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2012.05.09

永遠の道士様！ラム・チェンイン（林正英）祭 - 第19夜

カテゴリ：林正英＆霊幻道士

　「 永遠の道士様！ラム・チェンイン（林正英）祭 」第19夜の今宵は、台湾で製作された91年公開の「 零時十分 」を御紹介。といっても詳しいことはよく分からないが。
　一応ラム先生と キャリー・ン （呉家麗。以下家麗姐さん）が主役ということになってはいるものの、ラム先生の役どころは物語に全く無関係なうえ、全出演シーンを合計しても５分程度だったりする　家麗姐さんの方はまぁそこそこ出番があるけど、実質上の主役は 蕭玉龍 （シュオ・イロン）と 楊文萱

　昔々中国の山奥で、家麗姐さん演じる蘇君という綺麗なお姉さんと龍武という逞しい若者の夫婦、そして彼の弟も一緒に三人で仲良く暮らしておったんじゃ。
　ある日楊文萱演じる秀姑という美しくも恐ろしげな女が留守を守る蘇君の目の前に突如現れての、すると何故か蘇君が詫び始めたんじゃ。何でも龍武は昔、天下第一剣（天下一の剣豪）を目指すべく秀姑の想いを踏み躙ってポイ捨てしておきながら蘇君を妻（もしくは内縁の妻）にしたらしく、秀姑は２０年もの間ずっと恨みを抱き続けておるとのこと。龍武は後悔して剣を封じたのじゃが、今では彼の弟である蕭玉龍演じる方雲が天下第一剣になりたがっておった。
　そのことを知った秀姑は「どれ、私が手合わせしてみようぞ」と早速方雲の実力を試してみたが、「そんなんじゃ天下第一剣なんて無理！夢だわね、ホホホ」とバカにして去っていってしもうた。
　「くっそぉ！オレは天下第一剣だ！」と方雲が悔しがっておったところに、ラム先生演じる謎の老人がひょっこり現れ、「まだまだ若いのォ…」とこれまたバカにされた。腹を立てた方雲が老人に襲い掛かるも、老人はあっさり方雲をやっつけたうえ怪我を負った方雲をポイと蘇君の待つ家に投げ込むと、「世の中にはまだまだ強い者がたくさんおるぞよ」と言い残して消え去ったんじゃ。
　弟を心配した龍武が封じていた剣を手に秀姑の元に乗込んだ頃、方雲は自宅で蘇君に怪我の手当てをしてもらっておったんじゃが、二人の前に突然現れた忍者（？）から煙のようなものを撒かれて倒れてしもうた。
　さて秀姑から何やら吹き込まれた龍武が家に戻ってみると、そこには乱暴されて死んでいるらしい蘇君と、彼女に縋る方雲の姿が。「秀姑の言っていたことは本当だったのか！」　逆上した龍武は方雲が蘇君を襲ったと勘違いし、即座に方雲を刺し殺してしもうたんじゃ、秀姑の龍武に対する復讐の第一歩とも知らずに…。
　すぐさま役人が踏み込んできて龍武は捕らえられたが、牢獄の中でとある囚人が龍武に不思議なことを告げた。曰く「復讐するには3,000年待たねばならぬ。死刑の際には傘で頭と身体を覆え。そうすればお前の霊魂は身体から離れることが出来る。1,000年後、輪廻の途中で復讐する機会が訪れるであろう」と―。

　後日龍武は処刑されたんじゃ、囚人が告げたとおり傘で覆っての。斬首の際に飛び散った血が傘に降り注いでおったわ。

　舞台は一転、囚人の作業場へと移る。刑事（方雲）の目の前で囚人（龍武）が脱走を図るも、追いついた刑事が囚人を撃ちまくる。死んだ囚人の下に、あの龍武が処刑された際の傘がどこからともなく飛んできて…とここで下記の字幕が。悪夢の幕は再び開かれたのであーる。

　時光飛逝　輾轉輪廻　人生如夢　夢如人生　?一個悪夢又開始了

　そしてまたしても舞台は移り、現代の香港―。
段老板となっていた。ある日、綺麗なお姉さん・蘇君が秀姑に会いにやって来た。二人がどういう間柄なのかよく分からないが、ともかく知己ということで蘇君はしばらく秀姑の家にやっかいになることに。
　蘇君は導かれるようにして街の雑貨屋の店頭に飾られている傘を手に取る。それは売物ではなかったが、頼み込んで譲ってもらう。
　油麻地警察では方組長こと刑事の方雲らが麻薬ディーラーでもある秀姑と 高振鵬 演じる古爺との麻薬取引を追っていた。
　と、ここで何の脈絡も無くラム先生演じる道士が登場する。道衣を着て部屋で瞑想中の道士の脳裏に何故か蘇君の傘が浮かび、目を開ける。
　そして方雲の元に道士から手紙が届く。「兩千年？毒品？」方雲は首を傾げるも、麻薬取引の場所と時間を知らせるものだと気付き（おそらく）、秀姑と古爺の取引現場へと向かう。激しい銃撃戦の中で、方雲は秀姑を追い詰めるが後一歩のところで取り逃がしてしまう。
　果たして方雲や龍武は三千年前の復讐を遂げることが出来るのか…。

　まぁいきなりネタばれしてしまうと、アンティークオークション会場で競売に出された一対の古剣（嘗て龍武と方雲が所有していた剣）を落札し損ねた秀姑は、落札した蘇君と方雲にやられるわけなのだが…。蘇君が「龍武、請?…（力を貸して！）」と叫びつつ傘を差しながら剣で秀姑を刺し、方雲が「這就是因果循環（カルマだぜ！）」と仕留めるのだ。すると蘇君の身体から龍武が現れ、二人は相合傘で去っていく→劇終。ええッ!? 方雲の今までの苦労は何!?

　ラム先生は3,000年前の謎の老人並びに現世での謎の道士役で登場。白のざっくりしたポロシャツ＆ジーンズ姿で蘇君を訪ねるシーン（１分ちょい）が本作におけるラム先生の最高の見せ場かもしれない。とはいえストーリーとはほぼ無関係のこの場面がジャケットになるなんて（↓画像向かって右側）、蕭玉龍が余りに気の毒だ…(´Д⊂ヽ
零時十分.jpg