父ザッパは真夜中にムーンを起こしてスタジオに連れて行き、彼女が友人たちと交わした会話を再現させたという。その後、彼女は女優、歌手として活動しており、昨年8月には「Earth to Moon」という回想録を出版している。 ザッパ門下生であるスティーヴ・ヴァイ(Steve Vai)は、80年代前半にフランク・ザッパ・バンドのギタリストとしてザッパの演奏不可能なパートを受け持っていたようで、この「○△□」にも当然参加している。スティーヴ・ヴァイといえば、86年に公開された映画「クロスロード(Crossroads)」にも出演。十字路に現れる悪魔に魂を担保にブルースの極意を得るという契約を交わした「クロスロード伝説」をモチーフにした映画で、スティーヴが演じたのは十字路に現れた悪魔の手先であるギタリスト、ジャック・バトラー(Jack Butler)。ラルフ・マッチオ(Ralph Macchio)演じる主人公・ユジーン(Eugene Martone)とのギター対決ではユジーンが勝利するのだが、ラルフくんファンの私でも流石にいやいや、スティーヴには勝てんやろ…と心の中で思ったものだ。 ザッパは93年に前立腺癌により52歳で死去。変な邦題のおじさんとしか思っていなかったが、彼の音楽にもっと早くから触れておけばよかった。邦題からは想像が付かない格好良さがある。 最後に、帯文句にある「マ●コ・カパック(Manqu Qhapaq)」とはインカ神話によるクスコ王国の初代国王であるのだが、そのまま書いたらアップ不可だったため一字伏字にした。別にエロとは無関係なのに… そんなフランク・ザッパに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ えー、うっそぉ、ホントー? ア、いかん、風呂むせて脳わやや 娘17売春盛り
2024.05.06
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『原子心母』 ピンク・フロイド 「Atom Heart Mother」 Pink Floyd (70) ピンク・フロイドの道はプログレッシヴ・ロックの道なり!A面 1. 原子心母 - Atom Heart Mother 1. 父の叫び - Father's Shout 2. ミルクたっぷりの乳房 - Breast Milky 3. マザー・フォア - Mother Fore 4. むかつくばかりのこやし - Funky Dung 5. 喉に気をつけて - Mind Your Throats Please 6. 再現 - RemergenceB面 1. もしも - If 2. サマー '68 - Summer '68 3. デブでよろよろの太陽 - Fat Old Sun 4. アランのサイケデリック・ブレックファスト - Alan's Psychedelic Breakfast 1. ライズ・アンド・シャイン - Rise and Shine 2. サニー・サイド・アップ - Sunny Side Up 3. モーニング・グローリー - Morning Glory GW中は邦題界の王者たちを取り上げよう!ということで、今回は英国が誇るプログレ(Progressive rock)の先駆者であるピンク・フロイド(Pink Floyd)が70年にリリースした5thアルバム「原子心母(Atom Heart Mother)」を取り上げたい。 古の中国で作られた四字熟語のような「原子心母」という邦題は単に原題直訳で、Atom=原子、Heart=心、Mother=母ということから付けられたとのこと。発売から50余年、この言葉に何か意味を持たせてもいいのではないかと思うくらい馴染んでしまっている。 この不思議なタイトル、元々無題だったがBBCラジオでコンサート放送を流すにあたりタイトルが必要となり、たまたま持っていたタブロイド紙のコピーから見つけようということで、プルトニウム238を動力源とするペースメーカーの埋め込みに成功した女性についての記事の見出し “atom heart mother named” が目に留まったことから付けられたという。 邦題もだが、このジャケットの牛もインパクトが大きい。タイトルやバンド名の記載はなくて、ただ牛がデーンと写っているだけという斬新なデザインを担当したのは、英国のデザイングループであるヒプノシス(Hipgnosis)。彼等はピンク・フロイド以外にもロイ・ハーパー(Roy Harper)の「精神本部(HQ)」やナザレス(Nazareth)の「競獅子(Rampant)」等、数多くのカバーデザインを手掛けた。ちなみにこのアルバムジャケットの牛さん、ルルベル3世(Lulubelle III)という洒落た名前だそうな 65年に結成されたピンク・フロイドの創設メンバーは、g&voのシド・バレット(Syd Barrett)、bのロジャー・ウォーターズ(Roger Waters)、keyのリチャード・ライト(Richard Wright) 、そしてdrのニック・メイスン(Nick Mason)の4人だった。 67年に「夜明けの口笛吹き(The Piper at the Gates of Dawn)」という素晴らしい邦題のデビューアルバムをリリース。当初の邦題は「サイケデリックの新鋭」だったらしい(Wikiさんより)。しかしシドがこの頃から既に過剰なドラッグ摂取で正常な状態ではなかったようで、翌年には新たなgとしてデヴィッド・ギルモア(David Gilmour)が加入してシドは脱退。79年にリチャードが首宣告されるまでは(後に復帰)暫くこの4人体制で、「原子心母」制作時もこの4人のメンバーだった。 ドラッグ中毒などで精神を病んだシドは70年に「帽子が笑う…不気味に(The Madcap Laughs)」というイカした(死語)邦題でソロアルバムをリリース。同年に2ndアルバム「その名はバレット(Barrett)」を出したのを最後にシドは表舞台から去り、06年に60歳でこの世を去った。リチャードも08年に癌により65歳で他界している。 一方、ギルモアさんは先月24日に5thソロアルバム「Luck and Strange」を9月6日にリリースすると発表、10月からツアーを行う予定だという。またロジャーも昨年、ピンク・フロイドが73年にリリースした8thアルバム「狂気(The Dark Side of the Moon)」の発売50周年記念盤「The Dark Side of the Moon Redux」を新たにレコーディングしてリリースした。この二人の対立(というかロジャーの独裁化)がバンド崩壊を招いて85年にロジャーが脱退。そこからは色々とゴタゴタしたようだが、05年7月に開催されたLIVE 8では20年ぶりにメンバー4人が揃って演奏した。 実は「原子心母」を通して聴いたのは今回が初めてだったが、当時は若者達もこのアルバムを聴いて衝撃を受けたのだろうか。A面に丸々収録されている “原子心母(Atom Heart Mother)” は20分超で5つのパートからなるクラシック調の大作だ。おばはんになってからのんびり聴く分にはいいが、若い頃だとおそらく聴いていられなかった気がする。 このアルバムは英国で1位を獲得したが、米国では55位止まりだった。ノー天気な米国人(褒め言葉)にはこういう作品は合わなかったのだろう。まぁしかし「狂気」で初の全米1位に輝いて以降は出すアルバム全てが世界中で大ヒットするのだけれど。 そんなピンク・フロイドに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ 今回はフルアルバムをお楽しみくだされ。 原子心母(Full Album)
2024.05.05
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『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』 ビートルズ 「A Hard Day's Night」 The Beatles (64) 映画は音楽を変え、音楽は映画を変える。“視” と “聴” を初めて密着させたビートルズのサントラ傑作A面 1. ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(ハード・デイズ・ナイト) - A Hard Day's Night 2. 恋する二人 - I Should Have Known Better 3. 恋におちたら - If I Fell 4. すてきなダンス - I'm Happy Just to Dance with You 5. アンド・アイ・ラヴ・ハー - And I Love Her 6. テル・ミー・ホワイ - Tell Me Why 7. キャント・バイ・ミー・ラヴ - Can't Buy Me LoveB面 1. エニータイム・アット・オール - Any Time at All 2. ぼくが泣く - I'll Cry Instead 3. 今日の誓い - Things We Said Today 4. 家に帰れば - When I Get Home 5. ユー・キャント・ドゥ・ザット - You Can't Do That 6. アイル・ビー・バック - I'll Be Back GW中は邦題界の王者たちを取り上げようと思い、まずはビートルズ(The Beatles)が64年にリリースした3rdアルバム「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(A Hard Day's Night)」について。 このアルバムは64年に公開されたビートルズの初主演映画「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(A Hard Day's Night)」のサントラ盤なので、元々は映画評論家の水野晴郎さんが日本ユナイト映画の宣伝部長(だか宣伝総支配人だか)だった頃に付けた邦題だ。なかなかインパクトのある邦題だったものの普通に「ヤァヤァヤァ」と呼んでいたのだが、00年に映画が再上映された際に「ハード・デイズ・ナイト」とカタカナタイトルに改められ、このアルバムのタイトルも同じくカタカナタイトルに改められてしまった。そしてA-1のタイトルソングも “ア・ハード・デイズ・ナイト(A Hard Day's Night)” になっているそうだ。 私が姉の影響でビートルズを聴くようになったのはちょうど中学に上がる12~3歳の頃(82年)で、中高生時代はビートルズ・シネ・クラブ(BCC)というファンクラブに入っていた。ビートルズ映画の上映会が活動の中心だったようだが、田舎の学生だった私は毎月送られる会報誌だけが楽しみだった。そういえばジョン・レノン(John Lennon)ファンだった姉はHOHNER製のハーモニカを通販で購入していたっけ。 高1ぐらいの時に地元の市民文化ホールでBCC主催の上映会があり、ビートルズ初のアニメ映画「イエロー・サブマリン(Yellow Submarine)」(68年公開)を観た。ビートルズに全く興味のなかった当時の彼氏にお願いして一緒に鑑賞したが、今にして思えば相当キツかっただろうなぁ。ファン以外の10代の男の子が楽しめる作品ではなかったように思う。 さて「ヤァヤァヤァ」に話を戻すと、A面が映画のサウンドトラックでB面が新たにレコーディングされた曲だ。私はジョージ・ハリスン(George Harrison)のファンだったが、ジョージのヴォーカル曲は “すてきなダンス(I'm Happy Just to Dance with You)” のみで作詞作曲は全てジョンとポール・マッカートニー(Paul McCartney)によるもの。でもってリンゴ・スター(Ringo Starr)のヴォーカル曲は今作ではなし。 このアルバムの中で個人的に好きなのは “恋におちたら(If I Fell)” と “今日の誓い(Things We Said Today)”。 “恋におちたら” はジョンの曲でヴォーカルはジョン&ポールが取っており、“今日の誓い” はポールの曲でヴォーカルも彼が務めている。 この映画にビートルズファンの女学生役で出演したパティ・ボイド(Pattie Boyd)は66年にジョージと結婚。“ヤァ!ヤァ!ヤァ!” の曲をバックにメンバーが群がるファンから逃れるために走っているシーンで派手にすっ転んだジョージに母性本能がキュンッと擽られたのかしらん。しかし74年に離婚し、79年にはジョージの友人であるエリック・クラプトン(Eric Clapton)と再婚したものの89年に離婚した。ジョージの代表作の一つである“サムシング(Something)” 、そしてクラプトンのこれまた代表作の一つである “いとしのレイラ(Layla)” にもパティはインスピレーションを与えている。また、ジョンもローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)のミック・ジャガー(Mick Jagger)もパティに惹かれていたとのこと。若い頃のパティは本当にキュートで可愛いから納得。 …おっと、話がそれてしまった。このアルバムは当然ながら英米はじめ各国で1位を記録。とはいっても北米盤は少し収録曲が違っているけど。 発売から60年経った現在でも飽きることなく聴き続けているビートルズ。80年にはジョン、01年にはジョージが鬼籍に入ってしまったが、ポールとリンゴにはまだまだ長生きしていただきたい。 そんなビートルズに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ! キャント・バイ・ミー・ラヴ すてきなダンス 恋におちたら
2024.05.04
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『血染めの鉄鎚(ハンマー)』 メタリカ 「Kill 'Em All」 Metallica (83) 俺たちはN.Y.で最も毒のあるメタル・バンドさ!!A面 1. ヒット・ザ・ライツ - Hit The Lights 2. 電撃の騎士 - The Four Horsemen 3. モーターブレス - Motorbreath 4. 炎のジャンプ - Jump In The Fire 5. プリング・ティース - (Anesthesia) Pulling Teeth 6. 鞭 - WhiplashB面 1. ファントム・ロード - Phantom Lord 2. 懺悔無用 - No Remorse 3. 見つけて壊せ - Seek And Destroy 4. メタル軍団 - Metal Militia 「『100 Best Debut Albums of All Time』の懐かし邦題」という駄記事を10日前に綴った際にも触れたが、メタリカ(Metallica)が83年にリリースしたデビューアルバムには「血染めの鉄鎚(ハンマー)(Kill 'Em All)」という如何にもな邦題が付いていた。それが今では「キル・エム・オール」という平凡なカタカナタイトルに改められたうえ、曲名の邦題までもが全て消え去っている。…まぁそれが元々のタイトルではあるのだけど。とはいえ「血染めの鉄鎚(ハンマー)」ってジャケットを見たまますぎて、捻りが足りなかったわな。 このデビューアルバムは全米66位とまずまずであったが、91年にリリースした5thアルバム「メタリカ(Metallica)」が初のBillboardチャート1位に輝き、以降はアルバムをリリースする度に1位を獲得していた。残念ながら昨年4月にリリースした11thアルバム「72シーズンズ(72 Seasons)」は全米チャートだと2位止まりだったみたいだが、英・独・豪など世界各国では相変わらず1位に輝いたようだ。 「血染めの鉄鎚(ハンマー)」を聴きながらこれを書いているが、デビューアルバムながら完成度は高い。“後にスラッシュメタルの先駆けとして再評価された作品” とのこと(Wikiさん参照)。 83年といえば英国のNWOBHM(New Wave of British Heavy Metal)や米国西海岸発のLAメタル等に代表されるHR/HMブームに差し掛かった頃だった。当時はアイアン・メイデン(Iron Maiden)やハノイ・ロックス(Hanoi Rocks)、モトリー・クルー(Mötley Crüe)等を好んで聴いていたが、メタリカが数年早く大ヒットしていたら間違いなく好きになっていただろう。 さて、このアルバム収録時のメタリカのメンバーはというと、vo&gのジェイムズ・ヘットフィールド(James Hetfield)、gのカーク・ハメット(Kirk Hammett)、bのクリフ・バートン(Cliff Burton)にdrのラーズ・ウルリッヒ(Lars Ulrich)の4人。 カークの前にリードgを務めていたのがデイヴ・ムステイン(Dave Mustaine)。アルバム収録のため向かった先のNYで解雇を宣告されたという。失意のデイヴはその後メガデス(Megadeth)を結成。メタリカと共に “スラッシュメタルBIG4” と評され、グラミー賞に12回もノミネートされるまでに。メガデスといえば、ギタリストだったマーティ・フリードマン(Marty Friedman)が脱退後は何故か日本で活動していてちょっとビックリ。 メタリカに話を戻すと、86年にリリースされた3rdアルバム「メタル・マスター(Master of Puppets)」ぐらいしかちゃんと聴いたことはなかったのだが、このメタル・マスターっていうのも地味に妙な邦題だよね。それはともかく、個人的には3rdよりこの「血染めの鉄鎚(ハンマー)」の方が好みかも。デビューアルバム特有の荒っぽさがいい感じに攻撃的で格好いい。最近のメタルは知らないけど、ギターの速弾きが80年代っぽくていいよね。 今更だけどいいなぁ、メタリカ。50歳を過ぎたら演歌とかに興味が向くかと思っていたけど、やっぱりロックが最高だ!BBAになってもやっぱりHR/HMが好きだ! そんなメタリカに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ 電撃の騎士 鞭 見つけて壊せ
2024.05.01
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